JPH0727470A - 高湿度低温貯蔵庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 上部貯蔵室からのドレン水を確実に排出する
ことができる高湿度低温貯蔵庫を提供する。 【構成】 断熱箱体３の内部に画成された上部貯蔵室４
ａの底面４ｂに形成された排水口１３に設けられた連絡
管１５により、ドレン水Ｗを下部貯蔵室５ａに排出する
と共に、このドレン水Ｗを下部貯蔵室５ａの天面１４に
配設された受け皿１９にて受け、ドレン水Ｗに含まれる
ゴミ等を受け皿１９に堆積させる。また、この受け皿１
９の側面に受け皿１９の底面より一定の間隔を置いて排
水管２０を配設することにより、ゴミ等を含まないドレ
ン水Ｗを下部貯蔵室５ａに排出する。さらに、受け皿１
９をスライド移動して下部貯蔵室５ａの天面１４に着脱
自在に取り付けることにより、受け皿１９を取り外して
堆積したゴミ等を取り除く。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、断熱箱体の内部に画成
された上下の貯蔵室の外面を冷気にて冷却し、貯蔵室を
高湿度低温に保持する高湿度低温貯蔵庫に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の高湿度低温貯蔵庫としては、断熱
箱体に熱良導材料で形成された２つの内箱を一定の空間
を置いて上下方向に固定装着する一方、この断熱箱体と
２つの内箱との間の空間（以下冷却空間という）に蒸発
器及び冷気循環ファンを配し、この冷却空間に冷気を循
環させることにより内箱の外面を冷却してそれぞれの内
箱の内部に画成される貯蔵室を間接冷却するようにした
ものがある。

【０００３】ところで、このような高湿度低温貯蔵庫に
おいては、貯蔵した食品等から滴下する水や、内箱を間
接冷却した際、貯蔵した貯蔵品の水分や扉の開閉に伴う
侵入外気の水分により貯蔵室の内面に付着した露が貯蔵
室の底面に溜るようになる。

【０００４】このため、従来は、例えば特開平３−１０
２１６９号公報及び特開平３−５１６８５号公報等に示
されるもののように、それぞれの貯蔵室の底面を傾斜さ
せると共に底面にドレン排水口を形成し、底面に溜った
水や露（以下ドレン水という）を庫外に排水するように
していた。

【０００５】なお、上部貯蔵室に溜ったドレン水はドレ
ン排水口を通過した後、下部貯蔵室の上部に後方に傾斜
して設けられた露受け板にて受けられ、この後下部貯蔵
室の背壁に沿って落下して底部に溜り、下部貯蔵室のド
レン水と共に庫外に排出されるようになっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の高湿度低温貯蔵庫においては、上部貯蔵室のドレ
ン排水口には下部内箱の天面を貫通することにより上部
貯蔵室と上部貯蔵室とを連通すると共に露受け板に臨む
連絡管が配設されており、ドレン水はこの連絡管を通過
するようになっている。

【０００７】ところが、この連絡管を通過するドレン水
にはゴミや塵が含まれているため、ドレン水が露受け板
に沿って流れる際にゴミ等が露受け板に堆積し、やがて
連絡管を塞いでしまいドレン水の排出を行なうことがで
きなくなるという問題点があった。また、露受け板にゴ
ミ等が堆積すると衛生上の問題が生じることとなる。

【０００８】本発明は、上部貯蔵室からのドレン水を確
実に排出することができる高湿度低温貯蔵庫を提供する
ことを目的とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、断熱箱体の内
部に画成された上下の貯蔵室の外面を冷気にて冷却し、
これらの貯蔵室を高湿度低温に保持する高湿度低温貯蔵
庫において、前記上部貯蔵室の底面に形成された排水口
と、前記排水口に設けられ、前記上部貯蔵室のドレン水
を前記下部貯蔵室に排出する連絡管と、前記連絡管に臨
むよう前記下部貯蔵室の天面に配設され、前記ドレン水
を受ける受け皿とを備えたものである。

