JPH08172271A - プリント基板のめっき方法 - Google Patents

プリント基板のめっき方法

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JPH08172271A
JPH08172271A JP33289194A JP33289194A JPH08172271A JP H08172271 A JPH08172271 A JP H08172271A JP 33289194 A JP33289194 A JP 33289194A JP 33289194 A JP33289194 A JP 33289194A JP H08172271 A JPH08172271 A JP H08172271A
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circuit board
printed circuit
plating
station
bath
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Application number
JP33289194A
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English (en)
Inventor
Hidenori Tsuji
秀徳 辻
Masami Ishikawa
昌巳 石川
Norio Kawachi
範夫 河内
辰治 ▲高▼須
Tatsuji Takasu
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Udylite Co Ltd
Original Assignee
Ebara Udylite Co Ltd
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  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プリント基板のスルホール内壁面に無電解め
っきを用いること無く銅めっきを施すダイレクトプレー
ティング法において、スルホール内面に付着した金属イ
オンを確実に還元でき、高品質のめっきを得られるプリ
ント基板のめっき方法を提供することを目的とする。 【構成】 アクチベータ工程でコロイド微粒子あるいは
金属イオンがスルホール内面に吸着されたプリント基板
Pを、アクセラレータ工程においてアルカリ性還元浴に
浸漬させて導電化皮膜を形成し、次いで、スタビライザ
工程において酸性浴に浸漬させて導電化皮膜を安定化し
た後、このプリント基板Pに電気めっきを施すプリント
基板のめっき方法であって、アクセラレータ工程のアル
カリ性還元浴とスタビライザ工程の酸性浴20にそれぞ
れ電極部材82を配置し、該電極部材82を整流器83
の陽極に、前記プリント基板Pをコンベア70のステン
レス製ロールリング72を介して整流器83の陰極に接
続し、該陰極と前記陽極との間に低電圧を印加して所定
の電流を通電する弱電解処理を行うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、プリント基板のめっ
き方法、特に、無電解めっきを用いること無くプリント
基板のスルホール内壁面にめっきを施すめっき方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、上述のような無電解めっきを用い
ること無くプリント基板のスルホール内壁面に銅めっき
を施す、いわゆるダイレクトプレーティング法において
は、プリント基板のスルホール内壁面にパラジウムを含
むコロイド微粒子あるいは金属イオンをスルホール内面
に吸着させ、これを2価スズイオンの不均化反応、また
は、ジメチルアミノボランやほうそ化水素ナトリウムな
どの化学薬品を用いて化学的反応により還元して導電性
金属皮膜を形成し、さらに、酸性浴に浸漬させて導電性
金属皮膜を安定化し、この後に、電気めっきを施すよう
にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のダイレクトプレーティング法にあっては、2価
スズイオンの不均化反応やジメチルアミノボランやほう
そ化水素ナトリウムなどの化学薬品の還元作用により還
元するため、スルホール内面に吸着した2価スズイオン
の量やほうそ化水素ナトリウムなどの化学薬品の活性に
還元効果が大きな影響を受け、スルホール内面に十分な
2価のスズイオンを吸着させることができなかった場合
やほうそ化水素ナトリウムなどの化学薬品が劣化してい
た場合等に、還元が不十分で高い導電性、また、適正な
導電性皮膜が得られないことがあるという問題があっ
た。この発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、ス
ルホール内面に付着した金属イオンを確実に還元でき、
高品質のめっきを得られるプリント基板のめっき方法を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、パラジウムが含まれるコロイド微粒子あ
るいは金属イオンをプリント基板のスルホール内面に吸
着させるアクチベータ工程と、該アクチベータ工程でコ
ロイド微粒子あるいは金属イオンがスルホール内面に吸
着されたプリント基板をアルカリ性還元浴に浸漬させて
導電化皮膜を形成するアクセラレータ工程と、該アクセ
ラレータ工程で導電化皮膜が形成されたプリント基板を
酸性浴に浸漬させて導電化皮膜を安定化するスタビライ
ザ工程と、該スタビライザ工程から移送されるプリント
基板に電気めっきを施す電気めっき工程とを備えるプリ
ント基板のめっき方法において、前記アクチベータ工程
のアルカリ性還元浴および/または前記スタビライザ工
程の酸性浴に電極部材を配置し、該電極部材を整流器の
陽極に、前記プリント基板を整流器の陰極に接続し、該
陰極と前記陽極との間に低電圧を印加して所定の電流を
通電する弱電解処理を行うようにした。
【0005】そして、この発明のプリント基板のめっき
方法は、前記弱電解処理を印加電圧が3ボルト以下、前
記通電電流がプリント基板の銅の表面積に対して5〜5
00mA/dm2 の範囲、かつ、通電時間が3乃至5分
間程度の態様(請求項2)に、また、前記弱電解処理に
おける電極部材が白金、カーボン、ステンレスあるいは
チタンからなる不溶性アノード、または、金属基材の表
面に酸化イリジウムをコーティングした不溶アノードか
らなる態様(請求項3)、さらに、前記アルカリ性還元
浴が炭酸塩、カセイソーダ、銅イオンおよびキレート剤
を含み、前記酸性浴が硫酸を10〜200g/l含む態
様(請求項4)に構成することができる。
【0006】
【作用】本発明のプリント基板のめっき方法によれば、
アクチベータ工程においてプリント基板のスルホール内
面にパラジウムコロイド等が吸着され、このスルホール
内面のパラジウムコロイド等がアクセラレータ工程のア
ルカリ性還元浴あるいは前記スタビライザ工程の酸性浴
の少なくとも一方において化学的な還元と併せて電気的
にも還元され、スルホール内面の導電性皮膜の金属化が
促進されるとともに皮膜中への銅の析出も増加し、高い
導電性が得られ電気抵抗が減少する。したがって、後の
めっき工程における銅めっきのつきまわりが向上し、銅
めっきの粗雑析出(褐色皮膜)も防止でき、スルホール
内面の全域に平滑性、光沢性に優れためっきを設けるこ
とができる。
【0007】また、弱電解時の電流は10mA/dm2
以下では顕著な効果が認められず、逆に、300mA/
dm2 以上では基板の銅箔表面からの水素ガスの発生が
著しく、さらに、パラジウム分の脱落が原因と推測され
る電気抵抗が増大する現象が見られる。
【0008】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。図1から図5はこの発明の一実施例にかかるプ
リント基板のめっき方法を示し、図1が同方法を実施す
る前段の工程の装置模式図、図2が同中段の工程の装置
