JPH09317402A - ガスタービン用単結晶静翼、静翼セグメント及びその製造方法 - Google Patents

ガスタービン用単結晶静翼、静翼セグメント及びその製造方法

Info

Publication number
JPH09317402A
JPH09317402A JP13611496A JP13611496A JPH09317402A JP H09317402 A JPH09317402 A JP H09317402A JP 13611496 A JP13611496 A JP 13611496A JP 13611496 A JP13611496 A JP 13611496A JP H09317402 A JPH09317402 A JP H09317402A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arc
blade
gas turbine
crystal
stationary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13611496A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadami Ishida
忠美 石田
Toshiaki Saito
年旦 斎藤
Akira Yoshinari
明 吉成
Teruo Hirane
輝夫 平根
Akira Okayama
昭 岡山
Tsuyoshi Shibata
強 柴田
Hiroshi Fukui
寛 福井
Hideki Tamaoki
英樹 玉置
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP13611496A priority Critical patent/JPH09317402A/ja
Publication of JPH09317402A publication Critical patent/JPH09317402A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐クリープ疲労特性優れ、長寿命、低価格な
発電用ガスタービンの静翼及び静翼セグメントを提供す
る。 【解決手段】 翼部14と、翼部14の長手の一端を円
弧状につなぐ外側サイドウォールと、他端を円弧状につ
なぐ内側サイドウォールとからなる複数の静翼が、各静
翼のZ軸が円弧の中心点Oを通るよう、連続したサイド
ウォール5a、5bにより一体化され、一方向凝固法で
鋳造したNi基又はCo基超耐熱合金からなるもので、
円弧を二等分する法線16の方向が単結晶の<001>
方位と一致し、円弧の一端側にある翼部14の部位のう
ち一端寄りの部位に接しかつ中心点Oを通る法線と円弧
の他端側にあり翼部14の部位のうち他端寄りの部位に
接しかつ中心点Oを通る法線との両法線17で形成され
る内角が40°以内である単結晶静翼セグメントとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電用ガスタービ
ンの静翼及び静翼セグメントに係り、特に耐クリープ疲
労特性に優れ、長寿命、低価格な単結晶静翼、静翼セグ
メント及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】発電ガスタービン用動静翼材料は、従来
から主としてNi基又はCo基超耐熱合金が使用されて
きた。ガスタービンの熱効率向上を図るため、年々燃焼
ガス温度が上昇してきた。ガスタービン動静翼の組織は
従来は等軸晶が主流であった。しかし、燃焼ガス温度の
上昇に伴い、耐熱強度は限界に達している。そのため、
組織を一方向凝固法による柱状晶化、あるいは、単結晶
化すると共に、動翼及び静翼内部に複雑な冷却孔を設
け、内部からの冷却を図ってきた。
【0003】単結晶動翼の製造方法は、特公昭45−4
0661号や特開昭59−42171号の各公報に示さ
れるセラミック鋳型の下端にセレクタを用いた一方向凝
固法や、特公昭60−44168号や特公平1−267
96号の各公報に示される種結晶を鋳型の下端に用いた
一方向凝固法で製造される。
【0004】これらの方法によれば動翼の長手方向を耐
熱強度に有利な結晶方位<001>方位を平行に揃える
ことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の特公昭45−4
0661号、特開昭59−42171号、特公昭60−
44168号及び特公平1−26796号の各公報に記
