JPH0727499Y2 - 広告表示装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は広告表示装置に係り、特
に壁面に設置して背面照射により広告表示面を明示する
広告表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】鉄道の駅やコンコース等における壁面を
利用して広告表示すめための広告表示装置として従来か
ら種々実施されている。このような壁面に設置する広告
表示装置は、通行人の邪魔にならぬよう壁面から突出し
ないように一部を壁内に埋込む構造とされており、した
がって広い表示面を有する場合扁平な形態となる。

【０００３】このような壁面を利用する広告表示装置で
は、前面の表示面の背後に光源を配し、背面照射を行な
って表示面の全域が均等な明るさに照射されるようにす
ることが必要であることから、一般に扁平箱状のケース
の内底部に複数本の棒状の蛍光管を互いに平行に配設
し、このケースを壁面に嵌込んで広告表示として使用さ
れるようになされている。

【０００４】ところで上記の構成によると、広告表示面
の背面に近い位置に光源が位置するため、光源の部分が
明るく見え、光源の間の部分が暗く見えて輝度むらが生
じ、見た目が悪くなる。そこで、この照明むらをなくす
るため広告表示面と光源との間に１乃至数枚の拡散板を
介在させて光を分散させる手段や光源の背後に反射板を
設置する手段、光源の数を増す手段等が採られている。

【０００５】一方、この種の広告表示装置では、一定期
間毎に広告表示内容が変更されるため、表示面を新たな
内容のものと交換する頻度が高いが、従来では表示面の
交換時にその都度ケースを壁面から取外し、ケースに固
定されている広告表示用シートを取外したのち新たな広
告表示用シートを取付け、ついでケースを壁面に嵌込ん
で固定することを要している。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】しかるに照明むらを少
なくするために拡散板を設置する構造とすると、光の拡
散性をよくするには複数枚の拡散板を用いなければなら
ず、そのため光の透過光量が著しく減少して広告表示面
が暗くなってしまい、勢い高輝度の光源を採用しなけれ
ばならず、製造コストやランニングコストが嵩むものと
なる。

【０００７】また反射板を設置する構成とすれば、反射
光も照明光として利用するので明るさは増すが、照明む
らをなくすることはできない。さらに光源の数を増設す
るものでは、広告表示装置の価格が高騰するとともに消
費電力が増大し、光源切れによる保守の回数も増えてラ
ンニングコストが掛るものとなる。

【０００８】一方、広告表示面の交換についても、その
都度、広告表示装置全体を壁面から一旦取外し、表示面
部分を解体して交換することになるため、その交換作業
が容易でないばかりでなく、広告表示装置の設置場所は
人通りの多い通路等が想定されるので上記交換作業をそ
の壁面前の通路で行なうことになり、その結果通行の障
害となり、さりとて短時間で迅速に交換することが難し
く、この点においても多くの問題点を有していた。

【０００９】本考案はこれに鑑み、少ない数の光源の使
用により薄型に構成しても、照明むらが少なく、かつ広
告表示面の交換および光源の取替えを壁面に設置した状
態のまま迅速に行なうことができる広告表示装置を提供
すること目的としてなされたものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記従来の技術が有する
問題点を解決するための手段として、本考案は、前面が
開口された扁平箱状のケース本体と、このケース本体の
前面開口部の周縁を構成しケース本体に開閉可能に取付
けられた枠縁と、この枠縁の一辺部に係合しこの係合部
を中心に転回可能に取付けられた広告表示面支持枠とを
備え、前記ケース本体の内底面にそって複数本の棒状の
光源を互いに平行に配設するとともに、これら光源間の
ケース本体の内底面に断面山形状で光源の長さと略等長
の反射体を配設し、前記支持枠に広告表示シートを止着
保持せしめるようにしたことを特徴とする。

【００１１】

【作用】広告表示時には、光源から側方へ出射する光は
光源間にある山形状の反射体の表面で反射されて広告表
示面の裏面へ向い、広告表示面がむらなく背面照射され
る。広告表示内容を変更するときは、広告表示面支持枠
をその係合部を支点として転回したのち取外せば、ケー
ス本体には無関係に広告表示シートを取外して新たなも
のと付け替え、再び前記支持枠を枠縁に係合させれば交
換を完了する。さらに光源切れ等により光源ランプを取
替えるときは、枠縁を広告表示面支持枠が付いたまま転
回させれば、ケース本体の前面が全開され、光源を取替
えることができ、再び枠縁をケース本体の前面に取付け
ることで光源の取替えが完了する。

