JPH07270182A - アブソリュートエンコーダ - Google Patents

アブソリュートエンコーダ

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JPH07270182A
JPH07270182A JP6082452A JP8245294A JPH07270182A JP H07270182 A JPH07270182 A JP H07270182A JP 6082452 A JP6082452 A JP 6082452A JP 8245294 A JP8245294 A JP 8245294A JP H07270182 A JPH07270182 A JP H07270182A
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Yoshiji Takahashi
喜二 高橋
Yasushi Ono
康 大野
Tadashi Horikawa
正 堀川
Makoto Arai
眞 新井
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Original Assignee
Nikon Corp
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  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 中間内挿エラーが発生しても正しい絶対位置
データに補正することのできるアブソリュートエンコー
ダを提供すること。 【構成】 本発明では、検出手段に対する符号板の相対
移動方向を示す方向信号を出力するための方向判別手段
と、前回のサンプリング時における絶対位置データと今
回のサンプリング時における絶対位置データとを比較し
て、1サンプリング周期における前記符号板の相対移動
量を算出するための比較手段と、前記方向判別手段が出
力する前記符号板の相対移動方向と前記比較手段が出力
する前記符号板の相対移動量とに基づいて、インクリメ
ンタル信号の内挿分割において発生する中間内挿エラー
を補正するための中間内挿エラー補正手段と、を備えて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアブソリュートエンコー
ダに関する。
【0002】
【従来の技術】アブソリュートエンコーダは、たとえば
数値制御工作機械の位置制御用検出機として使用されて
いる。一般に、アブソリュートエンコーダは、絶対位置
を示す信号を得るためのパターンが形成された符号板
と、この符号板に対して相対移動し符号板に形成された
パターンを検出するための検出手段と、検出手段からの
検出信号を絶対位置を示す信号に変換するための信号処
理部とから構成されている。
【0003】また、アブソリュートパターンと、第1の
インクリメンタルパターンと、該第1のインクリメンタ
ルパターンのピッチのn倍(nは2より大きい整数)の
ピッチを有する第2のインクリメンタルパターンとが互
いに平行に形成された符号板を備えた中間内挿方式のア
ブソリュートエンコーダがある。この種の中間内挿方式
アブソリュートエンコーダ では、一定サンプリング周
期にしたがって、アブソリュートパターンから求められ
た粗位置データと、2つのインクリメンタルパターンか
ら求められた微位置データとを合成して、絶対位置デー
タを求める。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなアブソリ
ュートパターンと2つのインクリメンタルパターンが形
成され、2つのインクリメンタルパターンのピッチの比
が1:n(n>2)である符号板を備えた中間内挿方式
のアブソリュートエンコーダでは、第1のインクリメン
タルパターンから検出された第1のインクリメンタル信
号と第2のインクリメンタルパターンから検出された第
2のインクリメンタル信号とをそれぞれ内挿分割して合
成する際に、信号精度の経年変化または不測の状態に起
因して、内挿分割が正常に行われないことがある。その
結果、局所的に合成部分の同期がとれなくなり、合成デ
ータにして第1のインクリメンタルパターンの1ピッチ
分だけ位置誤差、すなわち中間内挿エラーが発生すると
いう不都合があった。
【0005】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
のであり、中間内挿エラーが発生しても正しい絶対位置
データに補正することのできるアブソリュートエンコー
