JPH0726781U - 静電気発生装置 - Google Patents

静電気発生装置

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JPH0726781U
JPH0726781U JP8299892U JP8299892U JPH0726781U JP H0726781 U JPH0726781 U JP H0726781U JP 8299892 U JP8299892 U JP 8299892U JP 8299892 U JP8299892 U JP 8299892U JP H0726781 U JPH0726781 U JP H0726781U
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switch
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武志 石田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単に自然発生的な静電気サージに一致させ
ることができる静電気発生装置を提供する。 【構成】 高電圧を発生する高圧電源11と、この高圧
電源11の高電圧を充電する主コンデンサ14及び充放
電を切り換えるスイッチ16を有する充電部12と、こ
の充電部12に結合され被試験体20に対して放電を行
う放電チップ18とを備える静電気発生装置において、
前記スイッチ16の放電側端子の導線に浮遊容量を形成
する結合板27を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ノイズに対する電子機器の許容度を試験するために使用するサージ 電圧・電流を発生させる静電気発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子技術の進歩により通信機器や制御機器等の電子機器は、小型化と実 装密度の向上が図られているが、ノイズ、特に、そのうちの突発的サージによる 電子機器の誤動作、故障、破壊といった被害が増大している。ここでサージとは 、短時間に激しく変化する過渡的な電圧または電流のことで、例えば、人体に帯 電した静電気が機器に接触したときに発生する放電現象のような電流または電圧 が典型的な例である。このサージによる電子機器の被害を防止するために、回路 的な対策を立てることが重要になり、そのために人工的に発生させたサージを電 子機器に与えてその影響を詳しく調べる必要がある。
【0003】 図4は従来から使用されている静電気発生装置の基本回路を示しており、高圧 電源1により発生した高電圧(HV)は、放電部2のリレースイッチ3を閉じる ことで充電抵抗器4を経由してコンデンサ5に充電する。充電が完了すると、リ レースイッチ3を開いた後、他方のリレースイッチ7を閉じるとコンデンサ5に 充電していた電荷が放電抵抗器6を経由して放電チップ8に流れ、グランド端子 9に結合された被試験体10との間で放電が起こる。このような人工的に発生さ せたサージを繰り返し被試験体10に与えることで静電気試験が行われる。
【0004】 今、放電チップ8と被試験体10との間で放電を行い人工的にサージを発生さ せたときの放電電流波形は、図5のDに示すように、第1ピークの立ち上がり時 間T1が0.3ns程度の位置にあり、第2ピークの時間Tnが約数10nsで ある。ところで、人体に発生した静電気が、機器に触れた時に発生する自然発生 的な放電現象による放電電流波形は、図5のEに示すように、2つのピークを有 し、第1ピークの立ち上がり時間が0.7〜1.0nsであることが経験的に知 られており、この立ち上がり時間等が放電現象を定常的に表現するために規格と して定められている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように自然発生的な静電気の放電電流の第1ピークの立 ち上がり時間が0.7〜1.0nsであるのに対して、従来の静電気発生装置で は、第1ピークの立ち上がり時間が0.3ns程度の位置にあるため、静電気試 験においてシュミレーション精度の高い試験を期待できない欠点があった。この 第1ピークの立ち上がり時間の0.3nsを遅延させるために、放電チップ8と 放電抵抗器6との間に、コイルやコア等を介装しても電流変化が非常に高速であ り、遅延制御が難しく、自然発生的な静電気サージと一致させることが困難であ った。そのため、人工的なサージを繰り返し電子機器に与えてその影響を詳しく 調べても正確なノイズ対策にはならないという問題点があった。
【0006】 そこで本考案は、簡単に自然発生的な静電気サージに一致させることができる 静電気発生装置を提供することを目的とする。
【0007】 なお、本出願人は、特開平3−61875号公報において、放電部と放電チッ プとの間に広い面積の導体板を設けて、放電時間を遅延させ、人工的に発生した サージを、自然発生的な静電気サージと一致させる技術を開示している。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成するために、本考案の静電気発生装置は、高電圧を発生する高圧 電源と、この高圧電源の高電圧を充電する主コンデンサ及び充放電を切り換える スイッチを有する充電部と、この充電部に結合され被試験体に対して放電を行う 放電チップとを備える静電気発生装置において、前記スイッチの放電側端子の導 線に浮遊容量を形成する結合板を設けたものである。
【0009】
【作用】
本考案によれば、充放電を切り換えるスイッチの放電側端子の導線に結合板を 設けることで浮遊容量が形成され、この浮遊容量により放電電流・電圧波形が遅 延し、簡単に自然発生的な静電気サージに一致させることができる。
【0010】
【実施例】
以下、本考案を図示の一実施例により具体的に説明する。図1は本考案実施例 の静電気発生装置の構成を説明する回路図である。
