JPH07266840A - 車両用空気調和装置 - Google Patents

車両用空気調和装置

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JPH07266840A
JPH07266840A JP16108194A JP16108194A JPH07266840A JP H07266840 A JPH07266840 A JP H07266840A JP 16108194 A JP16108194 A JP 16108194A JP 16108194 A JP16108194 A JP 16108194A JP H07266840 A JPH07266840 A JP H07266840A
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JP
Japan
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air
air conditioner
vehicle
value
change
Prior art date
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Application number
JP16108194A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Kakehashi
伸治 梯
Yasuhiko Niimi
康彦 新美
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車室内騒音が小さくなる車両の低速時あるい
はエンジンの低回転時において、エアコンの作動音を防
止する。 【構成】 空調機器(送風機、吹出口切替ダンパ、内外
気切替ダンパ、エアミックスダンパ、冷媒圧縮機等)の
作動を制御するエアコン制御装置は、実際の吹出温度が
演算された目標吹出温度となるように空調機器の変更動
作を行なう必要があるか否かを判定する変更動作判定手
段(ステップ400)と、車両速度が所定値(例えば2
0km/h)以下か否かを判定する物理量判定手段(ステッ
プ200)とを備える。この物理量判定手段(ステップ
200)で車両速度が所定値以下と判定された場合は、
変更動作判定手段(ステップ400)で空調機器の変更
動作を行なう必要があると判定された場合でも、変更動
作を実行することなく、車両速度が所定値より大きくな
るまで、それまでの作動状態を維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用空気調和装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用オートエアコンでは、
車両環境(車室内温度、外気温度、日射量等)の変化が
生じると、車室内を常に設定温度に保つように各種空調
機器の作動を自動制御している。なお、各種空調機器
は、ダクト内に空気を導入して車室内へ送る送風機、ダ
クト内に導入される空気の導入口を切り替える内外気切
替ダンパ、ダクト内を流れる冷風と温風との混合割合を
調節するエアミックスダンパ、空調空気の吹出口を切り
替える吹出口切替ダンパ等である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年、車両
技術の向上により車室内の騒音が極めて小さくなってい
るため、特に騒音が小さくなる車両停車中においては、
乗員にとってエアコンの作動音(空調機器の作動音)が
気になるという問題が生じている。本発明は、上記事情
に基づいて成されたもので、その目的は、車室内騒音が
小さくなる車両の低速時あるいはエンジンの低回転時に
おいて、エアコンの作動音を防止することのできる車両
用空気調和装置の提供にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記各請求項に示す本発
明は、上記目的を達成するために下記の各構成を技術的
手段として採用する。請求項1に示す本発明は、車室内
に空調空気を導くダクトと、作動状態を変更する変更動
作に伴って前記車室内の空調状態を可変する空調機器
と、この空調機器の変更動作を行なう必要があるか否か
を判定する変更動作判定手段と、車両の走行状態あるい
は内燃機関の運転状態に関連する物理量が所定値以下か
否かを判定する物理量判定手段と、前記変更動作判定手
段により前記空調機器の変更動作を行なう必要があると
判定された場合でも、前記物理量判定手段により前記物
理量が前記所定値以下であると判定された場合には、前
記空調機器の変更動作を行なうことなく、それまでの作
動状態を維持する制御手段とを備える。
【0005】請求項2に示す本発明は、車室内に空調空
気を導くダクトと、作動状態を変更する変更動作に伴っ
て前記車室内の空調状態を可変する空調機器と、この空
調機器の変更動作を行なう必要があるか否かを判定する
変更動作判定手段と、車両の走行状態あるいは内燃機関
の運転状態に関連する物理量が所定値以下か否かを判定
する物理量判定手段と、前記変更動作判定手段により前
記空調機器の変更動作を行なう必要があると判定された
場合でも、前記物理量判定手段により前記物理量が前記
所定値以下であると判定された場合には、その判定から
所定時間経過後に前記空調機器の変更動作を実行する制
御手段とを備える。
【0006】請求項3に示す本発明は、請求項1または
2記載の車両用空気調和装置において、前記制御手段
は、前記変更動作判定手段により前記空調機器の変更動
作を行なう必要があると判定された場合に、その変更動
作が予め特定された例外動作である場合は、前記物理量
判定手段により前記物理量が所定値以下であると判定さ
れた場合でも前記例外動作を実行する。
【0007】請求項4に示す本発明は、請求項3記載の
車両用空気調和装置において、前記例外動作は、吸込口
モードの切り替えを行なう内外気切替動作、車両の窓ガ
ラスに向かって空気を吹き出すデフロスタ吹出口を開口
する吹出口モードへの吹出口切替動作、前記デフロスタ
吹出口を開口する吹出口モードからその他の吹出口モー
ドへの吹出口切替動作、および乗員の手動操作による設
定変更に起因した変更動作の少なくとも1つである。
【0008】請求項5に示す本発明は、請求項1または
