JPH0727068A - スクロ−ル形圧縮機 - Google Patents

スクロ−ル形圧縮機

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JPH0727068A
JPH0727068A JP16564393A JP16564393A JPH0727068A JP H0727068 A JPH0727068 A JP H0727068A JP 16564393 A JP16564393 A JP 16564393A JP 16564393 A JP16564393 A JP 16564393A JP H0727068 A JPH0727068 A JP H0727068A
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JP
Japan
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lubricating oil
scroll
thrust load
load receiving
supplied
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Application number
JP16564393A
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English (en)
Inventor
Akira Morishima
明 森嶋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 翼内(圧縮空間内)への給油およびスラスト
荷重受け面への給油をバランス良くかつ確実に行えるス
クロ−ル形圧縮機を提供することを目的とするものであ
る。 【構成】 密閉ケ−ス1内に、固定スクロ−ル3と、こ
の固定スクロ−ル3に対して圧縮空間を介して旋回自在
に設けられた旋回スクロ−ル10と、この旋回スクロ−
ル10のスラスト荷重を受けるフレ−ム2を具備し、こ
のフレ−ム2のスラスト荷重受け面Dには潤滑油が流通
する円環溝21が設けられ、上記旋回スクロ−ル10の
鏡板10aには、この鏡板10aを貫通する第1、第2
の流通孔24、25と、上記第1の流通孔24をこの鏡
板10aの温度に応じて開閉するバイメタル部材からな
る弁体27が設けられているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、渦巻状に加工された
2つの翼(固定スクロ−ルと旋回スクロ−ル)を組み合
わせ、これらの相対旋回運動によって冷媒等の動作流体
の圧縮を行うスクロ−ル形圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スクロ−ル形圧縮機は、渦巻状に加工さ
れた2つの翼、すなわち固定スクロ−ルと旋回スクロ−
ルとを組み合わせ、これらの相対運動により冷媒等の動
作流体(以下「流体」という)の圧縮を行うものであ
る。
【0003】上記固定スクロ−ルは、密閉ケ−スの上部
内に設けられたフレ−ムに固定されている。また、上記
旋回スクロ−ルは、上記固定スクロ−ルの下側に位置
し、この固定スクロ−ルと圧縮室を介して組み合わされ
た状態で、上記フレ−ムの下側に軸線を垂直にして設け
られたモ−タの駆動軸(クランクシャフト)の上端部に
遊嵌されている。また、上記旋回スクロ−ルは、自転す
ることがないように上記フレ−ムにオルダム機構を介し
て接続されている。
【0004】上記モ−タの駆動軸の上端部は偏心して設
けられ、上記モ−タが回転することで、上記旋回スクロ
−ルは自転することなく、かつ上記固定スクロ−ルに対
して旋回運動する。
【0005】この結果、上記固定スクロ−ルと旋回スク
ロ−ルによって形成された圧縮室は旋回しながら固定ス
クロ−ルの径方向外側から中央部に移動して流体を圧縮
する。圧縮された流体は上記固定スクロ−ルの中心部に
形成された吐出口から外部へ吐出される。
【0006】一方、上記密閉ケ−スの下端部内には、上
