JP2829682B2 - シールドトンネルの覆工方法 - Google Patents

シールドトンネルの覆工方法

Info

Publication number
JP2829682B2
JP2829682B2 JP3032199A JP3219991A JP2829682B2 JP 2829682 B2 JP2829682 B2 JP 2829682B2 JP 3032199 A JP3032199 A JP 3032199A JP 3219991 A JP3219991 A JP 3219991A JP 2829682 B2 JP2829682 B2 JP 2829682B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
frame
lining material
formwork
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3032199A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04247200A (ja
Inventor
広志 風間
太吉 荒砥
正幸 大塚
義昭 根上
徹 河井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Construction Co Ltd
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimizu Construction Co Ltd filed Critical Shimizu Construction Co Ltd
Priority to JP3032199A priority Critical patent/JP2829682B2/ja
Publication of JPH04247200A publication Critical patent/JPH04247200A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2829682B2 publication Critical patent/JP2829682B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシールドトンネルの覆工
方法に係わり、特に、場所打ちコンクリート等の覆工材
料により、シールドトンネルの覆工を行なう施工方法に
適用して好適なシールドトンネルの覆工方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】シールドトンネルにおける覆工方法にお
いて、場所打ちコンクリートによる覆工方法は、通常、
外形円筒状のシールド機を用い、このシールド機の前面
に設けられたカッター装置で地盤を掘削しつつ、掘進さ
れたトンネルの周壁を所定の間隔を空けて型枠によって
覆い、この型枠と前記周壁との間に鉄筋を配置し、コン
クリートを打設し、押圧ジャッキの作動によりコンクリ
ートを押圧して、シールド機全体を前進させるといった
工程を繰り返し行なうものである。
【0003】ところで、このような施工方法では、押圧
ジャッキの先端に妻枠リングを設け、型枠とトンネル周
壁との空間を閉塞するようにしているが、従来、この妻
枠リングは、押圧ジャッキのロッドに伴って移動するた
め、コンクリートの強度発現までの間、コンクリートの
養生が必要となり、施工時間が長くなるといった問題が
あった。
【0004】そこで、このような問題を解決する手段と
して、先行技術は、場所打ちしたコンクリート内に反力
を取ってコンクリートの圧縮を保持する環状の圧力保持
リングを、型枠とトンネル周壁との間にタイロッドによ
り保持しつつ配置し、覆工材料中に埋め込む手段を開示
している(特開平1ー190900号公報「場所打ちシ
ールド掘進機」)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
先行技術の手段によっても、次のような解決すべき課題
が残されている。
【0006】第1に、先行技術の手段では、圧力保持リ
ングにシールドの蛇行の調整のための補助型枠がないた
めに、圧力保持リングにはかなりの隙間ができ、圧力の
保持が十分ではないといった点である。
【0007】第2に、地山の圧力よりも常にコンクリー
トの圧力を高く保つための圧力維持装置がないので、初
めは圧力の保持ができたとしても、徐々に圧力の低下が
起きてしまう点である。
【0008】本発明は前記事情に鑑みて提案されたもの
で、その目的とするところは、覆工材料の圧力を常に地
山の土圧・水圧より高く保ちながら、鉄筋の組立て、コ
ンクリートの打設を実施し得て、高品質な覆工を行なう
ことのできるシールドトンネルの覆工方法を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明は、シールド機先端のカッター装置により地
山を掘削しつつ掘削されたトンネルの周壁を所定の間隔
を空けて型枠によって覆い、この型枠と前記周壁との間
に鉄筋を配置するとともに覆工材料を供給し、トンネル
内面を覆工するようにしたシールドトンネルの覆工方法
であって、シールド機のスキンプレートのテール部を、
外筒と内筒とにより二重に形成するとともに、このテー
ル部の外筒と内筒との間にスキンプレートの半径方向に
延びる隔壁を複数形成して押出しピストンが収まる複数
のコンクリートピストン室を設けておき、前記内筒の内
側において鉄筋を配置するとともに内筒と型枠との間を
閉塞する妻枠兼用のフランジ金物を、その外側端が内筒
の内面に接するようにセットし、前記妻枠兼用のフラン
ジ金物の内側端と型枠の外面との間の隙間を、型枠の内
側から補助妻枠を突出させて塞いだ後、内筒、型枠、妻
枠により囲まれてなる鉄筋組立室に覆工材料を打設する
際並びにシールド機を掘進する際に、シールド機内側に
おいて、前記妻枠を地山圧力よりも高い圧力で妻枠押え
ジャッキにより押し付け、一方、鉄筋を組み立てる際に
は、妻枠押えジャッキに代えて型枠の内側から型枠にか
かる負荷を受ける妻枠用サポートを突出させて、覆工材
料の圧力を常に地山圧力よりも高く保持するようにして
おき、コンクリートピストン室から型枠と地山との間に
覆工材料を打設し、前記鉄筋組立室の覆工材料の圧力と
外部覆工材料の圧力とが等しい時点で、後部の補助妻枠
を取り出して鉄筋組立室内の覆工材料と外部覆工材料と
