JPH10332758A - インパルス試験器 - Google Patents

インパルス試験器

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JPH10332758A
JPH10332758A JP9157916A JP15791697A JPH10332758A JP H10332758 A JPH10332758 A JP H10332758A JP 9157916 A JP9157916 A JP 9157916A JP 15791697 A JP15791697 A JP 15791697A JP H10332758 A JPH10332758 A JP H10332758A
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voltage
surge
output
waveform
section
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JP9157916A
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Teruo Minami
照夫 南
Takekatsu Kawamura
雄克 川村
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BITSUGU BAAN KK
Nikon Corp
Original Assignee
BITSUGU BAAN KK
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低電圧から高電圧の領域までの広い範囲で安
定的なサージ出力を発生させると共に、安定した高電
圧、大電流のサージ出力を得ること。また、モニタされ
るサージ波形の表示位置がずれないようにする。 【解決手段】 電圧および電流を制御する制御回路部2
と、高圧発生回路部3と、制御回路部2からのタイミン
グによってサージ出力を発生するサージ発生回路部4と
を備え、サージ発生回路部4に、高電圧領域でサージ出
力を発生させる高圧スイッチング部と、低電圧領域でサ
ージ出力を発生させる低圧スイッチング部とを設け、両
スイッチング部の特性をほぼ同一としている。また、サ
ージ波形をモニタするためのモニタ用トリガ信号を、発
生したサージ出力を利用して生成するモニタトリガ用回
路部103を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サージ電圧やサー
ジ電流に対する電子機器や電気設備のブレークダウン
(絶縁破壊)を確認するための試験器に関するもので、
さらに詳細に述べると、サージ電圧等を人為的に発生さ
せる雷サージシミュレータと同様な波形を使用して行う
絶縁耐圧試験に利用されるインパルス試験器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子技術の進歩により通信機器や
制御機器等の電子機器や電気設備は、小型化と実装密度
の向上が図られている。このように精密化された電子機
器や電気設備にとって、ノイズ、特に突発的なサージに
よる影響は大きく、電子機器や電気設備の誤動作、故
障、破壊といった被害につながっている。ここで、サー
ジとは、雷等のように短時間に激しく変動する電圧や電
流のことを意味し、一過性で再現性のないものを意味し
ている。
【0003】このようなサージとしては、雷によるもの
や人体に帯電した静電気が、電子機器や電気設備に接触
したときに発生する放電現象が典型的な例として知られ
ている。特に、雷のような大電力、大電流のサージが電
源ライン等に流入すると、電子機器や電気設備はブレー
クダウン(絶縁破壊)を生じ、破壊されてしまう危険性
が高い。このため、このようなサージによる電子機器の
被害を防止するために、回路的な対策を立てることが重
要になる。この回路的な対策のため、人工的に発生させ
たサージ電圧やサージ電流を電子機器や電気設備に与え
てその影響、特に、ブレークダウンの状況を詳しく調べ
ることが行われている。
【0004】図22は、電子機器等のブレークダウンの
状況を調べるため、従来から使用されている雷サージシ
ミュレータの基本回路を示している(特開平2−291
979号公報等参照)。この雷サージシミュレータは、
サージ発生回路201により発生したサージ電圧または
サージ電流を試験対象回路202に流すものとなってい
る。そして、両回路201,202の間に抵抗RO,R
P,RIを介在させて接続し、この接続部から検出用の
電圧Vおよび電流Iを取り出している。
【0005】このような回路を有する雷サージシミュレ
ータとしては、図23のように構成されているものが知
られている。すなわち、サージ発生回路201が、雷サ
ージシミュレータとなる雷サージ試験機211内に入
り、試験対象回路202が被試験体212内に入る構成
となっている。雷サージ試験機211には、ケーブル2
13を介して外部より電力が供給される。
【0006】一方、この雷サージ試験機211によっ
て、通信回線絡みの試験を行う場合は、雷サージ試験機
211からサージ電圧またはサージ電流が、通信回線2
14を介して被試験体212の試験対象回路202に供
給される。そして、検出用の電圧Vと検出用の電流Iを
取り出し、雷サージ試験機211で処理している。な
お、被試験体212にはACケーブル215が接続され
ると共に、雷サージ試験機211からはライン出力ケー
ブル216が取り出されている。
【0007】このような雷サージシミュレータの多く
は、IEC(国際電気標準会議)でIEC1000−4
−5としてその規格が決められた出力波形を出すものと
なっている。例えば、電源ラインに印加する電圧波形
は、図24に示すように、ピーク値の30%の値から9
0%の値までの時間T0の1.67倍の時間T1が1.
2μsとなり、立上がり開始からピーク値の50%の値
に落ちるまでの時間T2が50μsとなるように規定さ
れている。これは、この波形が電源ラインに乗る平均的
かつ代表的な波形とされているためである。そして、こ
のような波形を1.2/50μsの電圧波形と称してい
る。
【0008】また、通信回線に印加させるときは、CC
ITT(国際電信電話諮問委員会、なお現在はITUと
略称されている)で引用された電圧波形を出力するよう
になっている。この電圧波形は、時間T1が10μsで
時間T2が700μsとされている。これは、このよう
な波形が、通信回線に乗る平均的かつ代表的な波形とさ
れているためである。そして、この波形を10/700
μsの電圧波形と称している。なお、各時間T2の始ま
りは、正確には、時間T1の始まりと同一部分である
が、立ち上がりが極めて急峻であるため、時間T2を計
測する際は、便宜的に波形の立ち上がり点から計測開始
している(図24の点線参照)。
【0009】雷サージシミュレータは、雷サージ電圧を
かけたときの被試験体212の動作確認を目的としてい
る。この動作確認は、IEC1000−4−5という形
で規格として規定されている。一方、IEC950とし
て規定される規格が存在する。このIEC950は、電
源ラインからのパルス(サージ)の進入による絶縁破壊
の試験を目的とするもので、一種の製品安全試験となっ
ている。そして、その波形としては、IEC1000−
4−5で規定された波形(図24参照)を使用してい
る。
【0010】なお、雷サージシミュレータでは、図24
に示す波形を1個出力し、被試験体212が壊れるか壊
れないかの試験および誤動作するか否かの試験を行うの
に対し、IEC950で規定される試験は、図24に示
すような波形を何発も間欠的に発生させ、電源がオフさ
れている被試験体212にそのサージ出力波形を印加さ
せるものとなっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の雷サージシミュ
レータは、低電圧(100V程度)から高電圧(数K
V)までの広い範囲でサージ出力を発生させる場合、高
耐圧リレーやイグナイトロンと呼ばれているスイッチン
グ部材を使用している。高耐圧リレーは、低圧の領域ま
で対応できるメリットを有するものの、スイッチ部分で
チャタリングやバウンシング(=はね戻り)が生じ、連
続した電圧波形を得にくいものとなっている。特に、低
電圧のときに安定した波形を得にくくなっている。これ
は、高電圧であると、気中放電が起こり、チャタリング
等の影響がなくなるのに対し、低電圧の場合、チャタリ
ング等の影響がそのまま出てくるためである。
【0012】また、イグナイトロンを使用しているもの
の場合、高電圧まで対応できるものは電流が多くとれ
ず、低電圧対応のものであると、大電流を得ることがで
きるが、高電圧に対応できない。このため、イグナイト
