JPH07269062A - 表面化粧建材 - Google Patents

表面化粧建材

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JPH07269062A
JPH07269062A JP8220294A JP8220294A JPH07269062A JP H07269062 A JPH07269062 A JP H07269062A JP 8220294 A JP8220294 A JP 8220294A JP 8220294 A JP8220294 A JP 8220294A JP H07269062 A JPH07269062 A JP H07269062A
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Toshihiro Yagami
敏廣 矢神
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面に石肌調の化粧材層を有する建材を提供
すること。 【構成】 板状壁面構成要素からなる基材と接着剤層お
よび粒径0.03〜4.0mmにある陶磁器砕粒,予め
着色された細骨材もしくは天然石よりなる細骨材を、単
色あるいは複色,合成樹脂中に均一にないし、斑点模
様,縞模様,流れ模様に展開した化粧材層を積層してな
るもの。製造例として、シート状の接着剤上に塗料によ
る化粧材を塗装し、乾燥させたものを、基材上に載せ、
加熱あるいは加圧により一体化する。 【効果】 化粧材層の形成に係る熱消費が削減できる。
複数の色模様を持つ化粧材を一枚の基材に形成する際の
作成が容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、構築物の壁,柱,床
等の表面において利用される表面化粧建材に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より建築物,構造物の外表面,内
壁,間仕切壁等の壁,柱等の表面を装飾する手段の一つ
として、表面に各種塗料を工場または工事現場において
塗装することが行われてきた。現場塗装については、気
象条件,作業条件,工程によって性能を確保することが
困難で、仕上りについては、作業者の技能によるものが
大きい。こうしたことから、近年工場ラインによる塗装
の割合が増えてきている。しかしながら、工場塗装にお
いては、一部特願平4−100759号にある塗料に工
夫したものにより、厚塗りが可能な方法も提案されてい
るが、まだまだ汎用の薄付の仕上塗材,トップコートに
限定されて塗装されている。また、上記壁面等に対して
石肌調の化粧シートを現場において貼り付けることも行
われるようになってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】各種塗材の中でも、石
肌調の仕上がり面を得ようとする際には、例えば、合成
樹脂エマルション中に天然石あるいは着色された細骨材
等を複数種含むスキン系と呼ばれる塗材を、一材あるい
は二,三材用いて、もっぱら塗装作業者の技能に頼って
ムラのない仕上がりを得るものであった。現場における
塗装では、作業が繁雑であり、非塗装部分の養生が必要
であったり、乾燥した塗膜を得るには日単位の時間を必
要とし、降雨を避ける必要もあった。また全面を同じ塗
材を用いて仕上げる場合は問題ないが、面あるいは建材
パネルの途中より色を変えるのは非常に困難であった。
また、同様に建材パネルは、平面とコーナー部材を別々
に製造することになり、特にスキン系塗材を多彩模様に
利用する場合、同一ロットで製造することが困難とな
り、従って模様を同じにすることが難しかった。
【0004】一方、石肌調の化粧シートを現場にて貼り
付ける方法では、現場における作業の軽減化およびシー
トの性能,品質の安定化はあるものの、それでも、化粧
シートを貼るための下地調整作業,化粧シートの割り付
け,貼り付けに手間の掛かるものであった。また、プレ
ハブ化の流れの中で下地となる板状のサイディングと化
