JPH07278367A - 難燃性組成物及び難燃性絶縁電線 - Google Patents
難燃性組成物及び難燃性絶縁電線Info
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- JPH07278367A JPH07278367A JP6093099A JP9309994A JPH07278367A JP H07278367 A JPH07278367 A JP H07278367A JP 6093099 A JP6093099 A JP 6093099A JP 9309994 A JP9309994 A JP 9309994A JP H07278367 A JPH07278367 A JP H07278367A
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Abstract
的に抑制される難燃性絶縁電線を提供することを目的と
するものである。 【構成】 本発明は、メルトフローレートが0.1〜5
でEA含有率が5〜25%のエチレン−エチルアクリレ
ート共重合体100重量部、水酸化マグネシウム100
〜150重量部、融点が200℃以上で平均分子量が2
00〜500のサリチル酸誘導体0.1〜0.5重量
部、赤リン1〜10重量部からなる難燃性組成物を導体
上に被覆した難燃性絶縁電線がらなり、当該構成によっ
て、水酸化マグネシウムと赤リンによる難燃機能によっ
て、良好な難燃性が得られると同時に、赤リンとサリチ
ル酸誘導体とエチレン−エチルアクリレート共重合体と
の相乗効果によって、そんなに多量の酸化防止剤や重金
属不活性化剤を用いることなく、安価で、耐熱性に優れ
た難燃性絶縁電線が得られる。
Description
促進が効果的に抑制される難燃性組成物及び難燃性絶縁
電線(ケーブルも含む)に関するものである。
性を向上させる手法として、最も一般的な方法は、酸化
防止剤を添加する方法である。一方、ポリオレフィン系
樹脂組成物は、電線絶縁体などの被覆材として用いら
れ、この場合、当該被覆材は常に銅などの金属導体と接
触しているため、銅金属などの触媒作用によって、著し
く酸化劣化が促進されるという問題があった。また、こ
のようなポリオレフィン系樹脂組成物中に金属イオンを
含有する無機顔料や充填剤などを配合した場合にあって
も、当該金属イオンが酸化劣化を促進させる方向に働く
という問題があった。
ためには、一般的には、上記した酸化防止剤を添加する
他に、金属や金属イオンによる活性化効果を抑制するた
めに重金属不活性化剤である銅害防止剤などを添加した
り、あるいは導体自体をすずメッキするなどしてメッキ
被覆導体とする対策などがとられている。
うなポリオレフィン系樹脂組成物をシート状やテープ状
などとして巻き付けた電線接続部や、被覆材として導体
上に被覆した絶縁電線にあって、特に高温耐熱性が要求
される場合、例えば車両のエンジン回りなどの部分にお
いて100℃以上の高温にもなる部位に使用される場合
には、高温下でも、酸化劣化が促進されないように、多
量の酸化防止剤を添加したり、あるいは数種類の酸化防
止剤を併用添加したり、さらには、上述した如き銅害防
止剤のような添加剤と併用添加するなどの必要が生じ
る。
防止剤などを多量に用いたり、併用することは、これら
の添加剤が価格的に高価であることから、組成物自体の
コスト上昇を招来し、ひいては電線自体の製造コストや
電線接続部の処理コストにも大きく影響するようにな
る。また、このような酸化防止剤や銅害防止剤などの多
量添加や併用添加は、上記製造コストの上昇の他に、添
加剤自体が被覆材表面やシート表面などに析出してくる
ブルーミング現象を呈したり、機械的な特性、特に引張
り強度や加工特性などを低下させたり、電線などの場合
その後の架橋阻害を起こすなどの問題もあった。一方、
メッキしてメッキ被覆導体とする方法にあっても製造コ
ストの上昇は避けられない。
なされたもので、材料的に高価な酸化防止剤や銅害防止
剤などの使用を少量に留める一方、高温下でも、銅導体
や金属イオンによる劣化促進作用が効果的に防止できる
難燃性組成物及びこれを用いた難燃性絶縁電線を提供せ
んとするものである。
明の1つである難燃性組成物は、メルトフローレートが
0.1〜5でEA含有率が5〜25%のエチレン−エチ
ルアクリレート共重合体100重量部、水酸化マグネシ
ウム100〜150重量部、融点が200℃以上で平均
分子量が200〜500のサリチル酸誘導体0.1〜
0.5重量部、赤リン1〜10重量部からなる組成物に
ある。
は、メルトフローレートが0.1〜5でEA含有率が5
〜25%のエチレン−エチルアクリレート共重合体10
0重量部、水酸化マグネシウム100〜150重量部、
融点が200℃以上で平均分子量が200〜500のサ
リチル酸誘導体0.1〜0.5重量部、赤リン1〜10
重量部からなる難燃性組成物を導体上に被覆した絶縁電
線にある。
ート共重合体(EEA)は、メルトフローレート(MF
R)が0.1〜5で、EA含有率が5〜25%のものを
使用する。ここで、メルトフローレート(MFR)を
0.1〜5の範囲とし、また、EA含有率を5〜25%
としたのは、MFRが0.1未満では流動性が小さすぎ
て、逆に5を越える場合には流動性が大きすぎて、押し
