JPH07280766A - 炭酸ガス検知素子及びその製造方法、炭酸ガスの検知方法 - Google Patents

炭酸ガス検知素子及びその製造方法、炭酸ガスの検知方法

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JPH07280766A
JPH07280766A JP9918394A JP9918394A JPH07280766A JP H07280766 A JPH07280766 A JP H07280766A JP 9918394 A JP9918394 A JP 9918394A JP 9918394 A JP9918394 A JP 9918394A JP H07280766 A JPH07280766 A JP H07280766A
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carbon dioxide
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impedance
magnesium oxide
carbonic acid
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JP9918394A
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Takamasa Isobe
隆昌 磯部
Masaki Kato
正樹 加藤
Noriyoshi Yamauchi
則義 山内
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Noritake Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】比表面積が10m2/g以上の酸化マグネシウ
ム粉体と、酸化銅粉体または水酸化銅粉体を混合し成形
され、次いで熱処理されて形成される、酸化マグネシウ
ム粒子のモル含有率が50%より多く且つ80%以下で
酸化銅粒子と混合されてなる混合物複合体を炭酸ガス検
知素子本体とし、前記素子本体上に少なくとも一種の金
属元素による少なくとも一対の電極を有し、当該素子本
体のインピーダンスまたは抵抗値の変化を指標として炭
酸ガスを検知するための炭酸ガス検知素子。 【効果】セラミック小片よりなる検知素子本体に一対の
電極を形成しただけの構造なの、で、小型軽量化が可能
であり且つ製造が容易である。更に、炭酸ガスの検出は
インピーダンスまたは抵抗値の変化に基づいているの
で、検出駆動回路が簡単になり、装置全体の低価格化が
図れる。また、信頼性高く炭酸ガス濃度を測定すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭酸ガス検知素子及び
その製造方法、更には前記炭酸ガス検知素子を用いる炭
酸ガスの検知方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】野菜、果実、および生花のハウス栽培に
おいて、炭酸ガス濃度を適当に高めることによって、こ
れらの植物の育成の促進が図られており、炭酸ガス濃度
を制御するために、炭酸ガス濃度測定装置が使用されて
いる。
【0003】また、ビルの室内空調や地下駐車場の空調
において、空気の質の管理を行う為に、空気の汚染指標
として炭酸ガスの濃度を採用するという考えがあり、炭
酸ガス濃度測定装置が使用されている。その他にも工場
等の排ガスの監視などの工業用、火災の早期発見などの
防災用等幅広い分野で使用されている。
【0004】これらの目的の為の炭酸ガス濃度測定に
は、赤外線方式の炭酸ガス濃度測定装置が知られてお
り、近年では、熱伝導演算法、隔膜式ガラス電極法、ナ
シコンのような固体電解質を用いたものも知られるよう
になった。
【0005】例えば、特開平3−123848号公報で
は、リチウムイオン導電性固体電解質を用いた炭酸ガス
濃淡電池型の炭酸ガス濃度測定用センサが開示されてい
る。一方、特開平3−133453号公報には、ナシコ
ン(ナトリウムイオン伝導体セラミック)を使用し、そ
れが所定の温度条件下で炭酸ガスと接した時の電池反応
による起電力を検出することにより、炭酸ガスを検知す
る炭酸ガスセンサが開示されている。
【0006】また、2種類以上の酸化物からなる混合
物、例えばCuO−BaTiO3系酸化物や、これに金
属又は他の酸化物を添加したものからなる素子の静電容
量がその炭酸ガス濃度によって変化することに着目し
て、この素子を炭酸ガスセンサとして使用することも提
案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、赤外線
方式の炭酸ガス濃度測定装置は比較的高価であるため、
