JPH07274970A - 組換えベクターと、この組換えベクターを保持する形 質転換体、およびこの形質転換体による抗菌性ペプチ ドの製造方法 - Google Patents

組換えベクターと、この組換えベクターを保持する形 質転換体、およびこの形質転換体による抗菌性ペプチ ドの製造方法

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JPH07274970A
JPH07274970A JP6085244A JP8524494A JPH07274970A JP H07274970 A JPH07274970 A JP H07274970A JP 6085244 A JP6085244 A JP 6085244A JP 8524494 A JP8524494 A JP 8524494A JP H07274970 A JPH07274970 A JP H07274970A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な抗菌性ペプチド(ラクトフェリシン
類)をコードする組換えベクター、この組換えベクター
を保持する形質転換体およびそれを用いた抗菌性ペプチ
ド(ラクトフェリシン類)の製造方法を提供する。 【構成】 抗菌性ペプチド(ラクトフェリシン類)をコ
ードするDNA配列を含み、かつ、このDNA配列の発
現を制御するtacプロモーターを有する組換えベクタ
ーpGEXLFを図1に示すように構築し、これを組込
んだ大腸菌を培養した後、IPTGの添加により発現制
御を解除して培養し、抗菌性ペプチド(ラクトフェリシ
ン類)を採取することを特徴とする抗菌性ペプチドの製
造方法。 【効果】 抗菌性ペプチド(ラクトフェリシン類)を安
価かつ簡便に大量供給することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は、抗菌性ペプチドをコ
ードするDNA配列を挿入結合した組換えベクター、こ
の組換えベクターを保持する形質転換体、およびこの形
質転換体による抗菌性ペプチドの製造方法に関するもの
である。
【従来の技術】従来より、種々の微生物に対して抗菌作
用を有するペプチドについて多数の発明が知られてい
る。例えば、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に有効な
ホスホノトリペプチド(特開昭57−106689号公
報)、ホスホノジペプチド誘導体(特開昭58−135
94号公報)、環状ペプチド誘導体(特開昭58−21
3744号公報)、抗菌および抗ウイルス作用を示すペ
プチド(特開昭59−51247号公報)、酵母に有効
なポリペプチド(特開昭60−130599号公報)、
グラム陽性菌に有効な糖ペプチド誘導体(特開昭60−
172998号公報、特開昭61−251699号公
報、特開昭63−44598号公報)、グラム陽性菌に
有効なオリゴペプチド(特開昭62−22798号公
報)、ペプチド系抗生物質(特開昭62−51697号
公報、特開昭63−17897号公報)、その他北米産
カブトガニの血球から抽出した抗菌性ペプチド(特開平
2−53799号公報)、蜜蜂の血リンパから単離した
抗菌性ペプチド(特表平2−500084号公報)等で
ある。一方、ラクトフェリンは涙、唾液、末梢血、乳汁
等に含まれている天然の鉄結合性蛋白質であり、大腸
菌、カンジダ菌、クロストリジウム菌等の有害微生物に
対して抗菌作用を示すことが知られている[ジャーナル
・オブ・ペディアトリクス(Journal of Pediatrics)、
第94巻、第1ページ、1979年]。この発明の発明
者らはラクトフェリンの加水分解物から、特定のアミノ
酸配列を有し、ラクトフェリンの鉄結合能とは無関係
に、ラクトフェリンに比較して高い抗菌性を有する抗菌
性ペプチドを発見している[ジャーナル・オブ・デイリ
ー・サイエンス(Journal of Dairy Science)、第74
巻、第4137ページ、1991年]。
【発明が解決しようとする課題】上記の抗菌性ペプチド
は、これまでは化学合成またはラクトフェリンの加水分
解物からの分離により生産されていた(特開平5−78
392号公報、特開平5−92994号公報、特開平5
−148295号公報、特開平5−148296号公報
および特開平5−148297号公報)。しかしなが
ら、これらの方法による抗菌性ペプチドの生産は、高価
かつ繁雑であり、生産量も少ないため、これらのペプチ
ドをより安価、簡便、かつ大量製造することが望まれて
いた。また、天然型蛋白質であるヒトラクトフェリンに
ついては、そのcDNA配列および真核細胞発現系を用
いるヒトラクトフェリンおよびその機能的等価物の遺伝
子組換技術を利用した生産方法が開示されている(特表
平4−505101号公報)が、生産されたラクトフェ
リンの存在は、抗ヒトラクトフェリン抗体を用いたウエ
スタン免疫ブロット分析および相対的分子量測定によっ
て確認されているようにごく少量にすぎず、工業的規模
での生産は行われていない。この発明は、以上のとおり
の事情に鑑みてなされたものであり、抗菌性ペプチドを
より安価、簡便かつ大量に製造するための新しい遺伝子
工学材料と、これらの材料を用いた抗菌性ペプチドの製
造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、ベクターに少なくとも配列番号
1記載のアミノ酸配列をコードするDNA配列を挿入結
合した組換えベクターを提供する。またこの発明は、ベ
クターに少なくとも配列番号1記載のアミノ酸配列をコ
ードするDNA配列を挿入結合した組換えベクターを保
持する形質転換体を提供する。さらにこの発明は、ベク
ターに少なくとも配列番号1記載のアミノ酸配列をコー
ドするDNA配列を挿入結合した組換えベクターを保持
する形質転換体を培養し、配列番号1記載のアミノ酸配
列を含むペプチドを採取することを特徴とする抗菌性ペ
プチドの製造方法をも提供する。以下、この発明の構成
と好ましい態様について詳しく説明する。なお、以下の
説明において、抗菌活性を有するペプチドをまとめてラ
クトフェリシン類(「ラクトフェリシン」は森永乳業株
式会社が所有する登録商標である)と記載することがあ
る。また、アミノ酸およびペプチドはアイユーピーエー
シーーアイユービー生化学命名委員会(IUPAC-IUB CBN)
で採用された略記法に基づいて表示され、例えば次の略
号を使用する。。 Ala :L-アラニン残基 Arg :L-アルギニン残基 Asn :L-アスパラギン残基 Asp :L-アスパラギン酸残基 Cys :L-システイン残基 Gln :L-グルタミン残基 Glu :L-グルタミン酸残基 Gly :L-グリシン残基 His :L-ヒスチジン残基 Ile :L-イソロイシン残基 Leu :L-ロイシン残基 Lys :L-リジン残基 Met :L-メチオニン残基 Phe :L-フェニルアラニン残基 Pro :L-プロリン残基 Ser :L-セリン残基 Thr :L-スレオニン残基 Trp :L-トリプトファン残基 Tyr :L-チロシン残基 Val :L-バリン残基 先ず、この発明の組換えベクターは、 (1)ラクトフェリシン類をコードするDNA配列の合
成 (2)(1)の工程で合成したDNA配列の発現ベクタ
ーへの挿入 の手順により構築することができる。次にそれらの手順
について説明する。 (1)ラクトフェリシン類をコードするDNA配列の合
成 同一アミノ酸に対応するコドンが数種ある場合、生物種
(宿主となる微生物等の種類)によってその選択パター
ンに相違のあることが知られている[細胞工学、第2
巻、第1541〜1553ページ、1983年]。そこ
でこの発明においては、ラクトフェリシン類を生産させ
る生物種に汎用されているコドンを選択し、それらに対
応したDNA配列を常法により合成した。なお、このよ
うなDNA配列に対応するアミノ酸配列は、少なくとも
配列番号1記載のアミノ酸配列を含むものであるが、こ
の配列は、抗菌性ペプチド(ラクトフェリシン類)のコ
ード領域を含み、ラクトフェリンの鉄結合ドメインを含
まないことを特徴とする以外は特に限定されるものでは
