JPH07278895A - メッキ装置及びメッキ法 - Google Patents

メッキ装置及びメッキ法

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JPH07278895A
JPH07278895A JP6068747A JP6874794A JPH07278895A JP H07278895 A JPH07278895 A JP H07278895A JP 6068747 A JP6068747 A JP 6068747A JP 6874794 A JP6874794 A JP 6874794A JP H07278895 A JPH07278895 A JP H07278895A
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plating
plated
plating solution
carrying
multilayer capacitor
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JP6068747A
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Mika Yamamoto
美歌 山本
Kazuma Tanaka
一磨 田中
Kunihiko Hamada
邦彦 浜田
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被メッキ物上に所望の厚みのメッキ層を確実
にかつ安定に、さらに速やかに形成し得るメッキ装置を
得る。 【構成】 メッキ液22が貯溜されたメッキ槽21内
に、搬送装置24を配置し、搬送装置24のエンドレス
ベルト27上にて被メッキ物としての積層コンデンサ2
0を搬送しつつ外部電極上にメッキ層を形成する装置で
あって、メッキ液噴出孔31及びメッキ液吸引孔32を
搬送方向に沿って配置してなるメッキ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆる湿式メッキ法
により被メッキ物表面にメッキ層を形成するための装置
に関し、特に、メッキ液内において被メッキ物にメッキ
を施すための構造が改良されたメッキ装置に関する。
【0002】本発明は、例えばチップ型電子部品の外部
電極表面にメッキ層を形成するのに好適に利用される
が、金属部材等の他の被メッキ物にメッキ層を形成する
用途にも用いられる。
【0003】
【従来の技術】例えば積層コンデンサなどのチップ型電
子部品では、外部電極上に1層以上のメッキ層を形成す
ることが多い。図1を参照して、従来の積層コンデンサ
の外部電極及びその上に形成されるメッキ層の構造を説
明する。
【0004】積層コンデンサ1は、誘電体セラミックス
よりなる焼結体2内に複数の内部電極3〜8を形成した
構造を有する。セラミック焼結体2の両端面には、外部
電極9,10が形成されている。内部電極3〜8は、通
常、Pd、Ag−Pd、Niなどからなり、該内部電極
3〜8と外部電極9,10との電気的接続を確保するた
め、並びに外部電極9,10の導電性を高めるために、
外部電極9,10はAgペーストあるいはCuペースト
などを塗布し、焼き付けることにより形成されている。
【0005】しかしながら、例えばAgよりなる外部電
極9,10は、はんだ付けに際し、はんだ喰われ現象を
引き起こす。そこで、はんだ喰われ現象を防止するため
に、外部電極9,10の外表面に、Niからなる第1の
メッキ膜11,12を形成している。さらに、半田付け
性を高めるためにNiメッキ層11,12上に、Snま
たは半田により構成される第2のメッキ層13,14を
形成している。
【0006】上記のような第1,第2のメッキ層11〜
14は、従来、単純な電気メッキ法により形成されてい
る。この電気メッキに際しては、図2に示す円筒型ある
いは多角筒形のバレル15と称されているメッキ容器が
用いられている。すなわち、バレル15内に、メッキ液
16、並びにメディアと称されている多数の鋼球17及
びチップ型電子部品18を投入し、陰極19を上記鋼球
17に電気的に接続し、他方メッキ液16側を陽極とし
て通電することによりメッキ層を形成していた。実際に