2記載の車両用空気調和装置において、日射量を検出す
る日射量検出手段と、この日射量検出手段により検出さ
れた日射量が変化したか否かを判定する日射量変化判定
手段とを備え、前記制御手段は、前記変更動作判定手段
により前記空調機器の変更動作を行なう必要があると判
定された場合に、前記日射量変化判定手段により前記日
射量が変化したと判定された場合は、前記物理量判定手
段により前記物理量が所定値以下であると判定された場
合でも前記空調機器の変更動作を実行する。
【0009】請求項6に示す本発明は、請求項1または
2記載の車両用空気調和装置において、車室内への目標
吹出温度を演算する目標吹出温度演算手段と、この目標
吹出温度演算手段により演算された目標吹出温度の変動
値が所定の変動値以上か否かを判定する吹出温度変動値
判定手段とを備え、前記制御手段は、前記変更動作判定
手段により前記空調機器の変更動作を行なう必要がある
と判定された場合に、前記吹出温度変動値判定手段によ
り前記目標吹出温度の変動値が所定の変動値以上である
と判定された場合は、前記物理量判定手段により前記物
理量が所定値以下であると判定された場合でも前記空調
機器の変更動作を実行する。
【0010】請求項7に示す本発明は、請求項1または
2記載の車両用空気調和装置において、前記ダクト内を
流れる冷風と温風との混合割合を調節するエアミックス
ダンパと、このエアミックスダンパの目標開度を演算す
る目標開度演算手段と、この目標開度演算手段により演
算された目標開度の変動値が所定の変動値以上か否かを
判定する開度変動値判定手段とを備え、前記制御手段
は、前記変更動作判定手段により前記空調機器の変更動
作を行なう必要があると判定された場合に、前記開度変
動値判定手段により前記目標開度の変動値が所定の変動
値以上であると判定された場合は、前記物理量判定手段
により前記物理量が所定値以下であると判定された場合
でも前記エアミックスダンパの開度変更を実行する。
【0011】請求項8に示す本発明は、請求項1または
2記載の車両用空気調和装置において、前記ダクト内に
空気を導入して前記車室内へ送る送風機と、この送風機
の送風量が予め設定された設定値以上であるか否かを判
定する送風量判定手段とを備え、前記制御手段は、前記
変更動作判定手段により前記空調機器の変更動作を行な
う必要があると判定された場合に、前記送風量判定手段
により前記送風機の送風量が前記設定値以上であると判
定された場合は、前記物理量判定手段により前記物理量
が所定値以下であると判定された場合でも前記空調機器
の変更動作を実行する。
【0012】請求項9に示す本発明は、請求項8記載の
車両用空気調和装置において、前記設定値は、前記ダク
ト内に外気が導入される外気モード時より前記ダクト内
に内気が導入される内気モード時の方が小さくなるよう
に設定されている。
【0013】請求項10に示す本発明は、請求項1また
は2記載の車両用空気調和装置において、車両に搭載さ
れたオーディオの音量が予め設定された設定値以上であ
るか否かを判定する音量判定手段を備え、前記制御手段
は、前記変更動作判定手段により前記空調機器の変更動
作を行なう必要があると判定された場合に、前記音量判
定手段により前記オーディオの音量が前記設定値以上で
あると判定された場合は、前記物理量判定手段により前
記物理量が所定値以下であると判定された場合でも前記
空調機器の変更動作を実行する。
【0014】請求項11に示す本発明は、請求項1〜1
0記載の何れかの車両用空気調和装置において、前記物
理量は、車両速度またはエンジン回転数である。
【0015】請求項12に示す本発明は、車室内に空調
空気を導くダクトと、作動状態を変更する変更動作に伴
って前記車室内の空調状態を可変する空調機器と、前記
車室内への目標吹出温度を演算する目標吹出温度演算手
段と、実際の吹出温度が前記目標吹出温度演算手段によ
り演算された目標吹出温度となるように前記空調機器の
変更動作を行なう必要があるか否かを判定する変更動作
判定手段と、前記目標吹出温度演算手段により演算され
た目標吹出温度の変動値を算出する変動値算出手段と、
この変動値算出手段により算出された変動値と前記車室
内の騒音レベルに関連する物理量に応じて予め設定され
た許容変動値とを比較判定する変動値判定手段と、この
変動値判定手段により前記変動値の方が前記許容変動値
より小さいと判定された時は、前記変更動作判定手段に
より前記空調機器の変更動作を行なう必要があると判定
された場合でも、前記空調機器の変更動作を行なうこと
なく、それまでの作動状態を維持する制御手段とを備え
る。
【0016】請求項13に示す本発明は、請求項12記
載の車両用空気調和装置において、前記制御手段は、前
記変更動作判定手段により前記空調機器の変更動作を行
なう必要があると判定された場合において、前記変動値
判定手段により前記変動値が前記許容変動値以上と判定
された時は、前記物理量に応じて予め設定された許容遅
延時間を経過した後に前記空調機器の変更動作を実行す
ることを特徴とする。
【0017】請求項14に示す本発明は、車室内に空調
空気を導くダクトと、作動状態を変更する変更動作に伴
って前記車室内の空調状態を可変する空調機器と、前記
車室内への目標吹出温度を演算する目標吹出温度演算手
段と、実際の吹出温度が前記目標吹出温度演算手段によ
り演算された目標吹出温度となるように前記空調機器の
変更動作を行なう必要があるか否かを判定する変更動作
判定手段と、前記目標吹出温度演算手段により演算され
た目標吹出温度の変動値を算出する変動値算出手段と、
この変動値算出手段により算出された変動値の変化方向
に応じて係数を設定する係数設定手段と、前記車室内の
騒音レベルに関連する物理量に応じて予め設定された許
容変動値を前記係数によって補正した補正後の許容変動
値と前記変動値算出手段により算出された変動値とを比
較判定する変動値判定手段と、この変動値判定手段によ
り前記変動値の方が前記補正後の許容変動値より小さい
と判定された時は、前記変更動作判定手段により前記空
調機器の変更動作を行なう必要があると判定された場合
でも、前記空調機器の変更動作を行なうことなく、それ
までの作動状態を維持する制御手段とを備える。
【0018】請求項15に示す本発明は、請求項14記
載の車両用空気調和装置において、前記制御手段は、前
