JPH07268482A - 歯車部材の焼入れ方法及びその装置 - Google Patents

歯車部材の焼入れ方法及びその装置

Info

Publication number
JPH07268482A
JPH07268482A JP8566794A JP8566794A JPH07268482A JP H07268482 A JPH07268482 A JP H07268482A JP 8566794 A JP8566794 A JP 8566794A JP 8566794 A JP8566794 A JP 8566794A JP H07268482 A JPH07268482 A JP H07268482A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear member
coolant
gear
quenching
helical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8566794A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyuki Oda
和幸 織田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP8566794A priority Critical patent/JPH07268482A/ja
Publication of JPH07268482A publication Critical patent/JPH07268482A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 歯車部材の歯の全表面を均一に冷却できる歯
車部材の焼入れ方法及びその装置を提供する。 【構成】 プレス焼入れ装置は、左右方向に移動可能な
下部可動ユニット3と、下部可動ユニット3に対して昇
降する押圧ユニット4とを有し、加熱されたハスバ歯車
からなる歯車部材2を支持板22上にセット後、軸受け
40により回転自在のセンタヘッド39と、エキスパン
ダー42とで歯車部材2の内側から拘束し、軸受け48
により回転自在の押圧ヘッド45により歯車部材2の外
周部を押圧し、ウォームギヤ23とウォームホイール2
4とで支持板22を回転させ、歯車部材2を回転させな
がら、冷却剤通路28,29へ冷却剤を供給して歯車部
材2を冷却して焼入れする。冷却剤の流量と、歯車部材
2の回転方向及び回転速度を制御することにより、歯車
部材2の歯に沿う冷却剤の流れの方向を、ハスバの形成
方向と平行にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯車部材の焼入れ方法
及びその装置に関し、特に、歯車部材を回転させながら
プレス焼入れする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、歯車部材等を加熱してから焼入れ
する場合に、熱歪みにより変形するのを防止する為に、
歯車部材をその軸心を鉛直方向に向けて支持部材と押圧
ヘッド間に挟持拘束した状態で、油等の冷却剤を歯車部
材の下側から上方に流して冷却する歯車部材の焼入れ方
法及びそのプレス焼入れ装置は、公知であり、前記プレ
ス焼入れ装置において、冷却速度を調節する為に、冷却
剤の流量を制御する技術も公知である(例えば、特開平
4−99121号公報参照)。従来のプレス焼入れ装置
において、歯車部材を載置支持する為の円板状の支持部
材は、高さ位置調節可能に形成されることもあるが、こ
の支持部材を回転させるようには構成されておらず、前
記歯車部材を焼入れする際、歯車部材は静止状態に保持
した状態で冷却剤で冷却して焼入れ処理される。
【0003】尚、参考までに、高周波焼入れ装置におい
ては、焼入れ処理対象のワークを回転テーブル上に支持
し、この回転テーブル上にワークを拘束した状態におい
て、回転テーブルを介してワークを回転させつつ焼入れ
処理する技術も公知である(特公昭56−17407号
公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の、歯車部材をプ
レス焼入れ装置により焼入れする技術においては、歯車
部材を静止状態に保持して焼入れ処理するため、歯車部
材の歯の全表面に同一の条件で冷却剤が供給されること
がなく、冷却剤の流速や温度にバラツキが生じて、歯車
部材の歯の全表面を一様に焼入れすることが困難であっ
た。その結果、歯車部材の歯面の形状や硬度のバラツキ
が大きくなり、歯当り性能が低下して駆動力伝達性が低
