JP2004018975A - めっき方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】送出ロール7から長尺基材2を順次送り出し、まず、触媒処理槽4において長尺基材2を触媒液9に浸漬させることにより、長尺基材2に触媒を付着させた後、次いで、めっき処理槽5において長尺基材2をめっき液10に浸漬させるとともに、長尺基材2を陰極として、長尺基材2とめっき液10との間に10A/m2以下の低電流を流すことにより、長尺基材2の表面にめっき皮膜を形成する。このめっき方法によれば、例えば、触媒の付着が不十分であっても、長尺基材2の表面に金属を強制的に析出させることができ、その結果、長尺基材2の表面に金属を安定して析出させて、均一な厚みのめっき皮膜を形成することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、めっき方法、詳しくは、例えば、配線回路基板の製造工程など、各種の産業分野に適用することができるめっき方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、めっき方法として、電解めっきや無電解めっきが知られている。このうち、無電解めっきは、通常、被めっき物の表面に触媒を付着させた後、その被めっき物を無電解めっき液に浸漬して、電流を流すことなく還元反応によって被めっき物の表面に金属を析出させるものであり、電解めっきと異なり、非導電体にもめっきすることができるので、例えば、プラスチックなどを電解めっきする場合の素地の形成に広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような無電解めっきにおいて、被めっき物に対する触媒の付着が不均一であったり、あるいは、付着が十分でないと、金属の析出が不安定となり、均一な厚みのめっき皮膜を形成することができない場合がある。
【0004】
そのため、無電解めっきでは、金属の析出を安定化させるべく、めっきする前に、被めっき物を脱脂処理や酸化膜除去処理することが必要となるが、このような処理をすると、前処理での工数がかかり、めっきの処理効率の向上を図ることが困難となる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、均一な厚みの皮膜としてめっきすることができ、しかも、工程数の簡略化により処理効率の向上を図ることができる、めっき方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のめっき方法は、被めっき物を無電解めっき液に浸漬して、前記被めっき物を陰極として低電流を流すことを特徴としている。
【0007】
このような方法によると、被めっき物を陰極として低電流を流すことにより、無電解めっき液に浸漬されている被めっき物に電子が供給されるので、被めっき物の表面において金属の析出を促進させることができる。そのため、被めっき物を脱脂処理や酸化膜除去処理しなくても、金属を安定して析出させることができ、均一な厚みのめっき皮膜を形成することができる。その結果、前処理の工程数を低減して、めっきの処理効率の向上を図ることができる。
【0008】
また、この方法では、前記被めっき物に触媒を付着させておくことが好ましい。被めっき物に触媒を付着させておくと、より一層、金属の析出の促進を図ることができる。また、この方法では、たとえ、被めっき物に対する触媒の付着が不均一であったり、あるいは、付着が十分でなくても、金属を安定して析出させて、均一な厚みの皮膜としてめっきすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のめっき方法を実施するためのめっき装置の一実施形態を示す概略構成図、図2は、図1に示すめっき装置のめっき処理槽の斜視図である。
【0010】
図1において、このめっき装置1は、被めっき物としての長尺基材2を連続してめっきできるものであり、搬送部3、触媒処理槽4、めっき処理槽5および電源部6を備えている。
【0011】