ダを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明においては、アブソリュートパターンと第1
のインクリメンタルパターンと該第1のインクリメンタ
ルパターンのピッチのn倍(nは2より大きい整数)の
ピッチを有する第2のインクリメンタルパターンとが互
いに平行に形成された符号板と、前記符号板に対して相
対移動し、前記アブソリュートパターンを検出してアブ
ソリュート信号を出力するためのアブソリュート検出手
段と、前記符号板に対して相対移動し、前記第1のイン
クリメンタルパターンを検出して第1インクリメンタル
信号を出力するための第1インクリメンタル検出手段
と、前記符号板に対して相対移動し、前記第2のインク
リメンタルパターンを検出して第2インクリメンタル信
号を出力するための第2インクリメンタル検出手段と、
一定サンプリング周期にしたがって、前記アブソリュー
ト信号に基づいて求められた粗位置データと、前記第1
インクリメンタル信号を内挿分割した信号および前記第
2インクリメンタル信号を内挿分割した信号に基づいて
求められた微位置データとを合成することによって、絶
対位置データを出力するための信号処理手段とを備えた
アブソリュートエンコーダにおいて、前記検出手段に対
する前記符号板の相対移動方向を示す方向信号を出力す
るための方向判別手段と、前回のサンプリング時におけ
る絶対位置データと今回のサンプリング時における絶対
位置データとを比較して、1サンプリング周期における
前記符号板の相対移動量を算出するための比較手段と、
前記方向判別手段が出力する前記符号板の相対移動方向
と前記比較手段が出力する前記符号板の相対移動量とに
基づいて、前記インクリメンタル信号の内挿分割におい
て発生する中間内挿エラーを補正するための中間内挿エ
ラー補正手段と、を備えていることを特徴とするアブソ
リュートエンコーダを提供する。
【0007】好ましい態様によれば、前記方向判別手段
は、前記第1インクリメンタル信号または前記第2イン
クリメンタル信号に基づいて、前記符号板の相対移動方
向を検出する。また、前記中間内挿エラー補正手段は、
前記前記符号板の相対移動方向と前記符号板の相対移動
量の正負とに基づいて、前記中間内挿エラーの発生を検
知するのが好ましい。さらに、前記中間内挿エラー補正
手段は、前記符号板の相対移動量の大きさに基づいて、
前記中間内挿エラーの発生を検知するのが好ましい。
【0008】
【作用】本発明のアブソリュートエンコーダでは、たと
えばインクリメンタル信号のA相信号およびB相信号に
基づいて、検出手段に対する符号板の相対移動方向を検
出するための方向判別手段を備えている。また、前回の
サンプリング時における絶対位置データと今回のサンプ
リング時における絶対位置データとを比較して、1サン
プリング周期における符号板の相対移動量を算出するた
めの比較手段を備えている。したがって、符号板の相対
移動方向と比較手段が出力する前記符号板の相対移動量
とに基づいて、いわゆる中間内挿エラーの発生を検知す
ることができる。
【0009】たとえば、絶対位置データが増加する方向
に符号板が相対移動しているにもかかわらず符号板の相
対移動量が減少した場合には、中間内挿エラーが発生し
たことがわかる。逆に、絶対位置データが減少する方向
に符号板が相対移動しているにもかかわらず符号板の相
対移動量が増加した場合には、中間内挿エラーが発生し
たことがわかる。さらに、符号板の相対移動方向にかか
わらず、符号板の相対移動量の大きさが所定の範囲を逸
脱しているような場合にも、中間内挿エラーが発生した
ことがわかる。
【0010】このように、内挿エラーが発生したことが
検知されると、実際に検出した絶対位置データに所定の
誤差分を適宜加減することによって、正しい絶対位置デ
ータに補正することが可能になる。こうして、本発明の
アブソリュートエンコーダでは、サンプリング時にたま
たま中間内挿エラーが発生することがあっても、常に正
しい絶対位置データを出力することが可能になり、出力
絶対位置データの精度がひいてはアブソリュートエンコ
ーダの信頼性が著しく向上する。
【0011】
【実施例】本発明の実施例を、添付図面に基づいて説明
する。図1は、本発明の実施例にかかるアブソリュート
エンコーダの構成を示すブロック図である。図1のアブ
ソリュートエンコーダは、第1インクリメンタル信号検
出部100、第2インクリメンタル信号検出部101お
よびアブソリュート信号検出部102を備えている。な
お、図2には、図1の第1インクリメンタル信号検出部
100、第2インクリメンタル信号検出部101、およ