模式図、図3が同後段の工程の装置模式図、図4が同方
法の要部の工程の装置の模式平面図、図5が同工程の装
置の模式正面図である。
【0009】図1,2,3に示すように、この実施例に
おいては、ロード・ステーション、コンディショナー・
ステーション、水洗ステーション、マイクロエッチ・ス
テーション、水洗ステーション、プレディップ・ステー
ション、アクチベータ・ステーション、水洗ステーショ
ン、アクセラレータ・ステーション、水洗ステーショ
ン、スタビライザ・ステーション、水洗ステーション、
銅めっきステーション、水洗ステーションおよびアンロ
ード・ステーションを有し、ロード・ステーションから
アンロード・ステーションまで各ステーションを通って
コンベア70が延設されている。
【0010】コンベア70は、回路基板(プリント基
板)Pを各ステーション間を連続して搬送する。このコ
ンベア70は、ロードステーションでプリント回路基板
Pを受け入れ、このプリント回路基板Pをその延在方向
と移送方向が一致する水平状態で搬送(移送)し、アン
ロード・ステーションでプリント回路基板Pを受け渡
す。なお、図示は省略するが、プリント回路基板Pは、
表裏の少なくとも一面に銅箔を有し、表裏を貫通する周
知のスルホールが形成されている。
【0011】コンディショナー・ステーションにおいて
は、処理槽20が配置され、この処理槽20内を上記コ
ンベア70が通る。処理槽20内には、コンベア70に
よるプリント基板Pの移送路の上下に吐出配管21と接
続した複数の噴射ノズル22が配置され、また、所定の
貯留レベルを越える処理液を排出するための戻り配管2
3が接続される。吐出配管21はクッション槽24内に
貯留された処理液を吐出する循環ポンプ25に連絡さ
れ、戻り配管22がクッション槽24と接続されて処理
液を導く。このコンディショナー・ステーションにおい
ては、プリント回路基板Pの表裏両面に噴射ノズル22
から処理液を噴射し、スルホール内の洗浄と気泡の追出
しを行う。
【0012】水洗ステーションにおいては、水洗槽30
が配設され、この水洗槽30内を上記コンベア70が通
る。水洗槽30内にはコンベア70によるプリント基板
Pの移送路の上下にそれぞれ複数の噴射ノズル31が配
置され、これら噴射ノズル31がポンプ32に連絡され
る。ポンプ32は、吸込ポートが水洗槽30の下部およ
び供給源に並列に連絡され、洗浄水を圧送する。この水
洗ステーションにおいては、プリント回路基板Pの表裏
に洗浄水を噴射し、コンディショナー工程で付着した処
理液等を洗い流す。なお、図1,2,3における各水洗
ステーションは共通した構成であり、また、その構成は
周知の水洗設備を用いることができるため、以下の各水
洗ステーションの説明は割愛する。
【0013】マイクロエッチ(ソフトエッチング)・ス
テーション、プレディップ・ステーションおよびアクチ
ベータ・ステーションは、図1,2,3の模式図では上
述したコンディショナー・ステーションと同一の構成を
有する。すなわち、同一の構成に同一の符号を付し共通
して説明すれば、処理槽20からオーバーフローする処
理液をクッション槽24に貯留し、このクッション槽2
4内の処理液をポンプ25で圧送して基板Pの移送路に
沿って上下に配置された噴射ノズル22から基板Pの表
裏面に噴射する。
【0014】そして、マイクロエッチ・ステーションに
おいては基板Pの銅箔表面をエッチングし、洗浄ととも
に活性化を行う。プレディップ・ステーションにおいて
は次のアクチベータ浴の汚染を防止し、アクチベータ・
ステーションにおいてはパラジウムが含まれるコロイド
微粒子あるいは金属イオンをプリント基板Pのスルホー
ル内面等に吸着させる。
【0015】アクセラレータ・ステーションにおいて
は、図4および図5に示すように、外槽80内上部に処
理液を貯留した処理槽(アクセラレータ槽)20が設け
られ、外槽80に処理槽20をオーバーフローした処理
液が貯留される。これら外槽80と処理槽20とは循環
ポンプ32が介設された送り配管21と戻り配管23と
