JPH07278896A - チップ型電子部品の電極メッキ装置及びメッキ方法 - Google Patents

チップ型電子部品の電極メッキ装置及びメッキ方法

Info

Publication number
JPH07278896A
JPH07278896A JP7494394A JP7494394A JPH07278896A JP H07278896 A JPH07278896 A JP H07278896A JP 7494394 A JP7494394 A JP 7494394A JP 7494394 A JP7494394 A JP 7494394A JP H07278896 A JPH07278896 A JP H07278896A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cathode
plating
type electronic
chip
electronic component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7494394A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuma Tanaka
一磨 田中
Kunihiko Hamada
邦彦 浜田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP7494394A priority Critical patent/JPH07278896A/ja
Publication of JPH07278896A publication Critical patent/JPH07278896A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Capacitors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 均一な厚みのメッキ膜をチップ型電子部品の
外部電極上により短時間で形成することを可能とする、
メッキ装置及びメッキ方法を得る。 【構成】 メッキ液24内に少なくとも一部が浸漬され
た陰極21を有し、陰極21の内周面21aが傾斜面部
を有し、陰極21を矢印B方向に回転させて陰極21の
内周面21a上に載置された積層コンデンサ20を移動
し、積層コンデンサ20が所定距離移動した後に落下す
る工程を繰り返すことにより、積層コンデンサ20の外
部電極に所望の厚みのメッキ層を形成する、電極メッキ
装置及びメッキ方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆる湿式メッキ法
によりチップ型電子部品の外部電極表面にメッキ層を形
成するための装置に関し、特に、メッキ液内においてチ
ップ型電子部品の外部電極上にメッキを施すための構造
が改良されたメッキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば積層コンデンサなどのチップ型電
子部品では、外部電極上に1層以上のメッキ層を形成す
ることが多い。図1を参照して、従来の積層コンデンサ
の外部電極及びその上に形成されるメッキ層の構造を説
明する。
【0003】積層コンデンサ1は、誘電体セラミックス
よりなる焼結体2内に複数の内部電極3〜8を形成した
構造を有する。セラミック焼結体2の両端面には、外部
電極9,10が形成されている。内部電極3〜8は、通
常、Pd、Ag−Pd、Niなどからなり、該内部電極
3〜8と外部電極9,10との電気的接続を確保するた
め、並びに外部電極9,10の導電性を高めるために、
外部電極9,10はAgペーストあるいはCuペースト
を塗布し、焼き付けることにより形成されている。
【0004】しかしながら、Agよりなる外部電極9,
10は、はんだ付けに際し、はんだ喰われ現象を引き起
こす。そこで、はんだ喰われ現象を防止するために、外
部電極9,10の外表面に、Niからなる第1のメッキ
層11,12を形成している。さらに、半田付け性を高
めるためにNiからなるメッキ層11,12上に、Sn
または半田により構成される第2のメッキ層13,14
を形成している。
【0005】上記のような第1,第2のメッキ層11〜