搬送部3は、送出ロール7および巻取ロール8を備えており、これら送出ロール7および巻取ロール8は、触媒処理槽4およびめっき処理槽5を挟んで両側に配置されている。送出ロール7は、触媒処理槽4における搬送部3の搬送方向上流側(以下、単に上流側と省略する。)に配置され、めっき処理前の長尺基材2が巻回されており、その長尺基材2を送り出すように駆動される。また、巻取ロール8は、めっき処理槽5における搬送部3の搬送方向下流側(以下、単に下流側と省略する。)に配置され、めっき処理後の長尺基材2を巻き取るように駆動される。
【0012】
そして、この搬送部3においては、送出ロール7および巻取ロール8の駆動により、送出ロール7に巻回されている長尺基材2が送り出され、その送り出された長尺基材2が、ほぼ水平方向に搬送され、触媒処理槽4およびめっき処理槽5を順次通過した後に、巻取ロール8により巻き取られる。
【0013】
触媒処理槽4は、送出ロール7の下流側であって、かつ、めっき処理槽5の上流側に配置されており、長尺基材2が浸漬されるように触媒液9が満たされている。触媒液9は、例えば、パラジウム、亜鉛、アンモニウム化合物など、無電解めっきに通常使用される触媒が含まれている、無電解めっきの触媒液とほぼ同様の組成の触媒液であって、より具体的には、例えば、水溶性パラジウム塩やアンモニウム化合物などの触媒とともに、無機塩および/または有機塩などが含まれる水溶液として調製されている。なお、無機塩としては、例えば、塩酸や硫酸などの無機酸が用いられ、また、有機塩としては、例えば、リンゴ酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸などの有機酸が用いられる。また、各成分の濃度などは、適宜選択される。
【0014】
めっき処理槽5は、巻取ロール8の上流側であって、かつ、触媒処理槽4の下流側に配置されており、長尺基材2が浸漬されるようにめっき液10が満たされている。めっき液10は、例えば、銅、ニッケル、金、銀、コバルト、パラジウム、錫など、無電解めっきに通常使用される金属のイオンまたは化合物が含まれている、無電解めっき液とほぼ同様の組成のめっき液であって、より具体的には、例えば、これら金属のイオンまたは化合物とともに、還元剤、pH調整剤、キレート剤、その他の添加剤(界面活性剤)などが含まれる水溶液として調製されている。なお、金属のイオンまたは化合物としては、例えば、金属が銅である場合には、硫酸銅(硫酸浴)などが用いられ、また、例えば、金属がニッケルである場合には、硫酸ニッケルおよび塩化ニッケル(ワット浴)、スルファミン酸ニッケル(スルファミン酸浴)、硫酸ニッケル(硫酸浴)、硫酸ニッケルアンモニウム(アンモニア浴)などが用いられる。また、還元剤としては、次亜リン酸塩、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、ホルムアルデヒドなどが用いられる。また、各成分の濃度などは、適宜選択される。また、金属のイオンまたは化合物には、上記した金属のイオンまたは化合物に、例えば、ベリリウム、ニッケル、コバルト、金、鉛、クロムなどの金属のイオンまたは化合物を、適宜添加してもよい。
【0015】
なお、このめっき処理槽5は、図1には示されていないが、より具体的には、図2に示すように、長尺基材2の入口側および出口側に、それぞれ、長尺基材2を上下方向に挟んで対向する1対の搬送ロール11および12が設けられており、これら搬送ロール11および12によって、それらの間にめっき液10を満たす液溜めが形成されている。そして、この液溜めには、各搬送ロール11および12の隙間から漏れる液量を見込んで、水位が常に一定に保持されるように、常時、めっき液10が流し込まれている。なお、触媒処理槽4も、図示しないが、めっき処理槽5と同様に、1対の各搬送ロール11および12を設けるようにして、構成することができる。
【0016】
電源部6は、直流電源13、カソード(陰極)電極14、アノード(陽極)電極15、参照電極16および電位計17を備えている。
【0017】
直流電源13は、カソード電極14とアノード電極15とにそれぞれ接続されている。この直流電源13は、例えば、独立した電源装置から構成されていてもよく、また、交流電源に接続される整流器から構成されていてもよい。
【0018】
カソード電極14は、長尺基材2の幅方向にわたって接触可能な断面略L字状の接触電極からなり、例えば、送出ロール7の下流側かつ触媒処理槽4の上流側と、巻取ロール8の上流側かつめっき処理槽5の下流側とにおいて、それぞれ、長尺基材2の表面と摺動可能に接触する状態で配置されている。そして、これら2つのカソード電極14は、それぞれ直流電源13のマイナス端子に接続されている。