ロンを使用する場合、通常その特性に合わせ、例えば、
高電圧に適したものと大電流に適したものの2系統のイ
グナイトロンを採用している。この結果、高価格な製品
となると共に、高電圧領域での電流が大きくならないと
いう問題をかかえている。
【0013】また、従来の雷サージシミュレータは、最
短で60秒に1回のパルス波形を出力するものとなって
いるため、IEC950で規定される試験を行う場合、
60秒以上の間隔でパルスを発生させる試験にのみ使用
できるものとなる。すなわち、IEC950で規定され
る出力インパルス波形は、出力電圧として数kVまで必
要となると共に、60秒以内の間隔の波形も含まれてい
る。しかし、そのような高電圧の出力インパルス波形を
60秒以内の間隔で発生させることは、電荷をためてお
くのに時間がかかる従来の雷サージシミュレータでは不
可能となっている。
【0014】このため、従来の雷サージシミュレータで
は、限られた試験しか行えず、IEC950で規定され
た試験は、実質的には行われていない状態となってい
る。また、電子機器や電気設備のメーカーは、製品の耐
性テストを行い、改善を行う必要があるが、従来の雷サ
ージシミュレータでは、出来上がった製品が壊れるか否
かの試験のみであり、各種の耐性テストが出来ないもの
となっている。
【0015】また、従来の雷サージシミュレータでは、
サージ出力をモニタする場合、サージ出力を発生させる
ためのトリガパルスを利用してモニタを行うようになっ
ている。すなわち、サージを発生させるためのトリガパ
ルス信号をモニタの表示の基準位置として利用し、オシ
ロスコープ等のモニタにサージ波形を表示している。こ
のため、主放電が遅れたり早まったりすると、表示され
る波形が通常位置からずれることとなり、観察者にとっ
て見にくく、また測定しづらいものとなっている。
【0016】本発明は、低電圧から高電圧の領域までの
広い範囲で安定的なサージ出力を発生させることができ
ると共に、安定した高電圧、大電流のサージ出力を得る
ことができるインパルス試験器を提供することを目的と
する。また、本発明は、サージ波形をモニタする場合、
モニタされる波形の表示位置がずれないようにし、見易
くかつ測定し易いようにしたインパルス試験器を提供す
ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載のインパルス試験器では、電圧および
電流を制御する制御回路部と、高電圧発生回路部と、制
御回路部からのタイミングによってサージ出力を発生す
るサージ発生回路部とを備え、サージ発生回路部に、高
電圧領域でサージ出力を発生させる高圧スイッチング部
と、低電圧領域でサージ出力を発生させる低圧スイッチ
ング部とを設け、両スイッチング部の特性をほぼ同一と
している。
【0018】また、請求項2記載の発明では、請求項1
記載のインパルス試験器において、高圧スイッチング部
を球ギャップ方式によるスイッチングとし、低圧スイッ
チング部を半導体素子によるスイッチングとし、高圧ス
イッチング部の特性に低圧スイッチング部の特性を合わ
せている。また、請求項3記載の発明では、請求項1ま
たは2記載のインパルス試験器において、低圧スイッチ
ング部の作動領域を100Vから数100Vまでとし、
高圧スイッチング部の作動領域を100Vと数100V
の間の値から数KVまでとしている。
【0019】さらに、請求項4記載の発明では、請求項
1、2または3記載のインパルス試験器において、制御
回路部に、定電流制御回路部を設け、1秒よりも短い時
間内に、サージ出力の電圧となるようにサージ発生回路
部の充放電部を充電している。また、請求項5記載の発
明では、請求項1、2、3または4記載のインパルス試
験器において、サージ出力として、±1.2/50μs
の電圧波形および±8/20μsの電流波形からなるコ
ンビネーション波形を発生可能にしている。加えて、請
求項6記載の発明では、請求項1、2、3、4または5
記載のインパルス試験器において、サージ出力を繰り返
し発生できるようにすると共に、サージ出力を同一極性
かつ所定間隔で所定回数発生させた後、その極性を反転
させ、同様の繰り返し間隔でサージ出力を所定回数発生
させることができるようにしている。
【0020】また、請求項7記載のインパルス試験器で
は、高電圧のサージ出力を発生するインパルス試験器に
おいて、サージ波形をモニタするためのモニタ用トリガ
信号を、発生したサージ出力を利用して生成するモニタ
トリガ用回路部を設けている。
【0021】さらに請求項8記載の発明では、請求項7
記載のインパルス試験器において、モニタトリガ用回路
部に、サージ出力を分圧するための分圧部と、その分圧
された電圧を変換するトランス部を設け、分圧部を複数
のコンデンサから形成し、トランス部をパルストランス
としている。加えて、請求項9記載の発明では、請求項
7または8記載のインパルス試験器において、サージ出
力の分圧Vpと、設定されたサージ電圧の分圧Vref
とを比較する比較部をモニタトリガ用回路部に設け、V
p<Vrefとなったときにモニタ用トリガ信号を出力
するようにしている。
【0022】また、請求項10記載のインパルス試験器
では、高電圧のサージ出力を発生するインパルス試験器
において、被試験体の絶縁破壊による電圧降下を検出す
るためのストローブ信号を、発生したサージ出力を利用
して生成するストローブ信号発生回路部を設けている。
【0023】さらに、請求項11記載の発明では、請求
項10記載のインパルス試験器において、ストローブ信
号発生回路部に、サージ出力を分圧するための分圧部
と、その分圧された電圧を変換するトランス部を設け、
分圧部を複数のコンデンサから形成し、トランス部をパ
ルストランスとしている。加えて、請求項12記載の発
明では、請求項10または11記載のインパルス試験器
において、サージ出力の分圧Vpと、設定されたサージ
電圧の分圧Vrefとを比較する比較部をストローブ信
号発生回路部に設け、Vp<Vrefとなってから所定
時間後に、ストローブ信号を出力するようにしている。
【0024】本発明のインパルス試験器は、高電圧領域
をカバーする高圧スイッチング部と、低電圧領域をカバ
ーする低圧スイッチング部とを設け、両者の特性をほぼ
同一としている。このため、使用者は、その試験帯域を
考慮することなく、自由にサージ電圧を設定することが
できる。また、スイッチング部を2つに分けているの
で、低圧スイッチング部は低電圧に適した構成にできる
一方、高圧スイッチング部は高電圧に適した構成にでき
る。
【0025】なお、高圧スイッチング部を球ギャップ方
式とすると、高電圧領域では極めて安定したサージ出力
を得ることができる。加えて、その高圧スイッチング部
の特性に低圧スイッチング部の特性を合わせると、全範
囲に渡って極めて安定したサージ出力を得ることが出来
る。
【0026】また、本発明のインパルス試験器はサージ
電圧波形等をモニタに表示させるためのモニタ用トリガ
信号や、ブレークダウン後の電流波形をモニタに表示さ
せるためのストローブ信号を、発生したサージ出力を利
用して生成している。そのため、サージ発生のためのト
リガパルスが出た後、主放電が遅れたり早まったりして
も、それらの影響を受けずにモニタすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態のイン
パルス試験器1について、図1から図20に基づき説明
する。なお、このインパルス試験器1は、上述したIE
C950に適合するサージ電圧・電流のコンビネーショ
ン波形(詳細は後述)とCCITTのサージ電圧波形
(詳細は後述)の計3種類のサージ出力が得られるもの
となっている。ここで、各サージ波形は、上述したIE
C1000−4−5に規定された波形となっている。
【0028】インパルス試験器1の回路構成は、図1に
示すブロックダイヤグラムのように、電圧や電流の制御
やトリガを発生させる制御回路部2と、制御回路部2か
ら電圧と電流の制御を受け、高電圧を発生させ高電圧発
生回路部となる充電高圧発生回路部3と、制御回路部2
からタイミングパルスを受けサージ出力(=インパル
ス)を発生するサージ発生回路部4とから主に構成され
ている。なお、充電高圧発生回路部3は、極性切替回路
5を含み、サージ発生回路部4は、サージ用スイッチン
グ部6と電圧波形および電流波形の成形を行う波形成形
部7とを含むものとなっている。
【0029】コンビネーション波形は、1.2/50μ
sの電圧波形と8/20μsの電流波形とから構成され
る。一方、CCITTのサージ電圧波形(以下CCIT
T波形という)は、10/700μsの電圧波形となっ
ている。
【0030】ここで電圧波形成形回路は、出力端開放電
圧波形出力であり、電流波形成形回路は、出力端短絡電
流波形となっている。そして、2つの波形成形回路の定