記変更動作判定手段により前記空調機器の変更動作を行
なう必要があると判定された場合において、前記変動値
判定手段により前記変動値が前記補正後の許容変動値以
上と判定された時は、前記物理量に応じて予め設定され
た許容遅延時間を経過した後に前記空調機器の変更動作
を実行することを特徴とする。
【0019】請求項16に示す本発明は、請求項14記
載の車両用空気調和装置において、前記制御手段は、前
記変更動作判定手段により前記空調機器の変更動作を行
なう必要があると判定された場合において、前記変動値
判定手段により前記変動値が前記補正後の許容変動値以
上と判定された時は、前記物理量に応じて予め設定され
た許容遅延時間を前記係数に応じて補正した補正後の許
容遅延時間を経過した後に前記空調機器の変更動作を実
行することを特徴とする。
【0020】請求項17に示す本発明は、請求項12〜
16記載の何れかの車両用空気調和装置において、前記
物理量は、車両速度、エンジン回転数、送風機の印加電
圧、および車両に搭載されたオーディオの音量の少なく
とも1つであることを特徴とする。
【0021】請求項18に示す本発明は、請求項1〜1
7記載の何れかの車両用空気調和装置において、前記空
調機器は、前記ダクト内に空気を導入して前記車室内へ
送る送風機、この送風機により前記ダクト内に導入され
る内気と外気との切り替えを行なう内外気切替ダンパ、
前記ダクト内を流れる冷風と温風との混合割合を調節す
るエアミックスダンパ、前記車室内の各所に開口する吹
出口の切り替えを行なう吹出口切替ダンパ、前記ダクト
内を流れる空気の冷却手段である冷凍サイクルに冷媒を
循環させる冷媒圧縮機の少なくとも1つである。
【0022】
【作用】上記構成より成る本発明は以下の作用を有す
る。 (請求項1に示す本発明)変更動作判定手段により空調
機器の変更動作を行なう必要があると判定された場合で
も、車両の走行状態あるいは内燃機関の運転状態に関連
する物理量が所定値以下の場合は、空調機器の変更動作
が禁止されて、それまでの空調機器の作動状態が維持さ
れる。
【0023】(請求項2に示す本発明)変更動作判定手
段により空調機器の変更動作を行なう必要があると判定
された場合でも、車両の走行状態あるいは内燃機関の運
転状態に関連する物理量が所定値以下の場合は、判定後
直ぐに空調機器の変更動作が実行されることはなく、判
定から所定時間経過後に空調機器の変更動作が実行され
る。
【0024】(請求項3に示す本発明)変更動作判定手
段により空調機器の変更動作を行なう必要があると判定
された場合に、その変更動作が予め特定された例外動作
である場合には、車両の走行状態あるいは内燃機関の運
転状態に関連する物理量が所定値以下でも例外動作が実
行される。
【0025】(請求項4に示す本発明)請求項3に記載
された例外動作は、吸込口モードの切り替えを行なう内
外気切替動作、車両の窓ガラスに向かって空気を吹き出
すデフロスタ吹出口を開口する吹出口モードへの吹出口
切替動作、前記デフロスタ吹出口を開口する吹出口モー
ドからその他の吹出口モードへの吹出口切替動作、およ
び乗員の手動操作による設定変更に起因した変更動作の
少なくとも1つである。但し、内外気切替動作とは、ダ
クト内に内気を導入する内気導入口と外気を導入する外
気導入口とを切り替える内外気切替ダンパを駆動するこ
とであり、吹出口切替動作とは、吹出口を開閉する吹出
口切替ダンパを駆動して吹出口モードを変更することで
ある。また、乗員の手動操作による設定変更に起因した
変更動作とは、操作パネルに設けられた各種スイッチを
乗員が手動操作して設定変更を行なった場合に、その設
定変更に伴って駆動される空調機器の変更動作のことで
ある。
【0026】(請求項5に示す本発明)変更動作判定手
段により空調機器の変更動作を行なう必要があると判定
された場合に、日射量検出手段により検出された日射量
が変化した場合には、車両の走行状態あるいは内燃機関
の運転状態に関連する物理量が所定値以下でも空調機器
の変更動作が実行される。
【0027】(請求項6に示す本発明)変更動作判定手
段により空調機器の変更動作を行なう必要があると判定
された場合に、目標吹出温度演算手段により演算された
目標吹出温度の変動値が所定の変動値以上の時には、車
両の走行状態あるいは内燃機関の運転状態に関連する物
理量が所定値以下でも空調機器の変更動作が実行され
る。
【0028】(請求項7に示す本発明)変更動作判定手
段により空調機器の変更動作を行なう必要があると判定
された場合に、エアミックスダンパの目標開度の変動値
が所定の変動値以上の時には、車両の走行状態あるいは
内燃機関の運転状態に関連する物理量が所定値以下でも
エアミックスダンパの開度変更が実行される。
【0029】(請求項8に示す本発明)変更動作判定手
段により空調機器の変更動作を行なう必要があると判定
された場合に、送風機の送風量(モータ回転数)が設定
値以上の時には、車両の走行状態あるいは内燃機関の運
転状態に関連する物理量が所定値以下でも空調機器の変
更動作が実行される。
【0030】(請求項9に示す本発明)請求項8に記載
された設定値は、外気モード時より内気モード時の方が
小さくなるように設定されていることから、外気モード
時より内気モード時の方が、空調機器の変更動作が実行
される時の送風量が少なくなる。これは、送風機の送風
量が外気モード時と内気モード時とで同一の場合は、内
気モード時の方が外気モード時より送風騒音が大きく聞
こえるためである。
【0031】(請求項10に示す本発明)変更動作判定
手段により空調機器の変更動作を行なう必要があると判
定された場合に、車両に搭載されたオーディオの音量が
設定値以上の時には、車両の走行状態あるいは内燃機関
の運転状態に関連する物理量が所定値以下でも空調機器
の変更動作が実行される。
【0032】(請求項11に示す本発明)請求項1〜1
0に記載された物理量は、車両の走行状態に関連する車
両速度、あるいは内燃機関の運転状態に関連するエンジ
ン回転数である。
【0033】(請求項12に示す本発明)変更動作判定
手段により空調機器の変更動作を行なう必要があると判
定された場合でも、目標吹出温度の変動値が車室内の騒
音レベルに関連する物理量に応じて予め設定された許容
変動値より小さい場合は、空調機器の変更動作が禁止さ
れて、それまでの空調機器の作動状態が維持される。
