JPH07270996A - プロセスの補充方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 処理工程に移行させる前に、処理材料の少な
くとも片側に補充物質を被覆させることを特徴とするプ
ロセスの補充を行う方法である。 【効果】 写真処理工程における補充に用いると、処理
する写真材料をその処理工程に移行させる前に、該写真
材料の非乳剤表面に補充物質が塗布される。処理される
面積に匹敵する面積に補充物質が塗布されるので、処理
材料の面積を測定する必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プロセスの補充、特に
写真関係の処理プロセスの補充に関するが、これに限定
されるものではない。

【０００２】

【従来の技術】処理すべき材料について一定のセンシト
メトリーを維持するため、写真処理装置に写真処理溶液
を定期的に補充する必要があるということはよく知られ
ている。処理される材料についてのセンシトメトリーを
維持するために特定の範囲内に処理溶液の化学組成およ
び活性が保たれるように、処理溶液への補充は行われ
る。

【０００３】写真処理溶液の補充は、処理される材料の
面積に依存する。しかし、それのみに依存するのではな
い。通常、他の要素も考慮に入れて、充分な補充が行わ
れる。本発明は、材料に対して平均的な露光がなされた
と仮定する場合における処理される材料の面積に応じた
補充に適用することができる。

【０００４】大部分の処理装置において、処理される材
料が一定の幅を有すると仮定した場合、処理される材料
の長さを機械的または光学的手段により測定することに
よって、処理される材料の面積が求められる。更に、材
料の幅が決まっていない場合、適当な手段、例えば、処
理装置への入口スロットの幅を横切るように位置する赤
外線センサーなどを用いて幅を測定することもできる。

【０００５】処理される材料の面積が一旦求められる
と、続いて、補充を行うために、その面積に相関した割
合で適当な１またはそれ以上の処理タンクの中に補充溶
液(replenisher solution)がポンプ送りされる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】この補充を達成するた
めに、各処理溶液について１台のかなり精密なポンプが
必要とされる。或いは、処理タンクに加える前に補充溶
液を混合する場合には、各処理タンクについて１台のポ
ンプが必要とされる。処理される材料の面積を測定する
手段も必要とされている。

【０００７】従って、本発明が解決しようとする課題
は、プロセスに補充するより簡単で、より信頼性のある
方法を提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の一つの要旨によ
れば、プロセスに移行させる前に、処理される材料の少
なくとも片側に補充物質を被覆させることを特徴とする
プロセスの補充を行う方法が提供される。

【０００９】本発明のもう一つの要旨によれば、材料を
処理するための少なくとも一つの処理工程および補充物
質を適用する少なくとも一つの工程を含んで成るプロセ
スの補充を行う装置であって、補充物質を適用する該少
なくとも一つの工程は処理すべき材料に補充物質を適用
するために、該少なくとも一つの処理工程の前に位置す
ることを特徴とする装置が提供される。

【００１０】

【発明の効果】本発明を写真関連プロセス、例えば写真
処理工程における補充に用いる場合、処理する写真材料
をその処理工程に移行させる前に、該写真材料の非乳剤
面(non-emulsion surface)に補充物質が適用される。こ
のことによって、処理される面積に相当する面積に補充
物質が適用されるので、処理すべき材料の面積を測定す
る必要がなくなる。更に、適当な処理工程に補充溶液を
加えるためのポンプがもはや必要とされなくなる。

【００１１】

【好ましい態様の詳細な説明】本発明をよりよく理解す
るために、添付図面を単なる例としての写真処理装置を
参照して説明する。図１は、本発明を具体化した写真処
理装置の一部の摸式的な立面図である。図２は、図１に
示す装置の平面図である。

【００１２】本発明の方法および装置において、補充物
質は、写真材料の非乳剤層側の上に、その全幅にわたっ
て連続的に被覆される。補充物質は、それが被覆する材
料と直接反応するのではなく、補充する必要がある処理
工程に同伴されていく。そこで、処理される材料の面積
に直接相関する量で処理されつつ、補充物質は材料の非
乳剤層側から離れて処理溶液本体中に混合されていく。

【００１３】本発明を用いることができる写真処理装置
を図１および２に示す。一つの処理工程が示されている
が、それぞれ異なる処理工程を行い、異なる補充物質を
必要とする２以上の処理工程に本発明を適用できるとい
うことは容易に理解することができる。

