JPH0727905A

JPH0727905A - 反射シート材

Info

Publication number: JPH0727905A
Application number: JP17385093A
Authority: JP
Inventors: Noriyuki Wakabayashi; 憲行若林
Original assignee: Keiwa Shoko KK
Current assignee: Keiwa Shoko KK
Priority date: 1993-07-14
Filing date: 1993-07-14
Publication date: 1995-01-31

Abstract

(57)【要約】【目的】入射光を均一且つあらゆる方向に拡散するた
めの反射シート材を提供する。【構成】基材シート２と、基材シート２上面に塗設さ
れたビーズ層３と、ビーズ層３の上面に蒸着された金属
蒸着層５とから構成され、ビーズ層３は、バインダー３
ａ及びビーズ３ｂから構成されるもので、ビーズ３ｂに
は、少なくとも部分的に前記バインダーより突設するビ
ーズが含まれることを特徴とする反射シート材１であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、入射光を均一且つ全方
向に拡散するための反射シート材に関する。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、例えば、時計、自動車の液晶表示装置には、いわ
ゆる「反射型」と呼ばれるものがあり、これは一般的
に、図１２に示したような構成のものである。すなわ
ち、液晶板１００、液晶板１００の下方に配置された偏
光板１０１、ならびに偏光板１０１の下面に配置された
反射板１０２から構成され、入射光Ａは、液晶板１００
及び偏光板１０１を通過して、反射板１０２により反射
され、偏光板１０１及び光板１０１及び液晶板１００を
通過して外部に反射光Ｂとして反射される構成である。
そして、この反射板としては、表面にマット加工を施し
たアルミ蒸着フィルム又はアルミ箔を粘着剤を介して、
偏光板１０１の下面に貼着してなる構成が一般的のもの
である。

【０００３】しかしながら、このような構成の反射板で
は、光が均一に且つ全方向に拡散する効率がまだまだ十
分ではないので、（１）入射光が弱くなる場合、例え
ば、トンネル内や夕刻時において、液晶表示そのものが
判別できないことが多く、（２）全方向に拡散する効率
が悪いため、見る方向によっては、液晶表示が全く見え
なかったり、判別不可能となることが多かった。

【０００４】本発明は、このような実情を考慮して、入
射光を均一且つ全方向に拡散するための反射シート材を
提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
技術の課題及び目的を達成するために発明なされたもの
であって、その要旨とするところは、下記の通りであ
る。

【０００６】（１）基材シートと、前記基材シート上面
に塗設されたビーズ層と、前記ビーズ層の上面に蒸着さ
れた金属蒸着層とから構成されていることを特徴とする
反射シート材。

【０００７】（２）前記ビーズ層が、バインダー及びビ
ーズから構成されていることを特徴とする前述の（１）
に記載の反射シート材。

【０００８】（３）前記ビーズには、少なくとも部分的
に前記バインダーより突設するビーズが含まれることを
特徴とする前述の（１）又は（２）に記載の反射シート
材。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の反射シート材について、添付
図面に基づいてより詳細に説明する。

【００１０】図１は、本発明の反射シート材の部分拡大
断面図であり、１は全体で本発明の反射シート材を示し
ており、反射シート材１は、基本的には、基材シート２
と、基材シート２上面に塗設されたビーズ層３と、ビー
ズ層３の上面に蒸着された金属蒸着層５とから構成され
る。また、ビーズ層３は、バインダー３ａ及びビーズ３
ｂから構成されるものであって、ビーズ３ｂには、少な
くとも部分的に前記バインダーより突設するビーズが含
まれることが必須である。

【００１１】ここで、前記基材シートとしては、透明及
び不透明の何れでも良く特に限定されるものではなく、
プラスチックフィルム、例えば、ポリエチレンテレフタ
レート（ＰＥＴ）、ポリカーボネート（ＰＣ）等の透
明、乳白色透明のプラスチックフィルムが使用され、シ
ート厚みは特に限定されるものではないが、１０〜５０
００μｍ程度が好ましい。

【００１２】また、ビーズ３ｂとしては、透明、不透
明、半透明の何れでも良く特に限定されるものではな
く、例えば、プラスチックビーズ、ガラスビーズ等の透
明ビーズの他、プラスチック（例えば、アクリルコポリ
マー）やガラス等に着色材として、赤色酸化鉄、フタロ
シアニンブルー、シアニングリーンなどの金属充填材、
無機顔料を添加したビーズが使用できる。ビーズの粒径
は、特に限定されるものではないが、拡散効果などを考
慮すれば、１〜１００μｍ程度のものが使用可能であ
り、好ましくは、５〜２０μｍ程度が好適である。さら
に、ビーズ３ｂとしては、粒度の異なるビーズを混在さ
せて用いることも可能であるが、ビーズ粒径をできるだ
け均一な分布となるように制御するのが、入射光を均一
に且つあらゆる角度に反射するためには好ましい。