粧層を一体化し、より施工の簡易化を求める要望もあ
り、このようにすれば壁の形成と仕上げが一工程により
済ませられる期待があった。
【0005】この発明では、壁,柱等に用いられる建材
の表面に表れる部材の表面に肉厚感のあるスキン系塗材
の塗膜ないし成形物を貼り合わせたものを提供すること
により、より仕上げ作業のプレハブ化を進め平面もコー
ナー部材も同一ロットの化粧材より製品が得られる。ま
た、製品的により従来に近いコストで、今まで成し得な
かった意匠を市場に提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1の発明では、板状の基材上に石肌模様を形成
した塗料硬化物あるいは成形物からなる化粧材層を接着
剤により積層したものである。図1では、この発明の表
面化粧建材の例を断面図によりその構成を表している。
図中、符号1は基材であり、同2は接着剤層、同3は化
粧材層を示している。請求項2の発明では、接着剤にホ
ットメルト接着剤を用いたものである。請求項3の発明
では、接着剤に感圧接着剤を用いたものである。請求項
4の発明では、化粧材層を平面的に見た時、タイル貼り
模様,石積模様,幾何学模様,その他の任意形状に目地
を持ちあるいは目地を持たずに形成するものである。請
求項5の発明では、シート状のホットメルト接着剤上に
石肌模様を形成する塗料による化粧材を単色あるいは異
色にして、斑点模様,縞模様,流れ模様となし、接着剤
と乾燥した化粧材の積層物を加熱により基材と一体化さ
せる工法である。請求項6の発明では、シート状の感圧
接着剤上に石肌模様を形成する塗料による化粧材を単色
あるいは異色にして斑点模様,縞模様,流れ模様とな
し、接着剤と乾燥させた化粧材の積層物を加圧により基
材と一体化させる工法である。以下、この発明の表面化
粧建材を構成する基材,接着剤層,化粧材層について説
明を行う。
【0007】まず、表面化粧建材の下地となる基材は、
構築物,建築物の壁,柱,床,天井等を構成できる板状
体である。板状体の例の一つに無機質窯業系建材があり
その例としては、珪カル板,パルプセメント板,石膏ス
ラグ板,石綿パーライト板,木片セメント板,セメント
系押出成形板,ALC板,各種サイディングボード等が
ある。この他、鋼板と断熱材の複合による金属サイディ
ング,合成樹脂板,せっこうボード,繊維板,パーティ
クルボード,合板が例示される。これらのうちでも、合
板,石膏ボード等比較的水を吸いやすかったり、板自体
に余り強度の無いものについては、内部に限定する必要
もある。また、鉄板あるいはアルミ板等の金属板を基材
表面に持つ時には接着剤の種類および接着方法を選択し
た時、より短時間での製造が可能となる。
【0008】接着剤層に用いられる接着剤には、大きく
分けて三種類のものがある。その一が、ホットメルト接
着剤である。ホットメルト接着剤は常温ではブロック
状,ペレット状,シート状あるいはフイルム状の固体で
あり、加熱溶融させて流動性を得た時に被接着物相互を
接着させるものである。シート状あるいはフイルム状と
は厚み0.05mmより1mmくらいのものが利用され
る。ホットメルト接着剤に用いられる樹脂の例として、
ポリエチレン系,ポリエステル系,エチレン酢酸ビニル
系,アクリル系の樹脂が好適であり、他にエチレン以外
のポリオレフィン系(例えば、ポリプロピレン),ポリ
アミド系,ポリウレタン系,合成ゴム系の樹脂があり、
これらの混合物,共重合物でもよい。
【0009】その二が、感圧接着剤であり、一般に粘着
テープ,セロハンテープ,ビニルテープの接着剤に利用
されているもので、「接着ハンドブック」における記述
では、「溶剤・熱などの助けを必要とせず、指圧等ごく
低い圧力で他表面に接着し、また、これをはぎとる場合
には、被着面に痕跡を残さず、容易にはぎとることがで
きる接着剤」とある。感圧接着剤は、その成分を機能で
分けた時、弾性体,粘着付与樹脂,可塑剤,充填剤,老
化防止剤を含むものである。主成分である弾性体に用い
られる材料により利用可能な感圧接着剤を例示すると、
天然ゴム,SBR,再生ゴムを弾性体とするゴム系感圧
