JPH07278601A - チタン系粉末およびその製造方法 - Google Patents

チタン系粉末およびその製造方法

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JPH07278601A JP6089172A JP8917294A JPH07278601A JP H07278601 A JPH07278601 A JP H07278601A JP 6089172 A JP6089172 A JP 6089172A JP 8917294 A JP8917294 A JP 8917294A JP H07278601 A JPH07278601 A JP H07278601A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微細な粒子性状と優れた流動性を兼備する高
品位のチタン系粉末とその工業的な製造方法を提供す
る。 【構成】 (1) 水素化脱水素法により得られるチタン系
粉末であって、粒子径範囲が5〜74μm で、平均粒子径
が20μm 以下の粒子性状を有し、かつ流動度が100sec/5
0g未満の流動特性を備えるチタン系粉末。(2) 水素化工
程後の水素化チタン系塊を機械粉砕および分級して粒子
径範囲5〜74μm 、平均粒子径20μm 以下の水素化チタ
ン系粉末に調整する粒度調整工程と、前記水素化チタン
系粉末を真空中で 500〜580 ℃の温度域で脱水素処理す
る脱水素工程と、脱水素チタン系塊を粉砕してチタン系
粉末として回収する解砕工程を順次に施すチタン系粉末
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素化脱水素法により
得られる粉末冶金用のチタンまたはチタン合金粉末(以
下単に「チタン系粉末」という)およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、チタン系粉末を製造する手段とし
ては、四塩化チタンを金属マグネシウムで還元してスポ
ンジチタン塊を生成させる過程で、スポンジチタン塊を
粉砕する際に発生する粉末を回収する方法、四塩化チタ
ンを金属ナトリウムで還元してチタンを精錬することに
よりチタン粉末を得る方法が知られている。このうち、
前者の方法はチタン精錬工程(クロール法)中で副次的
に発生する粉を利用する関係で生成量が制約されるう
え、酸素、窒素または鉄等の不純物成分を多く含有する
低品位のものしか得られない欠点がある。また、粉末粒
度も60〜20メッシュ(粒径: 250〜850 μm)程度と
粗く、通常は花火や溶接棒の原料といった用途にしか適
用することができない。一方、後者の方法は一般にハン
ター法と言われており、比較的安価にチタン粉末を得る
ことができるが、粉末中に多量のナトリウムおよび塩素
成分が残留するため、高い機械的強度と信頼性が要求さ
れる自動車部品等を対象とする粉末冶金原料には適して
いない。
【0003】これらの方法に対し、金属チタンの水素脆
性を利用して原料のチタンまたはチタン合金を一旦水素
化させたのち任意の粒度に粉砕し、これを真空加熱によ
り脱水素してチタン系粉末に転化させる水素化脱水素法
は、粉末冶金の焼結原料に要求される極低塩素チタン系
粉末を製造することができる。すなわち、この方法では
得られるチタン系粉末の品質は主にチタン系原料の材質
に依存することから、例えば予め溶解したインゴットの
切粉やスクラップを原料とすることにより塩素含有量が
極めて少ない高品質のチタン系粉末を得ることが可能と
なり、しかも粉体粒度を比較的容易に調整することがで
きる利点がある。
【0004】通常、水素化脱水素法によるチタン系粉末
の製造プロセスは、チタン系原料を高温下に水素ガス雰
囲気中で水素化する水素化工程、得られた水素化チタン
塊または水素化チタン合金塊を所定の粒度に粉砕する粉
砕工程、粉砕後の水素化チタン系粉末を高温の真空中で
脱水素処理する脱水素工程、脱水素時に焼結したチタン
