JPH07280498A - 煙火用玉皮に用いる組成物及び煙火用玉皮 - Google Patents

煙火用玉皮に用いる組成物及び煙火用玉皮

Info

Publication number
JPH07280498A
JPH07280498A JP7600094A JP7600094A JPH07280498A JP H07280498 A JPH07280498 A JP H07280498A JP 7600094 A JP7600094 A JP 7600094A JP 7600094 A JP7600094 A JP 7600094A JP H07280498 A JPH07280498 A JP H07280498A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fireball
fireworks
divided body
shell
fitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7600094A
Other languages
English (en)
Inventor
Keisuke Adachi
圭介 足立
Hiroshi Sato
弘 佐藤
Katsuhiko Shimizu
勝彦 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Oil and Fats Co Ltd filed Critical Nippon Oil and Fats Co Ltd
Priority to JP7600094A priority Critical patent/JPH07280498A/ja
Publication of JPH07280498A publication Critical patent/JPH07280498A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 打揚時に未燃のまま落下する部分がなく、組
立が容易で、工業的に連続製造が容易な煙火用玉皮に用
いる組成物及び煙火用玉皮を提供する。 【構成】 煙火用玉皮1に用いる組成物は、ニトロセル
ロースと補強用繊維よりなる燃焼性繊維を主成分とし、
これにアルミニウム粉などの加熱剤が配合されている。
また、球状の煙火用玉皮1は、ほぼ半球に形成された分
割体2と、それと嵌合される半球状の分割体3とよりな
る。分割体2は、その周縁において、煙火用玉皮1の球
の中心面上に位置し90度間隔で4箇所に透設された嵌
合孔4を有する。環状結合部5は分割体3の周縁より段
差状に垂下されている。嵌合突起6は環状結合部5の外
側面に突出形成され、分割体3が分割体2に結合された
とき嵌合孔4に嵌合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、観賞用、信号用の打
揚煙火や仕掛煙火等として利用される煙火用玉皮に用い
る組成物及び煙火用玉皮に関するものである。ここで、
玉皮(たまかわ)とは、煙火用薬剤を収容する容器の役
目をするものであり、通常外殻とも呼ばれているもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば打揚煙火では、その玉皮が
新聞紙やボール紙を10〜3000枚程度重ね貼りし、
さらにその上にクラフト紙や和紙等を重ね貼りして強度
を向上させていた。このため、打揚げ時に空中で爆発し
て分散した未燃の玉皮がそのまま地上や河面へ落下する
場合があった。その場合、それら未燃の玉皮を落下場所
より回収しなければならなかった。この打揚煙火は一度
に5000発程度打揚げられるので、その回収作業に要
する労力は多大なものであった。
【0003】そこで、未燃及び燃焼中の玉皮が地上等に
落下するのを防止するために、ニトロセルロースとクラ
フトパルプを主成分とする焼尽性半球形体を成形し、そ
の外側に不燃剤を塗布した打揚煙火が提案されている
(特開平2ー195199号公報)。
【0004】すなわち、図8に示すように、半球状をな
す一対の玉皮40,41の外周面にはウレタン樹脂より
なる被覆層42が形成されるとともに、両玉皮40,4
1の接合部分がクラフト紙43により結合されている。
玉皮40,41の中心部には割薬44が装填され、導火
線45が玉皮40,41の底部を貫通して割薬44まで
達している。割薬44の外周には小割46が配置され、
さらにその外周に星47が配置されている。
【0005】この公開公報に開示されている煙火用玉皮
の場合、新聞紙等からなる玉皮と比較すれば、未燃のま
まで落下する部分の割合が減少する。
【0006】
【発明が解決しょうとする課題】ところが、この従来構
成では、煙火の号数が増し、玉皮40,41の厚みが増
すにつれ、完全燃焼しなくなる部分が生じ、依然として
未燃の落下物を完全に防止することができないという問
