JPH07279609A - 一方向凝固Ｎｉ基ガスタービン動翼及びその製造方法 - Google Patents
一方向凝固Ｎｉ基ガスタービン動翼及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH07279609A JPH07279609A JP9396094A JP9396094A JPH07279609A JP H07279609 A JPH07279609 A JP H07279609A JP 9396094 A JP9396094 A JP 9396094A JP 9396094 A JP9396094 A JP 9396094A JP H07279609 A JPH07279609 A JP H07279609A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 一方向凝固Ｎｉ基ガスタービン動翼における
プラットフォーム部での結晶粒の粗大化による熱疲労強
度の低下を防止すること。 【構成】 プラットフォーム部３を備えた一方向凝固Ｎ
ｉ基ガスタービン動翼１において、該プラットフォーム
部３のみを細粒化多結晶組織としたもの。その製造にあ
たっては、プラットフォーム部３にあたる鋳型内面に接
種材を塗布又は含浸するとともに、同鋳型部を急速凝固
させることにより鋳造するようにしたもの。
プラットフォーム部での結晶粒の粗大化による熱疲労強
度の低下を防止すること。 【構成】 プラットフォーム部３を備えた一方向凝固Ｎ
ｉ基ガスタービン動翼１において、該プラットフォーム
部３のみを細粒化多結晶組織としたもの。その製造にあ
たっては、プラットフォーム部３にあたる鋳型内面に接
種材を塗布又は含浸するとともに、同鋳型部を急速凝固
させることにより鋳造するようにしたもの。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービン動翼、特
に発電用ガスタービンに適用される一方向凝固Ｎｉ基ガ
スタービン動翼及びその製造方法に関する。
に発電用ガスタービンに適用される一方向凝固Ｎｉ基ガ
スタービン動翼及びその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】発電用のガスタービンにおいては、熱効
率向上のため入口ガス温度が高くなり、最近では、これ
に対処するため、ガスタービン動翼材としてより高温強
度の高いＮｉ基の一方向凝固合金を使用するようになっ
ている。
率向上のため入口ガス温度が高くなり、最近では、これ
に対処するため、ガスタービン動翼材としてより高温強
度の高いＮｉ基の一方向凝固合金を使用するようになっ
ている。
【０００３】図３は、このような一方向凝固Ｎｉ基ガス
タービン動翼の従来例を示す概観図である。該ガスター
ビン動翼１は翼部２、プラットフォーム部３、シャンク
部４及び翼根部５から成り、これらはＮｉ基の一方向凝
固合金によって鋳造により一体構造とされており、符号
６は結晶粒界（一方向凝固合金）を示すが、一方向凝固
組織を呈している結晶粒界がプラットフォーム部３にも
見られている。
タービン動翼の従来例を示す概観図である。該ガスター
ビン動翼１は翼部２、プラットフォーム部３、シャンク
部４及び翼根部５から成り、これらはＮｉ基の一方向凝
固合金によって鋳造により一体構造とされており、符号
６は結晶粒界（一方向凝固合金）を示すが、一方向凝固
組織を呈している結晶粒界がプラットフォーム部３にも
見られている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ところで、発電用ガス
タービンの動翼は高温で使用され、かつタービンの起動
停止によって温度の昇降が伴うことから、タービン動翼
の翼部には、クリープ及び繰返し熱応力が生じる。特に
ガスタービン動翼１の前部７及び後部８や、形状不連続
部となる翼部２とプラットフォーム部３との付け根部９
では、温度の変化が激しくまた応力が集中し易いことか
ら熱疲労が問題となる。このため、従来のガスタービン
動翼では応力の生じる方向に結晶成長を制御し、粒界を
無くした図３に示すような一方向凝固合金翼が開発さ
れ、格段に熱疲労強度が向上している。
タービンの動翼は高温で使用され、かつタービンの起動
停止によって温度の昇降が伴うことから、タービン動翼
の翼部には、クリープ及び繰返し熱応力が生じる。特に
ガスタービン動翼１の前部７及び後部８や、形状不連続
部となる翼部２とプラットフォーム部３との付け根部９
では、温度の変化が激しくまた応力が集中し易いことか
ら熱疲労が問題となる。このため、従来のガスタービン
動翼では応力の生じる方向に結晶成長を制御し、粒界を
無くした図３に示すような一方向凝固合金翼が開発さ
れ、格段に熱疲労強度が向上している。