14は、従来、単純な電気メッキ法により形成されてい
る。この電気メッキに際しては、図2に示す円筒型ある
いは多角筒形のバレル15と称されているメッキ容器が
用いられている。すなわち、バレル15内に、メッキ液
16、並びにメディアと称されている多数の鋼球17及
びチップ型電子部品18を投入し、陰極19を上記鋼球
17に電気的に接続し、他方メッキ液16側を陽極とし
て通電することによりメッキ層を形成していた。実際に
は、図示しないメッキ液槽中にバレル15を浸漬するこ
とによりメッキが行われる。
【0006】ところで、バレル15を用いたメッキ方法
では、メッキ液16の下方において埋まっているチップ
型電子部品18の外部電極にはメッキ膜が十分に形成さ
れない。すなわち、チップ型電子部品18の外部電極上
に確実にメッキ膜を形成するには、チップ型電子部品1
8がメッキ液16の液面近傍に位置される必要がある。
そこで、バレル15を図示の矢印方向に回転し、内部の
チップ型電子部品18を攪拌し、それによって投入され
ている多数のチップ型電子部品18へのメッキ層の形成
を図っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、投入さ
れているチップ型電子部品18のすべてに確実にメッキ
層を形成するには、バレル15を回転しつつ長時間通電
しなければならなかった。すなわち、チップ型電子部品
18がメッキ液16の液面近くに存在するときにだけ主
としてメッキ層が形成されるため、投入されているすべ
てのチップ型電子部品18がメッキ液16の液面近くに
ある程度の時間存在するように、長時間に渡り通電を行
わねばならなかった。
【0008】また、比較的長い時間通電し、チップ型電
子部品18の外部電極上にメッキを施したとしても、投
入されているチップ型電子部品18の中には、メッキ液
16の液面に存在する時間が短かったためか十分なメッ
キ層が形成されていなかったり、あるいはメッキ膜が異
常に形成され、絶縁物であるセラミックス上にもメッキ
皮膜が析出形成されているチップ型電子部品18が生じ
たりするという問題があった。
【0009】他方、未だ公知ではないが、メッキ液内に
おいてチップ型電子部品を連続的に搬送しつつ外部電極
にメッキを行う方法が提案されている。この方法は、メ
ッキ液内に陰極を兼ねる搬送部を配置し、該搬送部と共
にチップ型電子部品が搬送される間に、チップ型電子部
品の外部電極に電気メッキを行う方法である。
【0010】チップ型電子部品が搬送される間に電気メ
ッキが行われるため、上述したバレルを用いたメッキ方
法に比べて、外部電極へのメッキ膜の形成効率を高める
ことができる。
【0011】しかしながら、陰極を兼ねる搬送部にチッ
プ型電子部品が接触している部分と、そうでない部分と
で、メッキ膜の厚みがばらつきがちであった。本発明の
目的は、チップ型電子部品の外部電極上にメッキ層を形
成するためのメッキ装置及びメッキ方法であり、より短
時間でかつ確実に外部電極上に均一な厚みのメッキ層を
安定に形成することを可能とするメッキ装置及びメッキ
方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであり、本発明のチップ型電
子部品の電極メッキ装置は、チップ型電子部品の外部電
極上にメッキ層を形成するためのメッキ装置であって、
メッキ液が貯留されたメッキ槽と、少なくとも一部が前
記メッキ液に浸漬されており、かつその上にチップ型電
子部品が載置される陰極と、陰極上に配置されたチップ
型電子部品を移動させるために、前記陰極を移動させる
駆動手段とを備え、チップ型電子部品が陰極と共に所定
距離移動された後に、該陰極上を落下するように、前記
陰極に傾斜面部が設けられていることを特徴とする、チ
ップ型電子部品の電極メッキ装置である。
【0013】本発明のメッキ装置において、上記陰極及
び駆動手段は種々の態様で構成される。例えば、請求項
2に記載のように、上記陰極は、内周面にチップ型電子
部品が載置される円筒状部材により構成されてもよく、
その場合には、陰極に連結された回転駆動源により駆動
手段が構成される。また、請求項3に記載のように、陰
極は長尺状ベルトにより構成されてもよく、その場合に
は、長尺状ベルトは、無端であってもよく、有端であっ