接着剤,ポリアクリル酸エステルまたはその共重合体を
弾性体とするアクリル系感圧接着剤がある。この他、酢
酸ビニル樹脂を共重合体の成分に加えたものも利用され
る。
【0010】その三は、常温で流動性を持った接着剤で
あり、大きく分けると三種類およびこれらを複合したも
のがあり、その三種類とは熱硬化樹脂接着剤,熱可塑性
樹脂接着剤,ゴム系接着剤である。
【0011】熱硬化樹脂の例としては、フェノール,レ
ゾルシノール,尿素,エチレン尿素,メラミン,ベンゾ
グアナミン,フラン,キシレン等のホルムアルデヒド系
樹脂,エポキシ樹脂,不飽和ポリエステル,ポリウレタ
ン,シリコン樹脂,ポリジアリルフタレートまたはこれ
らの共縮合体が挙げられる。
【0012】熱可塑性樹脂の例としては、ポリ酢酸ビニ
ル,ポリメチルメタクリレート,ポリスチレン,ポリビ
ニルアルコール,ポリビニルブチラール,メチルシアノ
アクリレート,ポリスルホン,ポリイミド,ポリベンゾ
イミダゾール,ナイロン,ポリパラフェニルオキシド,
ポリカーボネート,ポリアセタール,ポリエチレン,ポ
リプロピレン、その他、エチレン酢酸ビニル共重合体,
ブタジエンと共重合プラスチックポリマー(ABS,耐
衝撃ポリスチレン)等ガラス転移点がほとんど室温以上
のポリマーがあり、接着剤として使用するときは、必ず
そのポリマーのガラス転移温度以上の温度に加熱接着す
る必要がある。
【0013】ゴム系接着剤の例としては、天然ゴム,ス
チレン・ブタジエンゴム,アクリロニトリル・ブタジエ
ンゴム,ポリクロロプレン,ポリブタジエン,ポリイソ
ブチレン,ポリイソプレン・イソブチレン,チオコール
ゴム,ポリアクリレート等がある。これらは室温よりも
はるかに低いガラス転移温度を有する弾性体であり、室
温で接着しても大きい接着強さを示す。
【0014】化粧材層は、この発明の建材表面の意匠を
作る部分である。化粧材は、天然石やその砕石,着色骨
材,着色プラスチック砕粒あるいは着色プラスチックの
細粒,ガラス粒,セラミック粒から選択されるものを骨
材とし、合成樹脂エマルション,溶剤型合成樹脂,水溶
性樹脂,ホットメルト樹脂,水溶性珪酸塩から選択され
る結合材を主成分とするものが塗料あるいは成形物とし
て利用される。塗料の場合は、接着剤の薄板あるいはフ
イルムの上へ吹付,塗付あるいは滴下し、乾燥させた
後、基材部上に作ろうとする模様形状に型取りされる。
吹付の場合は、多頭スプレーガンを用いて多彩模様とす
ることも可能である。
【0015】化粧材の適用方法の違いにより得られる模
様として均一なもの(例えば砂壁状模様),斑点模様,
縞模様,流れ模様が例示される。化粧材が作る平面上の
模様としては、レンガ積,タイル貼,石積,帯,文字,
幾何学模様があり、この模様について同種あるいは異種
のものを一枚ないし複数枚、色調も同じものあるいは異
色を組み合わせて模様を作ることができる。
【0016】この発明の表面化粧建材を製造する方法に
は、接着剤層を効果的に利用するものとして、次の方法
がある。尚、図2により製造方法の工程の例を示した。
図中、左方の上段より離型紙の付いた接着剤シート4を
供給し、化粧材の塗装および化粧材の乾燥を行ってい
る。また、左方下段より基材1を供給し、化粧材を接着
剤が合わさった表装材5との接合を基材表面を予備加熱
したあと、ヒートロール7により行っている。接合前に
は、表装材裏面の離型紙6を剥がすようにしている。そ
して、余分の表装材を切断することにより製品となる表
面化粧建材8を得るようにしている。
【0017】まず、その一は接着剤層の接着剤がホット
メルト接着剤を用いるものである。接着剤にホットメル
ト樹脂を選択した時には、基材に対して接着剤層と化粧
材層が一体となった基材表面と同形あるいは所望する意
匠形状に型取りしたものを融着させる。接着剤層と化粧
材層を一体化させる方法も化粧材層が塗料の場合と成形
物の場合では異なり、塗料の場合は、ホットメルト接着
剤の中でシート状の物を使用すると製造が簡単になり、
接着剤のシート上に直接塗料を吹付,塗付,滴下させ乾
燥させ作る。この時、ホットメルト接着剤の塗料に面し
