JPH07276080A - 高張力鋼用溶接ワイヤ - Google Patents

高張力鋼用溶接ワイヤ

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JPH07276080A
JPH07276080A JP8605894A JP8605894A JPH07276080A JP H07276080 A JPH07276080 A JP H07276080A JP 8605894 A JP8605894 A JP 8605894A JP 8605894 A JP8605894 A JP 8605894A JP H07276080 A JPH07276080 A JP H07276080A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐力885〜980N/mm2級或いは引張強
さ980〜1080N/mm2級高張力鋼などの溶接に適
用でき、しかも−60℃程度まで良好な靭性を有する高
張力鋼用溶接ワイヤを提供する。 【構成】 C:0.02〜0.10%、Si:0.15〜
0.65%、Mn:1.50〜3.00%、Cu:0.07〜
0.40%、Ni:1.00〜3.00%、Cr:0.35〜
1.50%、Mo:0.50〜1.20%、N:0.005
0〜0.019%、Ti:0.010〜0.090%、V:
0.020〜0.18%、P:0.010以下、S:0.0
10以下、Al:0.020%以下を含有し、残部が鉄と
不可避的不純物からなることを特徴とする高張力鋼用溶
接ワイヤである。特に、Ar−CO2混合ガスをシールド
ガスとして使用する、例えば、耐力885〜980N/
mm2級或いは引張強さ980〜1080N/mm2級高張力
鋼などのマグ溶接ワイヤとして好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高張力鋼用溶接ワイヤに
関し、特に、Ar−CO2混合ガスをシールドガスとして
使用する、例えば、耐力885〜980N/mm2級或い
は引張強さ980〜1080N/mm2級高張力鋼などの
溶接に好適なマグ溶接ワイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼材使用量の低減、構造物としての軽量
化、また、より高い許容応力を取り得ることから、鋼板
の高強度化が図られ、HT780鋼は既に一般化してお
り、多分野で適用されている。これより高強度のHT9
80鋼は、溶接性や脆性破壊に対する危惧から特殊な用
途に限定されていたが、最近になって海洋構造物(低温
仕様)や超高落差揚水発電の水圧鉄管などへの適用のニ
ーズから、前述の問題点を改善した極厚板のHT980
鋼の開発が成し遂げられつつある。また、このような鋼
板の超高張力化指向は更に強まり、HT980鋼を超え
る高強度鋼板の開発も進められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高張力鋼の溶接におい
ては、その強度が高くなればなるほど溶接割れの面から
溶接金属の水素量の低減が必須となり、また脆性破壊の
発生防止のため、より高い靭性が求められている。この
ような要求に対して、溶接材料の現状は、HT980鋼
用までは被覆アーク溶接材料を始めとして、サブマージ
アーク溶接材料、マグ溶接材料、ティグ溶接材料が既に
実用化されている。
【0004】しかし、被覆アーク溶接材料やサブマージ
アーク溶接材料のようにフラックスを必要とする溶接方
法では、溶接金属の水素量低減に限界があり、溶接割れ
の面から実用的な予熱温度ではHT980鋼用への適用
がほぼ限界となっている。
【0005】このようなことから、HT980鋼を超え
る超高張力鋼の溶接材料としては、溶接金属の水素量が
低いマグ溶接材料及びティグ溶接材料が適当である。こ
のうち、ティグ溶接材料は、溶接金属の酸素量が極めて
低いため良好な機械的性質を得ることが可能であるが、
能率面ではマグ溶接に大きく及ばないため、マグ溶接の
方が好まれている。
【0006】一般にHT980鋼用以上の超高張力鋼用
溶接材料ではC、Si、Ni、Cr、Moを基本成分とし、
強度を確保するためV、Ti或いはNbなどの析出強化効
果を有する元素が単独或いは複合添加されている。これ
は、基本成分とした元素は、ある程度までの強度に対し
ては強度を高める大きな効果があるが、概ね900N/
mm2を超えるような高強度になると、強度に対する寄与
が小さくなるばかりか、強度確保のため多量に添加する
と靭性を大きく損なうようになるため、基本成分である
程度の強度と良好な靭性を確保したうえで、少量で強度
を高める析出強化元素が利用されるようになるためであ
る。
【0007】980N/mm2級若しくはそれ以上の高強
度の高張力鋼に適用できる溶接用ワイヤとしては、特公
昭63−32558号、特開昭61−135499号な
どに提案されているが、いずれも上述の析出強化元素の
効果を利用したものである。しかしながら、前者は引張
強さ1040N/mm2までであり、それ以上の強度を得