てもよい。また、長尺状ベルトにより陰極を構成する場
合には、駆動手段は、長尺状ベルトを長さ方向に駆動さ
せる適宜の駆動装置により構成され、かつ上記長尺状ベ
ルトの一部が傾斜されることにより、上記傾斜面部が構
成される。
【0014】さらに、本発明の好ましい態様の一つとし
て、上記傾斜面部は、一時的に構成されるものであって
もよい。すなわち、チップ型電子部品が陰極と共に所定
距離移動された後に、陰極上で落下するように、チップ
型電子部品が所定距離移動した後に陰極の落下を引き起
こすような角度に陰極を傾斜させるようにして傾斜面部
を構成してもよい。
【0015】また、上記チップ型電子部品の陰極上にお
ける落下をより確実に引き起こすために、陰極近傍にメ
ッキ液噴流手段を設け、該メッキ液噴流によりチップ型
電子部品の上記落下を引き起こすように構成してもよ
い。
【0016】本発明のチップ型電子部品の電極メッキ方
法は、チップ型電子部品の外部電極上にメッキ層を形成
するためのメッキ方法であって、メッキ液に陰極の少な
くとも一部を浸漬し、該陰極上にチップ型電子部品を載
置し、陰極を移動させることによりチップ型電子部品を
移動させつつ外部電極上にメッキ層を形成するに際し、
陰極の少なくとも一部を傾斜させることにより、前記チ
ップ型電子部品が所定距離を移動された後に、該陰極上
で落下する工程を繰り返すことを特徴とする、チップ型
電子部品の電極メッキ方法である。
【0017】
【作用】本発明のチップ型電子部品の電極メッキ装置及
びメッキ方法では、陰極上に載置されたチップ型電子部
品が陰極と共に所定距離移動される間に外部電極上にメ
ッキが施される。従って、多数のチップ型電子部品に速
やかにメッキ層を形成することができる。
【0018】陰極には、上記傾斜面部が設けられてい
る。従って、チップ型電子部品は、陰極と共に所定距離
を移動された後に、陰極上を落下する工程を繰り返すこ
とになる。従って、繰り返し数を調整することにより、
所望の厚みのメッキ膜を形成することができる。
【0019】しかも、チップ型電子部品の外部電極と陰
極とが付着していたとしても、上記落下により該付着部
分が剥がれることにより、落下後には、外部電極の別の
部分が陰極に接触されることが多くなる。すなわち、上
記落下により、陰極上においてチップ型電子部品を攪拌
するような効果が与えられる。従って、単に陰極上にチ
ップ型電子部品を載置し、陰極を移動させて外部電極上
にメッキ膜を形成する場合に比べて、均一な厚みのメッ
キ膜を確実に形成することができる。
【0020】
【実施例の説明】以下、図面を参照しつつ実施例を説明
することにより、本発明を明らかにする。
【0021】図3〜図5を参照して、本発明の一実施例
にかかるチップ型電子部品の電極メッキ装置を説明す
る。図3は、本実施例に用いられる陰極にチップ型電子
部品を挿入した状態を示す正面図であり、図4は、図3
のA−A線に沿う部分の断面図であり、図5は実施例の
チップ型電子部品の電極メッキ装置の略図的正面断面図
である。
【0022】図3及び図4を参照して、本実施例では、
陰極21内にチップ型電子部品としての積層コンデンサ
20が多数挿入されている。積層コンデンサ20の両端
面の外部電極20a,20b上に、本実施例の方法によ
り後述のようにしてメッキ膜が形成される。積層コンデ
ンサ20の構造については、図1に示したチップ型電子
部品1と同様であり、積層コンデンサ1におけるメッキ
層11〜14が形成されていない構造に相当する。
【0023】図3及び図4から明らかなように、陰極2
1は、円筒状の部材で構成されており、その内周面21
aに積層コンデンサ20が載置される。陰極21は、内
周面21a上に積層コンデンサ20を載置した状態で陰
極として機能するものであるため、ステンレス、アルミ
ニウムなどの金属材料または絶縁性材料表面に導電層を
形成した部材等により構成される。
【0024】本実施例では、図4に略図的に示すよう
に、陰極21は、メッシュで構成されている。メッシュ
で構成されているため、メッキ液に浸漬された際に、メ
ッキ液が積層コンデンサ20の近傍に効率よく循環され
る。同様に、陰極21は多数の貫通孔を有する多孔性材
料により構成してもよく、その場合においても、メッキ
