JPH0726882A - シールド掘進機及びシールドトンネルの履工方法 - Google Patents

シールド掘進機及びシールドトンネルの履工方法

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JPH0726882A
JPH0726882A JP3200953A JP20095391A JPH0726882A JP H0726882 A JPH0726882 A JP H0726882A JP 3200953 A JP3200953 A JP 3200953A JP 20095391 A JP20095391 A JP 20095391A JP H0726882 A JPH0726882 A JP H0726882A
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shield machine
concrete
inner cylinder
formwork
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広志 風間
Hidetake Ishizaki
秀武 石崎
Shinichi Nishimura
晋一 西村
Fusao Kawakami
房男 川上
Yasuhiko Shigeta
安彦 重田
Masayuki Otsuka
正幸 大塚
Takichi Arashi
太吉 荒砥
Minoru Imai
実 今井
Toru Kawai
徹 河井
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Shimizu Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カーブ施工時、履工材料の圧力を地山の土圧
・水圧より高く保つ。 【構成】 外殻をなすスキンプレート11と、地山を掘
削するカッター装置12と、推進ジャッキ13とを設備
している。該スキンプレート11のテール部は、外筒2
0と、この外筒20の内側に外筒20より小径に二重に
形成された内筒21a、21bとからなる。これら内筒
21a、21b間には、コンクリートピストン室23を
設け、該コンクリートピストン室23内に押出しピスト
ン24を圧力保持ジャッキ25によって前後にスライド
自在に収納する。シールド掘進機10の後方部に回転自
在な接続部72を設けている。 【効果】 カーブ施工時においても、圧力保持ジャッキ
を地山圧力に対応させ、コンクリートの圧力を常に地山
の土圧・水圧より高く保つことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シールド掘進機及びシ
ールドトンネルの履工方法に係り、特に、場所打ちコン
クリート等の履工材料により、シールドトンネルの履工
を行う施行方法に適用して好適なシールド掘進機及びシ
ールドトンネルの履工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シールドトンネルにおける履工方法にお
いて、場所打ちコンクリートによる履工方法は、通常、
外形円筒状のシールド掘進機を用い、このシールド掘進
機の前面に設けられたカッター装置で地盤を掘削しつ
つ、掘進されたトンネルの周壁を所定の間隔を空けて型
枠によって覆い、この型枠と前記周壁との間に鉄筋を配
置し、コンクリートを打設し、押圧ジャッキの作動によ
りコンクリートを押圧して、シールド機全体を前進させ
るといった工程を繰り返し行うものである。
【0003】ところで、このような施工方法では、押圧
ジャッキの先端に妻枠リングを設け、型枠とトンネル周
壁との空間を閉塞するようにしている。この妻枠リング
は、鉄筋組立の時に盛り替えられ、押圧ジャッキのロッ
ドに伴って移動する。この時に、コンクリートの圧力保
持が出来なくなるため、コンクリート中に地山の土砂、
地下水が混入し、高品質なコンクリートの打設ができ
ず、コンクリートの破壊や漏水が起こる。これをコンク
リートの強度に依存するためには、コンクリートの強度
発現までの間、コンクリートの養生が必要となり、施工
時間が長くなるといった問題があった。
【0004】そこで、このような問題を解決する手段と
して、先行技術は、場所打ちコンクリート内に反力をと
ってコンクリートの圧縮を保持する環状の圧力リング
を、型枠とトンネル周壁との間にタイロッドにより保持
しつつ配置し、履工材料中に埋め込む手段を開示してい
る(特開平1ー190900号公報「場所打ちシールド
掘進機」)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
先行技術の手段によっても、次のような解決すべき課題
が残されている。第1に、先行技術の手段では、圧力保
持リングにシールドの蛇行の調整のための補助型枠がな
いために、圧力保持リングにはかなりの隙間ができ、圧
力の保持が十分ではないといった点である。そして、シ
ールド掘進機のカーブ施工等のための蛇行調整余裕がな
いために、カーブ施工が出来なかったり、コンクリート
にクラックが入る等の不具合が生じる点である。第2
に、地山の圧力よりも常にコンクリートの圧力を高く保
つための圧力維持装置がないので、初めは圧力の保持が
できたとしても、除々に圧力の低下が起きてしまう点で
ある。第3に、掘進中は圧力保持ができたとしても、鉄
筋・型枠の組立時にコンクリートの圧力保持ができなく
なるため、地山の土圧・水圧によりコンクリートの破壊
や漏水が起こる。これをコンクリートの強度に依存する
ためにはコンクリートの養生が必要となり、施工時間が
長くなる。
【0006】本発明は前記課題を有効に解決するもの
で、その目的とするところは、カーブ施工等において
も、履工材料の圧力を常に地山の土圧・水圧より高く保
ちながら、鉄筋の組み立て、コンクリートの打設を実施
し得て、高品質な履工を行うことのできるシールド掘進
機の提供及びシールドトンネルの履工方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のシールド
掘進機は、外殻をなす円筒状のスキンプレートと、該ス
キンプレートの前端部に備えられた駆動手段によって回
転せしめられて地山を掘削するカッター装置と、該スキ
ンプレートの内部に形成された仕切板に基端が連結され
た推進ジャッキとを設備したシールド掘進機において、
スキンプレートのテール部が外筒と内筒とにより形成さ
