JP3395019B2 - ガスタービン用単結晶ブレードの製造法 - Google Patents

ガスタービン用単結晶ブレードの製造法

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JP3395019B2 JP03940794A JP3940794A JP3395019B2 JP 3395019 B2 JP3395019 B2 JP 3395019B2 JP 03940794 A JP03940794 A JP 03940794A JP 3940794 A JP3940794 A JP 3940794A JP 3395019 B2 JP3395019 B2 JP 3395019B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブレード本体から横方
向にのびる張り出し部分を有するガスタービン用ブレー
ドを単結晶で製造する製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】発電用ガスタービンブレードの材料は、
従来から主としてNi基の超合金が使用されている。近
年、ガスタービンの熱効率向上のため、より高温の燃焼
ガスを用いる傾向にあり、それに伴いガスタービンブレ
ードの耐熱強度を上げること必要であった。このため、
ガスタービンブレードは、普通鋳造による等軸晶翼から
一方向凝固による柱状晶翼へと金属組織的に変化すると
共に、ブレード内部に複雑な冷却孔を設け、内部からの
冷却することにより、耐熱性向上を図ってきた。
【0003】一方、航空機用ジェットエンジンのブレー
ドとしては、既に単結晶ブレードが使用されている。単
結晶ブレードの鋳造に用いる合金は、結晶粒界が無いこ
とを前提に開発されており、C、B、Zr等の結晶粒界
強化元素を含んでいない。そのため、単結晶合金中に結
晶粒界が生じるとその部分が非常に弱くなり、鋳物の一
部でも単結晶になっていないとブレードとして使用する
ことができない。従って、単結晶ブレードをガスタービ
ンのブレードとして用いるためには、鋳物全体を単結晶
化することが必要である。
【0004】単結晶鋳物は、一般に、特公昭51−41
851号や特公告平1−26796号公報等で示されて
いる一方向凝固法で製造されている。この方法は、加熱
した炉の中から鋳型を下方に引出し、鋳型中の溶融金属
を下端から上方に漸次凝固させる方法である。
【0005】航空機用ジェットエンジンのブレードは、
長さが10cm位であり、また本体の横方向に張り出し
た、プラットホーム等の突出寸法も小さく全体に小型で
あるため、上記一方向凝固法で単結晶ブレードを製造す
ることが可能であった。
【0006】一方、発電用ガスタービンに用いるブレー
ドは、航空機用ジェットエンジンのブレードに比べて非
常に大きく、またシャンク部の側面に突設された、プラ
ットホーム部やシール部など凝固進行方向に対して、横
方向に大きく張り出した部分があり、鋳物全体を単結晶
化することが容易でなかった。特開平4−124237
号公報に、横方向に大きく張り出した部分を単結晶化す
る方法が述べられており、この方法によって、発電用ガ
スタービンに用いる単結晶ブレードを製造することが可
能となった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
4−124237号公報に述べられている方法では、鋳
物本体の外側にバイパスを設ける必要があった。すなわ
ち、ガスタービンブレードは、羽根形状の断面をもつ柱
状の翼部、四辺形の板状のプラットホーム部、ブロック
状のシャンク部、ダブテイル部が長手軸方向に順次に連
なり、さらにシャンク部側面から張り出す湾曲板状のシ
ール部を有して構成されており、このブレードを翼部を
下方に向けて鋳造する場合、それに用いる鋳型は、翼
部、プラットホーム部、シャンク部、ダブテイル部およ
びシール部からなるブレード本体を鋳込む空間と、さら
に翼部の先端下方の部位から、プラットホーム部および
シール部それぞれの板端に至るバイパス路を設ける必要
があった。鋳造時には、翼部の先端下方の部位で生じた
単結晶は、本体を通じて成長し、その一部はバイパスを
通じて成長し、それぞれの単結晶はプラットホーム部お
よびシール部で一体化することにより、プラットホーム
部、シール部を単結晶とすることができる。
