JPH07268564A - ボロン添加ステンレス鋼用溶接材料及び溶接方法 - Google Patents

ボロン添加ステンレス鋼用溶接材料及び溶接方法

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JPH07268564A
JPH07268564A JP8525794A JP8525794A JPH07268564A JP H07268564 A JPH07268564 A JP H07268564A JP 8525794 A JP8525794 A JP 8525794A JP 8525794 A JP8525794 A JP 8525794A JP H07268564 A JPH07268564 A JP H07268564A
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好宏 多田
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重  隆司
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幸博 河合
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正明 中村
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繁 松元
Masanari Osono
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶接割れを防止するとともに、耐食性の劣化
を防止できるボロン添加ステンレス鋼用溶接材料を提供
しようとするものである。 【構成】 B添加ステンレス鋼用溶接材料において、C
=0.01〜0.08wt%、Si=0.10〜0.65wt%、Mn=1.0
〜2.5 wt%、P=0.01〜0.03wt%、S=0.001 〜0.03wt
%、Ni=9.0 〜11.0wt%、Cr=19.5〜25.0wt%、B
=0.1 〜1.3 wt%、Mo=0.1 〜1.5 wt%、Fe=残
部、及び、不可避不純物を含有することを特徴とするB
添加ステンレス鋼用溶接材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボロン(B)添加ステ
ンレス鋼の溶接に適用される溶接材料に関し、特に、核
燃料貯蔵容器や核燃料移送容器の溶接に適した溶接材
料、及び、その溶接材料を用いる溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ボロンは材料の溶接性に対して有害な元
素であるところから、ボロン添加ステンレス鋼を溶接す
るのに用いる溶接材料にも、一般的に、ボロンを含まな
い溶接材料が使用されてきた。しかし、溶接時に、母材
希釈によって母材中のボロンが溶接金属中に溶け込んで
溶接割れを発生することがある。この溶接割れは、溶接
金属中に溶け込んだボロンが鉄やニッケルと低融点の共
晶金属を作り、これが凝固時の収縮応力によって開口す
るためと考えられる。
【0003】そこで、溶接割れを防止するB添加ステン
レス鋼用溶接棒として、Bが0.4 〜0.7 wt%、Sが0.01
5 wt%以下、Pが0.035 wt%以下であるオーステナイト
系ステンレス鋼組成が提案された(特開平5─6918
6号公報参照)。上記の溶接棒は、溶接割れを防止する
効果はあるものの、溶接金属中のボロンがクロムと反応
してホウ化物(ボライド)を生成し易くなるので、その
周辺ではクロムが消費され、耐食性が低下する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記の欠点を解消し、溶接割れを防止するとともに、耐食
性の劣化を防止できるボロン添加ステンレス鋼用溶接材
料を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) B添加ス
テンレス鋼用溶接材料において、C=0.01〜0.08wt%、
Si=0.10〜0.65wt%、Mn=1.0 〜2.5 wt%、P=0.
01〜0.03wt%、S=0.001 〜0.03wt%、Ni=9.0 〜1
1.0wt%、Cr=19.5〜25.0wt%、B=0.1 〜1.3 wt
%、Mo=0.1 〜1.5 wt%、Fe=残部、及び、不可避
不純物を含有することを特徴とするB添加ステンレス鋼
用溶接材料、及び、(2) 上記(1) 記載の溶接材料を用
い、B含有ステンレス鋼継手を溶接し、溶融金属のマト
リックス中のCrとMoの含有量が下記式を満たすこと
を特徴とする溶接方法。 Cr+2Mo≧17.5wt%、Cr+3Mo≧18.5wt%
【0006】
【作用】B添加ステンレス鋼をBを含有しない従来の溶
接材料で溶接すると、溶接時に母材を溶かすため、約20
〜30wt%の母材成分が溶接金属中に入ってくる。B添加
ステンレス鋼のB含有量は、数%以下であるため、溶接
金属中に入ってくるB量は微量であるが、逆に微量であ
るために、溶接金属が凝固するときに凝固中の金属間に
のみ集められ、融点が低いために周囲が凝固を完了して
も、融液で残留する時点がある。この時に周囲の凝固収
縮歪みが加わって開口し、割れに至る。
【0007】そこで、本発明では、溶接材料に積極的に
Bを添加して、溶接金属中のB量を増加させることによ
り、Bをほぼ均等に散在させ、かつ、溶接時にB−F
e、B−Ni等の低融点金属が多量に生成され、凝固時
の収縮歪みによる開口部への融液補填が十分になされ、
その結果、溶接割れを防止することができる。
【0008】他方、溶接金属の耐食性は主にCrによっ
て確保されているが、材料中のBが溶接中にCrと反応
してボライト(Cr2 B)を生成するため、その周辺の
Crが消費されてCr含有量が減少し、耐食性が低下す
る原因となる。そこで、本発明では、B添加に伴う耐食
性低下をMoの添加により補い、溶接割れと耐食性の低
下を同時に防止することに成功した。
【0009】本発明のB添加ステンレス鋼用溶接材料の
各成分の添加理由を説明すると下記のとおりである。C
の添加量は、0.01〜0.08wt%の範囲、好ましくは0.01〜
0.05wt%の範囲、より好ましくは0.01〜0.03wt%の範囲
である。0.01wt%を下回ると、強度が低くなり過ぎ、0.