れ、該内筒は二重に形成されるとともに、このテール部
の外筒と内筒との間に回転自在な接続部がシールド掘進
機の進行方向後方部に設けられ、該接続部では、球面状
凸部が外側内筒外面に設けられ、該球面状凸部を嵌合す
る球面状凹部が外筒内面に設けられ、二重の内筒間にス
キンプレートの半径方向に延びる隔壁を複数形成して押
し出しピストンを収める複数のコンクリートピストン室
が設けられ、内側の内筒にシールド掘進機の移動に無関
係、かつ解体・移動の自在な型枠が設けられ、該型枠を
推進の反力とするためのシールドジャッキが設けられた
ことを特徴とするものである。
【0008】請求項2記載のシールド掘進機は、請求項
1記載のシールド掘進機において、前記内筒と、前記外
筒との間で、シールド掘進機の進行方向に対し前方部に
移動・固定が自在な複数の接続部が設けられたことを特
徴とするものである。
【0009】請求項3記載のシールドトンネルの履工方
法は、請求項1記載のシールド掘進機の先端のカッター
装置により地山を掘削しつつ掘削されたトンネルの周壁
を所定の間隔を空けて型枠によって覆い、この型枠と前
記周壁との間に鉄筋を配置するとともに履工材料を供給
し、トンネル内面を履工するようにしたシールドトンネ
ルの履工方法であって、前記内筒の内側において鉄筋を
配置し、鉄筋の内方に型枠を組む際に、鉄筋の配置とと
もに内筒と型枠との間を閉塞する主妻枠を、その外側端
が内筒の内面に接するようにセットするとともに、妻枠
にかかるコンクリート圧力を鉄筋を連結することにより
セパレーター代わりとして受け持たせ、前記主妻枠の内
側端と型枠の外面との間の隙間を、型枠の内側から補助
妻枠を突出させて塞いだ後、内筒、型枠、妻枠により囲
まれてなる鉄筋組立室に履工材料を打設する一方、コン
クリートピストン室から型枠と地山との間に履工材料を
打設し、前記鉄筋組立室の履工材料の圧力と外部履工材
料の圧力とが等しい時点で、後部の補助妻枠を取り出し
て鉄筋組立室内の履工材料と外部履工材料とを一体化さ
せ、圧力保持ジャッキによりコンクリートピストン室内
の押し出しピストンを履工材料の圧力が地山の土圧、水
圧よりも高い圧力になるように押圧しつつ、カーブ区間
等の施工時にシールド掘進機が、履工型枠の軸線と違う
方向に掘進する際に、外筒と内筒との間に設けられた回
転自在な接続部により、シールド掘進機の掘進方向に関
係なく、内筒と型枠との間隔を一定に保ちながら、コン
クリートを打設するとともに、シールド掘進機を掘進さ
せることを特徴とするシールドトンネルの履工方法。
【0010】請求項4記載のシールドトンネルの履工方
法は、請求項2記載のシールド掘進機のテール部の内筒
の内側において鉄筋を配筋し、該鉄筋の内側に型枠を組
む際に鉄筋の配置とともに、内筒と型枠との間を閉塞す
る主妻枠を、その外側端が内筒の内面に接するようにセ
ットするとともに、妻枠にかかるコンクリート圧力を鉄
筋を連結することによりセパレーター代わりとして受け
持たせ、前記主妻枠の内側端と型枠の外面との間の隙間
を、型枠の内側から補助妻枠を突出させて塞いだ後、内
筒、型枠、妻枠により囲まれてなる鉄筋組立室に履工材
料を打設する一方、コンクリートピストン室から型枠と
地山との間に履工材料を打設し、圧力保持ジャッキによ
りコンクリートピストン室内の押し出しピストンを履工
材料の圧力が他山の土圧、水圧よりも高い圧力になるよ
うに押圧しつつ、カーブ区間等の施工時にシールド掘進
機が、履工型枠の軸線と違う方向に掘進する際に、テー
ル部の外筒と内筒との間で、シールド掘進機の進行方向
後方部に設けられた回転自在な接続部と、外側内筒と、
前記外筒との間で、シールド掘進機の進行方向に対し前
方部に設けられた移動・固定が自在な複数の接続部とに
より、掘進中のシールド機と型枠とに間隔を制御しなが
ら、コンクリートを打設するとともに、シールド掘進機
を掘進させることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】請求項1記載のシールド掘進機によれば、隔壁
を形成してコンクリートピストン室が設けられているた
め、複数のコンクリートピストン室をあらかじめ工場等
で製造することができる。このため、コンクリートピス
トン室を高精度に製作することができるとともに、コン
クリート硬化後に、ピストンをコンクリートピストン室
から安全に取り外すことができるので、シールの交換を
容易にすることができる。そして、シールド掘進機の進
行方向後方部に設けられた接続部では、球面状凸部が外
側内筒外面に設けられ、該球面状凸部を嵌合する球面状
凹部が外筒内面に設けられているため、接続部を回転自
在にすることができる。
【0012】請求項2記載のシールド掘進機において
は、請求項1記載の作用を有するとともに、内筒と外筒
との間でシールド掘進機の進行方向に対し前方部に移動
・固定が自在な複数の接続部が設けられているため、内
筒を回転自在にすることができるとともに、シールド掘
進機を型枠の設置位置とは関係なく回転自在にすること
ができる。このため、シールド掘進機の蛇行調整がで
き、カーブ施工時にピストン室とシールド掘進機の位置
が相対的に変動しても、コンクリートピストン室自体へ
の余分な力を与えること無く、したがってカーブ施工が
容易に出来る。また、コンクリートの圧力保持が確実に
出来ることになる。
【0013】請求項3記載のシールドトンネルの履工方
法によれば、テール部に形成された複数のコンクリート
ピストン室内の押し出しピストンの圧力を圧力保持ジャ
ッキにより個々に制御することにより、各室の履工材料
の圧力の管理を個々に行えることから、高さによる地山
圧力の違いに容易に対応させることができ、履工材料の
圧力を常に地山の土圧・水圧よりも高く保持することが
可能になる。また、このような作用により、テールボイ
ドへの履工材料の充填が確実に行われ、沈下のおそれが
なくなる。また、鉄筋を組む際に、シールド掘進機の内
筒の内面に接して主妻枠を配置し、この主妻枠に連続し
て型枠内側から補助妻枠を連結して、型枠とシールド掘
進機との空間を閉塞するようにしているので、シールド
掘進機の蛇行により内筒と型枠外周との隙間の大きさが
変化しても、補助妻枠の長さを調整することにより、前
記蛇行に対応し得て、履工材料の圧力の保持を確実に行
うことができる。さらに、履工材料の供給圧力が圧力保
持ジャッキの設定保持圧力よりも大きくなった時に、履
工材料の供給圧力により、押し出しピストンをシールド
掘進機の前方へ移動させるように構成されているので、