【0034】(請求項13に示す本発明)請求項12に
記載された制御手段は、変更動作判定手段により空調機
器の変更動作を行なう必要があると判定された場合にお
いて、目標吹出温度の変動値が許容変動値以上と判定さ
れた時は、車室内の騒音レベルに関連する物理量に応じ
て予め設定された許容遅延時間を経過した後に空調機器
の変更動作を実行する。
【0035】(請求項14に示す本発明)目標吹出温度
の変動値が変化する方向に応じて設定された係数により
許容変動値を補正し、その補正後の許容変動値と変動値
算出手段により算出された変動値との比較判定が行なわ
れる。そして、変動値の方が補正後の許容変動値より小
さいと判定された時は、変更動作判定手段により空調機
器の変更動作を行なう必要があると判定された場合で
も、空調機器の変更動作を禁止して、それまでの作動状
態が維持される。
【0036】(請求項15に示す本発明)請求項14に
記載された制御手段は、変更動作判定手段により空調機
器の変更動作を行なう必要があると判定された場合にお
いて、目標吹出温度の変動値が補正後の許容変動値以上
と判定された時は、車室内の騒音レベルに関連する物理
量に応じて予め設定された許容遅延時間を経過した後に
空調機器の変更動作を実行する。
【0037】(請求項16に示す本発明)請求項14に
記載された制御手段は、変更動作判定手段により空調機
器の変更動作を行なう必要があると判定された場合にお
いて、目標吹出温度の変動値が補正後の許容変動値以上
と判定された時は、補正後の許容遅延時間を経過した後
に空調機器の変更動作を実行する。補正後の許容遅延時
間は、車室内の騒音レベルに関連する物理量に応じて予
め設定された許容遅延時間を、係数設定手段により設定
された係数によって補正した時間である。
【0038】(請求項17に示す本発明)請求項12〜
16に記載された物理量は、車両速度、エンジン回転
数、送風機の印加電圧、および車両に搭載されたオーデ
ィオの音量の少なくとも1つであることを特徴とする。
【0039】(請求項18に示す本発明)請求項1〜1
7に記載された空調機器としては、送風機、内外気切替
ダンパ、エアミックスダンパ、吹出口切替ダンパ、冷媒
圧縮機の少なくとも1つである。但し、送風機の変更動
作とは、送風機のモータに印加する電圧を変更して送風
量を変えることであり、内外気切替ダンパ、エアミック
スダンパ、吹出口切替ダンパの変更動作とは、各ダンパ
を駆動する各々のアクチュエータによって各ダンパの作
動位置を変更することであり、そして、冷媒圧縮機の変
更動作とは、冷媒圧縮機のオン/オフ状態の切り替え動
作(通常は電磁クラッチを介して行なわれる)、または
冷媒圧縮機の吐出容量を変更する動作である。
【0040】
【実施例】次に、本発明の車両用空気調和装置の第1実
施例を図1〜図9に基づいて説明する。図1は車両用空
気調和装置の全体模式図である。本実施例の車両用空気
調和装置(以下エアコンと略す)1は、車室内に空調空
気を導くダクト2、このダクト2内に空気を導入して車
室内へ送る送風機3、冷房手段を構成する冷凍サイクル
4、暖房手段を構成する温水回路5、およびエアコン制
御装置6(図2参照)を備える。
【0041】ダクト2は、その下流端に分岐ダクト2a
〜2cが接続されて、各分岐ダクト2a〜2cの先端が
車室内に開口する吹出口7〜9に連通されている。吹出
口7〜9は、車両の窓ガラス10に向けて空気を吹き出
すデフロスタ吹出口7、乗員の上半身に向けて空気を吹
き出すフェイス吹出口8、乗員の足元に向けて空気を吹
き出すフット吹出口9が設けられている。この各吹出口
7〜9は、分岐ダクト2a〜2cの上流開口部に設けら
れた各吹出口切替ダンパ11、12によって選択的に開
閉される。各吹出口切替ダンパ11、12は、図示しな
いリンク機構を介してサーボモータ13(図2参照)に
より駆動される。
【0042】送風機3は、ブロワケース3a、遠心式フ
ァン3b、ブロワモータ3cより成り、このブロワモー
タ3cへの印加電圧(ブロワ電圧)に応じて、送風量
(ブロワモータ3cの回転数)が決定される。ブロワケ
ース3aには、車室内空気(内気)を導入する内気導入
口14と車室外空気(外気)を導入する外気導入口15
とが形成されるとともに、内気導入口14と外気導入口
15とを選択的に開閉する内外気切替ダンパ16が設け
られている。内外気切替ダンパ16は、図示しないリン
ク機構を介してサーボモータ17(図2参照)により駆
動される。
【0043】冷凍サイクル4は、電磁クラッチ18を介
して車両の走行用エンジン19によって駆動される冷媒
圧縮機20、この冷媒圧縮機20で圧縮された高温高圧
の冷媒をクーリングファン21の送風を受けて凝縮液化
する冷媒凝縮器22、この冷媒凝縮器22で凝縮された
冷媒を一時蓄えて液冷媒のみを流すレシーバ23、この
レシーバ23より導かれた液冷媒を減圧膨脹する減圧装
置24、ダクト2内に配されて減圧装置24で減圧され
た低温低圧の冷媒を送風機3の送風を受けて蒸発させる
冷媒蒸発器25の各機能部品より構成され、それぞれ冷
媒配管26によって環状に接続されている(図1参
照)。
【0044】温水回路5は、ダクト2内で冷媒蒸発器2
5の風下に配されて、エンジン19の冷却水を熱源とし
て、ダクト2内を流れる空気を加熱するヒータコア2
7、このヒータコア27をエンジン19の冷却水回路
(図示しない)と環状に接続する温水配管28より成
る。ヒータコア27は、ダクト2内で、冷媒蒸発器25
を通過した空気がヒータコア27を迂回して流れるバイ
パス路29を形成するように配されている。ヒータコア
27を通過する空気量とバイパス路29を通過する空気
量との割合は、ヒータコア27の風上側に配されたエア
ミックスダンパ30によって調節される。エアミックス
ダンパ30は、図示しないリンク機構を介してサーボモ
ータ31(図2参照)により駆動される。
【0045】エアコン制御装置6は、空調制御に係わる
制御プログラムや各種演算式等が記憶されたマイクロコ
ンピュータ(図示しない)を内蔵するもので、図2に示
すように、エアコン操作パネル32(図3参照)より出
力される操作信号、および各種センサ(後述する)から
の検出信号に基づいて、上述の各サーボモータ13、1
7、31、ブロワモータ3cを駆動するためのモータ駆
動回路33、電磁クラッチ18を駆動するためのクラッ