【００１３】さらに、バインダー３ａとしては、前記ビ
ーズ３ｂに応じて、合成樹脂を適宜選択すれば良く、例
えば、アクリルコポリマー樹脂あるいはウレタン樹脂
が、本発明において使用できる。

【００１４】さらに、本発明のビーズ層３の厚みは特に
限定されるものではないが、周知のロールコート方式に
よる基材シートへの塗設の難易性、強度および光線の遮
蔽効果を考慮して、ならびに、特に入射光を均一に且つ
あらゆる角度に反射するためには、少なくとも部分的に
前記バインダー３ａより突設するビーズが含まれること
が必須であるために、５〜１００μｍ程度が好ましい。

【００１５】さらに、ビーズ層３内におけるビーズ３ｂ
の配置態様としては、光拡散効果などを考慮すれば、バ
インダーに埋設されたビーズとバインダーに部分的に埋
設されたビーズを混在させて用いること、ならびに、ビ
ーズを基材シート表面に分散あるいは基材シート表面を
ほぼ被うように分布させる態様が好ましく、そのために
は、ビーズ３ｂとバインダー３ａとの配合比を変更すれ
ば良く、バインダー１００重量部に対して、ビーズ５０
〜２００重量部の範囲が好ましい。

【００１６】また、金属蒸着層５としては、特に限定さ
れるものではないが、アルミ蒸着、銀蒸着などが可能で
あり、その蒸着の厚さは、３００〜１０００オングスト
ローム程度が好ましい。

【００１７】さらに、金属蒸着層５を保護するために、
塩化ビニル系コーティング剤などの保護層を金属蒸着層
５の上面に形成することも可能であり、また、金属蒸着
層の接着性を向上するために、ビーズ層３の上面に硝化
綿／アクリルポリオール系コーティング剤などのプライ
マー層を設けて、その上面に金属蒸着層５を形成するこ
とも可能である。

【００１８】このように構成される本発明の反射シート
材１では、図１及び図２に示したように、外部から導入
された光線のうち、ビーズ３ｂの中心に垂直に入射する
光線Ａ１、及び平坦なバインダー面３ｃに垂直に入射す
る光線Ａ２は、それぞれ垂直に反射する（Ｂ１，Ｂ
２）。また、ビーズ粒子３ｂに対して角度をもって入射
する光線Ａ３、Ａ４、Ａ５は、ビーズ３ｂ表面の曲面の
作用によってあらゆる方向に均一に拡散されることとな
る（Ｂ３，Ｂ４，Ｂ５）。

【００１９】また、図３に示したように、ビーズ３ｂの
分布を粗にすることにより、平坦なバインダー面３ｃの
領域が広くなり、その結果、正面に反射する光の量が多
くなり（図３のＣ参照）、その結果、輝度が上昇すると
ともに、図１及び図２のようなビーズの分布が密な場合
に比較すれば、反射シート１に対して、より反射する方
向が広くなる（図３の光線Ａ６、反射光Ｂ６参照）。

【００２０】また、図４のように、ビーズの粒径が大き
い場合に比較すれば、図５のようにビーズの粒径を小さ
くすることにより、入射光が、より均一に且つあらゆる
方向に均一に拡散することととなる。

【００２１】このように構成される本発明の反射シート
材は、例えば、図６に示したように、その金属蒸着層５
の上面に粘着剤層６を塗設して、例えば、「反射型」と
呼ばれる液晶表示装置の反射板として、液晶板１００の
下方に配置された偏光板１０１の下面に貼着して使用す
れば、入射光Ａは、液晶板１００及び偏光板１０１を通
過して、本反射シート材１により反射して、偏光板１０
１及び光板１０１及び液晶板１００を通過して外部に反
射光Ｂとして均一にかつあらゆる方向に反射され反射さ
れる。なお、本発明の反射シート材は、このような液晶
表示装置の反射板以外にも、均一でかつあらゆる方向に
拡散する必要な用途、例えば、反射テープなどにも使用
可能であることは勿論であり、本発明の反射シート材は
何等これらの用途に限定されるものではない。