ない。ただし、配列両端の制限酵素切断部位を除いた長
さを180塩基対までとすることがより望ましい。ま
た、ラクトフェリシン類をそのN末端またはC末端で適
当な蛋白質Pと融合体を形成する形で生産する場合は、
ラクトフェリシン類と蛋白質Pのそれぞれをコードする
DNA配列の境界に適当なプロテアーゼ(トロンビン、
ファクターXa等)または化学物質による認識切断部位
をコードするDNA配列を予め付加する。 (2)前記(1)で合成したDNA配列の発現ベクター
への挿入 (1)の工程で合成したDNA配列を挿入するベクター
は、ラクトフェリシン類を生産させる生物種(宿主とな
る微生物等の種類)によって適宜選択される。これらの
ベクターとしては公知のプラスミドpGEX2T、pK
OM1、pRSVNot等が例示され、これらから常法
により誘導された各種ベクターを含む各種公知のベクタ
ーを適宜利用することができる。多くの場合、これらの
ベクターは大腸菌のシャトル・ベクターであるので、組
換えベクターの構築は、前記(1)の工程で合成したD
NA配列をイン・ビトロでベクターに連結し、のち一旦
大腸菌に導入することによって行うことができる。これ
により、挿入DNA配列の塩基配列の確認、および構築
した組換えベクターの増幅・調製が容易になる。なお、
大腸菌用のベクターの構築は(1)の工程で合成したD
NA配列をイン・ビトロで前記大腸菌用に選択されたベ
クターに連結することのみによっても行うことができ
る。なお、使用する発現ベクターは、組み込まれたDN
A配列の発現に関与するプロモーターが制御されるも
の、または常に働くもののいずれでも良いが、ラクトフ
ェリシン類の発現量を考慮するならば、組み込まれたD
NA配列の発現に関与するプロモーターが制御されるも
のがより望ましい。また、生産されるラクトフェリシン
類が培地中に分泌されるように、組み込まれたDNA配
列からできる物質がシグナル配列を有するものであって
も良い。生産される物質の分子量が小さい場合には、発
現産物が適当な蛋白質と融合体を形成する形のものを用
いることもできる。次に、この発明の組換えベクターを
用いたラクトフェリシン類の製造方法について説明す
る。組換えベクターを用いたラクトフェリシン類の製造
は、 (1)組換えベクターを保持する形質転換体の作成 (2)前記(1)の工程で作成した形質転換体がラクト
フェリシン類を生産することの確認 (3)前記(2)の工程でラクトフェリシン類を生産す
ることが確認された形質転換体の培養 (4)前記(3)の工程で得られた培養液からのラクト
フェリシン類の精製 により行われる。次に、それぞれの手順について説明す
る。 (1)組換えベクターを保持する形質転換体の作成 組換えベクターの導入方法は、それを導入する生物種
(宿主となる微生物等の種類)によって異なる。例え
ば、宿主として大腸菌を用いる場合は常法の塩化カルシ
ウム法、酵母を用いる場合は常法のプロトプラトス法
[DNAクローニング(DNA Cloning) 、第2巻、第25
ページ、IRLプレス(IRL Press) 、1985年]また
はリチウム法、動物細胞を用いる場合は、リン酸カルシ
ウム法[モレキュラー・クローニング(Molecular Cloni
ng) 、第2版、第3巻、第16章、第33ページ、コー
ルド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(C
old Spring Harbor Laboratory Press) 、1989年]
またはエレクトロポレーション法[モレキュラー・クロ
ーニング(Molecular Cloning) 、第2版、第3巻、第1
6章、第54ページ、コールド・スプリング・ハーバー
・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laborato
ry Press) 、1989年]等を用いることができる。組
換えベクターを保持する形質転換体の選別は、使用した
ベクターが保有する選択マーカー遺伝子に基づく薬剤耐
性またはアミノ酸非要求性等の形質獲得の有無を、薬剤
添加培地またはアミノ酸非含有培地等で調べることによ
り行うことができる。 (2)(1)の工程で作成した形質転換体がラクトフェ
リシン類を生産することの確認 前記(1)で作成した形質転換体のラクトフェリシン類
生産の確認は、この形質転換体の培養上清または無細胞
抽出液を、例えば市販の抗ラクトフェリン抗体を用いて
ELISA法[生物化学実験法15・免疫学入門、第1
50ページ、学会出版センター、1983年]、ウェス
タン・ブロッティング法[モレキュラー・クローニング
(Molecular Cloning) 、第2版、第3巻、第18章、第
60ページ、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラ
トリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Pres
s) 、1989年]等により調べる等して行うことがで
きる。また、生産される物質は抗菌活性を有するので、
この形質転換体の培養上清もしくは細胞抽出物中の抗菌
活性を測定することによっても確認することが可能であ
る。 (3)前記(2)の工程でラクトフェリシン類を生産す
ることが確認された形質転換体の培養 形質転換体の培養は、その生物種(宿主となる微生物等
の種類)および使用したベクターにより各々に適した方
法を用いる。例えば、組み込まれたDNA配列の発現に
関与するプロモーターが常に働くベクターを使用し、生
物種が大腸菌の場合は、形質転換体の選択に用いた薬剤
を含有する2×TY培地[1.6%バクトトリプトン、
1.0%酵母エキスおよび0.5%塩化ナトリウムから
なる。モレキュラー・クローニング (Molecular Clonin
g)、第2版、第3巻、付録A、第3ページ、コールド・
スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス (Cold S
pring Harbor Laboratory Press)、1989年]等を用
いて通常37℃で定常増殖期まで培養することにより、
ラクトフェリシン類の生産が行われる。同様のプロモー
ターが常に働くベクターを使用し、生物種がパン酵母サ
ッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisia
e)の場合は、形質転換体の選択に用いたアミノ酸または
核酸を除いた最小合成培地[0.67%バクトイースト
ナイトロジェンベース(アミノ酸無)、2%グルコース
からなる。メソッズ・イン・エンザイモロジー (Method
s in Enzymology)、第194巻、第14ページ、アカデ
ミック・プレス(Academic Press)、1991年]等を用
いて30℃で定常増殖期まで培養することにより、ラク
トフェリシン類の生産が行われる。生物種が動物細胞の
場合は、10%子牛血清および形質転換体の選択に用い
た薬剤を含有するダルベッコ改変イーグル最小培地[D
MEM;ウイロロジー(Virology)、第8巻、第396ペ
ージ、1959年]等を用いて37℃で3〜4日間培養
することにより、ラクトフェリシン類の生産が行われ
る。なお、組み込まれたDNA配列の発現に関与するプ
ロモーターが制御されるベクターを使用する場合には、
その制御を解除して、挿入DNA配列を発現させるため
に、各プロモーターの性質に応じて培養温度を変化させ
るか、制御を解除する物質を添加する必要がある。例え
ば、ラムダファージ右側プロモーターならば、その誘導
(制御解除)によってラクトフェリシン類を生産させる
ためには、30℃で初期定常増殖期まで培養し、のち培
養温度を42℃に上昇して更に90分間培養する必要が
あり、ラクトースプロモーターならば、その誘導(制御
解除)によってラクトフェリシン類を生産させるために
は、37℃(酵母の場合は30℃)で初期定常増殖期ま
で培養し、のち終濃度0.1〜1.0mMのイソプロピ
ル β−D−チオガラクトシド(IPTG)を添加して