ない側の面に離型紙があると、塗料の乾燥および化粧材
層と接着剤層の一体物の保管,ハンドリングが容易にな
る。化粧材が成形物の場合は、板状の化粧材の片面にホ
ットメルト樹脂を溶融させて、塗布することにより一体
化することができる。この場合も、この上に離型紙があ
った方が、化粧材層と接着剤層の一体物のハンドリング
に関して、ゴミの付着,積み重ねによるブロッキングと
いう問題発生の心配がない。
【0018】基材表面とシート状のホットメルト接着剤
層を一体化させた化粧材層との融着の方法としては、基
材表面の温度をホットメルトの溶融温度まで加熱し、場
合によっては、化粧材層をヒートロール等で加熱,加圧
しながら一体化させていく方法あるいは単純に熱風炉中
に置いて全体を加熱し、次に加圧して接着させる方法等
がある。
【0019】次に、接着剤層に感圧接着剤を選択した時
には、基材に対して接着剤層と化粧材層が一体となった
基材表面と同形あるいは所望する意匠形状に型取りした
ものを感圧接着させる。接着剤層と化粧材層の一体化方
法は、先に記述したホットメルト接着剤を利用した時の
方法に同じで良い。
【0020】その三に、最も汎用である常温において流
動性を持った接着剤を選択した時は、基材との一体化を
なす前に前もって化粧材層との一体化は不可能であるの
で、基材との一体化は工場内であるいは建築現場におい
て行うことになる。従って、化粧材層は、成形物でない
場合においても前もって成形物と同じ状態、即ち、塗料
を用いた場合も板状の乾燥塗膜としておかないといけな
い。但し、ハンドリングに際して傷の付かない強度を有
することが必要となる。
【0021】基材表面に表装材を接合する時、一枚の基
材に一枚の表装材を貼り合わせることもあれば、数枚の
表装材を利用して、レンガあるいは石積模様となるよう
に目地を持ち、あるいは目地をとらないで貼り合わせる
方法もある。この時、図1に示されるように基材の平坦
部表面だけに表装材を貼り合わせたり、図3の断面図に
示されるように、隅切部分まで貼り合わせることもでき
る。また、図4の断面図に示されるように、一枚の表装
材を出隅役物となる基材に貼り合わせることもできる。
【0022】
【実施例】この発明の実施を下記に示す素材と方法によ
り行った。
【0023】まず、実施例1では、基材に珪酸カルシウ
ム板,比重0.3,厚み12mmを使用した。化粧材層
には、粒径1.5mm以下0.03mm以上にある寒水
砂および粒径1.7mm以下の黒色セラミック粒,粒径
0.2mm以下0.04mm以上にある灰色,淡灰色の
着色珪砂を骨材とし、アクリル系合成樹脂エマルション
を結合材とする菊水化学工業(株)製の商品「ナチュラ
ルトーン色番号NT−25」を用い、離型紙上に融点が
80℃のアクリル系のホットメルト樹脂を100μmの
厚みに塗布されたものの上へスプレーガンを用い3.0
kg/mの塗布量により塗布し、熱風乾燥炉を利用し
て乾燥させた。基材と接着剤層および化粧材層の接合
は、化粧材層等を基材表面と同形かつ大きめに型取りし
ておき、離型紙を剥がし、基材表面に載せて、ヒートロ
ールによりプレスすることで一体化させた。一体化にな
ったものの基材表面の平坦部分から食み出した部分は切
り取って除いた。化粧材の乾燥に要する時間は、50℃
雰囲気の条件下で2時間であった。また、接着方法とし
て、板の表面を遠赤外線ヒーターにて120℃まで加熱
し、直後に予め50℃の雰囲気中に保管しておいた化粧
材部を貼り合わせ、ロールによるプレスを行った。
【0024】実施例2では、基材に石膏ボード、厚さ
9.0mmを選択し、表面に灰色のエマルションペイン
トにより塗装しておいた。次に、化粧材層には、粒径
0.3mm以下0.03mm以上の寒水砂と2.0mm
以下0.5mm以上の磁器砕粒0.3mm以下0.04
mm以上の肌色,橙色の着色珪砂を骨材とし、アクリル
系合成樹脂エマルションを結合材とする上記「ナチュラ
ルトーン色番号NT−28」を用い、離型紙上に酢酸ビ
ニル・アクリル樹脂系の感圧接着剤を80μmの厚みに
塗布されたものの上へ、同じくスプレーガンにより2.
