JPH0728011U - 液体用紙容器 - Google Patents

液体用紙容器

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JPH0728011U
JPH0728011U JP5930693U JP5930693U JPH0728011U JP H0728011 U JPH0728011 U JP H0728011U JP 5930693 U JP5930693 U JP 5930693U JP 5930693 U JP5930693 U JP 5930693U JP H0728011 U JPH0728011 U JP H0728011U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】酒類、果汁飲料、水などの食品に使用される液
体用紙容器において、紙容器の積層材料を構成層である
紙層の臭気が、容器内容物に移行することを防ぐ。 【構成】板紙を基材とする積層材料よりなる液体用紙容
器において、この積層材料の板紙層より容器内側方向の
構成中に少なくとも1層のガスバリヤ層を設け、且つ板
紙層より容器外側方向の構成中に脱臭層を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、酒類、液体調味料、果汁飲料、水などの食品に使用される液体用紙 容器に関するものであり、詳しくは、紙容器の積層材料の構成層である紙層の臭 気が、内容物へ移行することを防いだ液体用紙容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近では、図4に示すように、頂部が平面状(20)や切妻屋根状(10)の 液体用紙容器が、また開封用シートで飲み口が被われた円筒形状の液体用紙容器 が、従来から使用されていたガラス容器、金属容器やプラスチック容器にかわっ て、牛乳、乳酸菌飲料、液体スープなどのチルド流通タイプや、清酒、果汁飲料 、めんつゆなどの長期保存を必要とする常温流通タイプの液体食品などの広い範 囲にわたって、大量に使用されるようになってきた。これら液体用紙容器(10 ,20,30)に用いられる積層材料としては、例えばチルド流通タイプでは、 図2(b)に示す〔容器外側〕熱接着ポリオレフィン層(310)/板紙層(3 30)/熱接着ポリオレフィン層(370)〔容器内側〕構成の積層材料(30 0)などが、また常温流通タイプでは、図2(a)に示す〔容器外側〕熱接着ポ リオレフィン層(210)/板紙層(230)/ポリオレフィン層(240)/ ガスバリヤ層(250)/耐熱性熱可塑性樹脂フィルム層(260)/熱接着ポ リオレフィン層(270)〔容器内側〕構成の積層材料(200)などが使用さ れていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のこれら液体用紙容器は、積層材料の基材層である板紙層 の異臭が、製品の流通や保存中に内容物に移行して、内容物の匂いや味覚を変質 してしうことがあった。チルド流通タイプの図2(b)に示す積層材料(300 )で作製された紙容器においては、板紙層(330)の異臭が、熱接着ポリオレ フィン層(370)を透過して内容物に溶解し、内容物の匂いや味覚などの品質 を損なった。また常温流通タイプの図(a)に示す積層材料(200)では、紙 容器作製工程で紙容器の原反である積層材料をロール状に巻いて保管している時 に、板紙層(230)の異臭が、熱接着ポリオレフィン層(210)を透過し、 さらにこの異臭が、ロール状に巻き時に接触している熱接着ポリオレフィン層( 270)に吸着され、この紙容器の原反を用いて製箱された液体用紙容器は、製 品の流通や保存中に、容器内側の熱接着ポリオレフィン層(270)に吸着され ていた板紙層(230)の異臭が、内容物に移行して、内容物の匂いや味覚など の品質を損なった。
【0004】 この板紙層(230)の異臭による内容物の品質低下を防ぐため、積層材料の 板紙層の容器内側方向の構成中に、図3に示すように、脱臭層(420)を設け た液体用紙容器が試行されたが、この紙容器は、流通、保管中に脱臭層が内容物 の有効成分を吸収して、内容物の味覚に影響を及ぼすことがあった。
【0005】 本考案は、上述の従来の液体用紙容器の問題点である積層材料中の板紙層の異 臭が、内容物に移行し、内容物の匂いや味覚を損なう問題や、積層材料中の脱臭 層が内容物の味覚に影響を及ぼす問題などを解決した液体用紙容器を提供するも のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の本考案は、板紙を基材とする積層材料よりなる液体用紙容器において、 図1に示すように、この積層材料(100)の構成層である板紙層(130)よ り容器内側方向の構成中に少なくとも1層のガスバリヤ層(150)を設け、且 つ板紙層より容器外側方向の構成中に脱臭層(120)を設けたことを特徴とす る液体用紙容器である。
【0007】 第2の本考案は、第1の本考案に記載の図1に示すガスバリヤ層(150)が 、アルミニウム箔、エチレン酢酸ビニルアルコール共重合体、ナイロン、ポリ塩 化ビニリデン、酸化ケイ素蒸着膜などからなることを特徴とする液体用紙容器で ある。