題があった。しかも、この玉皮40,41は、2つの半
球状の玉皮40,41をクラフト紙43を貼着すること
によって結合するものであって、組立に時間を要し、特
に工業的な連続製造が困難であるという問題があった。
【0007】この発明は、このような従来技術の問題に
着目してなされたものである。その目的とするところ
は、打揚時に未燃のまま落下する部分が生じるのを防止
できる煙火用玉皮に用いる組成物及び煙火用玉皮を提供
することにある。他の目的とするところは、組立が簡易
かつ迅速で、工業的に連続製造が容易な煙火用玉皮を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の煙火用玉皮に用いる組成物の発明
では、燃焼性繊維を主成分とし、これに加熱剤を配合し
たものである。また、請求項2に記載の煙火用玉皮の発
明では、複数の分割体を嵌合手段により結合し、内部に
煙火用薬剤を収容可能に形成したものである。さらに、
請求項3に記載の発明では、請求項2の発明において、
複数の分割体が球状体を2分割して構成したものであ
る。加えて、請求項4の発明では、請求項2の発明にお
いて、分割体の内側面に易燃性物質層を形成したもので
ある。
【0009】以下に、この発明について詳細に説明す
る。この発明に用いられる煙火用玉皮とは、主として混
合火薬類を使用して製造された花火を代表とする火工品
の外殻であって、観賞、信号、救難、玩具などに用いら
れるものをいう。燃焼性繊維は所定の強度を有するとと
もに、加熱により容易に着火し、落下するまでの間に完
全に燃焼可能なものであり、ニトロセルロースと補強用
繊維とからなるものをいう。ニトロセルロースはセルロ
ースを硝化して得られる硝酸エステルであり、窒素含有
量が増加すると燃えやすくなるが、通常12〜13%程
度である。
【0010】補強用繊維は煙火用玉皮の強度を保持する
とともに、燃焼性を確保するためののものである。この
補強用繊維としては、種子繊維、果実繊維、茎幹繊維、
木材繊維又はその誘導体等の植物繊維及び羊毛等の動物
繊維が挙げられる。これらの中でも、入手の容易性、取
扱性、補強性等を考慮すると木材繊維より得られるクラ
フトパルプが好適である。ニトロセルロースと補強用繊
維の割合は、煙火用玉皮の燃焼性と強度との関係から決
定されるが、通常ニトロセルロース55〜85重量%と
補強用繊維45〜15重量%である。補強用繊維が多く
なれば煙火用玉皮の強度は大きくなるが、相対的にニト
ロセルロースの割合が少なくなって燃焼性が低下するか
らである。
【0011】次に、加熱剤は煙火用玉皮の加熱を促進
し、燃焼性を高めるものであって、玉皮の厚みが増して
も、玉皮の完全燃焼を可能とする。この加熱剤として
は、アルミニウム粉、マグネシウム粉、アルミニウムー
マグネシウム合金粉等の金属粉や過酸化バリウム、過酸
化鉛等の酸素供給剤が挙げられる。これら金属粉のう
ち、アルミニウム粉が加熱剤としての作用や経済性の観
点から好適であり、また酸素供給剤のうち過酸化鉛がア
ルミニウム粉との組合せで用いる場合好適である。この
加熱剤を配合することにより、ニトロセルロース中の窒
素量が少なくても、煙火用玉皮の燃焼性を確保すること
ができる。
【0012】この加熱剤の添加量は、燃焼性繊維を構成
するニトロセルロースと補強用繊維との割合や煙火用玉
皮の厚さや加熱剤の種類等から決定されるが、通常燃焼
性繊維100重量部あたり1〜20重量部である。この
加熱剤が少な過ぎると玉皮の燃焼性を高めることができ
ず、多過ぎると玉皮の安定性が低下する。
【0013】なお、前記組成に加えて、ニトロセルロー
スの安定剤として、例えばエチルセントラリットやジフ
ェニルアミンを用いることができる。その場合の添加量
はニトロセルロースに対して1〜10重量%である。
【0014】また、煙火用玉皮の強度をさらに高めたい
場合には、粘結剤を配合することができる。この粘結剤
としては、例えば酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、
デンプン、カルボキシメチルセルロース等やスチレンー
ブタジエン共重合樹脂や合成ゴムラテックス等が挙げら
れる。なかでも、強度の面で好ましいのは、スチレンー
ブタジエン共重合樹脂や合成ゴムラテックスである。
【0015】また、着火性や燃焼性をさらに向上させた
い場合には、例えば半球形体をなす煙火用玉皮の内側面
に易燃性物質、例えばボロン硝石や黒色火薬をペースト
状にして塗布したり、ペレット状にして貼付けることも
できる。
【0016】さらに、保管中の吸湿や不慮の着火を防止
するために煙火用玉皮の外側面に、例えばウレタン樹脂
やアクリル樹脂等を塗布して被覆層を形成することもで
きる。
【0017】次に、この発明の煙火用玉皮の構造、特に
嵌合手段による分割体の結合の仕方について図面に基づ
いて説明する。図1は、この発明の煙火用玉皮の一例を