て、かつ良好な靭性を得る手段については触れていな
い。後者は耐力980N/mm2或いは引張強さ1080
N/mm2級高張力鋼までに適用できるものの、高価な金
属であるNi、Vを多量に添加しているので経済的とは
言えず、また靭性については−20℃までの確認となっ
ている。
【0008】これらのことから、耐力885〜980N
/mm2或いは引張強さ980〜1080N/mm2級高張力
鋼などの溶接に適用でき、より低温での靭性に優れた溶
接金属が得られ、しかも安価なマグ溶接用ワイヤの開発
が待たれているのが現状である。
【0009】本発明は、上記の従来の超高張力鋼マグ溶
接材料の問題点を解決し、例えば耐力885〜980N
/mm2級或いは引張強さ980〜1080N/mm2級高張
力鋼などの溶接に適用でき、しかも−60℃程度まで良
好な靭性を有する高張力鋼用溶接ワイヤを提供すること
を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明者らは、先ず最適な基本成分系を詳細に検討
した。その結果、基本成分元素では、従来、靭性確保の
ため多量に、例えば特開昭61−135499号の発明
例において、3.51%以上添加されていたNiを、逆に
ある程度抑制して添加した方が高靭性が得られることが
明らかとなった。
【0011】更に、析出強化元素の添加は、少量添加で
あれば靭性をさほど損なわずに強度上昇させることがで
きるが、より高強度を得ようと添加量を多くすると靭性
の低下が著しくなることを確認した。そこで、これまで
の析出強化元素に加えて、靭性を損なわずに強度を大き
く上昇させる手段はないか鋭意検討を重ねたところ、遂
に析出強化元素であるTiとVを少量複合添加し、更に
それらに加えてNを適量添加することで解決できること
を究明するに至った。つまり、高強度を得るためにNを
積極的に添加することを基本とし、更に他の成分をバラ
ンスよく調整することにより、ここに本発明をなしたも
のである。
【0012】すなわち、本発明は、C:0.02〜0.1
0%、Si:0.15〜0.65%、Mn:1.50〜3.0
0%、Cu:0.07〜0.40%、Ni:1.00〜3.0
0%、Cr:0.35〜1.50%、Mo:0.50〜1.2
0%、N:0.0050〜0.019%、Ti:0.010
〜0.090%、V:0.020〜0.18%、P:0.0
10以下、S:0.010以下、Al:0.020%以
下、を含有し、残部が鉄と不可避的不純物からなること
を特徴とする高張力鋼用溶接ワイヤを要旨としている。
【0013】
【作用】以下に本発明を更に詳細に説明する。まず、本
発明ワイヤの成分限定理由を説明する。
【0014】C:0.02〜0.10% Cは溶接金属の強度を上昇させる上で有効な元素であ
り、V、Tiの析出強化効果を有効に利用するためにも
必須である。しかし、0.02%未満ではその効果が発
揮されず、また0.10%を超えて添加すると靭性が低
下し、また溶接金属の高温割れ感受性が増大するので上
限は0.10%とする。
【0015】Si:0.15〜0.65% Siは脱酸のために必要な元素であるが、0.15%未満
では脱酸が不十分となり、ピットやブローホールが発生
する。一方、0.65%を超えると靭性が低下する。
【0016】Mn:1.50〜3.00% Mnは溶接金属の靭性を確保するために必要であり、ま
た強度を高める作用もする。しかし、1.50%未満で
は、靭性向上に対する寄与が小さく高靭性を得ることが
できない。一方、3.00%を超えて添加しても強度が
殆ど向上しなくなり、靭性も低下傾向を示すようにな
る。
【0017】Cu:0.07〜0.40% Cuは強度及び靭性に対する寄与が小さく、ワイヤ本体
には積極的には添加しないが、ワイヤ表面にCuメッキ
を施すと防錆に大きな効果がある。しかし、Cuメッキ
分を含めて0.07%未満ではその防錆効果が小さく、
0.40%を超えるとワイヤの送給性が低下する。
【0018】Ni:1.00〜3.00% Niは溶接金属の靭性を確保するために必要であるが、
1.00%未満ではその効果がない。したがって、1.0
0%以上が必要であるが、また3.00%を超えて多量
に添加しても、靭性を向上させる作用が見られなくなる
ので、3.00%を上限とする。
【0019】Cr:0.35〜1.50% Crは焼入れ性を向上させる元素であり、溶接金属の強
度を上昇させる上で有効な元素であるが、0.35%未
満では耐力855N/mm2或いは引張強さ980N/mm2
以上の溶接金属強度の確保が困難となり、また1.50
%を超えると靭性が低下する。
【0020】Mo:0.50〜1.20% Crと同様に、Moは焼入れ性を向上させる元素であり、
溶接金属の強度を上昇させる上で有効な元素であるが、
0.50%未満では耐力855N/mm2或いは引張強さ9
80N/mm2以上の溶接金属強度の確保が困難となり、
また1.20%を超えると靭性が低下する。
【0021】N:0.0050〜0.019% 図1は0.06C−0.4Si−2.2Mn−1.4Ni−1.