更に4時間培養する必要がある。 (4)前記(3)の工程で得た培養液からのラクトフェ
リシン類の精製 この方法も形質転換体の作成に使用したベクターおよび
宿主により各々に適当した方法を用いる必要がある。例
えば、N末端に分泌シグナル配列を付加した形のラクト
フェリシン類を生産する組換えベクターを導入した大腸
菌からラクトフェリシン類を精製する場合には、培養液
を遠心して集菌し、ショ糖溶液に懸濁して浸透圧ショッ
クをかけ、菌体のペリプラズム中のラクトフェリシン類
を溶出させ、続いてゲル濾過または逆相クロマトグラフ
ィー等で分画精製することによってラクトフェリシン類
の精製を行う。同様のベクターを導入したS. cerevisia
e または動物細胞からラクトフェリシン類を精製する場
合には、培養液を遠心してラクトフェリシン類が分泌含
有されている培養上清を取得し、続いてゲル濾過または
逆相クロマトグラフィー等で分画精製することによって
ラクトフェリシン類を精製する。次に、N末端またはC
末端においてプロテアーゼまたは化学物質の認識切断部
位を介して適当な蛋白質Pと融合体を形成する形で生産
されるラクトフェリシン類を精製する場合には、培養液
を遠心して集菌した後、超音波やホモジェナイザーを用
いて菌体を破砕し、再び遠心してラクトフェリシン類と
蛋白質Pとの融合蛋白を含む無細胞抽出液を取得し、続
いてゲル濾過または蛋白質Pに対するアフィニティを利
用したアフィニティーカラムを用いて融合蛋白を単離し
た後、融合蛋白を、付加されているプロテアーゼもしく
は化学物質の認識切断部位に対応するプロテアーゼまた
は化学物質を用いて切断し、ラクトフェリシン類を逆相
クロマトグラフィー等で分画精製することによってラク
トフェリシン類の精製を行う。また、ベクターの形質に
よらずに、大腸菌を宿主として、ラクトフェリシン類が
大量に生産された場合には、産生した蛋白質が菌体内で
凝集して顆粒体を形成することがある。この場合には、
培養液を遠心して集菌した後、超音波やホモジェナイザ
ーを用いて菌体を破砕し、再び遠心して顆粒体を取得
し、6M塩酸グアニジンまたは8M尿素を加えて蛋白質
を可溶化した後、バッファー添加または透析等により塩
酸グアニジンまたは尿素の濃度を下げた上で、ゲル濾過
等の処理を行うことによってラクトフェリシン類を精製
することができる。次に試験例を示してこの発明をさら
に詳しく説明する。 試験例1 この試験は、ラクトフェリシン類の発現が(1)恒常的
である場合と(2)IPTGにより制御される場合とに
おいて、発現の効率および宿主に与える影響を比較する
ために行った。後記する実施例8と同様に、後記する実
施例7で構築した動物細胞系組換えベクターpRSVL
Fがlac オペレーターを含むことを利用して実施した。
すなわち、(1)の場合には、宿主としてハムスターC
HO細胞を用い、この細胞にリン酸カルシウム法により
上記組換えベクターを導入し、導入後の細胞を48時間
培養し、ラクトフェリシン類を発現させた。(2)の場
合には、予めp3′SSを導入し、IPTGによる制御
解除が可能なlacIリプレッサーを発現するCHO細胞を
用い、この細胞にリン酸カルシウム法によりベクターを
導入し、導入後の細胞を36時間培養し、1mMのIP
TGを添加して更に12時間培養して、ラクトフェリシ
ン類を発現させた。前記(1)および(2)それぞれに
おけるラクトフェリシン類の発現量を、ニンヒドリン法
[アナリティカル・バイオケミストリー(Analytical B
iochemistry )、第49巻、第95ページ、1972
年]により測定して比較した。宿主に与える影響につい
ては、前記のとおり宿主細胞が異なる以外は、形質導入
の条件を同一として、形質導入に用いた総細胞に対する
ラクトフェリシン類発現細胞の得られる割合(形質導入
効率)を比較した。この試験の結果は表1に示すとおり
である。表1から明らかなように、動物細胞系における
ラクトフェリシン類の発現は、宿主細胞の増殖が飽和状
態に達した後に制御が開始する(2)の条件の方が、宿
主に悪影響を及ぼすことがなく、形質導入体が得られや
すく、ラクトフェリシン類の発現量も多いことが判明し
た。
【表1】 次に実施例を示してこの発明を更に詳細かつ具体的に説
明するが、この発明は以下の例に限定されるものではな
い。なお、試薬の出所について明示していない物は、全
てナカライテスク社製であり、同じ試薬が複数種ある場
合には特級を用いた。
【実施例】
実施例1(大腸菌(エシェリキア・コリ( Escherichia
coli) )系ベクターを用いた組換えベクターの構築) (1)ラクトフェリシン類をコードするDNA配列の合
成 大腸菌によく用いられるコドンを選択使用して、ヒトラ
クトフェリン配列の一部である配列番号1記載のアミノ
酸配列を含む配列番号5記載のアミノ酸配列、およびそ
の上流に付加するプロテアーゼであるファクターXaの
認識切断部位(配列番号7記載のアミノ酸配列)をコー
ドする配列番号8記載の核酸配列からなるDNA配列を
合成した。なお、このDNA配列には、配列番号8にも
小文字記号で示したように、5′末端に制限酵素BamHI
により切断されてできる配列を、また3′末端には終止
コドンおよび制限酵素HincIIにより切断されてできる配
列を付加した。このDNA配列は、自動DNA合成機
(アプライド・バイオシステムズ社製。モデル381
A)を用いて、ホスフォアミダイト法[テトラヘドロン
・レター(Tetrahedron Letter)、第21巻、第719ペ
ージ、1980年]により化学的に合成した。合成は、
配列番号9記載の塩基配列を有するE−1〜2およびF
−1〜2の4本のオリゴヌヌクレオチドに分割して行
い、合成されたオリゴヌクレオチドのCPG樹脂(アプ
ライド・バイオシステムズ社)からの切り出しおよび保
護基脱離は、同社のマニュアルに従った。各オリゴヌク
レオチドの分離精製は、オリゴヌクレオチド精製カート
リッジ(アプライド・バイオシステムズ社製)を用い
た。 (2)前記(1)の工程で合成したDNA配列の挿入に
よる組換えベクターの構築 前記(1)の工程で合成した配列番号9記載のオリゴヌ
クレオチド4本の内、E−2およびF−1各20pmo
lの5′末端をT4ポリヌクレオチド・キナーゼ(東洋
紡績社製)を用いて、同社のプロトコールに従ってそれ
ぞれ別々にリン酸化し、のち95℃で5分間加熱してT
4キナーゼを変性させ、1/10容の3M酢酸ナトリウ
ムを加えて一旦エタノール沈殿させた。次いでE−2に
はF−2の、F−1にはE−1の水溶液を等モル加えて
混合し、95℃で15分間加熱し、徐々に冷却してアニ
ール化した。得られた2本のアニーリング体と、IPT
Gによる誘導(制御解除)が可能なtacプロモーター
を有し、マーカーとしてアンピシリン耐性遺伝子を含む
公知のプラスミドpGEX2T(ファルマシア社製)の
BamHIおよびSmaIサイトを切断したものとを(使用した
制限酵素は全て東洋紡績社製)、DNAライゲーション
・キット(宝酒造社製)を用いて、イン・ビトロで連結
し、組換えベクターpGEXLFを構築した(図1参
照)。これを大腸菌JM109株(東洋紡績社製)に塩
化カルシウム法[モレキュラー・クローニング (Molecu
lar Cloning)、第2版、第1巻、第74ページ、コール
ド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス (Co
ld Spring Harbor Laboratory Press)、1989年]を用い
て導入し、50μg/mlアンピシリン(シグマ社製)
含有LB寒天培地[1%バクトトリプトン(ディフコ社
製)、0.5%酵母エキス(ディフコ社製)、0.5%
塩化ナトリウム、1.5%寒天(ディフコ社製)]を用
いて形質転換体を選別した。その結果、DNA1μg当
たり1×105個のコロニーが得られた。これらのう
ち、5つのクローン(LFJME1〜5株と命名した)
について、ラクトフェリシン類をコードするDNA配列
およびベクターとの接続部分の塩基配列が、所定のもの
であることをシークエナーゼ・バージョン2.0 DN
Aシークエンシング・キット[(Sequenase Version 2.