上述の分野での利用が進まないでいる。一方、熱伝導演
算法、隔膜式ガラス電極法、ナシコンのような固体電解
質を用いた方法でも、装置が大型化してしまい且つ高価
であり、更には再現性や経時安定性に乏しく汎用性に欠
ける。
【0008】また、上記のCuO−BaTiO3系酸化
物等の静電容量の変化に着目した方法では、静電容量を
検出するための駆動回路の複雑化が免れず、やはり簡便
性、経済性に不満を残す。
【0009】そこで、本発明者らはできるだけ安価に提
供できる炭酸ガスの検知素子及び炭酸ガスの検知方法を
既に特開平6−27071号公報に開示した。特開平6
−27071号公報は2種類以上の酸化物粒子からなる
混合物又は2種類以上の酸化物粒子と炭酸塩粒子からな
る混合物を検知素子本体とし、該検知素子本体のインピ
ーダンス又は抵抗値の変化を指標とすることにより炭酸
ガスを検出する炭酸ガス検出素子に関する技術である。
【0010】混合物内の異種粒子が接触している界面で
は、ショトキー障壁や半導体のPN接合による障壁が存
在しており、電気伝導性に関与しているこの粒子の表面
に炭酸ガスが吸着、又は、粒子表面近傍の炭酸化が起こ
ると、それに伴って起こる電子の授受により、障壁の大
きさが変化し、その結果インピーダンス及び抵抗値が変
化することによる。
【0011】また、単独でも炭酸ガスに対して感度があ
るにも関わらずインピーダンスないし抵抗値が高いため
に正確な測定が困難である粒子に対して炭酸ガス検知温
度において低インピーダンス又は低抵抗である粒子を混
合することによって、混合物全体のインピーダンス及び
抵抗値を低くして測定を容易にさせたものであった。
【0012】上記公報記載の技術は、単純な構造且つ方
法で炭酸ガスを検出することができ、小型軽量性にも優
れているが、検知感度において未だ不満の残るものであ
った。
【0013】そこで、本発明は小型軽量性に優れ且つ工
業的に安定して低価格で製造することができ、更には炭
酸ガスに対する感度にも優れた炭酸ガス検出素子及びそ
の製造方法、更には前記炭酸ガス検出素子を用いる炭酸
ガスの検出方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】特開平6−27071号
公報では、セラミックに電極を付けただけの単純な構造
を有する素子本体で、素子本体のインピーダンスまたは
抵抗値を測定し、その変化から炭酸ガス濃度を求めると
いう、測定のための検知素子の駆動方法も極めて簡易な
方法を提供し、炭酸ガス検知素子の小型化及び低価格化
を実現させたものである。しかし、上述の如く感度がな
お低いという欠点を有していた。
【0015】そこで、本発明者らは、上記公報記載の技
術の長所を生かし、且つ短所を改善するために、即ち感
度を高くするために、検知素子を構成すべき材料につい
て検討を行い、本発明を完成させたものである。
【0016】従って、本発明は比表面積が10m2/g
以上の酸化マグネシウム粉体と、酸化銅粉体または水酸
化銅粉体を混合し成形され、次いで熱処理されることに
より形成される、酸化マグネシウム粒子のモル含有率が
50%より多く且つ80%以下の割合で酸化銅粒子と混
合されてなる混合物複合体を炭酸ガス検知素子本体と
し、当該炭酸ガス検知素子本体のインピーダンスまたは
抵抗値の変化を指標として炭酸ガスを検知する炭酸ガス
検知素子に関する。
【0017】また、本発明は前記炭酸ガス検知素子の製
造方法も提供するものであり、比表面積が10m2/g
以上の酸化マグネシウム粉体と、酸化銅粉体又は水酸化
銅粉体を、熱処理後に生成される酸化マグネシウム粒子
と酸化銅粒子中における酸化マグネシウム粒子のモル含
有率が50%より多く且つ80%以下となる割合で均一
に混合し、ペレット状にプレス成形し又は絶縁基板上に
塗布し、その後加熱処理を行って形成される酸化マグネ
シウム粒子と酸化銅粒子の複合体を検知素子本体とし、
当該検知素子本体上に少なくとも一種の金属元素により
少なくとも一対の電極を形成し、前記検知素子本体のイ
ンピーダンス又は抵抗値の変化を測定できるように構成
される炭酸ガス検知素子の製造方法にも関する。
【0018】本発明は、同時に前記炭酸ガス検知素子を
使用する炭酸ガスの検知方法、即ち炭酸ガスを含む気体
と接触させ、当該検知素子本体のインピーダンス又は抵
抗値の変化を測定し、その変化を指標として炭酸ガス濃
度を決定させる炭酸ガスの検知方法をも提供するもので
ある。
【0019】
【作用及び好適な実施態様】特開平6−27071号公
報は2種類以上の酸化物粒子からなる混合物又は2種類
以上の酸化物粒子と炭酸塩粒子からなる混合物を検知素
子本体として、該検知素子本体のインピーダンス又は抵
抗値の変化を指標とすることにより炭酸ガスを検出する
技術である。検知素子本体の実施例としては、メタチタ