記クランクシャフトの上端部や上記オルダム機構等の摺
動部を潤滑する潤滑油が溜められる潤滑油溜めが設けら
れている。そして、上記モ−タの駆動軸の下端部には、
この駆動軸が回転することで、上記潤滑油を吸い上げる
ポンプ機構が設けられている。
【0007】したがって、上記モ−タが作動すること
で、上記潤滑油溜めに溜められた潤滑油はクランクシャ
フト内に吸い上げられ、このクランクシャフトの上端部
から上記各摺動部に供給されるようになっている。
【0008】特に、上記旋回スクロ−ルとこの旋回スク
ロ−ルのスラスト荷重を受けるフレ−ムとの間の潤滑
は、上記フレ−ム内に、このスラスト荷重受け面に連通
する細孔を設けると共に、このスラスト荷重受け面に上
記旋回スクロ−ルの円周方向に沿う円環溝を凹設し、こ
の円環溝内に潤滑油を流通させることで行っていた。
【0009】各摺動部を潤滑した潤滑油は、モ−タの回
転による影響を受けて一旦ケ−ス内に飛散した後、上記
潤滑油溜めに回収される。そして、再び各摺動部を潤滑
するのに使用されるようになっている。
【0010】ところで、従来、固定スクロ−ル(固定ス
クロ−ル翼)と旋回スクロ−ル(旋回スクロ−ル翼)と
で区画される圧縮室内(翼内)の摺動部に直接潤滑油を
給油する給油通路は設けられておらず、この翼内の潤滑
は上記他の摺動部を潤滑したあと上記密閉ケ−ス内に飛
散した潤滑油を圧縮される流体と共に上記圧縮室内に吸
い込むことで行っていた。
【0011】しかし、潤滑油の飛散状態は一様ではな
く、上記圧縮室内に吸い込む潤滑油の量をコントロ−ル
することは困難である。例えば、インバ−タ圧縮機にお
いては、低速回転時には高速回転時に比べて極端に飛散
量が減少することおよび密閉ケ−ス内が低圧になること
から圧縮室内への給油量が極端に少なくなるということ
がある。
【0012】このような事情に鑑みて、翼内への潤滑油
の供給を確実に行うために、上記旋回スクロ−ルに、上
記フレ−ムのスラスト荷重受け面に設けられた円環溝に
連通する翼内給油孔を設け、上記翼内へ直接的に給油を
行う技術が考えられている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した技
術の場合、上記翼内への給油は、上記円環溝に供給され
る潤滑油の一部を上記翼内給油孔へ分流させることで行
われる。しかし、上記円環溝と上記翼内給油孔の流通性
(流れ易さ)を比較すると、前者は環状でかつ長く、後
者は直線状でかつ短くて済むため、後者の方が流通性良
いということがある。従来このことに起因して、以下に
説明するような問題が生じることが予想される。
【0014】すなわち、この圧縮機を始動させた直後の
ように圧縮機全体の温度が低い場合、上記クランクシャ
フトの上端部から上記スラスト荷重受け面の円環溝に供
給された潤滑油は粘性が低く流動しずらい状態にあるの
で、ほとんどの潤滑油がより流通性の良い上記貫通溝に
分流していくこととなる。
【0015】このため、従来の圧縮機始動開始後、この
圧縮機の温度が上昇するまでの間に、上記スラスト荷重
受け面への給油不足、油面低下等が生じて信頼性が低下
するということがあった。
【0016】また、このような状態を解消するために上
記翼内給油孔を小さくして、この翼内給油孔への分流を
制限する方法も考えられる。しかし、この場合には、温
度が上昇し上記潤滑油の粘度が向上して来た場合には、
上記円環溝内にも潤滑油が良好に流通することとなるか
ら、相対的に流通量が低下して翼内への給油不足が生じ
るということがあり、両者の給油量のバランスをとるこ
とが困難であった。
【0017】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたもので、翼内(圧縮空間内)への給油およびスラス
ト荷重受け面への給油をバランス良くかつ確実に行える
スクロ−ル形圧縮機を提供することを目的とするもので
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の手段
は、密閉ケ−スと、この密閉ケ−ス内に設けられた固定