液を積層コンデンサ20の近傍に効率よく循環させるこ
とができる。
【0025】もっとも、陰極21は、貫通孔を有しない
シート状の部材で構成されていてもよい。さらに好まし
くは、陰極21は、メッキ液により腐食し難い材料で構
成されることが好ましく、従って本実施例では、上記陰
極21はステンレスメッシュにより構成されている。
【0026】なお、本実施例で用いられている陰極21
では、上記内周面21aが円筒曲面を有するため、この
内周面21aが本発明における傾斜面部を構成する。図
5を参照して、上記陰極21を用いた本実施例の電極メ
ッキ装置を説明する。
【0027】チップ型電子部品の電極メッキ装置22
は、メッキ液24が貯留されたメッキ槽23を有する。
メッキ液24内に、上述した陰極21が浸漬されてい
る。陰極21は、図5では、その上方部分がメッキ液2
4から露出しているが、陰極21の全体がメッキ液24
内に浸漬されていてもよい。
【0028】陰極21は、図示しない回転駆動源、例え
ばモーターに連結されており、図示の矢印B方向に回転
駆動され得るように構成されている。他方、陰極21の
内側には、陽極25が配置されている。陽極25は、陰
極21の内周面21a上に載置されかつ陰極21と共に
移動する積層コンデンサ20の移動経路において、積層
コンデンサ20の上方に沿うように配置されている。本
実施例では、陽極25は、下端25aが陰極21の最下
方部分Cに対応した位置に位置し、下端25aから内周
面21aと所定距離を隔てて上方に延ばされた形状を有
する。陽極25は、積層コンデンサ20の外部電極20
a,20bに所望の金属材料をメッキするのに必要な金
属材料により構成されている。
【0029】なお、上記陽極25を省略することも可能
であり、陽極25に代えて、メッキすべき金属イオンを
供給する金属イオン供給手段を配置してもよい。金属イ
オン供給手段としては、金属イオン含有水溶液を積層コ
ンデンサ20の近傍に供給するように、該金属イオン含
有水溶液を導くポンプ及びパイプ等により構成すること
ができる。
【0030】次に、本実施例の電極メッキ装置22にお
けるメッキ方法を説明する。まず、陰極21内に、多数
の積層コンデンサ20を投入する。次に、陰極21を矢
印B方向に回転させつつ、陽極25と陰極21との間に
電位差を与え、メッキを行う。この場合、積層コンデン
サ20は、図5の矢印Cで示す最下方の位置近傍から陰
極21と共に矢印B方向に移動する。矢印Dに示す位置
近傍まで移動されると、重力により落下し、再度矢印C
で示す下方の位置近傍に戻ることになる。従って、所望
の厚みのメッキ層が形成されるまで、陰極21を回転さ
せつつ電極メッキを行うことにより、積層コンデンサ2
0は、矢印Cで示す位置近傍から矢印Dで示す位置近傍
まで移動され、かつ落下する上記工程を繰り返すことに
なる。
【0031】その結果、積層コンデンサ20と、陰極2
1の内周面21aとの接触部分は、上記移動及び落下を
繰り返すに際し、変更されることになる。従って、外部
電極と陰極21との接触面が上記工程を繰り返す間に変
更されるため、外部電極の周囲に均一な厚みのメッキ層
を確実に形成することができる。
【0032】なお、上記実施例では、多数の積層コンデ
ンサ20を投入した後に陰極21を回転させていたが、
陰極21を回転させておき、その状態で積層コンデンサ
20を投入してもよい。
【0033】また、積層コンデンサ20は、重力により
矢印Dで示す位置近傍から矢印Cで示す位置近傍まで落
下していたが、上記落下をより確実に引き起こすため
に、メッキ液を噴出させる手段、例えばポンプに接続さ
れたメッキ液排出口を矢印Dで示す位置近傍に配置して
もよい。
【0034】次に、具体的な実験結果につき説明する。
直径300mm×幅150mmのステンレスメッシュよ
りなる陰極21を用意し、陽極25としてNiからなる
ものを用い、積層コンデンサ20の外部電極上にNiメ
ッキ層を形成した。なお、用意した積層コンデンサは、
1.0×2.0×1.25mmの外形寸法を有するもの
であり、上記陰極21内に、約2000個投入した。ま
た、陽極25の寸法は、幅100mm×長さ100mm
×厚さ2mmである。
【0035】電気メッキに際しては、上記陰極21を、
周速2cm/秒の速度で矢印B方向に回転させ、陽極2