数を適切に選ぶことにより、1個の回路で、電圧波形と
電流波形とを自動的に切り替え出力が出来るようになっ
ている。すなわち、後述する具体的回路中のコンビネー
ション波形成形回路部48は、出力端開放時に電圧波形
となり、出力端短絡時に電流波形となるものとなってい
る。なお、出力インピーダンスは、次式により定められ
ている。 出力インピーダンス=電圧波形ピーク電圧/電流波形ピ
ーク電流=2Ω
【0031】コンビネーション波形は、具体的には図2
に示す2つの波形から構成される。一方の1.2/50
μsの電圧波形は、図2(A)に示すように、ピーク値
の30%の値から90%までの時間の1.67倍の時間
T1、すなわち波頭長が1.2μs±30%で、立ち上
がり開始(ピーク値の30%と90%の値を結んだ線と
基線との交点位置)からピーク値の50%の値に落ちる
までの時間T2、すなわち波尾長が50μs±20%と
なっている。他方の8/20μsの電流波形は、図2
(B)に示すように、ピーク値の10%の値から90%
までの時間の1.25倍の時間T3、すなわち波頭長が
8μs±20%で、波尾長が20μs±20%となって
いる。
【0032】CCITTの波形は、図3に示すとおりと
なっている。すなわち、図2(A)に相当する時間T5
(波頭長)は、10μs±30%で時間T6(波尾長)
は、700μs±20%とされている。なお、各波尾長
T2,T4,T6の始まりは、上述したように各波頭長
T1,T3,T5の始まりと同一部分であるが、全体の
長さに比べ、各立ち上がりが極めて急峻であるため、各
波尾長T2,T4,T6を計測する際は、便宜的に波形
の立ち上がり点から計測を開始している。また、各波形
は、極性が切り替わることによりマイナス側に立ち下が
る波形となる。このため、各波形は、実際としては、そ
の値の前に±がつくものとなっている。
【0033】コンビネーション波形をIECの規格で規
定しているのは、1.2/50μsの電圧波形を加えた
とき、絶縁破壊が生ずると、短絡が生じ、その波形はそ
の時点で急激に立ち下がる(図4の矢示A参照)。する
と、その被試験体には、大電流が流れることとなるため
である。その代表的な電流波形が、図2(B)に示す8
/20μsの電流波形であり、図4に示すように、被試
験体が絶縁破壊され短絡すると、その電流波形(図4の
点線)が被試験体に加わるようになっている。
【0034】図1で示されるブロックダイヤグラムを具
体化したブロック回路は、図5および図6に示すとおり
となっている。すなわち、制御回路部2は、定電流制御
部の一部を構成する差動増幅器11と、電圧制御を行う
差動増幅器12と、両差動増幅器11,12を加える和
回路13と、演算増幅器14等から構成される制御電圧
・電流生成部15を有している。
【0035】制御回路部2には、さらに抵抗16,17
で分割される分圧回路や抵抗18の両端の電圧変化を検
出し、制御電圧・電流生成部15に入力する電圧・電流
検出回路部19と、制御電圧・電流生成部15で生成さ
れた制御電圧や制御電流が入力する電圧・電流制御部2
0と、サージ出力のタイミングを制御するタイミング制
御部21と、サージ出力の電圧を設定するサージ電圧設
定部22と、コンビネーション波形やCCITT波形の
設定をする波形設定部23とが含まれる。なお、タイミ
ング制御部21には、図示しないその他の各種の設定部
や表示部が接続されており、後述する各種の動作および
表示が行われるようになっている。
【0036】なお、制御回路部21は、上述の各構成部
以外に、サージ出力の発生間隔を設定するサージ出力発
生間隔設定部24と、発生させる各波形の繰り返し数を
設定する繰り返し数設定部25と、LED等からなる充
電中表示部26と、発生させる各波形のサージ電圧を表
示するサージ電圧表示部27と、タイミング制御部21
および波形設定部23から状態信号が入力する正負切替
部28と、波形発生のためのスタート釦等からなるスタ
ート部29と、緊急時に波形発生を停止させるストップ
釦等からなる停止部30等を有している。
【0037】充電高圧発生回路部3は、AC100V等
の交流電源を入力し直流電源に変換する整流部31と、
先に示した電圧・電流制御部20と、この電圧・電流制
御部20の制御を受けて高電圧を発生させる昇圧回路3
2と、正負切替部28の制御を受けて切り替わるスイッ
チ等からなる極性切替回路5等を有している。
【0038】サージ発生回路部4は、充放電部41と、
サージ用スイッチング部6と、波形成形部7とから構成
される。そして、充放電部41は、充電抵抗42と、充
放電コンデンサ43とから主に構成される。サージ用ス
イッチング部6は、トリガパルス発生部44と、スイッ
チング部45とから構成される。そしてスイッチング部
45は、トリガパルス発生部44からトリガパルスを受
けて高圧のサージ電圧を発生する高圧スイッチング部4
6と、バイポーラパワートランジスタの一種であるIG
BT(Insulated Gate Bipoler Transister )等からな
る低圧のサージ電圧を発生する低圧スイッチング部47
とから主に構成される。また、波形成形部7は、コンビ
ネーション波形を整形するコンビネーション波形成形回
路部48と、CCITT波形を成形するCCITT波形
成形回路部49とから主に構成される。
【0039】各波形成形回路部48,49で成形された
各波形が高圧端子50aとグランド端子50bから構成
される出力端子50から出力される。なお、放電抵抗
は、ここでは波形整形回路部48,49中に入れて、波
形成形用と兼用している。
【0040】差動増幅器11によって行う定電流制御
は、少ないパワーで高速に充電が可能となるものであ
る。本実施の形態では、1秒に1回の間隔で4kVの放
電を99999回まで行うことができるものとなってい
るが、この短間隔の放電が行えるのは、定電流充電によ
る高速充電が行えるためである。
【0041】例えば、図7(C)に示す従来の定電圧の
充電回路の場合、コンデンサaとして7μFのものを使
用し、印加電圧bとして4kVを印加するとする。これ
を1秒間で充電するとする。すなわち、1秒間でコンデ
ンサaを0Vから4kVの電圧を充電し、放電可能な状
態にするとする。すると、図7(D)に示す完全充電の
99%の容量までの充電時間(=コンデンサaと抵抗c
による時定数τの5倍)、すなわち5τが1秒となるた
め、τは200msとなる。このため、抵抗cは、(2
00×10-3s)÷(7×10-6F)=約30×103
Ωとなる。この結果、電流は、I=V/Rより、すなわ
ち(4×103 V)÷(30×103 Ω)=0.133
Aとなる。このため、必要な電力P1は、V×I=4×
103 V×0.133A=533ワットとなる。
【0042】一方、これを定電流充電で行うと、Q=C
Vより、7×10-6F×4×103V=28×10-3
=28mCとなる。このクーロン値を1秒間で充電する
となると、流す電流は28mAとなる。このときの必要
な電力P2は、4×103 V×28×10-3C=112
ワットとなる。このように、従来の必要な電力P1に比
べ、この定電流充電のときの必要な電力P2は約5分の
1となる。すなわち、定電流充電の場合、従来のものに
比べ、電源の大きさとして5分の1のものを使用できる
こととなる。
【0043】この定電流充電は、図7(A)のような回
路で達成される。すなわち、電流を監視する小さい抵抗
dの両端の電圧変化を検出し、この検出結果によって直
流制御トランジスタeを制御し、電流が一定になるよう
に制御するものである。これは一種の定傾斜電圧となる
もので、充電される電圧は、図7(B)に示すように、
4kVの充電のときは、その4kVまで定傾斜で充電さ
れ、その後一定となる。これは、電圧Vが、(1/C)
×(電流Iと時間dtの積分)で現されることから、電
流Iが一定であれば時間と共に所定割合で電圧Vが高く
なっていくためである。
【0044】なお、この定傾斜電圧を得るには、図6の
回路の他に、ランプ回路等で基準スロープを得て、その
基準スロープと合うように分圧電圧を制御する方法もあ
る。このランプ回路の例としては、図8に示すように、
差動増幅器60と、抵抗61,62と、スロープの上限
を調整するための抵抗63と、スロープ形成のためのチ
ャージ用抵抗64と、CCITT波形用のコンデンサ6
5と、このコンデンサ65と共に用いられるコンビネー
ション波形用のコンデンサ66と、コンデンサ66を無
効にするためのスイッチ67およびそのスイッチ67の
保護用の極めて小さな抵抗68と、コンデンサ65およ
びコンデンサ66ののチャージ電荷を放電するためのス
イッチ69およびそのスイッチ67の保護用の極めて小
さな抵抗70とから主に構成されている。
【0045】そして、抵抗64とコンデンサ65,66
とでコンビネーション波形用の基準スロープを成形す