スクロ−ルと、この固定スクロ−ルに対して圧縮空間を
介して旋回自在に設けられた旋回スクロ−ルと、この旋
回スクロ−ルの背面側に配設され、この旋回スクロ−ル
のスラスト荷重を摺動自在に受けるスラスト荷重受け体
と、上記スラスト荷重受け体のスラスト荷重受け面に設
けられ、潤滑油が供給される供給溝と、上記旋回スクロ
−ルの背面から上記圧縮空間へ貫通して設けられ、上記
供給溝内に供給された潤滑油を上記圧縮空間に導く潤滑
油供給手段と、この潤滑油供給手段による上記圧縮空間
内への潤滑油の供給量を制御する流量制御手段とを具備
することを特徴とするスクロ−ル形圧縮機である。
【0019】第2の手段は、上記第1の手段において、
上記潤滑油供給手段は、上記潤滑油が流通する流通孔を
有するものであると共に、上記流量制御手段は、温度の
変化により変形する弁体を有しこの弁体の変形により上
記流通孔を開閉するものであることを特徴とするスクロ
−ル形圧縮機である。
【0020】
【作用】このような手段によれば、潤滑油を圧縮空間内
に直接的に供給することができると共に、上記潤滑油の
流量は潤滑油の粘性に応じて制御され上記圧縮空間内に
供給される。
【0021】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図1〜図5を参
照して説明する。図1中1は密閉ケ−スであり、この密
閉ケ−ス1の上部には、フレ−ム2(スラスト荷重受け
体)が設けられている。また、このフレ−ム2の上面に
は、鏡板3aとこの鏡板に立設された固定スクロ−ル翼
3bとからなる固定スクロ−ル3がボルト4によって回
転不能に固定されている。
【0022】また、上記固定スクロ−ル3の上方には、
この固定スクロ−ル3の中心部に設けられた吐出口3a
に連通する吐出室1aが隔壁によって区画されている。
また、この吐出室1aには圧縮流体を密閉ケ−ス1外に
吐出する吐出管18が設けられている。
【0023】また、上記フレ−ム2の下部には、モ−タ
5が設けられている。このモ−タ5は、上記密閉ケ−ス
1内に固定された固定子6と、この固定子6内に回転自
在に挿入された回転子7と、この回転子7に中途部を支
持されていると共に偏心した上端部8aを上記フレ−ム
2の上面側に突出させたクランクシャフト8とから構成
されている。
【0024】このモ−タ5のクランクシャフト8の上端
部8a(偏心部)には、図に10で示す旋回スクロ−ル
が、鏡板10aに立設された旋回スクロ−ル翼10bの
突端面を上記固定スクロ−ル3の鏡板3aに当接させこ
の旋回スクロ−ル翼10bと上記固定スクロ−ル翼10
aとで圧縮空間11を区画した状態で遊嵌されている。
【0025】また、上記フレ−ム2と上記旋回スクロ−
ル10は、この旋回スクロ−ル10の自転を規制するた
めにオルダムリング12(オルダム継手)によって接続
されている。
【0026】一方、上記密閉ケ−ス1の高さ方向中途部
の側壁には、この密閉ケ−ス1内に被圧縮流体を吸気す
る吸気管19が設けられている。また、上記フレ−ム2
には、図1および図4に示すように、密閉ケ−ス1内に
吸気された被圧縮流体を上記圧縮室11に導く導気孔9
が設けられている。なお、この図4は、上記フレ−ムの
上面(スラスト荷重受け面)を上方から見た図であり、
図中2aは上記オルダムリング12のリング部が挿着さ
れる凹陥溝、2bは上記オルダムリング12のキ−部が
挿入されるキ−溝である。
【0027】したがって、上記モ−タ5が作動すること
で、上記旋回スクロ−ル10は自転することなく、かつ
上記固定スクロ−ル3に対して旋回運動する。この結
果、上記固定スクロ−ル3と旋回スクロ−ル10によっ
て形成された圧縮室11は旋回しながら固定スクロ−ル
3の径方向外側から中央部に移動して上記密閉ケ−ス1
内に導入された被圧縮流体を吸引し圧縮する。圧縮され
た流体は上記固定スクロ−ル3の中心部に形成された吐
出口3aから吐出室1aおよび吐出管18を通って密閉
ケ−ス1外へ吐出される。
【0028】一方、上記密閉ケ−ス1の下端部には、図
示しないが、上記クランクシャフト8と旋回スクロ−ル