下し、振動やノイズが発生しやすくなるという問題があ
る。以上の課題は、平歯車やハスバ歯車等の種々の歯車
部材に一般に該当することである。
【0005】更に、特に滑らかな駆動力伝達性が要求さ
れるハスバ歯車からなる歯車部材を、プレス焼入れ装置
により冷却剤を用いて焼入れ処理する場合、図6に図示
のように、冷却剤の流れCが、一方の歯面Fa(専門用
語で左歯面という)にのみ流入するため、一方の歯面の
焼入れ度合いが高くなるが、他方の歯面Fb(専門用語
で右歯面という)の焼入れ度合いが低くなってしまうと
いう問題がある。その結果、歯車部材の歯面Fa,Fb
の形状の、正規のインボリュート曲面形状に対する誤差
が大きくなって、歯面の形状や硬度のバラツキが大きく
なり、歯当り性能が低下して駆動力伝達性が低下し、振
動やノイズが発生しやすくなるという問題がある。本発
明の目的は、歯車部材の歯の全表面を均一に冷却できる
歯車部材の焼入れ方法及びその装置、ハスバ歯車部材の
全表面を均一に冷却できる歯車部材の焼入れ方法及びそ
の装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の歯車部材の焼
入れ方法は、歯車部材を加熱してから、プレス焼入れ装
置により冷却剤を用いて冷却する焼入れ方法において、
前記歯車部材を回転させながら冷却剤で冷却することを
特徴とするものである。請求項2の歯車部材の焼入れ方
法は、歯車部材を加熱した状態で支持部材と押圧ヘッド
間に挟持拘束し、その歯車部材を冷却剤を用いて冷却す
る焼入れ方法において、前記歯車部材を回転させながら
冷却剤で冷却することを特徴とするものである。
【0007】請求項3の歯車部材の焼入れ方法は、ハス
バ歯車からなる歯車部材を加熱した状態で支持部材と押
圧ヘッド間に挟持拘束し、その歯車部材を冷却剤を用い
て冷却する焼入れ方法において、前記支持部材と押圧ヘ
ッドを介して歯車部材を回転させながら冷却剤で冷却す
ることを特徴とするものである。請求項4の歯車部材の
焼入れ方法は、請求項3の焼入れ方法において、前記歯
車部材の歯に対する冷却剤の流れの方向が、ハスバの形
成方向と平行になるように、前記歯車部材の歯に対する
冷却剤の流れの方向を制御することを特徴とするもので
ある。
【0008】請求項5の歯車部材の焼入れ方法は、請求
項3の焼入れ方法において、前記歯車部材の歯に対する
冷却剤の流れの方向が、ハスバの形成方向と平行になる
ように、前記歯車部材の回転方向と回転速度及び冷却剤
の流量を制御することを特徴とするものである。
【0009】請求項6の歯車部材の焼入れ装置は、加熱
した歯車部材を、冷却剤を用いて冷却する歯車部材の焼
入れ装置において、歯車部材を載置支持する為の回転可
能な支持部材を含む支持手段と、前記支持部材に対向す
る回転可能な押圧ヘッドを含み、この押圧ヘッドにより
歯車部材を支持部材に押圧して拘束する押圧手段と、前
記押圧手段により支持部材と押圧ヘッド間に挟持拘束さ
れた歯車部材を、支持部材及び押圧ヘッドとともに回転
させる回転駆動手段と、歯車部材の少なくとも歯の部分
に冷却剤を供給して冷却する冷却剤供給手段とを備えた
ものである。
【0010】請求項7の歯車部材の焼入れ装置は、請求
項6の焼入れ装置において、前記歯車部材がハスバ歯車
部材からなり、前記冷却剤供給手段により供給される冷
却剤の流れの方向が、ハスバの形成方向と平行になるよ
うに、前記歯車部材の回転方向と回転速度及び冷却剤の
流量を制御する制御手段を設けたものである。
【0011】
【発明の作用及び効果】請求項1の歯車部材の焼入れ方
法においては、歯車部材を加熱してから、プレス焼入れ
装置により冷却剤を用いて冷却する焼入れ方法におい
て、歯車部材を回転させながら冷却剤で冷却するので、
歯車部材の歯の全表面に亙って冷却剤による冷却条件を
均一化できるため、歯車部材の歯の全表面を均一に焼入
れすることができる。その結果、歯面の形状や硬度のバ
ラツキを著しく小さくして、歯車部材の歯当り性能や耐
摩耗性を高めることができる。
【0012】請求項2の歯車部材の焼入れ方法において
は、歯車部材を加熱した状態で支持部材と押圧ヘッド間
に挟持拘束し、その歯車部材を冷却剤を用いて冷却する
焼入れ方法において、前記歯車部材を回転させながら冷
却剤で冷却するので、請求項1と同様の作用・効果が得
られる。
【0013】請求項3の歯車部材の焼入れ方法において
は、ハスバ歯車からなる歯車部材を加熱した状態で支持
部材と押圧ヘッド間に挟持拘束し、その歯車部材を冷却
剤を用いて冷却する焼入れ方法において、支持部材と押