を一体化させ、圧力保持ジャッキによりコンクリートピ
ストン室内の押出しピストンを覆工材料の圧力が地山の
土圧、水圧よりも高い圧力になるように押圧しつつシー
ルド機を掘進させることを特徴とするものである。
【0010】また前記シールドトンネルの覆工方法にお
いて、予め型枠の外周に鉄筋と妻枠兼用のフランジ金物
とを一体に組み付けた型枠ユニットを構成しておき、こ
の型枠ユニットを組み立てていくこともできる。
【0011】なおこの場合、型枠の外周に鉄筋と妻枠兼
用のフランジ金物とを一体に組み付けた型枠ユニット
を、自身の幅方向にテーパーを付けたくさび型の型枠を
備えたくさび型の第3型枠ユニットと、このくさび型の
第3型枠ユニットの両側に配置されてくさび型の型枠と
の接合面のみをテーパーにした第2型枠ユニットと、こ
の第2型枠ユニットの他方の接合面に連続して組み立て
られる第1型枠ユニットとの3種類の型枠ユニットより
構成しておき、第1型枠ユニットをその長さ方向に沿っ
て接続するとともに、第2型枠ユニットを前記第1型枠
ユニットに連続して組み立てた後、最後に第3型枠ユニ
ットを第2型枠ユニットの間に差し込み、第2型枠ユニ
ットに組み付けるようにすると、その組み立て作業の効
率が向上するので好ましい。
【0012】
【作用】本発明によるシールドトンネルの覆工方法によ
れば、テール部に形成された複数のコンクリートピスト
ン室内の押出しピストンの圧力を圧力保持ジャッキによ
り個々に制御することにより、各室の覆工材料の圧力の
管理を個々に行なえることから、高さによる地山圧力の
違いに容易に対応させることができ、覆工材料の圧力を
常に地山の土圧・水圧よりも高く保持することが可能に
なる。また、このような作用により、テールボイドへの
覆工材料の充填が確実に行なわれ、沈下のおそれがなく
なる。
【0013】また、鉄筋を組む際に、シールド機の内筒
の内面に接して妻枠兼用のフランジ金物を配置し、この
妻枠兼用のフランジ金物に連続して型枠内側から補助妻
枠を連結して、型枠とシールド機の内筒との空間を閉塞
するようにしているので、シールド機の蛇行により内筒
と型枠外周との隙間の大きさが変化しても、補助妻枠の
長さを調整することにより、前記蛇行に対応し得て、覆
工材料の圧力の保持を確実に行なうことができる。
【0014】さらに、覆工材料の打設および掘進時に
は、妻枠押えジャッキにより妻枠を押し付け、また鉄筋
組立時には、妻枠用サポートで妻枠にかかる荷重を受け
直して妻枠押えジャッキを引き込め、鉄筋組と型枠セッ
トとを行なうので、新規組立の鉄筋と先行の鉄筋部分を
緊結する必要がなく、鉄筋と型枠を坑外などで一緒に仮
組立することが可能になる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0016】図1は本発明により施工途中にあるトンネ
ルの切羽近傍を示したものである。本図中、符号10は
シールド機であり、このシールド機10は、その前部に
設けられたカッター装置12により図面に対して左側に
トンネルTを掘削しつつ、シールド機10の後方に形成
されたトンネルTの周壁を所定の間隔を空けて型枠1に
よって覆い、この型枠1と前記周壁との間に鉄筋Uを配
置するとともに、覆工材料を供給し、トンネル内面に覆
工壁Wを構築するように構成されている。
【0017】なお、前記型枠1は、面板1aとこの面板
1aを支持する支持枠1bとを主体として構成されてお
り、また、一部の型枠(上部型枠)の面板1aには型枠
の外側に覆工材料を打設する打設パイプ2を接続するジ
ョイント部1cが設けられるとともに、後述する補助妻
枠51と妻枠用サポート70をそれぞれ出没自在に収納
する収納溝1dおよび挿入孔1eが設けられている。な
お、前記ジョイント部1cにはこのジョイント部1cの
充填口を開閉するシャッター機構3が設けられている
(図4参照)。
【0018】次に、本発明に係るトンネルの覆工方法を
実施するためのシールド機について、より具体的に説明
すると、これは、図1に示すように、外殻をなす円筒状
のスキンプレート11と、このスキンプレート11の前
端部に備えられ図示せぬ駆動手段によって回転せしめら
れて地山を掘削するカッター装置12と、スキンプレー
ト11の内部に形成された仕切板11aに基端が連結さ
れた推進ジャッキ13とを設備した基本構造となってい
る。
【0019】前記スキンプレート11のテール部は、ス
キンプレート11と同径でスキンプレート11の一部を
構成する外筒20と、この外筒20より小径に形成され
た内筒21とにより二重に形成されており、またこれら
外筒20と内筒21は、図2及び図3に示すように、ス
キンプレート11の半径方向に延びる複数の隔壁22に
より連結されている。
【0020】そして、外筒20と内筒21との間には、
複数(図示例では4室)のコンクリートピストン室23
が設けられ、それぞれのコンクリートピストン室23に
押出しピストン24がスライド自在に収納されている。
【0021】この押出しピストン24は、図1、図2な
いし図4に詳細に示すように、コンクリートピストン室
23の内部形状に合わせてコンクリートピストン室23
内に緊密に収まる大きさに形成されており、前記仕切板
11aに基端が取り付けられた複数の圧力保持ジャッキ
25によって前後にスライドするように構成されてい
る。
【0022】なお、この押出しピストン24を作動させ
る圧力保持ジャッキ25には、リリーフ弁が備えられて
おり、覆工材料の打設圧力がジャッキの保持圧力よりも
大きくなった時に、ジャッキが縮むような構成となって
いる。
【0023】また、前記押出しピストン24の外周には
複数(実施例では2条)のシール部材26が取り付けら
れるとともに、押出しピストン24の中央部にはスキン
プレート11の内部とコンクリートピストン室23の内
部とを連通する覆工材料の充填孔24aが形成され、さ
らに、押出しピストン24の内面には、前記充填孔24
aに連通しかつ覆工材料の打設パイプ30と連結される
ジョイント部27が設けられている(図4参照)。
【0024】なお、実施例では、前記充填孔24aを押
出しピストン24の中央部に配設しているが、本発明
は、この実施例に限定されるものではない。
【0025】また、前記充填孔24aには、充填孔24
aを開閉する遮断機構28が付設され(図4参照)、必
要に応じて充填孔24aを開閉することができるように
なっている。なお、この遮断機構28は、具体的には、