で連絡する。処理槽20には上記コンベア70が通り、
このコンベア70の上下にそれぞれ複数の不溶性陽極
(電極部材)82が処理液中に浸漬するようにコンベア
70の搬送方向に沿って配置され、また、複数の噴射ノ
ズル22が配置される。噴射ノズル22は循環ポンプ3
2と連絡されて循環ポンプ32が吐出する外槽80内の
処理液を基板Pに向けて噴射し、処理槽20からオーバ
ーフローした処理液が戻り配管23を経て外槽80に還
流する。
【0016】コンベア70は、処理槽20において、プ
ラスチック製のロールリング71が取り付けられた回転
軸を基板Pを挟持可能に上下一対と、また同様に、ステ
ンレス製のロールリング72が取り付けられた回転軸を
上下一対として搬送方向に間隔を隔て複数を回転自在に
支持し、これら各対の回転軸をそれぞれ回転駆動可能に
駆動機構に連結して構成される。ステンレス製のロール
リング72は、搬送方向に2対のプラスチック製のロー
ルリング71を隔て間欠的に配置され、搬送する基板P
の表面(裏面)銅箔と電気的に導通する。このステンレ
ス製のロールリング72は、整流器(直流電源)83の
陰極(−)に接続される。整流器83は、その陽極
(+)に上記不溶性陽極82が接続され、不溶性陽極8
2とロールリング72との間に所定の電圧、電流を印加
通電して後述する弱電解を行う。
【0017】このアクセラレータ・ステーションにおい
ては、炭酸塩、カセイソーダ、銅イオンおよびキレート
剤を含む処理液を用い、アクチベータ・ステーションか
ら搬入されたPd−Snコロイド粒子がスルホール内壁
面等に吸着した基板Pを化学的に還元するとともに、不
溶性陽極82とロールリング72との間に電圧、電流を
印加通電して弱電解し、スルホール内壁面等に吸着した
コロイド粒子を還元して導電性皮膜を形成する。
【0018】また、スタビライザ・ステーションも、上
記アクセラレータ・ステーションと同様の設備を有する
(その説明は上記図4,5と同一の番号を用い、割愛す
る)。このスタビライザ・ステーションにおいては、硫
酸を10〜200g/l含む処理液を処理槽20に貯留
し、処理液を複数の噴射ノズル22から基板Pに向けて
噴射して基板Pのスルホール内壁面の導電性皮膜を安定
化するとともに、不溶性陽極82とロールリング72と
の間に整流器83により電圧、電流を印加通電して弱電
解を行う。
【0019】なお、上記アクセラレータ・ステーション
およびスタビライザ・ステーションにおいては、無端チ
ェーン機構等によって導電性の材料からなる複数のクリ
ップをコンベア70と同一速度で走行可能に設け、上記
ステンレス製のロールリング72を廃止することも可能
である。この場合、クリップは、基板Pを挟着可能に構
成され、無端チェーン等を介して整流器83の陰極に接
続される。このクリップは、槽の入口および出口でカム
機構等と係合し、槽の入口で基板Pを挟着して基板Pの
銅箔と電気的に導通し、また、槽の出口で基板Pを開放
するように構成される。
【0020】また、上記ステンレス製のロールリング7
2は、ステンレスや銅等からなる治具で代替し、この治
具上に1乃至複数枚の基板Pを表面銅箔との導電状態を
保持して載置することができ、さらに、ステンレス等の
バスケットで代替し、このバスケットに複数の基板Pを
間隔(例えば、10mm程度)を隔て銅箔が電気的に導
通した状態で収容することも可能である。
【0021】銅めっきステーションにおいては、上記コ
ンベア70が通る外槽1内の上部に電解槽2が、下部に
受槽91が銅金属塩を投入可能に区画され、コンベア7
0による基板P搬送路の上下に複数の噴射ノズル10が
配設される。電解槽2および受槽91にはめっき液が貯
留され、電解槽2でオーバーフローしためっき液が受槽
91に流入し、受槽91内のめっき液がカートリッジフ
ィルタを付設した循環ポンプ3により電解槽2に送出さ
れる。循環ポンプ3は、吐出ポートが吐出配管11を介
して噴射ノズル10に連絡され、これら噴射ノズル10
に受槽91内のめっき液を圧送する。噴射ノズル10