0Cr−0.8Mo−0.03Ti−0.05V−N系のワイ
ヤでN量を種々の量に変えた場合の溶接金属の機械的性
質を示した一例である。図より、Nは極めて少量で、靭
性を損なわず強度を大きく上昇させる元素であることが
わかる。しかし、0.0050%未満ではその効果が得
られず、また0.019%を超えて添加すると靭性が低
下傾向を示し、またブローホール等の気孔を発生するよ
うになる。より効果的な添加範囲としては、0.007
0〜0.018%が好ましい。
【0022】Ti:0.010〜0.090% Tiは析出強化により、少量の添加で強度を上昇させる
元素である。0.010%未満ではその効果が小さく、
0.090%を超えると強度は上昇するが靭性が低下す
るので、Ti量は0.010〜0.090%の少量とす
る。
【0023】V:0.020〜0.18% Tiと同様に、Vは析出強硬化により、少量の添加で強
度、特に耐力を上昇させる元素である。0.020%未
満ではその効果が小さく、0.18%を超えると強度は
上昇するが靭性が低下するので、V量は0.020〜0.
18%の少量とする。
【0024】P:0.010%以下、S:0.010%以
下、Al:0.020%以下 Pは靭性を著しく低下させるので、0.010%以下と
する。好ましくは0.007%以下に抑制するのがよ
い。Sは靭性を著しく低下させ、高温割れの原因ともな
るので0.010%以下とする。好ましくは0.007%
以下に抑制するのがよい。Alは靭性を低下させるので
0.020%以下とする。
【0025】本発明のワイヤは、ガスシールドアーク溶
接用として利用できるが、特に耐力885〜980N/
mm2級或いは引張強さ980〜1080N/mm2級高張力
鋼などのマグ溶接に好適である。シールドガスとしては
CO2、Arなどの不活性ガスの単独或いは混合ガスを使
用できるが、機械的性質と溶接作業性の両面から5〜2
0%CO2−Ar混合ガスが適当であり、特に機械的性質
を重視する場合は5%CO2+Ar混合ガスが望ましい。
なお、上記の高張力鋼としては、後述の実施例に示した
鋼種のほか、種々の成分系及び組成のものが可能である
ことは言うまでもない。
【0026】次に本発明の実施例を示す。
【0027】
【実施例】表1に示すA〜Zの26種類の1.2mmφの
溶接用ワイヤを製作した。その際、溶接金属の水素量を
低減させるためワイヤのトータル水素(ワイヤに固溶し
ている水素、潤滑剤中の水素等ワイヤに含まれる全水素
量)を0.8〜5.2ppmの範囲に抑制した。これらのワイ
ヤを使用し、表2に示す化学成分のHT980鋼を溶接
して機械的性質を調査した。開先形状を図2、溶接条件
を表3に示し、溶接金属の機械的性質を表4に示す。な
お、引張試験片はJIS Z 3111 A1号とし、シ
ャルピー衝撃試験片はJIS Z 3111 4号とし、
溶接金属中央部の板厚の1/2の位置からそれぞれ採取
した。
【0028】引張強さ780N/mm2級を超える溶接用
鋼板の規格はJISにはなく、WES 3001「溶接
用高張力鋼板」に耐力885N/mm2級(HW885)ま
での規格がなされており、耐力885N/mm2級溶接金
属の引張強さの下限値はこの規格に従い950N/mm2
とした。なお、HW885では引張強さの下限値は98
0N/mm2未満であるが、他に国内規格がないことか
ら、HW885の規格がHT980鋼の目標性能となっ
ている場合も多い。
【0029】靭性面では、HW885のシャルピー吸収
エネルギーの要求値は27J以上であるが、水門鉄管協
会技術基準に定められたHT780鋼溶接部に必要な吸
収エネルギー値が47J以上であり、この値を−60℃
において満足することを目安とした。
【0030】表1及び表4において、ワイヤA〜Gは本
発明例であり、このうち、ワイヤA〜Eは耐力980N
/mm2級、或いは引張強さ1080N/mm2級高張力鋼に
適用でき、ワイヤF及びGはWESのHW885或いは
HT980鋼に適用できるものである。いずれも良好な
強度と靭性を兼ね備えていることがわかる。
【0031】一方、ワイヤH〜Xは比較例であり、それ
ぞれ以下の問題がある。
【0032】ワイヤHは、Cが0.02%未満の場合で
あり、その溶接金属は良好な靭性を有しているもののH
W885に要求される強度を満足していない。靭性は良
好であり溶接金属の強度がある程度低いことが許される
場合は(高強度鋼の溶接では溶接金属は軟質が許容され
る場合も多い)、適用も可能である。
【0033】ワイヤIは、Cが0.10%超えた場合で
あり、その溶接金属は耐力980N/mm2級或いは引張
強さ1080N/mm2級高張力鋼にも適用できる十分な
強度を有しているが、−60℃では低い靭性となってお
り、また伸びも低値であって延性が不足している。
【0034】ワイヤJはSiが0.15%未満の場合であ
り、溶接金属にピットが多発した。ワイヤKはSiが0.