【0008】しかし、プラットホーム部およびシール部
は本体から横方向に張出しているため、バイパスを設け
た部分の鋳型厚さが、バイパスを設けない部分の鋳型厚
さの約3倍になるという問題があった。鋳型厚さが厚く
なると、熱抵抗が大きくなり冷却効率が低下するため、
温度勾配が局部的に小さくなり、鋳物表面に等軸晶から
なるフレックル等の班点状欠陥が発生しやすくなると共
に、鋳型全体の加熱が不均一となり、その結果、凝固界
面形状が不安定となり、その不安定に起因する異結晶が
発生するという問題があった。
【0009】以上述べたように、従来技術による方法で
は、バイパスを設けた部分の鋳型が厚く加熱が不均一に
なるために、フレックルや異結晶が発生しやすく、発電
用ガスタービンに用いる大型の単結晶ブレードを歩留ま
りよく製造することができなかった。
【0010】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであって、張出し部分を有する複雑な形状のガ
スタービン用単結晶ブレードを効率よく製造する方法を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1のガスタービン用単結晶ブレードの製
造法(時に第1の製造法と略す)は、翼部と、翼部の根
元から横方向に広がる平面を上面とするプラットホーム
部と、プラットホーム部から下部に延びたブロック状の
シャンク部と、シャンク部の下部に連なり植込部となる
ブロック状のダブテイル部と、シャンク部側面に張り出
した板状のシール部とを備えた一体構造のガスタービン
用単結晶ブレードの製造法において、上記一体構造とな
る本体鋳型に加えて翼部中央部付近の翼面とプラットホ
ーム部上面の端部とに、単数または複数の結晶成長促進
路となる補助鋳型部分を設け、本体鋳型を、翼部が下に
位置するように水冷チルプレート上に設置し、鋳型内に
金属の溶湯を一方向に漸次凝固させ単結晶組織に鋳造す
ることを特徴とする。そして結晶成長促進路は翼面から
プラットホーム部の辺まで延びる三角板状に形成するの
がよい。
【0012】また、本発明の第2のガスタービン用単結
晶ブレードの製造法(時に第2の製造法と略す)は、第
1の製造法と同じく、翼部とプラットホーム部とシャン
ク部とダブテイル部とシール部とを備えた一体構造のガ
スタービン用単結晶ブレードを製造する方法であって、
上記一体構造となる本体鋳型に加えて翼部の翼面とプラ
ットホーム部上面との角に、翼面からプラットホーム部
の辺まで延びるように形成された三角板状の単数または
複数の結晶成長促進路となる補助鋳型部分を設け、さら
にシール部にプラットホーム部とシール部とを結ぶ結晶
成長促進路となる別の補助鋳型部分を設け、本体鋳型
を、翼部が下に位置するように水冷チルプレート上に設
置し、本体鋳型内に金属の溶湯を水冷チルプレート上方
へ一方向に漸次凝固させ単結晶組織に鋳造することを特
徴とする。そしてプラットホーム部とシール部とを結ぶ
結晶成長促進路はシール部に形成された凹部を堰き止め
る板状にすればよい。
【0013】また、本発明の第3のガスタービン用単結
晶ブレードの製造法(時に第3の製造法と略す)は、第
1の製造法と同じく、翼部とプラットホーム部とシャン
ク部とダブテイル部とシール部とを備えた一体構造のガ
スタービン用単結晶ブレードを製造する方法であって、
上記一体構造となる本体鋳型に加えてダブテイル部上面
とプラットホーム下面とを結ぶ結晶成長促進路となる補
助鋳型部分を設け、本体鋳型をダブテイル部が下に位置
するように水冷チルプレート上に設置し、本体鋳型内に
金属の溶湯を水冷チルプレートから上方へ一方向に漸次
凝固させ単結晶組織に鋳造することを特徴とする。
【0014】さらに第1〜第3の製造法のいずれかによ
って鋳造するブレードは、Ni基合金から構成するのが
よく、鋳造後に溶体化処理および時効熱処理を施すこと
が好ましい。
【0015】
【作用】本発明の第1のガスタービン用単結晶ブレード
の製造法において、水冷チルプレートで冷却された金属
(Ni基合金)溶湯は凝固して単結晶となり、この単結
晶は成長して順次翼部からプラットホーム部、シャンク
部、ダブテイル部を形成する。この際、単結晶が翼部先
端から結晶成長促進路まで成長した時、この単結晶は翼
部根元に向かって進むと共に一部が分岐して結晶成長促
進路を通じて進み、プラットホーム部の中心部から辺部