載の製造方法は主にガスタービン用動翼に関するもので
あり、ガスタービン用静翼の製造方法に関しては考慮さ
れていない。
【0006】ガスタービンは、図8に示すように、コン
プレッサ19で圧縮した空気を用いて、燃焼器20で高
温高圧の燃焼ガスを発生させ、その燃焼ガスで動翼21
及び22を回転させて発電する。燃焼器20で発生した
燃焼ガスは、最初に初段静翼23で整流された後、初段
動翼21に当たりこの動翼を回転させる。さらに2段静
翼24で整流された後、2段動翼22に当たりこの動翼
を回転させる。この過程が次の3段静翼、3段動翼……
と順次多段に繰り返される。なお図8には2段の静翼、
2段の動翼を有するガスタービンを示す。各段の各動翼
はタービン軸側に放射状に取り付けられ、一方、各段の
各静翼はタービン軸心Oを中心とするリングとして固定
配置されている。
【0007】ガスタービン用静翼は、動翼とは異なり回
転運動による円心応力を受けず固定されて使用されるた
め、耐熱強度が動翼ほど問題視されなかった。しかし、
ガスタービン本体の更なる熱効率向上のためには、燃焼
ガス温度の上昇が不可欠である。よって、燃焼ガス温度
の上昇に伴いガスタービン用静翼には高い熱応力が生じ
る。また、静翼本体では内部冷却を強化する必要があ
る。
【0008】特に、初段静翼は、最も高い温度の燃焼ガ
スが最初に当たる部位であるため、冷却が重要な技術と
なる。冷却は翼部の内部に空孔を設け、その内部に冷却
媒体を流すことで達成される。冷却媒体は、空気を用い
ることが一般的であるが、水あるいは水蒸気を用いるこ
ともある。特に水あるいは水蒸気を用いる場合には、翼
部表面と内部冷却孔との温度差が大きくなるため、大き
な熱応力が発生する。内部冷却孔は、単純な1つの空孔
を設けるものや、空孔内に仕切りを設けて複数に分割し
それぞれを冷却するもの、あるいは1つの空孔を連続し
て往復させるリターンフローにする場合等がある。これ
ら冷却孔の形状や個数は、静翼の形状や使用条件に応じ
て、効率よく翼を冷却でき、発生する熱応力をできるだ
け小さくできる形状が採用される。
【0009】ガスタービン用静翼の長手方向(Z軸)の
両端はサイドウォールに固定されている。両サイドウォ
ール間に位置する翼部は燃焼器からの高温燃焼ガスを直
接受ける。ガスタービンの起動及び定常運転時に翼部は
熱膨張し、特に長手方向では両端をサイドウォールで固
定されているため圧縮応力を生じる。停止時は逆に引っ
張り応力を生じる。圧縮応力、引っ張り応力の繰返しに
より、翼部に熱疲労が生じる。
【0010】更に、内部冷却が強化されるため翼内外面
の温度差が大きくなる。起動及び定常運転時、高温燃焼
ガスを直接受ける翼外面では、熱膨張による圧縮応力が
発生し圧縮クリープ変形を生じる。冷却を受ける翼内面
では、引っ張り応力を同時に生じるが、温度が低いため
クリープ変形は生じない。停止時は熱収縮を生じるが、
翼内面よりも翼外面の温度が高いため翼外面の収縮が内
面より大きく、よって翼外面に引っ張り応力が発生す
る。この繰返しはクリープ変形と熱疲労の複合によるク
リープ疲労である。クリープ疲労により材料内部に欠陥
が生じ蓄積されると亀裂(クラック)に発展する。クラ
ックが翼を貫通した場合、内部冷却媒体が噴出し燃焼ガ
ス温度を低下させる。また、最悪の場合は翼破損に至
る。
【0011】クラックは翼のZ軸に対してほぼ垂直方向
に進展する横割れである。単結晶静翼で横割れの発生と
進展を極力抑制するには翼の長手方向に対してクリープ
強度が高く、かつ熱応力が低い(弾性率が低い)結晶方
位を平行に配することが理想的である。
【0012】単結晶材料は異方性があり、結晶方位によ
って特性が異なる。結晶構造が面心立方格子のNi基超
耐熱合金及び実用的なCo基超耐熱合のクリープ強度が
最も高い結晶方位は<111>方位で、続いて<001
>方位、<011>方位の順である。弾性率が低い理由
から、同じ温度差において熱応力が最も低い結晶方位は
<001>方位で、次が<011>方位、その次が<1
11>方位である。従ってクリープ強度が高く、かつ、
熱応力が低い結晶方位としては<001>方位が最適で
ある。
【0013】ガスタービン用静翼を単結晶化し結晶方位
を制御することによりクリープ疲労特性は改善される。
しかし、従来の等軸晶静翼に比べ高価格になる。高価格
となる主な原因は、鋳型製作に時間を要すること、溶解
鋳造時間が長くなること及び、単結晶の凝固成長中に異
結晶が発生し多結晶化してしまうことによる歩留まり率
の低下などである。上記原因を具体的に解決できれば低