65%を超えた場合であり、溶接金属の−60℃におけ
る靭性が低くなっている。
【0035】ワイヤLはMnが1.50%未満の場合であ
り、溶接金属の−60℃における靭性が低くなってい
る。ワイヤMはMnが3.00%を超えた場合であって、
ワイヤAのMn量を増量した例であるが、両者の溶接金
属を比較すると、Mn増量による強度の増加は殆どな
く、靭性は低下していることがわかる。
【0036】ワイヤNはNiが1.00%未満の場合であ
り、−60℃における靭性が低くなっている。ワイヤO
はNiが3.00%を超えた場合であって、ワイヤAのN
i量を増量した例であるが、両者の溶接金属を比較する
と、Ni増量による強度の増減は殆どなく、靭性はやや
低下していることがわかる。溶接金属の機械的性質は良
好な部類に入るが、3.00%を超えるNiの添加はもは
や無意味であるので、本発明範囲外とした。
【0037】ワイヤPはCrが0.35%未満の場合であ
り、HW885に要求される強度を満足していない。但
し、靭性は良好であり溶接金属のある程度の軟質が許容
される場合は、適用も可能である。
【0038】ワイヤQはCrが1.50%を超えた場合で
あって、ワイヤAのCr量を増量した例であるが、両者
の溶接金属を比較すると、Cr増量による強度の増加は
僅かであり、溶接金属の−60℃における靭性が低下し
ていることがわかる。
【0039】ワイヤRはMoが0.50%未満の場合であ
り、HW885に要求される強度を満足していない。但
し、靭性は良好であり、溶接金属のある程度の軟質が許
容される場合は、適用も可能である。
【0040】ワイヤSはMoが1.20%を超えた場合で
あって、ワイヤAのMo量を増量した例であるが、両者
の溶接金属を比較すると、Mo増量による強度の増加は
僅かであり、溶接金属の靭性はやや低下している。
【0041】ワイヤTはTiとVが本発明範囲の下限値
を満足しない場合であり、HW885に要求される強度
を満足していない。ワイヤUはTiが0.090%を超え
た場合であり、溶接金属の−60℃における靭性が低く
なっている。ワイヤVはVが0.18%を超えた場合で
あり、溶接金属の−60℃における靭性が低くなってい
る。
【0042】ワイヤWはNが0.0050%未満の場合
であり、HW885に要求される耐力と引張強さを満足
していない。
【0043】ワイヤXは本発明例のワイヤAにおいてN
無添加としたものであり、ワイヤY中のNは意図的は添
加していない不純物である。これらのワイヤによる溶接
金属の強度を比較すると大きな差があり、ワイヤXでは
耐力885N/mm2を満足していない。ワイヤAとXの
比較によって、Nは少量で溶接金属の強度を大きく高
め、かつ靭性も殆ど損なわないことがわかる。
【0044】ワイヤYは、ワイヤXの溶接金属の強度を
ワイヤAのそれまで高めるため、Vを添加したものであ
る。実験では段階的にVを調整したが、ワイヤAの溶接
金属とほぼ同強度を得るためには、V=0.22%とし
なければならず、Vが過度となり靭性が大きく低下して
いる。
【0045】ワイヤZはNを0.018%を超えて添加
した場合であり、−60℃の靭性が低下傾向にある。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、特に耐
力855〜980N/mm2級、或いは引張強さ950〜
1080N/mm2級の高張力鋼などに適用でき、高強度
と靭性の溶接金属が得られる効果は極めて顕著であっ
て、マグ溶接用とした場合、画期的なマグ溶接用ワイヤ
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワイヤ中のN量と溶接金属の機械的性質の関係
を示す図である。
【図2】開先形状を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で(以下同じ)、 C:0.02〜0.10%、 Si:0.15〜0.65%、 Mn:1.50〜3.00%、 Cu:0.07〜0.40%、 Ni:1.00〜3.00%、 Cr:0.35〜1.50%、 Mo:0.50〜1.20%、 N:0.0050〜0.019%、 Ti:0.010〜0.090%、 V:0.020〜0.18%、 P:0.010以下、 S:0.010以下、 Al:0.020%以下、を含有し、残部が鉄と不可避的
    不純物からなることを特徴とする高張力鋼用溶接ワイ
    ヤ。
  2. 【請求項2】 マグ溶接用ワイヤである請求項1に記載
    の高張力鋼用溶接ワイヤ。
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