ン酸バリウム(BaTiO3)粉体と酸化銅(CuO)
粉体とがモル比で1:1に混合されてなるもの及び酸化
マグネシウム(MgO)粉体と酸化銅(CuO)粉体と
がモル比で1:1に混合されてなるものなどを開示して
いる(前記公報図2〜図4参照)。
【0020】本発明者らの検討の結果、検知素子本体
は、後述の如く特定のMgO粉体とCuO粉体が所定の
割合で混合してなる時に感度、精度が極めて良好にな
る。即ち、本発明は特開平6−27071号公報に記載
の技術に比べて感度、精度の点において飛躍的に進歩さ
せたものである。
【0021】本発明は、MgO粒子とCuO粒子からな
る混合物複合体であって、この混合物複合体中における
MgO粒子のモル含有率が50%より多く且つ80%以
下であることを要する。MgO粒子のみでは炭酸ガスに
対して感度が現れるが、インピーダンス又は抵抗値が高
過ぎて精度に欠けるので、比較的インピーダンス又は抵
抗値の低いCuO粒子を混合することにより、混合物全
体のインピーダンス又は抵抗値を測定に適切な範囲内に
調整し、精度を得られるようにしたものである。MgO
のモル含有率が50%以下であると、炭酸ガスを検知す
る能力にかけるため不適であり、また、80%を越えて
含有すると、逆に、インピーダンスが高くなり過ぎて正
確な測定ができなくなる。好ましくは、66%以上80
%以下である。
【0022】MgO粒子の表面に炭酸ガスが吸着し、炭
酸化が起こることにより抵抗値が変化して検知されるの
で、原料となるMgO粒子は比表面積は10m2/g以
上の微粉末であることを要する。10m2/g未満では
炭酸ガスの感度が十分ではなくなり、精度にもかける。
好ましくは30m2/g以上の微粉末を使用して製造さ
れたものである。
【0023】上述のMgO粒子とCuO粒子の混合物複
合体からなる炭酸ガス検知素子本体は、比表面積が10
2/g以上のMgO粉体とCuO粉体又はCu(O
H)2粉体とを、熱処理後に生成されるMgO粒子とC
uO粒子中におけるMgO粒子のモル含有率が50%よ
り多く且つ80%以下となるような割合で均一に混合さ
れた後、成形され、更に熱処理されて製造される。
【0024】検知素子本体の形状は、図1に示されるよ
うな粒径0.5mm〜10mmで、好ましくは粒径1m
m〜5mmの大きさで対向面を持つように若干つぶされ
た小さなペレット状が好ましく、検知素子は前記検知素
子本体の両表面に少なくとも一種の金属元素による少な
くとも一対の電極を形成したものでよいので、小型化が
容易である。また、図2の如く前記ペレットの片側平面
に櫛型電極を対向させて形成したものでもよい。また、
これらの様な形状の検知素子本体をセラミックヒーター
上に形成すると、更に小型化を図ることができる。
【0025】測定は、直流、交流のいずれでも可能であ
るが、抵抗値の測定を直流で行う場合は、電極材料がマ
イグレーションを起こし抵抗値を変化させてしまう可能
性があるので、それを避けるために、マイグレーション
を起こしにくい電極材料を選択する必要がある。好まし
い電極材料は銀、プラチナ、パラジウム、銀−パラジウ
ムなどである。
【0026】本発明による検知素子は、検知素子本体を
形成するセラミックの表面を利用するので、検知素子本
体は、多孔質体であることが望ましいが、緻密質体で
も、前述したように図2の如くその表面に櫛型電極を形
成するなどの工夫により、電極間の実質的表面積を大き
くすることで対応することも可能である。
【0027】このように、本発明は、比較的高い感度を
示し、また、検知素子本体そのものの小型化が容易であ
り、且つ検出駆動回路も単純化できるので、極めて低コ
ストで炭酸ガス濃度測定器を製作できる。従って、従来
の炭酸ガス濃度測定器が利用分野のみならず、他の分野
でも利用可能であり、その経済効果は極めて大である。
【0028】本発明による炭酸ガスの検知方法は、前述
したような本発明の検知素子が、炭酸ガスと接触させる
と、その検知素子本体のインピーダンス又は抵抗値が変
化する。この変化の程度は被測定ガス中の炭酸ガス濃度
との関係において優れた再現性を示す。従って、炭酸ガ
ス濃度既知の被測定ガス及び基準ガスでの測定値から前
もって検量線を作製しておくことにより、濃度未知の被
測定ガスについて同様にインピーダンス又は抵抗値の変
化を測定すれば、前記検量線から炭酸ガス濃度を精度良
く求めることができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳説する。
但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0030】<評価試験1>酸化マグネシウム粉体の比
表面積が表1に示すように種々異なるものを用い、更
に、この酸化マグネシウム粉体と、酸化銅粉体または水
酸化銅粉体を表1に示す如く種々の割合で混合し、円盤
