JPH0726758U - リモートフィールド渦流式探傷装置に於ける受信コイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】リモートフィールド渦流式探傷装置のＳ／Ｎ比
を向上する。 【構成】送信コイルと受信コイルを所定距離隔てて装置
した探傷センサを埋設配管４内に走行させて対象個所５
の検出を行うリモートフィールド渦流式探傷装置に於い
て、受信コイル２は複数個を環状に配置した構成とする
と共に、夫々の受信コイル２のコア７は、コ字形状や半
割トロイダル形状として、両端面が前記埋設配管４の内
壁に向くように曲がった形状として構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、都市ガス供給管等の埋設配管の腐食状況等を検査するためのリモー トフィールド渦流式探傷装置に於ける受信コイルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

埋設配管の腐食状況を検査したり継手等を検出する探傷装置の一つとして、リ モートフィールド渦流式探傷装置がある。

【０００３】 この探傷装置は、送信コイルと受信コイルを所定距離隔てて装置した探傷セン サを、距離が測定可能な走行装置により埋設配管内に走行させ、送信コイルから 受信コイルまでの電磁波の伝播時間の変化により腐食減肉や貫通孔等の欠陥また は継手等の対象個所を検出すると共に、探傷センサの走行距離により前記欠陥等 の対象個所を測定するものである。

【０００４】 かかる装置に於ける受信コイルは、配管内のガスの流通を阻害せず、しかも配 管の内壁の局部的欠陥を検出し得るようにするために複数を環状に配置して構成 しており、夫々は図４に示すように円柱状のコアａの外周にコイルｂを巻いて構 成している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上述したコアの形状では、管壁の内面との間隙を狭くして磁気抵抗を減らすの にも限界があり、必ずしも十分なＳ／Ｎ比が得られていない。 本考案は、このような課題を解決することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上述した課題を解決するために、本考案では、送信コイルと受信コイルを所定 距離隔てて装置した探傷センサを埋設配管内に走行させて対象個所の検出を行う リモートフィールド渦流式探傷装置に於いて、受信コイルは複数個を環状に配置 した構成とすると共に夫々の受信コイルのコアは、両端面が前記埋設配管の内壁 に向くように曲がった形状として構成した。 具体的には、コアは、コ字形状や半割トロイダル形状とすることができる。

【０００７】

【作用】

環状に配置した複数個の受信コイルのコアは、両端面が前記埋設配管の内壁に 向くように曲がって構成しているので、コイルの巻幅にかかわらず両端面を内壁 に近接させることができ、従って管壁との磁気抵抗が低減するので、Ｓ／Ｎ比を 向上することができる。

【０００８】

【実施例】

次に本考案の実施例を図について説明する。 図１は本考案の受信コイルを適用するリモートフィールド渦流式探傷装置を概 念的に表したもの、図２、図３は本考案の受信コイルを概念的に表したものであ る。図１に示すように、この探傷装置は、送信コイル１と受信コイル２を所定距 離隔てて装置した探傷センサ３を埋設配管４内に走行させて腐食減肉５や貫通孔 等の欠陥または継手等の対象個所の検出を行うものであり、この受信コイル２は 複数個を環状に配置した構成としている。そして探傷センサ３は、その押し込み 、引き戻しが可能なケーブル６を介して、走行装置（図示省略）により埋設配管 ４内に走行させる構成としており、この走行装置にはケーブル６の繰り出し、引 き戻し距離を測定するロータリーエンコーダ等の距離測定手段（図示省略）を設 けている。

【０００９】 図２、図３に示すように夫々の受信コイル２はコア７の周囲に電線８を巻装し て構成しており、このコア７は図２に示すようにコ字形状としたり、図３に示す ように半割トロイダル形状として、両端面が前記埋設配管４の内壁に向くように している。