価格は達成できるが、解決のためには多くの試行錯誤と
ノウハウの蓄積が必要である。その他、低価格達成には
一度の溶解鋳造でできるだけ多くの静翼が得られる方法
が望ましい。
【0014】本発明の目的はクリープ疲労特性に優れた
ガスタービン用単結晶静翼及び安価となる製造方法を提
供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のガスタービン用単結晶静翼は、Ni基又は
Co基超耐熱合金からなり、翼部内に冷却孔を有し、セ
ラミック鋳型を用いた一方向凝固法で製造されたもので
あって、単結晶の<001>方位が静翼のZ軸方向であ
ることを特徴とする。なお、この単結晶静翼は単結晶の
<001>方位と静翼のZ軸方向が一致して、それらの
方向の角度差が0であるが、該角度差が20°以内であ
ればよい。これは、該角度差20°の単結晶静翼は該角
度差0の単結晶静翼と同等の疲労強度を有するからであ
る。
【0016】上記目的を達成するために、本発明の一つ
のガスタービン用単結晶静翼セグメントは、内部に冷却
孔を有する翼部と、この翼部の長手方向の一端を一円弧
上でつなぐ外側サイドウォールと、この翼部の他端を別
の円弧上でつなぐ内側サイドウォールとから構成された
複数の静翼が、各静翼のZ軸が各円弧の中心点を通るよ
うに、各外側サイドウォールと各内側サイドウォールが
それぞれ一体化され、セラミック鋳型を用いた一方向凝
固法で製造されたNi基又はCo基超耐熱合金からなる
ものである。
【0017】この単結晶静翼セグメントは、各サイドウ
ォールの円弧を二等分する法線が延びる方向が単結晶の
<001>結晶方位と一致し、円弧の一端側に位置する
静翼の翼部の部位のうちこの一端寄りの部位に接しかつ
円弧中心点を通る一法線と、円弧の他端側に位置する翼
部の部位のうちこの他端寄りの部位に接しかつ円弧中心
点を通る他の法線とで形成される内角が40°以内であ
ることを特徴とする。換言すれば、この単結晶静翼セグ
メントは、円弧を二等分する法線の方向が単結晶の<0
01>結晶方位と一致し、複数の静翼の翼部が全て、円
弧の中心点をとおり内角40°で交わる2つの法線で限
定される範囲内に入るものである。
【0018】また、本発明の別のガスタービン用単結晶
静翼セグメントは、上記一つのガスタービン用単結晶静
翼セグメントと同様に、翼部と外側サイドウォールと内
側サイドウォールとから構成された複数の静翼が、セラ
ミック鋳型を用いた一方向凝固法で製造されたNi基ま
たはCo基超耐熱合金からなり、単結晶の<001>結
晶方位と各サイドウォールの円弧の一端側に位置する翼
部の部位のうち一端寄りの部位に接しかつ円弧中心点を
通る一法線とで形成する内角が20°以内であり、また
単結晶の<001>結晶方位と円弧の他端側に位置する
翼部の部位のうち他端側の部位に接しかつ円弧中心点を
通る他の法線とで形成する内角が20°以内であること
を特徴とする。
【0019】上記目的を達成するために、ガスタービン
用単結晶静翼の製造方法は、静翼のセラミック鋳型底部
に種結晶を配置する工程、セラミック鋳型を加熱炉内で
予熱する工程、セラミック鋳型内にNi基またはCo基
耐熱合金の溶湯を注入する工程、及びセラミック鋳型を
加熱炉から下方に相対的に引き出し、溶湯を種結晶側か
ら漸次一方向凝固させる工程を有するもので、種結晶の
<001>方位と鋳型翼部のZ軸の方向との角度差が2
0°以下となるよう種結晶を配置したことを特徴とす
る。
【0020】また上記目的を達成するために、本発明の
ガスタービン用単結晶静翼セグメントの製造方法は、複
数の静翼を一体化してなる静翼セグメントのセラミック
鋳型底部に種結晶を配置する工程、セラミック鋳型を加
熱炉内で予熱する工程、セラミック鋳型内にNi基また
はCo基耐熱合金の溶湯を注入する工程、及びセラミッ
ク鋳型を加熱炉から下方に相対的に引き出し、溶湯を種
結晶側から漸次一方向凝固させる工程を有するものであ
って、静翼セグメントは別のガスタービン用単結晶静翼
セグメントと同じ形状を有し、セラミック鋳型はこの静
翼セグメントの翼部が上下方向に並ぶように形成され、
そして種結晶の<001>結晶方位とセラミック鋳型中
で円弧の一端側に位置する翼部の部位のうち一端寄りの
部位に接しかつ円弧中心点を通る一法線とで形成される
内角が20°以内で、かつ種結晶の<001>結晶方位
とセラミック鋳型中で円弧の他端側に位置する翼部の部
位のうち他端寄りの部位に接しかつ円弧中心点を通る他
の法線とで形成される内角が20°以内になるように種