は、図示しないメッキ液槽中にバレル15を浸漬するこ
とによりメッキが行われる。
【0007】ところで、バレル15を用いたメッキ方法
では、メッキ液16の下方において埋まっているチップ
型電子部品18の外部電極にはメッキ膜が十分に形成さ
れない。すなわち、チップ型電子部品18の外部電極上
に確実にメッキ膜を形成するには、チップ型電子部品1
8がメッキ液16の液面近傍に位置される必要がある。
そこで、バレル15を図示の矢印方向に回転し、内部の
チップ型電子部品18を攪拌し、それによって投入され
ている多数のチップ型電子部品18へのメッキ層の形成
を図っていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、投入さ
れているチップ型電子部品18のすべてに確実にメッキ
層を形成するには、バレル15を回転しつつ長時間通電
しなければならなかった。すなわち、チップ型電子部品
18がメッキ液16の液面近くに存在するときにだけ主
としてメッキ層が形成されるため、投入されているすべ
てのチップ型電子部品18がメッキ液16の液面近くに
ある程度の時間存在するように、長時間に渡り通電を行
わねばならなかった。
【0009】また、比較的長い時間通電し、チップ型電
子部品18の外部電極上にメッキを施したとしても、投
入されているチップ型電子部品18の中には、メッキ液
16の液面に存在する時間が短かったためか十分なメッ
キ層が形成されていなかったり、あるいはメッキ膜が異
常に形成され、絶縁物であるセラミックス上にもメッキ
皮膜が析出形成されているチップ型電子部品18が生じ
たりするという問題があった。
【0010】他方、多数のチップ型電子部品を支持する
ラックを用い、該ラックに支持されたチップ型電子部品
をメッキ液内に浸漬させてチップ型電子部品の外部電極
に電気メッキを行う方法も提案されている。
【0011】しかしながら、チップ型電子部品は、その
外形寸法が非常に小さく、かつメッキ液中ではチップ型
電子部品に浮力が働く。従って、陰極面にチップ型電子
部品の外部電極を確実に当接させることが難しく、両者
の接触状態が不安定となりがちであり、その結果、外部
電極にメッキが施されなかったり、メッキが施されたと
しても、メッキ膜厚が薄いことがあった。
【0012】本発明の目的は、被メッキ物上にメッキ層
を形成するためのメッキ装置であり、より短時間でかつ
確実に所望の厚みのメッキ層を安定に形成することを可
能とするメッキ装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであり、本発明のメッキ装置
は、メッキ液が貯留されたメッキ槽と、前記メッキ液内
に配置されており、かつ被メッキ物を搬送するために被
メッキ物が載置される多孔性もしくはメッシュ状部材よ
りなる搬送部を有し、該搬送部の被メッキ物が載置され
る面が導電性材料で構成されて陰極とされている搬送手
段と、前記メッキ槽内に配置されており、前記メッキ液
を吸引する吸引手段と、前記メッキ槽内配置されてお
り、被メッキ物にメッキ噴流を与える噴流手段とを備え
る。
【0014】上記吸引手段は、被メッキ物近傍のメッキ
液を吸引し、それによって被メッキ物近傍に新たなメッ
キ液を供給することにより、メッキ効率を高めるように
作用するものであり、他方、上記噴流手段は、被メッキ
物近傍に、積極的にメッキ噴流を与え、被メッキ物近傍
に新たなメッキ液を供給するように作用するものであ
る。
【0015】従って、好ましくは、請求項2に記載のよ
うに、上記吸引手段及び噴流手段は、搬送部を挟んで被
メッキ物とは反対側において搬送方向に沿って異なる位
置に配置され、さらに好ましくは、搬送方向において交
互に吸引手段及び噴流手段が並べられる。
【0016】また、上記吸引手段及び噴流手段は、請求
項3に記載のように一方が搬送部を挟んで被メッキ物と
は反対側に、他方が被メッキ物とは同じ側に配置されて
もよい。この場合においても、好ましくは、吸引手段及
び噴流手段は、被メッキ物の搬送方向に沿った異なる位
置に配置され、より好ましくは、搬送方向に沿って交互
に吸引手段及び噴流手段が配置される。
【0017】また、本発明のメッキ方法は、メッキ液内
に配置されており陰極として機能する搬送部上におい