シャッター、バルブなどにより構成されるが、充填孔2
4aを開閉することができるものであれば、他の構成で
あっても良い。
【0026】また、図1において、符号30は覆工材料
の打設パイプを示し、この打設パイプ30は、覆工材料
の供給ポンプ31の供給配管32に接続された分岐バル
ブ33に一端が接続されており、また、打設パイプ自身
はフレキシブル管もしくは伸縮自在管により構成されて
押出しピストン24の移動に対応できるようになってい
る。
【0027】さらに、図中、符号50は内筒21と型枠
1との間を閉塞する妻枠兼用のフランジ金物であり、こ
の妻枠兼用のフランジ金物50は、図2に示すように、
内筒21の内面の曲率に対応して湾曲した複数の板体5
0aをその長手方向にリング状に組合わせてなる基本構
成となっている。
【0028】さらに、前記妻枠兼用のフランジ金物50
の内側端50bは、その外側端と同心円となるように加
工されており、また、内側端50bと型枠1の外周との
隙間Gは、図4および図5に示すように、シールド機の
蛇行によりその大きさが変化するので、蛇行量よりも大
きめに隙間の大きさが設定され、妻枠兼用のフランジ金
物50が覆工材料の内側に露出しないように配慮されて
いることは言うまでもない。
【0029】そして、型枠1と妻枠兼用のフランジ金物
50との隙間にはこの隙間を塞ぐ補助妻枠51がセット
されるようになっている。
【0030】この補助妻枠51の外側端には妻枠兼用の
フランジ金物50に嵌合する切り込み51b(図5参
照)が設けられており、妻枠兼用のフランジ金物50と
のセット時には、この切り込み51bをあわせることに
より、覆工材料の打設圧力を妻枠兼用のフランジ金物5
0に伝達できるようになっている。
【0031】また補助妻枠51は型枠に直接ボルト止め
することにより取付けても良いし、内部から押しつける
ようにしても良い。内部から押しつけるようにすれば、
カーブ施工時の妻枠兼用之フランジ金物50と内筒21
の内側との変位を、補助妻枠51をスライドさせること
により、吸収することができるため、カーブ施工が容易
にできることになる。
【0032】ちなみに、この補助妻枠51も、基本的に
は妻枠兼用のフランジ金物50と同様に、複数の板体5
1aを周方向に組合わせてリングを形成するようになっ
ており、図示例では、上下左右の4枚の板体51aの接
合部にテーパ面が形成されて内筒21の内側からリング
状に補助妻枠51を組立てることができるようになって
いる(図2参照)。
【0033】ところで、図において、符号60および7
0は、それぞれ妻枠兼用のフランジ金物50にかかる覆
工材料の圧力に対抗させるために、シールド機10に設
備した妻枠押えジャッキおよび妻枠用サポートである
(図1、2、3参照)。
【0034】まず妻枠押えジャッキ60は、覆工材料の
打設時およびシールド機10の掘進時にそれぞれロッド
圧力を妻枠兼用フランジ金物50に作用させるものであ
り、妻枠押えジャッキ60の基端がスキンプレート11
内部の仕切板11aに取り付けられ、妻枠押えジャッキ
60のロッド先端に設けられた押圧部60aで妻枠兼用
のフランジ金物50を押圧できるようになっている。な
お、各妻枠押えジャッキ60の押圧部60aの間には、
妻枠用サポート70との干渉を除くための空間が空けら
れていることは言うまでもない(図2および図3参
照)。
【0035】次ぎに、妻枠用サポート70は、鉄筋およ
び型枠の組立時に、前記妻枠押えジャッキ60に代えて
妻枠兼用フランジ金物50に作用する圧力を保持する棒
状のものであり、より具体的には、図10および図11
に示すような構造となっている。
【0036】すなわち、この妻枠用サポート70は、全
体が自身の先端(図10上端)に行くほど断面形状が小
さくなるようにテーパー状とされた断面円形の棒体とさ
れ、シールド機10の内筒21内面に形成された嵌合孔
21aにサポート先端が挿入されて、妻枠兼用のフラン
ジ金物50にかかる圧力を内筒21に伝達できるように
構成されている。そして、この妻枠用サポート70は、
引き抜く時に、自身の周方向にサポート70を回転させ
て付着力を簡単に切ることができるものである。
【0037】なお、前記妻枠用サポート70は図10お
よび図11に示す断面円形のものに限定されるものでは
なく、例えば図12および図13などに示すように、断
面楕円形に形成された妻枠用サポート70Aを用いるこ
ともできる。この場合の妻枠用サポート70Aでは、ま
ず、妻側に幅のせまい方を向けておき、最後にサポート
70Aを回転させ、幅の広いほうを妻側に押しつけるこ
とにより、妻側にかかる覆工材料の圧力を受け持たせる
ことができるものである。
【0038】次に、前記の如く構成されたシールド機1
0を適用して本発明に係るシールドトンネルの覆工方法
を実施する場合について、図4ないし図9を参照して工
程順に説明する。
【0039】(1)鉄筋及び型枠の組立 図4に示すように、推進ジャッキ13を引いた状態で、
内筒21の内側において、鉄筋Uを組立てるとともに、
この鉄筋Uの内側に例えばエレクターを使用して型枠1
を円筒状に組み立てる(図5参照)。
【0040】一方、図5に示すように、鉄筋Uの組立と
ともに内筒21と型枠1との間を閉塞する妻枠兼用のフ
ランジ金物50を、その外側端50cが内筒21の内面
に接するようにセットし、前記妻枠兼用のフランジ金物
50の内側端50bと型枠1の外面との間の隙間を、型
枠1の内側から補助妻枠51を突出させて塞ぐととも
に、妻枠兼用のフランジ金物50には、覆工材料の圧力
に対抗させるため、妻枠押えジャッキ60の押圧部60
aを押しつけ、これに妻枠兼用のフランジ金物50にか
かる圧力を受け持たせるようにしておく。
【0041】なお、この際、推進ジャッキ13を型枠1
に当接するまで延ばし、型枠1に推進ジャッキ13の反
力が取れるようにセットしておく。
【0042】前記鉄筋Uは、組立て時の施工性を向上す
るために、内筒21の内面に設けた係止金具55により
先端を止めておくことが好ましく、また、妻枠兼用のフ
ランジ金物50と鉄筋Uとを工場等で一体化させておけ
ば、組立て作業性を増すことができるので、好ましい。
【0043】また、鉄筋Uはラップジョイントにより接
合しておくものとする。また、前記において、妻枠兼用
のフランジ金物50の外側端50cは内筒21の曲率に
あわせた加工がなされているので、外側端50cを内筒
21の内面を接合することにより、この部分の密閉性を