の摺動部等を潤滑する潤滑油を溜める潤滑油溜めが設け
られている。そして、同じく、図示しないが、上記クラ
ンクシャフト8の下端部には、このクランクシャフト8
が回転することで、上記潤滑油を吸い上げるポンプ機構
(例えば遠心ポンプ)が設けられている。
【0029】このポンプ機構は、上記クランクシャフト
8と軸線を一致させて取り付けられかつ下端部を上記潤
滑油溜め内の潤滑油に浸漬させている。一方、上記クラ
ンクシャフト8内には、下端が上記ポンプ機構に接続さ
れた細孔17…が上下方向に設けられている。この細孔
17は、このクランクシャフト8とフレ−ム2との摺動
部(図にAで示す)およびこのクランクシャフト8の上
端部8a(偏心部)と旋回スクロ−ル10との摺動部
(図にBで示す)に開口するようになっている。
【0030】また、上記クランクシャフト8の各摺動部
に対応する位置には、この部分に供給された潤滑油を上
記フレ−ム2の上面と旋回スクロ−ル10の下面とで区
画された空間(図にCで示す)に導く潤滑油溝8b、8
cが設けられている。
【0031】一方、上記フレ−ム2には、この空間Cに
開口し、この空間Cに導かれた潤滑油の一部を上記旋回
スクロ−ル10のスラスト荷重を受けるスラスト荷重受
け面D(上面)に導く給油孔20が設けられている。
【0032】一方、このフレ−ム2のスラスト荷重受け
面Dには、このスラスト荷重受け面Dに供給された潤滑
油を流動させるための円環溝21(供給溝)が設けられ
ている。
【0033】また、上記旋回スクロ−ル10の鏡板10
aには、上記円環溝21と連通し、この円環溝21内の
潤滑油を必要に応じて上記鏡板10aの上面側に設けら
れた圧縮空間11(翼内)に供給する潤滑油供給手段2
3が設けられている。
【0034】この潤滑油供給手段23は、上記鏡板10
aの下面に開口する第1の流通孔24と、上記鏡板10
aの上面に開口する第2の流通孔25と、この第1、第
2の流通孔24、25間に設けられた孔部26を有す
る。
【0035】上記孔部26は、図2(a)に拡大して示
すように、上記鏡板10aの外周面に開口すると共に、
この孔部26の一端面には上記第1の流通孔24が接続
され、上記鏡板10aの上面に対向する内壁面には上記
第2の流通孔25が接続されている。
【0036】また、この孔部26内には、この孔部26
の上記第1の流通孔24が接続された一端面に配設され
る弁体27と、この弁体27を上記一端面に押し付ける
スプリング28と、上記孔部26の他端開口側に螺着さ
れ、上記スプリング28を付勢する押しボルト29とが
設けられている。
【0037】上記弁体27は、図3(a)にさらに拡大
して示すように、上記中央部が上記一端面側に凸に湾曲
形成された円板状のバイメタル部材(2枚以上の線熱膨
脹係数の異なる板材を積層してなる部材)で構成されて
いる。このバイメタル部材は、図示しないが、凹側に線
熱膨脹係数の高い部材を配設している。また、この弁体
の半径方向中途部には、円周方向に沿って所定間隔で4
個の貫通孔30…が設けられている。
【0038】この弁体27は、上述したようにバイメタ
ル部材であるから、加熱されることで凹側の部材が凸側
の部材よりも大きく膨脹し、所定温度以上に達すること
で、トグルばね式に変形し、図3(b)に示すように、
中央部が陥没し反対に縁部が凸状となる。
【0039】なお、上記第2の流通孔25は、上記旋回
スクロ−ル翼10aのラップ巻き終り端に開口するよう
になっている。また、記旋回スクロ−ル10は、上記円
環溝21の設けられたフレ−ム2に対して偏心して旋回
する。このことで、上記第1の流通孔24は、この旋回
スクロ−ル10の旋回動作に伴って、図4に示すよう
に、上記フレ−ム2に設けられた円環溝21に対して矢
印(イ)で示すような軌跡で移動し、1旋回について2
回、上記円環溝21と間欠的に連通する。
【0040】そして、上記第1の流通孔が上記円環溝2
1と連通した場合にのみ、潤滑油は上記固定スクロ−ル
の鏡板の上面に供給されるようになっている。なお、図
1および図2(a)、(b)は、第1の貫通孔が上記円