0 DNA Sequencing Kit;ユナイテッド・ステイツ・バイ
オケミカル(United States Biochemical) 社製]を用い
て確認した。 実施例2(実施例1で作出した組換えベクターを用いた
ラクトフェリシン類の製造) (1)実施例1で作成した組換えベクターを保持する形
質転換体の作成 実施例1で得たLFJME1株を50μg/mlアンピ
シリン含有LB培地で37℃で一晩培養し、常法のアル
カリ変性法[モレキュラー・クローニング (Molecular
Cloning)、第2版、第1巻、第1章、第25ページ、コ
ールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス
(Cold Spring Harbor Laboratory Press)、1989
年]により、組換えベクターpGEXLFを増幅・調製
した。このベクターを、常法の塩化カルシウム法を用い
て大腸菌HB101株(東洋紡績社製)に導入し、50
μg/mlアンピシリン含有LB寒天培地を用いて形質
転換体を選別した結果、DNA1μg当たり1×108
個のコロニーが得られた。これらのうち、15のクロー
ン(LFHB1〜15株と命名した。)について、アル
カリ変性法によりプラスミドDNAを調製し、トリス酢
酸バッファーを用いた0.7%アガロース・ゲル電気泳
動[モレキュラー・クローニング (Molecular Clonin
g)、第2版、第1巻、第6章、第9ページ、コールド・
スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス (Cold S
pring Harbor Laboratory Press)、1989年]により
その存在を確認した。 (2)前記(1)の工程で作成した形質転換体がラクト
フェリシン類を生産することの確認 前記(1)でプラスミドの存在を確認したLFHB1〜
15株のうちLFHB1〜8株を、それぞれ5mlの5
0μg/mlアンピシリン含有2×TY培地を用いて3
7℃で初期定常増殖期まで培養した後、終濃度0.1m
MのIPTGを添加して更に4時間培養し、遠心して集
菌し、PBSバッファー[150mM塩化ナトリウム、
16mMリン酸水素二ナトリウム、4mMリン酸二水素
ナトリウム(pH7.3)]250μlに懸濁し、菌体
を超音波破砕後再び遠心した結果、グルタチオン−S−
トランスフェラーゼ(GST)−ラクトフェリシン類融
合蛋白を含むと予想される顆粒体を得た。この顆粒体に
6M塩酸グアニジン−10mMエチレンジアミン四酢酸
を加えて室温で2時間撹拌して蛋白質を可溶化し、PB
Sバッファーで5倍希釈した。ヒトラクトフェリシン類
は抗ヒトラクトフェリン抗体と免疫的に結合することが
知られているので、ウサギ抗ヒトラクトフェリン・ポリ
クローナル抗体IgG画分(カッペル社製)とELIS
A法[生物化学実験法15・免疫学入門、第150ペー
ジ、学会出版センター、1983年]とを用いて、実際
に上述の顆粒体可溶化液にGST−ラクトフェリシン類
融合蛋白が含まれていることを確認した。 (3)前記(2)の工程でラクトフェリシン類を生産す
ることが確認された形質転換体の培養 前記(2)でGST−ラクトフェリシン類融合蛋白を生
産することが確認された形質転換体LFHB1〜8株の
うち、LFHB1株を、50μg/mlアンピシリン含
有2×TY培地により37℃で前培養し、培養液を同一
組成の培地2lに1%容量添加し、5lの培養槽で通気
しながら37℃で初期定常増殖期まで培養し、終濃度
0.1mMのIPTGを添加して更に4時間培養した。 (4)前記(3)の工程で得た培養液からのラクトフェ
リシン類の精製 前記(3)の工程で得た培養液を遠心して、集菌し、1
00mlのPBSバッファーに懸濁した菌体を超音波破
砕し、終濃度1%のトライトンX−100を加えた後1
2,000×gで20分間遠心して顆粒体を得た。この
顆粒体に20mlの6M塩酸グアニジン−10mMエチ
レンジアミン四酢酸を加えて室温で2時間撹拌して蛋白
質を可溶化し、のちPBSバッファーで50倍希釈し
た。この顆粒体可溶化液を孔径0.45μmの無菌濾過
膜を用いて濾過し、20mlずつPBSバッファーで平
衡化したゲル濾過用FPLCカラム Superde75 HR26/60
0(ファルマシア社製。10mm×300mm)にかけ、
PBSバッファーを2.6ml/分の流速で流して50
〜60分後の溶出分画を回収し、遠心濃縮器セントリプ
レップー10(アミコン社製)を用いて遠心濃縮した。
次に、終濃度50mMトリス(pH8.0)−100m
M塩化ナトリウム−1mM塩化カルシウム存在下で、蛋
白質重量に対し0.5%のファクターXa(ニューイン
グランド・バイオラボス社製)1.0mg/mlを加え
室温で一晩かけて、GST−ラクトフェリシン類融合蛋
白を切断し、得られたラクトフェリシン類をシリカ系T
SKゲルODS−120T(東ソー社製)を担体とする
逆相高速液体クロマトグラフィーにより分画精製して電
気泳動的に均一な画分(蛋白質量として約20mg)を
得た。 実施例3(大腸菌系ベクターを用いた組換えベクターの
構築) (1)ラクトフェリシン類をコードするDNA配列の合
成 大腸菌によく用いられるコドンを選択使用して、ラクト
フェリシン類のうち、ヒトラクトフェリン配列の一部で
ある配列番号1記載のアミノ酸配列を含む配列番号6記
載のアミノ酸配列、およびその上流に付加するプロテア
ーゼであるファクターXaの認識切断部位(配列番号7
記載のアミノ酸配列)をコードする配列番号10記載の
DNA配列を合成した。またこのDNA配列には、5′
末端に BalIで切断されてできる配列を、3′末端に終
止コドンおよびBamHIで切断されてできる配列を付加し
た。このDNA配列は、実施例1の(1)項と同様に自
動DNA合成機を用いて化学的に合成した。合成は、配
列番号11記載の塩基配列を有するL−1〜4およびM
−1〜4の8本のオリゴヌヌクレオチドに分割して行
い、以下実施例1の(1)項と同様にして精製した。 (2)前記(1)の工程で合成したDNA配列の挿入に
よる組換えベクターの構築 前記(1)の工程で合成した配列番号11記載のオリゴ
ヌクレオチド8本の内、L−2、L−3、L−4、M−
1、M−2、およびM−3各20pmolの5´末端を
実施例1の(2)項と同様にしてそれぞれ別々にリン酸
化した後、エタノール沈殿させた。次いでL−2にはM
−2の、L−3にはM−3の、L−4にはM−4の、ま
たM−1にはL−1の水溶液を等モル加えて混合し、実