押し出しピストンは履工材料を押し出す時にはシールド
掘進機の後方へ、またピストン室に履工材料を入れる時
には前方へ移動し、コンクリートピストン室内の圧力が
履工材料の供給時にもほぼ一定に保つことが可能とな
る。
【0014】請求項4記載のシールドトンネルの履工方
法によれば、請求項3記載の作用を有するとともに、シ
ールド掘進機の進行方向に対し前方部に移動・固定が自
在な複数の接続部が設けられているため、シールド掘進
機を型枠の設置位置とは関係なく回転自在にすることが
でき、シールド掘進機の蛇行調整ができ、カーブ施工時
にピストン室とシールド掘進機の位置が相対的に変動し
ても、ピストン室自体への余分な力を与えること無く、
カーブ施工が容易に出来る。また、コンクリートの圧力
保持が確実に出来ることになる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。図1は本発明により施工途中にある
トンネルの切羽近傍を示したものである。本図中、符号
10はシールド掘進機であり、このシールド掘進機10
は、その前部に設けられたカッター装置12により紙面
に対して左側にトンネルTを掘削しつつ、シールド掘削
機10の後方に形成されたトンネルTの周壁を所定の間
隔を空けて型枠1によって覆い、この型枠1と前記周壁
との間に鉄筋Uを配置するとともに、履工材料を供給
し、トンネル内面に履工壁Wを構築するように構成され
ている。
【0016】なお、前記型枠1は、面板1aとこの面板
1aを支持する支持枠1bとを主体として構成されてお
り、また、一部の型枠(上部型枠)の面板1aには型枠
の外側に履工材料を打設する打設パイプ2を接続するジ
ョイント部1cが設けられるとともに、後述する補助妻
枠51を出没自在に収納する収納溝1dが設けられてい
る。なお、前記ジョイント部1cにはこのジョイント部
1cの充填口を開閉するシャッター機構3が設けられて
いる(図5参照)。
【0017】次に、本発明に係るトンネルの覆工方法を
実施するためのシールド掘進機10について、より具体
的に説明すると、これは外殻をなす円筒状のスキンプレ
ート11と、このスキンプレート11の前端部に備えら
れ図示せぬ駆動手段によって回転せしめられて地山を掘
削するカッター装置12と、スキンプレート11の内部
に形成された仕切板11aに基端が連結された推進ジャ
ッキ13とを設備した基本構造となっている。
【0018】前記スキンプレート11のテール部は、ス
キンプレート11と同径でスキンプレート11の一部を
構成する外筒20と、この外筒20の内側に外筒20よ
り小径に二重に形成された内筒21a、21bとにより
形成されており、これら内筒21a、21b間には、図
2及び図3に示すように、スキンプレート11の半径方
向に延びる複数の隔壁22により連結されている。そし
て、これら内筒21a、21b間には、複数(図示例で
は4室)のコンクリートピストン室23が設けられ、そ
れぞれのコンクリートピストン室23に押出しピストン
24がスライド自在に収納されている。
【0019】この押出しピストン24は、図1ないし図
3に詳細に示すように、コンクリートピストン室23の
内部形状に合わせてコンクリートピストン室23内に緊
密に収まる大きさに形成されており、前記仕切板11a
に基端が取り付けられた複数の圧力保持ジャッキ25に
よって前後にスライドするように構成されている。即
ち、押し出しピストン24は、コンクリートを押し出す
時にはシールド掘進機10の後方へ、コンクリートピス
トン室23にコンクリートを入れるときには前方へ移動
する。なお、この押出しピストン24を作動させる圧力
保持ジャッキ25には、リリーフ弁が備えられており、
覆工材料の供給ポンプ31の打設圧力がジャッキの保持
圧力よりも大きくなった時に、ジャッキが縮むような構
成となっている。このため、圧力保持ジャッキ25は、
圧力の設定を個々に自由に出来る構造にされ、高さによ
る地山圧力の違いに対応させることにより、コンクリー
トの圧力を常に地山の土圧・水圧より高く保つことがで
きる。
【0020】また、圧力保持ジャッキ25のシールド掘
進機10本体への取付部70は、図4に示すように、例
えば、自在継ぎ手により回転自在に形成され、押し出し
ピストン24への取付部71は、例えばピンにより回転
自在に形成され、共に回転自在な構造とされている。そ
して、シールド掘進機10の進行方向に対し後方部に接
続部72が複数設けられている。この接続部72では、
外筒20の後端部内面に球面状凹部73が取り付けら
れ、この球面状凹部73に嵌合される球面状凸部74が
外側内筒21a後端部外面に取り付けられている。これ
ら球面状凹部73・凸部74の曲率は、半径のほぼ等し
い球面型の一部分が使用され、この球面型は、外筒20
の中心軸付近に中心が置かれ、その半径長さが、外側内
筒21bの半径長さより大きく、外筒20の半径長さよ
り小さくされている(図4でRで示す)。なお、球面状
凹部73の後端部に、図10に示すように、球面状凸部
74の後端側壁が接することにより、球面状凸部74が
後方への移動を防止する係止部73aを設けてもよい。
【0021】一方、図1に示すように、内側内筒21b
の先端部と、外筒20との間で、シールド掘進機10の
進行方向に対し前方部に移動・固定が自在な複数の接続
部80が設けられている。この接続部80は、例えば、
ジャッキ等により移動・固定が自在な構造とされてい
る。このため、内筒21a、21bを自在に移動され、
シールド掘進機10の掘進中において、内側内筒21b
と、外筒20との間隔を自在に調整することができる。
なお、この接続部80は、外側内筒21aの先端部と、
外筒20との間に設けてもよい。
【0022】また、前記押出しピストン24の外周には
複数(実施例では2条)のシール部材26が取り付けら
れるとともに、押出しピストン24の中央部にはスキン
プレート11の内部とコンクリートピストン室23の内
部とを連通する覆工材料の充填孔24aが形成され、さ
らに、押出しピストン24の内面には、前記充填孔24
aに連通しかつ覆工材料の打設パイプ30と連結される
ジョイント部27が設けられている(図5参照)。な
お、実施例では、前記充填孔24aを押出しピストン2
4の中央部に配設しているが、本発明は、この実施例に
限定されるものではない。
【0023】また、前記充填孔24aには、充填孔24
aを開閉する遮断機構28が付設され(図5参照)、必