チ駆動回路34へ制御信号を出力する。
【0046】また、このエアコン制御装置6は、車両速
度(以下車速と言う)が所定値(例えば20km/h)以下
の場合に、エアコン1の各空調機器(送風機3、吹出口
切替ダンパ11、12、内外気切替ダンパ16、エアミ
ックスダンパ30、冷媒圧縮機20等)の変更動作を禁
止する変更動作禁止制御を実行する。なお、変更動作と
は、各空調機器の作動状態を変更することである。
【0047】上記の各種センサは、車室内温度(内気温
Tr)を検出する内気センサ35、車室外温度(外気温
Tam)を検出する外気センサ36、日射量(日射量T
s)を検出する日射センサ37、冷媒蒸発器25の通過
直後の空気温度(エバ後温度Te)を検出するエバ後温
度センサ38、エンジン冷却水の温度(冷却水温度T
w)を検出する水温センサ39等である。
【0048】エアコン操作パネル32は、車室内のイン
ストルメントパネル(図示しない)に配されて、図3に
示すように、乗員が希望する室内温度を設定する温度設
定スイッチ40、この温度設定スイッチ40で設定され
た温度をデジタル表示する設定温度表示部41、エアコ
ン1の自動制御指令を出力するオートスイッチ42、エ
アコン1の作動停止指令を出力するオフスイッチ43、
内外気モードを選択する内外気切替スイッチ44、吹出
口モードを選択する吹出口切替スイッチ45、送風機3
の風量レベルを選択する風量設定スイッチ46、電磁ク
ラッチ18のON/OFFを選択するエアコンスイッチ
(以下A/Cスイッチと言う)47が設けられている。
【0049】次に、本実施例の作動を説明する。図4は
エアコン制御装置6の処理手順を示すフローチャートで
ある。まず、各種カウンタやフラグ等の初期化を行なう
(ステップS1)。続いて、温度設定スイッチ40の設
定温度信号Tset 、および各センサ35〜39の検出信
号(Tr、Tam、Ts、Te、Tw)を読み込む(ステ
ップS2およびステップS3)。
【0050】続いて、下記の数式に従って車室内への目
標吹出温度(以下TAOと略す)を算出する(ステップ
S4・本発明の目標吹出温度演算手段)。
【数1】TAO=Kset ・Tset −Kr・Tr−Kam・
Tam−Ks・Ts+C 但し、Kset :温度設定ゲイン、Kr:内気温度ゲイ
ン、Kam :外気温度ゲイン、Ks:日射ゲイン、C:
補正定数である。
【0051】続いて、算出されたTAOに基づいて、ブ
ロワ電圧、吸込口モード、吹出口モードをそれぞれ図5
〜図7に示す特性図より決定する(ステップS5〜ステ
ップS7)。なお、図5〜図7の特性図に示す関係は、
予めエアコン制御装置6のマイクロコンピュータに記憶
されている。
【0052】続いて、A/Cスイッチ47の操作状態
(ON/OFF状態)、あるいは図8に示す特性図に基
づいて、クラッチ駆動回路34へ制御信号を出力して電
磁クラッチ18をON/OFF制御する(ステップS
8)。なお、図8の特性図に示す関係は、予めエアコン
制御装置6のマイクロコンピュータに記憶されている。
続いて、車室内への実際の吹出温度がステップS4で算
出されたTAOとなるように、エアミックスダンパ30
の目標開度SWを下記の数式に従って算出する(ステッ
プS9・本発明の目標開度演算手段)。
【数2】SW=〔(TAO−Te)/(Tw−Te)〕
×100(%)
【0053】続いて、各目標値が得られるように、各サ
ーボモータ13、17、31、モータ駆動回路33へ制
御信号を出力して、吹出口切替ダンパ11、12、内外
気切替ダンパ16、エアミックスダンパ30、およびブ
ロワモータ3cを制御する(ステップS10)。続い
て、所定の制御周期τが経過したか否かを判定し(ステ
ップS11)、経過した場合(YES)は、ステップS
2以下の処理を繰り返し、経過していない場合(NO)
は、所定の制御周期τが経過するまでステップS11を
繰り返す。
【0054】次に、変更動作禁止制御に係わる本実施例
の作動を説明する。図9は本実施例の作動を示すフロー
チャートである。まず、図示しない車速センサより車速
(SPD)を入力し、フラグ(FLG)を「0」にセッ
トする(ステップ100)。
【0055】続いて、入力された車速が所定値以下か否
かを判定する(ステップ200・本発明の物理量判定手
段)。この判定で、入力された車速が所定値より大きい
場合(NO)は、ステップ300でフラグを「1」にセ
ットした後、実際の吹出温度がTAOとなるように空調
機器の変更動作を行なう必要があるか否かを判定する
(ステップ400・本発明の変更動作判定手段)。ま
た、ステップ200の判定で車速が所定値以下の場合
(YES)は、そのままステップ400へ進む。
【0056】ステップ400の判定で空調機器の変更動
作を行なう必要がないと判定された場合(NO)は、変
更動作を行なうことなく、それまでの作動状態が維持さ
れて、ステップ100へ戻る。また、ステップ400の
判定で、空調機器の変更動作を行なう必要があると判定
された場合(YES)は、フラグが「1」であるか否か
を判定する(ステップ500)。
【0057】フラグが「1」の場合(YES)、つまり
車速が所定値より大きい場合は、空調機器の変更動作が
実行され(ステップ600・本発明の制御手段)、フラ
グが「1」でない場合(NO)、つまり車速が所定値以
下の場合は、空調機器の変更動作が禁止されて、それま
での作動状態が維持される。
【0058】車速が所定値以下の場合は、通常走行時
(定速走行時)や加速時等と比較して車室内騒音が小さ
くなることから、空調機器の変更動作が実行されると、
その変更動作に伴う作動音が相対的に大きく聞こえる。
そこで、本実施例のように、車速が所定値以下の場合
は、空調機器の変更動作を行なう必要があると判定され
た場合でも、その変更動作を禁止して、それまでの作動
状態を維持することにより、空調機器の変更動作に伴う
作動音の発生を防止することができる。
【0059】次に、本発明の第2実施例を説明する。図
10は本実施例の作動を示すフローチャートである。本
実施例では、車速が所定値より大きい時のTAO1 と、
車速が所定値以下の時のTAO2 とを設定し、そのTA
1 とTAO2 との差(ΔTAO)を所定の変動値と比
較することで、車速が所定値以下の場合でも空調機器の
変更動作を実行する必要があるか否かを判定するもので
ある。