【００１２】

【実施例】以下、本考案を図面に示す実施例を参照して
説明する。本考案による広告表示装置１は薄形四角形状
のもので、その広告表示面２は例えばＢ列規格サイズと
され、Ｂ０、Ｂ１…等で横位置表示とされている。

【００１３】上記広告表示装置を構成するケース本体３
は、図２に縦断面を示すように例えば鋼板を折曲げて形
成された扁平箱状のもので、前面が開口されている。こ
のケース本体３の内底面３ａには、複数本の棒状の蛍光
管４，４…が光源として互いに平行するように配設さ
れ、ケース本体３の上下内面に装着されたソケット５，
５間に取付けられている。

【００１４】前記ケース本体３の前面開口部には、この
開口部の外周と同大の外形状を有しケース本体３の前面
開口部を縁どりするように四角形枠状の枠縁６の上端部
がヒンジ７により開閉可能に取付けられ、下部はビス８
によりケース本体３に固定されるようになっている。

【００１５】上記枠縁６は、窓枠状の内周形状を有し、
その上部縁６ａの下部に広告表示面支持枠９の上端が転
回可能に係合されている。この係合部１０は、前記支持
枠９の上端に略逆Ｌ字状に屈曲する係合片１１が突設さ
れ、この係合片１１の屈曲部１１ａが枠縁６の開口縁６
ａの内側に突出された円形状断面を有する突部１２に係
合可能とされ、支持枠９の下方部を手前側に所要角度転
回することにより支持枠９を抜き外せるようになってい
る。そしてこの支持枠９の内周縁９ａには、乳白色系の
アクリル板等からなり広告表示シート１３の背面を保持
する拡散板１４が押え枠１５とビス１６，１６により固
着されている。

【００１６】前記支持枠９は四角形状の枠部９ｂを有
し、その枠内には広告表示シート１３の前面を押える透
明アクリル板等からなる透明板１７がビス１８，１８に
より固着されている。

【００１７】前記広告表示シート１３は、例えば写真撮
影されたポジフィルムが用いられ、そのシート１３の上
端が両面粘着テープ１９により支持枠９の枠部９ｂの内
面側に固定することにより保持され、支持枠９を閉じた
とき前記拡散板１４と透明板１７との間に広告表示シー
ト１３がサンドイッチ状に挟まれて平坦状に保持される
ようになっている。支持枠９の下部はビス２０により枠
縁６に固定されることにより前記係合部１０の係合状態
が維持されるようになされている。

【００１８】前記蛍光管４，４…の間のケース本体３の
内底面３ａには、図３に一部の断面を示すように蛍光管
４と略同長で断面が扁平な山形状をなす反射体２１，２
１…がそれぞれ配設されている。この反射体２１は外面
が反射面とされ、ケース本体３の内底面３ａに設けられ
たホルダ２２にビス２３，２３により固着されている。
そしてこの反射体２１の頂部２１ａは鈍角とされかつそ
の頂部２１ａは蛍光管４の軸中心と略同じ高さとされて
おり、蛍光管４の側方へ出射する光束が反射体２１の表
面に反射して広告表示シート１３の背面に向かうように
なっている。

【００１９】最外側の蛍光管４の外側方には一面だけの
反射体２１′が設けられ、その内側の空間部には蛍光管
４の安定器２４等の機器類が収納されている。これらに
より広告表示装置１自体の厚みがきわめて薄くなり、壁
面２６へ取付ける際、壁内への埋込み量が少なくてすむ
と同時に外部へ出張る量が少なくでき、通行の邪魔にな
らない構造となる。

【００２０】図において２５は壁面２６への取付座、２
７は壁面取付用アンカーである。

【００２１】次に上記実施例の作用を説明する。広告表
示時には、ケース本体３の厚み相当分だけ壁面２６内に
埋込むように嵌合固定し、蛍光管４，４…を点灯すれ
ば、蛍光管４，４…からの直接光および山形の反射体２
１，２１…の表面で反射した反射光が共に拡散板１４の
背面を通して広告表示シート１３を照射し、外部から広
告表示シート１３に表示された表示内容を明るく見るこ
とができる。この反射体２１，２１…による反射光は蛍
光管４，４…からの直接光の拡散範囲の間を埋め、全体
として均等な分布をもって照明される。