要に応じて充填孔24aを開閉することができるように
なっている。なお、この遮断機構28は、具体的には、
シャッター、バルブなどにより構成されるが、充填孔2
4aを開閉することができるものであれば、他の構成で
あっても良い。
【0024】また、図1中、符号30は覆工材料の打設
パイプを示し、この打設パイプ30は、覆工材料の供給
ポンプ31の供給配管32に接続された分岐バルブ33
に一端が接続されており、この供給ポンプ31で押し出
しされたコンクリート等は分岐バルブ33で分けられ、
各コンクリートピストン室23へ入る。また、これら供
給ポンプ31とコンクリートピストン室23とを結ぶ打
設パイプ30自身はフレキシブル管もしくは伸縮自在管
により構成されて押出しピストン24の移動に対応でき
るようになっている。
【0025】そして、図中、符号50は内側内筒21b
と型枠1との間を閉塞する主妻枠であり、この主妻枠5
0は、図2に示すように、内側内筒21bの内面の曲率
に対応して湾曲した複数の板体50aをその長手方向に
リング状に組合わせてなる基本構成となっている。さら
に、前記主妻枠50の内側端50bは、その外側端と同
心円となるように加工されており、また、内側端50b
と型枠1の外周との隙間Gはシールド掘進機10の蛇行
によりその大きさが変化するので、蛇行量よりも大きめ
に隙間の大きさが設定され、主妻枠50が覆工材料の内
側に露出しないように配慮されていることは言うまでも
ない。
【0026】そして、型枠1と主妻枠50との隙間には
この隙間を塞ぐ補助妻枠51がセットされるようになっ
ている。この補助妻枠51の外側端には主妻枠50に嵌
合する切り込み51b(図6参照)が設けられており、
主妻枠50とのセット時には、この切り込み51bをあ
わせることにより、覆工材料の打設圧力を主妻枠50に
伝達できるようになっている。また補助妻枠51は型枠
に直接ボルト止めすることにより取付けても良いし、内
部から押しつけるようにしても良い。ちなみに、この補
助妻枠51も、基本的には主妻枠50と同様に、複数の
板体51aを周方向に組合わせてリングを形成するよう
になっており、図示例では、上下左右の4枚の板体51
aの接合部にテーパ面が形成されて内筒21の内側から
リング状に補助妻枠51を組立てることができるように
なっている(図2参照)。
【0027】また、型枠1と内側内筒21bとの間に
は、主妻枠50として、フランジ金物50を設け、この
フランジ金物50を構造物の円周方向の部材とし履工材
料内に埋設してもよい。このフランジ金物50には、履
工材料の圧力に対抗させるため、鉄筋をセパレーターと
して必要な数だけ全体を繋いでおき、これに妻枠に掛か
る圧力を受け持たせるか、妻枠に突っ張り用の金物を設
け、妻枠に掛かる圧力を受け持たせる。このフランジ金
物50をコンクリートピストン室23の内側内筒21b
に取り付け、この内側内側筒21bは変形がほとんど無
いため、フランジ金物50の外周の曲率を内側内筒21
bの内周の曲率に合わせて加工することにより、その隙
間はほとんど無いことになる。
【0028】なお、フランジ金物50の外周部にもシー
ル材を取り付けることも可能である。そして、フランジ
金物50の内側端50bは、その外周側端と同心円とな
るように加工されており、また、内側端50bと型枠1
の外周の隙間sは、シールド掘進機10の蛇行によりそ
の大きさが変化するので、蛇行量より大きめに設定さ
れ、フランジ金物50が履工材料の内側に露出すること
はない。これらフランジ金物50と型枠1との隙間sに
は、補助妻枠62がセットされるようになっている。こ
の補助妻枠62では、縦断面が山形の一部を切り欠いた
形状にされており、この切り欠いた部分にフランジ金物
50が当たるようにセットされている。この切り欠いた
部分は、蛇行量より大きく設定されている。この補助妻
枠62は、型枠1に例えば複数本のボルト63により固
定されている。なお、この補助妻枠62の向きはどちら
でも可能であり、固定を溶接により行ってもよく、取り
外し自由に取り付けてもよい。
【0029】次に、前記の如く構成されたシールド機を
適用して本発明に係るシールドトンネルの覆工方法を実
施する場合について、図5ないし図12を参照して工程
順に説明する。
【0030】(i)鉄筋及び型枠の組立 図5に示すように、推進ジャッキ13を引いた状態で、
内側内筒21bの内側において、鉄筋Uを組立てるとと
もに、この鉄筋Uの内側に例えばエレクターを使用して
型枠1を円筒状に組み立てる。一方、鉄筋Uの組立とと
もに内筒21と型枠1との間を閉塞する主妻枠50を、
その外側端50aが内側内筒21bの内面に接するよう
にセットし、前記主妻枠50の内側端50bと型枠1の
外面との間の隙間を、型枠1の内側から補助妻枠51を
突出させて塞ぐとともに、主妻枠50には、覆工材料の
圧力に対抗させるため、鉄筋Uをセパレータとして必要
な数だけナットJを介して繋いでおき、これに主妻枠5
0にかかる圧力を受け持たせるようにしておく。
【0031】また、図7に示すように、型枠1と内側内
筒21bとの間には、主妻枠50として、フランジ金物
50を設け、このフランジ金物50を構造物の円周方向
の部材とし履工材料内に埋設してもよい。このフランジ
金物50には、履工材料の圧力に対抗させるため、鉄筋
をセパレーターとして必要な数だけ全体を繋いでおき、
これに妻枠に掛かる圧力を受け持たせるか、妻枠に突っ
張り用の金物を設け、妻枠に掛かる圧力を受け持たせ
る。このフランジ金物50をコンクリートピストン室2
3の内側内筒21bに取り付ける。これらフランジ金物
50と型枠1との隙間sに、補助妻枠62をセットす
る。
【0032】なお、この際、図6に示すように、推進ジ
ャッキ13を型枠1に当接するまで延ばし、型枠1に推
進ジャッキ13の反力が取れるようにセットしておく。
前記鉄筋Uは、組立て時の施工性を向上するために、内
側内筒21bの内面に設けた係止金具55により先端を
止めておくことが好ましく、また、主妻枠50と鉄筋U
とを工場等で一体化させておけば、組立て作業性を増す
ことができるので、好ましい。なお、前記において、妻
枠50、51にかかる圧力を受け持たせるようにするた
め、主妻枠50に突っ張り用の金物を設ける構成として
もよい。また、前記セパレータとして用いる鉄筋Uは、
ジョイント金物Jにより途中を突き合わせて接続してい
るが、ジョイント金物Jとしては鉄筋Uの一部をラップ
させた状態で固定する並列ジョイントや、溶接その他の