る。一方、抵抗64とコンデンサ65とでCCITT波
形用の基準スロープを形成する。また、抵抗63への接
続点を調整することで図7(B)の平行状態となる電圧
を得ている。なお、コンデンサ65はコンデンサ66よ
り1桁以上大きなものとする。
【0046】このランプ回路では、コンビネーション波
形時、サージ電圧発生と同時にスイッチ67を開状態か
ら図8の状態にすると共にスイッチ69を閉状態にし
て、放電する。一方、CCITT波形時は、スイッチ6
7は図7の状態として充電し、サージ電圧発生と同時に
スイッチ69を閉状態として、コンデンサ65の電荷を
放電する。このように、充電、放電を繰り返して、基準
スロープをサージ発生のたびに得るようにすることがで
きる。
【0047】図6において、定電流充電される充放電コ
ンデンサ43は、図9に示すように、コンデンサ80,
81から構成される。そして、ショートバー82をCC
ITT側に接続したとき、両コンデンサ80,81を合
わせて20μFとなるようにされている。なお、コンデ
ンサ80,81は、急速充電が可能となるようなオイル
コンデンサ等が使用されている。
【0048】ショートバー83がHIGH側に設定され
ると、球ギャップ方式で形成されるギャップ84で高圧
のスイッチングがなされる。この高圧のスイッチング
は、空胴半球状の電極85と、その電極85と対向する
同じく空胴半球状の電極86と、ギャップ84の空間部
分をイオン化し電流が電極85から電極86へ流れ易く
する予備電極87とから構成される。そして、発生させ
たい電圧によって両電極85,86間の距離を変えてい
る。例えば、1kVのときは、その距離を約0.5mm
とし、4kVのときは2〜3mmとしている。
【0049】なお、高圧スイッチング部46と低圧スイ
ッチング部47の切り替えを行うショートバー88と、
コンビネーション波形とCCITT波形の切り替えを行
うショートバー89,90が、サージ用スイッチング部
6と波形成形部7に設置されている。
【0050】高圧スイッチング部46は、600Vから
4kVに対応し、低圧スイッチング部47は、100V
から1KVまでに対応させ、両者をオーバーラップさせ
ている。そして、球ギャップ方式のスイッチング特性に
合わせ、IGBTによるスイッチング特性を調整し、両
者を同等にしている。この結果、低圧側と高圧側との間
で相互にリニアな特性で連続推移するものとなる。ま
た、各波形は、インパルス試験器1内のデータメモリ
(図示省略)に保存され、被試験体の改善、耐性の解析
に利用される。
【0051】出力端子50には、オシロスコープ用の電
圧出力端子101と、電流出力端子102とが接続され
ている。そして、モニタトリガ用回路部103でモニタ
用トリガ信号が形成されオシロスコープ160でサージ
出力と同期して各波形がモニタされる。
【0052】このモニタトリガ用回路部103は、図1
0に示される構成となっている。すなわち、波形成形部
7に入るサージ出力をコンデンサ105,106から形
成される分圧部によって分圧し、その分圧電圧を取り出
している。取り出された分圧電圧は、トランス部となる
パルストランス107によって高電圧や大電流のサージ
出力から分離される。パルストランス107には、整流
回路108が接続される。この整流回路108によって
負のサージ出力も正のサージ出力に変換される。
【0053】整流回路108からの出力がサージ出力の
分圧Vpとして比較部となるレベルコーパレータ109
のプラス側に入り、サージ電圧設定部22で生成される
トリガ用基準電圧から分圧された電圧がマイナス側にV
refとして入力する。レベルコンパレータ109の出
力端に成形部110が接続され、モニタ用トリガが成形
される。そして、モニタ用トリガ信号がオシロスコープ
160に取り込まれる。
【0054】コンデンサ105,106による分圧は、
周波数に無関係であることおよび分圧信号の高周波イン
ピーダンスを低くできるので、高周波ノイズの小さいす
なわちS/N比の大きい信号を取り出せることから、正
確なトリガを生成できる効果を有する。なお、コンデン
サ105(C1という)は、コンデンサ106(C2と
いう)に比べ非常に小さな値とすることにより、分圧
は、C1/(C1+C2)=約C1/C2となり、上述
の高周波ノイズの小さなものとできる。
【0055】また、レベルコンパレータ109へ入力す
るサージ出力の分圧Vpと、トリガ用基準電圧Vref
とは、図11に示すように一定の比例関係となるので、
サージ出力が立ち上がってから常に一定時間後にモニタ
用トリガ信号を発生させることができる。すなわち、サ
ージ出力の発生に確実に追従させることが可能となる。
なお、従来のモニタ用トリガ信号は、トリガパルス発生
部45に相当するトリガ生成部によって生成されるトリ
ガ信号を利用している。このため、従来のモニタ用トリ
ガでモニタを行うと、主放電が遅れたり早まったりする
と、モニタ図形が動き測定しにくくなるという問題があ
る。これに対し、このモニタトリガ用回路部103を使
用したものでは、取り込みの基準位置が常に一定とな
り、測定し易いものとなる。なお、モニタ用トリガ信号
は、各波形の立ち上がりからt21で示される時間、す
なわち約25μs後の位置が基準位置となり安定的にモ
ニタされる。
【0056】ここで、モニタトリガ用回路部103は、
ストローブ信号発生回路部ともなっている。すなわち、
レベルコンパレータ109からは、ブレークダウンによ
る電圧降下を読み出すためのストローブ信号も出力され
る。このストローブ信号は、図12に示すように、モニ
タ用トリガ信号が発生してから一定時間(t22)後に
発生する。すなわちサージ出力の立ち上がり開始から一
定時間(t21+t22)後に発生させている。なお、
この一定時間(t21+t22)後の分圧Vpがトリガ
用基準電圧Vrefと比べて一定値以下であれば、ブレ
ークダウン発生とみなしストローブ信号を出力し、一定
値以上であれば、ブレークダウンは起こらなかったとし
てストローブ信号を発生させないようになっている。こ
のt21とt22の合計時間は、通常40〜50μsと
なっている。これは、ブレークダウンは、サージ出力が
発生してから10〜30μsで生じるため、40〜50
μs後であれば、確実にブレークダウンを検出できるた
めである。
【0057】なお、オシロスコープ160は、各サージ
出力をすべてその内部のメモリ(図示省略)に蓄えてお
り、モニタ用トリガ信号がきた時点で、そのメモリした
サージ出力波形をオシロスコープ160の画面に表示す
ることとなる。そして、このインパルス試験器1では、
その表示の際の基準時刻(=表示位置の基準点)が各サ
ージ出力に対し常に一定となるため、表示波形が見易く
なり、目での解析もし易くなる。
【0058】以上のような回路構成を有するインパルス
試験器1の外観構成は、図13および図14に示すよう
になっている。このインパルス試験器1は、箱形状でそ
の前面側に各種のつまみや設定部があり(図13参
照)、背面側に電源入力部等がある(図14参照)。な
お、寸法は、高さ1.7mで、幅0.6mで、奥行き
0.9mとなっている。そして、本体前面の中央部に各
種のつまみや各種のメータが配置され、操作し易く、か
つ見易くしている。また、本体前面の中央部の上方の見
易く操作し易い位置に内蔵のオシロスコープ160が配
置されている。
【0059】次に、このような外観構成を有するインパ
ルス試験器1の前面および背面に配置される各種の設定
部や表示部について説明する。なお、これらの設定部や
表示部のほぼ全てが先に示したタイミング制御部21に
よって制御されるものとなっている。
【0060】電源スイッチ121は、このインパルス試
験器1の電源スイッチで、「POWER」の表示がなさ
れており、オン時に点灯、オフ時に消灯となる。サージ
極性切替スイッチ122は、「POSI」と「NEG
A」の各表示をもつ各釦からなるサージ極性(+/−)
の切り替えスイッチで、後述するHV−ONスイッチ1
33がオンの時には切り替え出来ないようになってい
る。よって、HV−ONスイッチ133をオフ(停止部
30に相当するストップスイッチ135を押す)にして
操作する。なお、+極性は「POSI」、−極性は「N
EGA」の各表示となっている。サージ電圧/電流調整
ツマミ123は、出力されるサージ電圧とサージ電流を
設定するつまみで、サージ電圧設定部22の一部となっ
ている。
【0061】チャージ電圧メータ124は、LED等で
構成されているもので、チャージ電圧を表示する。サー
ジ電圧/電流調整ツマミ123で設定した電圧までの充
電状況をこのチャージ電圧メータ124で確認すること
が出来る。設定電圧に達した時、サージが出力され、こ
のチャージ電圧メータ124の指示値は初期状態に戻
る。なお、チャージ電圧は、サージアウト電圧より約1