系塊を破砕する解砕工程および得られたチタン系粉末を
所定の粒度に分級調整する篩別工程の各段階からなって
いる。
【0005】ところが、上記の製造プロセスにおいて
は、脱水素工程の段階で粉末相互が強固に焼結して塊状
化し、後工程の解砕工程で微細なチタン系粉末に機械粉
砕することができなくなる現象が生じ、これが工業的製
造技術としての大きなネックとなっている。このような
脱水素工程における粉末の焼結を効果的に緩和抑制する
手段として、水素化工程後に水素化チタン系の塊状物を
予め粒径63μm 以下の粉体割合が30重量%以下の粒
度分布になるように粉砕し、このように粒度調整された
水素化チタン系粉末を脱水素処理するチタンまたはチタ
ン合金粉末の製造方法が本出願人によって開発されてい
る(特開平5−247503号公報) 。また、同様の目的で、
水素化脱水素法によりチタン粉末を製造する方法におい
て、水素化チタンを平均粒径で10μm 以下に粉砕し、
脱水素温度を300〜600℃とするTi粉末の製造方
法も提案されている(特開平3−122205号公報) 。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、とくに金属
射出成形による粉末冶金に使用されるチタン粉末は微細
であるうえに優れた流動性を有することが極めて重要な
要求特性とされており、チタン系粉末に高水準の流動特
性がないと均質で高密度の成形体を得ることができな
い。しかしながら、上記した従来技術では得られるチタ
ン粉末の流動性能に関しては評価対象としていないし、
認識もなされていない。実際に従来の水素化脱水素法で
工業的に生産されたチタン系粉末の流動性を測定してみ
ると、金属射出成形用として使用可能な平均粒子径20
μm 以下の微細粉末であって、満足できる流動度を有す
る製品は存在しない。
【0007】一般に、粉末の流動性は粒度と密接な相関
関係があり、粉末粒度が微細になるほど流動性は低下す
ることが知られている。このため、金属射出成形などの
用途に有利なチタン粉末の微細化と良流動性との間には
背反的関係があり、単純に可及的微細粒径のチタン粉末
がこの目的に好適となることにはならない。
【0008】本発明者らは、この点に着目して微細粒径
でありながら優れた流動性を保有する金属射出成形用な
どの用途に好適なチタン系粉末を水素化脱水素法により
製造する技術について鋭意研究を重ねたところ、水素化
チタン粉を特定の粒子性状になるように調整し、かつ脱
水素処理を限定された温度範囲で行うことにより得られ
た特定範囲の粒子性状を有するチタン系粉末は前記特性
要件を効果的に両立させ得ることを確認した。
【0009】本発明は上記の知見に基づいて開発された
もので、その目的は、微細な粒子性状と優れた流動性を
兼備するチタン系粉末とその工業的な製造方法を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるチタン系粉末は、水素化脱水素法によ
り得られるチタン系粉末であって、粒子径範囲が5〜7
4μm で、平均粒子径が20μm 以下の粒子性状を有
し、かつ流動度が100sec/50g 未満の流動特性を備え
ることを構成上の特徴とする。
【0011】本発明による粒子性状は限定的で、水素化
脱水素法により得られるチタン系粉末であっても、粒子
径が5μm 未満の粒子を含んでいると流動性が極度に低
下し、74μm を上廻る粒子を含有すると高密度の焼結
体組織を備える成形体を得ることが困難となる、他方、
平均粒子径が20μm を越える場合には粒度が粗すぎる
ため金属射出成形などの用途には使用が困難となる。ま
た、流動度が100sec/50g 未満であれば金属射出成形
した際に高密度の組織を有する焼結体を得ることが可能
になる。
【0012】これらの粒子性状に加えて、チタン系粉末
が10%累積粒子径 (D10) 6〜12μm 、50%累積
粒子径 (D50) 13〜20μm 、90%累積粒子径 (D
90)25〜35μm の粒度分布を備えると、流動性が一
層向上する。