確保することができるが、密閉性をより確実にするた
め、シール材を妻枠兼用のフランジ金物の外側端50c
と内筒21との間に挟み入れるようにしても良い。
【0044】ところで、前記作業において、鉄筋の組立
および型枠の組立時には、図4および図5に示すよう
に、妻枠押えジャッキ60の押圧部60aを引き込め、
代わりに、妻枠用サポート70を型枠1の内側から突出
させ、妻枠兼用フランジ金物50にかかる覆工材料の圧
力を受け持たせる。
【0045】妻枠押えジャッキ60と妻枠用サポート7
0は、覆工材料の荷重を受け代えるときに同時にこれら
を作用させる事が必要となるが、これは次ぎに手順によ
り行なう。
【0046】すなわち、妻枠部分に当たるジャッキ先端
の押圧部60aは隣に妻枠押えジャッキ60の押圧部6
0aと必要な間隔を開けておき、この間に妻枠用サポー
ト70をその先端が内筒21の嵌合孔21aに挿入され
るまで入れれば良い(図2、図10参照)。
【0047】鉄筋、型枠の組立が終了したならば、妻枠
押えジャッキ60を妻枠兼用フランジ金物50に押しつ
け、打設配管2をジョイント部2につなぎ、次工程(鉄
筋組立室Rへの覆工材料の打設工程)への準備をする。
【0048】(2)鉄筋組立室へのコンクリートの打設 鉄筋U、型枠1、妻枠兼用のフランジ金物50、補助妻
枠51などのセット完了後、打設配管2を通して(矢印
イ)型枠1のジョイント部1cより覆工材料(例えばコ
ンクリート)Cを、図6に示すように、内筒21、妻枠
50、51、型枠1によって囲まれてなる鉄筋組立室R
に打設する。
【0049】(3)補助妻枠および妻枠用サポートの取
り出し 図7に示すように、鉄筋組立室Rへのコンクリートの打
設完了後、鉄筋組立室Rのコンクリートの圧力Prが、
外部コンクリートの圧力Poとほぼ同じようになった時
点で、鉄筋組立室Rの後部の補助妻枠51および妻枠用
サポート70を、図8に示すように、型枠1の内側方向
(矢印イ、ロの方向)に取り出し、ジョイント部1cの
充填口3を閉じる(矢印ハ)。この操作により、打設さ
れていたコンクリートは圧力を常に保持されることにな
る。充填口3を閉じた状態で打設配管2をジョイント部
1cから切り離す。切り離す時期は次回の鉄筋組み立て
室へのコンクリート打設時までに行なえば良い。
【0050】(4)打設準備 外部へのコンクリート打設を実施するにあたっては、圧
力保持ジャッキ25の押出し圧力を高さによる地山圧力
の違いに対応させて、打設したコンクリートが常に地山
の圧力よりも大きい圧力を加えることができるように大
きさに設定するとともに、押出しピストン24のジョイ
ント部27に打設パイプ30を連結し、押出しピストン
24の充填口24aを通してコンクリートピストン室2
3内に覆工材料を供給できるようにセットしておく。
【0051】また、覆工材料としては遅延型のコンクリ
ートなどを適用し、圧力を後方へ伝達させるように設定
しておく。
【0052】なお、コンクリートピストン室23は、あ
らかじめ工場において高精度に製作しておき、シール部
材26が高圧にも耐えるように形成しておくことは言う
までもない。
【0053】(5)コンクリートピストン室へのコンク
リートの打設 図8に示すように、コンクリートの打設準備完了後、コ
ンクリートを供給ポンプ31より打設パイプ30に送
り、この打設パイプ30を通して押出しピストン24の
充填口24aよりコンクリートをコンクリートピストン
室23へ打設する(矢印イ)。
【0054】より具体的には、シールド機10のコンク
リートピストン室23に備えられた押出しピストン24
の圧力保持ジャッキ25の押圧力を調整して、押出しピ
ストン24の作用によって生じるコンクリート圧力Po
を地山圧力Pjよりも高く保持しておき、打設パイプ3
0よりコンクリートをコンクリートピストン室23に向
けて圧力保持ジャッキ25の圧力よりも大きい圧力で供
給して、コンクリートピストン室23内にコンクリート
を打設していくものである。
【0055】なお、この際(コンクリートをコンクリー
トピストン室23に打設する際)、押出しピストン24
は、コンクリートの供給圧力により、圧力保持ジャッキ
25の押圧力に抗する方向に力を受けるが、押出しピス
トン24を押圧する圧力保持ジャッキ25には、設定圧
力よりも大きな圧力を受けたときにジャッキが縮むよう
なリリーフ弁が設けられているため、押出しピストン2
4は、コンクリートの供給とともにシールド機10の前
方に移動し、コンクリートの打設が阻害されることがな
い。また、コンクリートの供給が止ると、圧力保持ジャ
ッキ25の押圧力が押出しピストン24に再び作用し、
シールド機10の進行とともに後方へ移動することとな
る。
【0056】(6)シールド機の掘進 次に、コンクリートピストン室23のコンクリートを後
方へ押出しながら、スキンプレート11前端のカッター
装置12で地山を掘削し、型枠1に反力をとって推進ジ
ャッキ13を駆動させることでシールド機10を掘進さ
せる。この際、コンクリート圧力Poは、地山圧力Pj
よりも大きいので、漏水等の心配がない。
【0057】掘進完了後、図9に示すように、妻枠用サ
ポート70を、型枠の外方(図では矢印イの方向)へ移
動させ、妻枠にかかる覆工材料(コンクリートC)の圧
力を受ける。なお、この妻枠用サポート70のセット方
法については後述する。次いで、すべての妻枠用サポー
ト70を移動させ、覆工材料の圧力を受ける準備ができ
たならば、妻枠押えジャッキ60を引き込める(矢印
ロ)。
【0058】覆工材料の圧力は、妻枠用サポート70に
より保持されるので、妻枠(妻枠兼用のフランジ金物5
0)が壊れて、覆工材料が噴出する事等のアクシデント
が起きることがない。その後、必要な部分の推進ジャッ
キ13を縮め、鉄筋、型枠等のセットを前記手順で行な
い、このような工程を繰り返すことにより、作業を進め
ていく。
【0059】なお、掘進完了後においても圧力保持ジャ
ッキ25によりコンクリートピストン室23内の圧力を
一定に保持しておくことは言うまでもない。
【0060】なお、前記工程中、押出しピストン24の
シール部材26の交換が必要になった場合は、コンクリ
ートの硬化後に、押出しピストン24をコンクリートピ
ストン室23より抜き出し、シール部材26の交換作業
を行なえばよい。
【0061】この作業は、コンクリート硬化後に押出し
ピストン24を圧力保持ジャッキ25を使って抜き出
し、その外周のシール部材26を交換する単純作業であ