環溝21と連通した状態を示すものであり、同2(c)
は連通していない状態を示すものである。
【0041】したがって、上記弁体27、スプリング2
8および押しボルト29とで、この発明の流量調整手段
を構成する。次に、このスクロ−ル形圧縮機の潤滑動作
について説明する。なお、圧縮動作の説明についてはす
でに述べたので省略する。
【0042】上記潤滑油溜め14に溜められた潤滑油
は、上記モ−タ5が作動することで、このクランクシャ
フト8内に吸い上げられ、上記細孔17…を通じてクラ
ンクシャフトの摺動部A、Bに供給される。
【0043】そして、各摺動部A、Bを潤滑した潤滑油
14は溝8b、8cを通って上記空間Cに導かれ、上記
給油孔20を通って上記スラスト荷重受け面Dの円環溝
21に供給される。この円環溝21に供給された潤滑油
の一部は、このスラスト荷重受け面Dを潤滑するのに使
用され、他の潤滑油は、上記潤滑油供給手段23により
翼内(圧縮空間11)に供給される。
【0044】上記円環溝21を流通した潤滑油は、上記
フレ−ム2に設けられた図に31で示す排出孔を通って
このフレ−ム2の下側に排出され、上記モ−タの回転の
影響を受けてケ−ス1内に飛散した後、再び上記潤滑油
溜め(図示しない)に溜められる。
【0045】一方、上記潤滑油供給手段23は、上記旋
回スクロ−ル10(鏡板10a)の温度に応じて、上記
弁体27で上記第1の貫通孔24を開閉し、上記潤滑油
の流量(供給量)を制御する。
【0046】すなわち、起動時、上記旋回スクロ−ル1
0の温度が低い場合には、上記弁体27は、図2
(a)、図3(a)に示すように上記第1の貫通孔25
を閉塞している。この状態では、上記油中に含まれる冷
媒のガス化はほとんどなく、上記潤滑油の液状のままで
上記給油孔20を通って、上記円環溝21まで供給され
る。
【0047】このような状態においては、上記潤滑油の
粘度は低く、特に細く円環状に形成された上記円環溝2
1内を流通しずらい状態にあり、この潤滑油は、上記第
1、第2の通路24、25を通って上記旋回スクロ−ル
10の鏡板10aの上面側に流通しようとする。
【0048】しかし、上記弁体27によって上記第1の
流通孔24は閉じられている。したがって上記円環溝2
1に供給された潤滑油はすべてこの円環溝21内を流通
し、上記スラスト荷重受け面D(上記旋回スクロ−ル1
0との摺動部)の潤滑に使用される。このことで、上記
スラスト荷重受け面Dの潤滑が有効に行われる。
【0049】一方、このとき、翼内への給油は、もっぱ
らケ−ス1内に飛散した潤滑油を上記吸気孔9から被圧
縮流体と共に上記圧縮空間11内に吸い込むことで行わ
れる。
【0050】次に、運転を開始してから所定時間が経過
し上記旋回スクロ−ル10や他の機構部の温度が上昇す
ると、上記潤滑油は加熱され粘度は低くなる。また、潤
滑油中に含まれる冷媒もガス化し、この潤滑油は上記円
環溝21内を流れやすい状態となる。
【0051】このような状態になるまで、上記旋回スク
ロ−ル10の温度が上昇すると、これに伴いバイメタル
である上記弁体27も加熱され図2(b)および図3
(b)に示すようにトグルばね式に変形する。このこと
で、上記第1の流通孔24は開かれ、上記円環溝21こ
の第1の流通孔24に分流した潤滑油はこの弁体27に
設けられた貫通孔30を通過して上記第2の流通路24
に流通することができる。
【0052】このことで、上記旋回スクロ−ル10の鏡
板10aの上面には潤滑油が有効に供給され、この潤滑
油は被圧縮流体と共にこの旋回スクロ−ル10の中央部
へと送られて翼内の給油に適宜使用される。
【0053】また、この状態では、上記スラスト荷重受
け面Dに設けられた円環溝21内にも潤滑油が良好に流
通しているから、翼内に給油される潤滑油の量は極度に
多すぎるということがなく、スラスト荷重受け面Dに供
給される潤滑油量との間でバランスがとられる。
【0054】なお、上記旋回スクロ−ル10の旋回に伴
い、上述したように、上記第1の流通孔24は図2
(c)に示すように上記円環溝21からずれる状態が生
じるから、上記第1の流通孔24は上記円環溝21と間