示す縦断面図、図2は図1のA−A線における断面図、
図3は分割された煙火用玉皮を示す分解斜視図である。
【0018】図1〜3に示すように、球状をなす煙火用
玉皮1は、ほぼ半球状に形成された分割体2と、それと
嵌合される半球状の分割体3とより構成されている。分
割体2は、その周縁において、煙火用玉皮1の球の中心
面上に位置し90度間隔で4箇所に透設された嵌合孔4
を有している。環状結合部5は分割体3の周縁より段差
状に垂下形成されている。嵌合突起6は環状結合部5の
外側面に90度間隔で突出形成され、分割体3が分割体
2に結合されたとき嵌合孔4に嵌合される。
【0019】なお、嵌合孔4と嵌合突起6の数は特に限
定されないが、実用性を考慮すれば、周方向に等間隔を
おいて3箇所あるいは4箇所に設けることが望ましい。
また、突起6の断面形状は円形でも四角形でも任意の形
状にすることが可能である。しかし、この嵌合部をネジ
構造にすることは、摩擦による着火のおそれがあること
から好ましくない。
【0020】そして、図3に示すように、分割体3の環
状結合部5が分割体2の内側に入るようにして分割体3
を分割体2に結合させると、嵌合突起6が嵌合孔4に嵌
合される。この場合、分割体3の環状結合部5の一部に
多少皺が発生してもよい。このようにして、球状をなす
煙火用玉皮1が形成される。
【0021】点火手段としての導火線7は分割体2の底
部を貫通してその先端が煙火用玉皮1の中心に達するよ
うに挿入されている。割薬8は煙火用玉皮1の中心位置
に装填され、小割9は割薬8の周囲に配置されている。
これら割薬8及び小割9は玉皮1を割って内容物を放出
させる機能を有する。これら割薬8、小割9は、過塩素
酸カリウム、硝酸カリウム、木炭粉などよりなってい
る。星10は小割9の外周に装填され、光や煙を発して
燃えながら空中を飛び、火の花などを表す。この星10
は過塩素酸カリウムなどの酸化剤、焔色剤、可燃剤など
よりなっている。
【0022】次に、この発明の煙火用玉皮の別の形状に
ついて、図6に従って説明する。この例では、分割体2
に嵌合凸部11が内方へ突出形成されている。また、分
割体3の前記環状結合部5は全周にわたって形成され、
その結合部12にはその嵌合凸部11と嵌合する嵌合凹
部13が設けられている。さらに、分割体2の内周面及
び分割体3の内周面には、ボロン硝石などの易燃性物質
よりなる易燃性物質層14が塗布又は貼付により形成さ
れている。この易燃性物質層14により、玉皮の燃焼性
を高めることができ、燃焼時間の短縮を図ることができ
る。
【0023】なお、嵌合凸部11と嵌合凹部13の断面
形状は、半円形、台形、三角形等任意の形状にすること
が可能であるが、組立を容易にするためと、組立後の玉
皮1の強度を考慮して半円であることが望ましい。加え
て、嵌合凹部13は、全周にわたっていることが望まし
いが、嵌合凸部11は必ずしも全周にわたっていなくて
もよい。
【0024】次に、この発明の煙火用玉皮の製造方法を
図4,5に基づいて説明する。図4は、吸引成形装置の
一例を示す断面図、図5は加熱圧搾成形装置を示す断面
図である。
【0025】図4に示すように、スラリー液槽15内に
は燃焼性繊維、加熱剤、粘結剤等よりなるスラリー16
が収容され、底部に設けられた攪拌機17により均一な
混合状態に保持される。吸引装置18はスラリー液槽1
5内の中心位置に配設され、半球状に形成された濾過体
19を備えている。多数の吸引用小孔20は濾過体19
の全面に設けられ、スラリー16中の水分を通過させ
る。なお、濾過体19の表面に網目の細かい金網を取付
け、スラリー中の繊維の捕集を効率良く行うようにして
もよい。円筒状の吸引管21は図示しない吸引ポンプに
接続され、濾過体19の内側に吸引された水を外部へ排
出する。
【0026】そして、燃焼性繊維と加熱剤とをスラリー
液槽15内の水に分散してスラリー16とし、必要に応
じて他の添加剤を加え、攪拌機17により攪拌を続け
る。この状態で、吸引管21から濾過体19の内側の空
気を吸引すると濾過体19の内側の空間が減圧状態にな
り、スラリー16中の水分が吸引用小孔20を介して吸
引され、吸引管21から外部へ排出される。一方、繊維
質の固形分が濾過体19の外表面に吸引され、粗分割体
22が形成される。粗分割体22が形成されたら、吸引
装置18は上方へ引上げられ、粗分割体22は濾過体1
9の表面より離型される。
【0027】図5に示すように、2つ割りの金型23,
24は分割体2,3の外周面形状に対応する成形面25
を有し、蒸気加熱装置26の収容凹所27に収容配置さ
れる。そして、蒸気加熱装置26の内部空間28に蒸気
29が送られることにより、金型23,24が所定温度
まで加熱される。粗分割体22はこの金型23,24の
成形面25に配置される。ゴム製袋30は金型23,2
4の成形面25より内方に配置され、内部に収容される
加熱水31により膨張して分割体2,3の内周面を加熱