は、コンベア70の基板移送路の上下に配置され、循環
ポンプ3から供給されるめっき液を電解層2内で基板P
に向けて噴射する。
【0022】また、図示しないが、電解槽2には水洗槽
との間で無端チェーンがコンベア70と並行に設けら
れ、この無端チェーンに整流器の陰極と電気的に導通し
た複数のクリップが所定間隔で取り付けられる。無端チ
ェーンは電解槽2と水洗槽内を連続して走行し、クリッ
プは電解槽の入口および出口でカム機構等と係合し、槽
の入口で基板Pを挟着して基板Pの銅箔と電気的に導通
し、また、槽の出口で基板Pを開放する。
【0023】さらに、電解槽2内には、基板Pの移送方
向に沿って所定の幅、長さの不溶性陽極板7がコンベア
70による搬送路の上下に一定間隔を保って1対となる
ように水平に設けられ、その複数対が並列に配置されて
いる。これら不溶性陽極板は、隣合った上下1対の不溶
性陽極板7とは互いに電気的に絶縁され、各対が整流器
の陽極と接続されている。この不溶性陽極板7は、白
金、カーボン、フェライトあるいはイリジウムなどの白
金族元素の酸化物を金属基体上にコーティングして構成
される。
【0024】この銅めっきステーションでは、各ステー
ションにおける処理が施された基板Pが搬入され、この
基板Pの水平進行方向の側縁部の一方を無端チェーンの
クリップで挟んで整流器の陰極と接続し、基板Pを電解
槽2内のめっき液中を水平状態で移送して基板Pにめっ
きを施す。なお、詳細な説明と図示は省略するが、この
銅めっきステーションにおいては、基板Pの大きさに対
応して基板Pの上下方向の投影面内に含まれる不溶性陽
極板7の各対が選択的に通電される。また、銅めっきに
おいては、前記の水平装置に限定されること無く、通常
広く使用されている垂直方式のめっき装置で処理するこ
ともでき、さらに、不溶性陽極のみでなく可溶性の銅陽
極を使用することもできる。
【0025】この実施例にあっては、スルホールを形成
されたプリント回路基板Pがデスミア処理された後にロ
ード・ステーションに搬入され、このプリント回路基板
Pをコンベア70により搬送してコンディショナー・ス
テーション、マイクロエッチ・ステーションおよびプレ
ディップ・ステーションにおいてそれぞれ周知の処理を
施し、アクチベータ・ステーションにおいてパラジウム
を含むコロイド微粒子あるいは金属イオンを基板Pのス
ルホール内面等に吸着させる。
【0026】次いで、アクセラレータ・ステーションで
基板Pをアルカリ性還元浴に浸漬させ、続くスタビライ
ザ・ステーションで酸性浴に基板Pを浸漬させる。そし
て、アクセラレータ・ステーションとスタビライザ・ス
テーションにおいては、それぞれ、基板Pをステンレス
製のロールリング72により整流器83の陰極に、各ス
テーションの槽20の搬送路の上下に配置された不溶性
アノード82を整流器83の陽極に接続し、両極間に3
ボルト以下の低電圧を印加して基板Pの銅箔面積に対し
5〜500mA/dm2 の電流を30秒から8分の間、
望ましくは、下記の表1の条件で通電する。
【0027】
【表1】
【0028】すなわち、アクセラレータ・ステーション
においてはアルカリ性還元浴による化学的還元に加えて
電気的な還元も行い、また、続くスタビライザ・ステー
ションにおいても電気的な還元を行って導電性皮膜を得
る。このため、スルホール内面に付着したパラジウムコ
ロイドイオンを確実に金属化することができ、また、皮
膜中への銅の析出も増加し、高い導電性(電気抵抗の小
さな)の導電性皮膜が得られる。このスルホール内導電
性皮膜の電気抵抗(基板Pの表裏の銅箔間の電気抵抗)
は弱電解時の電流密度に対して図6に示すような特性を
呈する。
【0029】次に、導電性皮膜が形成されたプリント回
路基板Pはスタビライザ・ステーションから銅めっきス
テーションの電解槽2内に導電性皮膜が濡れ性を維持し
た状態で電解槽2内に連続的に移送され、電解槽2内に
おいて基板Pに銅めっきが施される。すなわち、整流器
により不溶性陽極板と基板Pとの間に所定電圧、所定電