【0013】上記のチタン系粉末を工業的に生産するた
めの本発明による製造方法は、水素化工程後の水素化チ
タンまたは水素化チタン合金塊を機械粉砕および分級し
て粒子径範囲5〜74μm 、平均粒子径20μm 以下の
粒子性状を有する水素化チタン系粉末に調整する粒度調
整工程と、前記水素化チタン系粉末を真空中で500〜
580℃の温度域で脱水素処理する脱水素工程と、つい
で脱水素チタン系塊を粉砕してチタン系粉末を回収する
解砕工程を順次に施すことを特徴とする。
【0014】本発明の原料としては、スポンジチタン
塊、チタンまたはチタン合金インゴットの切削屑、スク
ラップ材、圧延端材などを挙げることができ、目的に応
じて適宜に選択して適用される。これら原料は、真空置
換可能な水素化炉に装入し、400℃以上の温度まで昇
温させて水素ガスを系内に供給しながら水素化処理をお
こなう。水素化処理された原料は脆化され、ハンマー等
による粉砕によっても容易に粉末にすることが可能であ
るが、工業的にはボールミルや振動ミルのような粉砕装
置を用いて機械的に粉砕して粉末とする。
【0015】本発明の粒度調整工程は、水素化工程後に
粉砕した上記の水素化チタン粉末または水素化チタン合
金粉末を機械粉砕および分級して、粒子径範囲が5〜7
4μm で、平均粒子径が20μm 以下の粒子性状に調整
する操作段階である。この粒子性状は、脱水素工程時に
おける焼結の進行を緩和抑制して脱水素後の粉砕処理を
容易にし、かつ得られるチタン粉末に優れた流動性を付
与するための要件で、前記の限定範囲を外れると微細粒
子性状と良流動性を同時に付与することができなくな
る。特に5μm 未満の微粉粒分を除去することは極めて
重要であり、これが粉末冶金用として好適な微細粒子性
状と良流動性を兼備させるための選択要件となる。
【0016】水素化チタン系粉末の機械粉砕には、ボー
ルミルや振動ミルなどの粉砕装置が用いられ、分級には
円型振動篩や気流分級器などの篩別装置が用いられる。
この粉砕および分級操作は、水素化チタン系粉末が燃焼
または爆発することを防止するため例えばアルゴンガス
のような不活性ガス雰囲気中でおこなう必要がある。
【0017】ついで、粒度調整された水素化チタン系粉
末は脱水素工程に移される。該脱水素工程は、水素化チ
タン系粉末を容器に充填して真空加熱型の脱水素炉にセ
ットし、必要な減圧下(例えば10-2Torr) に真空引きし
ながら加熱する操作で行われるが、この際の加熱温度は
500〜580℃の範囲に設定する必要がある。この
際、加熱温度を500℃未満に設定すると脱水素に要す
る時間が著しく長くなるため生産性が低下し、酸素含有
量も増大する。また、580℃を越えると脱水素中に粉
末相互の焼結が進行して塊状化し、解砕が困難となる。
【0018】解砕工程は、脱水素チタン系塊を粉砕処理
して粒度調整工程後の水素化チタン粉末と略同等の粒子
性状を有するチタン系粉末として回収する操作段階であ
る。この段階の解砕操作は、粒度調整工程と脱水素工程
の条件制御により粉末相互の凝集や焼結が緩和抑制され
ているから、通常の機械粉砕処理により極めて容易に所
定粒子性状のチタン系粉末に解砕することができる。
【0019】このようにして得られるチタン系粉末は、
粒子径範囲が5〜74μm で、平均粒子径が20μm 以
下の粒子性状と、流動度が100sec/50g 未満の流動特
性を備え、粒度分布が10%累積粒子径 (D10) 6〜1
2μm 、50%累積粒子径 (D50) 13〜20μm 、9
0%累積粒子径 (D90) 25〜35μm の性状特性を有
している。
【0020】
【作用】本発明によるチタン系粉末は、粒子径範囲が5
〜74μm で、平均粒子径が20μm 以下の粒子性状
と、流動度が100sec/50g 未満の流動特性を備えてお
り、この限定特性が目的とする金属射出成形用などに要
求される微細粒度でありながら優れた流動性を発揮し、
常に均質で高密度の成形体を得るために機能する。更
に、チタン系粉末の粒度分布が、10%累積粒子径 (D