びアブソリュート信号検出部102の構成を具体的に示
している。
【0012】まず、図2を参照すると、アブソリュート
エンコーダの符号板(不図示)には、128μmピッチ
の第2インクリメンタルパターン61と、16μmピッ
チの第1インクリメンタルパターン62と、最小読み取
り単位が128μmのM系列パターン60とが、互いに
平行に形成されている。なお、M系列パターン60は第
1検出器50および第2検出器51によって検出され、
第2インクリメンタルパターン61は第3検出器52に
よって検出され、第2インクリメンタルパターン62は
第4検出器53によって検出されるようになっている。
【0013】第1検出器50には、128μm間隔に配
置されたセンサ50a、50b、50c、50d、50
e・・・が合計で14個設けられている(図2では5つ
のセンサのみ図示)。また、第2検出器51には、第1
検出器50の各センサから図中右方向に64μmだけ相
対移動した位置に、センサ51a、51b、51c、5
1d、51e・・・が合計で14個設けられている(図
2では5つのセンサのみ図示)。なお、第1検出器50
および第2検出器51は、M系列パターン60に対して
相対移動する。
【0014】ここで、M系列パターン60に対して最小
読み取り単位の半分(すなわち128/2=64μm)
だけピッチをずらせて2つの検出器50、51を設ける
理由は、一方の検出器が最小読み取り単位の境界に位置
してパターンの検出が困難になったとしても、他方の検
出器により確実にパターンを検出することができるから
である。この目的のため、図示のように、第1検出器5
0と第2検出器51とをX/Y信号によって切り換えら
れるようになっている。X/Y信号によって適宜切り換
えられた第1検出器50または第2検出器51は、M系
列パターン60を検出してM系列データ(アブソリュー
トデータ)70を発生し、スキャンクロック信号すなわ
ちSCK信号に同期させてM系列データ70をシリアル
に出力する。このように、第1検出器50および第2検
出器51は、図1のアブソリュート信号検出部102を
構成している。
【0015】一方、第3検出器52は、センサ52a
と、このセンサ52aに対して第1インクリメンタルパ
ターン61のピッチの1/4だけ位相をずらしたセンサ
52bとを有する。そして、第3検出器52は、第2イ
ンクリメンタルパターン61に対して相対移動して、各
センサ52a、52bの出力に応じた128μmピッチ
の第2インクリメンタルA相信号A2と、このA相信号
A2に対して90°位相のずれた第2インクリメンタル
B相信号B2とを発生する。このように、第3検出器5
2は、図1の第2インクリメンタル信号検出部101を
構成している。
【0016】さらに、第4検出器53は、センサ53a
と、このセンサ53aに対して第1インクリメンタルパ
ターン62のピッチの1/4だけ位相をずらしたセンサ
53bとを有する。そして、第4検出器53は、第1イ
ンクリメンタルパターン62に対して相対移動して、各
センサ53a、53bの出力に応じた16μmピッチの
第1インクリメンタルA相信号A1と、このA相信号A
1に対して90°位相のずれた第1インクリメンタルB
相信号B1とを発生する。このように、第4検出器53
は、図1の第1インクリメンタル信号検出部100を構
成している。このように、符号板に形成された1つのア
ブソリュートパターン60および2つのインクリメンタ
ルパターン61、62に対して、各検出部50乃至54
が一体的に相対移動しながらパターン検出する。
【0017】図1のアブソリュートエンコーダはさら
に、第1インクリメンタル信号検出部100が出力する
A相信号A1およびB相信号B1に基づいて、符号板に
形成されたパターンの各検出部に対する相対移動方向を
示す信号(SIGN)を出力する方向判別回路106を
備えている。なお、A相信号A1の位相がB相信号B1
の位相よりも進んでいるときには方向判別回路106の
出力(SIGN)が正となり、B相信号B1の位相がA
相信号A1の位相よりも進んでいるときには方向判別回
路106の出力(SIGN)が負となる。
【0018】図示のアブソリュートエンコーダはさら
に、第1インクリメンタル信号検出部100からのA相
信号A1およびB相信号B1を160分割(内挿分割)
して8ビットバイナリーデータを出力するための内挿回
路103と、第2インクリメンタル信号検出部101か
らのA相信号A2およびB相信号B2を16分割(内挿
分割)して4ビットバイナリーデータを出力するための
内挿回路104とを備えている。