【0019】
アノード電極15は、図2に示すように、略矩形平板状の白金電極からなり、めっき処理槽5において、長尺基材2を幅方向に挟んで対向配置された状態で、めっき液10に浸漬されている。より具体的には、これらアノード電極15は、長尺基材2の搬送方向(長尺基材2の長手方向)に対して直交するように配置されており、長尺基材2から、それぞれ2〜5cm離間して配置されている。なお、これら2つのアノード電極15は、それぞれ直流電源13のプラス端子に接続されている。
【0020】
また、参照電極16は、棒状電極からなり、めっき処理槽5において、めっき液10に浸漬されている。
【0021】
電位計17は、カソード電極14および参照電極16にそれぞれ接続されており、長尺基材2とめっき液10との間の各電位をモニタして、これらの電位が常に一定となるように直流電源13を制御している。
【0022】
次に、図1および図2を参照して、本発明のめっき方法の一実施形態について説明する。
【0023】
この方法では、まず、搬送部3の送出ロール7および巻取ロール8を駆動させて、長尺基材2を送出ロール7から順次送り出すようにする。そうすると、送出ロール7から順次送り出される長尺基材2は、カソード電極14と接触した後に、触媒処理槽4に順次搬送され、触媒液9に浸漬される。そして、触媒液9に浸漬された長尺基材2には、触媒液9中の触媒が付着される。なお、この触媒処理槽4は、例えば、温度18〜22℃、触媒液9中における触媒濃度45〜65mg/L、長尺基材2の浸漬時間40〜80秒、好ましくは、50〜60秒となるように設定されていることが好ましい。なお、長尺基材2の浸漬時間は、送出ロール7および巻取ロール8の駆動速度と、触媒処理槽4の搬送方向長さとによって決定される。
【0024】
次いで、この方法では、触媒処理槽4から順次搬出された長尺基材2が、めっき処理槽5に順次搬送され、めっき液10に浸漬される。
【0025】
一方、この方法においては、めっき処理中、すなわち、送出ロール7および巻取ロール8が駆動している間、常時、電源部6の直流電源13から、カソード電極14およびアノード電極15に、10A/m2以下、好ましくは、0.1〜2A/m2の低電流(通常の電解めっきの電流は200〜300A/m2程度である。)が流れるように制御されている。
【0026】
そのため、めっき液10に浸漬された長尺基材2には、その長尺基材2がカソード電極14と接触しているために、陰極となって電子が供給される。そうすると、例えば、触媒処理槽4において、長尺基材2に対する触媒の付着が不均一であったり、あるいは、付着が十分でなくても、また、例えば、触媒液9、めっき液10および長尺基材2の表面状態などの各種の条件が変動した場合であっても、長尺基材2の表面に金属を強制的に析出させることができ、その結果、長尺基材2の表面に金属を安定して析出させて、均一な厚みのめっき皮膜を形成することができる。
【0027】
すなわち、例えば、長尺基材2に対する触媒の付着量が少ない場合には、還元反応が全体的に少なくなるので、遊離電子が減少して、長尺基材2の表面に対する金属の析出量が減少するようになるが、この方法では、遊離電子が減少する一方で、その代わりに、電流が流れることによって電子が供給されるため、これによって、金属の析出を促進させることができ、その結果、長尺基材2の表面に金属を安定して析出させて、均一な厚みのめっき皮膜を形成することができる。
【0028】
なお、この方法では、電子の供給による金属の析出の促進は、補助的なものであって、あくまで、還元反応による金属の析出が主となるような低電流が、上記した電流値の範囲において設定される。このような低電流を流すことによって、金属の析出を促進しながらも、電解めっきのように、電流密度の高低によるめっき皮膜の厚みのばらつきが生じることを有効に防止して、均一な厚みのめっき皮膜として形成することができる。
【0029】