【0060】具体的には、ステップ200で車速が所定
値より大きいと判定された場合(NO)は、ステップ3
00でTAO1 =TAOとして、フラグを「1」にセッ
トし、ステップ200で車速が所定値以下であると判定
された場合(YES)は、ステップ310でTAO2
TAOとする。
【0061】そして、ステップ400で空調機器の変更
動作を行なう必要があると判定された場合(YES)
に、車速が所定値より大きい場合、つまりフラグ=
「1」の場合(ステップ500でYES)は、第1実施
例と同様に、空調機器の変更動作が実行される(ステッ
プ600)。また、車速が所定値以下の場合、つまりフ
ラグ≠「1」の場合(ステップ500でNO)は、ステ
ップ300で設定されたTAO1 とステップ310で設
定されたTAO2 との差(ΔTAO)を求めた後(ステ
ップ800)、そのΔTAOが所定の変動値以上か否か
を判定する(ステップ810・本発明の吹出温度変動値
判定手段)。
【0062】この判定で、ΔTAOが所定の変動値より
小さい場合(NO)は、空調機器の変更動作を実行する
必要がないものとして、それまでの作動状態が維持され
る。また、ΔTAOが所定の変動値以上の場合(YE
S)は、車速が所定値以下でも空調機器の変更動作を実
行する必要があるものと判断されて、空調機器の変更動
作が実行される(ステップ600)。なお、TAO1
よびTAO2 は、ステップ600で変更動作が実行され
た後、ステップ700でクリアされる。
【0063】次に、本発明の第3実施例を説明する。図
11は本実施例の作動を示すフローチャートである。本
実施例では、送風機3の送風量(ブロワ電圧V)が予め
設定された設定値より大きい場合には、送風騒音によっ
て空調機器の変更動作に伴う作動音が気にならないもの
と判断して、車速が所定値以下でも空調機器の変更動作
を実行するものである。
【0064】具体的には、ステップ200で車速が所定
値以下であると判定された場合(YES)に続いて、ブ
ロワ電圧Vが予め設定された設定値以上か否かを判定し
(ステップ210・本発明の送風量判定手段)、この判
定で、ブロワ電圧Vが設定値以上であれば、ステップ4
00で空調機器の変更動作を行なう必要があると判定さ
れた場合に、車速が所定値以下でも空調機器の変更動作
を実行する。また、ブロワ電圧Vが設定値より小さい場
合に、ステップ400で空調機器の変更動作を行なう必
要があると判定された場合は、第2実施例と同様の制御
が行なわれる。つまり、ΔTAOが所定の変動値より小
さい場合(ステップ810でNO)は、空調機器の変更
動作が実行されることなく、それまでの作動状態が維持
され、ΔTAOが所定の変動値以上の場合(ステップ8
10でYES)は、空調機器の変更動作が実行される
(ステップ600)。
【0065】なお、本実施例の場合、ブロワ電圧V以外
に車両に搭載されたオーディオの音量で判定しても良
い。つまり、ステップ400で空調機器の変更動作を行
なう必要があると判定された場合に、オーディオの音量
が設定値より大きい時は、車速が所定値以下でも空調機
器の変更動作を実行するように制御しても良い。
【0066】また、送風機3の作動に伴う送風騒音は、
内気モード時と外気モード時とで変化し、内気モード時
の方が外気モード時より大きく聞こえる。従って、ステ
ップ210でブロワ電圧Vと比較する設定値は、送風騒
音が大きく聞こえる内気モード時の方が外気モード時よ
り小さくしても良い。
【0067】次に、本発明の第4実施例を説明する。図
12は本実施例の作動を示すフローチャートである。本
実施例では、空調機器の変更動作を行なう必要があると
判定された場合に、車速が所定値以下でも遅延時間を設
定して空調機器の変更動作を実行するものである。
【0068】具体的には、ステップ810でΔTAOが
所定の変動値以上の場合(YES)は、エアコン制御装
置6に内蔵された第1タイマのカウント終了後(ステッ
プ840でYES)に変更動作を実行する(ステップ6
00)。また、ステップ810でΔTAOが所定の変動
値より小さい場合(NO)でも、ΔTAOが0でなけれ
ば(ステップ850でNO)、エアコン制御装置6に内
蔵された第2タイマのカウント終了後に変更動作が実行
される(ステップ600)。なお、第1タイマおよび第
2タイマは、変更動作を実行した後、クリアされる(ス
テップ700)。
【0069】次に、本発明の第5実施例を説明する。図
13は本実施例の作動を示すフローチャートである。本
実施例では、日射センサ37で検出される日射量の変化
に対する変更動作を優先して実行するものである。具体
的には、ステップ400で空調機器の変更動作を行なう
必要があると判定された場合(YES)に、続いて日射
量が変化したが否かを判定し(ステップ450・本発明
の日射量変化判定手段)、日射量が変化した場合(YE
S)は、車速が所定値以下でも、日射量の変化に対する
空調機器の変更動作を優先して実行する(ステップ60
0)。
【0070】次に、本発明の第6実施例を説明する。図
14は本実施例の作動を示すフローチャートである。本
実施例では、エアコン制御装置6に予め特定された例外
動作が記憶されており、その例外動作を実行する場合
は、優先して実行するものである。なお、例外動作は、
内気モードと外気モードとの切り替えを行なう内外気切
替動作、デフロスタ吹出口7を開口するデフロスタモー
ドまたはヒートデフモードへの切り替えを行なう吹出口
切替動作、前記デフロスタモードまたはヒートデフモー
ドから他の吹出口モード(例えば、フェイス吹出口8を
開口するフェイスモード、フット吹出口9を開口するフ
ットモード、フェイス吹出口8とフット吹出口9の両方
を開口するバイレベルモード等)への切り替えを行なう
吹出口切替動作、および乗員がエアコン操作パネル32
で設定変更を行なった時の設定変更動作である。
【0071】具体的には、ステップ400で空調機器の
変更動作を行なう必要があると判定された場合(YE
S)に、例外動作を行なう必要があるか否かを判定し
(ステップ410)、例外動作を行なう必要があると判
定された場合(YES)は、車速が所定値以下でも、例
外動作に対する空調機器の変更動作を優先して実行する
(ステップ600)。
【0072】次に、本発明の第7実施例を説明する。図
15は本実施例の作動を示すフローチャートである。本
実施例では、車速に応じた許容変動値ΔTAOS を予め