て、被メッキ物を搬送しつつ電気メッキするに際し、前
記搬送部の搬送方向において、被メッキ物近傍のメッキ
液を吸引し、かつメッキ液を吸引する部分とは異なる部
分において被メッキ物側にメッキ噴流を与えることを特
徴とする、メッキ方法である。
【0018】なお、本発明のメッキ装置及びメッキ方法
では、陽極は必ずしも必要ではない。すなわち、メッキ
槽内に陽極を配置してもよいが、代わりに金属イオン供
給液を被メッキ物近傍に供給するようにし、それによっ
て陽極を省略することも可能である。
【0019】なお、本発明は、チップ型電子部品の外部
電極上にメッキ層を形成するのに好適に用い得るが、金
属部材など一般的な被メッキ物に広く適用し得る。
【0020】
【作用】本発明では、被メッキ物は、メッキ液内に配置
された搬送手段の搬送部上において搬送される。この際
に、搬送部の被メッキ物と接触する面が電気メッキに際
しての陰極とされており、従って、該陰極と、陽極もし
くは供給される金属イオンとの間に通電されることによ
り、被メッキ物を搬送しつつ外部電極上に確実にメッキ
層を形成することができる。
【0021】しかも、上記吸引手段が、被メッキ物近傍
のメッキ液を吸引するため、被メッキ物近傍に新たなメ
ッキ液が円滑に供給される。同様に、上記噴流手段は、
被メッキ物近傍にメッキ噴流を与えることにより、新た
なメッキ液を供給する。すなわち、吸引手段及び噴流手
段の作用により、被メッキ物近傍に新たなメッキ液が効
率よく供給されるため、所望の厚みのメッキ層を確実に
かつ速やかに形成することができる。
【0022】また、請求項2に記載のように、上記吸引
手段及び噴流手段を、搬送方向にそって異なる位置に配
置することにより、上記吸引手段及び噴流手段の作用が
より一層効果的に発揮され、それによってより確実にか
つ速やかにメッキ層を形成し得る。
【0023】同様に、請求項3に記載のように、吸引手
段及び噴流手段の一方を搬送部を挟んで被メッキ物と反
対側に、他方搬送部を挟んで被メッキ物と同じ側に配置
することにより、より一層吸引手段及び噴流手段の作用
を効果的に発揮させることができ、従って、より速やか
にかつ確実にメッキ層を形成し得る。
【0024】
【実施例の説明】以下、図面を参照しつつ実施例を説明
することにより、本発明を明らかにする。
【0025】図3は、本発明の一実施例にかかるチップ
型電子部品の電極メッキ装置を説明するための略図的断
面図である。本実施例では、チップ型電子部品として、
両端面に外部電極が形成された積層コンデンサ20が多
数用意され、該積層コンデンサ20の両端面の外部電極
上にメッキ膜が形成される。この積層コンデンサ20の
構造については、図1に示した積層コンデンサ1と同様
であり、積層コンデンサ1におけるメッキ膜11〜14
が形成されていない構造に相当する。
【0026】本実施例のメッキ装置は、メッキ槽21を
有する。メッキ槽21内には、メッキ液22が貯溜され
ている。メッキ液22としては、従来より電気メッキに
用いられている適宜のメッキ液を用いることができ、本
実施例では、Niメッキを行うために、硫酸系のワット
浴が用いられている。
【0027】メッキ液22の外部からメッキ液22内に
電子部品供給プレート23が延ばされている。供給プレ
ート23は、図示のように傾斜されており、先端がメッ
キ液22内に浸漬されている。積層コンデンサ20は、
供給プレート23の傾斜面上を滑落し、メッキ液22内
に供給される。
【0028】なお、上記供給プレート23に代えて、複
数の積層コンデンサ20をエンドレスベルト27の上面
に直接落下させて供給してもよい。あるいは、供給プレ
ート23に代えて、供給プレート23と同様の方向に延
ばされた筒状の供給ガイドを用いてもよい。
【0029】供給プレート23の先端下方には、搬送手
段としての搬送装置24が配置されている。搬送装置2
4は、所定距離を隔てて配置されたローラー25,26
と、ローラー25,26間に架け渡されたエンドレスベ
ルト27とを有する。ローラー25,26の少なくとも
一方が、図示しないモーター等の回転駆動源に連結され
ており、時計方向に回転されるように構成されている。
従って、エンドレスベルト27が、図示の矢印A方向に
移動され、該エンドレスベルト27上に載置された積層