割位高くなっている。これは、サージアウト電圧(=サ
ージ出力電圧)は、途中の回路で電圧降下が生じるため
である。チャージ電圧検出ランプ125は、充電中表示
部26に相当し、チャージを行っている間、点灯する。
【0062】サージ出力電圧メータ126は、サージ電
圧表示部27に相当し、サージ出力電圧の出力値を設定
するメータとなっている。この設定は、サージ電圧/電
流調整ツマミ123で行う。シングル/リピート設定ス
イッチ127は、「REPEAT」と「SINGLE」
の各表示をもつ各釦からなりサージ出力をシングル(単
発)、リピート(繰り返し)のどちらかに設定するスイ
ッチとなっている。
【0063】サージ繰り返し回数設定スイッチ128
は、繰り返し数設定部25に相当し、リピートのとき、
繰り返し回数を最大99999回まで設定することが出
来る。サージ繰り返し回数設定スイッチ128は、図1
5に示すように5桁の表示の表示部128aとそれぞれ
の表示部128aを減算する減算操作部128bと、そ
れぞれの表示部128aを加算する加算操作部128c
とから構成される。5桁の表示部128aの設定が「0
0000」の場合は作動せず、一方、シングル(単発)
モードのときは、設定が「00000」の場合でもサー
ジは出力されるようになっている。なお、設定された数
値は、後述するプリセット釦129bによりプリセット
カウンタ129aにセットされる。
【0064】プリセットカウンタ129aおよびプリセ
ット釦129bからなるプリセット部129は、リピー
トモードの時、設定回数を表示する。プリセットカウン
タ129aは、減算カウンタとして働き、プリセットカ
ウンタ129aの表示が「00000」の時は、高圧を
オンに出来ない。なお、再度同じ回数で試験をする場合
は、プリセット釦129bを押すと、サージ繰り返し回
数設定スイッチ128で設定した回数を表示する。イン
ターバル設定スイッチ130は、サージ繰り返し回数設
定スイッチ128と同様な構成で、3桁の表示部と、そ
れぞれの加算および減算を行う操作釦からなる。そし
て、リピートモードの時、サージの繰り返し間隔を1〜
999秒まで設定出来る。また、CCITT波形の時は
このインターバル設定スイッチ130は働かず、1分間
固定間隔で交互に+/−波形を出力することとなる。な
お、この間隔を固定ではなく、任意の間隔に設定できる
ようにしても良い。
【0065】ローカル/GP−IB設定スイッチ131
は、「LOCAL」と「GP−IB」の表示を有する各
釦からなり、このインパルス試験器1を外部よりGP−
IB制御するときの設定スイッチとなっている。ローカ
ルに設定した時は、各スイッチが動作状態となり、GP
−IBに設定した時は、外部制御となる。COMBI+
/−TURNING設定スイッチ132は、インパルス
設定スイッチ130と同様な構成で、極性を切り替える
時の切り替え時間を設定するスイッチとなっている。コ
ンビネーション波形の時のみ有効で、CCITT波形の
時は1分間固定となる。なお、10.0秒から99.9
秒のセットが可能で、10秒未満の数字を設定すると、
HV−ONスイッチ133をオン出来ないようになって
いる。
【0066】HV−ONスイッチ133は、高圧をオン
にするスイッチで、このHV−ONスイッチ133をオ
ンした後、スタートスイッチ134を押すとチャージを
開始し、インターバル設定時間後、サージが出力され
る。なお、次の場合は、HV−ONスイッチ133をオ
ンできない。すなわち、各ショートバーの設定違い、ド
アが開いている、インターバルの設定が0秒、プリセッ
トカウンタ129aが「0」、切替時間が10秒未満、
ブレークダウンが働いているという各場合には、オンで
きない。
【0067】スタートスイッチ134は、スタート部2
9に相当し、このスタートスイッチ134用の釦を押す
とチャージを開始し、インターバル設定時間後にサージ
が出力される。なお、安全のためにカバー付きとなって
おり、カバーを持ち上げてスタートスイッチ134を押
す。このスタートスイッチ134は、HV−ONスイッ
チ133がオンの時のみ動作する。ストップスイッチ1
35は、停止部30に相当し、試験を停止または中止す
るとき、このストップスイッチ135を押す。すると、
HV−ONスイッチ133とスタートスイッチ134が
オフとなり、高圧がオフされる。
【0068】絶縁破壊検出表示ランプ136は、被試験
体の絶縁破壊を検出し、ランプとブザーで表示する。絶
縁破壊検出機能オンオフ切替及びブザーリセットボタン
137は、図16に示すように、「OFF」と「ON」
と「RESET」の3位置からなり、上に倒すと機能が
オフになるように構成されている。また、下に倒し機能
オンにし、かつ絶縁破壊を検出した時、さらに下に押し
「RESET」の位置までもたらすと、絶縁破壊検出表
示ランプ136部分の鳴奏中のブザーが止まる。
【0069】高圧危険表示ランプ138は、「DANG
ER」の表示がされており、HV−ONスイッチ133
(高圧オンスイッチ)をオンにするとその表示部分が点
灯し、試験中に周囲の人に注意を促すものとなってい
る。サージ電圧切替スイッチ139は、サージ出力電圧
範囲を設定するスイッチで、「HIGH」表示の釦と
「LOW」表示の釦とからなっている。そして、コンビ
ネーション波形の場合900Vから4kVの高圧と、1
00Vから900Vの低圧に切り替えるものとなってい
る。一方、CCITT波形の場合、800Vから2.5
kVの高圧と、100Vから800Vの低圧に切り替え
るものとなっている。なお、このサージ電圧切替スイッ
チ139は、押すごとに交互に切り替わるようになって
いる。
【0070】波形選択スイッチ140は、波形設定部2
3に相当し、サージ波形を設定するものとなっている。
すなわち、コンビネーション波形用の釦とCCITT波
形用の釦からなり、対応する釦を押すごとにコンビネー
ション波形とCCITT波形が交互に切り替わる。リモ
ートスイッチ接続用コネクタ141は、リモートスイッ
チを接続するためのもので、離れた場所からのスタート
が出来るようにするものである。なお、リモートスイッ
チを接続すると、リモートスイッチ優先となり、スター
トスイッチ134は、使用出来なくなる。
【0071】サージ電圧接続切替部142は、サージ出
力電圧の設定を行うもので、図17に示すような表示お
よび構成からなっている。すなわち、ショートバー8
3,88とその接続部からなる。サージ電圧切替スイッ
チ139で設定した位置のLEDが点灯するので、2回
路とも各LED83a,83b,88a,88b中の点
灯位置側に各ショートバー83,88を接続する。
【0072】本体下方部の波形選択接続切替部143
は、サージ出力波形の設定を行うもので、図18に示す
ような表示および構成からなっている。すなわち、ショ
ートバー82,89,90とその接続部からなる。波形
選択スイッチ140で設定した位置側にあるLEDが点
灯するので、3回路とも各LED82a,82b,89
a,89b,90a,90b中の点灯位置側にショート
バー82,89,90を接続する。なお、3回路ともL
EDの点灯位置に接続しないとサージを発生させること
が出来ない。
【0073】本体最下方部のアウトプット(サージアウ
ト)端子144は、出力端子50に相当し、サージが直
接出力される。このアウトプット端子144に、出力ケ
ーブルを接続して、被試験体にサージを供給する。電圧
モニタ接続コネクタ145は、出力電圧波形をモニタす
る際、ここにモニタ出力ケーブルを接続し、もう一方
を、外部のオシロスコープに接続する。なお、出力電圧
は1000:1で分圧されている。すなわち1kVで、
モニタ側は1Vとなる。また、電流モニタ接続コネクタ
146は、出力電流波形をモニタする際、ここにモニタ
出力ケーブルを接続し、もう一方を外部のオシロスコー
プに接続する。なお、出力電流は1000:1で電圧変
換されている。すなわち、1KAで、モニタ側は1Vと
なる。
【0074】V出力(波形取り込み用)接続コネクタ1
47は、サージ電圧波形を内蔵のオシロスコープ160
に取り込む為のコネクタとなっている。また、I出力
(波形取り込み用)接続コネクタ148は、サージ電流
波形を内蔵のオシロスコープ160に取り込むためのコ
ネクタとなっている。さらに、トリガ接続コネクタ14
9は、サージ電圧/電流波形を内蔵のオシロスコープ1
60に取り込むためのトリガをオシロスコープ160に
出力するための接続コネクタとなっている。
【0075】扉開閉安全スイッチ150は、扉を開くと
開となり、サージ用高圧電源がオン出来ないよう危険防
止の役割を有している。この扉開閉安全スイッチ150
は、前面アクリル扉161に設けられているが、同様の
安全スイッチが後部扉に1ヶ所、このインパルス試験器
1の左右パネル各1ヶ所に設けられている。さらに、イ