【００１４】処理タンク１０は処理溶液１２を含んで示
されている。３つのロール１４、１６および１８がタン
ク１０に組み合わされており、材料はそれらの中を通っ
て移送され、ロール１４および１８はそれぞれ矢印１５
および１９によって示される向きに回転する。図示した
これら以外のロールを用いることもできる。

【００１５】処理タンク１０の前に補充を行う工程が位
置しており、これは補充液タンク２０を有してなり、こ
のタンク２０はその中に補充溶液２２を保持している。
タンク２０の中にはグラビア・ロール（gravure rolle
r）２４が補充溶液２２に接触して配されており、この
ロール２４は補充溶液をタンク２０から写真材料３０の
非乳剤表面３２の上に移行させるためのものである。

【００１６】グラビア・ロール２４は、タンク２０から
材料３０の上に所定量の補充溶液２２を適用するための
形状(profile、プロフィールまたは輪郭)を有してお
り、実質的に均一な厚さの被覆を提供する。材料３０の
上側表面３４は乳剤表面(emulsion surface)である。補
充溶液２４の非乳剤表面３２へのこの適用は、図１にお
いて点線３６で示されている。

【００１７】最上部を乳剤表面３４として写真材料３０
が前の処理タンクから矢印'Ａ'の向きに示されるように
送られる際に、写真材料３０はスキージー(squeegee)４
０の上を通り、スキージー４０によって非乳剤表面３２
からそこに保持されている前の処理タンクからの処理溶
液が除去され、従って、ロール２４によって非乳剤表面
３２の上に補充溶液２２を適用することができる。

【００１８】点線３６によって示されるように、一旦補
充溶液が適用されると、材料３０は処理タンク１０の中
に送られ、ロール１４の上、ロール１６の周りおよびロ
ール１８の上を通って、矢印'Ｂ'に示す向きに次の処理
タンクへ送られる。材料３０がタンク１０の中にある
間、その非乳剤表面３２の上に適用された補充溶液はタ
ンク１０内の処理溶液１２と混合されて、補充が達成さ
れる。

【００１９】タンク内における処理溶液との補充溶液の
混合をあてにする代りに、写真材料の下側表面から補充
溶液を除くことが必要な場合もある。このことは、処理
タンク内に配されるニップ・ロールを用いることによっ
て達成することができる。この目的のために、ドクター
・ブレードまたは他の任意の適当な手段を用いることも
できる。

【００２０】処理する材料の面積を知ることが望ましい
場合、それを補充液タンク２０から取り出された補充溶
液２２の量から容易に求めることができる。特に、タン
ク２０が既知の液体の容量でスタートし、この液体を使
い果すまで使用する場合、タンク２０に補充するのに必
要な液体の量を容易に測定することができる。

【００２１】グラビア・ロール２４が、表面模様付き(t
extured)円周状表面を有していてもよい。例えば、ロー
ル表面は点刻されていても滑らかであってもよい。更
に、表面に微細な螺旋状のパターンが刻み込まれていて
もよい。より粗いマルチ−スタート(multi-start、多
条)の螺旋を用いることもできる。更に、ロール表面に
溝が刻み込まれて、長手方向または半径方向に延びるラ
ンド(land)を形成しており、そのランドの外側表面が材
料に接触して補充溶液を適用することもできる。

【００２２】補充溶液２２の濃度を変えて、補充の割合
(replenishment rate)を変えることができる。これはい
くつかの方法で行える。補充の割合を変える一つの方法
は、グラビア・ロール２４が材料３０と接触する面積を
変更する方法である。例えば、グラビア・ロール２４の
配し方を、グラビア・ロール２４が材料３０にその面積
の所定の割合、例えば３０％と接触するように行うこと
ができる。これは、ロール２４の所定の領域のみが材料
３０に接触するように、材料３０が動く向きに対して横
断方向に移動するようにロール２４を配することによっ
て達成することができる。しかしながら、材料の幅につ
いての知見がなければ、この方法を用いることはできな
い。この方法は、理想的には、適当な量の補充溶液が適
用されるように、材料の処理される面積、即ち材料の幅
を測定するための既知の方法と組み合わせて用いられる
必要がある。