結晶を配置することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
を参照して説明する。 〈実施の形態1〉図1は本発明に係る発電ガスタービン
用静翼の斜視図である。図2は本発明の方法による静翼
の製造方法の概略を示した断面図である。
【0022】発電ガスタービン用静翼は、図1に示すよ
うに、断面が羽根形状で内部に冷却孔が形成された一つ
の翼部6とこの翼部6の長手方向の一端(外側)のサイド
ウォール5aと、他端(内側)のサイドウォール5bとか
ら構成されている。そして翼部6の各断面の中心(重
心)を結ぶ直線が静翼のZ軸である。ガスタービンにお
いては、複数の静翼が、各サイドウォール5aをリング
状に、また各サイドウォール5bをリング状にし、かつ
各リングを同心円的にして静翼リングとして組み込まれ
る。静翼リングの中心Oはタービン軸心と一致し、各静
翼のZ軸は中心Oで交わる。
【0023】静翼の製造方法は、図2に示すように、ま
ず縦方向の結晶方位が<001>方位の種結晶7を、セ
ラミック鋳型8の翼部6において熱応力が最大となるZ
軸方向に<001>方位が一致するように、アルミナを
主成分とするセラミック鋳型8の底部にセットし、鋳型
底部を水冷銅チル9上に固定する。それを鋳型加熱ヒー
タ10内において鋳造合金(Ni基又はCo基超耐熱合
金)の融点以上に加熱する。次に溶融したNi基又はC
o基超耐熱合金をセラミック鋳型内に鋳込み、その後水
冷銅チル9を下方に徐々に引出して一方向凝固させた。
この静翼の略寸法は、例えばZ軸方向の長さが30cm、
サイドウォールの平面が20×30(cm)である。表1に
製造条件、表2に鋳造合金組成を示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】一方向凝固させると、鋳込んだNi基及び
Co基超耐熱合金は種結晶7からエピタキシャル成長
し、鋳型8の結晶拡大部12において大きな単結晶とな
り静翼1のZ軸方向の結晶方位が<001>方位な単結
晶静翼が得られた。この場合、種結晶7の材質は鋳造し
たNi基及びCo基超耐熱合金と同一組成とした。鋳型
加熱ヒータ10はセラミック鋳型8が完全に引出され凝
固が終了するまで高温に保った。また、鋳型加熱以降の
上記工程は全て減圧下で実施した。
【0027】〈実施の形態2〉図3は本発明の方法によ
る静翼の別の製造方法の概略を示した断面図である。こ
の製造方法においては、最初に横方向の結晶方位が<0
01>方位の種結晶7を、セラミック鋳型8の翼部6に
おいて熱応力が最大となるZ軸方向に<001>方位が
一致するように、アルミナを主成分とするセラミック鋳
型8底部にセットし、鋳型底部を水冷銅チル9上に固定
する。以降の工程と諸条件は全て実施の形態1に準じ
た。この方法によりZ軸方向の結晶方位が<001>方
位な単結晶静翼が得られた。なお、セラミック鋳型8は
製品である静翼の大きさに応じて補強棒により適宜強化
する。
【0028】〈実施の形態3〉図4は本発明に係る発電
用ガスタービン用静翼セグメント13の斜視図、図5は
本発明の方法による静翼セグメントの製造方法の概略を
示した断面図、図6は製造した静翼セグメントを横方向
からみた平面図である。
【0029】静翼セグメント13は、図1に示す静翼1
の複数を円弧状にして一体化したものである。ここで
は、図4に示すように、3つの翼部14がそれぞれ1つ
の外側のサイドウォール5a及び内側サイドウォール5
bにより挾まれて一体化されている。
【0030】静翼セグメント13の製造方法は、図5に
示すように、最初に横方向の結晶方位が<001>方位
の種結晶7を、静翼セグメント翼部14において熱応力
が最大となる方向、すなわち最大円周角度θ(図6参
照)を二等分する法線16方向に、<001>方位が一
致するように、アルミナを主成分とするセラミック鋳型
8の底部にセットし、鋳型底部を水冷銅チル9上に固定
した。以降の工程と諸条件は全て実施の形態1に準じ
た。この方法によりセグメント翼部14の最大円周角度
θを二等分する法線方向16が<001>方位な単結晶
静翼セグメント13が得られた。
【0031】本発明の製造方法により製造した静翼セグ
メント13において、図6に示すように、本実施の形態
の静翼セグメント翼部14の最大円周角度θは30°で
あった。セグメント翼部14の最大円周角度θを二等分
する法線16と、翼部両端に接する法線17の内角αは
15°である。本実施の形態の製造方法では静翼セグメ
ント翼部14の最大円周角度θを二等分する法線16方
