JPH08219693A - 煙火用玉皮組成物及び煙火用玉皮 - Google Patents

煙火用玉皮組成物及び煙火用玉皮

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JPH08219693A
JPH08219693A JP2712995A JP2712995A JPH08219693A JP H08219693 A JPH08219693 A JP H08219693A JP 2712995 A JP2712995 A JP 2712995A JP 2712995 A JP2712995 A JP 2712995A JP H08219693 A JPH08219693 A JP H08219693A
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fireball
water
fire
bead
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JP2712995A
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Kenji Murata
健司 村田
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Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 打ち上げられた後に未燃部分が地上や川面に
落下しても、自然状態において容易に分解し、環境を汚
染するおそれの少ない煙火用玉皮組成物及び煙火用玉皮
を提供する。 【構成】 煙火用玉皮組成物は、植物に由来する微生物
分解性かつ水膨潤性の高分子と、動物に由来する微生物
分解性かつ水膨潤性の高分子との混合物を主成分とす
る。特に、植物に由来高分子としてのクラフトパルプ
と、動物由来の高分子としてのキチンまたはキトサンと
の混合物が好適である。これに、さらにポリビニルアル
コール、澱粉等の微生物分解性の水溶性高分子を加えて
もよい。煙火用玉皮は、内側に収容空間23を有するよ
うに複数の分割体12,13を結合可能に構成し、前記
収容空間23内に煙火用薬剤を収容したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、観賞用、信号用の打
揚煙火や仕掛煙火等として利用される煙火用玉皮組成物
及び煙火用玉皮に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば観賞用打揚煙火では、その
玉皮は合成繊維等を含むボール紙を半球状にプレス成形
したものを使用し、さらにその上にクラフト紙や新聞
紙、和紙等を重ね貼りして強度を向上させていた。その
ため、打揚げ時に空中で爆発して分散した未燃の玉皮が
そのまま地上や川面へ落下する場合があった。
【0003】この場合、それら未燃の玉皮は長く自然界
で分解せず、ごみとして美観を損なうだけでなく、環境
を汚染するため、落下場所より回収しなければならなか
った。この打揚煙火は一度に数千発も打ち上げられる場
合もあり、その回収作業に要する労力は多大なものであ
った。
【0004】これを解決するための唯一の方法として
は、ニトロセルロースとクラフトパルプを主成分とする
焼尽性半球形体を形成し、その外側に不燃材を塗布した
打揚煙火が提案されている(特開平2−195199号
公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この公開公
報に開示されている煙火用玉皮の場合、新聞紙等からな
る玉皮と比較すれば未燃のままで落下する部分の割合が
減少するが、打揚煙火の号数が増加し煙火用玉皮の厚み
が増すにつれて、完全燃焼する部分が減少し、依然とし
て地上に落下する部分がある。この場合、落下した玉皮
は自然状態において容易に分解せず、長期間にわたって
そのまま存在し、環境を汚染するという問題があった。
【0006】本発明は、このような従来技術の問題に着
目してなされたものである。その目的とするところは、