流を通電し、基板Pのスルホール内面等に銅めっきを施
す。
【0030】ここで、上述したように、基板Pのスルホ
ール内面等に形成された導電性皮膜は十分に還元されて
金属化され電気抵抗が小さいため、銅めっきはその初期
から微細結晶として良好なつきまわり性と密着性をもっ
てスルホールの全内面に析出し、平滑性、光沢性に優れ
た高品質のめっきが得られる。
【0031】次に、上記実施例の実験例を述べる。 A.実験例1 1.使用した基板 ・材料;FR−4、CEM−3、変性ポリイミド、BT
レジンの各種 ・寸法;250mm×250mm×1.6mm(t) ・スルホール;直径1.0、0.6、0.4、0.3mm
の穴が600穴 合計2400空けられた基板 2.使用されたプロセスおよび各工程の処理条件 ・プロセスおよび処理条件は表2に示すものを採用し
た。
【0032】
【表2】 ただし、各工程間では1〜3分間の水洗が行われ、前段
の工程の薬液は洗浄される。
【0033】そして、基板をステンレス製の治具に固定
し、下記のaの条件で比較例1aを、また、bの条件で
実験例1bを、cの条件で実験例1cを作製した。 条件a;従来の方法にて処理し、弱電解処理を行わな
い。 条件b;上記aと同様の処理を行い、かつ、アクセラレ
ータ工程とスタビライザ工程の双方で弱電解処理を行っ
た。具体的には、アクセラレータ工程の浴中において、
基板を陰極、処理槽内に浸漬されたステンレス製の板を
陽極として、電圧1.0〜1.5ボルト、電流600m
A(基板の銅箔面積当たり、約50mA/dm2 )で弱
電解を各工程の処理時間に併せて5分間行った。また、
次のスタビライザ工程では、酸性浴中において、基板を
陰極、浴中のチタン平板上に酸化イリジウムをコーティ
ング焼き付けした電極を陽極として、電圧1.0〜2.
0ボルト、電流600mA(基板の銅箔面積当たり、約
50mA/dm2 )で弱電解を工程の処理時間に併せて
3分間行った。 条件c;上記aと同様の処理を行い、かつ、スタビライ
ザ工程のみで上記bと同一の条件で弱電解処理を行っ
た。
【0034】上記比較例1aおよび実験例1b,1cの
基板を水洗後、乾燥し、それぞれ両面の電気抵抗を測定
したところ、下記の表3に示す結果が得られ、実験例1
b,1cでは電気抵抗が大幅に低下し、スルホール内面
に高い導電性の皮膜が形成されていることが分かる。
【表3】
【0035】また、上記各基板1a,1b,1cを5体
積%の硫酸に25°Cで1分間浸漬した後に硫酸銅めっ
き(荏原ユージライト(株)製 CuBrite TH
プロセス)を電流密度1A/dm2 および3A/dm2
で5分間および30分間めっきしたところ、下記の表4
に示す結果が得られた。すなわち、比較例1aには褐色
の析出が見られたが、実験例1b,1cは明るい銅色
で、実験例1b,1cは高品質のめっきが得られた。
【表4】
【0036】さらに、弱電解による導電性皮膜の改質を
確認するため、FR−4材基板の表面の銅箔を通電用の
周辺部1cmを残してエッチング剤により剥離・溶解
し、前述の各条件a,b,cで処理して樹脂表面積が1
dm2 サンプルa’,b’,c’を作製した。次いで、
これらサンプルa’,b’,c’をそれぞれ通電用の周
辺部の銅箔部分を切断機で切断した後、30容量%の硝
酸水溶液に浸漬して表面に生成された導電性皮膜を溶解
した。そして、原子吸光分析装置を用いて、溶液中のパ
ラジウム、スズおよび銅を定量したところ、各サンプル
a’,b’,c’導電性皮膜中の各成分量は表5の通り
であった。
【0037】
【表4】
【0038】上記表4から明らかなように、アクセラレ
ータ工程およびスタビライザ工程で基板を陰極として弱
電解を行うと、アクチベータ工程において付着したパラ
ジウム/スズ・コロイドの金属条体への還元が促進され
るとともに微量の銅分が導電性皮膜中に共析し、皮膜の
抵抗値が大幅に低下し、その後の電気銅めっき工程にお
いて、低電流密度での粗雑析出を防ぐとともに付き廻り
の改善に役立つことが明らかである。
【0039】なお、実験により、アクセラレータ工程お