ンパルス試験器1の本体下部には、本体固定用アジャス
タ151が設置固定のために設けられている。
【0076】本体背面側に存在する本機ヒューズ152
は、このインパルス試験器1の所要電源用ヒューズで、
その値は10Aとなっている。本機電源コネクタ153
は、所要電源入力コネクタで、各種の電圧を適宜入力で
きる。この実施の形態では、所要電源電圧はAC100
Vで10Aとなっている。
【0077】本機アース端子154は、保安用接地端子
で、人体安全のため、必ずこの端子154から屋内の接
地端子に接続するようにする。また、GP−IB接続用
コネクタ155は、内蔵のオシロスコープ160からの
波形出力用GP−IBインターフェースコネクタとなっ
ている。このGP−IB接続用コネクタ155への接続
によって、このインパルス試験器1を外部よりコントロ
ールする機能を付加させることが出来る。
【0078】本機ノンヒューズブレーカ156は、本体
所要電源用ノンヒューズブレーカで、この実施の形態で
は10Aの容量となっている。さらに、後部扉用取っ手
157は、後部扉162の開閉用で、この扉162が完
全に閉まっていないと高圧がオン出来ないようになって
いる。
【0079】サービスコンセント158は、外部出力用
サービスコンセントで、この実施の形態ではAC100
Vで、取り出せる最大電流は3Aとなっている。また、
サービスコンセント用ヒューズ159は、サービス出力
コンセント用ヒューズで、この実施の形態では、3Aが
内蔵されている。
【0080】次に、以上のように構成されるインパルス
試験器1による各種試験方法について説明する。
【0081】まず、このインパルス試験器1によって行
われるブレークダウン検出について説明する。このブレ
ークダウン検出は、サージ電圧の印加によって発生する
絶縁破壊の有無を知るための機能で、何kVのサージ電
圧で絶縁破壊が発生したかを検知するものとなってい
る。
【0082】この検出は、未知の耐サージ電圧の電気設
備や電気・電子部品を試験する場合に、比較的低めのサ
ージ電圧から試験を開始し、徐々に印加サージ電圧を上
げていく。さらに、印加サージ電圧を増大させて行き、
あるしきい値に達するとそれまでの電圧に比例した電流
と全く異なって急激な電流増加が現れる。これを絶縁破
壊とみなし、ブレークダウンとして検出する。
【0083】次に、このようなブレークダウン検出を行
う場合の、一般的な操作手順について説明する。 ケーブル類および被試験体を接続後、電源スイッチ1
21をオンする。 サージ極性をサージ極性切替スイッチ122で決定す
る。なお、リピート時は最初のパルスの極性が選択さ
れ、シングル時は選択された極性のみのサージが得られ
る。 サージ繰り返しをシングル/リピート設定スイッチ1
27で決定する。サージの繰り返しをリピートに設定し
た時は、サージ繰り返し回数設定スイッチ128で回数
を設定し、プリセット釦129bを押すと、プリセット
カウンタ129aに設定値がプリセットされる。 コンビネーション波形の時は、サージの間隔をインタ
ーバル設定スイッチ130で1.0〜99.9秒の間に
設定し、極性切替時の間隔をCOMBI+/−TURN
ING設定スイッチ132で10.0から99.9秒の
間に設定する。CCITT波形の時は、インターバル設
定スイッチ130やCOMBI+/−TURNING設
定スイッチ132の設定に関係なく、1分間固定で+サ
ージと−サージが交互に出力される。 HV−ONスイッチ133を押す。 サージ電圧/電流調整ツマミ123で、任意の電圧に
設定する。 スタートスイッチ134を押す。 チャージが開始されると、チャージ電圧検出ランプ1
25が点灯し、チャージが完了すると、チャージ電圧検
出ランプ125が消え、所定の時間が来るとサージが発
生する。
【0084】コンビネーション波形出力の時は、サージ
極性切替スイッチ122で設定した極性のサージを、リ
ピート回数出力後、自動的に逆極性に切り替わり、再度
リピート回数出力し、自動停止する(図19参照)。C
CITT波形の時は、サージ極性切替スイッチ122で
設定した極性のサージと逆極性のサージを、各1回を1
サイクルとし、リピート回数繰り返し、自動停止する
(図20参照)。
【0085】以上のような一般的動作に加え、特定の試
験に特有な操作を各試験毎に説明する。
【0086】まず、IEC950に基づく絶縁耐力試験
方法について説明する。この試験ではコンビネーション
波形を利用する。 1.アウトプット(サージアウト)端子144の両端子
を、被試験体の一次、二次回路等、または印刷回路基板
等の試験箇所に接続する。 2.サージ繰り返し回数設定スイッチ128で繰り返し
回数を3回に設定し、プリセット釦129bを押す。 3.シングル/リピート設定スイッチ127をリピート
に設定する。 4.必要に応じ、サージ極性切替スイッチ122で極性
を切り替える。 5.サージ電圧切替スイッチ139を設定する。すなわ
ち印加する電圧が900V以下の時はLOWに、900
V以上はHIGHに設定する。 6.波形選択スイッチ140をコンビネーション波形に
設定する。 7.各ショートバー82,83,88,89,90をL
ED82a,82b,83a,83b,88a,88
b,89a,89b、90a、90bの点灯に従い設定
し、確実にショートバー用つまみ82c,83c,88
c,89c,90cを締め付ける。 8.サージ電圧/電流調整ツマミ123でサージ電圧を
必要電圧に調整する。 9.HV−ONスイッチ133を押した後、スタートス
イッチ134を押す。 10.絶縁破壊を検出すると、絶縁破壊検出表示ランプ
136が点灯し、ブザーが鳴ると共に、全てのサージ発
生動作が停止する。なお、絶縁破壊の確認は、内蔵のオ
シロスコープ160でも確認可能となっている。このと
きの波形は、図4に示すような波形となる。
【0087】この絶縁耐力試験は、印加する電圧の大き
さによって少なくとも、機能絶縁、基礎絶縁および強化
絶縁の3つの絶縁試験に分類され、このインパルス試験
器1では各試験が実施可能となっている。機能絶縁と
は、機器が正しく機能する上で必要な絶縁で、基礎絶縁
とは、感電に対する基礎的な保護の役目をしている絶縁
である。また、強化絶縁とは、IEC950で規定した
条件のもとで二重絶縁と同程度に感電に対する保護を行
うことができる単一の絶縁体系を指す。
【0088】ここで、機能絶縁と基礎絶縁とは、同一の
サージ電圧とするのが好ましい。また、強化絶縁につい
ては、機能絶縁等に比べ2倍程度のサージ電圧とするの
が良い。さらに、各絶縁試験では、被試験体の電源側と
なる1次側、変圧され低電圧となる2次側および被試験
体のアース部となる器体側の3ヶ所のうちいずれか2つ
を選んで接続し、サージ電圧を印加するようにしてい
る。一般的に、1次対器体、1次対2次、1次対1次に
比べ、2次対器体、2次対2次では、その印加電圧は若
干低く設定される。
【0089】なお、生産ラインでの絶縁破壊電圧の評価
による導体間距離評価方法として、次のようなものもあ
る。すなわち、距離を測定して問題がないことが確認さ
れている、塗膜を施していない印刷回路基板等の10個
のサンプルについて絶縁破壊試験電圧を測定し、その中
の最も低い絶縁破壊電圧より100V低い電圧(もちろ
ん、この電圧が絶縁破壊電圧規格値よりも高いことが前
提となる)を生産ラインでの評価電圧として絶縁破壊の
有無を調べる。ただし、絶縁破壊が生じたものでも、ど
こで絶縁破壊が生じたか確認し、その箇所の距離を測定
して所定規格に適合している場合は、問題ありとはしな
いようにするのが好ましい。
【0090】次に、IEC950に基づく電気通信回線
の絶縁試験方法について説明する。この試験ではCCI
TT波形を利用する。 1.アウトプット(サージアウト)端子144の高圧側
に、被試験体の、電気通信回線に接続するボード、また
は使用者が接続する他の機器に接続する全ての電線をま
とめて接続する。 2.アウトプット(サージアウト)端子144の接地側
に、被試験体の、正常使用時に保持したり接触する非接
地金属部および非金属部等を接続する。 3.サージ繰り返し回数設定スイッチ128で繰り返し
回数を10回に設定し、プリセット釦129bを押す。 4.シングル/リピート設定スイッチ127をリピート
に設定する。 5.必要に応じ、サージ極性切替スイッチ122で極性
を切り替える。 6.サージ電圧切替スイッチ139をHIGHに設定す
る。 7.波形選択スイッチ140をCCITT波形に設定す
る。 8.各ショートバー82,83,88,89,90をL
ED82a,82b,83a,83b,88a,88
b,89a,89b、90a、90bの点灯に従い設定
し、確実にショートバー用つまみ82c,83c,88
c,89c,90cを締め付ける。 9.サージ電圧/電流調整ツマミ123でサージ電圧を
2.5kV、あるいは1.5kVに調整する。すなわ