施例1の(2)項と同様にしてアニール化した。得られ
た4本のアニーリング体(二本鎖DNA断片)をL−1
/M−1とL−2/M−2、並びにL−3/M−3とL
−4/M−4の二つに分け、それぞれを実施例1の
(2)項と同じくDNAライゲーション・キット(宝酒
造社製)を用いてイン・ビトロで連結した。反応終了
後、各反応液をポリアクリルアミドゲル電気泳動(ゲル
濃度6%)により分離し、エチジウムブロマイド染色法
による泳動パターン観察結果より目的の大きさ(93塩
基対+20塩基および70塩基対+20塩基)のバンド
部分を切り出し、エレクトロ・エリューション法により
目的とする2本のDNA断片を回収した。回収した試料
に対してフェノール抽出を行い、エタノール沈殿により
目的のDNAを精製した。得られた2種のDNA断片
と、実施例1の(2)項で用いたのと同じプラスミドp
GEX2TのBalIおよびBamHIサイトを切断し上述と同
様に切り出し、電気泳動によって放出される 465塩基対
のDNA断片を除いたものとを(使用した制限酵素は全
て東洋紡績社製)、実施例1の(2)項と同様にしてイ
ン・ビトロで連結し、組換えベクターpGEXLNLを
構築した(図2参照)。これを実施例1の(2)項と同
様に、大腸菌JM109株(東洋紡績社製)に導入し、
得られたコロニーの内3つのクローン(LNLE1〜3
株と命名した。)について、塩基配列を確認した。 実施例4(実施例3で作出した組換えベクターを用いた
ラクトフェリシン類の製造) (1)実施例3で作成した組換えベクターを保持する形
質転換体の作成 実施例2の(1)項と同様にして、実施例3で得たLN
LE1株から組換えベクターpGEXLNLを増幅・調
製した。このベクターDNAを、実施例2の(1)項と
同様にして大腸菌HB101株(東洋紡績社製)に導入
し、形質転換体を得た。これらのうち、10のクローン
(LNLHB1〜10株と命名した。)について、実施
例2の(1)項と同様にしてプラスミドDNAを調製
し、電気泳動によりその存在を確認した。 (2)前記(1)の工程で作成した形質転換体がラクト
フェリシン類を生産することの確認 前記(1)でプラスミドの存在を確認したLNLHB1
〜10株のうちLNLHB1〜6株について、実施例2
の(2)項と同様にしてそれらがラクトフェリシン類を
生産することを確認した。以下、実施例2と同一の方法
によりラクトフェリシン類約35mgを得た。 実施例5(酵母系ベクターを用いた組換えベクターの構
築) (1)ラクトフェリシン類をコードするDNA配列の合
成 酵母によく用いられるコドンを使用して、ヒトラクトフ
ェリン配列の一部である配列番号1記載のアミノ酸配列
を含む配列番号5記載のアミノ酸配列、およびその上流
に付加するプロテアーゼであるファクターXaの認識切
断部位(配列番号7記載のアミノ酸配列)をコードする
配列番号12記載のDNA配列を合成した。またこのD
NA配列には、5′末端にBamHIで切断されてできる配
列を、3′末端に終止コドンおよび SalIで切断されて
できる配列を付加した。合成は、配列番号13で示した
塩基配列を有するS−1〜2およびT−1〜2の4本の
オリゴヌクレオチドに分割して行い、以下実施例1の
(1)項と同様の方法により行った。 (2)前記(1)の工程で合成したDNA配列の挿入に
よる組換えベクターの構築 前記(1)の工程で合成した配列番号13記載のオリゴ
ヌクレオチド4本の内、S−2およびT−1各20pm
olの5´末端を、実施例1の(2)項と同様の方法に
よりリン酸化、エタノール沈殿し、S−2にはT−2
の、T−1にはS−1の水溶液を等モル加えて混合し、
実施例1の(2)項と同様の方法によりアニール化し
た。糖源がグルコースの培地では発現せず、ガラクトー
スの培地で発現(制御解除)するGAL1プロモーター
を有し、マーカーとしてウラシル産生遺伝子を含むプラ
スミドpKOM2の BglIIおよびSalIサイトを切断し
(使用した制限酵素は全て東洋紡績社製)、このプラス
ミドDNAと、前記で得られた2本のアニーリング体と
を、DNAライゲーション・キット(宝酒造社製)を用
いてイン・ビトロで連結し、組換えベクターpKOML
Fを構築した(図3参照)。これを大腸菌JM109株
(東洋紡績社製)に実施例1の(2)項と同一の塩化カ
ルシウム法を用いて導入し、50μg/mlアンピシリ
ン含有LB寒天培地を用いて形質転換体を選別した。そ
の結果、DNA1μg当たり3×104個のコロニーが
得られた。これらのうち、5つのクローン(LFJMY
1〜5株と命名した。)について、ラクトフェリシン類
本体およびベクターとの接続部分の塩基配列が所定の通
りであることを実施例1の(2)項と同様にシークエナ
ーゼ・バージョン2.0 DNAシークエンシング・キット
を用いて確認した。 実施例6(実施例5で作出した組換えベクターを用いた
ラクトフェリシン類の製造) (1)実施例5で作成した組換えベクターを保持する形
質転換体の作成 実施例3で得られたLFJMY1株から、実施例2の
(1)項と同一の方法により組換えベクターpKOML
Fを増幅・調製した。このベクターDNAを、常法のリ
チウム法[DNAクローニング (DNA Cloning)、第2
巻、第53ページ、IRLプレス (IRL Press)、198
5年]を用いてサッカロミセス・セルビシエ( S. cere
visiae)INVSC2株(インビトロゲン社製)に導入
し、ウラシル非含有最小合成培地[50μg/mlのL
−ヒスチジン、2%カザミノ酸(ディフコ社製)、0.
67%バクトイーストナイトロジェンベース(アミノ酸
無。ディフコ社製)、2%グルコース、2%寒天(ディ
フコ社製)]を用いて30℃で培養し、形質転換体を選
択したところ、DNA1μg当たり200個のコロニー
が得られた。 (2)前記(1)の工程で作成した形質転換体がラクト
フェリシン類を生産することの確認 前記(1)で得た形質転換体のうち12株を選んで(L
FSC1〜12株と命名。)糖源を2%グルコースから
2%ラフィノースに変えたウラシル非含有最小合成培地
5mlを用いて30℃で40時間培養し、のち終濃度3
%ガラクトースを添加してさらに8時間培養した。培養
液を遠心して集菌し、スフェロプラストバッファー(1
2.5μg/mlザイモリアーゼ、1Mソルビトール、
10mM2−メルカプトエタノール、10mMのEDT
A)1mlに懸濁し、30℃で1時間保温してスフェロ
プラスト化し、遠心してこれを集め、PBSバッファー
[150mM塩化ナトリウム、16mMリン酸水素二ナ
トリウム、4mMリン酸二水素ナトリウム(pH7.