【0011】 同図において、本実施例の静電気発生装置は、高圧電源11で発生した高電圧 を放電部12で充電し放電チップ18を介して被試験体20に放電させる装置で あり、放電部12は、充電抵抗器13、放電電荷を充電するための主コンデンサ 14、放電抵抗器15、リレースイッチ16、波形整形部17等を備えている。 リレースイッチ16は、不活性ガス等を封入した切り換え型スイッチであり、2 つの固定側の接点A及び接点Bと、切り換え側の接点Cとを有する。そして、高 圧電源11の高電圧(HV)側は、充電抵抗器13を介してリレースイッチ16 の一方の固定側接点Bに接続され、リレースイッチ16の切り換え側接点Cは、 直列に接続した放電抵抗器15と主コンデンサ14とを介して接地(GND)側 に接続され、リレースイッチ16の他方の固定側接点Aは、波形整形部17を介 して放電チップ18に結合される。また、グランド端子19は、被試験体20の 接地端子に接続される。充電抵抗器13は、例えば、50〜100MΩ程度、放 電抵抗器15は、充電抵抗器13に比較して無視できる330Ω程度の値に設定 される。波形整形部17は、放電電流波形を平滑に整形するための回路であり、 例えば、リレースイッチ16と放電チップ18との間の導線上に設けられた誘導 的なフェライトコアや容量的な円板等により構成される。放電チップ18は、先 端が鋭角に尖った円柱金属からなる。そして、リレースイッチ16の固定側接点 Aの導線と、切り換え側の接点Cの導線との間には、浮遊容量を有するコンデン サ21が設けられる。
【0012】 図2は本考案実施例のリレースイッチの斜視図である。
【0013】 同図において、リレースイッチ16は、その本体22が不活性ガスを封入した 内部に切り換えスイッチを設けた円筒状に形成されており、その本体22の端面 には固定側の接点A及び接点Bの導線23及び24と、切り換え側接点Cの導線 25が導出され、それぞれの導線23,24,25の周囲に絶縁体26が被覆さ れている。そして、浮遊容量を有するコンデンサ21を形成するために、固定側 接点Aの導線23を被覆する絶縁体26の周囲に所定の面積を有する円筒状に形 成された結合板27が設けられ、この結合板27と切り換え側接点Cの導線25 とが結合導線28により接続されている。
【0014】 上記構成によれば、リレースイッチ16を固定接点B側に切り換えれば、高圧 電源11の高電圧(HV)が充電抵抗器13と放電抵抗器15を経由して主コン デンサ14に充電される。次に充電が終了した時に、リレースイッチ16を固定 接点A側に切り換えれば、主コンデンサ14に充電した電荷が、放電抵抗器15 から波形整形部17を経由して放電チップ18に流れ、この放電チップ18とグ ランド端子19に結合された被試験体10との間で放電が起こる。このとき、放 電電流波形の第1ピークの立ち上がり時間は、リレースイッチ16の固定側接点 Aの導線23と、切り換え側の接点Cの導線25との間に、結合板27と結合導 線28とからなる浮遊容量を有するコンデンサ21のために遅延し、またその波 形が波形整形部17で平滑にされる。
【0015】 図3は本考案実施例の放電電流波形を示す図であり、2つの第1ピーク及び第 2ピークを有し、第1ピークは、コンデンサ21の浮遊容量を変化させることで 、その電流が10%から90%までに立ち上がる時間T1を0.7〜1.0ns にできることが確認できた。この浮遊容量の変化は、導線23に被覆されている 絶縁体26の厚さに応じて結合板27の面積等を変えることで達成され、実験的 に値を確認して設定される。
【0016】 以上のように、従来では第1ピークの立ち上がり時間を制御するには、放電部 と放電チップとの間に広い面積の導体板を設けていたが、本考案では切り換え型 のリレースイッチ16の放電側端子の導線に浮遊容量を形成することで、簡単に 遅延時間を変化させることが可能になり、自然発生的な静電気サージに一致させ ることができるようになった。・
【0017】 なお、上記実施例においては、固定側接点Aの導線23を被覆する絶縁体26 の周囲に円筒状に形成した結合板27を設けたが、少なくとも、リレースイッチ 16の放電側端子の導線23,25に浮遊容量を形成すればよく、例えば、切り 換え側接点Cの導線25の絶縁体26周囲に結合板を設けてもよく、また結合板 27の形状も円筒状に限らず、平板状あるいはコイル状等の任意の形状に形成さ れる。
【0018】 また、波形整形回路17は、必要により、放電電流波形が平滑になるように誘 導素子や容量素子で構成されればよく、任意の回路にできる。
【0019】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、充放電を切り換えるスイッチの放電側 端子の導線に結合板を設けて浮遊容量を形成し、この浮遊容量により放電電流・ 電圧波形を遅延させることが可能になり、簡単に自然発生的な静電気サージに一 致させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案実施例の静電気発生装置の構成を説明す
る回路図である。
【図2】本考案実施例のリレースイッチの斜視図であ
る。
【図3】本考案実施例の放電電流波形を示す図である。
【図4】従来例の静電気発生装置の構成を説明する回路
図である。
【図5】従来例の静電気発生装置及び自然発生的な静電
気サージの放電電流波形を示す図である。 11 高圧電源 12 放電部 13 充電抵抗器 14 主コンデンサ 15 放電抵抗器 16 リレースイッチ 17 波形整形回路 18 放電チップ 19 グランド端子 20 被試験体 21 コンデンサ 22 本体 23,24,25 導線 26 絶縁体 27 結合板 28 導線

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高電圧を発生する高圧電源と、この高圧
    電源の高電圧を充電する主コンデンサ及び充放電を切り
    換えるスイッチを有する充電部と、この充電部に結合さ
    れ被試験体に対して放電を行う放電チップとを備える静
    電気発生装置において、前記スイッチの放電側端子の導
    線に浮遊容量を形成する結合板を設けたことを特徴とす
    る静電気発生装置。
JP1992082998U 1992-11-09 1992-11-09 静電気発生装置 Expired - Lifetime JP2593951Y2 (ja)

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