【００２２】実施例１（本発明品）１００μｍの厚さのポリエチレンテレフタレートシート
（「ＰＥＴ２００」；ダイヤホイル株式会社製）を基材
シートとして用い、その上面に、周知のロールコート方
式で、粒径５μｍのアクリルビーズを、バインダーとし
て、アクリルコポリマー樹脂に混入（重量部割合でビー
ズ：バインダー＝６：４）した塗工液を、厚さ１５μｍ
となるように塗設した後、真空蒸着法を用いてアルミ蒸
着層を形成した。

【００２３】比較例１（従来品）従来のシート基材（１００μｍの厚さのポリエチレンテ
レフタレートシート（「ＰＥＴ２００」；ダイヤホイル
株式会社製））の上面に真空蒸着法を用いて金属蒸着し
た反射シート材を作製した。

【００２４】比較実験反射測定試験実施例１及び比較例２で作製した反射シート材を試料と
して、図７及び図８に示したような方法を用いて、入射
角θ、傾斜角ζを変更することによって、反射実験を行
いその輝度を測定した。その結果を、添付の図９〜図１
１に示した。なお、図中、実線が比較例２の従来品を示
し、点線が実施例１の本発明品の実験結果を示してい
る。これらの図９から図１１から明かなように、実施例
１の本発明品の方が、均一に拡散し且つ広い範囲の角度
から可視可能であることがわかる。

【００２５】

【発明の効果】本発明の反射シート材では、基材シート
と、基材シート上面に塗設されたビーズ層と、ビーズ層
の上面に蒸着された金属蒸着層とから構成されているの
で、入射光が、均一に拡散し且つあらゆる角度に拡散す
るので、反射シート材として広い範囲の角度から可視可
能である。

【００２６】また、このような本発明の反射シート材
を、例えば、時計、自動車の液晶表示装置には、いわゆ
る「反射型」と呼ばれるもの液晶表示装置の反射板とし
て用いれば、光が均一に且つあらゆる方向に拡散する効
率が十分であるので、（１）入射光が弱くなる場合、例
えば、トンネル内や夕刻時においても、液晶表示そのも
のが判別できる、（２）あらゆる方向に拡散する効率が
悪いため、どのような方向からも、液晶表示が見え、判
別可能となる、等の幾多の作用効果を奏する極めて優れ
た発明である。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の反射シート材の部分拡大断
面図である。

【図２】図２は、本発明の反射シート材の部分拡大断
面図であり、図１と入射光の角度を変更した作用を示す
図である。

【図３】図３は、本発明の反射シート材の部分拡大断
面図であり、ビーズの分布を粗にした状態を示す図であ
る。

【図４】図４は、本発明の反射シート材の部分拡大断
面図であり、ビーズの粒径を大きくした状態を示す図で
ある。

【図５】図５は、本発明の反射シート材の部分拡大断
面図であり、ビーズの粒径を小さくした状態を示す図で
ある。

【図６】図６は、本発明の反射シート材を「反射型」
液晶表示装置の反射板として使用した状態を説明する部
分拡大断面図である。

【図７】図７は、入射角度を変えた反射実験の実験方
法を説明する図である。

【図８】図８は、反射シート材の傾斜角度を変えた反
射実験の実験方法を説明する図である。

【図９】図９は、反射実験のうち、反射シート材の傾
斜角ζを０゜とした場合の反射実験の結果を示すグラフ
である。

【図１０】図１０は、反射実験のうち、反射シート材
の傾斜角ζを５゜とした場合の反射実験の結果を示すグ
ラフである。

【図１１】図１０は、反射実験のうち、反射シート材
の傾斜角ζを１０゜とした場合の反射実験の結果を示す
グラフである。

【図１２】図１２は、従来の「反射型」液晶表示装置
の構成を示す部分拡大断面図である。

【符号の説明】

１…反射シート材２…基材シート３…ビーズ層３ａ…バインダー３ｂ…ビーズ３ｃ…バインダー５…金属蒸着層６…粘着剤層１００…液晶板１０１…偏光板１０２…反射板Ａ１〜Ａ６…入射光線Ｂ１〜Ｂ６…反射光

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】基材シートと、前記基材シート上面に塗
設されたビーズ層と、前記ビーズ層の上面に蒸着された
金属蒸着層とから構成されていることを特徴とする反射
シート材。
【請求項２】前記ビーズ層が、バインダー及びビーズ
から構成されていることを特徴とする請求項１に記載の
反射シート材。
【請求項３】前記ビーズには、少なくとも部分的に前
記バインダーより突設するビーズが含まれることを特徴
とする請求項１又は２に記載の反射シート材。