3)]500μlに再び懸濁し、スフェロプラストを超
音波破砕後再び遠心してGST−ラクトフェリシン類融
合蛋白を含むと予想される無細胞抽出液を得た。次い
で、実施例2の(2)と同様に、ウサギ抗ヒトラクトフ
ェリン・ポリクローナル抗体IgG画分(カッペル社製)
とELISA法とを用いて、実際に前記無細胞抽出液に
GST−ラクトフェリシン類融合蛋白が含まれているこ
とを確認した。 (3)前記(2)の工程でラクトフェリシン類を生産す
ることが確認された形質転換体の培養 前記(2)でGST−ラクトフェリシン類融合蛋白を生
産することが確認された形質転換体LFSC1〜12株
のうち、LFSC1株を、糖源を2%グルコースから2
%ラフィノースに変えたウラシル非含有最小合成培地、
30℃で前培養し、培養液を同一組成の培地2lに1%
容量添加し、5lの培養槽で通気しながら30℃で60
時間培養し、のち終濃度3%ガラクトースを添加してさ
らに12時間培養した。 (4)前記(3)の工程で得た培養液からのラクトフェ
リシン類の精製 前記(3)の工程で得た培養液を遠心して集菌し、20
0mlのPBSバッファーに混濁した菌体を超音波破砕
し、12,000×gで20分間遠心して無細胞抽出液
を得た。この無細胞抽出液をGSTのアフィニティーカ
ラムであるグルタチオンセファロース4Bカラム(ファ
ルマシア社製)にかけPBSバッファーで洗った後、溶
出バッファー[5mM還元型グルタチオン−50mMト
リス(pH8.0)]を用いてGST−ラクトフェリン
類融合蛋白を溶出し、実施例2の(4)項と同様に蛋白
質重量に対し0.5%のファクターXaを加え、室温で
一晩かけて該GST−ラクトフェリシン類融合蛋白を切
断し、得られたラクトフェリシン類をODS−120T
(東ソー社製)を担体とする逆相高速液体クロマトグラ
フィーにより分画精製し、電気泳動的に均一な画分(蛋
白質量として約4mg)を得た。 実施例7(動物細胞系ベクターを用いた組換えベクター
の構築) 実施例1で作成したpGEXLFを制限酵素 BalI およ
び EcoRI(使用した制限酵素は全て東洋紡績社製)で切
断して得られるGSTの81番目のメチオニン残基以降
とラクトフェリシン類(配列番号5記載のアミノ酸配列
を含む抗菌性ペプチド)との融合蛋白のコード配列を含
む565塩基対のDNA配列の両端をDNAブランティ
ング・キット(宝酒造社製)を用いて平滑化し、DNA
ライゲーション・キット(宝酒造社製)を用いてNotIリ
ンカー(宝酒造社製)をイン・ビトロで連結し、制限酵
素NotI(東洋紡績社製)で切断してNotIサイトを付与し
たDNA配列と、RSV−LTRプロモーターおよびイ
ントロン領域に lacオペレーター配列を含みマーカーと
してネオマイシン耐性遺伝子を含むプラスミドpRSV
Not(ストラタジーン社製)のNotIサイトを制限酵素
NotI(東洋紡績社製)により切断し、アルカリフォスフ
ァターゼ(東洋紡績社製)を用いて5´末端を脱リン酸
化したものとを、DNAライゲーション・キット(宝酒
造社製)を用いて、イン・ビトロで連結し、組換えベク
ターpRSVLFを構築した(図4参照)。これを大腸
菌JM109株(東洋紡績社製)に実施例1の(2)項
と同一の塩化カルシウム法により導入し、50μg/m
lアンピシリン含有LB寒天培地を用いて形質転換体を
選択した。その結果、DNA1μg当たり8×106
のコロニーが得られた。これらのうち、12のクローン
(LFJMM1〜12株と命名した。)について、実施
例1の(2)項と同様の方法でプラスミドDNAを調製
し、これを制限酵素NotI(東洋紡績社製)によりNotI切
断することにより挿入断片の存在を確認した。 実施例8(実施例7で作出した組換えベクターを用いた
ラクトフェリシン類の製造) (1)実施例7で作成した組換えベクターを保持する形
質転換体が生育可能であることの確認 実施例7で得たLFJMM1株から、実施例2の(1)
項と同様の方法により組換えベクターpRSVLFを増
幅・調製した。このベクターDNAを、IPTGによる
制御解除が可能なlacIリプレッサー遺伝子を保持するプ
ラスミドp3´SS(ストラタジーン社製)と共に、プ
ラスミドp3´SSとpRSVNotを含むキットであ
るラック・スイッチ・インデューシブル・マンマリアン
・エクスプレッション・システム[(LAC SWITCH Induc
ible Mammalian Expression System)、ストラタジーン
社製]のプロトコール(instruction manual)に従っ
て、リン酸カルシウム法[モレキュラー・クローニング
(Molecular Cloning) 、第2版、第3巻、第16章、第
33ページ、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラ
トリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Pres
s) 、1989年]を用いて、ハムスターCHO(CH
O−K1)細胞(大日本製薬社製)に導入し、培地とし
て、10%子牛血清含有DMEMを用いて37℃、CO
2インキュベーター中で18時間培養した後、培地を新
鮮なものに交換して24時間培養し、1mMのIPTG
を添加してさらに12時間培養した。この培養プレート
の細胞を3.7%フォルムアルデヒドで固定し[細胞工
学実験プロトコール、第204ページ、秀潤社、199
1年]、ウサギ抗ヒトラクトフェリン・ポリクローナル
抗体IgG画分(カッペル社製)を1次抗体として抗ウサ
ギ・イミュンブロット・キットHRP(バイオラッド社
製)を用いて免疫化学細胞染色を行った。この結果、全
細胞中6%の細胞がGSTの81番目のメチオニン残基
以降とラクトフェリシン類との融合蛋白を生産している
ことを確認した。また、このことから、融合蛋白を生産
する株が生育可能であることも確認できた。 (2)実施例7で作成した組換えベクターを保持する形
質転換体の作成 前記(1)で調製した組換えベクターpRSVLFを、
リン酸カルシウム法を用いて、予めストラタジーン社の
プロトコールに基づいて調製したp3´SSを導入して
lac リプレッサーを安定的に発現するCHO細胞に導入
し、10%子牛血清含有DMEMを用いて37℃、CO
2インキュベーター中で18時間培養し、培地を10%
子牛血清および400μg/mlのジェネティシン硫酸
塩(G418。ネオマイシンと同等の効果を有する抗生
物質)を含有するDMEMに交換し、以後この選択培地
を3日毎に交換しながら、更に2週間培養して、120
個のコロニーを得た。 (3)前記(2)の工程で作成した形質転換体がラクト
フェリシン類を生産するることの確認 前記(2)で得た形質転換体のうち50株を選択して
(LFCHO1〜50株と命名。)96穴プレートに移
して培養し、各穴の培養物の一部を別の96穴プレート
の対応する各穴に移してレプリカプレートを作成した。
次いで、1mMのIPTGを添加してさらに12時間培
養したこのレプリカプレートを前記(1)と同様に、ウ
サギ抗ヒトラクトフェリン・ポリクローナル抗体IgG画
分(カッペル社製)を用いて免疫化学的に細胞染色し、
6株(LFCHO7株、同13株、同19株、同24
株、同39株、および同48株)について、GSTの8
1番目のメチオニン残基以降とラクトフェリシン類との
融合蛋白を生産していることを確認した。 (4)前記(3)の工程でラクトフェリシン類を生産す
ることが確認された形質転換体の培養 前記(3)でGSTの81番目のメチオニン残基以降と
ラクトフェリシン類との融合蛋白を生産することが確認
された形質転換体6株のうち、LFCHO7株を、10
%子牛血清および400μg/mlのG418を含有す
る100mlのDMEMを用い、37℃、CO2インキ
ュベーター中で前培養し、培養液を同一組成の培地1l
に10%容量添加し、回転ボトル中で37℃、CO2
ンキュベーター中で3日間培養した後、1mMのIPT
Gを添加してさらに12時間培養した。 (5)前記(4)の工程で得た培養液からのラクトフェ
リシン類の精製 前記(4)の工程で得た培養液を遠心して細胞を集め、
50mlのPBSバッファーに懸濁した細胞を超音波破
砕し、10,000×gで20分間遠心して無細胞抽出
液を得た。この無細胞抽出液をSephadexG-150(ファル
マシア社製)を担体とするゲル濾過カラム(25mm
径、20cm長)にかけて分画し、電気泳動パターンに
よりGSTの81番目のメチオニン残基以降とラクトフ
ェリシン類との融合蛋白を含む画分を同定した。次に、
実施例2の(4)項と同様にして蛋白質重量に対し0.