コンデンサ20が搬送される。
【0030】上記エンドレスベルト27は、図4(a)
に横断面図で示すように、メッシュ27aと、メッシュ
27aの両側縁に固定されたガイド27b,27bとを
有する。ガイド27b,27bは、エンドレスベルト2
7上に載置されている積層コンデンサ20の側方からの
落下を防止するために設けられている。ガイド27b,
27bは、合成樹脂や金属等の適宜の材料で構成するこ
とができる。
【0031】メッシュ27aは、本実施例ではステンレ
スメッシュにより構成されている。エンドレスベルト2
7は、積層コンデンサ20を搬送する部材として作用す
るだけでなく、後述のように陰極としても機能する。従
って、本実施例では、メッシュ27aがステンレスメッ
シュにより構成されている。もっとも、エンドレスベル
ト27は、積層コンデンサ20が載置される表面側が導
電性材料で構成されておりさえすればよく、ステンレス
メッシュ27aのような金属材料で構成する必要は必ず
しもない。もっとも、メッキ液22は酸性であるため、
上記のように耐食性に優れたステンレス等によりメッシ
ュ27aを構成することが好ましい。
【0032】本実施例では、上記エンドレスベルト27
が、メッシュ27aを用いて構成されているため、積層
コンデンサ20の外部電極のメッシュ27aに接触して
いる部分近傍にメッキ液が円滑に供給される。
【0033】もっとも、上記メッシュ27aに代えて、
図4(b)に平面図で示すように、多数の貫通孔28a
を有する多孔性プレート28を用いてもよく、その場合
においてもメッキ液が積層コンデンサ20の外部電極近
傍に円滑に供給される。
【0034】なお、本実施例では、ローラー25,26
がエンドレスベルト27のメッシュ27aと同様に、ス
テンレスにより構成されている。従って、ローラー2
5,26も耐食性に優れている。さらに、一方のローラ
ー25が、電気メッキに際し陰極と電気的に接続され、
従って、エンドレスベルト27のメッシュ27aは該ロ
ーラー25に電気的に接続されることにより、陰極とし
て機能される。
【0035】図3に戻り、エンドレスベルト27の上方
には、複数の陽極29が積層コンデンサ20の搬送方向
に沿って配置されている。陰極としてのエンドレスベル
ト27と、上記陽極29との間で電気メッキを行うこと
により、積層コンデンサ20の外部電極上にメッキ層が
形成される。もっとも、陽極29を用いずともよい。す
なわち、エンドレスベルト27の上方において金属イオ
ンを供給する手段、例えば、金属イオン含有水溶液供給
手段を設け、それよって金属イオンを外部電極近傍に供
給するようにすれば、陽極29を省略することができ
る。
【0036】陽極29については、適宜の金属材料をメ
ッキ液22に浸漬することにより構成し得るが、本実施
例では、Niからなる複数の陽極29が浸漬されてい
る。このように、複数の陽極29を積層コンデンサ20
の搬送方向に沿って配置することにより、搬送されてい
る積層コンデンサ20の外部電極表面に、より確実にメ
ッキ層を形成することができる。
【0037】さらに、本実施例のメッキ装置では、エン
ドレスベルト27を挟んで積層コンデンサ20とは反対
側において、複数のメッキ液噴出孔31及びメッキ液吸
引孔32が配置されている。複数のメッキ液噴出孔31
は、メッキ液22外に配置されたポンプP1 に接続され
ており、ポンプP1 を駆動することにより、メッキ液の
噴流がメッキ液噴出孔31から上方に与えられる。すな
わち、積層コンデンサ20の近傍にメッキ液噴流が与え
られるように構成されている。また、このメッキ液噴流
の態様を適宜に選定すれば、噴流によって積層コンデン
サ20をエンドレスベルト27上で転動させることがで
き、必要箇所にメッキ層を確実に形成することができ
る。
【0038】他方、複数のメッキ液吸引孔32は、メッ
キ液22外に配置されたポンプP2に接続されており、
メッキ液吸引孔32の上方のメッキ液を吸引するように
作用する。従って、積層コンデンサ20の近傍に存在す
るメッキ液が、メッキ液吸引孔32により吸引され、そ
の結果、新たなメッキ液が積層コンデンサ20の近傍に
供給される。
【0039】上記のように、上記メッキ液噴出孔31お
よびメッキ液吸引孔32は、いずれも、チップ型電子部