【０００５】しかしながら、この一方向凝固合金翼のプ
ラットフォーム部３は翼部２に比べて幅が大きくなるた
め、かなりの不連続構造となり、一方向凝固合金として
の結晶制御が難しく、翼部２とプラットフォーム部３と
の付け根部９で結晶粒の大きい多結晶になり易い傾向が
ある。そして、多結晶粗粒化すると、熱疲労作用時のプ
ラットフォーム付け根部９の熱疲労強度が低くなるとい
う問題が生じる。
ラットフォーム部３は翼部２に比べて幅が大きくなるた
め、かなりの不連続構造となり、一方向凝固合金として
の結晶制御が難しく、翼部２とプラットフォーム部３と
の付け根部９で結晶粒の大きい多結晶になり易い傾向が
ある。そして、多結晶粗粒化すると、熱疲労作用時のプ
ラットフォーム付け根部９の熱疲労強度が低くなるとい
う問題が生じる。
【０００６】本発明は、このような従来技術の課題を解
決するためになされたもので、一方向凝固Ｎｉ基ガスタ
ービン動翼におけるプラットフォーム部での結晶粒の粗
大化による熱疲労強度の低下を防止することを目的とす
る。
決するためになされたもので、一方向凝固Ｎｉ基ガスタ
ービン動翼におけるプラットフォーム部での結晶粒の粗
大化による熱疲労強度の低下を防止することを目的とす
る。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明によれば、プラットフォーム部を備えた一
方向凝固Ｎｉ基ガスタービン動翼において、該プラット
フォーム部のみを細粒化多結晶組織としたものである。
めに、本発明によれば、プラットフォーム部を備えた一
方向凝固Ｎｉ基ガスタービン動翼において、該プラット
フォーム部のみを細粒化多結晶組織としたものである。
【０００８】また、このような構造な一方向凝固Ｎｉ基
ガスタービン動翼を製造する方法として、本発明は、プ
ラットフォーム部にあたる鋳型内面に接種材を塗布又は
含浸するとともに、同鋳型部を急速凝固させることによ
り鋳造するようにしたものである。
ガスタービン動翼を製造する方法として、本発明は、プ
ラットフォーム部にあたる鋳型内面に接種材を塗布又は
含浸するとともに、同鋳型部を急速凝固させることによ
り鋳造するようにしたものである。
【０００９】
【作用】上記の手段によれば、一方向凝固Ｎｉ基ガスタ
ービン動翼のプラットフォーム部のみを細粒化多結晶組
織としたので、プラットフォーム付け根部の熱疲労強度
の低下を防止することができる。
ービン動翼のプラットフォーム部のみを細粒化多結晶組
織としたので、プラットフォーム付け根部の熱疲労強度
の低下を防止することができる。
【００１０】
【実施例】以下、図１、図２を参照して本発明の実施例
について詳細に説明する。
について詳細に説明する。
【００１１】図１は、本発明に係る一方向凝固Ｎｉ基ガ
スタービン動翼の一実施例を示す概観図であり、図３に
示したものと同一の部分には同一の符号を付して重複す
る説明は省略する。本発明は、従来の一方向凝固翼にお
けるプラットフォーム部での結晶粒の粗大化による熱疲
労強度の低下を防止するため、プラットフォーム部３の
みを結晶粒の細い多結晶体としたものである。
スタービン動翼の一実施例を示す概観図であり、図３に
示したものと同一の部分には同一の符号を付して重複す
る説明は省略する。本発明は、従来の一方向凝固翼にお
けるプラットフォーム部での結晶粒の粗大化による熱疲
労強度の低下を防止するため、プラットフォーム部３の
みを結晶粒の細い多結晶体としたものである。
【００１２】図２は、このような構造の一方向凝固Ｎｉ
基ガスタービン動翼を製造する本発明の方法の一例を示
す。最初に翼部鋳型１１にプラットフォーム部鋳型１２
を組み入れた鋳型を製作する。次に、プラットフォーム
部鋳型１２の内面に多結晶生成を促進する作用のある接
種材（例えばアルミン酸コバルト）１３をあらかじめ塗
布又は含浸しておき、この状態で溶解炉１４より溶融Ｎ
ｉ基合金１５を加熱炉１６を冠装する鋳型１１に注湯す
る。ここで、水平水冷銅板１７及び垂直水冷銅板１８が
引出し方向１９に移動することにより、大気放冷で熔融
Ｎｉ基合金１５が縦軸方向に凝固して、翼部は一方向凝
固として生成される。
基ガスタービン動翼を製造する本発明の方法の一例を示
す。最初に翼部鋳型１１にプラットフォーム部鋳型１２
を組み入れた鋳型を製作する。次に、プラットフォーム
部鋳型１２の内面に多結晶生成を促進する作用のある接
種材（例えばアルミン酸コバルト）１３をあらかじめ塗
布又は含浸しておき、この状態で溶解炉１４より溶融Ｎ
ｉ基合金１５を加熱炉１６を冠装する鋳型１１に注湯す
る。ここで、水平水冷銅板１７及び垂直水冷銅板１８が
引出し方向１９に移動することにより、大気放冷で熔融
Ｎｉ基合金１５が縦軸方向に凝固して、翼部は一方向凝
固として生成される。
【００１３】一方、プラットフォーム部は、接種材１３