【００１０】また本発明は、前記受け皿の側面には該受
け皿の底面より一定の間隔を置いて排水管が配設されて
いるものである。

【００１１】さらに本発明は、前記受け皿は前記下部貯
蔵室の天面に対して着脱自在に取り付けられるものであ
る。

【００１２】

【作用】請求項１の発明は、断熱箱体の内部に画成され
た上下の貯蔵室のうちの上部貯蔵室の底面に形成された
排水口に設けられた連絡管により、ドレン水を下方の前
記貯蔵室に排出すると共に、このドレン水を下部貯蔵室
の天面に配設された受け皿にて受け、ドレン水に含まれ
るゴミ等を受け皿に堆積させることができる。

【００１３】また請求項２の発明は、この受け皿の側面
に、受け皿の底面より一定の間隔を置いて排水管を配設
することにより、ゴミ等を含まないドレン水を下部貯蔵
室に排出することができる。

【００１４】さらに請求項３の発明は、受け皿を下部貯
蔵室の天面に対して着脱自在に取り付けることにより受
け皿を取り外して堆積したゴミ等を取り除くことができ
る。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。

【００１６】図１は、本発明の一実施例に係る高湿度低
温貯蔵庫の正面図、図２はその側面断面図である。

【００１７】図１，２において、１は前面開口部１ａに
開閉扉２を備えた高湿度低温貯蔵庫であり、この高湿度
低温貯蔵庫１は、内部に断熱材３ａが充填された断熱箱
体３と、前面が開口され、例えばステンレス等の熱良導
材料で形成された上部内箱４及び下部内箱５とから形成
されている。

【００１８】そして、これらの上部及び下部内箱４，５
は、断熱箱体３に上下方向に、かつその外面に冷却空間
を形成するよう断熱箱体３の全ての内壁面と間隔を存し
て固定装着されると共に、それぞれの内側を上部貯蔵室
４ａ及び下部貯蔵室５ａとしている。なお、６はそれぞ
れの貯蔵室４ａ，５ａに、上下方向に設けられた棚であ
る。

【００１９】また、この上部内箱４の上方の冷却空間Ｓ
１には、前部に冷気吹出口７ａを有し、後部に吸込口７
ｂを有するドレンパン７が配設されており、さらにこの
ドレンパン７の内部には冷気吹出口７ａに対向するよう
に冷気循環ファン８が、またこの冷気循環ファン８の後
方には蒸発器９が配されている。なお、断熱箱体３の上
方には蒸発器９と共に冷凍サイクルを形成する圧縮機１
０ａ、凝縮器１０ｂ、凝縮器冷却用ファン１０ｃ等が配
されている機械室１０が形成されている。

【００２０】さらに、上部内箱４及び下部内箱５と断熱
箱体３の背壁３１との間の冷却空間Ｓ２，Ｓ３には、下
端部に下部連絡口１１ａを有した縦仕切り板１１が垂設
され、また上部内箱４と下部内箱５との間の冷却空間Ｓ
４には前部に前部連絡口１２ａを有した横仕切り板１２
が配設されている。

【００２１】これにより、蒸発器９で熱交換された冷気
は冷気循環ファン８によって冷気吹出口７ａから吹き出
され、矢印で示されるように冷却空間Ｓ１，Ｓ２，Ｓ
４，Ｓ３を通過することにより上部内箱４及び下部内箱
５の外面を冷却し、上部貯蔵室４ａ及び下部貯蔵室５ａ
を間接冷却した後、吸込口７ｂを通過して蒸発器９に戻
るようになっている。

【００２２】一方、上部内箱４の僅かに傾斜した底面４
ｂの後部には上部ドレン排水口１３が凹設されている。
そして、この上部ドレン排水口１３には下部貯蔵室５ａ
の天面１４を貫通することにより上部貯蔵室４ａと下部
貯蔵室５ａとを連通する一方、ドレン水を下部貯蔵室５
ａに排出するための連絡管１５が配設されている。