品としての積層コンデンサ20の外部電極近傍に新たな
メッキ液を供給するように作用し、それによって外部電
極上に確実にかつ速やかに所望の厚みのメッキ層を形成
することを可能とする。
【0040】本実施例では、上記メッキ液噴出孔31及
びメッキ液吸引孔32の作用をより効果的に発揮させる
ために、メッキ液噴出孔31と、メッキ液吸引孔32と
は、積層コンデンサ20の搬送方向において異なる位置
に配置されており、さらにメッキ液噴出孔31とメッキ
液吸引孔32とが搬送方向において交互に配置されてい
る。もっとも、メッキ液噴出孔31及びメッキ液吸引孔
32の配置方法は図示の順序に限られるものではない。
【0041】また、本実施例では、複数のメッキ液噴出
孔31がポンプP1 に接続されており、複数のメッキ液
吸引孔32がポンプP2 に接続されていたが、複数のメ
ッキ液噴出孔31及びメッキ液吸引孔32は、それぞ
れ、複数のポンプ等の駆動源に別個に接続されていてい
もよい。
【0042】搬送装置24のローラー26の側方には、
積層コンデンサ取り出し装置33が配置されている。積
層コンデンサ取り出し装置33は、所定距離を隔てて配
置された一対のローラー34,35を有する。
【0043】ローラー34はメッキ液22内に浸漬され
ており、かつローラー26よりも下方に位置されてい
る。他方、ローラー35はメッキ液22外に配置されて
いる。ローラー34,35に、搬送ベルト36が掛け渡
されている。搬送ベルト36は、複数の係止突起36a
を表面側に有する。係止突起36aは、ローラー26上
から落下してきた積層コンデンサ20を係止するために
設けられており、従って係止突起36a,36a間の距
離は積層コンデンサ20の寸法に応じた適当な間隔とさ
れている。すなわち、係止突起36a,36a間に積層
コンデンサ20が少なくとも1個は収納されるような大
きさに、係止突起36a,36a間の距離が選択されて
いる。メッキを施された積層コンデンサ20は、搬送ベ
ルト36により図示の矢印B方向に搬送され、ローラー
35からメッキ槽21外に排出される。
【0044】本実施例のチップ型電子部品の電極メッキ
装置を用いたメッキ方法につき説明する。まず、供給プ
レート23上を滑落させ、複数の積層コンデンサ20を
メッキ槽21内に供給する。しかる後、陽極29及び陰
極として機能するエンドレスベルト17との間に電位差
を与え、エレンドレスベルト27上を搬送されている積
層コンデンサ20に電気メッキを施す。この場合、積層
コンデンサ20はエンドレスベルト27上を搬送される
間に、電気メッキされるため、外部電極上にメッキ層が
確実かつ速やかに形成される。
【0045】しかも、上記メッキ液噴出孔31及びメッ
キ液吸引孔32の作用により、搬送されている積層コン
デンサ20の外部電極近傍に新たなメッキ液が効率よく
供給される。よって、所望の厚みのメッキ層を確実にか
つより一層速やかに形成することができる。
【0046】メッキを施された積層コンデンサ20は、
電子部品取り出し装置33によりメッキ槽21外に排出
される。よって、本実施例のメッキ方法によれば、外部
電極の形成された積層コンデンサ20を順次供給し、上
記のようにして所望の厚みのメッキ層を外部電極上に速
やかに形成することが可能となる。
【0047】なお、上記実施例では、メッキ液噴流手段
及びメッキ液吸引手段として、エンドレスベルト27を
挟んで積層コンデンサ20と反対側に、メッキ液噴出孔
31及びメッキ液吸引孔32を配置したものを示した
が、本発明のメッキ装置におけるメッキ液噴流手段及び
メッキ液吸引手段の配置は、図3に示した構造に限られ
ない。
【0048】例えば図5に示すように、搬送手段を構成
する搬送部41の一方側にメッキ液噴出孔31を複数配
置し、搬送部41を挟んで反対側にメッキ液吸引孔32
を複数配置してもよい。この場合には、搬送部41上を
搬送されるチップ型電子部品に、上方からはメッキ液噴
出孔31の作用により新たなメッキ液が供給され、下方
からメッキ液吸引孔32の作用により古いメッキ液が吸
引されるため新たなメッキ液が、やはりチップ型電子部
品の外部電極近傍に供給されることになる。
【0049】図5に示した例においては、メッキ液排出