5kg/mの塗布量に塗布し、熱風乾燥炉により乾燥
させた。乾燥後、離型紙を打ち抜かないようにして石積
み模様となる切断線を化粧材層と接着剤層に入れた。基
材との一体化は石膏ボードを壁面に貼り付け、この上へ
約5.0mmの目地を取りながら、離型紙を剥がした化
粧材層等を石積み模様に貼り付けて押さえ仕上げた。
【0025】実施例3では、基材に炭酸マグネシウム系
の窯業サイディングを使用した。このサイディングのサ
イズは有効部分が455×1820mmである。化粧材
には寒水砂2厘目10重量部および茶色に着色した2厘
目の寒水砂15重量部、黒色に着色した100メッシュ
の寒水砂8重量部およびアクリル系合成樹脂エマルショ
ン10重量部を主成分とする塗料および着色骨材が色違
いとなる赤褐色の着色寒水砂、2厘目を前記黒色寒水砂
を利用した塗材を使用し、離型紙上に0.05mm厚で
塗布されたエチレン−酢酸ビニル系のホットメルト樹脂
を接着剤に利用して、この上へ化粧材をスプレーガンに
より1.5kg/mの塗布量により塗装して、乾燥さ
せた。基材と化粧材層および接着剤層の一体化は、化粧
材層等を前もって約15cm巾の帯状に切断し、離型紙
を除いた上で基材上に並べ、ホットプレスにより接着さ
せた。
【0026】実施例4では、基材に珪酸カルシウム系の
サイディング板を使用した。化粧材にはアクリル系樹脂
中に寒水砂および黒寒水砂を9:1の重量比において、
できるだけ練り込んで6.0mm厚の板状の成形物とし
たものを用いた。基材と化粧材の一体化はアクリル系接
着剤を基材に塗布し、基材の有効表面と同じ大きさの化
粧材を張り合わせることにより行った。
【0027】比較例1では、工場生産の表面化粧建材を
塗料の塗装により作成した。基材には珪酸カルシウム
板,比重0.3,厚み12mmに対して、実施例1にお
いて使用した仕上塗料「ナチュラルトーン色番号NT−
25」をスプレーガンを使用し2.5kg/mの塗布
量により塗布し、実施例1と同じ温度条件により乾燥さ
せた。乾燥前には基材端面に付着した塗料をスクレーパ
により取り除いた。乾燥に要する時間は50℃の雰囲気
の下で4時間であった。
【0028】比較例2では、基材に石膏ボード,厚み
9.0mmのものを利用し、この表面に灰色のエマルシ
ョンペイントを塗装した上で、実施例2と同様の石積模
様を作成した。模様作成の順序としては、基材表面に石
積模様の目地部を形成する目地模様型紙を貼り付けた。
この上から前出の「ナチュラルトーン色番号NT−2
8」をスプレーガンにより塗装し、塗料が未硬化のうち
に型紙および型紙の上に乗った塗料を取り除き、乾燥さ
せた。この時も、基材の端部に付着した塗料については
スクレーパにより取り除いた。
【0029】比較例3では、基材に実施例3で使用した
炭酸マグネシウム系の窯業サイディングを使用して、こ
の上へ実施例3において使用した2種類の塗材を利用し
て、帯状の模様を作成した。模様の作成に当たっては、
基板を約15cm巾に3等分し、中央の帯部分に概ね茶
色の塗料を塗装し、次に中央の帯以外の部分に概ね赤褐
色の塗料を塗装した。それぞれの色の塗装に当たって
は、他の面に塗料が付着しないように養生を施し、乾燥
も2回に分けて行った。
【0030】
【発明の効果】実施例と比較例とを比較した時、塗料を
使用した工場生産を考えた際に、乾燥に掛かる熱消費が
少なくなる効果がある。これは基材を温める熱消費が削
減できるためである。加えて、これに関連して乾燥時間
を短くすることができる。また、基材に直接塗装する時
には、端部の養生あるいは付着した塗料の除去が必要と
なるが、実施例ではその必要がない。加えて、出隅ある
いは入隅に用いられる役物への塗装は、二つの面の模様
を揃えることや塗装の継ぎ目がきれいにならなかったも
のが、この発明の物,方法によれば問題のないものが得
られる。更に、一板の基材において色替えを行う時に
は、作業が繁雑となり、仕上がった時の色替えの境界部
分がすっきりとした直線にならなかったものが、実施例
ではこれが可能となった。色替え以外でも、目地模様を
形成する際も塗料を塗装する場合に比べ、作業の繁雑
さ、模様端部の仕上がり感において向上したものが得ら
れるようになった。そしてまた、塗装工程におけるミス
が発生した場合においても、基材を廃棄する必要がなく
生産性の向上を計ることができる。
【0031】塗料の塗装を工場でなく、工事現場で直接
行う場合とこの発明の製品と比べた時には、施工の手間