よびスタビライザ工程のいずれにおいても弱電解の電流
が5mA/dm2 以下では効果がほとんど認められず、
また、300mA/dm2 以上では水素ガスの発生が著
しく処理後の電気抵抗が高くなる傾向が見られ、好まし
くないことが判定された。
【0040】B.実験例2 前記実験例1と同類の基板10枚をステンレス製のバス
ケットに1cmの間隔で垂直に隣合わせて全てを挿入
し、実験例1と同一の条件a、下記の条件b2および条
件3bで処理し、比較例2a、実験例2bを得た。 b2;アクセラレータ工程の浴中において、バスケット
を陰極、処理槽内にバスケットの両側で浸漬配置された
ステンレス製の板を陽極として、電圧1.5〜2.0ボ
ルト、電流8A(基板の銅箔面積当たり、約50mA/
dm2 )で弱電解を各工程の処理時間に併せて5分間行
った。次に、酸性浴浸漬工程の浴中においても、同様
に、電圧1.5〜2.0ボルト、電流4Aで弱電解を工
程の処理時間に併せて3分間行った。
【0041】そして、水洗・乾燥後に、上記比較例2
a、実験例2bの内のバスケット内の最も外側に配置し
たもの(実験例2b−1)と中心に配置したもの(実験
例2b−2)についてそれぞれ電気抵抗を測定したとこ
ろ、表6に示すような結果が得られた。この結果から、
バスケットの隣合うように複数枚の基板を挿入して弱電
解処理を行っても、中心に位置した基板も従来に比較し
て効果が認められることが実証された。
【0042】
【表6】
【0043】C.実施例3 上記実験例1,2と同類の基板を水平処理装置で処理し
た。水平処理装置は、前述した図1,2,3に示すよう
に、各処理工程のユニットが水平式水洗ユニットを介し
て一列に連結されており、各工程とも薬液が満たされて
いる槽内に上下2段にコンベアロールが約8cmの間隔
で多数取り付けられ、基板は各ユニットのコンベアロー
ルの間を水平状態で移送される間に処理と水洗が行われ
る。
【0044】そして、薬液を実験例1と同一として基板
を水平状態で移送しつつ、実験例1の条件aと同一の条
件で処理して比較例3aを、また、実験例1と同様にア
クセラレータ工程およびスタビライザ工程でそれぞれ基
板の銅箔面積当たり50mA/dm2 の電流を5分間、
3分間通電して実験例3bを得、これらの比較例3aと
実験例3bとについて電気抵抗を測定した。この結果
は、下記の表7に示すようなもので、水平装置における
処理の場合も、弱電解の効果が顕著に見られることが判
った。
【0045】
【表7】
【0046】なお、述べるまでもないが、本発明は、ア
クセラレータ工程とスタビライザ工程のいずれか一方で
弱電解処理を行うことで達成でき、また、アクセラレー
タ工程の後スタビライザ工程の前、あるいは、スタビラ
イザ工程の後に弱電解処理を行う工程を別個独立に設け
ることも可能である。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
プリント基板のめっき方法によれば、アクセラレータ工
程またはスタビライザ工程の少なくとも一方で薬品によ
る化学的還元に加えて弱電解処理を行うため、スルホー
ル内面の導電性皮膜の金属化が促進されるとともに皮膜
中への銅の析出も増加し、高い導電性が得られ電気抵抗
が減少し、めっき工程における銅めっきのつきまわりが
向上し、スルホール内面の全域に平滑性、光沢性に優れ
ためっきを設けることができるという顕著な効果を奏す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかるプリント基板の電
気めっき方法を実施する工程の前部分の装置の模式図で
ある。
【図2】同電気めっき方法を実施する工程の中間部分の
装置の模式図である。
【図3】同電気めっき方法を実施する工程の後部分の装
置の模式図である。
【図4】同電気めっき方法を実施する工程におけるアク
セラレータ・ステーションの設備の模式平面図である。
【図5】同電気めっき方法を実施する工程におけるアク
セラレータ・ステーションの設備の模式正面図である。