孔31と、メッキ液供給孔32とは、図示のように、搬
送部41における搬送方向Aに沿って異なる位置に配置
されることが好ましい。また、より好ましくは、図5に
示すように、複数のメッキ液31及び複数のメッキ液吸
引孔32が搬送方向に沿って交互に配置される。
【0050】なお、図3においては、積層コンデンサ2
0は、搬送手段としてのエンドレスベルト27上を整列
されているかのように搬送されているが、積層コンデン
サ20はエンドレスベルト27上に供給プレート23か
らランダムな状態で供給されるのが普通である。従っ
て、実際には、エンドレスベルト27上面においては、
積層コンデンサ20はランダムな状態で載置されて、搬
送される。
【0051】次に、具体的な実験結果につき説明する。
上記メッシュ27bとして、幅が150mm、長さが1
m、50メッシュのステンレスからなるものを用い、寸
法が3・6×1.6×1.25mmの積層コンデンサ2
0のAgよりなる外部電極上に、Niを上記実施例に従
ってメッキした。
【0052】また、比較のために上記メッキ装置を用
い、ただし、メッキ液噴出孔31及びメッキ液吸引孔3
2を駆動せずにメッキを施した場合(比較例1)、メッ
キ液噴出孔31のみを駆動してメッキを施した場合(比
較例2)、メッキ液吸引孔32のみを駆動してメッキし
た場合(比較例3)の結果についても調べた。
【0053】なお、上記メッキ液噴出孔31は、20l
/分の速度でメッキ液を噴出させるように動作させ、メ
ッキ液吸引孔32については、50l/分の速度でメッ
キ液を吸引するように動作させた。さらに噴出及び吸引
動作はメッキ時間のうち、各1分づつとした。
【0054】さらに、比較のために、従来のバレルメッ
キ法により上記と同一の積層コンデンサにつきメッキを
施した、形成されたメッキ膜の状態を調べた。上記実施
例、比較例に1〜3及び従来例によるメッキ条件及び得
られたメッキ層の膜厚、並びに陰極とチップ型電子部品
の外部電極との付着の有無についての結果を下記の表1
にまとめて示す。
【0055】
【表1】
【0056】表1から明らかなように、従来のバレルメ
ッキ法では、1.50μmの膜厚のメッキ層を形成する
のに50分もの時間を要していた。
【0057】他方、上記メッキ装置を用い、メッキ液噴
出孔31及びメッキ液吸引孔32を動作させなかった場
合(比較例1)には、5分のメッキ時間ではメッキ層の
膜厚が0.81μmと薄く、膜厚のばらつきもσ=0.
62と比較的大きかった。
【0058】また、メッキ液噴出孔31のみを動作させ
た場合(比較例2)には、メッキ層の膜厚ばらつきσは
小さくなるが、5分のメッキ時間ではメッキ層の膜厚が
0.78μmとやはり薄かった。
【0059】さらに、メッキ液吸引孔32のみを動作さ
せた場合には(比較例3)、メッキ時間5分においてメ
ッキ膜の厚みは3.10μmとかなり大きいが、陰極と
電子部品の外部電極との付着が、155個の積層コンデ
ンサにおいて発生していた。
【0060】これに対して、本実施例の方法では、5分
のメッキ時間で1.45μmの厚みのメッキ層を形成す
ることができ、しかもメッキ層のばらつきが小さかっ
た。また陰極と積層コンデンサとの付着現象も生じなか
った。
【0061】従って、本実施例のメッキ装置及びメッキ
方法を用いれば、所望の厚みのメッキ層を確実に、かつ
速やかに形成することができ、しかもメッキ層の厚みの
ばらつきも小さいことがわかる。
【0062】なお、本願発明者の実験によれば、上記メ
ッキ液噴出孔31及びメッキ液吸引孔32を動作させる
時間は、積層コンデンサ20が搬送されている間、連続
していてもよく、あるいは間欠的に駆動させてもよく、
何れの場合においても上記実験結果と同様の評価が得ら
れることが確かめられている。また、上記の実施例の条
件では、少なくとも1分間、メッキ液吸引孔32及びメ
ッキ液噴出孔31を動作させれば、上記実施例と同様
に、十分な膜厚のメッキ層を安定に形成し得ることが確
かめられている。
【0063】
【発明の効果】本発明のメッキ装置では、搬送手段が陰
極としても機能するため、搬送手段上に載置された被メ
ッキ物がメッキ槽内を搬送される間に電気メッキにより
外部電極用にメッキ層が形成される。しかも、メッキ液
内に配置された上記メッキ液噴流手段及びメッキ液吸引