打ち上げられた後に未燃部分が地上や川面に落下して
も、自然状態において容易に分解し、環境を汚染するお
それの少ない煙火用玉皮組成物及び煙火用玉皮を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の煙火用玉皮組成物の発明では、植
物に由来する微生物分解性かつ水膨潤性の高分子と、動
物に由来する微生物分解性かつ水膨潤性の高分子との混
合物を主成分とするものである。
【0008】また、請求項2に記載の発明では、請求項
1に記載の煙火用玉皮組成物に、微生物分解性の水溶性
高分子を加えたものである。加えて、請求項3に記載の
煙火用玉皮の発明では、請求項1又は請求項2に記載の
煙火用玉皮組成物により、内側に収容空間を有するよう
に複数の分割体を結合可能に構成し、前記収容空間内に
煙火用薬剤を収容可能にしたものである。
【0009】以下に、この発明について詳細に説明す
る。この発明に用いられる煙火用玉皮とは、主として混
合火薬類を使用して製造され、花火を代表とする火工品
の外殻であって、鑑賞、信号、救難、玩具などに用いら
れるものをいう。
【0010】煙火用玉皮組成物は、植物に由来する微生
物分解性かつ水膨潤性の高分子と動物に由来する微生物
分解性かつ水膨潤性の高分子の混合物を主成分とする。
この混合物を主成分としなければ、得られる玉皮は自然
状態における微生物分解性が悪くなる。さらに、これら
に微生物分解性の水溶性高分子が含有されていてもよ
い。この煙火用玉皮組成物は、煙火の組立、打揚げに必
要な所定の強度を有するとともに、打ち揚げられて上空
で爆発した後、地上や川面に落下後水分により膨潤、加
水分解及び微生物による分解作用を受け、自然の状態で
分解する。
【0011】植物由来の微生物分解性かつ水膨潤性の高
分子は、分子レベルではセルロースと呼ばれる多糖類で
あり、水酸基を極性基として有している。動物由来の微
生物分解性かつ水膨潤性の高分子は、分子レベルではポ
リペプチドと呼ばれるアミノ酸の重合体であり、アミノ
基、カルボキシル基、ペプチド結合など極性基または分
極している部分を有している。煙火用玉皮組成物は、両
高分子がスラリー状に混合されたものである。
【0012】そして、この煙火用玉皮組成物を煙火用玉
皮に成形するとき、お互いに電気的に引き合うため、植
物由来の高分子、動物由来の高分子単独で煙火用玉皮を
作るよりも強度が高くなる。このため、煙火用玉皮の強
度を保持することができるとともに、自然の状態におい
て分解性を確保することができる。
【0013】この植物由来の高分子としては、種子繊
維、果実繊維、茎幹繊維、木材繊維またはその誘導体、
再生パルプ等の植物繊維を使用できる。動物由来の高分
子としては、甲殻類の外殻、羊毛等の動物繊維を使用で
きる。これらの中でも、入手の容易性、取り扱い性、補
強性等を考慮すると、植物由来の高分子としての木材繊
維より得られるクラフトパルプと、動物由来の高分子と
しての甲殻類の外殻より得られるキチンまたはキトサン
の混合物が好適である。
【0014】クラフトパルプとキチンまたはキトサンの
割合は、自然分解性、成形性及び強度の関係から決定さ
れるが、通常クラフトパルプが15〜85重量%と、キ
チンまたはキトサンが85〜15重量%であることが好
ましい。この割合は、さらに好ましくはクラフトパルプ
30〜70重量%と、キチンまたはキト酸70〜30重
量%が好ましく、中でも特に好ましいのは、クラフトパ
ルプ40〜60重量%と、キチンまたはキト酸60〜4
0重量%である。
【0015】また、地上に落下後分解する際に水分を保
持できるようにするため、微生物分解が可能な水溶性高
分子を配合することもできる。この水溶性高分子として
は、例えばポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポ
リアクリル酸塩、澱粉、澱粉リン酸エステル、ゼラチ
ン、寒天、カゼイン、アラビアガム等の等があげられ
る。これらの中でも好ましいのは、ポリビニルアルコー
ル、澱粉等である。
【0016】ポリビニルアルコールまたは澱粉等の水溶