り、またその交換作業はコンクリート硬化後に行なわれ
るので、安全に現場で行なうことができる。
【0062】またコンクリート配管の清掃作業が必要と
なった場合には、押出しピストン24に付設された遮断
機構28を使って、充填口24aを塞ぎ、打設パイプ3
0を取り外して、清掃すれば良い。
【0063】この作業は、遮断機構28によって、充填
孔からのコンクリートの流出を防止することができるの
で、コンクリートピストン室23内のコンクリートに圧
力を加えたまま行なうことができ、トンネル覆工時の作
業性が損なわれることがない。
【0064】前記実施例では、シールド機10のテール
部を二重にし、その内部に複数のコンクリートピストン
室23を設け、このコンクリートピストン室23内に押
出しピストン24を設けて、この押出しピストン24を
圧力保持ジャッキ25によって、各コンクリートピスト
ン室23内の圧力を調整するようにしているので、地山
圧力の変化(通常は深度が深いほど圧力が高くなる)に
対応して各室のコンクリートの圧力の管理を個々に行な
うことができ、コンクリート圧力が常に地山圧力より高
く保持することが、確実かつ容易にできる。
【0065】また、実施例では、シールド機のテール部
内にコンクリートピストン室23を設け、あらかじめ工
場において、コンクリートピストン室23に押出しピス
トン24をシールした状態でスライド自在に配設してあ
るため、押出しピストン24のシール部の精度を、シー
ルド機のカッター等可動部のシールと同等に保持するこ
とができ、シールド機の対応可能な地山にはほとんどす
べて対応することができる。
【0066】さらに、実施例では、このようなコンクリ
ートの圧力保持に重要なシールの交換を安全かつ容易に
実施することができるので、長距離掘進時にもシール交
換を行なうことで、常にコンクリート圧力の保持が可能
であるといった利点がある。
【0067】また、実施例では、コンクリートの供給に
伴って、押出しピストン24を前方に移動させ、コンク
リートを押し出す時には、シールド機の後方へ移動させ
るようにしているので、コンクリートピストン室内の圧
力がコンクリートの供給時にもほぼ一定に保つことが可
能になり、この結果、地山や型枠に過度の圧力を与える
ことがなく、地山を押し上げることもなく、また型枠を
必要以上に頑丈にする必要がなくなるといった効果を奏
する。
【0068】また前記により、実施例では、コンクリー
トピストン室23内の圧力を常に、地山の土圧・水圧よ
りも高く保つことが可能になるので、漏水がなく、高強
度の高品質のコンクリートの打設が可能であるといった
利点があり、また、テールボイドへの充填が確実に行な
えるので、地盤沈下のおそれもないといった長所があ
る。
【0069】さらに、実施例では、押出しピストン24
により常に、コンクリートを押圧するように構成してい
るので、硬化時間の長いコンクリートの使用が可能にな
り、1リング毎の配管などの清掃が不要になるといった
効果もある。
【0070】さらに、実施例では妻枠にかかる覆工材料
の圧力を、妻枠押えジャッキ60と妻枠用サポート70
で交互に受ける方式のため、掘進時は妻枠押えジャッキ
60で受け持ち、鉄筋、型枠組立時は妻枠用サポート7
0で受け持つことができるので、それぞれの作業が安全
確実に施工できるといった利点もある。
【0071】また、実施例では、内筒21と型枠1との
間を妻枠兼用のフランジ金物50とこの妻枠兼用のフラ
ンジ金物50に接合される補助妻枠51により塞ぎ、補
助妻枠51の出没を調整することにより、シールド機の
蛇行を調整するようにしているので、作業性を向上でき
るといった利点がある。
【0072】次ぎに、妻枠用サポート70の内周プレー
ト(内筒21)へのセット方法の詳細について説明す
る。
【0073】妻枠用サポート70のセットの手順は、サ
ポート70自身が断面円形の場合には、図10に示すよ
うに、サポート70を延ばし、サポート上端をシールド
機10の内筒21内面に形成した嵌合溝21aに挿入す
る。この操作により、コンクリート圧力の上部の反力
は、妻枠用サポート70と嵌合溝21aとの係合部を介
して内筒21に取られるようになる。
【0074】なお、妻枠用サポート70の断面形状が楕
円形の場合には、最初にサポート70Aを嵌合溝21a
に入れる時には、妻枠との間に隙間が空くように入れる
(図12)。そして、この操作により、サポート70A
と妻枠とが互いに干渉することなく、サポート70Aが
円滑に挿入されることとなる。
【0075】次いで、サポート70Aの上端が嵌合溝2
1aに挿入されたならば、図13に示すように、サポー
ト70Aを周方向に回し、サポート70Aを妻枠に押し
当ててコンクリート圧力を確実に受けることができるよ
うにするものである。
【0076】図14ないし図17は型枠1と鉄筋Uとを
一体化した例を示すもので、図14は妻枠兼用のフラン
ジ金物50と型枠1との連結方法を示す正面図、図15
は鉄筋Uと型枠1との連結方法を示す正面図である。
【0077】なお、図示例では、前記鉄筋Uは、トンネ
ルの長さ方向に延びる鉄筋Vとトンネルの周方向に延び
る鉄筋Wとを一体化したかご状のユニットとされてお
り、鉄筋Vはフランジ金物50の挿入孔に通されて固定
され、また鉄筋Vの差し込む長さが、次の鉄筋Uを組み
立てた時に、必要となるラップ長よりも多少長くなるよ
うに設定された構成となっている。なお、前記鉄筋Vと
フランジ金物50とは、溶接もしくはねじ止め等により
固定された構造となっている。
【0078】一方、鉄筋Wは、溶接もしくは結束等の手
段により鉄筋Vに取付けられており、また鉄筋Wのは、
隣合う鉄筋かご(鉄筋ユニット)と一体化させるため
に、必要となるラップ長以上を、フランジ金物50の端
部から突出させた形態となっている。
【0079】次に、前記鉄筋かごUと型枠1との一体化
手段については、図示例では複数(図示例では前後2個
ずつ)の繋ぎ金物80が適用されている。この繋ぎ金物
80は、具体的には、図16に示すような構造となって
いる。
【0080】すなわち、繋ぎ金物80は、型枠1と鉄筋
かごUとを連結する繋ぎ棒81と、この繋ぎ棒81の上
端のおねじ81aに螺合されかつフランジ金物50もし
くは鉄筋かごUに取り付けられる長ナット82と、型枠
1の面板1aの内面に固定され前記繋ぎ棒81を支持す
る支持部材83と、前記繋ぎ棒81の下端のおねじ81
bに螺合され支持部材83に繋ぎ棒81を止める上下2