【0019】図示のアブソリュートエンコーダはまた、
アブソリュート信号検出部102からのアブソリュート
信号を14ビットバイナリーデータに変換して出力する
ためのバイナリーデータ変換部105を備えている。方
向判別回路106の出力(SIGN)、内挿回路103
の8ビットバイナリーデータ出力、内挿回路104の4
ビットバイナリーデータ出力、およびバイナリーデータ
変換部105の14ビットバイナリーデータ出力を受け
て、演算合成部107は絶対位置データとして0.1μ
m単位の絶対位置バイナリーデータABSを算出する。
なお、演算合成部107の内部には、中間内挿エラー補
正部108(詳細は後述)が設けられている。
【0020】以上の構成を有する本実施例のアブソリュ
ートエンコーダの動作について説明する。図3は、本実
施例における各出力信号の処理を説明するタイミングチ
ャートである。図3を参照すると、(a)は、M系列パ
ターン60を検出する第1検出部50の出力信号を矩形
波で表したものである。一方、(b)は、M系列パター
ン60を検出する第2検出部51の出力信号を矩形波で
表したものである。また、(d)は第2インクリメンタ
ルA相信号A2を1周期128μmの矩形波で表したも
のであり、(c)は第2インクリメンタルB相信号B2
を1周期128μmの矩形波で表したものである。
【0021】さらに、(e)は、内挿回路104におい
てA相信号A2およびB相信号B2を内挿分割(16分
割)して、4ビットバイナリー化した信号を表してい
る。また、(f)は、第1インクリメンタルA相信号A
1を1周期16μmの矩形波で表したものである。そし
て、(g)は、M系列データ70の位相と、内挿回路1
03が出力する4ビットバイナリーデータの位相と、内
挿回路104が出力する8ビットバイナリーデータの位
相とが一致した3ビットバイナリーデータである。3ビ
ットバイナリーデータ(g)は、次の式(1)乃至
(4)によって算出される。
【0022】 (e) が偶数で(f) がHiのとき (g)=(e)/2 (1) (e) が偶数で(f) がLoのとき (g)=[(e)-2]/2 (2) (e) が奇数で(f) がHiのとき (g)=[(e)-1]/2 (3) (e) が奇数で(f) がLoのとき (g)=[(e)-1]/2 (4)
【0023】また、(h)は、3ビットバイナリーデー
タ(g)の最上位ビットMSB(22 )信号であり、M
系列パターン60を検出する第1検出部50と第2検出
部51とを切り換えるX/Y信号である。さらに、
(i)は(a)の矩形波および(b)の矩形波をX/Y
信号(h)に基づいて切り換えたものであり、位相を一
致させたM系列データ70を矩形波で表したものであ
る。具体的には、(i)の矩形波は、X/Y信号(h)
がHiのときには(a)の矩形波に、X/Y信号(h)
がLoのときには(b)の矩形波に切り換えて生成され
ている。
【0024】また、(j)は、内挿回路103において
第1インクリメンタルA相信号A1および第1インクリ
メンタルB相信号B1を内挿分割(160分割)して、
160進の8ビットバイナリー化した信号を表してい
る。こうして、バイナリーデータ変換部105におい
て、矩形波(i)をROMなどの変換テーブルを用いて
14ビットのバイナリーデータに変換した信号(l)が
得られる。なお、信号(l)に基づいて(後述の式
(6)を参照)、128μm単位の絶対値である粗位置
が算出される。また、3ビットバイナリーデータ(g)
および8ビットバイナリーデータ(j)に基づいて(後
述の式(7)を参照)、128μm内における0.1μ
m単位の絶対値である微位置(k)が求まる。
【0025】以上の信号処理動作の結果、演算合成部1
07において、0.1μm単位の絶対位置バイナリーデ
ータ(ABS)は、次の式(5)乃至(7)によって算
出される。 (ABS)=(粗位置)+(微位置) (5) (粗位置)=〔(l)×1280)〕 (6) (微位置)=〔(g)×160+(j)〕=(k) (7)
【0026】次に、微位置の算出について詳述する。図
4は、内挿分割が正常に行われ、その結果微位置が正常
に算出される様子を説明する図である。図4において、
各信号(e)、(f)、(g)および(j)は微位置を
求めるのに必要な信号であって、それぞれ図3における
各信号(e)、(f)、(g)および(j)に対応して
いる。以下、(g)を上位データ、(j)を下位データ
という。図4において、(m)は上位データ(g)をグ
ラフ化して視覚的に表したものである。また、(n)は
下位データ(j)をグラフ化して視覚的に表したもので