また、このめっき処理槽5においては、例えば、温度38〜42℃、めっき液10中における金属のイオンまたは化合物の濃度5〜7g/L、長尺基材2の浸漬時間60〜240秒、好ましくは、80〜180秒となるように設定されていることが好ましい。なお、長尺基材2の浸漬時間は、送出ロール7および巻取ロール8の駆動速度と、めっき処理槽5の搬送方向長さとによって決定される。また、この長尺基材2の浸漬時間は、上記したように電源部6の直流電源13から低電流が常時流れている場合には、直流電源13から電流を流す時間と一致するが、直流電源13からは、断続的に電流を流してもよく、その場合には、直流電源13から電流を流す時間が、2〜1000秒、さらには、5〜500秒であることが好ましい。
【0030】
また、この方法においては、めっき皮膜の膜厚は、直流電源13から流す電流を制御せずに、無電解めっきと同様に、上記した長尺基材2の浸漬時間を制御して、その膜厚を、例えば、1μm以下、さらには、0.01〜1μm、特には、0.05〜0.1μmとすることが好ましい。
【0031】
その後、この方法では、めっき処理槽5から順次搬出された長尺基材2が、巻取ロール8によって巻き取られる。
【0032】
そして、このようなめっき方法によれば、長尺基材2を、従来のように、脱脂処理や酸化膜除去処理しなくても、金属を安定して析出させることができ、均一な厚みのめっき皮膜として形成することができる。その結果、前処理の工程数を低減して、めっきの処理効率の向上を図ることができる。
【0033】
そのため、このようなめっき方法は、特に限定されることなく、各種の産業分野における均一な厚みのめっき皮膜の形成に、有効に適用することができる。とりわけ、このめっき方法は、例えば、図3や図4に示す配線回路基板の製造工程において、有効に適用することができる。
【0034】
すなわち、図3には、ポリイミドなどからなるベース絶縁層22の表面に、銅などからなる導体層23が、サブトラクティブ法などによって所定の配線回路パターンとして形成され、さらに、その導体層23が、ポリイミドなどからなるカバー絶縁層24によって被覆されているフレキシブル配線回路基板21が示されている。
【0035】
そして、このフレキシブル配線回路基板21においては、各導体層23をカバー絶縁層24で被覆する前に、上記しためっき方法によって、各導体層23の露出面をニッケルめっきして、各導体層23をニッケル皮膜25によって保護するようにしている。このように、各導体層23をニッケル皮膜25によって保護することにより、各導体層23のイオンマイグレーションを有効に防止することができる。
【0036】
なお、このようなニッケル皮膜25は、上記しためっき方法において、例えば、触媒液9には、触媒としてパラジウムが含まれ、また、めっき液10には、金属のイオンとしてニッケルのイオンが含まれており、めっき処理槽5において、ニッケル皮膜25の厚さが、例えば、0.01〜1μm、好ましくは、0.05〜0.1μmとなるように浸漬時間を制御することによって、形成されている。
【0037】
また、図4には、ステンレス箔などからなるサスペンション基板32の上に、ポリイミドなどからなるベース絶縁層33が所定のパターンで形成され、そのベース絶縁層33の表面に、銅などからなる導体層34が、セミアディティブ法などによって所定の配線回路パターンとして形成され、さらに、その導体層34が、ポリイミドなどからなるカバー絶縁層35によって被覆されている回路付きサスペンション基板31が示されている。なお、この回路付きサスペンション基板31においては、セミアディティブ法によって、ベース絶縁層33の表面に、まず、スパッタ蒸着によって、金属薄膜37を形成した後、その金属薄膜37の表面に、ドライフィルムレジストからなるめっきレジストを、配線回路パターンと逆パターンで形成し、めっきレジストが形成されていない金属薄膜37の表面に、電解めっきによって、導体層34を所定の配線回路パターンとして形成し、次いで、めっきレジストおよびそのめっきレジストが形成されていた部分の金属薄膜37をエッチングすることによって、導体層34を形成するため、所定の配線回路パターンとして形成される導体層34は、金属薄膜37を介して、ベース絶縁層33の上に形成されている。
【0038】
そして、この回路付きサスペンション基板31においては、各導体層34をカバー絶縁層35で被覆する前に、上記しためっき方法によって、各導体層34の露出面をニッケルめっきして、各導体層34をニッケル皮膜36によって保護するようにしている。このように、各導体層34をニッケル皮膜36によって保護することにより、上記と同様に、各導体層34のイオンマイグレーションを有効に防止することができる。