個のナット84、85とを主体として構成されている。
【0081】なお、前記繋ぎ棒81は、型枠1の面板1
aを貫通して配設されるようになっており、また、繋ぎ
棒81の下端のおねじ81bは支持部材83の下端より
長く突出して形成され、これにより、鉄筋かごUと型枠
1との位置調整を容易に行なえるようになっている。
【0082】また、前記長ナット82としては、例え
ば、図17に示すように、鉄筋W(Vでもよい)を挿入
する挿入部82aを備えたものなどでも良く、挿入部8
2aに付属の取付ねじ82bにより鉄筋W(Vでもよ
い)を締め付け、固定するものである。なお、型枠1を
解体するときには、ナット84を緩め、繋ぎ棒81を回
転させて長ナット82との螺合を解き、繋ぎ棒81を外
せば良い。
【0083】しかして、このような鉄筋かごUと型枠1
とを一体化した型枠ユニットによって、シールドトンネ
ルの覆工作業を行なう手順は、図18ないし図24に示
す通りである。
【0084】まず、図18は、この型枠ユニットの分割
例を示すもので、シールド機10の内側において、この
型枠ユニットを組み立てる構造上、型枠ユニットは、型
枠1およびフランジ金物50の幅方向の両面が外方に行
くに従ってテーパ状に登り勾配に傾斜したくさび型の第
1型枠ユニット100Aと、この第1型枠ユニット10
0Aの両側に接合されるべく型枠1およびフランジ金物
50の一方の接合面が傾斜した第2型枠ユニット100
Bと、この第2型枠ユニット100Bの他方の接合部に
接合されかつ型枠1およびフランジ金物50の両接合面
がトンネルTの半径方向に沿って延びる形態の第3型枠
ユニット100Cとの3種類の形態のユニットにより構
成されている。
【0085】このような3種類の形態の型枠ユニットを
実際にトンネル内において組み立てるには、まず、図1
8下方に位置する第3型枠ユニット100Cを周方向に
連結し、この第3型枠ユニット100Cに連続して第2
型枠ユニット100Bを組み、最後に第1型枠ユニット
100Aを組み込めば、図18に示すような型枠と鉄筋
が構築される。
【0086】図19は、これら型枠ユニットの鉄筋の取
り合いをより具体的に表した正面図であり、各型枠ユニ
ット100A、100B、100Cに備えられた鉄筋か
ごの円周方向の鉄筋Wはフランジ金物50の両側部より
突出して鉄筋のラップ部を形成しており、また、第1の
型枠ユニット100Aの外周にはこの型枠ユニット10
0Aとは別添えの補強つなぎ鉄筋W1が配設された構造
となっている。
【0087】なお、図20ないし図23には、前記型枠
ユニットのより具体的な施工方法が示されており、図1
9に示すように、この型枠ユニット100A、100
B、100Cを円筒状に組み立てた状態とするには、ま
ず、図20に示すように、第3の型枠ユニット100C
を設置し、この第3の型枠ユニット100Cに隣接し
て、図中矢印イに示すように、別の第3の型枠ユニット
100Cを落とし込む。図21にはトンネル下方に位置
する2つの第3の型枠ユニット100Cを相互に接合し
た状態が示されている。
【0088】次いで、同じ操作によって、第3の型枠ユ
ニット100CをトンネルTの周方向に4つ接合してい
き、図22に示すように、第3の型枠ユニット100C
の上に、第2の型枠ユニット100Bを接合する。第2
の型枠ユニット100Bは、図22に示すように、鉄筋
かごUの鉄筋Wの一方(第1の型枠ユニット100Aに
臨む方)をフランジ金物50の端面に揃えておき、図中
右側に位置する第2の型枠ユニット100Bの鉄筋Wに
添わせて補強つなぎ鉄筋W1を取り付けておく。
【0089】そして、図中左側に位置する第2の型枠ユ
ニット100Bを上にあげつつ回転させて、第3の型枠
ユニット100Cの上端にセットする。
【0090】第2の型枠ユニット100Bを2つ、第3
の型枠ユニット100Cを4つそれぞれ組み立てたなら
ば、内側の補強つなぎ鉄筋W2を組み付け、最後に第1
の型枠ユニット100Aを第2の型枠ユニット100B
間に挿入して、第2の型枠ユニット100Bに組み付け
れば、図19に示すような型枠と鉄筋との構築状態が完
成する。
【0091】なお、前記した例では、鉄筋Vが鉄筋Wの
外側にあるが、図24に示すように、鉄筋Vと鉄筋Wの
配置が内外が逆の場合も同様の作業で良いことは勿論で
ある。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように本発明のシールドト
ンネルの覆工方法は、シールド機先端のカッター装置に
より地山を掘削しつつ掘削されたトンネルの周壁を所定
の間隔を空けて型枠によって覆い、この型枠と前記周壁
との間に鉄筋を配置するとともに覆工材料を供給し、ト
ンネル内面を覆工するようにしたシールドトンネルの覆
工方法であって、シールド機のスキンプレートのテール
部を、外筒と内筒とにより二重に形成するとともに、こ
のテール部の外筒と内筒との間にスキンプレートの半径
方向に延びる隔壁を複数形成して押出しピストンが収ま
る複数のコンクリートピストン室を設けておき、前記内
筒の内側において鉄筋を配置するとともに内筒と型枠と
の間を閉塞する妻枠兼用のフランジ金物を、その外側端
が内筒の内面に接するようにセットし、前記妻枠兼用の
フランジ金物の内側端と型枠の外面との間の隙間を、型
枠の内側から補助妻枠を突出させて塞いだ後、内筒、型
枠、妻枠により囲まれてなる鉄筋組立室に覆工材料を打
設する際並びにシールド機を掘進する際に、シールド機
内側において、前記妻枠を地山圧力よりも高い圧力で妻
枠押えジャッキにより押し付け、一方、鉄筋を組み立て
る際には、妻枠押えジャッキに代えて型枠の内側から型
枠にかかる負荷を受ける妻枠用サポートを突出させて、
覆工材料の圧力を常に地山圧力よりも高く保持するよう
にしておき、コンクリートピストン室から型枠と地山と
の間に覆工材料を打設し、前記鉄筋組立室の覆工材料の
圧力と外部覆工材料の圧力とが等しい時点で、後部の補
助妻枠を取り出して鉄筋組立室内の覆工材料と外部覆工
材料とを一体化させ、圧力保持ジャッキによりコンクリ
ートピストン室内の押出しピストンを覆工材料の圧力が
地山の土圧、水圧よりも高い圧力になるように押圧しつ
つシールド機を掘進させることを特徴とするとするもの
であるから、圧力の保持を十分に実施し得て圧力の低下
を確実に防止することができるとともに、漏水がなく、
高強度の高品質の覆工材料の打設が可能になるといった
優れた効果を奏する。
【0093】しかも、本発明では、覆工材料の打設およ