【００２３】また、下部貯蔵室５ａの僅かに傾斜した底
面５ｂの前部には下部ドレン排水口１６が凹設されてい
る。そして、この下部ドレン排水口１６には断熱箱体３
の底壁３ｂを貫通して、断熱箱体３の底面に垂下されて
いるドレンホース１７に連結して外部と連通する下部連
絡管１８が配設されている。

【００２４】ところで、上部ドレン排水口１３に設けら
れた連絡管１５の下方には、下部貯蔵室５ａの天面１４
に着脱自在に取り付けられ、連絡管１５を通過してくる
ドレン水を受けるための受け皿１９が配設されている。

【００２５】ここで、この受け皿１９は、図３に示すよ
うに一方の側面１９ａに受け皿１９の底面１９ｂより一
定の間隔を置いて排水管であるドレンパイプ２０を配設
したものである。そして、このようにドレンパイプ２０
を底面１９ｂよりも上方に取り付けることにより、ドレ
ン水に含まれたゴミ等を堆積させ、ドレンパイプ２０に
はゴミ等を含まないドレン水を流入させることができる
ようになっている。

【００２６】また、この受け皿１９の、例えば左右両側
面１９ａ，１９ｃの上端には外方に延びたフランジ２１
が形成されている。一方、下部貯蔵室５ａの天面１４に
は、図４に示すように下部貯蔵室５ａの背壁５ｃに沿っ
て横方向に延びた受け部２１ａが形成されている。

【００２７】なお、同図において、２２は下部貯蔵室５
ａの上部に設けられ、下部貯蔵室５ａの天面１４に付着
し、そのまま落下する露を受けるための露受け板であ
り、この露受け板２２は後述するドレンホース２３に向
かって下方傾斜した状態で配設されている。

【００２８】そして、この受け皿１９を下部貯蔵室５ａ
の背壁５ｃに沿って横方向にスライド移動させ、フラン
ジ２１を受け部２１ａに係止することにより、受け皿１
９は露受け板２２の上方位置で、下部貯蔵室５ａの天面
１４に着脱自在に取り付けられるようになっている。

【００２９】ここで、このように受け皿１９を露受け板
２２の上方に配し、この受け皿１９にて上部貯蔵室４ａ
のドレン水Ｗを受けるようにすることにより、ドレン水
Ｗに含まれるゴミ等を受け皿１９に堆積させることがで
きるようになっている。

【００３０】また、受け皿１９を着脱自在に取り付けた
ことにより、例えば周期的に受け皿１９を取り外して堆
積したゴミ等を取り除くことができるようになってい
る。これにより、従来のように露受け板２２にゴミ等が
堆積して連絡管１５が塞がれることがないようになって
いる。

【００３１】一方、ドレンパイプ２０の下方に延びた端
部には、下端が下部貯蔵室５ａの底部５ｂに臨むドレン
ホース２３が接続されており、これにより受け皿１９か
ら流れ出るゴミ等を含まないドレン水Ｗは、矢印に示す
ようにドレンホース２３を通って下部貯蔵室５ａの底部
５ｂに溜るようになっている。

【００３２】また、上部貯蔵室４ａの上部には、図２に
示すように上部貯蔵室４ａの天面１４ａに付着し、その
まま落下する露を受けるための上部露受け板２２ａが背
壁４ｃに向かって下方傾斜して、かつその後端を背壁４
ｃに当接させた状態で配設されている。

【００３３】そして、このように構成された高湿度低温
貯蔵庫において、間接冷却により上部貯蔵室４ａの天面
１４ａに露が付着した場合、この露は上部貯蔵室４ａの
上部露受け板２２ａに落下した後、上部貯蔵室４ａの背
壁４ｃに沿って流れ落ち、図４に示す矢印のように上部
ドレン排水口１３に配された連絡管１５を通り、下部貯
蔵室５ａの天面１４に取り付けられた受け皿１９にて受
けられるようになる。