ある。こうして、上位データ(g)と下位データ(j)
との合成データ(o)が得られる。合成データ(o)は
データ(m)とデータ(n)とを足し合わせたものであ
って、微位置(k)に他ならない。
【0027】図5および図6は、内挿分割が正常に行わ
れず、その結果微位置が正常に算出されなかった様子を
説明する図である。なお、A相信号とB相信号との内挿
分割が正常に行われない原因として、検出波形のレベ
ル、振幅または位相の変動などが考えられる。図5にお
いては、各信号(e)、(f)から式(1)乃至(4)
にしたがって上位データ(g)を求めると、(e)のデ
ータ“7”の部分が狭く内挿分割されているため、本来
“3”になるべき上位データ(g)の値が“4”になっ
ている。この結果、合成データ(o)では、数値で+1
60の誤差が、すなわち位置データとして+16μmの
誤差が、中間内挿エラーとして発生する。
【0028】一方、図6においては、各信号(e)、
(f)から式(1)乃至(4)にしたがって上位データ
(g)を求めると、(e)のデータ“6”の部分が広く
内挿分割されているため、本来“3”になるべき上位デ
ータ(g)の値が“2”になっている。この結果、合成
データ(o)では、数値で−160の誤差が、すなわち
位置データとして−16μmの誤差が、中間内挿エラー
として発生する。このように、本実施例のアブソリュー
トエンコーダのように中間内挿方式のアブソリュートエ
ンコーダでは、+16μmまたは−16μmの中間内挿
エラーが、微位置データにおいてひいては絶対位置デー
タにおいて、一時的に発生する可能性が潜在している。
【0029】そこで、本実施例にかかるアブソリュート
エンコーダでは、上述の中間内挿エラーを補正するため
に、演算合成部107の内部に中間内挿エラー補正部1
08を備えている。図7は、中間内挿エラー補正部10
8における中間内挿エラー補正動作を説明するフローチ
ャートである。以下、図5乃至図7を参照して中間内挿
エラー補正動作を説明する。
【0030】本実施例にかかるアブソリュートエンコー
ダでは、まず粗位置の読み込みを行い(201)、次い
で微位置の読み込みを行う(202)。そして、読み込
んだ粗位置および微位置に基づいて絶対位置データAB
S1を演算により求める。このように、符号板の位置情
報データを所定周期ごとにサンプリングし、絶対位置デ
ータABS1に変換する。
【0031】前回のサンプリング時における絶対位置デ
ータはステップ207に示すようにABS0として記憶
されている。そこで、前回のサンプリング時における絶
対位置データABS0と今回のサンプリング時における
絶対位置データをABS1とを比較して、1サンプリン
グ周期における符号板の移動量Δ=ABS1−ABS0
を求める(204)。次いで、方向判別回路106の出
力信号(SIGN)を参照する(205)。なお、上述
したように、信号(SIGN)は符号板の相対移動方向
を示す信号であって、(SIGN)が正であれば絶対位
置データが増加する方向に移動していることを示し、
(SIGN)が負であれば絶対位置データが減少する方
向に移動していることを示している。
【0032】ステップ206では、求めた移動量Δと信
号(SIGN)の正負とに基づいて、中間内挿エラーが
発生したと認めた以下の4つの場合には、式(8)乃至
(11)に示す補正を行う。 SIGN>0かつΔ<0のとき ABS1=ABS1+160 (8) SIGN<0かつΔ>0のとき ABS1=ABS1−160 (9) Δ≧160のとき ABS1=ABS1−160 (10) Δ≦−160のとき ABS1=ABS1+160 (11)
【0033】ただし、上述のような補正を行うには、1
サンプリング周期内における最大移動量Δmax が数値デ
ータで160を、すなわち位置データで16μmを越え
ないように、サンプリング周期Tと符号板の最大許容速
度Vmax との間には、次の式(12)で示す関係が成立す
る必要がある。 Δmax = Vmax × T < 16μm (12)
【0034】式(8)は、図6において前回のサンプリ
ング時t(k)における微位置データが540であった
のに対し、今回のサンプリング時t(k+1)における
微位置データが410になった場合に対応している。な
お、移動量Δは絶対位置データABSに基づいて算出さ
れるが、これは微位置データの差に他ならないことはい
うまでもない。このように、SIGN>0であって移動
量Δが増加すべきであるにもかかわらず移動量Δ<0と
なった場合には、中間内挿エラーが発生したことがわか