圧ヘッドを介して歯車部材を回転させながら冷却剤で冷
却するので請求項1と同様の作用・効果が得られる。更
に、前記歯車部材の歯に対する冷却剤の流れの方向が、
ハスバの形成方向と平行になるように、歯車部材の回転
方向と回転速度及び冷却剤の流量を制御することも可能
であり、その場合には、ハスバ歯車の歯の全表面に亙っ
て冷却剤による冷却条件を均一化できるため、歯車部材
の歯の全表面を均一に焼入れすることができる。その結
果、歯面の形状や硬度のバラツキを著しく小さくして、
歯車部材の歯当り性能や耐摩耗性を高めることができ
る。
【0014】請求項4の歯車部材の焼入れ方法において
は、請求項3の焼入れ方法において、前記歯車部材の歯
に対する冷却剤の流れの方向が、ハスバの形成方向と平
行になるように、前記歯車部材の歯に対する冷却剤の流
れの方向を制御するので、請求項3に記載のように、ハ
スバ歯車の歯の全表面に亙って冷却剤による冷却条件を
均一化できるため、歯車部材の歯の全表面を均一に焼入
れすることができる。その結果、歯面の形状や硬度のバ
ラツキを著しく小さくして、歯車部材の歯当り性能や耐
摩耗性を高めることができる。
【0015】請求項5の歯車部材の焼入れ方法において
は、請求項3の焼入れ方法において、前記歯車部材の歯
に対する冷却剤の流れの方向が、ハスバの形成方向と平
行になるように、前記歯車部材の回転方向と回転速度及
び冷却剤の流量を制御するので、請求項3に記載のよう
に、ハスバ歯車の歯の全表面に亙って冷却剤による冷却
条件を均一化できるため、歯車部材の歯の全表面を均一
に焼入れすることができる。その結果、歯面の形状や硬
度のバラツキを著しく小さくして、歯車部材の歯当り性
能や耐摩耗性を高めることができる。
【0016】即ち、実施例に係る図4、図5において、
ハスバ歯車からなる歯車部材2が矢印A方向に回転駆動
され、歯車部材2の軸心と平行な方向への冷却剤の流速
の速度ベクトルをVa、前記歯車部材2の回転に起因す
る歯車部材2と冷却剤との相対流速の速度ベクトルをV
bとし、速度ベクトルVaと速度ベクトルVbとの合成
速度ベクトルVcを、ハスバの形成方向と平行にすれ
ば、各歯の歯面の全表面に亙って冷却剤による冷却条件
を均一化できる。冷却剤の流通通路が一定であるため、
前記速度ベクトルVaは冷却剤の流量で決定され、速度
ベクトルVbは、歯車部材2の回転方向と回転速度とで
決定されることから、歯車部材2の回転方向と回転速度
及び冷却剤の流量を制御することで、歯車部材2の歯に
対する冷却剤の流れの方向が、ハスバの形成方向と平行
になるように制御できる。
【0017】請求項6の歯車部材の焼入れ装置において
は、加熱した歯車部材を、冷却剤を用いて冷却する歯車
部材の焼入れ装置において、支持手段の回転可能な支持
部材に歯車部材を載置して支持できる。押圧手段は、支
持部材に対向し回転可能な押圧ヘッドを有し、この押圧
ヘッドにより歯車部材を支持部材に押圧して拘束する。
回転駆動手段は、前記押圧手段により支持部材と押圧ヘ
ッド間に挟持拘束された歯車部材を、支持部材及び押圧
ヘッドとともに回転させ、冷却剤供給手段は、歯車部材
の少なくとも歯の部分に冷却剤を供給して冷却する。
【0018】従って、前記加熱した歯車部材を、押圧手
段の押圧ヘッドにより支持部材に押圧して拘束し、この
歯車部材を支持部材及び押圧ヘッドとともに回転させな
がら、冷却剤を供給して歯車部材を冷却して焼入れ処理
することができる。このように、歯車部材を回転させな
がら冷却剤で冷却すれば、歯車部材の歯面の全表面に亙
って均一に冷却することができ、歯車部材の歯面の形状
や硬度のバラツキを小さくすることができ、歯当り性能
や耐摩耗性を高めることができる。
【0019】請求項7の歯車部材の焼入れ装置において
は、請求項6の焼入れ装置において、前記歯車部材がハ
スバ歯車部材からなり、制御手段は、冷却剤供給手段に
より供給される冷却剤の流れの方向が、ハスバの形成方
向と平行になるように、歯車部材の回転方向と回転速度
及び冷却剤の流量を制御する。従って、請求項5に記載
したように、歯車部材の回転方向と回転速度及び冷却剤
の流量を制御することで、冷却剤の流れの方向が、ハス
バの形成方向と平行になるように制御できる。これによ
り、ハスバ歯車の歯の全表面に亙って冷却剤による冷却
条件を均一化できるため、歯車部材の歯の全表面を均一
に焼入れすることができる。その結果、歯面の形状や硬
度のバラツキを著しく小さくして、歯車部材の歯当り性
能や耐摩耗性を高めることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しつつ説明する。最初に、本発明特有の改良を付加した