向に<001>方位を一致させた。よって翼部両端に接
する法線17は<001>方位から15°傾いている。
よってクリープ疲労特性の低下が懸念される。
【0032】図7にNi基及びCo基超耐熱合金の<0
01>方位からの傾き角度とクリープ疲労特性の関係を
示す。Ni基とCo基合金では合金組成の違いから特性
が異なる。そのため適用合金の特性により実機の発電ガ
スタービンの運転条件で特に燃焼ガス温度は異なってく
る。しかし、両合金とも<001>方位からの傾きが2
0°以内であればクリープ疲労特性に大幅な低下はみら
れない。よって本実施の形態の製造方法により得られた
単結晶静翼セグメント13のクリープ疲労特性は実機発
電ガスタービンでの運転条件を適切に調えれば許容範囲
内である。また、静翼セグメント翼部14の最大円周角
度θを二等分する法線16と内角が最大となる翼部両端
に接する法線17との角度αが20°まで許容されるた
め、静翼セグメント翼部14の最大円周角度θが最大4
0°まで許容されることは容易に理解されよう。更に、
セグメント化したことにより複数個の静翼の連続体を同
時に得られるので製造効率が高くなり、低価格化に寄与
できる。
【0033】また、本実施の形態では静翼1及び静翼セ
グメント13において最大熱応力の発生する方向が静翼
のZ軸及び静翼セグメント翼部14の最大円周角度θを
二等分する法線16の垂直方向であった。最大熱応力の
発生する方向と位置は翼形状や冷却方式及び合金組成に
より異なってくる。特に垂直方向と同時に水平方向にク
ラックが発生する場合、垂直方向の<001>結晶方位
はそのままに、<001>結晶方位と90°の角度差を
もって存在する<001>結晶方位に等価な結晶方位
を、水平方向に発生するクラックと垂直になるように配
向すれば良い。この方法も本実施の形態の種結晶のセッ
ト工程において実施可能である。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、静翼および静翼セグメ
ントを、翼部に加わる引っ張り/圧縮の繰返し荷重の方
向とこの翼部を形成する単結晶の<001>方位との角
度差を0°ないし20°以内となるように、構成したの
で、クリープ疲労特性に優れたガスタービン用静翼及び
静翼セグメントを提供をすることができる。
【0035】また静翼のセグメント化により複数個の静
翼の連続体を同時に得られるので製造効率が良い。
【0036】更に、製造効率の上昇により低価格となる
ためガスタービン全体の低価格化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る発電ガスタービン用静翼の斜視図
である。
【図2】本発明の方法による単結晶静翼の横型製造方法
の概略を示した断面図である。
【図3】本発明の方法による単結晶静翼の縦型製造方法
の概略を示した断面図である。
【図4】本発明に係る発電ガスタービン用静翼セグメン
トの斜視図である。
【図5】本発明の方法による単結晶静翼セグメントの製
造方法の概略を示した断面図である。
【図6】本発明の製造方法における静翼セグメントを横
方向から見た平面図である。
【図7】本発明に係るNi及びCo基超耐熱合金の<0
01>方位からの傾き角度とクリープ疲労特性の関係で
ある。
【図8】ガスタービンの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 静翼 4 冷却孔 5a、5b サイドウォール 6 静翼の翼部 7 種結晶 8 セラミック鋳型 9 水冷銅チル 10 鋳型加熱ヒータ 12 結晶拡大部 13 静翼セグメント 14 静翼セグメントの翼部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平根 輝夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 岡山 昭 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 柴田 強 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 福井 寛 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 玉置 英樹 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni基又はCo基超耐熱合金からなり、
    翼部内に冷却孔を有し、セラミック鋳型を用いた一方向
    凝固法で製造されたガスタービン用単結晶静翼におい