手段により新たなメッキ液が被メッキ物近傍に効率よく
供給される。よって、被メッキ物上に所望の厚みのメッ
キ層を確実にかつ速やかに形成することが可能となる。
【0064】また、本発明のメッキ方法によれば、電気
メッキに際し、メッキ液噴流が与えられ、かつメッキ液
が吸引されることになるため、被メッキ物近傍に新たな
メッキ液が効率よく供給されるため、所望の厚みのメッ
キ層を、より一層確実かつ速やかに形成することができ
る。さらに、噴流メッキ液の供給によって、被メッキ物
を搬送手段上で転動させるようにした場合には、必要な
箇所により確実にメッキ層の形成ができる。
【0065】従って、本発明によれば、例えば、所望の
厚みのメッキ層が形成されたチップ型電子部品を安価に
かつ効率よく供給することが可能となり、従来のバレル
メッキに比べ約1/10の時間で同程度の厚みのメッキ
層を確実に形成することができ、さらにロット内におけ
るメッキ層の厚みのばらつきも、バレルメッキの場合と
同程度に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】被メッキ物としてのチップ型電子部品の一例と
しての積層コンデンサを説明するための断面図。
【図2】従来のバレルメッキ法を説明するための部分切
欠斜視図。
【図3】実施例のチップ型電子部品の電極メッキ装置を
説明するための略図的断面図。
【図4】(a)及び(b)は、エンドレスベルトの横断
面図及び多孔プレートを示す平面図。
【図5】本発明の他の実施例を説明するための模式的側
面図。
【符号の説明】 21…メッキ槽 22…メッキ液 20…被メッキ物としての積層コンデンサ 24…搬送装置(搬送手段) 27…エンドレスベルト(搬送部) 29…陽極 31…メッキ液噴出孔(メッキ液噴流手段) 32…メッキ液吸引孔(メッキ液吸引手段) P1 ,P2 …ポンプ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メッキ液が貯留されたメッキ槽と、 前記メッキ液内に配置されており、かつ被メッキ物を搬
    送するために被メッキ物が載置される多孔性もしくはメ
    ッシュ状部材よりなる搬送部を有し、該搬送部の被メッ
    キ物が載置される面が導電性材料で構成されて陰極とさ
    れている搬送手段と、 前記メッキ槽内に配置されており、前記メッキ液を吸引
    する吸引手段と、 前記メッキ槽内に配置されており、被メッキ物にメッキ
    噴流を与える噴流手段とを備える、メッキ装置。
  2. 【請求項2】 前記吸引手段及び噴流手段は、搬送部を
    挟んで被メッキ物と反対側において、前記搬送手段の搬
    送方向に沿って異なる位置に配置されている、請求項1
    に記載のメッキ装置。
  3. 【請求項3】 前記吸引手段及び噴流手段の一方が、前
    記搬送部を挟んで被メッキ物と反対側に、前記吸引手段
    及び噴流手段の他方が、搬送部を挟んで被メッキ物とは
    同じ側に配置されている、請求項1に記載のメッキ装
    置。
  4. 【請求項4】 メッキ槽内に配置されており、陰極とし
    て機能する搬送部上において、被メッキ物を搬送しつつ
    電気メッキするに際し、前記搬送部の搬送方向におい
    て、被メッキ物近傍のメッキ液を吸引し、かつメッキ液
    を吸引する部分とは異なる部分において被メッキ物側に
    メッキ噴流を与えることを特徴とする、メッキ方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009295982A (ja) * 2008-06-09 2009-12-17 Semes Co Ltd ケミカルフロー方法、及びこれを用いる集積回路素子の製造方法、並びに装置
CN106966166A (zh) * 2017-05-19 2017-07-21 六安维奥智能科技有限公司 一种用于螺栓类紧固件表面处理传输装置
JP2018087384A (ja) * 2018-02-28 2018-06-07 中央機械株式会社 めっき装置、めっき方法、及びめっき対象物収容カートリッジ

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