08wt%を上回ると、耐食性が悪くなるので好ましくな
い。
【0010】Siの添加量は、0.10〜0.65wt%の範囲、
好ましくは0.15〜0.40wt%の範囲、より好ましくは0.20
〜0.30wt%の範囲である。0.10wt%を下回ると、脱酸効
果が十分でなく、0.65wt%を上回ると、溶接割れが出や
すくなるので好ましくない。
【0011】Mnの添加量は、1.0 〜2.5 wt%の範囲、
好ましくは1.5 〜2.5 wt%の範囲、より好ましくは1.5
〜2.3 wt%の範囲である。1.0 wt%を下回ると、脱酸効
果及び強度が十分でなく、2.5 wt%を上回ると、強度が
上がり過ぎるため好ましくない。
【0012】Pの添加量は、0.01〜0.03wt%の範囲、好
ましくは0.01〜0.02wt%の範囲、より好ましくは0.01〜
0.015 wt%の範囲である。溶接割れを防止するためには
できるだけ少ない方がよいが、オーステナイト系ステン
レス鋼での実績から、0.03wt%以下にするのが好まし
く、コスト面及び一般の溶接材料の実績から、0.01wt%
以上が好ましい。
【0013】Sの添加量は、0.001 〜0.03wt%の範囲、
好ましくは0.001 〜0.005 wt%の範囲、より好ましくは
0.001 〜0.003 wt%の範囲である。溶接割れを防止する
ためにはできるだけ少ない方がよいが、オーステナイト
系ステンレス鋼での実績から、0.03wt%以下にするのが
好ましく、コスト面及び一般の溶接材料の実績から、0.
001wt %以上が好ましい。
【0014】Niの添加量は、9.0 〜11.0wt%の範囲、
好ましくは9.5 〜11.0wt%の範囲、より好ましくは10.0
〜11.0wt%の範囲である。耐食性を確保するために、9.
0 wt%以上の添加が必要であり、コストを抑え、線引き
加工性を劣化させないためには、11.0wt%以下にするの
が好ましい。
【0015】Crの添加量は、19.5〜25.0wt%の範囲、
好ましくは20.5〜25.0wt%の範囲、より好ましくは21.5
〜25.0wt%の範囲である。耐食性を確保するために必要
な成分であり、全面腐食及び隙間腐食を防止するため
に、Mo量との関連で決定することが好ましいが、コス
ト面からJIS規格に沿って19.5wt%以上とし、線引き
加工性を損なわない範囲である25.0wt%以下とすること
が好ましい。
【0016】Moの添加量は、0.1 〜1.5 wt%の範囲、
好ましくは0.5 〜1.5 wt%の範囲、より好ましくは0.8
〜1.2 wt%の範囲である。Crと同様に耐食性を左右す
る成分であり、特に塩素に対して有効である。上限の1.
5 wt%は、最も厳しい場合の母材の最大B量(1.3 wt
%)が溶接金属中に入るときの有効Crの減少量〔約3.
3 wt%(1.3 ×2.5 )〕をMoで補うように設定した。
また、下限値の0.1 wt%は、通常の溶接時の母材希釈に
より、溶接金属中に入る母材からのB量(約0.3wt%)
をMoで補うように設定した。
【0017】Bの添加量は、0.1 〜1.3 wt%の範囲、好
ましくは0.2 〜1.0 wt%の範囲、より好ましくは0.3 〜
1.0 wt%の範囲である。0.1 wt%を下回ると、溶接割れ
が発生し易く、1.3 wt%は母材の上限値であり、母材希
釈においてもこれ以上にする必要はなく、溶接割れも発
生しない範囲として設定した。
【0018】特に、CrとMoの添加量については、C
r+2Mo≧17.5wt%で、かつCr+3Mo≧18.5wt%
の範囲とすることにより、上記の効果をより確実なもの
にすることができる。なお、全面腐食速度は(Cr+2
Mo)の量に整理することができ(幸英昭、長野博夫著
「住友金属」Vol.41,No.3 (1989.7), 第 377頁第7図参
照)、すき間腐食減量は(Cr+3Mo)の量に整理す
ることができる。(幸英昭、長野博夫著「防食技術」Vo
l.37,No.12 (1988.12), 第 729頁第9図及び第10図参
照)
【0019】なお、本発明の溶接材料を適用するのに適
したB添加ステンレス鋼の組成の例を示すと次のとおり
である。 C=0.015 〜0.08wt%、Si=0.2 〜0.6 wt%、Mn=
1.2 〜2.0 wt%、P=0.015 〜0.03wt%、S=0.001 〜
0.002wt %、Ni=9.1 〜13.5wt%、Cr=19.6〜24.5
wt%、B=0.5 〜1.3 wt%、Mo=0.01〜0.2 wt%、F
e=残部。
【0020】
【実施例】
(実施例1)Bを添加したB−SUS304鋼(表1の
鋼2〜鋼14)と、Bを添加していないSUS304鋼
(表1の鋼1)のB添加量を変化させた溶接材料(表2
のa材〜f材)を使用してティグ溶接ですみ肉溶接し、
溶接割れを調べて図1に示した。図1から明らかなよう
に、B=0.1 〜1.5 wt%の間で溶接割れが発生しないこ
とが分かる。なお、割れの原因は溶接時に生成される低
融点の共晶金属によるものであり、Bを含むステンレス
鋼が生ずることが知られている(「ステンレス鋼便覧」
第354頁参照)。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】(実施例2)次に、B添加ステンレス鋼B