性高分子の割合は、微生物による分解性、成形性及び強
度の関係から決定されるが、通常クラフトパルプとキチ
ンまたはキトサンの混合物に対し、0〜100重量%、
望ましくは0〜20重量%、更に望ましくは1〜15重
量%である。
【0017】加えて、煙火用玉皮の自然分解性をさらに
高めたい場合には、煙火用玉皮の内側面に水溶性高分子
からなる層を形成するのが望ましい。この目的に使用さ
れる水溶性高分子としては、例えばポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸塩、澱粉、澱粉リン酸エステル、ゼ
ラチン、寒天、カゼイン、アラビアガム等があげられ
る。これらの中でも好ましいのは、水分を吸収して容易
に軟化し、かつ水分を保持し微生物の繁殖を促すことの
できるポリビニルアルコール、ゼラチン、寒天等であ
る。
【0018】さらに、保管中の吸湿や不慮の着火を防止
するため、煙火用玉皮の外側面に、例えばウレタン樹脂
や膠等を塗布して被覆層を形成することもできる。次
に、この煙火用玉皮の構造、特に嵌合手段による分割体
の結合の仕方について図面に基づいて説明する。
【0019】図1は、この発明の煙火用玉皮の一例を示
す縦断面図、図2は図1の2−2線における断面図、図
3は分割された煙火用玉皮を示す分解斜視図である。図
1〜図3に示すように、球状をなす煙火用玉皮11は、
ほぼ半球状に形成された分割体12と、それに嵌合され
るほぼ半球状の分割体13とより構成され、内側に収容
空間23を形成する。分割体12はその周縁において、
玉皮11の球の中心面上に位置し90度間隔で4箇所に
透設された嵌合孔14を有している。環状結合部15は
分割体13の周縁より段差状に垂下形成されている。嵌
合突起16は環状結合部15の外側面に90度間隔で突
出形成され、分割体13が分割体12に結合されたとき
嵌合孔14に嵌合される。
【0020】なお、嵌合孔14と嵌合突起16の数は特
に限定されないが、実用性を考慮すれば、周方向に等間
隔をおいて3箇所あるいは4箇所に設けることが望まし
い。また、突起16の断面形状は円形でも四角形でも任
意の形状にすることが可能である。しかし、この嵌合部
をネジ構造にすることは、摩擦による着火のおそれがあ
ることから好ましくない。
【0021】そして、図3に示すように、分割体13の
環状結合部15が分割体12の内側に入るようにして分
割体13を分割体12に結合させると、嵌合突起16が
嵌合孔14に嵌合される。この場合、分割体13の環状
結合部15の一部に多少皺が発生してもよい。さらに、
必要に応じて環状結合部15に澱粉のり、膠等の接着剤
を塗布し組み立てることによって結合強度を高めること
もできる。このようにして、球状をなす煙火用玉皮11
が形成される。
【0022】点火手段としての導火線17は分割体12
の底部の挿通孔18を貫通してその先端が煙火用玉皮1
1の中心付近まで達するように挿入されている。割薬1
9は煙火用玉皮11の中心位置に装填され、小割20は
割薬19の周囲に配置されている。これら割薬19及び
小割20は玉皮11を割って内容物を放出させる機能を
有する。これら割薬19、小割20は、過塩素酸カリウ
ム、硝酸カリウム、木炭粉などよりなっている。星21
は小割20の外周に装填され、光や煙を発して燃えなが
ら空中を飛び、火の花などを表す。この星21は過塩素
酸カリウムなどの酸化剤、焔色剤、可燃剤などよりなっ
ている。
【0023】次に、この発明の煙火用玉皮11の別の形
状について、図6に従って説明する。この別例では、分
割体12に嵌合凸部22が内方へ突出形成されている。
また、分割体13の前記環状結合部15は全周にわたっ
て形成され、その結合部にはその嵌合凸部22と嵌合す
る嵌合凹部24が設けられている。
【0024】さらに、分割体12の内周面及び分割体1
3の内周面には、水分を吸収して容易に軟化し、かつ水
分を保持し微生物の繁殖を促すことのできる水分保持層
25が塗布又は貼付により形成されている。この水分保
持層25は、ポリビニルアルコール、ゼラチン、寒天等
よりなる。この水分保持層25により、打ち上げられて