まで同時に達して同一の結晶方位をもつ単結晶組織のプ
ラットホーム部を形成する。もし、この結晶成長促進路
がなけば、単結晶は翼部根元からプラットホーム部の辺
まで成長するのに時間がかかり、その時間が長過ぎると
辺部に異結晶が生じる。
【0016】本発明の第2のガスタービン用単結晶ブレ
ードの製造法において、翼部とプラットホーム部との角
に形成された三角形状板の結晶成長促進路の部分におけ
る単結晶の成長過程は第1の製造法の説明と同じであ
る。またシャンク部から張り出したシール部について
は、単結晶が翼部からプラットホーム部を経てシャンク
部に達した時、その単結晶は本体のブロックに沿って成
長すると共に一部が別の結晶成長促進路に沿って成長
し、その後、シャンク部本体側から張り出したシール部
に進んだ単結晶と別の結晶成長促進路からシール部の辺
に進んだ単結晶が合流して一つの単結晶からなるシール
部を形成する。
【0017】また第3のガスタービン用単結晶ブレード
の製造法においては、第1及び第2の製造法における凝
固方向とは反対に、ダブテイル部から翼部に向かって単
結晶を成長させて、単結晶ブレードを製造する。水冷チ
ルプレートで冷却された金属(Ni基合金)溶湯は凝固
して単結晶となり、この単結晶は成長して順次にダブテ
イル部、シャンク部、プラットホーム部、翼部を形成す
る。この際、単結晶がダブテイル部上端に達すると、主
流はシャンク部を沿って進み、一部が分岐してダブテイ
ル部上面とプラットホーム部下面に接続する結晶成長促
進路に沿って進み、その後それら単結晶は同時にプラッ
トホーム部に達して、一つの単結晶からなるプラットホ
ーム部を形成する。
【0018】以上のように、本発明のガスタービン用単
結晶ブレードの製造法のそれぞれは、翼部、シャンク
部、ダブテイル部からなるブレード本体部と、本体から
張り出すシール部又はプラットホーム部で形成されてい
る角部に、単数または複数の結晶成長促進路を設けて一
方向凝固させるので、大型で複雑形状のブレードを効率
よく単結晶に鋳造できる。
【0019】またNi基合金で鋳造した単結晶ブレード
を溶体化処理を行うことにより、鋳造時に析出した不規
則な形状のγ’相(金属間化合物)をマトリックスのγ
相に固溶させ、次いで時効熱処理を行うことにより、形
状の整った均一なγ’相を析出させ、ブレードの高温強
度を図ることができる。
【0020】
【実施例】
(実施例1)図1は本発明のガスタービン用単結晶ブレ
ードの製造法である鋳造法により製作するブレードのス
ケッチであり、図2はそのブレードの鋳型と鋳造法を説
明する図である。ガスタービン用ブレードは、図1に示
したように、翼部8、プラットホーム部12、シャンク
部9およびダブテイル部10が順次つらなり、シャンク
部9側面からシール部11を張出して有する一体構造の
鋳造品である。翼部8は断面が羽根形状で柱状に形成さ
れ、プラットホーム部12は翼部8の根元から横方向に
広がる四辺形平面を上面として形成され、シャンク部9
はプラットホーム部12から下方に延び断面が略H字形
のブロック状に形成され、ダブテイル部10はシャンク
部9の下にあって翼部8の羽根と同方向に横に延び断面
が略逆台形のバー状に形成されており、シール部11は
H字形シャンク部9の両側のフランジ部分から横に張出
し上側が凹の湾曲板状に形成されている。このようにガ
スタービン用ブレードは、翼部8からプラットホーム部
12に移行する部分及びシャンク部9に続くシール部1
1のように横に大きく張り出す部分を有している。
【0021】図1中、翼部8の両翼面とそれぞれの翼面
と交叉するプラットホーム部12の上面との角に、翼面
からプラットホーム部12の辺まで延びるように形成さ
れた三角形状の板は、本発明の製造法を特徴づける結晶
成長促進路1aとなるものであり、また湾曲板状のシー
ル部11に形成される凹部の両端を堰止めるように設け
た板は、同じく結晶成長促進路1bとなるものである。
そして最終製品としてのガスタービンブレードは、少な
くとも翼部8とプラットホーム部12との間の結晶成長
促進路1aが削除されたものとなる。この結晶成長促進
路1aは、ガスタービンにおいて燃焼ガスの流れを乱す
ことになるからである。
【0022】次に図2を用いて、ガスタービン用単結晶
ブレードの鋳型および鋳造法について説明する。ガスタ
ービン用ブレードの鋳造に用いるセラミック鋳型3は、
図1に示すのと上下を反対にして、ブレードの翼部8が