接続手段などを用いることができ、さらに、セパレータ
兼用の鉄筋以外はラップジョイントにより接合しておく
ものとする。また、前記において、主妻枠50の外側端
50cは内側内筒21bの曲率にあわせた加工がなされ
ているので、外側端50cを内側内筒21bの内面を接
合することにより、この部分の密閉性を確保することが
できるが、密閉性をより確実にするため、シール材を主
妻枠の外側端50cと内側内筒21bとの間に挟み入れ
るようにしても良い。
【0033】(ii)鉄筋組立室へのコンクリートの打
設工程 鉄筋U、型枠1、主妻枠50、補助妻枠51などのセッ
ト完了後、打設配管2を通して型枠1のジョイント部1
cより覆工材料(例えばコンクリート)Cを、図8に示
すように、内筒21b、妻枠50、51、型枠1によっ
て囲まれてなる鉄筋組立室Rに打設する。
【0034】(iii)補助妻枠の取り出し工程 図9に示すように、鉄筋組立室Rへのコンクリートの打
設完了後、鉄筋組立室Rのコンクリートの圧力Prが、
外部コンクリートの圧力Poとほぼ同じようになった時
点で、シャター3を矢印Aの方向に移動しジョイント部
1cの充填口を閉じ、鉄筋組立室Rの後部の補助妻枠5
1を下げ、型枠1の内側方向(矢印Bの方向)に取り出
す。また、この時点で鉄筋組立室の後部の補助妻枠51
を型枠1の内側方向に取り出す。この操作により、打設
されていたコンクリートは圧力を常に保持されることに
なる。ここで、図7に示す方法では、補助妻枠51の取
り出しは必要ない。即ち、打設されたコンクリートが固
まり、型枠1を解体する時に、型枠1を一体として解体
する。
【0035】(iv)打設準備工程 外部へのコンクリート打設を実施するにあたっては、圧
力保持ジャッキ25の押出し圧力を高さによる地山圧力
の違いに対応させて、打設したコンクリートが常に地山
の圧力よりも大きい圧力を加えることができるように大
きさに設定するとともに、押出しピストン24のジョイ
ント部27に打設パイプ30を連結し、押出しピストン
24の充填口24aを通してコンクリートピストン室2
3内に覆工材料を供給できるようにセットしておく。ま
た、覆工材料としては遅延型のコンクリートなどを適用
し、圧力を後方へ伝達させるように設定しておく。な
お、コンクリートピストン室23は、あらかじめ工場に
おいて高精度に製作しておき、シール部材26が高圧に
も耐えるように形成しておくことは言うまでもない。
【0036】(v)コンクリートピストン室へのコンク
リートの打設工程 コンクリートの打設準備完了後、コンクリートを供給ポ
ンプ31より打設パイプ30に送り、この打設パイプ3
0を通して押出しピストン24の充填口24aよりコン
クリートをコンクリートピストン室23へ打設する。よ
り具体的には、図10に示すように、シールド掘進機1
0のコンクリートピストン室23に備えられた押出しピ
ストン24の圧力保持ジャッキ25の押圧力を調整し
て、押出しピストン24の作用によって生じるコンクリ
ート圧力Poを地山圧力Pjよりも高く保持しておき、
打設パイプ30よりコンクリートをコンクリートピスト
ン室23に向けて圧力保持ジャッキ25の圧力よりも大
きい圧力で供給して、コンクリートピストン室23内に
コンクリートを打設していくものである。なお、この際
(コンクリートをコンクリートピストン室23に打設す
る際)、押出しピストン24は、コンクリートの供給圧
力により、圧力保持ジャッキ25の押圧力に抗する方向
に力を受けるが、押出しピストン24を押圧する圧力保
持ジャッキ25には、設定圧力よりも大きな圧力を受け
たときにジャッキが縮むようなリリーフ弁が設けられて
いるため、押出しピストン24は、コンクリートの供給
とともにシールド掘進機10の前方に移動し、コンクリ
ートの打設が阻害されることがない。また、コンクリー
トの供給が止ると、圧力保持ジャッキ25の押圧力が押
出しピストン24に再び作用し、シールド掘進機10の
進行とともに後方へ移動することとなる。
【0037】(vi)シールド掘進機の掘進工程 次に、コンクリートピストン室23のコンクリートを後
方へ押出しながら、スキンプレート11前端のカッター
装置12で地山を掘削し、型枠1に反力をとって推進ジ
ャッキ13を駆動させることでシールド掘進機10を掘
進させる。この際、コンクリート圧力Poは、地山圧力
Pjよりも大きいので、漏水等の心配がない。
【0038】また、図11に示すように、圧力保持ジャ
ッキ25のシールド掘進機10本体への取付部70と、
押し出しピストン24への取付部71とは、共に回転自
在な構造とされている。そして、シールド掘進機10の
進行方向に対し後方部に設けられた接続部72では、外
筒20に球面状凹部73が取り付けられ、この球面状凹
部73に嵌合される球面状凸部74が外側内筒21aに
取り付けられ、これら球面型は、外筒20の中心軸付近
に中心が置かれ、シールド掘進機10の後方部を回転自
在にしている。一方、外側内筒21aと、外筒20との
間で、シールド掘進機10の進行方向に対し前方部に移
動・固定が自在な複数の接続部80が設けられ、シール
ド掘進機10の掘進中において、内側内筒21bと、外
筒20との間隔を自在に調整することができる。このこ
とにより、二重の内筒21a、21bを回転自在にする
ことができるとともに、シールド掘進機10を型枠1の
位置に関係なく回転自在にすることができ、シールド掘
進機10の蛇行調整ができ、カーブ施工時にコンクリー
トピストン室23とシールド掘進機10の位置が相対的
に変動しても、コンクリートピストン室23自体への余
分な力を与えること無く、また、コンクリートの圧力保
持が確実に出来ることになる。掘進完了後、図12に示
すように、推進ジャッキ13を縮め、鉄筋、型枠等のセ
ットを前記手順で行ない、このような工程を繰り返すこ
とにより、作業を進めていく。
【0039】なお、掘進完了後においても圧力保持ジャ
ッキ25によりコンクリートピストン室23内の圧力を
一定に保持しておくことは言うまでもない。なお、前記
工程中、押出しピストン24のシール部材26の交換が
必要になった場合は、コンクリートの硬化後に、押出し
ピストン24をコンクリートピストン室23より抜き出
し、シール部材26の交換作業を行なえばよい。この作
業は、コンクリート硬化後に押出しピストン24を圧力
保持ジャッキ25を使って抜き出し、その外周のシール
部材26を交換する単純作業であり、またその交換作業
はコンクリート硬化後に行なわれるので、安全に現場で