出しによる用途(電線やケーブルなど)には適しないか
らであり、また、EA含有率が5%未満では難燃性に乏
しく、逆に25%を越える場合には十分な機械的強度が
得られなくなるからである。
は、高温時に分解して結晶中から水分が放出され、当該
放出水分によって難燃性を呈する物質であって、その添
加量を100〜150重量部としたのは、100重量部
未満では十分な難燃性が得られず、また、150重量部
を越えると組成物の物性(機械特性や加工特性など)が
悪化する一方、増量によってもその以上の良好な難燃性
は得られないからである。
属不活性剤としての所謂銅害防止剤であって、より具体
的な物質としては、例えば3−(N−サリチロイル)ア
ミノ−1,2,4−トリアゾール(商品名、アデカスタ
ブCDA−1、旭電化社製)が挙げられ、その特性とし
て、融点が200℃以上で平均分子量を200〜500
としたのは、得られた組成物を被覆材として用いた絶縁
電線や組成物をシート状やテープ状として処理した電線
接続部が、車両内部のエンジン回りなどにおける100
℃以上の高温下で使用される場合においても、十分な高
温耐熱性が得られるようにしたからでる。そして、その
添加量を0.1〜0.5重量部としたのは、当該高価な
物質の添加量をなるべく少なく抑えて、得られる難燃性
組成物及び難燃性絶縁電線の製造コストの低減を図った
ものである。
ネシウムと同様組成物中にあって難燃性を付与する性質
のものであると同時に、本発明では、上記サリチル酸誘
導体との併用によって、当該サリチル酸誘導体の添加量
が少なくとも、十分な銅害防止機能を呈するようにな
る。一般的に赤リンでは、難燃剤として用いる場合、金
属コーテング(チタンコートやアルミニウムコートな
ど)を施したものが使用されるが、本発明では、チタン
やアルミニウムなどにおいても、銅金属ほどではないも
のの、酸化劣化の促進作用があるため、上記樹脂組成物
に金属コーテングのない状態のままでマスターバッチ方
式で練り込んで使用するものとする。そして、その添加
量を1〜10重量部としたのは、1重量部未満では所望
の難燃性が得られず、また、10重量部を越えて増量し
てもそれ見合う大きな難燃効果が得られないからであ
る。
成物は、シートやテープ、フイルムなどとして成形して
も、高い耐熱性が得られる。したがって、例えば上述し
たような車両内部のエンジン回りなどにおける100℃
以上の高温になる部分での電線接続部用の絶縁シートや
絶縁テープなどとして使用することができる。一方、こ
の難燃性組成物を導体上に被覆した本発明の難燃性絶縁
電線は、まさにこのような高温部分での配線に最適のも
のである。通常の絶縁シートや絶縁テープなど、さらに
は絶縁電線の場合には、このような高温下における耐熱
性が不十分なため、電線接続部や電線自体からの発火な
どが懸念されるが、本発明になる難燃性組成物や難燃性
絶縁電線によれば、このような問題は未然に解消され
る。また、このような本発明の耐熱性は、当該組成物を
有機過酸化物架橋や電子線照射架橋などによって架橋し
た場合においても、何ら問題なく得られる。
料の他に、必要に応じてその他の添加剤、例えば顔料、
加工助剤、安定剤、充填剤(一般に微量の金属イオンを
含んでいることが多い)などを適宜配合することもでき
る。もちろん、上述したように有機過酸化物(例えばD
CP)などの架橋剤や架橋助剤も適宜添加して架橋させ
ることもできる。
に係る難燃性組成物(実施例1〜5)と本発明条件を欠
く組成物(比較例1〜9)であって、いずれも有機過酸
化物架橋させた各シートを製造し、これらの各シートに
ついて、引っ張り試験を行い、また、銅塩の発生の有
無、難燃性(酸素指数)について調べ、その結果を同表
に併記した。なお、引っ張り試験は、JIS−C300
5に準拠して行い、その引っ張り速度は200mm/m
inで、成形後のオリジナルな状態における伸び、15
8℃×7日間の高温下に晒した後の伸び残率、当該高温
下でかつ銅金属に接触させた状態下における伸び残率を
求めた。また、銅塩とは、酸化銅と熱劣化で生じた樹脂
中のカルボン酸などが反応して生成され、組成物の表面
に析出してくるもので、この銅塩がさらに樹脂の劣化を
促進させる方向に作用することが多い。このため、銅塩
の発生があると、その後の引っ張り試験において、伸び
か著しく低下することが確認されている。
組成物(実施例1〜5)によるシートの場合、オリジナ
ルな状態における伸びや高温下に晒した後の伸び残率は
もちろんこのと、銅金属に接触させた状態における伸び
残率においても、大きな変化はなく、また、銅塩の発生
もなく、良好な難燃性が得られていることが判る。これ
に対して、本発明条件を欠く組成物(比較例1〜9)に
よるシートの場合、伸びなどにバラツキがあり、特に銅
金属に接触させた状態における伸び残率の変化が大きい
ことが判る。また、ものによっては、銅塩の発生も見ら
れ、十分な難燃性が得られないものもあった。
覆材とした本発明に係る難燃性絶縁電線(実施例6〜
7)と本発明条件を欠く組成物を絶縁被覆材とした絶縁
電線(比較例10〜13)であって、いずれも被覆後に
電子線照射架橋(20Mrad)を行った各電線につい
て、耐熱試験及び燃焼試験を行ったところ、同表に併記
した結果を得た。なお、耐熱試験(JASO−D608
=自動車規格、自動車用耐熱低圧電線に準拠)は、0.