【0008】 第3の本考案は、第1の本考案に記載の図1に示す脱臭層(120)が、活性 炭、サイクロデキストリン、ゼオライト、アニコなどの脱臭剤を含む熱可塑性樹 脂層からなることを特徴とする液体用紙容器である。
【0009】
【作用】
本考案の液体用紙容器の周壁を形成する積層材料は、基材とする板紙層の容器 外側方向の構成層中に脱臭剤を含む熱可塑性樹脂層の脱臭層が設けられており、 外側に浸透してくる板紙の異臭がこの脱臭層で除去されるため、板紙の異臭が積 層材料の最外層まで浸透してくることがない。また板紙層の容器内側方向の構成 層中には、少なくとも1層のガスバリヤ層が設けられており、内側に浸透してく る板紙の異臭をこのガスバリヤ層で阻止されるため、板紙の異臭が積層材料の最 内層まで浸透してくることもない。
【0010】 また、本考案に係る積層材料は、脱臭層が板紙層の容器外側方向の構成層中に 形成され、さらに、板紙層の容器内側方向の構成層中にはガスバリヤ層が形成さ れいるため、脱臭層が内容物の有効成分を吸収するようなことはない。
【0011】
【実施例】
まず、本実施例の液体用紙容器に係る積層材料として、〔外側〕ポリエチレン 層(25μm厚)/脱臭層(活性炭を10重量%練り込みポリエチレン,40μ m厚)/板紙層(坪量310g/m2 )/ポリエチレン層(25μm厚)/アル ミニウム箔層(7μm厚)/延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム層(12 μm厚)/ポリエチレン層(60μm厚)〔内側〕構成の積層材料をラミネート 加工法で作製し、また比較のために、従来例の液体用紙容器の積層材料として、 〔外側〕ポリエチレン層(60μm厚)/板紙層(坪量310g/m2 )/ポリ エチレン層(25μm厚)/アルミニウム箔層(7μm厚)/延伸ポリエチレン テレフタレートフィルム層(12μm厚)/ポリエチレン層(60μm厚)〔内 側〕構成の積層材料を同時に作製した。それぞれロール状に巻いて、常温で一箇 月間保管した。
【0012】 次に、この本実施例に係る積層材料と従来例の積層材料とを、それぞれ、20 0mm×300mmの所定の大きさのシートにカットし、このシートを半折りし 、その二方を熱融着し、50mlの超純水を入れ、他の一方を熱融着して密封し 、50℃で一週間保管後、封入した超純水の臭気と味覚の変化を官能試験した。 その結果を、表1に示した。なお、官能試験のパネラーは、6名であり、各人そ れぞれ4段階の評価基準で評価し、表1の評価点は、その総和で示した。
【0013】
【表1】
【0014】 表1の結果をみると、本実施例に係る積層材料は、従来例の積層材料と比較し て、内容物に対する臭気及び味覚への影響が極めて少ないことが判明した。
【0015】
【考案の効果】
本考案の液体用紙容器の周壁を形成する積層材料は、基材とする板紙層の容器 外側方向の構成層中に脱臭剤を含む熱可塑性樹脂層の脱臭層が設けられており、 また板紙層の容器内側方向の構成層中には、少なくとも1層のガスバリヤ層が設 けられているため、板紙の異臭が内容物に移行して内容物の匂いや味覚などを損 なうことが極めて少ない。また、積層材料の構成層中の脱臭層が、内容物の匂い や味覚などに影響を及ぼすことも極めて少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の液体用紙容器の積層材料の断面図で
ある。
【図2】(a)は、従来の一例の液体用紙容器の積層材
料の断面図である。(b)は、従来の他の一例の液体用
紙容器の積層材料の断面図である。
【図3】脱臭層を設けた試行例の積層材料の断面図であ
る。
【図4】液体用紙容器の形状を示す斜視図である。
【符号の説明】
10,20,30……液体用紙容器 100,200,300,400……積層材料 110,170,210,270,310,370,4
10,470……熱接着性樹脂 120,420……脱臭層 130,230,330,430……板紙層 140,240,340……熱可塑性樹脂層 150,250……ガスバリヤ層 160,260……耐熱熱可塑性樹脂層

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】板紙を基材とする積層材料よりなる液体用
    紙容器において、この積層材料の構成層である板紙層よ
    り容器内側方向の構成中に少なくとも1層のガスバリヤ
    層を設け、且つ板紙層より容器外側方向の構成中に脱臭
    層を設けたことを特徴とする液体用紙容器。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のガスバリヤ層が、アルミ
    ニウム箔、エチレン酢酸ビニルアルコール共重合体、ナ
    イロン、ポリ塩化ビニリデン、酸化ケイ素蒸着膜などか
    らなることを特徴とする液体用紙容器。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の脱臭層が、活性炭、サイ
    クロデキストリン、ゼオライト、アニコなどの脱臭剤を
    含む熱可塑性樹脂層からなることを特徴とする液体用紙
    容器。
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