【００２２】広告表示面２に表示される表示内容を変更
する際には広告表示シート１３を交換することによって
行なう。この場合には、広告表示面支持枠９の下部のビ
ス２０を外し、上部の係合部１０を支点として手前側に
転回させれば、その係合片１１の屈曲部１１ａが突部１
２から外れ、そのまま下方へ引けば支持枠９を取外すこ
とができ、前面の透明板１７の裏面側にある広告表示シ
ート１３を剥し、新たな広告表示シート１３を両面粘着
テープ１９により取付けたのち再び係合片１１を枠縁６
の上縁６ａ内に挿入して閉じるようにすれば、係合片１
１の屈曲部１１ａが突部１２に係合し、落ちることなく
閉じることができ、支持枠９の下部のビス２０を締める
ことにより支持枠９は枠縁６に固定される。

【００２３】蛍光管４が切れた場合、蛍光管４を取替え
るときは、枠縁６の下部のビス８を外し、上方へ転回さ
せればヒンジ７を中心として開き、ケース本体３の前面
が開放され、蛍光管４を取替えることができる。取替え
後枠縁６を閉じ、下部のビス８を締めることにより枠縁
６はケース本体３に固定される。

【００２４】なお本考案は、商業用広告のみに限らず、
各種表示用として使用し得ることはもちろんであり、ま
た各部材の形状構造に関しても図示の実施例に限定され
るものではない。

【００２５】

【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、広
告表示面に表示される表示内容を変更する際にケース本
体は壁面に取付けられている状態のままで広告表示シー
トのみを容易に交換することができるので、人通りの多
い駅の構内やコンコース等の壁面に設置した場合であっ
ても通行を妨げることなく迅速に交換作業を行なうこと
ができ、その作業も枠縁に対し広告表示面支持枠のみを
転回させるだけで交換可能な状態となるので、装置全体
を取外すような重量物の取扱いが不要となり、だれでも
簡単に行なうことができる。また光源切れ等の際の保守
時には、広告表示面を含む枠縁をケース本体に対し転回
させれば、ケース本体の前面が全開されるので光源ラン
プの取替え等を容易迅速に行なうことができる。そして
光源の間には反射体が配設されているので、きわめて薄
形に構成しても広告表示面の照明むらが少なくなり、見
やすい広告表示装置を得ることがてき、広告価値を高
め、広告料の増収を図ることができる。また薄形に構成
することができることによって壁面への嵌込み深さが少
なくできると同時に壁面から突出する量が少なくでき、
取付部の壁面構造に制約を受けることがないとともに通
路側へ大きく突出しないため通行障害になることもない
などの種々優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による広告表示装置の一実施例を示す正
面図。

【図２】図１の拡大縦断面図。

【図３】同、拡大部分横断面図。

【符号の説明】

１ 広告表示装置 ２ 広告表示面 ３ ケース本体 ４ 光源としての蛍光管 ５ ソケット ６ 枠縁 ７ ヒンジ ８ ビス ９ 広告表示面支持枠 １０ 係合部 １１ 係合片 １２ 突部 １３ 広告表示シート １４ 拡散板 １５ 押え枠 １６ ビス １７ 透明板 １８ ビス １９ 両面粘着テープ ２０ ビス ２１，２１´ 反射体 ２２ ホルダ ２３ ビス

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前面が開口された扁平箱状のケース本体
   と、このケース本体の前面開口部の周縁を構成しケース
   本体に開閉可能に取付けられた枠縁と、この枠縁の一辺
   部に係合しこの係合部を中心に転回可能に取付けられた
   広告表示面支持枠とを備え、前記ケース本体の内底面に
   そって複数本の棒状の光源を互いに平行に配設するとと
   もに、これら光源間のケース本体の内底面に断面山形状
   で光源の長さと略等長の反射体を配設し、前記支持枠に
   広告表示シートを止着保持せしめるようにしたことを特
   徴とする広告表示装置。