5mm2 の軟銅線に上記組成物からなる肉厚0.5mm
の絶縁被覆材を施さた各サンプル電線を、150℃×2
40時間の加熱した後、常温において、直径12.5m
mの丸棒に3回以上巻き付け、当該各サンプル電線の被
覆材と導体間に1000Vの電圧を印加して行った。一
方、燃焼試験(JIS−3005に準拠)は、上記各サ
ンプル電線を、水平に対して約60°傾斜させて支持
し、下方より炎を当てて燃焼の程度を調べる60°傾斜
試験であって、その消火するまでの時間として求めた。
線(実施例6〜7)の場合、優れた耐熱性を有すると同
時に、優れた難燃性を有することが判る。これに対し
て、本発明条件を欠く絶縁電線(比較例10〜13)の
場合、耐熱性にあってはいずれも不合格で、屈曲させる
と簡単に亀裂が生じるなどの点が見られた。一方、難燃
性にあっては、赤リンを添加した1個だけ(比較例1
3)が合格であったが、他はすべて不合格であった。
シウムと赤リンによる難燃機能、赤リンとサリチル酸誘
導体の併用による重金属不活性化機能、及びこれらとエ
チレン−エチルアクリレート共重合体との相乗効果によ
って、少量の酸化防止剤や重金属不活性化剤でも、十分
な酸化劣化の防止機能が得られ、特に、100℃以上の
高温下にあっても、これらの酸化劣化の防止機能が保持
される優れた難燃性組成物が得られる。したがって、こ
の組成物をシートやフイルム、あるいはテープ化すれ
ば、特に高温耐熱性が要求される電線接続部、例えば車
両内部のエンジン回りなどの100℃以上の高温にもな
る部分の接続部用の処理材として使用することができ
る。
導体上に被覆した場合、優れた耐熱性を有する難燃性絶
縁電線がえられ、上記と同様、特に高温耐熱性が要求さ
れる絶縁電線、例えば車両内部のエンジン回りなどの1
00℃以上の高温にもなる部分に用いられる絶縁電線に
おいて、当該高温下でも、あまり酸化劣化が促進されな
い優れた絶縁電線が得られる。
Claims (2)
- 【請求項1】 メルトフローレートが0.1〜5でEA
含有率が5〜25%のエチレン−エチルアクリレート共
重合体100重量部、水酸化マグネシウム100〜15
0重量部、融点が200℃以上で平均分子量が200〜
500のサリチル酸誘導体0.1〜0.5重量部、赤リ
ン1〜10重量部からなる難燃性組成物。 - 【請求項2】 メルトフローレートが0.1〜5でEA
含有率が5〜25%のエチレン−エチルアクリレート共
重合体100重量部、水酸化マグネシウム100〜15
0重量部、融点が200℃以上で平均分子量が200〜
500のサリチル酸誘導体0.1〜0.5重量部、赤リ
ン1〜10重量部からなる難燃性組成物を導体上に被覆
したことを特徴とする難燃性絶縁電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6093099A JPH07278367A (ja) | 1994-04-06 | 1994-04-06 | 難燃性組成物及び難燃性絶縁電線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6093099A JPH07278367A (ja) | 1994-04-06 | 1994-04-06 | 難燃性組成物及び難燃性絶縁電線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07278367A true JPH07278367A (ja) | 1995-10-24 |
Family
ID=14073083
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6093099A Pending JPH07278367A (ja) | 1994-04-06 | 1994-04-06 | 難燃性組成物及び難燃性絶縁電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07278367A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006210016A (ja) * | 2005-01-25 | 2006-08-10 | Fujikura Ltd | 同軸ケーブル |
-
1994
- 1994-04-06 JP JP6093099A patent/JPH07278367A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006210016A (ja) * | 2005-01-25 | 2006-08-10 | Fujikura Ltd | 同軸ケーブル |
JP4644497B2 (ja) * | 2005-01-25 | 2011-03-02 | 株式会社フジクラ | 同軸ケーブル |
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