地上に落下した後の玉皮11の乾燥を防ぎ、微生物の繁
殖を促し、分解時間の短縮を図ることができる。
【0025】なお、嵌合凸部22と嵌合凹部24の断面
形状は、半円形、台形、三角形等任意の形状にすること
が可能であるが、組立を容易にするためと、組立後の玉
皮11の強度を考慮して半円であることが望ましい。加
えて、嵌合凹部24は、全周にわたっていることが望ま
しいが、嵌合凸部22は必ずしも全周にわたっていなく
てもよい。
【0026】次に、この発明の煙火用玉皮11の製造方
法を図4,5に基づいて説明する。図4は、吸引成形装
置の一例を示す断面図、図5は加熱圧搾成形装置を示す
断面図である。
【0027】図4に示すように、スラリー液槽26内に
は、植物由来と動物由来の微生物分解性高分子からなる
繊維混合物よりなるスラリー27が収容され、底部に設
けられた撹拌機28により均一な混合状態に保持され
る。吸引装置29はスラリー液槽26内の中心位置に配
設され、半球状に形成された濾過体30を備えている。
多数の吸引用小孔31は濾過体30の全面に設けられ、
スラリー27中の水分を通過させる。なお、濾過体30
の表面に網目の細かい金網を取り付け、スラリー27中
の繊維の捕集を効率良く行うようにしてもよい。円筒状
の吸引管32は図示しない吸引ポンプに接続され、濾過
体30の内側に吸引された水を外部へ排出する。
【0028】そして、植物由来の高分子と動物由来の高
分子からなる繊維をスラリー液槽26内の水に分散して
スラリー27とし、必要に応じて微生物分解が可能な水
溶性高分子を加え、撹拌機28により撹拌を続ける。こ
の状態で、吸引管32から濾過体30の内側の空気を吸
引すると濾過体30の内側の空間が減圧状態になり、ス
ラリー27中の水分が吸引用小孔31を介して吸引さ
れ、吸引管32から外部へ排出される。一方、繊維質の
固形分が濾過体30の外表面に吸収され、粗分割体33
が形成される。粗分割体33が形成されたら、吸引装置
29は上方へ引き上げられ、粗分割体33は濾過体30
の表面より離型される。
【0029】図5に示すように、2つ割りの金型34,
35は分割体13の外周面形状に対応する成形面36を
有し、蒸気加熱装置37の収容凹所38に収容配置され
る。そして、蒸気加熱装置37の内部空間39に蒸気4
0が送られることにより、金型34,35が所定温度ま
で加熱される。粗分割体33はこの金型34,35の成
形面36に配置される。ゴム製袋41は金型34,35
の成形面36より内方に配置され、内部に収容される加
熱水42により膨張して分割体13の内周面を加熱圧搾
する。このときの加熱水42の圧力は0.5〜5MPa
(5〜50kgf/cm2 )である。なお、金型34,35は
分割体12と分割体13のそれぞれに対応する成形面3
6を有するものが用意される。
【0030】そして、金型34,35を蒸気加熱装置3
7で加熱した状態で、粗分割体33を金型34,35の
成形面36上に載せる。次いで、ゴム製袋41を粗分割
体33の内側に配置し、ゴム製袋41内に加熱水42を
圧入してゴム製袋41を膨張させ、ゴム製袋41を粗分
割体33の内周面に圧接する。このとき、粗分割体33
は圧搾されるとともに、その両面から加熱、乾燥され、
分割体13に相当する形状に成形される。
【0031】なお、ゴム製袋41に代えて、煙火用玉皮
11の内面形状と同じ金型を用いてもよい。また、金型
34,35に二つ割りのものを使用すると成形後の分割
体12,13の取出しが容易である。さらに、加熱した
湯は70℃以上にしたものが用いられ、また熱風又は電
気的加熱では約70〜120℃である。これは水分を蒸
発させ玉皮11を硬化させるには高い温度を要するが、
あまり高い温度であると玉皮11が炭化するからであ
る。
【0032】ちなみに、上記のようにして得られる打揚
げ煙火の大きさと玉皮11の厚みは、打揚げ煙火の直径
9cm(3号)で玉皮の厚みが約2.3 〜3.0mm 、打揚げ煙
火の直径15cm(5号)で玉皮の厚みが約2.3 〜3.8mm
、打揚げ煙火の直径30cm(10号)で玉皮の厚みが
約4.5 〜7.6mm である。
【0033】