改良型プレス焼入れ装置について説明する。図1、図2
に示すように、この改良型プレス焼入れ装置1(以下、
プレス焼入れ装置という)は、浸炭炉である加熱装置で
所定温度(例えば、850〜880℃)に加熱された歯
車部材2を所定温度(例えば、65〜120℃)の冷却
剤(これは、焼入れ用油である)を用いて冷却して焼入
れ処理する為のものであり、このプレス焼入れ装置1
は、加熱された歯車部材2をプレスして押圧拘束した状
態で回転させながら冷却剤で冷却するように構成してあ
り、歯車部材2を加熱処理する加熱装置の近傍位置に配
設されている。
【0021】このプレス焼入れ装置1は、下部可動ユニ
ット3と、押圧ユニット4と、この押圧ユニット4を昇
降させる昇降駆動ユニット5とを備えている。前記下部
可動ユニット3は、前後1対の水平なガイドロッド6に
より案内されて、加熱装置で加熱された歯車部材2を受
け取ったり、また、焼入れ処理後の歯車部材2を受け渡
す為に、左右方向に所定ストローク移動自在に構成さ
れ、各ガイドロッド6は、ベースフレーム7の上面に固
定された左右1対のブラケット8に支持されている。こ
の下部可動ユニット3が、図1に図示の位置にあると
き、下部可動ユニット3の下面は、板部材9上に固定さ
れた基台10であって、その上面が右方上り傾斜状に形
成された基台10に係合し、押圧ユニット4から下部可
動ユニット3に作用するプレス力は、板部材9と基台1
0を介してベースフレーム7で支持されるように構成し
てある。
【0022】そして、下部可動ユニット3を左右方向に
所定ストローク移動させる移動装置は、下部可動ユニッ
ト3に両端部が連結されたチェーン部材11を介して下
部可動ユニット3を移動させるように構成してある。前
記昇降駆動ユニット5には、複動型の油圧シリンダ15
が立て向きに設けられ、その油圧シリンダ15のピスト
ンロッド16が、押圧ユニット4の上端に連結され、油
圧シリンダ15のピストンから上方へロッド17が延出
されている。押圧ユニット4には、昇降駆動ユニット5
を挿通した1対の案内ロッド18が立設され、押圧ユニ
ット4は、これらの案内ロッド18で上下方向に案内さ
れている。
【0023】図2に示すように、下部可動ユニット3の
ケーシング20の上部内には、平面視にて円形の所定の
厚さを有し中央部に凹部21を有する支持板22が鉛直
軸心回りに回転自在に設けられ、この支持板22の下側
には、ウォームギヤ23に噛み合ったウォームホイール
24が、その軸心を鉛直向けて配設され、支持板22は
リング状部材25を介してウォームホイール24に固定
され、ウォームホイール24は、スラスト軸受け26
a,26bを介してリング部材27に回転自在に支持さ
れ、リング部材27は、ケーシング20により強力に支
持されている。前記ウォームギヤ23は電動モータ13
(図1参照)により回転駆動される。下部可動ユニット
3のケーシング20の上半部内には、環状の冷却剤通路
28,29が形成され、支持板22の上面の外周部に
は、複数の放射溝30が円周方向所定ピッチで形成さ
れ、歯車部材2の下面側へも冷却剤が流入するように構
成してある。前記冷却剤通路29の上端外周部に、押圧
ユニット4の外筒部材35の下端部が嵌まった状態にお
いては、シール部材14で冷却剤が外部に漏れないよう
にシールされる。冷却剤供給装置(図3の冷却剤ポンプ
63と、モータ64と、冷却剤タンク66とを含む)か
ら延びる冷却剤ホース12がケーシング20の冷却剤通
路28に対応する位置に接続されている(図1参照)。
【0024】図1、図2に示すように、押圧ユニット4
は、上端壁部材31と、その下端に固定されたシリンダ
形成部材32と、その下端外周に固定された中間筒部材
33と、この中間筒部材33の下端近傍部に内嵌状に固
定された棚壁部材34と、その外周部に外嵌状に固定さ
れて下方へ延びる外筒部材35とを有する。押圧ユニッ
ト4のシリンダ形成部材32の中心部には、複動型の油
圧シリンダ36が設けられ、そのピストンロッド37の
下端にヘッド支持部材38が固定され、このヘッド支持
部材38の下面側に配設されたセンタヘッド39は、ス
ラスト軸受け40を介してボルト41により、ヘッド支
持部材38に回転自在に連結され、センタヘッド39
は、油圧シリンダ36により所定ストローク上下に往復
駆動可能に構成されている。
【0025】センタヘッド39の下側には、その下半部
のテーパー部が嵌まるエキスパンダー42が配設され、
このエキスパンダー42は、その下側に位置しボルト4