【００２３】別法では、補充液タンク２０の中の補充溶
液２２それ自体の濃度を、所望のように変えることもで
きる。更に、グラビア・ロール２４と材料３０と間で行
う接触の時間を調節して、材料３０に適用される補充溶
液２２の量、従って、次の処理タンク１０についての補
充の割合を変えることもできる。この接触時間は制御す
る必要がある。例えば、処理される材料に与えられた露
光が判っている場合、その露光に従ってロールと材料と
の間の全接触時間を制御することにより、補充の割合を
調節することができる。

【００２４】補充溶液を乳剤表面３４に適用することも
できるが、補充溶液と乳剤表面との間で多少の反応が起
って、処理の最終結果を損なうことがないように、材料
を処理タンク１０の中に入れる速度を充分に速くする必
要がある。

【００２５】処理する材料は、写真フィルムまたはウェ
ブの形態の紙であってよい。或いは、シート材料をこの
ようにして処理することもできる。当然ながら、処理す
る材料はカラー材料であっても、白黒材料であってもま
たはグラフィック材料(graphics material)であっても
よい。

【００２６】補充溶液を材料の下側表面の全体にわたっ
て適用する場合、そのことは好ましいのであるが、材料
が補充液適用工程および処理タンクに入る際に、必ずし
も材料を整列させる必要がない。これは、材料の幅を求
める必要がないからである。

【００２７】グラビア・ロール以外の手段によって、処
理される材料に補充溶液を適用することもできる。例え
ば、材料の下側表面へ被覆を適用するためおよび処理タ
ンク内で材料から補充溶液を除くためのいずれにもワイ
パー・ブレードを使用することができる。

【００２８】単一のグラビア・ロールの代りに、単一の
軸上の複数のロールを使用することもでき、その場合に
は、各ロールが隣接するロールから間隔をあけられる。
しかしながら、効果的な補充の割合を決定することがで
きるように、処理する材料の幅を知る必要がある。

【００２９】更に、材料の上に異なる溶液をストライプ
状（しま状）に適用することが望ましい場合もある。こ
れらの溶液は、次に処理タンクの中で混合することがで
きる。処理タンクに入る前に材料上において、異なる溶
液の多少の混合が生じることが望ましい場合もある。上
述のように、溶液を正確な割合で混合することができる
ように、材料の幅を知る必要がある。

【００３０】２組以上のロールを使用して、２番目また
はそれ以降の組のロールを第１の組のロールに対してオ
フセットさせて（ずらして）、第１の組の隣接するロー
ルの間に配することもできる。

【００３１】本発明を写真処理装置およびそこで使用す
る溶液の補充に関して説明したが、本発明はそのような
用途に限定されないということが理解されるであろう。

【００３２】更に、別の用途において、処理前に処理す
べき材料の両側に被覆を行うことが望ましい場合もあ
る。これは、二つの補充溶液を、処理工程の前ではな
く、処理工程において相互に作用させる場合に有利な場
合があり、材料のそれぞれの側に溶液を適用することに
よって、溶液を混合することができる処理工程に入らせ
る前のバリアとして材料は機能する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明を具体化した写真処理装置の一部の摸
式的な立面図である。

【図２】 図１に示す装置の平面図である。

【符号の説明】

１０ 処理タンク、 １２ 処理溶液、 １４、
１６、１８ ロール、２０ 補充液タンク、 ２２
補充溶液、 ２４ グラビア・ロール、３０ 写真材
料、 ３２ 非乳剤表面、 ３４ 乳剤表面、４
０ スキージー。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン・リチャード・ファイソン イギリス、イングランド、イー９・７エイ エス、ロンドン、ハックニー、メイネル・ クレセント８番 ‘トートワース’ (72)発明者 エドワード・チャールズ・ティモシー・サ ミュエル・グローバー イギリス、イングランド、エヌダブリュー ２・２エイチジー、ロンドン、ハーミテイ ジ・レイン48番

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 処理工程に移送する前に、処理すべき材
   料の少なくとも片側に補充物質を被覆させることを特徴
   とするプロセスに補充する方法。
2. 【請求項２】 材料を処理するための少なくとも一つの
   処理工程および補充物質を適用する少なくとも一つの工
   程を装置が含んでなる、プロセスの補充を行う装置であ
   って、該適用工程は処理される材料に補充物質を適用す
   るために、該少なくとも一つの処理工程の前に位置する
   ことを特徴とする製造。