【００３４】ここで、この受け皿１９にて受けられたド
レン水Ｗは、受け皿１９の一方の側面１９ａに配設され
たドレンパイプ２０及びドレンホース２３を通って下部
貯蔵室５ａの底部５ｂに溜るようになる。

【００３５】なお、この際、ドレン水Ｗに含まれたゴミ
等は底面１９ｂに堆積すると共に、ドレンパイプ２０は
底面１９ｂよりも上方に取り付けられていることから、
ドレンパイプ２０に流れ込むドレン水Ｗはゴミ等を含ま
ないものとなっている。

【００３６】そして、この後、この下部貯蔵室５ａの底
部５ｂに溜ったドレン水Ｗは、下部貯蔵室５ａの天面１
４に付着し、下部貯蔵室５ａの露受け板２２に落下し、
ドレンホース２３に沿って流れ落ちる露と共に下部貯蔵
室５ａの底部に形成されたドレン排水口１３に配された
ドレンパイプ１８及びドレンホース１７を経て庫外に排
出される。

【００３７】なお、この受け皿１９に堆積したゴミ等は
受け皿１９を周期的に取り外して取り除く。

【００３８】このように、上部貯蔵室４ａの底面４ｂに
設けられた排水口１３に設けられた連絡管１５の下方に
受け皿１９を設け、ドレン水に含まれるゴミ等を受け皿
に堆積させることができる。そして、この受け皿１９の
側面１９ａに、受け皿１９の底面１９ｂより一定の間隔
を置いてドレンパイプ２０を配設することにより、ゴミ
等を含まないドレン水を下部貯蔵室５ａに排出すること
ができる。

【００３９】また、受け皿１９を下部貯蔵室５ａに着脱
自在に取り付けることにより、受け皿１９を取り外して
堆積したゴミ等を取り除くことができる。

【００４０】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、連絡管に
て排出される上部貯蔵室からのドレン水を露受け板に落
下させるのではなく受け皿にて受けるようにする一方、
受け皿を取り外して堆積したゴミ等を取り除くことがで
きるのでゴミ等により連絡管が塞がれるのを防ぐことが
できる。これにより、上部貯蔵室からのドレン水を確実
に排出することができる。また、露受け板にゴミ等が堆
積することがないので、衛生上の問題も生じることはな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る高湿度低温貯蔵庫の正
面図。

【図２】上記高湿度低温貯蔵庫の側面断面図。

【図３】上記高湿度低温貯蔵庫の下部貯蔵室の天面に取
り付けられる受け皿の斜視図。

【図４】上記高湿度低温貯蔵庫の要部側面断面図。

【符号の説明】

３ 断熱箱体 ４ａ 上部貯蔵室 ５ａ 下部貯蔵室 １３，１６ ドレン排水口 １５ 連絡管 １９ 受け皿 ２０ ドレンパイプ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 断熱箱体の内部に画成された上下の貯蔵
   室の外面を冷気にて冷却し、これらの貯蔵室を高湿度低
   温に保持する高湿度低温貯蔵庫において、 前記上部貯蔵室の底面に形成された排水口と、 前記排水口に設けられ、前記上部貯蔵室のドレン水を前
   記下部貯蔵室に排出する連絡管と、 前記連絡管に臨むよう前記下部貯蔵室の天面に配設さ
   れ、前記ドレン水を受ける受け皿とを備えたことを特徴
   とする高湿度低温貯蔵庫。
2. 【請求項２】 前記受け皿の側面には該受け皿の底面よ
   り一定の間隔を置いて排水管が配設されていることを特
   徴とする請求項１記載の高湿度低温貯蔵庫。
3. 【請求項３】 前記受け皿は前記下部貯蔵室の天面に対
   して着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項
   １記載の高湿度低温貯蔵庫。