び掘進時には、妻枠押えジャッキにより妻枠を押し付
け、また鉄筋組立時には、妻枠用サポートで妻枠にかか
る荷重を受け直して妻枠押えジャッキを引き込め、鉄筋
組と型枠セットとを行なうので、新規組立の鉄筋と先行
の鉄筋部分を緊結する必要がなく、鉄筋と型枠を坑外な
どで一緒に仮組立することが可能になる。したがって、
本発明では、前記鉄筋と型枠とを工場などで行なうこと
により、通常のシールド工事のセグメント組立と同様な
作業により、施工作業を行なうことができ、シールドト
ンネルの施工を迅速かつ安全に行なうことができるとい
った効果もある。
【0094】なお、型枠の外周に鉄筋と妻枠兼用のフラ
ンジ金物を一体に組み付けた型枠ユニットを構築してお
き、この型枠ユニットにより型枠を組むようにすると、
作業能率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シールド機が地山を掘削している状態を示すト
ンネルの側断面図である。
【図2】図1イーイ線に沿う矢視断面図である。
【図3】図1ローロ線に沿う矢視断面図である。
【図4】推進ジャッキを引き込め、妻枠用サポートで妻
枠を支持している状態を示す断面図である。
【図5】推進ジャッキによりシールド機を掘進している
状態を示す断面図である。
【図6】鉄筋組立室内に覆工材料を充填している状態を
示す断面図である。
【図7】鉄筋組立室内に覆工材料を充填した状態を示す
断面図である。
【図8】妻枠押えジャッキにより妻枠を押圧し、コンク
リートピストン室に覆工材料を送っている状態を示す断
面図である。
【図9】妻枠押えジャッキと妻枠用サポートとにより妻
枠を支持している状態を示す断面図である。
【図10】妻枠用サポートの先端部の取り合いを示す断
面図である。
【図11】断面円形の妻枠用サポートを内筒の嵌合孔に
挿入した状態を示す平面図である。
【図12】断面楕円形の妻枠用サポートを内筒の嵌合孔
に挿入した状態を示す平面図である。
【図13】断面楕円形の妻枠用サポートを内筒の嵌合孔
に挿入した状態を示す平面図である。
【図14】型枠と鉄筋とを一体化した型枠ユニットの側
面図である。
【図15】型枠と鉄筋とを一体化した型枠ユニットの側
面図である。
【図16】型枠と鉄筋を接続する繋ぎ金物の側面図であ
る。
【図17】繋ぎ金物の長ナットの別の例を示す側面図で
ある。
【図18】型枠ユニットの分割構造を説明するために示
した正面図である。
【図19】型枠ユニットの分割構造を詳細に説明するた
めに示した正面図である。
【図20】型枠ユニットの接合作業を説明するために示
した正面図である。
【図21】型枠ユニットの接合作業を説明するために示
した正面図である。
【図22】型枠ユニットの接合作業を説明するために示
した正面図である。
【図23】型枠ユニットの接合作業を説明するために示
した正面図である。
【図24】鉄筋の配置が別の型枠ユニットの分割構造を
詳細に説明するために示した正面図である。
【符号の説明】
T トンネル 1 型枠 10 シールド機 11 スキンプレート 12 カッター装置 13 推進ジャッキ 20 外筒 21 内筒 22 隔壁 23 コンクリートピストン室 24 押出しピストン 25 圧力保持ジャッキ 50 妻枠兼用のフランジ金物 51 補助妻枠 60 妻枠押えジャッキ 70 妻枠用サポート
フロントページの続き (72)発明者 根上 義昭 東京都中央区京橋二丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (72)発明者 河井 徹 東京都中央区京橋二丁目16番1号 清水 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−190898(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E21D 11/10 E21D 9/06 301

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールド機先端のカッター装置により地
    山を掘削しつつ掘削されたトンネルの周壁を所定の間隔
    を空けて型枠によって覆い、この型枠と前記周壁との間
    に鉄筋を配置するとともに覆工材料を供給し、トンネル
    内面を覆工するようにしたシールドトンネルの覆工方法
    であって、シールド機のスキンプレートのテール部を、
    外筒と内筒とにより二重に形成するとともに、このテー
    ル部の外筒と内筒との間にスキンプレートの半径方向に
    延びる隔壁を複数形成して押出しピストンが収まる複数
    のコンクリートピストン室を設けておき、前記内筒の内
    側において鉄筋を配置するとともに内筒と型枠との間を
    閉塞する妻枠兼用のフランジ金物を、その外側端が内筒
    の内面に接するようにセットし、前記妻枠兼用のフラン
    ジ金物の内側端と型枠の外面との間の隙間を、型枠の内
    側から補助妻枠を突出させて塞いだ後、内筒、型枠、妻
    枠により囲まれてなる鉄筋組立室に覆工材料を打設する
    際並びにシールド機を掘進する際に、シールド機内側に
    おいて、前記妻枠を地山圧力よりも高い圧力で妻枠押え
    ジャッキにより押し付け、一方、鉄筋を組み立てる際に
    は、妻枠押えジャッキに代えて型枠の内側から型枠にか
    かる負荷を受ける妻枠用サポートを突出させて、覆工材
    料の圧力を常に地山圧力よりも高く保持するようにして
    おき、コンクリートピストン室から型枠と地山との間に
    覆工材料を打設し、前記鉄筋組立室の覆工材料の圧力と
    外部覆工材料の圧力とが等しい時点で、後部の補助妻枠
    を取り出して鉄筋組立室内の覆工材料と外部覆工材料と
    を一体化させ、圧力保持ジャッキによりコンクリートピ
    ストン室内の押出しピストンを覆工材料の圧力が地山の
    土圧、水圧よりも高い圧力になるように押圧しつつシー
    ルド機を掘進させることを特徴とするシールドトンネル
    の覆工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシールドトンネルの覆工
    方法において、予め型枠の外周に鉄筋と妻枠兼用のフラ
    ンジ金物とを一体に組み付けた型枠ユニットを構成して
    おき、この型枠ユニットを組み立てていくことを特徴と