10) 6〜12μm 、50%累積粒子径 (D50) 13〜2
0μm 、90%累積粒子径 (D90) 25〜35μm の範
囲にあると流動性が一層向上し、成形体の性状を高める
ことが可能となる。
【0021】また、本発明の製造方法によれば先ず粒度
調整工程において、得られるチタン系粉末に金属射出成
形などの用途に好適な微細粒度と良流動性を兼備させる
ために作用する。すなわち、水素化チタン系粉末の粒子
性状として5μm 未満の粒分を除去することは、脱水素
時の粉末焼結現象を緩和抑制すると共に、得られるチタ
ン系粉末に優れた流動性を付与し、かつ酸素含有量を低
下するためにも有効に機能する。最大粒子径を74μm
、平均粒子径を20μm 以下に設定したことは、主に
金属射出成形用などに好ましい微細粒子性状を確保する
ために必要な要件となる。
【0022】脱水素工程を500〜580℃の温度域で
行うのは、脱水素時の粉末焼結現象を抑制しながら比較
的短時間内に脱水素を進行させる機能要件となる。この
脱水素工程の機能が上記した粒度調整工程による機能が
相俟って、粉末相互の焼結現象を殆ど発生させることな
しに脱水素処理を完了させることができる。したがっ
て、最終段階の解砕工程では、通常の機械粉砕によって
容易に粒度調整工程と同等の粒子性状を有する微細で流
動性に優れるチタン系粉末として回収される。
【0023】このように本発明に従えば特定された条件
による粒度調整工程、脱水素工程および解砕工程を順次
に施すことにより、特に金属射出成形等による粉末冶金
用として好適な微細粒子性状と良流動性を同時に備え、
かつ酸素含有量の低い高品位のチタン系粉末を効率よく
製造することが可能となる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して詳
細に説明する。
【0025】実施例1〜8、比較例1〜7 原料として純チタン(JIS−1種相当、酸素含有量50
0ppm) のインゴットを切削した厚さ約2mm、長さ約30mm
の切粉を用い、これをステンレス製容器に装入したの
ち、真空加熱炉に収納して650℃まで真空雰囲気下に
昇温した。ついで容器に精製した水素ガスを供給して約
1時間後に容器系内が大気圧になるのを確認し、加熱炉
を取り外して水素ガスの供給を継続した。30時間後に
はほぼ理論量(TiH2換算) 相当の水素が吸収された。こ
のようにして処理した水素化チタン塊をボールミルで粉
砕し、引き続き円型振動篩を用いて表1に示す粒子性状
に粒度調整した。
【0026】上記の各水素化チタン粉末を容器に入れ、
図1に示した真空加熱炉にセットして脱水素処理をおこ
なった。図1(断面図)において、1はステンレス鋼の
ような耐熱耐蝕性の金属材料で構成された密閉系の装置
本体、2は装置本体1の上部外周を被包するように設置
された加熱手段である。装置本体1の内部には昇降用シ
リンダー3を介して水素化チタン粉末4を敷きつめた複
数段の皿状容器5が積層載置されており、下部には系内
を真空引きするための真空排気管6が設置されている。
皿状容器5には直径400mm、高さ50mmのステンレス
製のものを用い、水素化チタン粉末4を厚さ30mmにな
るように充填して6段に積み重ねた。この状態で、炉を
表1に示す各温度に昇温し、系内圧力が10-2Torrにな
った時点で加熱を停止した。脱水素処理後は炉内にアル
ゴンガスを導入して系内を大気圧に保持しながら常温ま
で冷却した。各加熱温度における脱水素時間(アルゴン
ガス導入時点までの所要時間)は表1に示すとおりであ
った。
【0027】皿状容器内から脱水素チタン塊を取り出
し、その焼結状態を目視観察したのち振動ミル粉砕し
た。表1に脱水素チタン塊の焼結状態と解砕性を示し、
表2に回収されたチタン粉末の粒度分布、酸素含有量お
よび流動度を対比して示した。なお、粒度分布はレーザ
ー回折法で測定し、流動度はJIS Z 2502に準
拠して測定した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】表1および表2の結果から、実施例1〜8