3でセンタヘッド39に上下可動に支持された円形板4
4で支持できるように構成されている。前記エキスパン
ダー42は、周方向に複数等分された部材からなり、ス
プリングリング19により分解しないように拘束されて
いる。前記歯車部材2は、本実施例では、ハスバ歯車か
らなるリングギヤであり、その外周近傍部に対応する位
置において、歯車部材2の上方には、歯車部材2を支持
板22に挟持拘束する為のリング状の押圧ヘッド45が
配設され、押圧ヘッド45の上側には、筒壁部材46が
設けられ、押圧ヘッド45の上端部の外周部は、筒壁部
材46に固定されたL形部材47に係止支持され、スラ
スト軸受け48を介して筒壁部材46に対して回転自在
に設けられている。
【0026】前記シリンダ形成部材32内には、押圧ヘ
ッド45を昇降駆動する複数の複動型油圧シリンダ49
が設けられ、それら油圧シリンダ49のピストンロッド
50の下端に連結された円柱状部材51は、筒壁部材4
6の上端に固定的に連結されている。前記複数の油圧シ
リンダ49により、押圧ヘッド45を所定ストローク上
下に往復駆動可能に構成されている。前記筒壁部材46
の内側には、環状のインナ筒壁部材52が配設され、シ
リンダ形成部材32内に形成された複数の油圧シリンダ
(図示略)のピストンロッド53の下端部がインナ筒壁
部材52に連結され、歯車部材2の形状に応じて必要が
あるときには、インナ筒壁部材52にインナ押圧ヘッド
(図示略)がスラスト軸受け(図示略)を介して回転自
在に取付けられる。
【0027】前記押圧ヘッド45には、周方向小間隔お
きに多数のスリット状の通路穴54が形成されている。
図2に示すように、歯車部材2を図示のように支持板2
2上に載置支持させ、歯車部材2の外周部の歯形部を、
冷却剤通路29に臨ませ、油圧シリンダ15により、押
圧ユニット4を下降させて、外筒部材35の下端部を下
部可動ユニット3の冷却剤通路29の外周部に係合させ
た状態において、外部の冷却剤供給装置から冷却剤ホー
ス12(図1参照)を介して冷却剤通路28,29内に
供給された冷却剤の一部は、複数の放射溝30から歯車
部材2の下側へ流入し、冷却剤の大部分は、矢印で示す
ように、冷却剤通路29から歯車部材2の歯形部を冷却
しつつ上方へ流れ、通路穴54から外筒部材35内の中
心側へ流入して上方へ流れ、中間筒部材33内の冷却剤
通路55に流入し、この冷却剤通路55の冷却剤は、排
出穴56から外部へ排出される。
【0028】次に、プレス焼入れ装置1の制御系につい
て説明する。図4に示すように、このプレス焼入れ装置
1を制御するコントロールユニット60には、加熱装置
61と、この加熱装置61内に設けられ加熱された歯車
部材2の温度を検出する温度センサ62と、ウォームギ
ヤ23を駆動する電動モータ13と、冷却剤ポンプ63
を駆動する電動モータ64と、冷却剤ポンプ63が冷却
剤を吸入する冷却剤タンク66に付設され冷却剤の温度
を検出する温度センサ66と、前記複数の油圧シリンダ
15,36,49の油圧系のバルブ類を収容したバルブ
ユニット67とが接続されている。
【0029】このコントロールユニット60は、マイク
ロコンピュータを内蔵したものであり、そのマイクロコ
ンピュータには、次のようにモータ13の回転速度を制
御する制御プログラムと、諸データ(歯車部材2の径、
歯車部材2の外周側の冷却剤通路29の通路面積Ao、
ウォームギヤとウォームホイールとからなる減速機構の
減速率、冷却剤流量Q、ハスバ歯車からなる歯車部材2
のハスバ形成方向の角度θ等)(図4、図5参照)とが
予め格納されている。所定温度に加熱された歯車部材2
を支持板22上にセットし、図2に示すように、下部可
動ユニット3と押圧ユニット4内に冷却剤を供給して歯
車部材2を冷却する為にモータ13を駆動する際のモー
タ13の回転速度は、次のように制御される。
【0030】即ち、図4、図5に示すように、歯車部材
2を矢印A方向へ回転させながら流量Qの冷却剤を供給
する場合、冷却剤通路29を上方に流れる冷却剤の流れ
の速度ベクトルVaと、歯車部材2の回転に伴って発生
する歯車部材2の外周の歯形部2aに対する冷却剤の相
対速度の速度ベクトルVbとの合成ベクトルVcが、歯
車部材2のハスバの形成方向と平行となるように、歯車
部材2の回転速度を設定する。即ち、速度ベクトルVa
の大きさはVav=Q/Aoで決定される。速度ベクト
ルVbの大きさVbv=Vav/tanθとなるので、
歯車部材2の外周の周速がVbvとなるように、歯車部
材2の径、ウォームギヤとウォームホイールとからなる
減速機構の減速率等の数値に基いてモータ13の回転速