圧搾する。このときの加熱水31の圧力は0.5〜5M
Pa (5〜50kgf/cm2 )である。なお、金型23,2
4は分割体2と分割体3のそれぞれに対応する成形面2
5を有するものが用意される。
【0028】そして、金型23,24を蒸気加熱装置2
6で加熱した状態で、粗分割体22を金型23,24の
成形面25上に載せる。次いで、ゴム製袋30を粗分割
体22の内側に配置し、ゴム製袋30内に加熱水31を
圧入してゴム製袋30を膨張させ、ゴム製袋30を粗分
割体22の内周面に圧接する。このとき、粗分割体22
は圧搾されるとともに、その両面から加熱、乾燥されて
所定形状に成形される。
【0029】なお、ゴム製袋30に代えて、玉皮1の内
径形状と同じ金型を用いてもよい。また、金型23,2
4に二つ割りのものを使用すると成形後の分割体2,3
の取出しが容易である。さらに、加熱した湯は70℃以
上にしたものが用いられ、また熱風又は電気的加熱では
約120℃である。これは粘結剤、例えば合成ゴムラテ
ックスを使用するような場合、その硬化に70℃以上の
温度を要するからである。上記の製法以外には、後述の
実施例に示すような方法で粗分割体22を成形する方法
もある。
【0030】ちなみに、上記のようにして得られる打揚
げ煙火の大きさと玉皮の厚みは、打揚げ煙火の直径9cm
(3号)で玉皮の厚みが約 2.3〜3.0mm 、打揚げ煙火の
直径15cm(5号)で玉皮の厚みが約 2.3〜3.8mm 、打
揚げ煙火の直径30cm(10号)で玉皮の厚みが約 4.5
〜7.6mm である。
【0031】
【作用】請求項1の煙火用玉皮に用いる組成物は、燃焼
性繊維を主成分とし、かつ加熱剤が配合されている。こ
のため、玉皮は加熱昇温され易く、燃焼性が高められ
る。従って、打揚げ煙火の大きさが大きくなって玉皮の
厚みが厚くなっても、打揚時の煙火用薬剤の爆発によっ
て玉皮が容易に着火し、落下するまでの間に完全に燃焼
する。また、請求項2の煙火用玉皮は、複数の分割体が
嵌合手段によりワンタッチで結合可能であるため、組立
が容易になる。
【0032】さらに、請求項3の煙火用玉皮は、複数の
分割体が球状体を2分割して構成されているため、構成
が簡易で製作が容易となる。加えて、請求項4の煙火用
玉皮は分割体の内側面に易燃性物質層が設けられている
ことから、煙火用玉皮の燃焼性を高めることができて、
燃焼時間をさらに短くすることができる。
【0033】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、この発
明をさらに具体的に説明する。 (実施例1)前記図4,5に示した吸引成形装置及び加
熱圧搾成形装置を用い、図1〜3に示した煙火用玉皮を
以下のようにして製造した。
【0034】ニトロセルロース(窒素量12、6%)5
5重量部、木材繊維からのクラフトパルプ20重量部、
合成ゴムラテックス10重量部、アルミニウム粉7重量
部、過酸化鉛7重量部及びエチルセントラリット1重量
部を水に分散させてスラリー16を調製した。そして、
このスラリー16を図4の吸引成形装置のスラリー液槽
15に仕込み、攪拌機17で攪拌した。次に、吸引管2
1より吸引して濾過体19の内側に吸引された水を外部
へ排出し、濾過体19の外表面に粗分割体22を形成し
た。
【0035】この粗分割体22を図5に示す加熱圧搾成
形装置の120℃に加熱された2つ割りの金型23,2
4に入れた後、粗分割体22の内側にゴム製袋30を挿
入した。次いで、ゴム製袋30に70℃に加温した加熱
水31を送り込み、粗分割体22を金型23,24に押
しつけて加熱圧搾し、所定形状の分割体3を成形した。
【0036】同様な方法により、これに対応する他方の
分割体2も成形した。そして、これらの分割体2,3の
各々に所定量の割薬8、小割9及び星10を詰め、環状
結合部5の嵌合突起6を嵌合孔4に嵌合させて4号打揚
煙火を製造した。なお、この4号打揚煙火の直径は12
cm、玉皮1の厚みは約2.3 〜3.0mm である。
【0037】この打揚煙火を通常の方法で打揚げたとこ
ろ、玉皮1は割薬8の爆発で破壊、着火し、地上に落下
するまでに完全燃焼した。従って、地上に破片が散乱す
ることはなかった。 (実施例2)図6に示す煙火用玉皮1を実施例1に準じ
て製造した。但し、玉皮1の厚みを6mmとした。なお、
両分割体2,3の内側には、ボロン硝石を約0.2〜
0.3mmの厚さになるように塗布して易燃性物質層14
を形成した。
【0038】実施例1と同様な方法で4号打揚煙火を製
造し、同様な方法で打揚げたが玉皮1の破片が地上に散
乱することはなかった。 (比較例1)実施例1において、アルミニウム粉及び過
酸化鉛を添加しない以外は実施例1に準じて半球形体の
煙火用玉皮を各々製造した。なお、半球形体同士の結合
はクラフト紙を用いて糊で貼り付けた。さらに、煙火用
玉皮の外周にウレタン樹脂を約0.05mmの厚さで塗布