5と陰極21との間に2Vの電圧を印加し、10分間電
気メッキを行った。
【0036】上記のようにして、10分間電気メッキを
行った後、陰極21から積層コンデンサ20を取り出
し、外部電極上に形成されたNiメッキ層の厚みを測定
したところ、1.5μmであり、かつ50個の積層コン
デンサ20におけるNiメッキ層の膜厚のばらつきを調
べたところ、標準偏差σ=0.10であり、積層コンデ
ンサ間におけるメッキ膜の厚みのばらつきの少ないこと
がわかった。また、個々の積層コンデンサにおける外部
電極のNiメッキ層の膜厚分布を断面研磨により観察し
たところ、いずれの積層コンデンサにおいても、比較的
均一かつ連続的にNiメッキ膜が形成されていることが
確かめられた。
【0037】なお、上記と同様にして、但し、陽極をN
iからSnに変更し、スズメッキ浴を用いてSnメッキ
層を形成したところ、4μmの厚みのSnメッキ層が形
成され、Niメッキ層と同様に、積層コンデンサにおけ
るメッキ層の膜厚のばらつきが少なく、かつ個々の積層
コンデンサにおけるメッキ膜の部分的な厚みのばらつき
も生じ難いことが確かめられた。
【0038】さらに、上記のようにしてSnメッキ層を
形成して得られた積層コンデンサのはんだ濡れ性は、従
来のバレルメッキ方法で得られた積層コンデンサにおけ
るSnメッキ層のはんだ濡れ性と同様であることが確か
められた。
【0039】なお、上記と同様の積層コンデンサ20
に、従来のバレルを用いたメッキ方法で同等の厚みのN
iメッキ層やSnメッキ層を形成した場合、メッキ時間
は、Niメッキ層を形成するのに約50分必要であり、
同様にSnメッキ層を形成するのにさらに50分必要で
あったのに対し、本実施例では、それぞれ10分間の電
気メッキによりNiメッキ層及びSnメッキ層を形成す
ることが可能であった。従って、従来のバレルを用いた
メッキ方法に比べて、メッキ時間を約1/5程度に短縮
し得ることがわかる。
【0040】図6及び図7は、本発明の第2の実施例に
かかる電極メッキ装置を説明するための略図的部分切欠
正面図及び平面図である。
【0041】第2の実施例では、陰極31が長尺状ベル
ト部材により構成されている。陰極31は、図6に示す
ように、矢印E方向に搬送される。陰極31の搬送方向
を変更するために、ローラー32〜34が配置されてい
る。
【0042】陰極31は、本実施例では、図7に略図的
に示すようにメッシュで構成されている。第1の実施例
と同様に、陰極31は、メッシュや多孔性シートにより
形成させることが好ましく、それによってメッキ液の積
層コンデンサ20近傍への循環を円滑に行わせることが
できる。また、陰極31は、貫通孔を有しないシート部
材により構成されていてもよい。
【0043】また、陰極31は、電気メッキに際し陰極
として機能するものであるため、アルミニウムやステン
スなどの電極材料により構成されることが好ましい。も
っとも、絶縁性材料表面に導電層を形成した部材により
構成されていてもよい。本実施例では、メッキ液に対す
る耐腐食性に優れたステンレスメッシュにより構成され
ている。
【0044】ローラー32〜34のうち、ローラー33
は、他のローラー32,34に比べて大きな径を有する
ように構成されており、かつ図7から明らかなように、
一対の円板33a,33bを有する。円板33a,33
bは同一の部材で構成されており、かつ図7から明らか
なように所定距離を隔てて平行に配置されている。ま
た、円板33a,33bは、図示しない回転駆動源、例
えばモータに連結され、同一速度で回転し得るように構
成されている。円板33a,33bの外周面に沿って、
上記長尺状ベルト31が図6に示す矢印E方向に移動さ
れる。
【0045】本実施例では、ローラー33の最下方位置
近傍(図6に矢印Fで示す位置)と、図6に矢印Gで示
す位置近傍との間において、本発明の傾斜面部が構成さ
れる。すなわち、積層コンデンサ20は、上記矢印Fで
示す位置近傍から矢印Gで示す位置近傍まで、陰極31
と共に移動され、矢印Gで示す位置近傍において重力に
より落下し、矢印Fで示す位置近傍に戻される。
【0046】円板33aと33bとの間には、図6に透
視して示すように、陽極35が配置されている。陽極3
5は、第1の実施例で用いた陽極25と同様に構成さ