ち、接触する部分が非金属部または非接地の金属部の場
合は2.5kVに、回路部等の場合は1.5kVに設定
する。 10.HV−ONスイッチ133を押した後、スタート
スイッチ134を押す。 11.絶縁破壊を検出すると、絶縁破壊検出表示ランプ
136が点灯し、ブザーが鳴ると共に、全てのサージ発
生動作が停止する。なお、絶縁破壊の確認は、内蔵のオ
シロスコープ160でも確認可能となっている。
【0091】以上のように、各試験においてブレークダ
ウンを検出すると、コントロールパネルにある絶縁破壊
検出表示ランプ136が点灯し、ブザーが鳴る。リピー
トモードで試験を行っているときでも、ブレークダウン
を検出すると全てのサージ発生動作が停止する。また、
サージ発生停止解除、ランプ消灯およびブザー停止に
は、絶縁破壊検出機能オンオフ切替及びブザーリセット
ボタン137を一番下にあるリセット側に押す。なお、
ブレークダウン検出機能を使用しないときは、上述のい
わば絶縁破壊検出機能オンオフ切替及びブザーリセット
ボタン137をオフ(上側)の位置で使用するようにす
る。
【0092】このインパルス試験器1を使用すると、I
EC950の規定の基づく試験が行える他に、被試験体
の耐性テストが可能であり、被試験体のサージ電圧に対
する改善、改良が容易に行える。すなわち、1秒以上の
任意の間隔で、かつ任意の回数でしかも任意の電圧でサ
ージ電圧やサージ電流を被試験体に加えることができ
る。このため、どの時点で被試験体がブレークダウン
(絶縁破壊)を起こすかを正確に確認できる。しかも、
そのブレークダウン時の波形がメモリされるので、解析
も十分行える。
【0093】なお、上述の実施の形態は、本発明の好適
な実施の形態の例であるが、これに限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変
形実施可能である。例えば、低圧スイッチング部47と
して、IGBTを使用しているが、サイリスタ等の他の
半導体素子としても良い。また、高圧スイッチング46
としては、空胴半球状の電極85,86を使用したが、
図21に示すように、同様な球ギャップ方式であるサイ
ラトロンの構成を使用したり、高耐圧リレーやイグナイ
トロン等、高圧に適性を有する従来のスイッチング部材
を使用しても良い。なお、高圧での安定性を考えると、
球ギャップ方式が好ましい。
【0094】図21(A)で示すサイラトロン使用のさ
い断波発生器170は、上述の実施の形態における充電
高圧発生回路部3に相当するインパルス電圧発生器17
1と、抵抗172,173と、遅延パルス発生器174
と、サイラトロン175とから主に構成される。ここ
で、遅延インパルス発生器174は、インパルス電圧発
生器171による発生電圧を抵抗172,173で分圧
して遅延ケーブルまたは遅延素子回路により遅らせてサ
イラトロン175のグリッドに加えるものである。ここ
で、図中、eはさい断波電圧を、Gは有孔球ギャップ
を、gは始動針端ギャップをそれぞれ示している。この
ようなサイラトロン175と同様な構成を本発明のイン
パルス試験器の高圧スイッチング部46に使用しても良
い。
【0095】なお、サイラトロンと同様な構成を採用し
て、高圧領域のサージ出力の制御範囲を広くしたいとき
には、図21(B)に示すさい断波発生器180の考え
方を高圧スイッチング部46に採用しても良い。すなわ
ち、有孔球ギャップを2つのギャップG1,G2に分割
し、中間球176にサージ電圧の約2分の1の直流電圧
を加えるようにする。また、サージ電圧を8〜15KV
程度の高い電圧としたいときは、図21(A)に示すさ
い断波発生器170中のサイラトロン175を分圧器付
多段球ギャップ方式とする構成と同様な構成を採用する
ことにより達成される。このように、さい断波発生のた
めの装置と同様な機構を、本発明のインパルス試験器で
採用することができる。
【0096】また、出力する波形としては、コンビネー
ション波形やCCITT波形の他に、他の各種の波形を
出力するようにしても良い。この場合、充電抵抗42や
充放電コンデンサ43等をその波形に対応して、他の値
のものに切り替えることができるようにする。また、制
御回路部2を形成する場合、各実施の形態のように各種
の回路素子で構成するのではなく、マイコン(CPU)
等によって形成するようにしても良い。同様に、制御回
路部2の一部であるタイミング制御部21のみをマイコ
ン化するようにしても良い。
【0097】さらに、繰り返し間隔を1秒以上としてい
るが、各種の値を変更することによって1秒以下の間隔
とすることもできる。同様に、繰り返し数やサージ電圧
の各値を上記実施の形態の各値ではなく、一層大きな値
や広い値とすることができる。また、±10/700μ
sの電圧波形も1分間固定の間隔ではなく、1.2/5
0μsの電圧波形のように、任意の間隔としたり、加え
てコンビネーション波形のようにブレークダウン時に電
流波形を発生させるようにしても良い。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載のイ
ンパルス試験器は、スイッチング部を高圧スイッチング
部と低圧スイッチング部に分け、両スイッチング部の特
性をほぼ同一としたので、低電圧から高電圧までの広い
範囲で安定的なサージ出力を得ることができると共に、
安定した高電圧・大電流のサージ出力を得ることが可能
となる。
【0099】また、請求項2記載の発明では、安定的な
高圧用の球ギャップ方式のスイッチング部の特性に低圧
スイッチング部の特性を合わせているので、一層安定し
た低電圧から高電圧までのサージ出力を得ることができ
る。さらに、請求項3記載の発明は、両スイッチング部
の使用電圧をオーバーラップさせているので、低電圧と
高電圧との間で電圧の途切れがなく、各サージ電圧をス
ムーズに取り出すことができる。
【0100】また、請求項4記載の発明では、サージ出
力発生のための充電を定電流充電とし、充電時間を1秒
より短くしているので、少ないパワーの電源で高圧の充
電が可能となると共に、1秒間隔という極めて短い間隔
でサージ出力を発生させることができる。このため、従
来と同等のパワーの電源を使用すると、高速充電が可能
となり、サージ出力の発生間隔を従来に比べ短くするこ
とができると共に、各種の試験を行えるものになり、応
用範囲の広いインパルス試験器とすることができる。
【0101】また、請求項5記載の発明は、IECで規
定されるコンビネーション波形をサージ出力として発生
させることができるので、IECで規定される各種の試
験を行えると共に、電流波形によってブレークダウン後
の被試験体の状態を分析でき、被試験体の耐圧に関する
改善、改良を効率的に実施することができる。さらに、
請求項6記載の発明では、設定された間隔でサージ出力
を発生させた後、極性を反転させ、同様の間隔でサージ
出力を発生させているので、従来の60秒間隔の雷サー
ジシミュレータでは行うことができない各種の試験を行
うことができるようになる。
【0102】また、請求項7記載のインパルス試験器
は、モニタ用トリガ信号を、発生したサージ出力を利用
して生成しているので、従来のように主放電が遅れたり
早まったりしても、その遅早の影響を受けずにモニタす
ることが可能となる。さらに、請求項8記載の発明で
は、コンデンサによる分圧でサージ出力を分圧している
ので、正確なトリガを生成できると共にパルストランス
を用いているので、モニタ用トリガ信号の生成部が高電
圧や大電流のサージ出力から分離され安定した信号を取
り出せるものとなる。加えて、請求項9記載の発明では
サージ出力の大きさが変わっても、サージ出力が立ち上
がってから常に一定時間後にモニタ用トリガ信号を得る
ことができる。
【0103】また、請求項10記載のインパルス試験器
は、ブレークダウン後の波形をモニタするためのストロ
ーブ信号を、発生したサージ出力を利用して生成してい
るので、従来のように主放電が遅れたり早まったりして
も、その遅早の影響を受けずに電流波形等をモニタする
ことが可能となる。さらに、請求項11記載の発明で
は、コンデンサによる分圧でサージ出力を分圧している
ので、正確なトリガを生成できると共にパルストランス
を用いているので、ストローブ信号の生成部が高電圧や
大電流のサージ出力から分離され安定した信号を取り出
せるものとなる。加えて、請求項12記載の発明ではサ
ージ出力の大きさが変わっても、サージ出力が立ち上が
ってから常に一定時間後にストローブ信号を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のインパルス試験器のブロ
ックダイヤグラムを示す図である。
【図2】本発明のインパルス試験器によって発生するコ
ンビネーション波形を示す図で、(A)は電圧波形を示
し、(B)は電流波形を示す図である。