5%のファクターXaを加え室温で一晩かけて融合蛋白
を切断し、得られたラクトフェリシン類をODS−12
0T(東ソー社製)を担体とする逆相高速液体クロマト
グラフィーにより分画精製して電気泳動的に均一な画分
(蛋白質量として約3mg)を得た。
【発明の効果】以上、詳しく説明したとおり、この発明
によって、抗菌性ペプチド(ラクトフェリシン類)をコ
ードするDNA配列を挿入結合した組換えベクターと、
この組換えベクターを保持する形質転換体、およびこの
形質転換体によるラクトフェリシン類の製造方法が提供
される。これによって天然型ラクトフェリンに比して優
れて高い抗菌性を有するラクトフェリシン類を、安価か
つ簡便に大量供給することが可能となる。
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチドおよびこのペプチドをフラグ
メントとして含むペプチド。下記配列においてX01 はL-
アラニン残基,L-アルギニン残基、L-アスパラギン残
基、L-アスパラギン酸残基、L-システイン残基、L-グル
タミン残基、L-グルタミン酸残基、L-グリシン残基、L-
ヒスチジン残基、L-イソロイシン残基、L-ロイシン残
基、L-リジン残基、L-メチオニン残基、L-フェニルアラ
ニン残基、L-プロリン残基、L-セリン残基、L-スレオニ
ン残基、L-トリプトファン残基、L-チロシン残基または
L-バリン残基を示し、X02 はL-アルギニン残基またはL-
リジン残基を示す。 配列番号:2 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:Homo(ヒト) 配列番号:3 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:Bos (ウシ) 配列番号:4 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:Mus (マウス) 配列番号:5 配列の長さ:25 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:Homo(ヒト) 配列 Thr Lys Cys Phe Gln Trp Gln Arg Asn Met Arg Lys Val Arg Gly 1 5 10 15 Pro Pro Val Ser Cys Ile Lys Arg Asp Ser 20 25 配列番号:6 配列の長さ:54 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源:Homo(ヒト) 配列 Gly Arg Arg Arg Arg Ser Val Gln Trp Cys Ala Val Ser Gln Pro 1 5 10 15 Glu Ala Thr Lys Cys Phe Gln Trp Gln Arg Asn Met Arg Lys Val 20 25 30 Arg Gly Pro Pro Val Ser Cys Ile Lys Arg Asp Ser Pro Ile Gln 35 40 45 Cys Ile Gln Ala Ile Ala Glu Asn Arg 50 配列番号:7 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ile Glu Gly Arg 1 配列番号:8 配列の長さ:90 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸合成DNA 配列 ↓ 60 gatccATCGAAGGTC GTACTAAATG CTTCCAGTGG CAGCGTAACA TGCGTAAAGT ACGTGGTCCG gTAGCTTCCAG CATGATTTAC GAAGGTCACC GTCGCATTGT ACGCATTTCA TGCACCAGGC BamHI ↑ 90 CCGGTTTCTT GCATCAAACG TGACTCCTAAgtc GGCCAAAGAA CGTAGTTTGC ACTGAGGATTcag HincII [注1]↓又は↑:オリゴヌクレオチド作成のための切
断位置 [注2]制限酵素名:プラスミドベクターへの連結のた
めに設けた制限酵素切断部位に作用する制限酵素名 [注3]英小文字:プラスミドベクターへの連結のため
に設けた制限酵素切断部位(塩基配列) 配列番号:9 配列の長さ:35(E−1)、63(E−2)、54
(F−1)、40(F−2) 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸合成DNA 配列 E−15´-GATCC ATCGAAGGTC GTACTAAATG CTTCCAGTGG -3 ´ 2 CAGCGTAACA TGCGTAAAGT ACGTGGTCCG CCGGTTTCTT GCATCAAACG TGACTCCTAA GTC F−13´-G TAGCTTCCAG CATGATTTAC GAAGGTCACC GTCGCATTGT ACGCATTTCA TGC-5 ´ 2 ACCAGGC GGCCAAAGAA CGTAGTTTGC ACTGAGGATTCAG 配列番号:10 配列の長さ: 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸合成DNA 配列 ↓ 60 ccaTCATCGAAGG TCGTGGCCGT CGTCGTCGTT CTGTTCAGTG GTGCGCAGTA TCCCAGCCGG ggtAGTAGCTTCC AGCACCGGCA GCAGCAGCAA GACAAGTCAC CACGCGTCAT AGGGTCGGCC BalI ↑ ↓ 120 AAGCTACCAA ATGCTTCCAG TGGCAGCGTA ACATGCGTAA AGTACGTGGC CCGCCGGTTT TTCGATGGTT TACGAAGGTC ACCGTCGCAT TGTACGCATT TCATGCACCG GGCGGCCAAA ↑ ↓ 180 CTTGCATCAA ACGTGACTCC CCGATCCAGT GTATCCAGGC AATCGCGGAA AACCGTTAAg GAACGTAGTT TGCACTGAGG GGCTAGGTCA CATAGGACCG TTAGCGCCTT TTGGCAATTcctag ↑ BamHI [注1]↓又は↑:オリゴヌクレオチド作成のための切
断位置 [注2]制限酵素名:プラスミドベクターへの連結のた
めに設けた制限酵素切断部位に作用する制限酵素名 [注3]英小文字:プラスミドベクターへの連結のため
に設けた制限酵素切断部位(塩基配列) 配列番号:11 配列の長さ:43(L−1)、50(L−2)、50
(L−3)、40(L−4)、63(M−1)、50
(M−2)、50(M−3)、24(M−4) 配列
の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸合成DNA 配列 L−15´-CCA TCATCGAAGG TCGTGGCCGT CGTCGTCGTT CTGTTCAGTG -3 ´ 2 GTGCGCAGTA TCCCAGCCGG AAGCTACCAA ATGCTTCCAG TGGCAGCGTA 3 ACATGCGTAA AGTACGTGGC CCGCCGGTTT CTTGCATCAA ACGTGACTCC 4 CCGATCCAGT GTATCCAGGC AATCGCGGAA AACCGTTAAG M−13´-GGT AGTAGCTTCC AGCACCGGCA GCAGCAGCAA GACAAGTCAC CACGCGTCAT AGGGTCGGCC -5 ´ 2 TTCGATGGTT TACGAAGGTC ACCGTCGCAT TGTACGCATT TCATGCACCG 3 GGCGGCCAAA GAACGTAGTT TGCACTGAGG GGCTAGGTCA CATAGGACCG 4 TTAGCGCCTT TTGGCAATTC CTAG 配列番号:12 配列の長さ:90 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸合成DNA 配列 ↓ 60 gatccATCGAAGGTA GAACTAAGTG TTTCCAATGG CAAAGAAACA TGAGAAAGGT TAGAGGTCCA gTAGCTTCCAT CTTGATTCAC AAAGGTTACC GTTTCTTTGT ACTCTTTCCT ATCTCCAGGT BamHI ↑ 90 CCAGTTTCTT GTATCAAGAG AGACTCCTAAg GGTCAAAGAA CATAGTTCTC TCTGAGGATTcagct SalI [注1]↓又は↑:オリゴヌクレオチド作成のための切
断位置 [注2]制限酵素名:プラスミドベクターへの連結のた