度を設定する。尚、歯車部材2を回転させる回転方向
は、図4、図5の矢印Aで示す方向に設定する。
【0031】但し、前記は、冷却剤の流量Qを一定とし
て、モータ13の回転速度を設定する場合を例として説
明したが、質量の大きな歯車部材の場合には、冷却剤の
流量Qを大きくし、かつ歯車部材2の回転速度を大きく
することが望ましいことから、歯車部材2の大きさに応
じて冷却剤の流量Qを変更し、その変更された流量Qに
応じて、前記同様にモータ13の回転速度を設定しても
よい。更に、また、加熱された歯車部材2の温度(これ
は、温度センサ62により検出される)と、冷却剤の温
度(これは、温度センサ66により検出される)とに基
いて、所定のテーブルやマップによって冷却剤の流量Q
を設定し、その設定された流量Qに応じて、前記同様に
モータ13の回転速度を設定してもよい。
【0032】以上説明したプレス焼入れ装置1の作用に
ついて説明するが、この説明は、歯車部材の焼入れ方法
の説明を含むものである。初期状態として、図1に示す
ように、プレス焼入れ装置1の押圧ユニット4は、油圧
シリンダ15により上昇位置に保持され、複数の油圧シ
リンダ36,49のピストンも上昇位置に保持され、下
部可動ユニット3は、押圧ユニット4の直下の位置にあ
る。次に、加熱装置により歯車部材2を加熱中に、下部
可動ユニット3は、図1の図示位置から左方へ移動し、
加熱装置の近くの受取り位置にセットされ、歯車部材2
が所定温度に加熱されると、その歯車部材2が、下部可
動ユニット3の支持板22上に載置される。
【0033】次に、下部可動ユニット3が、図1に示す
原位置に復帰移動後、押圧ユニット3が、油圧シリンダ
15により下降され、押圧ユニット4の外筒部材35の
下端部が下部可動ユニット3の冷却剤通路29の外周部
に係合される。次に、油圧シリンダ36によりピストン
ロッド37が下降駆動され、エキスパンダー42が歯車
部材2の内側に嵌合され、エキスパンダー42により歯
車部材2が内側からリング形状を保持するように拘束さ
れるとともに、複数の油圧シリンダ49により複数のピ
ストンロッド50が夫々下降駆動されて、押圧ヘッド4
5が歯車部材2の上面に当接され、押圧ヘッド45によ
り歯車部材2が熱変形しないように所定の押圧力で拘束
される。
【0034】次に、モータ13が、前記のように設定し
た回転速度にて回転駆動され、その結果、歯車部材2が
回転状態に設定される。このように加熱された状態の歯
車部材2を回転させ、かつ押圧ヘッド45と支持板22
とで挟持拘束した状態において、冷却剤ポンプ63が、
前記所定の流量Qの冷却剤を吐出するように所定の回転
速度にて、予め設定された所定時間の間駆動される。こ
のように、歯車部材2をエキスパンダー42により円形
形状を保持するように拘束し、且つ歯車部材2を押圧ヘ
ッド54で支持板22に押圧して熱歪みで変形しないよ
うに挟持拘束し、歯車部材2を回転させながら冷却剤で
冷却して焼入れする。
【0035】この焼入れの際、前記説明したように、冷
却剤の流量と、モータ13の回転速度とを制御し、歯車
部材2の歯形部2aを流れる冷却剤の流れの方向が、ハ
スバの形成方向と平行になるように設定するので、ハス
バ歯車の全部の歯型部2aの全表面に亙って冷却剤によ
る冷却条件を均一化できるため、歯車部材2の歯形部2
aの全表面を均一に焼入れすることができる。その結
果、歯面の形状や硬度のバラツキを著しく小さくして、
歯車部材2の歯当り性能や耐摩耗性を高めることができ
る。
【0036】ここで、本実施例では、歯車部材2を回転
しながら冷却剤で冷却することで、歯車部材2の歯形部
に沿って流れる冷却剤の流れの方向を、ハスバの形成方
向と平行にして冷却条件を均一化できるが、ハスバ歯車
以外の歯車部材、例えば、平歯車の場合においても、歯
車部材2を回転させることによって、歯車部材2の全周
に亙って冷却条件を均一化できる。
【0037】尚、前記実施例は、ハスバ歯車からなるリ
ング状の歯車部材2の場合を例として説明したが、リン
グ状でないハスバ歯車、ハスバ歯車以外の種々の歯車部
材(リング状の歯車部材、リング状でない歯車部材をも
含む)にも、本発明を同様に適用できることは勿論であ
る。前記実施例における、歯車部材2の加熱温度と、冷
却剤の温度とは、一例に過ぎず、歯車部材の材質等に応
じて適宜設定されるし、冷却剤としては、油以外の冷却
剤を適用することもある。前記押圧ヘッド45の構造は
一例に過ぎず、種々の構造の押圧ヘッドを適用可能であ
り、また、リング状でない歯車部材を対象とする場合に
は、センタヘッド39と、エキスパンダー42の代わり