下方に向くように、水冷チルプレート2の上に固定して
配置される。この鋳型3はアルミナを主成分とする材料
により作られている。先ず水冷チルプレート2上のセラ
ミック鋳型3を鋳型加熱炉4の中にセットし、セラミッ
ク鋳型3をブレード材料であるNi基合金の融点以上に
加熱する。次にNi基合金の溶融金属をセラミック鋳型
3の中に鋳込み、その後水冷チルプレート2を下方に徐
々に引出し、溶融金属を一方向凝固させる。一方向凝固
では、最初に水冷チルプレート2に接する鋳型の最下部
にあるスタータ5で上方に成長する多くの柱状晶を発生
させる。次に、スタータ5から上方に続く狭い通路をも
つセレクタ6で多くの柱状晶から一つの結晶のみを選択
し、それを単結晶として成長させる。更に拡大部7で単
結晶の断面を大きくさせ、鋳物本体へと凝固を進行させ
る。鋳物本体は、内部にはガスタービン運転時に冷媒を
流す冷却孔を有し、翼部8、シャンク部9、ダブテイル
部10からなり、シャンク部9には、シール部11が突
設され、翼部8とシャンク部9の間には、プラットホー
ム部12がある。
【0023】単結晶が鋳型3の翼部8の先端から進み、
翼部8の翼面とプラットホーム部12上面との2面間に
ある結晶成長促進路1aに達すると、翼部8に沿ってそ
の根元方向に成長すると共に結晶成長促進路1aに通っ
て成長し、さらに翼部8の根元からプラットホーム部1
2へと成長した単結晶は結晶成長促進路1aを通じて成
長した単結晶と合流する。一旦、翼部8と結晶成長促進
路1aと分かれて成長した単結晶がプラットホーム部1
2で合流することにより、全体が一つの単結晶からなる
プラットホーム部12が形成される。以後、単結晶はプ
ラットホーム部12からシャンク部9、ダブテイル部1
0へ向かって成長する。それと共に単結晶はシャンク部
9から分かれてシール部11へと張出して成長し、また
シール部11の結晶成長促進路1bを通って成長し、そ
れら両単結晶が合流して一つの単結晶からなるシール部
11を形成する。このように結晶成長促進路1a、1b
を設けることにより、本体から張出した部分を含めて、
タービンブレード全体を単結晶化することができる。な
お、鋳型加熱炉4はセラミック鋳型8が完全に引出さ
れ、凝固が終了するまで高温に保ち、また上記鋳造工程
は真空中で行う。
【0024】表1に上記単結晶ブレードを作った鋳造条
件を、また表2にこの鋳造に用いたNi基合金の化学組
成を示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】上記方法で鋳造した単結晶ブレードは、鋳
造後に真空中で1280〜1330℃、2〜20h加熱
する溶体化処理を行って、単結晶ブレードの凝固後の冷
却過程で形成された析出γ’相をγ相に変えて、その後
さらに1000〜1150℃で4〜20hと800〜9
50℃で8〜30hの時効処理を行い、γ相中に平均
0.3〜2μmのγ’相を析出させた。
【0028】ここでγ相はNiを主成分とし、表2中に
示す他の元素を固溶するオーステナイト相であり、そし
てγ’相は主としてNiとAlからなる析出物で単結晶
ブレードの高温強度の向上に寄与するものである。しか
し凝固後の冷却過程で析出するγ’相は形状が不規則で
大きいために高温強度の向上が充分でない。そこで、上
記の溶体化処理と時効処理からなる熱処理を行い、形状
の整った均一なγ’相を析出させることにより高温強度
を充分に向上させることができた。この熱処理により、
14 kgf/mm2−10万時間クリープを示す耐用温度は従
来より約20℃向上した。
【0029】(実施例2)図3に示すガスタービン用ブ
レードの鋳造を、表3に示す5種類のNi基合金を用い
て行なった。鋳造条件及び一方向凝固法は、実施例1と
同じである。ブレードの大きさは、全長は160mm、
翼部8は70mm、シャンク部9及びダブテイル部10
は90mmである。図4に本発明を適用したブレードの
翼部上方からの結晶成長促進路1cの取付け状況を示
す。図3のブレードはプラットホーム部12が広いた
め、結晶成長促進路1cを3か所に設けた。結晶成長促
進路1cの幅は2mmである。本発明により、異結晶が
発生せず、単結晶成長させることが容易になった。尚、
図3に示したブレードのシール部11は、張り出し距離
が小さく単結晶成長が可能であるため、シール部11に
結晶成長促進路を設けなかった。
【0030】