【００１０】 図１に於いて、符号９は探傷用交流信号を発生する発振器で、この信号は増幅 器１０を介して送信コイル１に供給し、同時にロックインアンプ１１に参照信号 として入力する。そして受信コイル２からの受信信号は上記参照信号と共にロッ クインアンプ１１に入力し、このロックインアンプ１１により参照信号との位相 差を得て、この位相差出力を上記距離測定手段と同期する記録計１２に出力して 、探傷センサ３の走行距離に対応した記録を行う。

【００１１】 上記複数の受信コイル２は全てを独立したチャンネルとして上記ロックインア ンプ１１に入力する構成とすることもできるし、複数の受信コイル２を少数のグ ループ毎に直列または並列に接続して少数のチャンネルを構成し、このチャンネ ル毎に上記ロックインアンプ１１に入力する構成とすることもでき、後者の構成 では、ロックインアンプ１１及び記録計１０に於けるチャンネル数低減効果をも たらす。

【００１２】 以上の構成に於いて、送信コイル１から出た電磁波１３の一部は配管１の管壁 を通って受信コイル２に伝播する。この際、図示のような減肉５や、貫通孔等の 欠陥又は継手等の検出対象個所があると伝播時間が変化する。この伝播時間の変 化は、検出対象個所に対応する受信コイル２からの信号の位相の変化としてロッ クインアンプ１１によりとらえることができる。従って、かかる信号の位相の変 化を、ロックインアンプ１１の出力、即ち記録計１２の記録により検出して対象 個所及びその内容を検出することができる。

【００１３】 図５は本考案の受信コイルを用いた探傷センサによる探傷結果を、従来の受信 コイルと比較して表したもので、この探傷結果は図５に示すように椀形の減肉の 底部に穿孔を有する欠陥についての探傷信号のＳ／Ｎ比を比較したものである。 この探傷結果から、本考案の受信コイルを用いると、円柱形状のコアを有する従 来の受信コイルを用いた場合と比較してＳ／Ｎ比を向上し得ることがわかる。

【００１４】

【考案の効果】 本考案は以上の通り、リモートフィールド渦流式探傷装置のＳ／Ｎ比を向上し 得ることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の受信コイルを適用するリモートフィー
ルド渦流式探傷装置の概念図である。

【図２】本考案の受信コイルの一実施例の概念図であ
る。

【図３】本考案の受信コイルの他の実施例の概念図であ
る。

【図４】従来の受信コイルの概念図である。

【図５】図２〜図４の受信コイルを用いた探傷結果の一
例を表したものである。

【符号の説明】

１ 送信コイル ２ 受信コイル ３ 探傷センサ ４ 埋設配管 ５ 減肉 ６ ケーブル ７ コア ８ 電線 ９ 発振器 １０ 増幅器 １１ ロックインアンプ １２ 記録計 １３ 電磁波

フロントページの続き (72)考案者 鈴木 究 神奈川県横浜市磯子区汐見台３−３−3303 −345 (72)考案者 菊田 隆 奈良県生駒市あすか野南３−２−16 (72)考案者 森原 勝美 大阪府八尾市萱振町４丁目48−１ (72)考案者 秋田 政則 名古屋市熱田区桜田町19−18 東邦瓦斯株 式会社内 (72)考案者 鷲見 隆 名古屋市熱田区桜田町19−18 東邦瓦斯株 式会社内

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 送信コイルと受信コイルを所定距離隔て
   て装置した探傷センサを埋設配管内に走行させて対象個
   所の検出を行うリモートフィールド渦流式探傷装置に於
   いて、受信コイルは複数個を環状に配置した構成とする
   と共に、夫々の受信コイルのコアは、両端面が前記埋設
   配管の内壁に向くように曲がった形状として構成したこ
   とを特徴とするリモートフィールド渦流式探傷装置に於
   ける受信コイル
2. 【請求項２】 請求項１のコアは、コ字形状としたこと
   を特徴とするリモートフィールド渦流式探傷装置に於け
   る受信コイル
3. 【請求項３】 請求項１のコアは、半割トロイダル形状
   としたことを特徴とするリモートフィールド渦流式探傷
   装置に於ける受信コイル