行なうことができる。
【0040】またコンクリート配管の清掃作業が必要と
なった場合には、押出しピストン24に付設された遮断
機構28を使って、充填口24aを塞ぎ、打設パイプ3
0を取り外して、清掃すれば良い。この作業は、遮断機
構28によって、充填孔からのコンクリートの流出を防
止することができるので、コンクリートピストン室23
内のコンクリートに圧力を加えたまま行なうことがで
き、トンネル覆工時の作業性が損なわれることがない。
【0041】前記実施例では、シールド掘進機10のテ
ール部を二重にし、その内部に複数のコンクリートピス
トン室23を設け、このコンクリートピストン室23内
に押出しピストン24を設けて、この押出しピストン2
4を圧力保持ジャッキ25によって、各コンクリートピ
ストン室23内の圧力を調整するようにしているので、
地山圧力の変化(通常は深度が深いほど圧力が高くな
る)に対応して各室のコンクリートの圧力の管理を個々
に行なうことができ、コンクリート圧力が常に地山圧力
より高く保持することが、確実かつ容易にできる。
【0042】また、押し出しピストン24は、コンクリ
ートを押し出す時にはシールド掘進機10の後方へ、コ
ンクリートピストン室23にコンクリートを入れるとき
には前方へ移動され、前方への移動は圧力保持ジャッキ
25に設けられたリリーフ弁により、供給ポンプ31で
の打設圧力が保持圧力より大きくなったときに、圧力保
持ジャッキ25が縮むため、コンクリートピストン室2
3のコンクリート圧力が供給ポンプ31による打設時に
もほぼ一定に保つことが可能となり、地山や型枠1に過
度の圧力を与えることがなく、地山を押し上げることも
なく、また、型枠1を必要以上に頑丈にする必要がなく
なる。このため、コンクリート圧力を常に地山の土圧・
水圧よりも高く保つことが可能となるため、漏水を防
ぎ、高強度で高品質のコンクリートを打設することがで
きる。また、コンクリートの硬化による強度を必要とし
ないので、硬化時間の長いコンクリートの使用が可能と
なり、1リング毎の配管などの掃除が不要になる。
【0043】また、実施例では、シールド掘進機10の
テール部内にコンクリートピストン室23を設け、あら
かじめ工場において、コンクリートピストン室23に押
出しピストン24をシールした状態でスライド自在に配
設してあるため、押出しピストン24のシール部の精度
を、シールド掘進機10のカッター装置12等可動部の
シールと同等に保持することができ、シールド掘進機1
0の対応可能な地山にはほとんどすべて対応することが
できる。
【0044】さらに、実施例では、このようなコンクリ
ートの圧力保持に重要なシールの交換を安全かつ容易に
実施することができるので、長距離掘進時にもシール交
換を行なうことで、常にコンクリート圧力の保持が可能
であるといった利点がある。また、実施例では、コンク
リートの供給に伴って、押出しピストン24を前方に移
動させ、コンクリートを押し出す時には、シールド掘進
機10の後方へ移動させるようにしているので、コンク
リートピストン室23内の圧力がコンクリートの供給時
にもほぼ一定に保つことが可能になり、この結果、地山
や型枠1に過度の圧力を与えることがなく、地山を押し
上げることもなく、また型枠1を必要以上に頑丈にする
必要がなくなるといった効果を奏する。
【0045】また、圧力保持ジャッキ25のシールド掘
進機10本体への取付部70は、自在継ぎ手により回転
自在に形成され、押し出しピストン24への取付部71
は、ピンにより回転自在に形成され、共に回転自在な構
造とされている。そして、シールド掘進機10の進行方
向に対し後方部に全体が一体物としてリング状につなが
った接続部72が設けられ、この接続部72では、外筒
20の後端部に取り付けられた球面状凹部73に嵌合さ
れる球面状凸部74が外側内筒21a後端部に取り付け
られている。これら球面状凹部73・凸部74の曲率
は、半径のほぼ等しい球面型の一部分が使用され、この
球面型は、外筒20の中心軸付近に中心が置かれ、その
半径長さが、外側内筒21bの半径長さより大きく、外
筒20の半径長さより小さくされている。このため、シ
ールド掘進機10後方部全体を回転自在としている。一
方、内側内筒21b先端部と、外筒20との間で、シー
ルド掘進機10の進行方向に対し前方部に移動・固定が
自在な複数の接続部80が設けられているため、二重の
内筒21a、21bを自在に移動させることができると
ともに、シールド掘進機10を型枠1の設置位置と関係
なく自在に移動させることができ、シールド掘進機10
の掘進中において、内側内筒21bと、外筒20との間
隔を自在に調整することができる。このことにより、シ
ールド掘進機10の後方部を回転させ、前方部を移動さ
せることにより、蛇行調整ができ、カーブ施工時にコン
クリートピストン室23とシールド掘進機10の位置が
相対的に変動しても、コンクリートピストン室23自体
への余分な力を与えること無く、また、コンクリートの
圧力保持が確実に出来ることになる。
【0046】また前記により、実施例では、コンクリー
トピストン室23内の圧力を常に、地山の土圧・水圧よ
りも高く保つことが可能になるので、漏水がなく、高強
度の高品質のコンクリートの打設が可能であるといった
利点があり、また、テールボイドへの充填が確実に行な
えるので、地盤沈下のおそれもないといった長所があ
る。さらに、実施例では、押出しピストン24により常
に、コンクリートを押圧するように構成しているので、
硬化時間の長いコンクリートの使用が可能になり、1リ
ング毎の配管などの清掃が不要になるといった効果もあ
る。さらに、実施例では妻枠に鉄筋Uを取り付けてセパ
レータ兼用として使用しているので、妻枠のジャッキが
不要になり、また妻枠にジャッキを設けた場合にも必要
に応じて外すことが可能になるといった利点がある。
【0047】また、方法1では、内筒21と型枠1との
間を主妻枠50とこの主妻枠50に接合される補助妻枠
51により塞ぎ、補助妻枠51の出没を調整することに
より、シールド掘進機10の蛇行を調整するようにして
いるので、作業性を向上できるといった利点がある。し
かして、妻枠押さえ金物60を利用した場合には、内部
の鉄筋Uをラップジョイントにより接合できる効果があ
る。
【0048】また、覆工材料の打設は、覆工材料の供給
ポンプ31により行なわれ、この供給ポンプ31で押し
出しされたコンクリート等は分岐バルブ33で分けら
れ、各コンクリートピストン室23へ入るため、各コン