【表3】
【0031】本実施例1及び実施例2では、翼部8から
ダブテイル部10へ向かって、凝固させた場合について
示した。これは、ブレードとして、強度を最も要求され
る翼部を最初に凝固させたほうが、Ni基合金溶湯と鋳
型との接触時間が短く、反応や欠陥が少なくなるため、
ブレードの製造法として合理的と考えたためである。
【0032】(実施例3)次にダブテイル部から翼部へ
向かって凝固させた場合の実施例を図5に示す。このガ
スタービン用ブレードは、図1に示す物とは結晶成長促
進路を除いて同じである。図5に示すように、結晶成長
促進路1dはダブテイル部10の上面とプラットホーム
12部の下面と略H形のシャンク部9のウェッブ面に接
続する板として設けた。その厚さは1mmである。鋳造
条件、一方向凝固法及び鋳造に用いた合金は、実施例1
と同じとした。
【0033】結晶成長促進路1dを設けて鋳造したガス
タービン用ブレードは、異結晶が発生せず、単結晶成長
させることができた。尚、本実施例では、ブレードのシ
ール部11は上向きに折曲しており、また張り出し部に
大きなテ−パが付いているため、シール部11に実施例
1で設けたように結晶成長促進路1bを設けなくても単
結晶成長が可能であった。
【0034】尚、結晶成長促進路は、通常の場合単結晶
鋳造後除去するが、本実施例のように、シャンク部に結
晶成長促進路を設けた場合など、ブレードとして使用す
るのに実害が無ければ、あえて除去する必要が無いこと
は自明である。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、本発明のガスタービン
用ブレードの製造法を、ブレード本体とその本体から横
方向に張り出した部分の角に略三角板状の板からなる結
晶成長促進路を設けた構造に対応する鋳型を用い、鋳型
に注入されたNi基合金溶湯を鋳型の一端側から一方向
に凝固させ、単結晶を本体部に沿って成長させると共
に、一部を本体から結晶成長促進路を通じて末広がりに
成長させて張出し部分を形成する方法としたので、張出
し部分を含めて完全な単結晶ブレードを製造でき、従来
のようにバイパスを設けて鋳型を大型にすることなく、
大型の単結晶タービンブレードを効率よく製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造法により鋳造されたガスタービン
用単結晶ブレードで結晶成長促進路除去前のスケッチで
ある。
【図2】図1に示す単結晶ブレードの製造法を説明する
図である。
【図3】本発明の他実施例のガスタービンブレードのス
ケッチである。
【図4】図3に示すガスタービンブレードの結晶成長促
進路の取付け位置を示すスケッチ図である。
【図5】本発明のまた別の製造法により鋳造されたガス
タービン用単結晶ブレードで結晶成長促進路の取付け位
置を示すスケッチである。
【符号の説明】
1 結晶成長促進路 2 水冷チルプレート 3 セラミック鋳型 4 鋳型加熱炉 5 スタータ 6 セレクタ 7 拡大部 8 翼部 9 シャンク部 10 ダブテイル部 11 シール部 12 プラットホーム部 13 冷却孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 年旦 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 岡山 昭 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 平根 輝夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 石田 忠美 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 市毛 良 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 和田 克夫 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 狩野 公男 宮城県仙台市青葉区一番町三丁目7番1 号 東北電力株式会社内 (72)発明者 松崎 裕之 宮城県仙台市青葉区一番町三丁目7番1 号 東北電力株式会社内 (56)参考文献 実開 昭61−158343(JP,U) 特公 昭45−40661(JP,B1) 米国特許4804311(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01D 5/00 - 5/28 B22C 9/04 B22D 27/04 F02C 7/00 C30B 9/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 翼部と、該翼部の根元から横方向に広が