設定しておき、TAOの変動値ΔTAOが許容変動値Δ
TAOS より小さい時には、変更動作を行なう必要があ
ると判定された場合でも、変更動作を行なわず、それま
での作動状態を維持するものである。なお、図15に示
すフローチャートの各処理に付すステップ番号は、第1
実施例〜第6実施例と異なる番号を付す。
【0073】具体的には、車速SPDおよび目標吹出温
度TAOを入力した後(ステップ10)、実際の吹出温
度がTAOとなるように空調機器の変更動作を行なう必
要があるか否かを判定する(ステップ20)。この判定
で、空調機器の変更動作を行なう必要がないと判定され
た場合(NO)は、ステップ10へ戻る。
【0074】ステップ20で空調機器の変更動作を行な
う必要があると判定された場合(YES)は、予めエア
コン制御装置6のマイクロコンピュータに記憶された特
性(図16参照)に基づいて、車速SPDに応じた許容
変動値ΔTAOS を求める(ステップ30)。続いて、
現在のTAOの変動値ΔTAOを下記の数式より求める
(ステップ40・本発明の変動値算出手段)。
【0075】
【数3】ΔTAO=|TAOB −TAO| なお、TAOB :更新前の目標吹出温度 続いて、ステップ30で求めた許容変動値ΔTAOS と
ステップ40で求めた変動値ΔTAOとを比較判定する
(ステップ50・本発明の変動値判定手段)。
【0076】ここで、ΔTAOがΔTAOS より小さい
と判定された場合(判定結果NO)は、空調機器の変更
動作を行なうことなく、ステップ10へ戻る。また、Δ
TAOがΔTAOS 以上であると判定された場合(判定
結果YES)は、空調機器の変更動作を実行する(ステ
ップ60)。変更動作を実行した後、TAOをクリアし
て(ステップ70)、ステップ100へ戻る。上述のよ
うに、車速SPDに応じた細かな許容変動値ΔTAOS
を設定することで、より快適性を損なうことなく、空調
機器の気になる作動音の発生頻度を減らすことができ
る。
【0077】次に、本発明の第8実施例を説明する。図
17は本実施例の作動を示すフローチャートである。本
実施例では、第7実施例で説明した車速SPDに応じた
許容変動値ΔTAOS に加えて、エンジン回転数NE 、
送風機3の印加電圧V1 (ブロワ電圧)、およびオーデ
ィオの音量V1 (電圧)に応じた各許容変動値ΔTAO
N 、ΔTAOV1、ΔTAOV2を設定したものである。な
お、エンジン回転数NE と許容変動値ΔTAON との関
係、ブロワ電圧V1 と許容変動値ΔTAOV1との関係、
およびオーディオ電圧V2 と許容変動値ΔTAOV2との
関係を図18〜図20に示す。
【0078】具体的には、ステップ20で変更動作を実
行する必要があると判定された場合に、図16および図
18〜図20に示す特性に基づいて、車速SPD、エン
ジン回転数NE 、ブロワ電圧V1 、およびオーディオ電
圧V2 に応じた各許容変動値ΔTAOS 、ΔTAON 、
ΔTAOV1、ΔTAOV2を求める(ステップ30)。続
いて、現在のTAOの変動値ΔTAOを求める(ステッ
プ40)。
【0079】続いて、車速に応じた許容変動値ΔTAO
S と変動値ΔTAOとを比較判定する(ステップ50・
本発明の変動値判定手段)。ここで、ΔTAOがΔTA
OS以上と判定された場合(判定結果YES)はステッ
プ60へ進み、ΔTAOがΔTAOS より小さいと判定
された場合(判定結果NO)は、続いて、エンジン回転
数NE に応じた許容変動値ΔTAON と変動値ΔTAO
とを比較判定する(ステップ51・本発明の変動値判定
手段)。
【0080】ここで、ΔTAOがΔTAON 以上と判定
された場合(判定結果YES)はステップ60へ進み、
ΔTAOがΔTAON より小さいと判定された場合(判
定結果NO)は、続いて、ブロワ電圧V1 に応じた許容
変動値ΔTAOV1と変動値ΔTAOとを比較判定する
(ステップ52・本発明の変動値判定手段)。
【0081】ここで、ΔTAOがΔTAOV1、以上と判
定された場合(判定結果YES)はステップ60へ進
み、ΔTAOがΔTAOV1、より小さいと判定された場
合(判定結果NO)は、続いて、オーディオ電圧V2 に
応じた許容変動値ΔTAOV2と変動値ΔTAOとを比較
判定する(ステップ53・本発明の変動値判定手段)。
【0082】ここで、ΔTAOがΔTAOV2以上と判定
された場合(判定結果YES)はステップ60へ進み、
ΔTAOがΔTAOV2より小さいと判定された場合(判
定結果NO)は、ステップ10へ戻る。上記各ステップ
50〜53の何れかの処理で判定結果がYESとなった
場合は、ステップ60で空調機器の変動動作を実行した
後、TAOをクリアして(ステップ70)、ステップ1
0へ戻る。このように、本実施例では、車速SPDだけ
でなく、エンジン回転数NE 、ブロワ電圧V1 、および
オーディオ電圧V2 に応じた各許容変動値ΔTAOS 、
ΔTAON 、ΔTAOV1、ΔTAOV2を設定することに
より、より木目細かな制御を行なうことができる。
【0083】次に、本発明の第9実施例を説明する。図
21および図22は本実施例の作動を示すフローチャー
トである。本実施例では、第8実施例で説明した制御に
加えて、空調機器の変更動作を実行する際に遅延時間を
設定し、その遅延時間を車速に応じて変化させるもので
ある。具体的には、ステップ20で空調機器の変更動作
を行なう必要があると判定された場合(判定結果YE
S)は、第8実施例に示した各許容変動値の他に、車速
SPDに応じた許容遅延時間ΔTを求める(ステップ3
0)。なお、車速SPDと許容遅延時間ΔTとの関係を
図23に示す。
【0084】その後、ステップ50〜53の何れかの処
理で判定結果がYESとなった時は、タイマによる変更
動作の遅延制御を行なう。このタイマによる遅延制御
は、ステップ54でタイマがカウント中か否かを判定
し、カウント中と判定された場合(判定結果YES)
は、ステップ56へ進む。また、ステップ54でタイマ
がカウント中でないと判定された場合(判定結果NO)
は、タイマのカウントをスタート(ステップ55)した
後、ステップ56へ進む。
【0085】ステップ56では、タイマのカウントt
(経過時間)とステップ30で求めた許容遅延時間ΔT
とを比較判定する。ここで、tがΔTより小さいと判定
された場合(判定結果NO)は、空調機器の変更動作を