クリートピストン室23への打設が可能であり、また、
押し出しピストン24を自由に移動することが可能であ
る。このコンクリートピストン室23の充填孔24aに
は遮断機構28が設けられ、コンクリートの圧力を保持
したまま作業することができるため、作業性を向上させ
ることができる。この遮断機構28の手前には、打設パ
イプ30のジョイント部27が設けられているため、配
管の掃除を安全に行なうことができる。
【0049】一方、フランジ金物50を用いることによ
り、補助妻枠51のジャッキが不要となり、また、ジャ
ッキを設けた場合にも、必要な時に外すことができる。
このフランジ金物50では、外周の曲率を内側内筒21
bの内周の曲率に合わせて加工することにより、フラン
ジ金物50と内側内筒21bとの間はほとんどなくな
り、履工材料が漏れでることはなく、圧力の保持が可能
である。また、フランジ金物50と型枠1とに蛇行量よ
り大きい隙間sが設けられているため、シールド掘進機
10の蛇行修正を容易にすることができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明のシールド掘
進機及びシールドトンネルの履工方法によれば、次のよ
うな優れた効果を奏することができる。請求項1記載の
シールド掘進機によれば、隔壁を形成してコンクリート
ピストン室が設けられているため、複数のコンクリート
ピストン室をあらかじめ工場等で製造することができ
る。このため、コンクリートピストン室を高精度に製作
することができるとともに、履工材料が硬化した後に、
押し出しピストンをコンクリートピストン室から安全に
取り外すことができ、シールの交換を容易にすることが
できる。そして、シールド掘進機の進行方向後方部に設
けられた接続部では、球面状凸部が外側内筒外面に設け
られ、該球面状凸部を嵌合する球面状凹部が外筒内面に
設けられているため、接続部を回転自在にすることがで
きる。このため、シールド掘進機の蛇行調整ができ、カ
ーブ施工時にピストン室とシールド掘進機の位置が相対
的に変動しても、コンクリートピストン室自体への余分
な力を与えること無く、また、コンクリートの圧力保持
が確実に出来ることになる。
【0051】請求項2記載のシールド掘進機において
は、請求項1記載と同様の効果を有し、シールド掘進機
の進行方向に対し後方部に接続部が複数設けられ、この
接続部では、外筒の後端部に取り付けられた球面状凹部
に嵌合される球面状凸部が外側内筒後端部に取り付けら
れているため、シールド掘進機後方部全体を回転自在と
している。一方、内筒と、外筒との間で、シールド掘進
機の進行方向に対し前方部に移動・固定が自在な複数の
接続部が設けられ、シールド掘進機の掘進中において、
内筒と、外筒との間隔を自在に調整することができる。
このことにより、シールド掘進機の後方部が回転され、
前方部が移動されることにより、蛇行調整ができ、カー
ブ施工時に各室とシールド掘進機の位置が相対的に変動
しても、各室自体への余分な力を与えること無く、ま
た、コンクリートの圧力保持が確実に出来ることにな
る。
【0052】請求項3記載のシールドトンネルの履工方
法によれば、テール部に形成された複数のコンクリート
ピストン室内の押し出しピストンの圧力を圧力保持ジャ
ッキにより個々に制御することにより、覆工材料の供給
圧力が地山の土圧、水圧よりも高い圧力になるように押
圧しつつ、内筒と型枠との間隔を一定に保ちながら、履
工材料を打設するものであるから、各コンクリートピス
トン室の履工材料の圧力の管理を個々に行えることか
ら、高さによる地山圧力の違いに容易に対応させること
ができ、テールボイドへの履工材料の充填が確実に行わ
れ、沈下のおそれがなくなる。そして、履工材料の供給
圧力が圧力保持ジャッキの設定保持圧力よりも大きくな
った時に、履工材料の供給圧力により、押し出しピスト
ンをシールド掘進機の前方へ移動させるように構成され
ているので、押し出しピストンは履工材料を押し出す時
にはシールド掘進機の後方へ、またピストン室に履工材
料を入れる時には前方へ移動し、コンクリートピストン
室内の圧力が履工材料の供給時にもほぼ一定に保つこと
が可能となる。このため、圧力の保持を十分に実施し得
て圧力の低下を確実に防止することができるとともに、
漏水がなく、高強度の高品質の覆工材料の打設が可能に
なり、シールドトンネルの施工を迅速かつ安全に行なう
ことができ、地山や型枠に過度の圧力を与えることがな
く、地山を押し上げることもなく、また型枠を必要以上
に頑丈にする必要をなくすことができる。また、鉄筋を
組む際に、シールド掘進機の内筒の内面に接して主妻枠
を配置し、この主妻枠に型枠内側から補助妻枠を突出さ
せて、型枠とシールド掘進機との間の隙間を閉塞するよ
うにしているので、シールド掘進機の蛇行により内筒と
型枠外周との隙間の大きさが変化しても、補助妻枠の長
さを調整することにより、前記蛇行に対応し得て、履工
材料の圧力の保持を確実に行うことができる。
【0053】請求項4記載のシールドトンネルの履工方
法によれば、請求項3記載の効果を有するとともに、シ
ールド掘進機の進行方向に対し前方部に移動・固定が自
在な複数の接続部が設けられているため、シールド掘進
機の蛇行調整ができ、カーブ施工時にピストン室とシー
ルド掘進機の位置が相対的に変動しても、ピストン室自
体への余分な力を与えること無く、また、コンクリート
の圧力保持が確実に出来ることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のシールドトンネルの覆工方法の一実
施例で、シールド機が地山を掘削している状態を示すト
ンネルの側断面図である。
【図2】 図1のIIーII線に沿う矢視断面図である。
【図3】 図1のIIIーIII線に沿う矢視断面図である。
【図4】 本発明のシールド掘進機の側断面図である。
【図5】 本発明のシールドトンネルの履工方法の鉄筋
及び型枠の組立工程を示した工程図である。
【図6】 図5の推進ジャッキを延ばしたときの工程図
である。
【図7】 図5でフランジ金物を使用したときの側断面
図である。
【図8】 鉄筋組立室へのコンクリートの打設工程を示
した工程図である。
【図9】 補助妻枠の取り出し工程図である。
【図10】 コンクリートピストン室へのコンクリート
打設工程を示した工程図である。
【図11】 シールド掘進機の回転状態を示した側断面
図である。
【図12】 シールド掘進機の掘進完了後の側断面図で