めに設けた制限酵素切断部位に作用する制限酵素名 [注3]英小文字:プラスミドベクターへの連結のため
に設けた制限酵素切断部位(塩基配列) 配列番号:13 配列の長さ:35(S−1)、61(S−2)、54
(T−1)、42(T−2) 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸合成DNA 配列 S−15´-GATCC ATCGAAGGTA GAACTAAGTG TTTCCAATGG -3 ´ 2 CAAAGAAACA TGAGAAAGGT TAGAGGTCCA CCAGTTTCTT GTATCAAGAG AGACTCCTAA G T−13´-G TAGCTTCCAT CTTGATTCAC AAAGGTTACC GTTTCTTTGT ACTCTTTCCT ATC-5 ´ 2 TCCAGGT GGTCAAAGAA CATAGTTCTC TCTGAGGATT CAGCT
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドpGEXLFの構築のフロー・シー
トを示す。
【図2】プラスミドpGEXLNLの構築のフロー・シ
ートを示す。
【図3】プラスミドpKOMLFの構築のフロー・シー
トを示す。
【図4】プラスミドpRSVLFの構築のフロー・シー
トを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 14/79 8318−4H C12N 1/19 8828−4B 1/21 8828−4B 5/10 C12P 21/02 C 9282−4B //(C12N 1/19 C12R 1:865) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:865) (C12P 21/02 C12R 1:91) (C12N 5/00 B C12R 1:91) (72)発明者 児島 友子 神奈川県座間市東原5−1−83 森永乳業 株式会社食品総合研究所内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベクターに少なくとも配列番号1記載の
    アミノ酸配列をコードするDNA配列を挿入結合した組
    換えベクター。
  2. 【請求項2】 ベクターの発現制御配列下流に少なくと
    も配列番号1記載のアミノ酸配列をコードするDNA配
    列を挿入結合した組換えベクター。
  3. 【請求項3】 ベクターが、大腸菌系ベクターであり、
    大腸菌において複製および発現する請求項1または2の
    組換えベクター。
  4. 【請求項4】 ベクターが、酵母系シャトルベクターで
    あり、酵母および大腸菌において複製し、かつ酵母にお
    いて発現する請求項1または2の組換えベクター。
  5. 【請求項5】 ベクターが、動物細胞系シャトルベクタ
    ーであり、動物細胞および大腸菌において複製し、かつ
    動物細胞において発現する請求項1または2の組換えベ
    クター。
  6. 【請求項6】 大腸菌系ベクターpGEX2Tのtac
    プロモーター配列下流に配列番号5記載のアミノ酸配列
    をコードとするDNA配列を挿入結合した組換えベクタ
    ーpGEXLF。
  7. 【請求項7】 大腸菌系ベクターpGEX2Tのtac
    プロモーター配列下流に配列番号6記載のアミノ酸配列
    をコードするDNA配列を挿入結合した組換えベクター
    pGEXLNL。
  8. 【請求項8】 酵母系シャトルベクターpKOM2のG
    AL1プロモーター配列下流に配列番号5記載のアミノ
    酸配列をコードするDNA配列を挿入結合した組換えベ
    クターpKOMLF。
  9. 【請求項9】 動物系シャトルベクターpRSVNot
    のRSV−LTRプロモーター配列下流に配列番号5記
    載のアミノ酸配列をコードするDNA配列を挿入結合し
    た組換えベクターpRSVLF。
  10. 【請求項10】 ベクターに少なくとも配列番号1記載
    のアミノ酸配列をコードするDNA配列を挿入結合した
    組換えベクターを保持する形質転換体。
  11. 【請求項11】 ベクターに少なくとも配列番号1記載
    のアミノ酸配列をコードするDNA配列を挿入結合した
    組換えベクターを保持し、このベクターの挿入DNA配
    列に対する発現制御能を有する形質転換体。
  12. 【請求項12】 ベクターの発現制御配列下流に少なく
    とも配列番号1記載のアミノ酸配列をコードするDNA
    配列を挿入結合した組換えベクターを保持する形質転換
    体。
  13. 【請求項13】 形質転換体が、大腸菌、酵母または動
    物細胞である請求項10、11、または12の形質転換
    体。
  14. 【請求項14】 ベクターに少なくとも配列番号1記載
    のアミノ酸配列をコードするDNA配列を挿入結合した
    組換えベクターを保持する形質転換体を培養し、配列番
    号1記載のアミノ酸配列を含むペプチドを採取すること
    を特徴とする抗菌性ペプチドの製造方法。
  15. 【請求項15】 ベクターに少なくとも配列番号1記載
    のアミノ酸配列をコードするDNA配列を挿入結合した
    組換えベクターを保持し、このベクターの挿入DNA配
    列に対する発現制御能を有する形質転換体を培養し、次
    いでその発現制御を解除して形質転換体を培養し、配列
    番号1記載のアミノ酸配列を含むペプチドを採取するこ
    とを特徴とする抗菌性ペプチドの製造方法。
  16. 【請求項16】 ベクターの発現制御配列下流に少なく
    とも配列番号1記載のアミノ酸配列をコードするDNA
    配列を挿入結合した組換えベクターを保持する形質転換
    体を培養し、次いでその発現制御能を解除して形質転換
    体を培養し、配列番号1記載のアミノ酸配列を含むペプ
    チドを採取することを特徴とする抗菌性ペプチドの製造
    方法。
  17. 【請求項17】 形質転換体が、大腸菌、酵母または動
    物細胞である請求項14、15、または16の抗菌性ペ
    プチドの製造方法。
  18. 【請求項18】 大腸菌ベクターpGEX2Tのtac
    プロモーター配列下流に配列番号5記載のアミノ酸配列
    をコードするDNA配列を挿入結合した組換えベクター
    pGEXLFを保持するエシェリキア・コリ(Escherich
    ia coli)の形質転換体を培養し、次いでIPTGの添加
    によりその発現制御を解除して形質転換体を培養し、配
    列番号5記載のアミノ酸配列を含むペプチドを採取する
    ことを特徴とする抗菌性ペプチドの製造方法。
  19. 【請求項19】 大腸菌系ベクターpGEX2Tのta
    cプロモーター配列下流に配列番号6記載のアミノ酸配
    列をコードするDNA配列を挿入結合した組換えベクタ
    ーpGEXLNLを保持するエシェリキア・コリ(Esch
    erichia coli)の形質転換体を培養し、次いでIPTG
    の添加によりその発現制御を解除して形質転換体を培養
    し、配列番号6記載のアミノ酸配列を含むペプチドを採
    取することを特徴とする抗菌性ペプチドの製造方法。
  20. 【請求項20】 酵母系シャトルベクターpKOM2の
    GAL1プロモーター配列下流に配列番号5記載のアミ
    ノ酸配列をコードするDNA配列を挿入結合した組換え
    ベクターpKOMLFを保持するサッカロミセス・セル
    ビシェ(Saccharomyces cerevisiae) の形質転換体を培
    養し、次いでガラクトースの添加によりその発現制御を
    解除して形質転換体を培養し、配列番号5記載のアミノ
    酸配列を含むペプチドを採取することを特徴とする抗菌
    性ペプチドの製造方法。
  21. 【請求項21】 動物系シャトルベクターpRSVNo
    tのRSV−LTRプロモーター配列下流に配列番号5
    記載のアミノ酸配列をコードするDNA配列を挿入結合
    した組換えベクターpRSVLFを保持し、かつこのベ
    クターの挿入DNA配列の発現を制御するlacIリプレッ
    サー配列を含むプラスミドp3′SSを保持するハムス
    ターCHO細胞の形質転換体を培養し、次いでIPTG
    の添加によりその発現制御を解除して形質転換体を培養
    し、配列番号5記載のアミノ酸配列を含むペプチドを採
    取することを特徴とする抗菌性ペプチドの製造方法。
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