した。
【0039】そして、実施例1と同様な方法で打揚げた
結果、約2cm角の玉皮を地上で2個発見した。その玉皮
の周囲が黒くなっていたことから、完全燃焼することな
く地上に落下したものと思われる。 (比較例2)実施例2において、アルミニウム粉及び過
酸化鉛を添加せず、ボロン硝石を塗布しない以外は実施
例2に準じて半球形体の煙火用玉皮を各々製造した。な
お、結合方法及び外側の樹脂の塗布は比較例1に準じて
行った。
【0040】そして、実施例1と同様な方法で打揚げた
結果、約5cm角の玉皮を地上で1個発見した。その玉皮
の周囲が黒くなっていたことから、完全燃焼することな
く地上に落下したものと思われる。
【0041】なお、この発明は前記実施例に限定される
ものではなく、例えば以下のように発明の構成を適宜変
更して実施することも可能である。 (a)図7に示すように、嵌合手段として、分割体2の
端部内面に嵌合凹所32を設け、分割体3の端部外面に
嵌合凹所32と嵌合する嵌合突部33を設けること。こ
の構成により、分割体2と分割体3の結合を容易に行う
ことができる。 (b)煙火用玉皮を3つ以上の分割体で構成すること。
この構成によって、個々の分割体の製作が容易になる。 (c)煙火用玉皮の断面形状を楕円形状などに構成する
こと。 (d)分割体を2分割して構成し、その一方を大きく、
他方を小さく構成すること。
【0042】なお、前記実施態様より把握される請求項
以外の技術的思想について、以下にその効果とともに記
載する。 (1)燃焼性繊維と加熱剤とを水中で混合撹拌してスラ
リーとなし、吸引成形法により粗分割体とし、該粗分割
体の内外側両面を加温しながら圧搾成形する請求項2に
記載の煙火用玉皮の製造方法。この構成によって、連続
製造が容易になるとともに、乾燥時間などの工程を大幅
に短縮することができる。 (2)前記スラリーは、燃焼性繊維と加熱剤と粘結剤と
を水中で混合撹拌したものである上記(1)に記載の煙
火用玉皮の製造方法。この構成により、分割体の強度を
高め、確実に所望形状のものを成形することができる。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
煙火用玉皮に用いる組成物の発明は、加熱剤によって燃
焼性が向上し、打揚時の煙火用薬剤の爆発により玉皮が
容易に着火し、落下するまでの間に完全に燃焼する。ま
た、請求項2に記載の煙火用玉皮の発明によれば、複数
の分割体を嵌合手段によりワンタッチで結合が可能であ
るため、組立が簡易かつ迅速であり、工業的な連続製造
に適している。
【0044】さらに、請求項3の煙火用玉皮の発明によ
れば、構成が簡易で、容易に製作することができる。加
えて、請求項4の発明によれば、煙火用玉皮の燃焼性を
高めることができて、燃焼時間をさらに短縮することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を具体化した実施例の煙火用玉皮を示
す断面図である。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3】煙火用玉皮の分割体を示す分解斜視図である。
【図4】煙火用玉皮の製造に用いる吸引成形装置の一例
を示す断面図である。
【図5】煙火用玉皮の製造に用いる加熱圧搾成形装置を
示す断面図である。
【図6】この発明の別例を示す煙火用玉皮の断面図であ
る。
【図7】この発明のさらに別例を示す煙火用玉皮の嵌合
部の断面図である。
【図8】従来の打揚げ用玉皮を示す断面図である。
【符号の説明】
1…煙火用玉皮、2…分割体、3…分割体、4…嵌合手
段を構成する嵌合孔、6…嵌合手段を構成する嵌合突
起、11…嵌合手段としての嵌合凸部、13…嵌合手段
としての嵌合凹部、32…嵌合手段としての嵌合凹所、
33…嵌合手段としての嵌合突部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼性繊維を主成分とし、これに加熱剤
    を配合した煙火用玉皮に用いる組成物。
  2. 【請求項2】 複数の分割体を嵌合手段により結合し、
    内部に煙火用薬剤を収容可能に形成した煙火用玉皮。
  3. 【請求項3】 前記複数の分割体が球状体を2分割して
    構成したものである請求項2に記載の煙火用玉皮。
  4. 【請求項4】 前記分割体の内側面に易燃性物質層を形
    成した請求項2に記載の煙火用玉皮。
JP7600094A 1994-04-14 1994-04-14 煙火用玉皮に用いる組成物及び煙火用玉皮 Pending JPH07280498A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7600094A JPH07280498A (ja) 1994-04-14 1994-04-14 煙火用玉皮に用いる組成物及び煙火用玉皮