【図6】弱電解を施した基板のスルホール内導電皮膜の
電気抵抗と弱電解時の電流密度との関係を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 外槽 2 電解槽 3 循環ポンプ 5 無端導電チェーン 7 不溶性陽極板 9 電圧・電流調節器 10 噴流ノズル 20 処理槽 21 吐出配管 22 噴射ノズル 23 戻り配管 24 クッション槽 25 循環ポンプ 30 水洗槽 31 噴射ノズル 32 ポンプ 70 コンベア 72 ステンレス製ロールリング 82 不溶性電極(電極部材) 83 整流器 91 受槽 P 基板
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲高▼須 辰治 東京都台東区東上野2丁目18番8号 荏原 ユージライト株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一面に銅箔が設けられたプリ
    ント基板のスルホール内面にパラジウムが含まれるコロ
    イド微粒子あるいは金属イオンを吸着させるアクチベー
    タ工程と、 該アクチベータ工程でコロイド微粒子あるいは金属イオ
    ンがスルホール内面に吸着されたプリント基板をアルカ
    リ性還元浴に浸漬させて導電化皮膜を形成するアクセラ
    レータ工程と、 該アクセラレータ工程で導電化皮膜が形成されたプリン
    ト基板を酸性浴に浸漬させて導電化皮膜を安定化するス
    タビライザ工程と、 該スタビライザ工程から移送されるプリント基板に電気
    めっきを施す電気めっき工程とを備えるプリント基板の
    めっき方法において、 前記アクセラレータ工程のアルカリ性還元浴および/ま
    たは前記スタビライザ工程の酸性浴に電極部材を配置
    し、該電極部材を整流器の陽極に、前記プリント基板を
    整流器の陰極に接続し、該陰極と前記陽極との間に所定
    の低電圧を印加して所定の電流を通電する弱電解処理を
    行うことを特徴とするプリント基板のめっき方法。
  2. 【請求項2】 前記弱電解処理は、印加電圧を3ボルト
    以下に、前記通電電流をプリント基板の銅の表面積に対
    して5〜500mA/dm2 に、かつ、通電時間を30
    秒〜8分間とした請求項1記載のプリント基板のめっき
    方法。
  3. 【請求項3】 前記弱電解処理に用いる電極部材が白
    金、カーボン、ステンレスあるいはチタンからなる不溶
    性アノード、または、金属基材の表面に酸化イリジウム
    をコーティングしてなる不溶性アノードである請求項1
    記載のプリント基板のめっき方法。
  4. 【請求項4】 前記アルカリ性還元浴が炭酸塩、カセイ
    ソーダ、銅イオンおよびキレート剤を含み、前記酸性浴
    が硫酸を10〜200g/l含む請求項1記載のプリン
    ト基板のめっき方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6083340A (en) * 1997-02-28 2000-07-04 Hokuriku Electric Industry Co., Ltd. Process for manufacturing a multi-layer circuit board
JP2003015339A (ja) * 2001-07-05 2003-01-17 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体用支持体の製造方法、電子写真感光体、画像形成装置
JP2012526914A (ja) * 2009-05-13 2012-11-01 ゲブリューダー シュミット ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウェハを処理する方法及びデバイス

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