れ、積層コンデンサ20の傾斜面部での移動経路の上方
に配置される。
【0047】本実施例においても、第1の実施例の場合
と同様に、傾斜面部において積層コンデンサ20が陰極
31と共に移動され、電気メッキが施される。しかも、
矢印Gで示す位置近傍にくると、積層コンデンサ20が
落下し、矢印Fで示す位置近傍まで戻される。この工程
を繰り返すことにより、所望の膜厚のメッキ層が確実に
形成される。また、上記移動及び落下を繰り返すため、
第1の実施例の場合と同様に、膜厚の部分的なばらつき
の少ないメッキ膜を積層コンデンサ20の外部電極上に
形成することができる。さらに、陰極31と共に移動さ
れつつ電気メッキが行われるため、従来のバレルを用い
たメッキ方法に比べて迅速にメッキ膜を形成することが
できる。
【0048】他方、メッキが終了した場合、上記陰極3
1の移動を停止する。その状態で、陰極31上から積層
コンデンサ20を取り出せばよい。好ましくは、図8に
示すように、上記ローラー34を、矢印Hで示すよう
に、その位置を変更し得るように構成すれば、メッキ終
了後にローラー34を矢印Hで示す方向に駆動し、陰極
31を移動させることにより、メッキが終了した積層コ
ンデンサ20を取り出すことができる。このように、ロ
ーラー34の位置を移動し得るように構成すれば、図6
に示す第2の実施例の電極メッキ装置において、積層コ
ンデンサの陰極31上への供給から、メッキ終了後の取
り出しまでを完全に自動化することができる。
【0049】第1及び第2の実施例では、積層コンデン
サ20の電気メッキに際しての上記落下を誘導するため
の傾斜面部として円筒曲面状の傾斜面部を例にとり説明
したが、本発明における傾斜面部は、円筒曲面状のもの
でなくともよい。図9は、傾斜面部の他の例を説明する
ための部分切欠正面図である。ここでは、ローラー4
1,42が所定距離を隔てて配置されており、かつロー
ラー42がローラー41に比べて上方に配置されてい
る。そして、ローラー41,42間に、陰極31が渡さ
れ、かつ矢印Iで示す方向に搬送されている。
【0050】陰極31は、ローラー41の下側を通り、
かつローラー42の上側を通るようにローラー41,4
2間に掛け渡たされている。さらに、ローラー41の後
段に、積層コンデンサ供給プレート43が配置されてい
る。積層コンデンサ供給プレート43上から積層コンデ
ンサ20が陰極31上に供給される。そして、積層コン
デンサ20は陰極31と共に移動される。
【0051】陰極31のローラー41,42間の部分が
本発明の傾斜面部を構成している。すなわち、上記ロー
ラー41,42間において、陰極31は、積層コンデン
サ20が所定距離を移動した後に落下し得るような傾斜
角度を有するように構成されている。従って、供給プレ
ート43から供給された積層コンデンサ20は、陰極3
1と共に矢印I方向に移動し、ローラー42近傍の位置
まで移動した後、重力により落下し、供給プレート43
の位置近傍まで戻ることになる。この工程を繰り返すこ
とにより、第1,第2の実施例の場合と同様に、所望の
膜厚のメッキ層が積層コンデンサ20の外部電極上に形
成される。
【0052】図9に示した構造では、メッキ終了後に
は、図8に示したローラー34と同様に、ローラー42
を図示の想像線で示す位置まで矢印K方向に移動させる
ことにより、メッキ終了後の積層コンデンサ20を自動
的に取り出すことができる。
【0053】なお、上述してきた実施例では、積層コン
デンサ20を例にとり説明したが、本発明のチップ型電
子部品の電極メッキ装置及びメッキ方法は、圧電部品や
インダクタなどの他のチップ型電子部品の外部電極にメ
ッキ膜を形成する用途一般に用いることができることを
指摘しておく。
【0054】
【発明の効果】本発明の電極メッキ装置及び方法によれ
ば、陰極上に載置されたチップ型電子部品が陰極と共に
移動され、かつ所定距離を移動された後に、陰極上で落
下するように陰極に上記傾斜面部が設けられている。従
って、上記所定距離の移動及び落下を繰り返すことによ
り、所望の膜厚のメッキ膜を確実に形成することができ
る。しかも、移動されるに際し電気メッキによりメッキ
層が形成されるものであるため、従来のバレルを用いた
メッキ方法に比べて、迅速に所望の厚みのメッキ層を形