に、歯車部材の上面を押さえる別構造のセンタヘッドが
適用されることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る改良型プレス焼入れ装置の概略正
面図である。
【図2】前記改良型プレス焼入れ装置の下部可動ユニッ
トと押圧ユニットの要部の縦断側面図である。
【図3】前記改良型プレス焼入れ装置の制御系の概略ブ
ロック図である。
【図4】ハスバ歯車からなる歯車部材の斜視図である。
【図5】ハスバ歯車のハスバ形成方向と冷却剤の流れの
速度ベクトルの説明図である。
【図6】従来技術に係るハスバ歯車の歯形部に沿う冷却
剤の流れの説明図である。
【符号の説明】 1 改良型プレス焼入れ装置 2 歯車部材(ハスバ歯車からなる歯車部材) 3 下部可動ユニット 4 押圧ユニット 5 昇降駆動ユニット 13 電動モータ 22 支持板 23 ウォームギヤ 24 ウォームホイール 45 押圧ヘッド 49 油圧シリンダ 60 コントロールユニット 63 冷却剤ポンプ 64 モータ 65 冷却剤タンク

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯車部材を加熱してから、プレス焼入れ
    装置により冷却剤を用いて冷却する焼入れ方法におい
    て、 前記歯車部材を回転させながら冷却剤で冷却することを
    特徴とする歯車部材の焼入れ方法。
  2. 【請求項2】 歯車部材を加熱した状態で支持部材と押
    圧ヘッド間に挟持拘束し、その歯車部材を冷却剤を用い
    て冷却する焼入れ方法において、 前記歯車部材を回転させながら冷却剤で冷却することを
    特徴とする歯車部材の焼入れ方法。
  3. 【請求項3】 ハスバ歯車からなる歯車部材を加熱した
    状態で支持部材と押圧ヘッド間に挟持拘束し、その歯車
    部材を冷却剤を用いて冷却する焼入れ方法において、 前記支持部材と押圧ヘッドを介して歯車部材を回転させ
    ながら冷却剤で冷却することを特徴とする歯車部材の焼
    入れ方法。
  4. 【請求項4】 前記歯車部材の歯に対する冷却剤の流れ
    の方向が、ハスバの形成方向と平行になるように、前記
    歯車部材の歯に対する冷却剤の流れの方向を制御するこ
    とを特徴とする請求項3に記載の歯車部材の焼入れ方
    法。
  5. 【請求項5】 前記歯車部材の歯に対する冷却剤の流れ
    の方向が、ハスバの形成方向と平行になるように、前記
    歯車部材の回転方向と回転速度及び冷却剤の流量を制御
    することを特徴とする請求項3に記載の歯車部材の焼入
    れ方法。
  6. 【請求項6】 加熱した歯車部材を、冷却剤を用いて冷
    却する歯車部材の焼入れ装置において、 歯車部材を載置支持する為の回転可能な支持部材を含む
    支持手段と、 前記支持部材に対向する回転可能な押圧ヘッドを含み、
    この押圧ヘッドにより歯車部材を支持部材に押圧して拘
    束する押圧手段と、 前記押圧手段により支持部材と押圧ヘッド間に挟持拘束
    された歯車部材を、支持部材及び押圧ヘッドとともに回
    転させる回転駆動手段と、 前記歯車部材の少なくとも歯の部分に冷却剤を供給して
    冷却する冷却剤供給手段と、 を備えたことを特徴とする歯車部材の焼入れ装置。
  7. 【請求項7】 前記歯車部材がハスバ歯車部材からな
    り、前記冷却剤供給手段により供給される冷却剤の流れ
    の方向が、ハスバの形成方向と平行になるように、前記
    歯車部材の回転方向と回転速度及び冷却剤の流量を制御
    する制御手段を設けたことを特徴とする請求項6に記載
    の歯車部材の焼入れ装置。
JP8566794A 1994-03-30 1994-03-30 歯車部材の焼入れ方法及びその装置 Pending JPH07268482A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8566794A JPH07268482A (ja) 1994-03-30 1994-03-30 歯車部材の焼入れ方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8566794A JPH07268482A (ja) 1994-03-30 1994-03-30 歯車部材の焼入れ方法及びその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07268482A true JPH07268482A (ja) 1995-10-17