    て、前記単結晶の<001>方位が前記静翼のZ軸方向
    であることを特徴とするガスタービン用単結晶静翼。
  2. 【請求項2】 Ni基又はCo基超耐熱合金からなり、
    翼内部に冷却孔を有し、セラミック鋳型を用いた一方向
    凝固法で製造されたガスタービン用単結晶静翼におい
    て、前記単結晶の<001>方位と前記静翼のZ軸との
    角度差が20°以下であることを特徴とするガスタービ
    ン用単結晶静翼。
  3. 【請求項3】 内部に冷却孔を有する翼部と、該翼部の
    長手方向の一端を円弧状につなぐ外側サイドウォール
    と、該翼部の他端を円弧状につなぐ内側サイドウォール
    とから構成された複数の静翼が、各静翼のZ軸が各円弧
    の中心点を通るように、各外側サイドウォールと各内側
    サイドウォールがそれぞれ一体化され、セラミック鋳型
    を用いた一方向凝固法で製造されたNi基又はCo基超
    耐熱合金からなるガスタービン用単結晶静翼セグメン
    ト。
  4. 【請求項4】 内部に冷却孔を有する翼部と、該翼部の
    長手方向の一端を円弧状につなぐ外側サイドウォール
    と、該翼部の他端を円弧状につなぐ内側サイドウォール
    とから構成された複数の静翼が、各静翼のZ軸が各円弧
    の中心点を通るように、各外側サイドウォールと各内側
    サイドウォールがそれぞれ一体化され、セラミック鋳型
    を用いた一方向凝固法で製造されたNi基又はCo基超
    耐熱合金からなるガスタービン用単結晶静翼セグメント
    であって、前記円弧を二等分する法線が延びる方向が前
    記単結晶の<001>結晶方位と一致し、前記円弧の一
    端側に位置する翼部の部位のうち該一端寄りの部位に接
    しかつ円弧中心点を通る一法線と、前記円弧の他端側に
    位置する翼部の部位のうち該他端寄りの部位に接しかつ
    円弧中心点を通る他の法線で形成される内角が40°以
    内であることを特徴とするガスタービン用単結晶静翼セ
    グメント。
  5. 【請求項5】 内部に冷却孔を有する翼部と、該翼部の
    長手方向の一端を円弧状につなぐ外側サイドウォール
    と、該翼部の他端を円弧状につなぐ内側サイドウォール
    とから構成された複数の静翼が、各静翼のZ軸が各円弧
    の中心点を通るように、各外側サイドウォールと各内側
    サイドウォールがそれぞれ一体化され、セラミック鋳型
    を用いた一方向凝固法で製造されたNi基又はCo基超
    耐熱合金からなるガスタービン用単結晶静翼セグメント
    であって、前記円弧を二等分する法線が延びる方向が前
    記単結晶の<001>結晶方位と一致し、前記複数の静
    翼の翼部が、前記円弧の中心点をとおり内角40°で交
    わる2つの法線で限定される範囲内に入ることを特徴と
    するガスタービン用単結晶静翼セグメント。
  6. 【請求項6】 内部に冷却孔を有する翼部と、該翼部の
    長手方向の一端を円弧状につなぐ外側サイドウォール
    と、該翼部の他端を円弧状につなぐ内側サイドウォール
    とから構成された複数の静翼が、各静翼のZ軸が各円弧
    の中心点を通るように、各外側サイドウォールと各内側
    サイドウォールがそれぞれ一体化され、セラミック鋳型
    を用いた一方向凝固法で製造されたNi基またはCo基
    超耐熱合金からなるガスタービン用単結晶静翼セグメン
    トであって、前記単結晶の<001>結晶方位と前記円
    弧の一端側に位置する翼部の部位のうち該一端寄りの部
    位に接しかつ円弧中心点を通る一法線とで形成される内
    角が20°以内であり、前記単結晶の<001>結晶方
    位と前記円弧の他端側に位置する翼部の部位のうち該他
    端側の部位に接しかつ円弧中心点を通る他の法線とで形
    成される内角が20°以内であることを特徴とするガス
    タービン用単結晶静翼セグメント。
  7. 【請求項7】 静翼のセラミック鋳型底部に種結晶を配
    置する工程、セラミック鋳型を加熱炉内で予熱する工
    程、セラミック鋳型内にNi基またはCo基耐熱合金の
    溶湯を注入する工程、及びセラミック鋳型を加熱炉から
    下方に相対的に引き出し、溶湯を種結晶側から漸次一方
    向凝固させる工程を有するガスタービン用単結晶静翼の
    製造方法において、種結晶の<001>方位と鋳型翼部