    る平面を上面とするプラットホーム部と、該プラットホ
    ーム部から下部に延びたブロック状のシャンク部と、該
    シャンク部の下部に連なり植込部となるブロック状のダ
    ブテイル部と、前記シャンク部側面に張り出したシール
    部とを備えた一体構造のガスタービン用単結晶ブレード
    の製造法において、前記一体構造となる本体鋳型に加え
    て、前記翼部中央部付近の翼面と前記プラットホーム部
    上面の端部とに単数または複数の結晶成長促進路となる
    補助鋳型部分を設け、前記本体鋳型を前記翼部が下に位
    置するように水冷チルプレート上に設置し、前記本体鋳
    型内に金属の溶湯を一方向に漸次凝固させて単結晶組織
    に鋳造することを特徴とするガスタービン用単結晶ブレ
    ードの製造法。
  2. 【請求項2】 前記結晶成長促進路は前記翼面から前記
    プラットホーム部の辺まで延びるように形成された三角
    板状であることを特徴とする請求項1記載のガスタービ
    ン用単結晶ブレードの製造法。
  3. 【請求項3】 断面が羽根形状で柱状に延びる翼部と、
    該翼部の根元から横方向に広がる平面を上面とするプラ
    ットホーム部と、該プラットホーム部から下部に延び断
    面が略H字形状のブロック状のシャンク部と、該シャン
    ク部の下部に連なり植込部となるブロック状のダブテイ
    ル部と、前記シャンク部側面に張り出して凹形に湾曲す
    る板状のシール部とを備えた一体構造のガスタービン用
    単結晶ブレードの製造法において、前記一体構造となる
    本体鋳型に加えて前記翼部の翼面と前記プラットホーム
    部上面との角に翼面からプラットホーム部の辺まで延び
    るように形成された三角形状板の単数または複数の結晶
    成長促進路となる補助鋳型部分を設け、前記シール部に
    前記プラットホーム部と前記シール部とを結ぶ結晶成長
    促進路となる別の補助鋳型部分を設け、前記本体鋳型を
    前記翼部が下に位置するように水冷チルプレート上に設
    置し、前記本体鋳型内に金属の溶湯を一方向に漸次凝固
    させて単結晶組織に鋳造することを特徴とするガスター
    ビン用単結晶ブレードの製造法。
  4. 【請求項4】 前記プラットホーム部と前記シール部と
    を結ぶ結晶成長促進路は前記シール部に形成された凹部
    を堰止めるように形成された板状であることを特徴とす
    る請求項3記載のガスタービン用単結晶ブレードの製造
    法。
  5. 【請求項5】 翼部と、該翼部の根元から横方向に広が
    る平面を上面とするプラットホーム部と、該プラットホ
    ーム部から下部に延びたブロック状のシャンク部と、該
    シャンク部の下部に連なり植込部となるブロック状のダ
    ブテイル部と、前記シャンク部側面に張り出したシール
    部とを備えた一体構造のガスタービン用単結晶ブレード
    の製造法において、前記一体構造となる本体鋳型に加え
    て前記ダブテイル部上面と前記プラットホーム下面とを
    結ぶ結晶成長促進路となる補助鋳型部分を設け、該本体
    鋳型を前記ダブテイル部が下に位置するように水冷チル
    プレート上に設置し、前記本体鋳型内に金属の溶湯を一
    方向に漸次凝固させて単結晶組織に鋳造することを特徴
    とするガスタービン用単結晶ブレードの製造法。
  6. 【請求項6】 前記金属はNi基合金であることを特徴
    とする請求項1ないし5いずれかに記載のガスタービン
    用単結晶ブレードの製造法。
  7. 【請求項7】 前記鋳造後にガスタービン用単結晶ブレ
    ードを溶体化処理および時効熱処理を施すことを特徴と
    する請求項6記載のガスタービン用単結晶ブレードの製
    造法。
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