【0039】
なお、このようなニッケル皮膜36も、上記と同様に、上記しためっき方法において、例えば、触媒液9には、触媒としてパラジウムが含まれ、また、めっき液10には、金属のイオンとしてニッケルのイオンが含まれており、めっき処理槽5において、ニッケル皮膜25の厚さが、例えば、0.01〜1μm、好ましくは、0.05〜0.1μmとなるように浸漬時間を制御することによって、形成されている。
【0040】
なお、上記の説明では、長尺基板2を連続してめっきする方法について詳述したが、本発明のめっき方法において、被めっき物の形状および材質は、特に限定されることはなく、例えば、枚葉タイプの基板を、枚葉式(バッチ式)にてめっきしてもよく、その場合には、めっき処理槽5において浸漬した基板に電流を流す時間を、例えば、5〜120秒に設定することが好ましい。
【0041】
また、上記の説明では、めっき処理槽5においてめっき液10に浸漬する前に、触媒処理槽4において触媒液9に浸漬したが、本発明においては、その目的および用途によっては、被めっき物を触媒液に浸漬せずに(すなわち、被めっき物に触媒を付着させずに)、めっき液に浸漬するのみであっても、被めっき物の表面に金属を安定して析出させて、均一な厚みのめっき皮膜を形成することができる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
【0043】
実施例1
厚さ20μmのステンレス箔(SUS304 H−TA)の上に、厚さ10μmのポリイミドを、感光性ポリイミド前駆体を露光・現像することによって所定のパターンとして形成し、そのポリイミドの表面に、スパッタ蒸着によって、厚さ300Åのクロム薄膜と厚さ700Åの銅薄膜とを形成した。その後、銅薄膜の表面に、ドライフィルムレジストからなるめっきレジストを、配線回路パターンと逆パターンで形成し、めっきレジストが形成されていない銅薄膜の表面に、電解めっきによって、厚さ13〜16μmの導体層を所定の配線回路パターンとして形成した。次いで、めっきレジストをアルカリ系水溶液でエッチングし、続いて、そのめっきレジストが形成されていた部分の銅薄膜およびニッケル薄膜を過マンガン酸カリウム水溶液でエッチングすることによって、基材を用意した。
【0044】
そして、この基材を、硫酸ニッケルアンモニウム(アンモニア浴)を含むニッケルめっき液に、基材を陰極として、その電位が−850〜−950mVとなるように、0.3〜0.9A/m2の電流を、基材とニッケルめっき液との間に常時流しながら、120秒間浸漬することによって、各導体層の露出面に、厚み0.05〜0.1μm程度のニッケル皮膜をめっきした。
【0045】
比較例1
実施例1と同様に用意した基材を、基材とニッケルめっき液との間に電流を流すことなく、ニッケルめっき液に200秒間浸漬した。しかし、各導体層の露出面において、ニッケル皮膜の形成は見られなかった。
【0046】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のめっき方法によれば、被めっき物を脱脂処理や酸化膜除去処理しなくても、金属を安定して析出させることができ、均一な厚みのめっき皮膜を形成することができる。その結果、前処理の工程数を低減して、めっきの処理効率の向上を図ることができる、
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のめっき方法を実施するためのめっき装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1に示すめっき装置のめっき処理槽の斜視図である。
【図3】本発明のめっき方法によりニッケル皮膜が形成されているフレキシブル配線回路基板の一実施形態である。
【図4】本発明のめっき方法によりニッケル皮膜が形成されている回路付きサスペンション基板の一実施形態である。
【符号の説明】
2 長尺基材
9 触媒液
10 めっき液
Claims (2)
- 被めっき物を無電解めっき液に浸漬して、前記被めっき物を陰極として低電流を流すことを特徴とする、めっき方法。
- 前記被めっき物に触媒を付着させておくことを特徴とする、請求項1に記載のめっき方法。
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