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7600094A JPH07280498A (ja) 1994-04-14 1994-04-14 煙火用玉皮に用いる組成物及び煙火用玉皮

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07280498A true JPH07280498A (ja) 1995-10-27

Family

ID=13592543

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7600094A Pending JPH07280498A (ja) 1994-04-14 1994-04-14 煙火用玉皮に用いる組成物及び煙火用玉皮

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07280498A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000028274A1 (fr) * 1998-11-09 2000-05-18 Fugetsu Co., Ltd. Boitier-enveloppe spherique pour fusee et procede de fabrication et bati de lancement de la fusee

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000028274A1 (fr) * 1998-11-09 2000-05-18 Fugetsu Co., Ltd. Boitier-enveloppe spherique pour fusee et procede de fabrication et bati de lancement de la fusee

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2007126075A1 (ja) 打揚花火玉
US5423264A (en) Firework bomb with integral combustion
JPH07280498A (ja) 煙火用玉皮に用いる組成物及び煙火用玉皮
RU2382979C1 (ru) Пиротехническое изделие высотного действия
JPH08219693A (ja) 煙火用玉皮組成物及び煙火用玉皮
CN87216992U (zh) 安全自爆干粉灭火弹
CN113091522A (zh) 一种多响多彩砂炮的生产方法
CN2302029Y (zh) 干粉灭火弹及其发射装置
US9506730B1 (en) Fireworks aerial display shell and method of use
RU83606U1 (ru) Воспламенительно-разрывной заряд
CN113061068A (zh) 一种多响砂炮的生产方法
JPH02195199A (ja) 打上げ花火用玉皮
JP2004003782A (ja) 玩具用乱玉花火
JPH085294A (ja) 打揚げ花火
CN218955593U (zh) 一种呈现完整效果的烟花
RU2398181C1 (ru) Дымовая граната
JP2002173390A (ja) 玩具花火用導火線
JP2577076B2 (ja) 花火用割薬
TW201205030A (en) Firework and firework holder
JP2002350097A (ja) 打揚げ花火玉
CN217654384U (zh) 一种开裂式玩具烟花组合体
CN220583219U (zh) 一种具有双炸效果的烟花弹结构
JP2002277197A (ja) 打揚花火玉、及び打揚花火玉用の玉皮片
JPS58145898A (ja) 発光割薬
JPH033832Y2 (ja)