ある。
【符号の説明】
T トンネル 1 型枠 10 シールド機 11 スキンプレート 12 カッター装置 13 推進ジャッキ 20 外筒 21a・21b 外・内側内筒 22 隔壁 23 コンクリートピストン室 24 押出しピストン 25 圧力保持ジャッキ 50 主妻枠 51 補助妻枠 72 接続部 73 球面状凹部 74 球面状凸部 80 接続部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 房男 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 重田 安彦 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 大塚 正幸 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 荒砥 太吉 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 今井 実 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 河井 徹 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外殻をなす円筒状のスキンプレートと、
    該スキンプレートの前端部に備えられた駆動手段によっ
    て回転せしめられて地山を掘削するカッター装置と、該
    スキンプレートの内部に形成された仕切板に基端が連結
    された推進ジャッキとを設備したシールド掘進機におい
    て、スキンプレートのテール部が外筒と内筒とにより形
    成され、該内筒は二重に形成されるとともに、このテー
    ル部の外筒と内筒との間に回転自在な接続部がシールド
    掘進機の進行方向後方部に設けられ、該接続部では、球
    面状凸部が外側内筒外面に設けられ、該球面状凸部を嵌
    合する球面状凹部が外筒内面に設けられ、これら二重の
    内筒間にスキンプレートの半径方向に延びる隔壁を複数
    形成して押し出しピストンを収める複数のコンクリート
    ピストン室が設けられ、内側の内筒にシールド掘進機の
    移動に無関係、かつ解体・移動の自在な型枠が設けら
    れ、該型枠を推進の反力とするためのシールドジャッキ
    が設けられたことを特徴とするシールド掘進機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシールド掘進機におい
    て、 前記内筒と、前記外筒との間で、シールド掘進機の進行
    方向に対し前方部に移動・固定が自在な複数の接続部が
    設けられたことを特徴とするシールド掘進機。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のシールド掘進機の先端の
    カッター装置により地山を掘削しつつ掘削されたトンネ
    ルの周壁を所定の間隔を空けて型枠によって覆い、この
    型枠と前記周壁との間に鉄筋を配置するとともに履工材
    料を供給し、トンネル内面を履工するようにしたシール
    ドトンネルの履工方法であって、 前記内筒の内側において鉄筋を配置し、鉄筋の内方に型
    枠を組む際に、鉄筋の配置とともに内筒と型枠との間を
    閉塞する主妻枠を、その外側端が内筒の内面に接するよ
    うにセットするとともに、妻枠にかかるコンクリート圧
    力を鉄筋を連結することによりセパレーター代わりとし
    て受け持たせ、前記主妻枠の内側端と型枠の外面との間
    の隙間を、型枠の内側から補助妻枠を突出させて塞いだ
    後、内筒、型枠、妻枠により囲まれてなる鉄筋組立室に
    履工材料を打設する一方、コンクリートピストン室から
    型枠と地山との間に履工材料を打設し、前記鉄筋組立室
    の履工材料の圧力と外部履工材料の圧力とが等しい時点
    で、後部の補助妻枠を取り出して鉄筋組立室内の履工材
    料と外部履工材料とを一体化させ、圧力保持ジャッキに
    よりコンクリートピストン室内の押し出しピストンを履
    工材料の圧力が地山の土圧、水圧よりも高い圧力になる
    ように押圧しつつ、カーブ区間等の施工時にシールド掘
    進機が、履工型枠の軸線と違う方向に掘進する際に、外
    筒と内筒との間に設けられた回転自在な接続部により、
    シールド掘進機の掘進方向に関係なく、内筒と型枠との
    間隔を一定に保ちながら、コンクリートを打設するとと
    もに、シールド掘進機を掘進させることを特徴とするシ
    ールドトンネルの履工方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のシールド掘進機のテール
    部の内筒の内側において鉄筋を配筋し、該鉄筋の内側に
    型枠を組む際に鉄筋の配置とともに、内筒と型枠との間
    を閉塞する主妻枠を、その外側端が内筒の内面に接する
    ようにセットするとともに、妻枠にかかるコンクリート
    圧力を鉄筋を連結することによりセパレーター代わりと
    して受け持たせ、前記主妻枠の内側端と型枠の外面との
    間の隙間を、型枠の内側から補助妻枠を突出させて塞い
    だ後、内筒、型枠、妻枠により囲まれてなる鉄筋組立室
    に履工材料を打設する一方、コンクリートピストン室か
    ら型枠と地山との間に履工材料を打設し、圧力保持ジャ
    ッキによりコンクリートピストン室内の押し出しピスト
    ンを履工材料の圧力が他山の土圧、水圧よりも高い圧力
    になるように押圧しつつ、カーブ区間等の施工時にシー
    ルド掘進機が、履工型枠の軸線と違う方向に掘進する際
    に、テール部の外筒と内筒のと間で、シールド掘進機の
    進行方向後方部に設けられた回転自在な接続部と、外側
    内筒と、前記外筒との間で、シールド掘進機の進行方向
    に対し前方部に設けられた移動・固定が自在な複数の接
    続部とにより、掘進中のシールド機と型枠との間隔を制
    御しながら、コンクリートを打設するとともに、シール
    ド掘進機を掘進させることを特徴とするシールドトンネ
    ルの履工方法。
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