状にプレス成形して、600℃から800℃の温度で約
2時間電気炉中にて加熱処理することにより、検知素子
本体を得た。この円盤状の検知素子本体の両面に、Ag
ペーストを焼き付け電極とした。このようにして形成し
た検知素子を断面で示すと、図1の如くであり、円盤状
の検知素子本体1の両端面に、電極2が付与された構成
とした。
【0031】このような検知素子を、一定温度条件下
で、400ppmの炭酸ガスを含む標準空気中に配置し
た場合と、炭酸ガスを1000ppm及び2000pp
m含む空気中に配置した場合とで、その検知素子に対し
て二端子法で交流を印加した時のインピーダンスを測定
し、それぞれの場合のインピーダンスの比を、感度とし
た。すなわち、検知素子の感度は、炭酸ガスを1000
ppm及び2000ppm含む空気中に配置した時の検
知素子のインピーダンスを、400ppmの炭酸ガスを
含む標準空気中に配置した時の検知素子のインピーダン
スで割った値で示される。このようにして求めたインピ
ーダンスの比は、表1に示された通りであった。
【0032】
【表1】
【0033】表中、感度1は600℃における100H
zの交流印加時の1000ppmの炭酸ガスを含む空気
中での交流インピーダンスを、400ppmの炭酸ガス
を含む空気中での交流インピーダンスで割った値であ
り、感度2は600℃における100Hzの交流印加時
の2000ppmの炭酸ガスを含む空気中での交流イン
ピーダンスを、400ppmの炭酸ガスを含む空気中で
の交流インピーダンスで割った値である。
【0034】また、感度3は500℃における100H
zの交流印加時の1000ppmの炭酸ガスを含む空気
中での交流インピーダンスを、400ppmの炭酸ガス
を含む空気中での交流インピーダンスで割った値であ
り、感度4は500℃における100Hzの交流印加時
の2000ppmの炭酸ガスを含む空気中での交流イン
ピーダンスを、400ppmの炭酸ガスを含む空気中で
の交流インピーダンスで割った値である。
【0035】表1から、検出素子本体中におけるMgO
粒子の比表面積が10m2/g以上であり、且つMgO
粒子とCuO粒子の混合割合がモル含有率で50%より
多く且つ80%以下である時に1000ppmという低
濃度においてもインピーダンスの比が1.2以上を表わ
し適度に大きい数字であり感度が良好であることを示
し、更に1000ppmと2000ppmとの測定値を
比較すると、両者の差が0.1以上を表わし、わずかな
濃度の差も精度良く識別し測定し得ることを示した。
【0036】<評価試験2>Cu(NO32を水溶液に
して、比表面積が30m2/g酸化マグネシウム粉体を
表1に示される割合で混合した後、蒸発乾固させて得た
粉体を、円盤状にプレス成形して、600℃で約2時間電
気炉中にて加熱処理することにより、比較例となる検知
素子本体を得た。この円盤状の検知素子本体の両面に、
Agペーストを焼き付け電極とした。このようにして形
成した検知素子を断面で示すと、図1の如くであり、円
盤状の検知素子本体1の両端面に、電極2が付与された
構成とした。
【0037】上記比較例の検知素子本体のX線回折パタ
ーンを調べたところ、MgOとCuOに帰属されるパタ
ーンが観察され、その他の化合物のパターンは観察され
なかった。従って、これらの検知素子本体は、MgO粒
子とCuO粒子で構成された複合体であるといえる。ま
た、MgO粒子とCuO粒子の比率は、出発原料粉体の
比率から換算される値になっていると考えられる。
【0038】このような検知素子を、一定温度条件下
で、400ppmの炭酸ガスを含む標準空気中に配置し
た場合と、炭酸ガスを1000ppm及び2000pp
m含む空気中に配置した場合とで、その検知素子に対し
て二端子法で交流を印加した時のインピーダンスを測定
し、それぞれの場合のインピーダンスの比を、感度とし
た。即ち、検知素子の感度は、炭酸ガスを1000pp
m及び2000ppm含む空気中に配置した時の検知素
子のインピーダンスを、400ppmの炭酸ガスを含む
標準空気中に配置した時の検知素子のインピーダンスで
割った値で示される。このようにして求めたインピーダ
ンスの比は、上記表1に示された通りである。
【0039】この比較例4及び5の検知素子本体のX線
回折パターンは、前述の如くMgOとCuOに帰属され
るパターンのみが観察され、その他の化合物のパターン
は観察されなかった。従って、これらの検知素子本体
は、MgO粒子とCuO粒子で構成された複合体である
といえる。ところが、これらの検知素子は、1000p
pm及び2000ppm含む空気中に対しては、高い感
度は示していない。これは、Cu(NO32を水溶液に
して、MgO粉体と混合したため、混合物複合体中で
は、600℃の熱処理によって生成したCuO粒子同士