成することができる。
【0055】さらに、上記傾斜面部において移動及び落
下を繰り返されるため、陰極とチップ型電子部品と外部
電極との接触部分が上記落下を繰り返すことにより変更
されるため、個々のチップ型電子部品の外部電極上にお
けるメッキ膜の部分的なばらつきも生じ難い。従って、
均一な厚みのメッキ膜が形成されたチップ型電子部品を
安定に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】チップ型電子部品の一例としての積層コンデン
サを説明するための断面図。
【図2】従来のバレルを用いたメッキ方法を説明するた
めの部分切欠斜視図。
【図3】本発明の一実施例で用いられる陰極を説明する
ための略図的正面図。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図。
【図5】図3に示した陰極を用いた第1の実施例のチッ
プ型電子部品の電極メッキ装置を説明するための略図的
正面断面図。
【図6】第2の実施例にかかる電極メッキ装置を説明す
るための部分切欠正面図。
【図7】図6に示した電極メッキ装置の平面図。
【図8】図6に示した電極メッキ装置の好ましい変形例
を説明するための部分切欠正面図。
【図9】傾斜面部の他の例を説明するための部分切欠正
面図。
【符号の説明】
20…チップ型電子部品としての積層コンデンサ 20a,20b…外部電極 21…陰極 21a…内周面 22…電極メッキ装置 23…メッキ槽 24…メッキ液 25…陽極 31…陰極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チップ型電子部品の外部電極上にメッキ
    層を形成するためのメッキ装置であって、 メッキ液が貯留されたメッキ槽と、 少なくとも一部が前記メッキ液に浸漬されており、かつ
    その上にチップ型電子部品が載置される陰極と、 前記陰極上に配置されたチップ型電子部品を移動させる
    ために、前記陰極を移動させる駆動手段とを備え、 前記チップ型電子部品が陰極と共に所定距離移動された
    後に、該陰極上を落下するように、前記陰極に傾斜面部
    が設けられていることを特徴とする、チップ型電子部品
    の電極メッキ装置。
  2. 【請求項2】 前記陰極が、内周面にチップ型電子部品
    を載置させる円筒状部材により構成されており、かつ前
    記駆動手段が、前記陰極に連結された回転駆動源であ
    る、請求項1に記載のチップ型電子部品の電極メッキ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記陰極が長尺状ベルトにより構成され
    ており、かつ前記駆動手段が、前記長尺状ベルトを長さ
    方向に駆動させるように前記長尺状ベルトに直接または
    間接に連結された駆動源であり、 前記長尺状ベルトの一部が傾斜されて前記傾斜面部が構
    成される、請求項1に記載のチップ型電子部品の電極メ
    ッキ装置。
  4. 【請求項4】 チップ型電子部品の外部電極上にメッキ
    層を形成するためのメッキ方法であって、 メッキ液に陰極の少なくとも一部を浸漬し、該陰極上に
    チップ型電子部品を載置し、陰極を移動させることによ
    りチップ型電子部品を移動させつつ外部電極上にメッキ
    層を形成するに際し、 前記陰極の少なくとも一部を傾斜させることにより、前
    記チップ型電子部品が所定距離を移動された後に、該陰
    極上で落下する工程を繰り返すことを特徴とする、チッ
    プ型電子部品の電極メッキ方法。
JP7494394A 1994-04-13 1994-04-13 チップ型電子部品の電極メッキ装置及びメッキ方法 Pending JPH07278896A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7494394A JPH07278896A (ja) 1994-04-13 1994-04-13 チップ型電子部品の電極メッキ装置及びメッキ方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7494394A JPH07278896A (ja) 1994-04-13 1994-04-13 チップ型電子部品の電極メッキ装置及びメッキ方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07278896A true JPH07278896A (ja) 1995-10-24