    するシールドトンネルの覆工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のシールドトンネルの覆工
    方法において、型枠の外周に鉄筋と妻枠兼用のフランジ
    金物とを一体に組み付けた型枠ユニットを、自身の幅方
    向にテーパーを付けたくさび型の型枠を備えたくさび型
    の第3型枠ユニットと、このくさび型の第3型枠ユニッ
    トの両側に配置されてくさび型の型枠との接合面のみを
    テーパーにした第2型枠ユニットと、この第2型枠ユニ
    ットの他方の接合面に連続して組み立てられる第1型枠
    ユニットとの3種類の型枠ユニットより構成しておき、
    第1型枠ユニットをその長さ方向に沿って接続するとと
    もに、第2型枠ユニットを前記第1型枠ユニットに連続
    して組み立てた後、最後に第3型枠ユニットを第2型枠
    ユニットの間に差し込み、第2型枠ユニットに組み付け
    ることを特徴とするシールドトンネルの覆工方法。
JP3032199A 1991-01-31 1991-01-31 シールドトンネルの覆工方法 Expired - Lifetime JP2829682B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3032199A JP2829682B2 (ja) 1991-01-31 1991-01-31 シールドトンネルの覆工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3032199A JP2829682B2 (ja) 1991-01-31 1991-01-31 シールドトンネルの覆工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04247200A JPH04247200A (ja) 1992-09-03
JP2829682B2 true JP2829682B2 (ja) 1998-11-25

Family

ID=12352239

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3032199A Expired - Lifetime JP2829682B2 (ja) 1991-01-31 1991-01-31 シールドトンネルの覆工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2829682B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4731308B2 (ja) * 2005-12-20 2011-07-20 株式会社奥村組 トンネル掘削機のカッタ板
JP4731307B2 (ja) * 2005-12-20 2011-07-20 株式会社奥村組 トンネル掘削機のカッタヘッド
JP2007169944A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Okumura Corp トンネル掘削機のカッタ板とその回収方法
CN110967252A (zh) * 2019-12-02 2020-04-07 济南大学 模拟盾构隧道施工对既有隧道影响的装置及其使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04247200A (ja) 1992-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4537229B2 (ja) トンネル施工方法
US4786206A (en) Lining tunnel wall made by shield type tunnel excavator
JP2829682B2 (ja) シールドトンネルの覆工方法
JP2810929B2 (ja) シールドトンネルの覆工方法
JP3154029B2 (ja) シールドトンネルの覆工方法
JP2936236B2 (ja) シールドトンネルの覆工方法
JP2881666B2 (ja) シールド掘進機及びシールドトンネルの履工方法
JP3309304B2 (ja) シールドトンネルの覆工方法及びシールド機の妻枠構造
JP2634883B2 (ja) トンネル覆工の構築方法
JP2932323B2 (ja) シールド掘進機
JPH0813978A (ja) シールドトンネルの覆工方法における型枠移動防止方法及び装置
JPH05118194A (ja) 場所打ちライニングシールド工法におけるライニングのシール方法
JPH0791955B2 (ja) 場所打ちライニングシールド工法におけるライニングのシール方法及びプレスリング
JP3299903B2 (ja) トンネル覆工構造およびトンネル構築方法
JP2676691B2 (ja) シールド及びシールドを用いた覆工の構築方法
JP2009121099A (ja) 場所打ちライニングシールド工法及びシールド掘進機
JP2000257392A (ja) 止水用型枠およびそれを用いたトンネルの施工方法
JP2709886B2 (ja) シールド機におけるシール装置
JPH0519000B2 (ja)
JPH05311995A (ja) じゃばら鋼板を用いた坑道構造物の構築方法
JPH10325299A (ja) シールド掘削機およびそれを用いたトンネル覆工方法
JPH02178500A (ja) シールド掘削機及び覆工構築方法
JPH10184285A (ja) シールド掘削機における妻型枠
JP2526312B2 (ja) シ―ルド掘進機およびこれを用いた現場打ちライニング型シ―ルド工法
JPH05195694A (ja) 場所打ちライニングシールド工法におけるライニングのシール方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980728

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100925

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110925

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110925

Year of fee payment: 13