が互いに接触し合う組織になり、CuO粒子のみを通っ
て電子が移動する電導様式が全電導のうちで支配的にな
っているためであると考える。
【0040】
【発明の効果】本発明の炭酸ガス検知素子は、セラミッ
ク小片よりなる検知素子本体に一対の電極を形成しただ
けの構造であるため、構造が単純であり、小型軽量化が
可能であり、かつ製造が容易である。更に、炭酸ガスの
検出はインピーダンスまたは抵抗値の変化に基づいてい
るので、検出駆動回路が簡単になるため、検出装置全体
の低価格化が容易であり経済性に優れる。
【0041】また、本発明の炭酸ガス検知素子は、感
度、再現性に優れており高精度であるため、信頼性高く
炭酸ガス濃度を測定することができる。従って、本発明
品は、空調および植物栽培の炭酸ガス制御用および排気
ガス濃度測定等に広く適用可能である。
【0042】本発明の製造方法により、上述の優れた炭
酸ガス検知素子を容易に且つ低価格で工業的に安定して
提供することができる。また、本発明の炭酸ガス検知素
子を用いる炭酸ガスの検知方法は使用する装置も安価且
つ小型であり操作が容易であるだけでなく、感度、精度
共に優れているので、信頼性高く炭酸ガスの濃度測定に
利用することができる。従って、本発明の炭酸ガス検知
方法は、空調および植物栽培の炭酸ガス制御用および排
気ガス濃度測定等に広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭酸ガス検知素子の構造例を示す概略
断面図である。
【図2】本発明の炭酸ガス検知素子の更なる構造例を示
す概略平面図である。
【符号の説明】
1…検知素子本体 2…電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山内 則義 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】比表面積が10m2/g以上の酸化マグネ
    シウム粉体と、酸化銅粉体または水酸化銅粉体を混合し
    成形され、次いで熱処理されることにより形成される、
    酸化マグネシウム粒子のモル含有率が50%より多く且
    つ80%以下の割合で酸化銅粒子と混合されてなる混合
    物複合体を炭酸ガス検知素子本体とし、前記炭酸ガス検
    知素子本体上に少なくとも一種の金属元素による少なく
    とも一対の電極を有し、当該炭酸ガス検知素子本体のイ
    ンピーダンスまたは抵抗値の変化を指標として炭酸ガス
    を検知することを特徴とする炭酸ガス検知素子。
  2. 【請求項2】前記酸化マグネシウム粉体が、比表面積3
    0m2/g以上の微粒粉体であることを特徴とする請求
    項1記載の炭酸ガス検知素子。
  3. 【請求項3】前記混合物複合体中における酸化マグネシ
    ウム粒子と酸化銅粒子のモル含有率が66%以上80%
    以下であることを特徴とする請求項1記載の炭酸ガス検
    知素子。
  4. 【請求項4】前記混合物複合体が粒径0.5mm〜10
    mmの対向面を持つペレット状であることを特徴とする
    請求項1から3の一に記載の炭酸ガス検知素子。
  5. 【請求項5】前記混合物複合体が多孔質体であることを
    特徴とする請求項4に記載の炭酸ガス検知素子。
  6. 【請求項6】比表面積が10m2/g以上の酸化マグネ
    シウム粉体と、酸化銅粉体又は水酸化銅粉体を、熱処理
    後に生成される酸化マグネシウム粒子と酸化銅粒子中に
    おける酸化マグネシウム粒子のモル含有率が50%より
    多く且つ80%以下となる割合で均一に混合し、ペレッ
    ト状にプレス成形し又は絶縁基板上に塗布し、その後加
    熱処理を行って形成される酸化マグネシウム粒子と酸化
    銅粒子の複合体を検知素子本体とし、当該検知素子本体
    上に少なくとも一種の金属元素により少なくとも一対の
    電極を形成し、前記検知素子本体のインピーダンス又は
    抵抗値の変化を測定できるように構成することを特徴と
    する炭酸ガス検知素子の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1から4の一に記載の炭酸ガス検知
    素子を、炭酸ガスを含む気体と接触させ、当該検知素子
    本体のインピーダンス又は抵抗値の変化を測定し、その
    変化を指標として炭酸ガス濃度を決定することを特徴と
    する炭酸ガスの検知方法。
JP9918394A 1994-04-14 1994-04-14 炭酸ガス検知素子及びその製造方法、炭酸ガスの検知方法 Withdrawn JPH07280766A (ja)

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