【作用】請求項1に記載の煙火用玉皮組成物は、微生物
分解が可能で、水膨潤性の植物由来の高分子と動物由来
の高分子との混合物を主成分としている。このため、こ
の組成物を用いて成形された請求項3に記載の煙火用玉
皮は、地上に落下した未燃焼の玉皮部分が自然の状態で
水分により膨潤し、さらに微生物による分解作用を受け
る。そして、比較的短期間のうちに分解される。従っ
て、自然環境を汚染するおそれが少ない。
【0034】また、請求項2に記載の煙火用玉皮組成物
は、上記組成物にさらに微生物分解性の水溶性高分子が
添加されている。このため、煙火用玉皮が地上に落下後
に、水分を吸収してそれを保持することができ、微生物
の繁殖を促すことができる。従って、自然の状態で玉皮
の分解を促進させることができる。
【0035】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、この発
明をさらに具体的に説明する。 (実施例1)木材繊維からのクラフトパルプ50重量%
と、甲殻類からのキチン50重量%とを水に分散させて
スラリーを調製した。そして、このスラリー27を図4
に示す吸引装置29のスラリー液槽26に仕込み、撹拌
機28で撹拌した。次に、吸引管32より吸引して濾過
体30の内側に吸引用小孔31を通じて吸引された水を
外部に排出し、濾過体30の外表面に粗分割体33を形
成した。
【0036】この粗分割体33を図5に示す加熱圧搾成
形装置の約100℃に加熱された金型34,35に入れ
た後、ゴム製袋41を粗分割体33に押しつけて加熱圧
搾し、所定の形状の分割体13を成形した。
【0037】同様な方法により、これに対応する他方の
分割体12も成形した。そして、図1に示すようにこれ
らの煙火用玉皮11の各々に所定量の割薬19、小割2
0及び星21を詰め、環状結合部15の突起16と嵌合
孔14を嵌合することにより結合し、打揚煙火を製造し
た。なお、この4号打揚煙火の直径は12cm、玉皮1の
厚みは約2.3〜3.0mmである。
【0038】この打揚煙火を通常の方法で打ち上げ、落
下してきた煙火用玉皮11を回収し、屋外の地面に放置
して自然状態での分解状況を観察した。その結果、玉皮
は1〜3ヶ月で完全に分解された。
【0039】(実施例2)実施例1と同様に、木材繊維
からのクラフトパルプ50重量%、甲殻類からのキチン
50重量%からなる混合物、この混合物に対し10倍量
の水、微生物分解が可能な水溶性高分子である澱粉を少
量のお湯で糊状に練ったものを、水に対し10重量%に
なるように加え、分散させてスラリーを調製した。そし
て、このスラリー27を、図4に示す吸引装置29に仕
込み、撹拌機28で撹拌した。次に、吸引管32より吸
引し、濾過体30の内側に吸引された水を外部に排出
し、濾過体30の外表面に粗分割体33を形成した。
【0040】この粗分割体33を、図5に示す加熱圧搾
成形装置の約100℃に加熱された金型34,35に入
れた後、ゴム製袋41を粗分割体33に押しつけて加熱
圧搾した。そして、所定の形状の煙火用玉皮11を成形
した。
【0041】この場合、乾燥前の粗分割体33はクラフ
トパルプとキチンの重量の和に対して50〜60重量%
の水分を含むため、乾燥後の煙火用玉皮11の分割体1
3には澱粉がクラフトパルプとキチンの重量の和に対し
5〜6重量%含まれる。
【0042】同様な方法により、これに対応する他方の
分割体12も成形した。そして、図1に示すように、こ
れらの煙火用玉皮11の各々に所定量の割薬19、小割
20及び星21を詰め、環状結合部15を嵌合すること
により結合し、4号打揚煙火を製造した。なお、この4
号打揚煙火の直径は12cm、玉皮11の厚みは約2.3
〜3.0mmである。
【0043】この打揚煙火を通常の方法で打ち上げ、落
下してきた煙火用玉皮11を回収し、屋外の地面に放置
した。そして、自然状態での分解状況を観察したとこ
ろ、玉皮11は1〜2.5ヶ月で完全に分解された。 (実施例3)実施例1と同様の方法で煙火用玉皮11の
分割体13を成形した後、図6に示すように、その内面
に少量のお湯で練った糊状のゼラチンをへらで3mm程度