においては、脱水素チタン塊はいずれの場合も焼結が小
で解砕性が良く、また回収されたチタン粉末はいずれも
微細粒子であり、かつ優れた流動性を示すことが認めら
れた。これに対し、5μm 未満の微粒子を含む水素化チ
タン粉末を用いた比較例1〜4では、本発明の温度範囲
内で脱水素した際には脱水素チタン塊の焼結が大となっ
て解砕性が不良となり、所望の粒度のチタン粉末を得る
ことができず、一方、本発明の温度範囲より低い温度で
脱水素した場合には、脱水素チタン塊の焼結は小さくて
解砕性も良好であるものの、チタン粉末の流動度が低下
し(測定不能)、実施例のチタン粉末に比べて酸素含有
量が高くなるうえ、脱水素工程に長時間を要して生産性
を著しく損ねる結果を与える。
【0031】また、実施例1、5〜8と同じ粒度範囲の
水素化チタン粉末を本発明の温度範囲外の温度で脱水素
した比較例5および6においては、高温で脱水素した場
合には焼結が大となり、解砕性が不良となって所望粒度
のチタン粉末は得られず、一方、低温で脱水素した場合
には焼結が小さく、解砕性が良好で、チタン粉末の流動
度も優れているが、酸素含有量が高くなるうえ、脱水素
工程の時間が長くなって工業的生産手段としての実用性
に乏しくなる。さらに、本発明の粒子径範囲を越える粒
子を含む水素化チタン粉末を、本発明の温度範囲内で脱
水素した比較例7では、得られるチタン粉末の最大粒子
径が74μm を越えるとともに、10%、50%および
90%の各累積粒子径が大きくなるため、金属射出成形
などの用途に供した場合、得られる焼結体組織が不均一
かつ低密度となり、好ましい成形体が得られない。
【0032】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に従えば金属射出
成形などの用途に好適な微細粒度と流動特性を兼備し、
しかも酸素含有量の低い高品位のチタン粉末を提供する
ことができる。また、本発明の製造方法に従えば、水素
化脱水素法によるチタン系粉末の製造工程において予め
脱水素前の水素化チタン系粉末の粒子性状を特定範囲に
調整し、特定温度範囲において脱水素処理を施すことに
より脱水素処理時の粉末焼結現象を効果的に緩和抑制
し、これを粉砕することにより容易に上記性状特性を備
えるチタン系粉末を工業的に生産性よく製造することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた脱水素処理用の真空加熱炉を示
した断面図である。
【符号の説明】
1 装置本体 2 加熱手段 3 昇降用シリンダー 4 水素化チタン粉末 5 皿状容器 6 真空排気管

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素化脱水素法により得られるチタン系
    粉末であって、粒子径範囲が5〜74μm で、平均粒子
    径が20μm 以下の粒子性状を有し、かつ流動度が10
    0sec/50g 未満の流動特性を備えることを特徴とするチ
    タン系粉末。
  2. 【請求項2】 10%累積粒子径 (D10) 6〜12μm
    、50%累積粒子径(D50) 13〜20μm 、90%累
    積粒子径 (D90) 25〜35μm の粒度分布を備える請
    求項1記載のチタン系粉末。
  3. 【請求項3】 水素化工程後の水素化チタンまたは水素
    化チタン合金塊を機械粉砕および分級して粒子径範囲5
    〜74μm 、平均粒子径20μm 以下の粒子性状を有す
    る水素化チタン系粉末に調整する粒度調整工程と、前記
    水素化チタン系粉末を真空中で500〜580℃の温度
    域で脱水素処理する脱水素工程と、ついで脱水素チタン
    系塊を粉砕してチタン系粉末を回収する解砕工程を順次
    に施すことを特徴とするチタン系粉末の製造方法。
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