Family

ID=13561935

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7494394A Pending JPH07278896A (ja) 1994-04-13 1994-04-13 チップ型電子部品の電極メッキ装置及びメッキ方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07278896A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7719819B2 (en) Laminated electronic component and method for manufacturing the same
KR100773164B1 (ko) 기판의 도금장치 및 도금방법과 전해처리방법 및 그 장치
US7933113B2 (en) Multilayer electronic component and method for manufacturing multilayer electronic component
US7589952B2 (en) Multilayer electronic device and method for manufacturing the same
US20080145551A1 (en) Method of manufacturing multilayer electronic component
US8240016B2 (en) Method for manufacturing multilayer electronic component
US8717739B2 (en) Ceramic electronic component
US5226382A (en) Apparatus for automatically metalizing the terminal ends of monolithic capacitor chips
TW200301310A (en) Method and device for forming semiconductor wiring, method and device for producing semiconductor component, and wafer
JPH07278896A (ja) チップ型電子部品の電極メッキ装置及びメッキ方法
KR970073249A (ko) 다층의 프린트회로 기판용의 제조라인(manufacturing line for multi-layered printed circuit board)
JP3039240B2 (ja) チップ型電子部品の電極メッキ装置
US20110256309A1 (en) Monolithic ceramic electronic component and method for manufacturing the same
US3893409A (en) Apparatus for solder coating printed circuit boards
JPH07278895A (ja) メッキ装置及びメッキ法
JPH07278893A (ja) チップ型電子部品の電極メッキ装置及び電極メッキ方法
TW579306B (en) Substrate processing equipment
JP3282585B2 (ja) メッキ装置及びメッキ方法
JP6166492B1 (ja) 電気メッキ装置と電気メッキ方法
JPH07286300A (ja) メッキ装置及びメッキ方法
JP3341725B2 (ja) 電子部品の製造方法及びバレルメッキ装置
KR0130869B1 (ko) 칲 저항기의 외부 전극 제조 방법
JPH05247682A (ja) 電解めっき方法
JP3149750B2 (ja) 電解バレルメッキ装置
JPH06260309A (ja) チップ状電子部品の製造方法