により多結晶粒化が始まると同時に、プラットフォーム
部鋳型１２の下部にある垂直水冷銅板１８の冷却効果に
よりプラットフォーム部の凝固が急速となり、最終的に
図１に示す翼本体１′（翼部２、シャンク部４及び翼根
部５）の一方向凝固部とプラットフォーム付け根部９で
凝固結合するが、凝固は多結晶部と一方向凝固部とが同
時に凝固するか又は多結晶部の凝固が先行するのが望ま
しい。
により多結晶粒化が始まると同時に、プラットフォーム
部鋳型１２の下部にある垂直水冷銅板１８の冷却効果に
よりプラットフォーム部の凝固が急速となり、最終的に
図１に示す翼本体１′（翼部２、シャンク部４及び翼根
部５）の一方向凝固部とプラットフォーム付け根部９で
凝固結合するが、凝固は多結晶部と一方向凝固部とが同
時に凝固するか又は多結晶部の凝固が先行するのが望ま
しい。
【００１４】なお、水平水冷銅板１７による冷却、加熱
炉１６による保温及び引出し方向１９への移動により、
一方向凝固するための温度勾配、凝固速度が調整され
る。
炉１６による保温及び引出し方向１９への移動により、
一方向凝固するための温度勾配、凝固速度が調整され
る。
【００１５】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、一
方向凝固Ｎｉ基ガスタービン動翼のプラットフォーム部
のみを細粒化多結晶組織としたので、プラットフォーム
付け根部の熱疲労強度の低下を防止することができ、し
たがって従来の一方向凝固Ｎｉ基ガスタービン動翼のク
リープ破断強度等を損なうことなく、従来よりも熱疲労
強度の優れた同動翼が得られる。
方向凝固Ｎｉ基ガスタービン動翼のプラットフォーム部
のみを細粒化多結晶組織としたので、プラットフォーム
付け根部の熱疲労強度の低下を防止することができ、し
たがって従来の一方向凝固Ｎｉ基ガスタービン動翼のク
リープ破断強度等を損なうことなく、従来よりも熱疲労
強度の優れた同動翼が得られる。
【図１】本発明に係る一方向凝固Ｎｉ基ガスタービン動
翼の一実施例を示す概観図である。
翼の一実施例を示す概観図である。
【図２】本発明に係る一方向凝固Ｎｉ基ガスタービン動
翼の製造方法の一実施例を示す図である。
翼の製造方法の一実施例を示す図である。
【図３】従来の一方向凝固Ｎｉ基ガスタービン動翼を示
す概観図である。
す概観図である。
１ ガスタービン動翼 １′ 翼本体 ２ 翼部 ３ プラットフォーム部 ４ シャンク部 ５ 翼根部 ６ 結晶粒界（一方向凝固合金） ７ 前部 ８ 後部 ９ 付け根部 １１ 翼部鋳型 １２ プラットフォーム部鋳型 １３ 接種材 １４ 溶解炉 １５ 溶融Ｎｉ合金 １６ 加熱炉 １７ 水平水冷銅板 １８ 垂直水冷銅板 １９ 引出し方向
Claims (2)
- 【請求項１】プラットフォーム部を備えた一方向凝固Ｎ
ｉ基ガスタービン動翼において、該プラットフォーム部
のみを細粒化多結晶組織としたことを特徴とする一方向
凝固Ｎｉ基ガスタービン動翼。 - 【請求項２】プラットフォーム部を備えた一方向凝固Ｎ
ｉ基ガスタービン動翼の製造方法において、該プラット
フォーム部にあたる鋳型内面に接種材を塗布又は含浸す
るとともに、同鋳型部を急速凝固させることにより鋳造
することを特徴とする一方向凝固Ｎｉ基ガスタービン動
翼の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9396094A JPH07279609A (ja) | 1994-04-08 | 1994-04-08 | 一方向凝固Ｎｉ基ガスタービン動翼及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9396094A JPH07279609A (ja) | 1994-04-08 | 1994-04-08 | 一方向凝固Ｎｉ基ガスタービン動翼及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07279609A true JPH07279609A (ja) | 1995-10-27 |
Family
ID=14096984
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9396094A Withdrawn JPH07279609A (ja) | 1994-04-08 | 1994-04-08 | 一方向凝固Ｎｉ基ガスタービン動翼及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07279609A (ja) |
-
1994
- 1994-04-08 JP JP9396094A patent/JPH07279609A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010703 |