欠的に連通する。このことによっても、翼内への潤滑油
の流量は制御されるようになっている。
【0055】図5は、翼内に供給される潤滑油量の変化
と、旋回スクロ−ル10の鏡板10aとの関係を示すグ
ラフである。図中(ロ)で示すグラフが、この発明によ
る潤滑油量の変化を示すものである。一方、グラフ中、
点線で示す範囲は、適当潤滑油量の範囲を示すものであ
る。このグラフによれば、翼内に供給される潤滑油は、
40℃の付近で上記弁体27(バイメタル部材)が作動
し適当潤滑油料の範囲内に保たれる。
【0056】なお、旋回スクロ−ル10の上面に供給さ
れた潤滑油は、上記圧縮室11内に吸引された被圧縮流
体と共に、この固定スクロ−ル3および旋回スクロ−ル
10の中心部に導かれ、翼内の潤滑に使用される。
【0057】このような構成によれば、以下に説明する
効果がある。すなわち、この発明によれば、上記旋回ス
クロ−ル10の鏡板10aに、上記旋回スクロ−ル10
と固定スクロ−ル3とで仕切られた圧縮空間11(翼
内)に直接潤滑油を供給する潤滑油供給手段23を設け
ると共に、この潤滑油供給手段による潤滑油の供給量を
制御する弁体27など(流量制御手段)を設けた。
【0058】このような手段を設けず、密閉ケ−ス1内
に飛散した潤滑油を上記圧縮室11に吸い込んで潤滑す
るのみでは、従来例の項で述べたように上記圧縮室11
に確実に給油することができない。
【0059】また、グラフに一点鎖線(ニ)で示すよう
に、上記圧縮機後部内に温度が上昇し、給油量の増大が
必要になった場合には、給油量が足りず適性給油ゾ−ン
から外れることとなり機構の焼き付きを生じるというこ
とがある。
【0060】一方、従来例の項で述べたように、上記旋
回スクロ−ル10の鏡板10aに、上記円環溝21から
この鏡板10aの上面に貫通する貫通孔32(図2
(b)に示す)を設けるのみで、流量制御手段を設けな
い場合には、図5のグラフに(ハ)で示すように、低温
時には上記円環溝21に供給された潤滑油のほとんどが
翼内の潤滑に使用され、スラスト荷重受け面Dの焼き付
きが生じるということがあった。
【0061】しかし、この発明によれば、温度、すなわ
ち上記潤滑油の粘性状態により作動する弁体27によ
り、低温時の翼内給油量を制限すると共に、高温時には
翼内給油量を積極的に増大させることができるから、確
実かつ適性な給油を行うことができる。
【0062】また、この発明では、上記潤滑油を圧縮室
内11内に間欠的に供給するようにした。このことで、
上記旋回スクロ−ル10の回転数に応じた(比例した)
量の潤滑油が供給されるので、結果として上記旋回スク
ロ−ル10の回転数に応じて潤滑油の量が積極的に制御
されることになる。
【0063】また、上記第2の流通孔25の出口を上記
旋回スクロ−ル10の翼のラップ巻き終り端に位置させ
た。このことで、上記圧縮室11の入り口部分で、潤滑
油を吸い込まれる被圧縮流体に有効に混入させることが
できるので、翼内摺動部を有効に潤滑することができ
る。
【0064】したがって、このような構成によれば、翼
内(圧縮空間内)への給油およびスラスト荷重受け面へ
の給油をバランス良くかつ確実に行える効果がある。な
お、この発明は、上記一実施例に限定されるものではな
く、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能であ
る。
【0065】例えば、上記第1の実施例では、上記旋回
スクロ−ル10に設ける潤滑油供給手段23は1つであ
ったが、これに限定されるものではなく、2つ以上であ
っても良い。
【0066】また、上記一実施例では、上記潤滑油を上
記クランクシャフト8の摺動部A、Bの摺動を行わせて
から上記スラスト荷重受け面Dの円環溝21内に供給し
たが、これに限定されるものではなく、他の供給手段、
例えば、上記クランクシャフト8の潤滑に使用しないで
直接的に上記円環溝21内に供給するようにしても良
い。
【0067】さらに、上記一実施例では、弁体27はバ
イメタル部材であったが、これに限定されるものではな