【図3】本発明のインパルス試験器によって発生するC
CITT波形を示す図である。
【図4】本発明のインパルス試験器によって被試験体が
絶縁破壊を起こしたときの電圧波形と電流波形の関係を
示す図である。
【図5】本発明の実施の形態のインパルス試験器の詳細
なブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態のインパルス試験器の要部
回路図である。
【図7】本発明の実施の形態のインパルス試験器に使用
されている定電流制御を説明するための図で、(A)は
定電流制御の基本回路を示す図で、(B)は定電流制御
による充電状態を示す図で、(C)は従来の定電圧制御
の回路を示す図で、(D)は(C)の回路での充電状態
を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態のインパルス試験器によっ
て定電流充電を行わせる際の定電流制御の変形例で、ラ
ンプ回路を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態のインパルス試験器のスイ
ッチング部周辺の回路を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態のインパルス試験器のモ
ニタ用トリガ信号を発生するモニタトリガ用回路部周辺
の回路構成図である。
【図11】図10のモニタトリガ用回路部で発生するモ
ニタ用トリガ信号の生成を説明するための図で、(A)
はレベルコンパレータに入力する各信号を示し、(B)
は発生するモニタ用トリガ信号を示す図である。
【図12】図10のモニタトリガ用回路部兼ストローブ
信号発生回路部で発生するモニタ用トリガ信号やストロ
ーブ信号等を示す図で、(A)は絶縁破壊が生じたとき
の電圧波形および電流波形を示し、(B)はモニタ用ト
リガ信号を示し、(C)はストローブ信号を示す図であ
る。
【図13】本発明の実施の形態のインパルス試験器の前
面外観を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態のインパルス試験器の背
面外観を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態のインパルス試験器のサ
ージ繰り返し回数設定スイッチを示す図である。
【図16】本発明の実施の形態のインパルス試験器の絶
縁破壊検出機能オンオフ切替及びブザーリセットボタン
を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態のインパルス試験器のサ
ージ電圧接続切替部を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態のインパルス試験器の波
形選択接続切替部を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態のインパルス試験器によ
って発生する1.2/50μsの波形を使用して試験を
行う場合の、サージ出力の発生状態を説明するための図
である。
【図20】本発明の実施の形態のインパルス試験器によ
って発生するCCITT波形を使用して試験を行う場合
の、サージ出力の発生状態を説明するための図である。
【図21】本発明のインパルス試験器の高圧スイッチン
グ部に適用できる他の例を示す図で、(A)はサイラト
ロン使用の基本的なさい断波発生器を示す回路図で、
(B)は広い範囲での制御電圧発生を可能にするサイラ
トロン使用のさい断波発生器を示す回路図である。
【図22】従来の雷サージシミュレータに使用されてい
る要部回路図である。
【図23】従来の雷サージシミュレータの外観および使
用方法を説明するための図である。
【図24】従来の雷サージシミュレータで生成される電
圧波形を示す図である。
【符号の説明】
1 インパルス試験器 2 制御回路部 3 充電高圧発生回路部(高電圧発生回路部) 4 サージ発生回路部 5 極性切替回路 6 サージ用スイッチング部 7 波形成形部 11 差動増幅器(定電流制御用) 12 差動増幅器(電圧制御用) 13 和回路 15 制御電圧・電流生成部 19 分圧回路部 20 電圧・電流制御部 21 タイミング制御部 45 スイッチング部 46 高圧スイッチング部 47 低圧スイッチング部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧および電流を制御する制御回路部
    と、高電圧発生回路部と、上記制御回路部からのタイミ
    ングによってサージ出力を発生するサージ発生回路部と
    を備え、上記サージ発生回路部に、高電圧領域で上記サ
    ージ出力を発生させる高圧スイッチング部と、低電圧領
    域で上記サージ出力を発生させる低圧スイッチング部と
    を設け、両スイッチング部の特性をほぼ同一としたこと
    を特徴とするインパルス試験器。
  2. 【請求項2】 前記高圧スイッチング部を球ギャップ方
    式によるスイッチングとし、前記低圧スイッチング部を
    半導体素子によるスイッチングとし、前記高圧スイッチ
    ング部の特性に前記低圧スイッチング部の特性を合わせ
    たことを特徴とする請求項1記載のインパルス試験器。
  3. 【請求項3】 前記低圧スイッチング部の作動領域を1
    00Vから数100Vまでとし、前記高圧スイッチング
    部の作動領域を100Vと上記数100Vの間の値から
    数KVまでとしたことを特徴とする請求項1または2記
    載のインパルス試験器。
  4. 【請求項4】 前記制御回路部に、定電流制御回路部を
    設け、1秒よりも短い時間内に、前記サージ出力の電圧
    となるように前記サージ発生回路部の充放電部を充電し
    たことを特徴とする請求項1、2または3記載のインパ
    ルス試験器。
  5. 【請求項5】 前記サージ出力として、±1.2/50
    μsの電圧波形および±8/20μsの電流波形からな
    るコンビネーション波形を発生可能にしたことを特徴と
    する請求項1、2、3または4記載のインパルス試験
    器。
  6. 【請求項6】 前記サージ出力を繰り返し発生できるよ
    うにすると共に、前記サージ出力を同一極性かつ所定間
    隔で所定回数発生させた後、その極性を反転させ、同様
    の繰り返し間隔で前記サージ出力を上記所定回数発生さ
    せることができるようにしたことを特徴とする請求項
    1、2、3、4または5記載のインパルス試験器。
  7. 【請求項7】 高電圧のサージ出力を発生するインパル
    ス試験器において、サージ波形をモニタするためのモニ
    タ用トリガ信号を、発生したサージ出力を利用して生成
    するモニタトリガ用回路部を設けたことを特徴とするイ
    ンパルス試験器。
  8. 【請求項8】 前記モニタトリガ用回路部に、前記サー
    ジ出力を分圧するための分圧部と、その分圧された電圧
    を変換するトランス部を設け、上記分圧部を複数のコン
    デンサから形成し、上記トランス部をパルストランスと
    したことを特徴とする請求項7記載のインパルス試験
    器。
  9. 【請求項9】 前記サージ出力の分圧Vpと、設定され
    たサージ電圧の分圧Vrefとを比較する比較部を前記
    モニタトリガ用回路部に設け、Vp<Vrefとなった
    ときに前記モニタ用トリガ信号を出力するようにしたこ
    とを特徴とする請求項7または8記載のインパルス試験
    器。
  10. 【請求項10】 高電圧のサージ出力を発生するインパ
    ルス試験器において、被試験体の絶縁破壊による電圧降
    下を検出するためのストローブ信号を、発生したサージ
    出力を利用して生成するストローブ信号発生回路部を設
    けたことを特徴とするインパルス試験器。
  11. 【請求項11】 前記ストローブ信号発生回路部に、前
    記サージ出力を分圧するための分圧部と、その分圧され
    た電圧を変換するトランス部を設け、上記分圧部を複数
    のコンデンサから形成し、上記トランス部をパルストラ
    ンスとしたことを特徴とする請求項10記載のインパル
    ス試験器。
  12. 【請求項12】 前記サージ出力の分圧Vpと、設定さ
    れたサージ電圧の分圧Vrefとを比較する比較部を前
    記ストローブ信号発生回路部に設け、Vp<Vrefと
    なってから所定時間後に、前記ストローブ信号を出力す
    るようにしたことを特徴とする請求項10または11記
    載のインパルス試験器。
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