る。したがって、今回のサンプリングにおいて算出した
絶対位置データABS1=410に160(16μm)
を加えて、正しい絶対位置データABS1として570
を得る。
【0035】式(9)は、図5において前回のサンプリ
ング時t(k)における微位置データが600であった
のに対し、今回のサンプリング時t(k+1)における
微位置データが730になった場合に対応している。こ
のように、SIGN<0であって移動量Δが減少すべき
であるにもかかわらず移動量Δ>0となった場合には、
中間内挿エラーが発生したことがわかる。したがって、
今回のサンプリングにおいて算出した絶対位置データA
BS1=730から160(16μm)を差し引いて、
正しい絶対位置データABS1として570を得る。
【0036】式(10)は、図5において前回のサンプ
リング時t(k+2)における微位置データが540で
あったのに対し、今回のサンプリング時t(k+1)に
おける微位置データが730に急増した場合に対応して
いる。ただし、この場合の説明に際して、図5におい
て、SIGN>0であり、t(k+2)、t(k+
1)、t(k)の順にサンプリングしているものと考え
る必要がある。上述したように、1サンプリング周期内
の移動距離が数値データで160(16μm)を越えな
いようになっている。したがって、移動量Δが急増して
移動量Δ≧160となった場合には、中間内挿エラーが
発生したことがわかる。このため、今回のサンプリング
において算出した絶対位置データABS1=730から
160(16μm)を差し引いて、正しい絶対位置デー
タABS1として570を得る。
【0037】式(11)は、図6において前回のサンプ
リング時t(k+2)における微位置データが600で
あったのに対し、今回のサンプリング時t(k+1)に
おける微位置データが410に急減した場合に対応して
いる。ただし、この場合の説明に際して、図6におい
て、SIGN<0であり、t(k+2)、t(k+
1)、t(k)の順にサンプリングしているものと考え
る必要がある。このように、移動量Δが急減して移動量
Δ≦160となった場合には、中間内挿エラーが発生し
たことがわかる。したがって、今回のサンプリングにお
いて算出した絶対位置データABS1=410に160
(16μm)を加えて、正しい絶対位置データABS1
として570を得る。
【0038】すでに上述したように、求められた正しい
絶対位置データABS1は前回のサンプリング時におけ
る絶対位置データABS0として記憶される。こうし
て、上述の中間内挿エラー補正動作を繰り返すことによ
り、中間内挿エラーが発生している期間にたまたまサン
プリングが行われるようなことがあっても、正しく補正
された絶対位置データABSを得ることができる。
【0039】なお、上述の実施例では、粗位置の検出用
パターンとしてM系列パターンを使用する例を示した
が、たとえばグレイコードなどの他の適当なパターン手
段を用いてアブソリュートデータを検出してもよい。ま
た、上述の実施例では、パターンが直線的に形成された
アブソリュートリニアエンコーダについて説明したが、
2つのインクリメンタルパターンを有し中間内挿方式を
適用したアブソリュートエンコーダであれば、アブソリ
ュートロータリーエンコーダであっても原点信号との整
合を考慮すれば、本発明を適用することができることは
いうまでもない。
【0040】さらに、上述の実施例では、第1インクリ
メンタル信号検出部100のA相信号およびB相信号に
基づいて、符号板に対する検出部の相対移動方向を検出
しているが、第2インクリメンタル信号検出部101の
A相信号およびB相信号に基づいて、信号(SIGN)
を求めてもよいし、あるいは適当な他の手段により相対
移動方向を検出してもよい。また、上記各パターンのピ
ッチは例示的であって、これらのピッチに本発明が限定
されることはない。
【0041】
【効果】以上説明したように、本発明のアブソリュート
エンコーダでは、中間内挿エラーの補正手段を設けたの
で、信号精度の経年変化または不測の状態に起因して、
内挿分割が正常に行われず局所的に合成部分の同期がと
れなくなった場合にも、中間内挿エラーを補正して常に
正しい絶対位置データを検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかるアブソリュートエンコ
ーダの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の第1インクリメンタル信号検出部10
0、第2インクリメンタル信号検出部101、およびア