く、例えば形状記憶合金等で成形されているものであっ
ても良い。
【0068】また、上記一実施例では、上記スラスト荷
重受け面Dに形成された供給溝は円環溝であったが、こ
れに限定されるものではなく、このスラスト荷重受け面
Dに潤滑油を供給することができる構成であれば必ずし
も円環状でなくても良い。
【0069】なお、上記流量制御手段は、温度変化によ
り変形する弁体を有して潤滑油の供給を調節するもので
あるが、旋回スクロ−ル10の回転数に応じて潤滑油の
供給量を調節する弁体構造としても良い。このような構
成すれば、インバ−タ圧縮機における高速回転時には翼
内給油量を抑制して適性な給油を行うことができる効果
がある。
【0070】
【発明の効果】以上のべたように、この発明の第1の構
成は、密閉ケ−スと、この密閉ケ−ス内に設けられた固
定スクロ−ルと、この固定スクロ−ルに対して圧縮空間
を介して旋回自在に設けられた旋回スクロ−ルと、この
旋回スクロ−ルの背面側に配設され、この旋回スクロ−
ルのスラスト荷重を摺動自在に受けるスラスト荷重受け
体と、上記スラスト荷重受け体のスラスト荷重受け面に
設けられ、潤滑油が供給される供給溝と、上記旋回スク
ロ−ルの背面から上記圧縮空間へ貫通して設けられ、上
記供給溝内に供給された潤滑油を上記圧縮空間に導く潤
滑油供給手段と、この潤滑油供給手段による上記圧縮空
間内への潤滑油の供給量を制御する流量制御手段とを具
備するスクロ−ル形圧縮機である。
【0071】第2の構成は、上記第1の構成において、
上記潤滑油供給手段は、上記潤滑油が流通する流通孔を
有するものであると共に、上記流量制御手段は、温度の
変化により変形する弁体を有しこの弁体の変形により上
記流通孔を開閉するものである。このような構成によれ
ば、翼内(圧縮空間内)への給油およびスラスト荷重受
け面への給油をバランス良くかつ確実に行える効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例の要部を示す縦断面
図。
【図2】同じく、要部の動作を示す工程図。
【図3】同じく、拡大して示す工程図。
【図4】同じく、フレ−ムの上面を示す上面図。
【図5】同じく、鏡板温度と翼内給油量の関係を示すグ
ラフ。
【符号の説明】
1…密閉ケ−ス、3…固定スクロ−ル、2…フレ−ム
(スラスト荷重受け体)、D…スラスト荷重受け面、1
0…旋回スクロ−ル、21…円環溝(供給溝)、23…
潤滑油供給手段、24…第1の流通孔(流通孔)、25
…第2の流通孔(流通孔)、27…弁体(流量制御手
段)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉ケ−スと、 この密閉ケ−ス内に設けられた固定スクロ−ルと、 この固定スクロ−ルに対して圧縮空間を介して旋回自在
    に設けられた旋回スクロ−ルと、 この旋回スクロ−ルの背面側に配設され、この旋回スク
    ロ−ルのスラスト荷重を摺動自在に受けるスラスト荷重
    受け体と、 上記スラスト荷重受け体のスラスト荷重受け面に設けら
    れ、潤滑油が供給される供給溝と、 上記旋回スクロ−ルの背面から上記圧縮空間へ貫通して
    設けられ、上記供給溝内に供給された潤滑油を上記圧縮
    空間に導く潤滑油供給手段と、 この潤滑油供給手段による上記圧縮空間内への潤滑油の
    供給量を制御する流量制御手段とを具備することを特徴
    とするスクロ−ル形圧縮機。
  2. 【請求項2】請求項1記載のスクロ−ル形圧縮機におい
    て、 上記潤滑油供給手段は、上記潤滑油が流通する流通孔を
    有するものであると共に、 上記流量制御手段は、温度の変化により変形する弁体を
    有しこの弁体の変形により上記流通孔を開閉するもので
    あることを特徴とするスクロ−ル形圧縮機。
JP16564393A 1993-07-05 1993-07-05 スクロ−ル形圧縮機 Pending JPH0727068A (ja)

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