の厚みに塗布し、真空乾燥機内で十分に乾燥し、水分保
持層25付きの分割体13を成形した。同様な方法によ
り、これに対応する他方の水分保持層25付きの分割体
12も成形した。
【0044】そして、これらの水分保持層25付きの分
割体12,13に、各々所定量の割薬19、小割20及
び星21を詰め、環状結合部15を結合し、4号打揚煙
火を製造した。なお、この4号打揚煙火の直径は12c
m、玉皮11の厚みは約2.3〜3.0mm、水分保持層
25の厚みは1〜2mmである。
【0045】この打揚煙火を通常の方法で打ち上げ、落
下してきた水分保持層25付きの煙火用玉皮11を回収
し、屋外の地面に放置し、自然状態での分解状況を観察
した。その結果、玉皮11は0.5〜2ヶ月で完全に分
解された。 (比較例1)市販のクラフトパルプを用いた球状の煙火
用玉皮を調製した。すなわち、図8に示すように、煙火
用玉皮51は市販のクラフトパルプにより、半球状をな
す2つの分割体52,53よりなっている。クラフトパ
ルプよりなるテープ54は、両分割体52,53の当接
部の外側に円周状に糊付けされ、両分割体52,53を
結合している。割薬55は玉皮51の中心に配置され、
その外周には小割56及び星57が装填されている。導
火線58は、玉皮51の中心に配置されている割薬55
にまで達するよう挿入配置されている。そして、実施例
1に準じ、4号打揚煙火を製造した。
【0046】次いで、実施例1と同様にして打揚煙火を
打ち上げた後、回収した玉皮51を屋外の地面に放置し
たところ、6ヶ月経過後も形をとどめていた。 (比較例2)次に、植物由来の微生物分解性高分子のみ
を使用した玉皮について説明する。
【0047】まず、植物由来の繊維であるパルプを原料
とする市販の和紙を幅10〜30mm程度、長さは作ろう
とする玉皮の円周の1/2から2/3程度の短冊状に切
断加工した。そして、作ろうとする玉皮の内径とほぼ同
じ型枠の周囲に、澱粉のり等を用い、所定の強度を有す
る厚さになるまで方向を変えながら何枚も貼り重ね、球
状の玉皮を製造した。さらに、これを十分に乾燥した
後、刃物で半球状に切断し玉皮を得た。
【0048】この玉皮を用いて得られた打揚煙火を打ち
上げ、落下した玉皮1を回収し、屋外の地面に放置し
た。そして、分解状況を観察したところ、完全に分解す
るのに5〜6ヶ月を要した。
【0049】このように、植物由来の微生物分解性高分
子からなる玉皮は、自然界に放置した場合分解はされる
が、本発明による同等の大きさの玉皮とその分解時間を
比較した場合、2倍程度の時間を必要とした。さらに、
上記のようにして製造した玉皮は、製造に必要な時間、
手間、コストが非常に高いものであった。 (比較例3)動物由来の微生物分解性高分子のみを使用
した玉皮について説明する。
【0050】この玉皮は、甲殻類より得たキチンを原料
として実施例1と同様の方法で製造した。しかしなが
ら、キチン単独では十分に繊維が絡み合わず、所定の強
度を有する緻密な玉皮を得ることはできなかった。
【0051】なお、この発明は、例えば次のように構成
を適宜変更して実施してもよい。 (a)図7に示すように、嵌合手段として、分割体2の
端部内面に嵌合凹所32を設け、分割体3の端部外面に
嵌合凹所32に嵌合する嵌合突起33を設けること。こ
の構成により、分割体2と分割体3の結合を容易に行う
ことができる。 (b)煙火用玉皮を3つ以上の分割体で構成すること。
この構成によって、個々の分割体の製作が容易になる。 (c)煙火用玉皮の断面形状を楕円形状、円筒形状など
に構成すること。 (d)半球体を2分割して構成し、その一方を大きく、
他方を小さく構成すること。
【0052】また、前記実施態様より把握される技術的
思想について以下に記載する。 (1)前記植物由来の微生物分解性高分子がパルプであ
り、動物由来の微生物分解性高分子がキチンまたはキト
サンである請求項1に記載の煙火用玉皮組成物。この構
成によって、原料入手の容易性、その取り扱い性、玉皮
の補強性を確保することができる。 (2)前記複数の分割体が球状体を2分割して構成した
ものである請求項3に記載の煙火用玉皮。この構成によ