    のZ軸の方向との角度差が20°以下となるよう種結晶
    を配置したことを特徴とするガスタービン用単結晶静翼
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 複数の静翼を一体化してなる静翼セグメ
    ントのセラミック鋳型底部に種結晶を配置する工程、セ
    ラミック鋳型を加熱炉内で予熱する工程、セラミック鋳
    型内にNi基またはCo基耐熱合金の溶湯を注入する工
    程、及びセラミック鋳型を加熱炉から下方に相対的に引
    き出し、溶湯を種結晶側から漸次一方向凝固させる工程
    を有するガスタービン用単結晶静翼セグメントの製造方
    法において、前記静翼セグメントは翼部と該翼部の長手
    方向の一端を円弧状につなぐ外側サイドウォールと該翼
    部の他端を円弧状につなぐ内側サイドウォールとから構
    成された複数の静翼が、各静翼のZ軸が各円弧の中心点
    を通るように、各外側サイドウォールと各内側サイドウ
    ォールがそれぞれ一体化され、前記円弧の一端側に位置
    する翼部の部位のうち該一端寄りの部位に接しかつ円弧
    中心点を通る一法線と、前記円弧の他端側に位置する翼
    部の部位のうち該他端寄りの部位に接して円弧中心点を
    通る他の法線で形成される内角が40°以内であり、前
    記セラミック鋳型は前記静翼セグメントの翼部が上下方
    向に並ぶように形成され、前記種結晶の<001>結晶
    方位と前記セラミック鋳型中で前記円弧の一端側に位置
    する翼部の部位のうち該一端寄りの部位に接しかつ円弧
    中心点を通る一法線とで形成される内角が20°以内で
    あり、かつ前記種結晶の<001>結晶方位と前記セラ
    ミック鋳型中で前記円弧の他端側に位置する翼部の部位
    のうち該他端寄りの部位に接しかつ円弧中心点を通る他
    の法線とで形成される内角が20°以内であることを特
    徴とするガスタービン用単結晶静翼セグメントの製造方
    法。
JP13611496A 1996-05-30 1996-05-30 ガスタービン用単結晶静翼、静翼セグメント及びその製造方法 Pending JPH09317402A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13611496A JPH09317402A (ja) 1996-05-30 1996-05-30 ガスタービン用単結晶静翼、静翼セグメント及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13611496A JPH09317402A (ja) 1996-05-30 1996-05-30 ガスタービン用単結晶静翼、静翼セグメント及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09317402A true JPH09317402A (ja) 1997-12-09

Family

ID=15167632

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13611496A Pending JPH09317402A (ja) 1996-05-30 1996-05-30 ガスタービン用単結晶静翼、静翼セグメント及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09317402A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005523819A (ja) * 2002-04-26 2005-08-11 ロールス−ロイス・コーポレーション 鋳造構成要素を製造する方法及び装置
JP2009184016A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Snecma 方向性凝固ブレードを製造するプロセス
CN104923734A (zh) * 2015-05-18 2015-09-23 东方电气集团东方汽轮机有限公司 单晶叶片成型用竖式陶瓷模壳及该陶瓷模壳的成型方法
CN106734886A (zh) * 2017-01-23 2017-05-31 江苏永瀚特种合金技术有限公司 一种防止在制壳过程中模壳开裂的方法