を著しく軽減することができ、かつ工期の短縮をするこ
とができる。また、手作業による塗装と工場塗装の製品
では、色または模様の上で均一なものが得られるように
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す表面化粧建材の断面
図である。
【図2】この発明の表面化粧建材を製造する方法の例を
示す模式図である。
【図3】この発明の図1と異なる他の実施例を示す表面
化粧建材の断面図である。
【図4】この発明の実施を出隅役物となる基材について
行った表面化粧建材の断面図である。
【符号の説明】
1 基材 2 接着剤層 3 化粧材層 4 接着剤シート 5 表装材 6 離型紙 7 ヒートロール 8 表面化粧建材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/20 Z 8413−4F 33/00 7148−4F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質窯業系建材,金属サイディング,
    合成樹脂板,石膏ボード,繊維板等の板状壁面構成要素
    からなる基材とこの表面に接着剤層および粒径0.03
    〜4.0mmにある陶磁器砕粒,予め着色された細骨材
    もしくは天然石よりなる細骨材を、単色あるいは複色,
    合成樹脂中に均一にないし斑点模様,縞模様,流れ模様
    に展開した化粧材層を積層してなることを特徴とする表
    面化粧建材。
  2. 【請求項2】 請求項1における接着剤層の接着剤がホ
    ットメルト接着剤であることを特徴とする表面化粧建
    材。
  3. 【請求項3】 請求項1における接着剤層の接着剤が感
    圧接着剤であることを特徴とする表面化粧建材。
  4. 【請求項4】 請求項1における化粧材層が平面的に見
    た時、タイル貼り模様,石積模様,幾何学模様,その他
    の意匠形状に目地を持ちあるいは目地を持たずに形成さ
    れていることを特徴とする表面化粧建材。
  5. 【請求項5】 離型紙が裏打ちされたシート状のホット
    メルト接着剤上に、粒径0.03〜4.0mmにある陶
    磁器砕粒,予め着色された細骨材ないし天然石よりなる
    細骨材を単色あるいは複色,合成樹脂中に含んだ塗料に
    よる化粧材を1種あるいは異色にして複数を、均一にな
    いし斑点模様,縞模様,流れ模様となるように塗装し、
    これを乾燥させた後に、離型紙を除き、基材とする板状
    壁面構成要素である建材の上に載せ、加熱手段により一
    体化し、余分の化粧材,接着剤を取り除くことを特徴と
    する表面化粧建材の製造方法。
  6. 【請求項6】 離型紙が裏打ちされたシート状の感圧接
    着剤上に、粒径0.03〜4.0mmにある陶磁器砕
    粒,予め着色された細骨材ないし天然石よりなる細骨材
    を単色あるいは複色,合成樹脂中に含んだ塗料による化
    粧材を1種あるいは異色にして複数を、均一にないし斑
    点模様,縞模様,流れ模様となるように塗装し、これを
    乾燥させた後に、離型紙を除き、基材とする板状壁面構
    成要素である建材の上に載せ、加圧手段により一体化
    し、余分の化粧材,接着剤を取り除くことを特徴とする
    表面化粧建材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007021946A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Takiron Co Ltd 化粧板
JP2007332762A (ja) * 2006-06-14 2007-12-27 Yong Ho Choi 大理石を使用した仕上パネル
JP2013231276A (ja) * 2012-04-27 2013-11-14 Shin Etsu Polymer Co Ltd サイディング材
CN104533039A (zh) * 2014-12-04 2015-04-22 信阳天意节能技术有限公司 反射隔热型废石碎屑天然石质墙面装饰板
JP2016007752A (ja) * 2014-06-24 2016-01-18 株式会社大林組 多孔質基材の表面仕上げ方法

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