れば、煙火用玉皮の製造を容易に行うことができる。 (3)前記玉皮の内側面に、水分を保持する層を形成し
た請求項3に記載の煙火用玉皮。このように構成すれ
ば、地上に落下後煙火用玉皮は水分を吸収し、常に湿潤
状態に保たれ、加水分解、微生物、カビ等の繁殖を助け
ることができる。そして、それらが植物由来の高分子
と、動物由来の高分子と、微生物分解が可能な水溶性高
分子の分解を更に促進できるため、玉皮の自然状態での
分解時間を短くすることができる。 (4)植物に由来する微生物分解性かつ水膨潤性の高分
子と、動物に由来する微生物分解性かつ水膨潤性の高分
子との混合物を主成分とするスラリーを調製した後、こ
のスラリーを吸引成形装置の濾過体を通過させて濾過体
表面に粗成形物を成形し、この粗成形物を加熱圧搾成形
装置の金型により所定形状に圧搾成形する煙火用玉皮の
製造方法。この方法によれば、所定形状の煙火用玉皮を
確実に成形することができる。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1又は請求
項3に記載の発明によれば、所定強度の煙火用玉皮が得
られるとともに、煙火用玉皮が打ち上げられた後に未燃
部分が地上や川面に落下しても、自然状態において容易
に分解し、環境を汚染するおそれが少ない。しかも、工
業的にも入手しやすい素材により、玉皮を容易に製造す
ることができる。
【0054】また、請求項2に記載の発明によれば、煙
火用玉皮が地上に落下後に、水分を保持することがで
き、微生物の繁殖を促し、分解を促進させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で得られた打揚煙火を示す断面図。
【図2】 図1の2−2線における断面図。
【図3】 実施例における打揚煙火の玉皮を示す分解斜
視図。
【図4】 煙火用玉皮の製造に用いる吸引成形装置を示
す断面図。
【図5】 煙火用玉皮の加熱圧搾成形装置を示す断面
図。
【図6】 この発明の別例を示す打揚煙火用玉皮の断面
図。
【図7】 この発明のさらに別例を示す煙火用玉皮の嵌
合部の断面図。
【図8】 従来の打揚煙火を示す断面図。
【符号の説明】
11…煙火用玉皮、12,13…分割体、19…煙火用
薬剤としての割薬、20…煙火用薬剤としての小割、2
1…煙火用薬剤としての星、23…収容空間。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物に由来する微生物分解性かつ水膨潤
    性の高分子と、動物に由来する微生物分解性かつ水膨潤
    性の高分子との混合物を主成分とする煙火用玉皮組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の煙火用玉皮組成物に、
    微生物分解性の水溶性高分子を加えた煙火用玉皮組成
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の煙火用玉
    皮組成物により、内側に収容空間を有するように複数の
    分割体を結合可能に構成し、前記収容空間内に煙火用薬
    剤を収容可能にした煙火用玉皮。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007126075A1 (ja) * 2006-04-27 2007-11-08 Kokusaienka Co., Ltd. 打揚花火玉
CN102141359A (zh) * 2010-12-20 2011-08-03 张永春 一种发烟颗粒及使用该发烟颗粒的发烟器
CN108981494A (zh) * 2018-09-21 2018-12-11 邓宗兵 一种烟花外壳的生产方法
CN110343022A (zh) * 2019-08-15 2019-10-18 赵宏 一种安全环保的烟花爆竹用药及其制备方法
CN113295053A (zh) * 2021-06-17 2021-08-24 费晓凯 一种鞭炮湿法生产方法

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