Family

ID=13865182

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8566794A Pending JPH07268482A (ja) 1994-03-30 1994-03-30 歯車部材の焼入れ方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07268482A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009287085A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Ihi Corp 熱処理装置および熱処理方法
WO2020225103A1 (de) * 2019-05-09 2020-11-12 Aerospace Transmission Technologies GmbH Fixtur zum abschrecken und härten eines werkstücks mit gezielt ansteuerbaren kanälen zum zuführen von abschreckmedium
CN112553447A (zh) * 2020-12-24 2021-03-26 夏练勇 一种多功能齿轮淬火装置
CN118241032A (zh) * 2024-05-29 2024-06-25 淄博纽氏达特行星减速机有限公司 一种行星减速器齿轮的高效淬火装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009287085A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Ihi Corp 熱処理装置および熱処理方法
WO2020225103A1 (de) * 2019-05-09 2020-11-12 Aerospace Transmission Technologies GmbH Fixtur zum abschrecken und härten eines werkstücks mit gezielt ansteuerbaren kanälen zum zuführen von abschreckmedium
CN112553447A (zh) * 2020-12-24 2021-03-26 夏练勇 一种多功能齿轮淬火装置
CN118241032A (zh) * 2024-05-29 2024-06-25 淄博纽氏达特行星减速机有限公司 一种行星减速器齿轮的高效淬火装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4790767B2 (ja) 斜板式液圧回転機
TW201200329A (en) Tire vulcanizer
JPH07268482A (ja) 歯車部材の焼入れ方法及びその装置
CN208266212U (zh) 高频淬火机
CN208455031U (zh) 组合压模
JP2819292B2 (ja)
JP5756745B2 (ja) 焼入れ方法および焼入れ装置
US5250252A (en) Method and device for stabilizing cured tires
JP5638737B2 (ja) 鋼製部品用ガス焼入れセル
JPH06505438A (ja) 揺動式プレス
JP2019112689A (ja) 熱処理装置および熱処理方法
JP2005320609A (ja) 矯正焼入れ装置
JP2591954B2 (ja) ラツク部とパイプ部とからなるラツクバーの焼入れ方法
JP2000129341A (ja) 低歪み焼入れ方法
JP5033057B2 (ja) リクライニング装置用ギヤプレートの製造方法
JP6518519B2 (ja) 加熱装置及び熱処理装置
JP4322741B2 (ja) 誘導加熱による針状ころ軸受外輪の軌道面の表面焼入方法及び焼入装置
JP3986864B2 (ja) 焼入れ方法及び焼入れ装置
CN109943694A (zh) 压模
CN112877533B (zh) 一种适用于制造轿车传动轴用钢管的热处理设备及工艺
JP2685965B2 (ja) 球状黒鉛鋳鉄素材の熱処理方法
JP2005163060A (ja) 鋼製環状体用焼入れ装置
JP4188128B2 (ja) 筒状部材内周面焼入方法
JP3088878B2 (ja) 液中焼入れ装置
CN115976318B (zh) 一种轴类零件热处理工艺及其工装