CN110405146A (zh) * 2019-08-30 2019-11-05 中国航发动力股份有限公司 一种加固选晶器模壳的装置及方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005523819A (ja) * 2002-04-26 2005-08-11 ロールス−ロイス・コーポレーション 鋳造構成要素を製造する方法及び装置
JP2009184016A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Snecma 方向性凝固ブレードを製造するプロセス
CN104923734A (zh) * 2015-05-18 2015-09-23 东方电气集团东方汽轮机有限公司 单晶叶片成型用竖式陶瓷模壳及该陶瓷模壳的成型方法
CN106734886A (zh) * 2017-01-23 2017-05-31 江苏永瀚特种合金技术有限公司 一种防止在制壳过程中模壳开裂的方法
CN110405146A (zh) * 2019-08-30 2019-11-05 中国航发动力股份有限公司 一种加固选晶器模壳的装置及方法
CN110405146B (zh) * 2019-08-30 2021-02-05 中国航发动力股份有限公司 一种加固选晶器模壳的装置及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1061123C (zh) 燃气轮机的叶片,其制造方法及装有该种叶片的燃气轮机
EP0475428B1 (en) Gas turbine, gas turbine blade used therefor and manufacturing method for gas turbine blade
US5061154A (en) Radial turbine rotor with improved saddle life
US5489194A (en) Gas turbine, gas turbine blade used therefor and manufacturing method for gas turbine blade
JP3164972B2 (ja) ガスタービン用動翼及びその製造法とそれを用いたガスタービン
US7762309B2 (en) Integral single crystal/columnar grained component and method of casting the same
JPH0639885B2 (ja) ガスタービン用シュラウド及びガスタービン
JPH09170402A (ja) ガスタービン用ノズル及びその製造法とそれを用いたガスタービン
JPH09317402A (ja) ガスタービン用単結晶静翼、静翼セグメント及びその製造方法
US5916384A (en) Process for the preparation of nickel base superalloys by brazing a plurality of molded cavities
JP2843476B2 (ja) 高耐食高強度超合金、高耐食高強度単結晶鋳造物、ガスタービンおよびコンバインドサイクル発電システム
US6800148B2 (en) Single crystal vane segment and method of manufacture
CN113165054B (zh) 铸造合金中的受控晶粒微观结构
US11498121B2 (en) Multiple materials and microstructures in cast alloys
JPH09144502A (ja) ガスタービンブレード及びその製造方法並びにガスタービン
CA2349412C (en) Single crystal vane segment and method of manufacture
JPH0633701A (ja) ガスタービン用単結晶動翼及びその製造法
RU2265497C1 (ru) Способ получения элемента рабочего колеса турбины и рабочего колеса турбины
US11913356B2 (en) Method of making a single-crystal turbine blade
JPH07247802A (ja) ガスタービン用単結晶ブレードの製造法
JPH10102175A (ja) Co基耐熱合金とガスタービン用部材及びガスタービン
JPH08144706A (ja) タービン翼
JPH07279609A (ja) 一方向凝固Ni基ガスタービン動翼及びその製造方法