−SUS304(表1の鋼4)の表面に、B未添加ステ
ンレス鋼SUS304(表1の鋼1)を垂直に立て、B
0.12wt %及びMo 0.62 wt%を含有する溶接材料(表
2のb材)、並びに、B及びMoを添加していない溶接
材料(表2のa材)を用いてすみ肉溶接を行い、溶接金
属の断面を顕微鏡で調べた。
【0024】図2は、B及びMoを含有する溶接材料b
材を用いた溶接金属の3倍、100倍及び500倍の顕
微鏡写真である。この写真から明らかなように、溶接割
れを認めることはできなかった。また、図3は、B及び
Mo未添加の溶接材料a材を用いた溶接金属の5倍、1
00倍及び500倍の顕微鏡写真である。この写真から
明らかなように、溶接割れが認められた。
【0025】(実施例3)表1記載の材料を用い、同じ
材料から切出した線材を溶接材料とし、ティグ溶接によ
り電流 100±5 A、電圧10±2 V、速度 8±2 cm/min
の条件で溶接した溶接継手から機械加工により採取した
試験片を、オートクレーブ中の試験液(蒸留水+2200pp
m B+ 500ppm Cl-1)に浸漬し、試験液面が空気と触
れて試験液中に自由に空気が入り得る状態(空気飽和と
いう)を保持し、試験温度を80℃、試験時間を 720時間
として全面腐食速度試験を行い、その結果を図4に示し
た。図4から明らかなように、マトリックス中の(Cr
+2Mo)量が、17.5wt%以上の場合は、実質的に全面
腐食が発生しないことが分かる。
【0026】なお、図4の横軸は、マトリックス中の
(Cr+2Mo)量を採用した。ボライト(Cr2 B)
生成に伴うCrの減少量は、Bの添加量の約2.5倍で
あるところから、表1のB量の2.5倍のCrがボライ
ト中に存在すると推定し、マトリックス中のCr量は、
溶接材料中のCr量からボライト中のCr量を引いた値
として表1に示した。このマトリックス中のCr量と溶
接材料中のMo量から、(Cr+2Mo)量を求めた。
また、図4中、表1の溶接材料3については4回の実験
結果を示し、溶接材料11は3回、その他の溶接材料は
2回の実験結果を併記した。
【0027】(実施例4)実施例3と同じ条件で作製し
た試験片を使用して同じ条件ですき間腐食減量試験を行
い、その結果を図5に示した。図5から明らかなよう
に、マトリックス中の(Cr+3Mo)量が、18.5wt%
以上の場合は、実質的にすき間腐食が発生しないことが
分かる。なお、図5の横軸は、マトリックス中の(Cr
+3Mo)量を採用した。算出法は実施例3に準じて行
った。また、図5中、表1の溶接材料はそれぞれ2回の
実験結果を示した。
【0028】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、溶接割れと耐食性を確保できる溶接材料の提供が
可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る溶接金属中のB量と割れの関係
を示した図である。
【図2】実施例2でB及びMoを含有する溶接材料を用
いた溶接部の組織図である。
【図3】実施例2でB及びMoを含有しない溶接材料を
用いた溶接部の組織図である。
【図4】実施例3で全面腐食速度とマトリックス中の
(Cr+2Mo)量の関係を示した図である。
【図5】実施例4ですき間腐食減量とマトリックス中の
(Cr+3Mo)量の関係を示した図である。
フロントページの続き (72)発明者 中村 正明 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 松元 繁 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 大園 勝成 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 B添加ステンレス鋼用溶接材料におい
    て、C=0.01〜0.08wt%、Si=0.10〜0.65wt%、Mn
    =1.0 〜2.5 wt%、P=0.01〜0.03wt%、S=0.001 〜
    0.03wt%、Ni=9.0 〜11.0wt%、Cr=19.5〜25.0wt
    %、B=0.1 〜1.3 wt%、Mo=0.1 〜1.5 wt%、Fe
    =残部、及び、不可避不純物を含有することを特徴とす
    るB添加ステンレス鋼用溶接材料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の溶接材料を用い、B含有
    ステンレス鋼継手を溶接し、溶融金属のマトリックス中
    のCrとMoの含有量が下記式を満たすことを特徴とす
    る溶接方法。 Cr+2Mo≧17.5wt% Cr+3Mo≧18.5wt%
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010071868A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 使用済核燃料貯蔵ラックの製造方法、その方法に用いられる溶加材及びその方法により製造された使用済核燃料貯蔵ラック

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