ブソリュート信号検出部102の構成を具体的に示す図
である。
【図3】本実施例における各出力信号の処理を説明する
タイミングチャートである。
【図4】内挿分割が正常に行われ、その結果微位置が正
常に算出される様子を説明する図である。
【図5】内挿分割が正常に行われず、その結果微位置が
正常に算出されなかった様子を説明する図である。
【図6】内挿分割が正常に行われず、その結果微位置が
正常に算出されなかった様子を説明する図である。
【図7】中間内挿エラー補正部108における中間内挿
エラー補正動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
60 M系列パターン 61 第1インクリメンタルパターン 62 第2インクリメンタルパターン 50 第1検出器 51 第2検出器 52 第3検出器 53 第4検出器 100 第1インクリメンタル信号検出部 101 第2インクリメンタル信号検出部 102 アブソリュート信号検出部 103 内挿回路 104 内挿回路 105 バイナリーデータ変換部 106 方向判別回路 107 演算合成部 108 中間内挿エラー補正部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 眞 神奈川県横浜市栄区長尾台町471番地 株 式会社ニコン横浜製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アブソリュートパターンと第1のインク
    リメンタルパターンと該第1のインクリメンタルパター
    ンのピッチのn倍(nは2より大きい整数)のピッチを
    有する第2のインクリメンタルパターンとが互いに平行
    に形成された符号板と、 前記符号板に対して相対移動し、前記アブソリュートパ
    ターンを検出してアブソリュート信号を出力するための
    アブソリュート検出手段と、 前記符号板に対して相対移動し、前記第1のインクリメ
    ンタルパターンを検出して第1インクリメンタル信号を
    出力するための第1インクリメンタル検出手段と、 前記符号板に対して相対移動し、前記第2のインクリメ
    ンタルパターンを検出して第2インクリメンタル信号を
    出力するための第2インクリメンタル検出手段と、 一定サンプリング周期にしたがって、前記アブソリュー
    ト信号に基づいて求められた粗位置データと、前記第1
    インクリメンタル信号を内挿分割した信号および前記第
    2インクリメンタル信号を内挿分割した信号に基づいて
    求められた微位置データとを合成することによって、絶
    対位置データを出力するための信号処理手段とを備えた
    アブソリュートエンコーダにおいて、 前記検出手段に対する前記符号板の相対移動方向を示す
    方向信号を出力するための方向判別手段と、 前回のサンプリング時における絶対位置データと今回の
    サンプリング時における絶対位置データとを比較して、
    1サンプリング周期における前記符号板の相対移動量を
    算出するための比較手段と、 前記方向判別手段が出力する前記符号板の相対移動方向
    と前記比較手段が出力する前記符号板の相対移動量とに
    基づいて、前記インクリメンタル信号の内挿分割におい
    て発生する中間内挿エラーを補正するための中間内挿エ
    ラー補正手段と、 を備えていることを特徴とするアブソリュートエンコー
    ダ。
  2. 【請求項2】 前記方向判別手段は、前記第1インクリ
    メンタル信号または前記第2インクリメンタル信号に基
    づいて、前記符号板の相対移動方向を検出することを特
    徴とする請求項1に記載のアブソリュートエンコーダ。
  3. 【請求項3】 前記中間内挿エラー補正手段は、前記前
    記符号板の相対移動方向と前記符号板の相対移動量の正
    負とに基づいて、前記中間内挿エラーの発生を検知する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のアブソリュ
    ートエンコーダ。
  4. 【請求項4】 前記中間内挿エラー補正手段は、前記符
    号板の相対移動量の大きさに基づいて、前記中間内挿エ
    ラーの発生を検知することを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれか1項に記載のアブソリュートエンコーダ。
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