実行することなく、ステップ10へ戻る。また、tがΔ
T以上であると判定された場合(判定結果YES)は、
空調機器の変更動作を実行する(ステップ60)。空調
機器の変更動作を実行した後、TAOをクリアするとと
もに、タイマをリセットして(ステップ70)して、ス
テップ10ヘ戻る。なお、本実施例では、車速SPDに
応じてタイマの許容遅延時間ΔTを設定したが、車速以
外にも、エンジン回転数、ブロワ電圧、およびオーディ
オ電圧に応じてそれぞれ許容遅延時間を設定しても良
い。
【0086】次に、本発明の第10実施例を説明する。
図24および図25は本実施例の作動を示すフローチャ
ートである。本実施例では、現在のTAOの変動値ΔT
AOの変化方向によって各許容変動値および許容遅延時
間を補正するものである。
【0087】具体的には、ステップ40で変動値ΔTA
Oを求めた後、その変動の大きさを‘F’として(ステ
ップ41)、そのFの変化方向(つまり大きくなるか小
さくなるか)を判定する(ステップ42)。ここで、F
が0以下であると判定された場合(判定結果YES)、
つまり変動値ΔTAOが小さくなる方向へ変化する場合
は、係数a=a1 (例えば1.1)と置き(ステップ4
3・本発明の係数設定手段)、Fが0より大きいと判定
された場合(判定結果NO)、つまり変動値ΔTAOが
大きくなる方向へ変化する場合は、係数a=a2 (例え
ば0.9)と置く(ステップ44・本発明の係数設定手
段)。
【0088】ステップ43またはステップ44で係数a
が設定された後、ステップ50へ進む。そして、ステッ
プ50〜53の各処理では、ステップ40で求めた変動
値ΔTAOと、各許容変動値ΔTAOS 、ΔTAON 、
ΔTAOV1、ΔTAOV2をそれぞれ係数a(a1 または
2 )で補正した補正後の許容変動値a・ΔTAOS、
a・ΔTAON 、a・ΔTAOV1、a・ΔTAOV2とを
比較判定する。
【0089】従って、TAOB が小さい方向に変化して
‘F’がマイナス(F≦0)と判断されると、ステップ
50〜53の各処理では、ステップ30で求められた各
許容変動値がそれぞれ1.1倍され、TAOB が大きい
方向に変化して‘F’がプラス(F>0)と判断される
と、ステップ50〜53の各処理では、ステップ30で
求められた各許容変動値がそれぞれ0.9倍されること
になる。
【0090】このステップ50〜53の何れかの処理で
判定結果がYESとなった時は、タイマによる変更動作
の遅延制御が行なわれる。この遅延制御では、ステップ
56で、タイマのカウントt(経過時間)と、ステップ
30で求めた許容遅延時間ΔTを係数aで補正した補正
後の許容遅延時間a・ΔTとを比較判定する。従って、
ここでも、‘F’がマイナス(F≦0)と判断された場
合は、許容遅延時間が1.1倍され、‘F’がプラス
(F>0)と判断された場合は、許容遅延時間が0.9
倍されることになる。
【0091】このステップ56で、tがa・ΔTより小
さいと判定された場合(判定結果NO)は、空調機器の
変更動作を実行することなく、ステップ10へ進み、t
がa・ΔT以上と判定された場合(判定結果YES)
は、空調機器の変更動作を実行して(ステップ60)し
た後、TAOをクリアするとともに、タイマをリセット
して(ステップ70)、ステップ10へ戻る。
【0092】なお、係数aは、外気温等によって変えて
も良い。例えば、外気温の低い冬期にはa1 >a2
し、外気温の高い夏期にはa1 <a2 とする。また、係
数aは、1つだけでなく、車速、エンジン回転数、ブロ
ワ電圧、およびオーディオ電圧等に個別の係数b、c、
dを設定しても良い。
【0093】〔変形例〕上記の第1実施例〜第6実施例
では、ステップ300で車速(車速信号)による判定を
行なったが、車速の代わりにエンジン回転数を判定基準
としても良い。また、車速信号の代わりにA/Cスイッ
チ47のON/OFF信号を用いても良い。これは、A
/Cスイッチ47がONされると、エンジン回転数が上
昇してエンジン騒音が大きくなるためである。
【0094】第2〜6実施例では、車速が所定値より大
きい時と所定値以下の時とでそれぞれTAO(TA
1 、TAO2 )を設定し、車速が所定値以下でもΔT
AOが変動値以上の時には、空調機器の変更動作を実行
する例を示したが、TAOに基づいて算出されるエアミ
ックスダンパ30の目標開度SWをTAOの代わりに用
いてもよい。あるいはTAOと並列的に用いても良い。
なお、上記の各実施例では、エンジン19を始動するた
めのイグニションキー(図示しない)をONした時は、
必ず各空調機器の変更動作が実行されるものである。
【0095】
【発明の効果】本発明の車両用空気調和装置は、変更動
作判定手段により空調機器の変更動作を行なう必要があ
ると判定された場合でも、車両の走行状態あるいは内燃
機関の運転状態に関連する物理量(具体的には車両速
度、エンジン回転数等)が所定値以下の場合は、空調機
器の変更動作が禁止されて、それまでの空調機器の作動
状態が維持される。あるいは判定から所定時間経過後に
空調機器の変更動作が実行される。このため、車両速度
が低い時、またはエンジン回転数が低い時(例えばアイ
ドリング時)等で車室内騒音が極めて小さい場合には、
空調機器の変更動作に伴う作動音の発生を防止すること
ができる。なお、空調機器は、送風機、内外気切替ダン
パ、エアミックスダンパ、吹出口切替ダンパ、冷媒圧縮
機等である。
【0096】また、車両の走行状態あるいは内燃機関の
運転状態に関連する物理量が所定値以下の場合でも、予
め特定された例外動作を行なう場合には、その例外動作
に対する空調機器の変更動作を優先して実行することが
できる。このため、例えば、例外動作として内気モード
と外気モードとの切り替えを行なう内外気切替動作を設
定することで、汚染外気が吸入されるのを防止すること
ができる。あるいは、デフロスタ吹出口を開口する吹出
口モードへの吹出口切替動作を設定することで、窓ガラ
スの曇りを防止することができる。また、乗員の手動操
作による設定変更(例えば、設定温度の変更、各モード
変更等)に伴う変更動作を例外動作として設定すること
により、車室内騒音が極めて小さい場合でも、手動操作
による設定変更が可能となる。
【0097】また、日射量が変化した場合、車室内への
目標吹出温度の変動値が所定の変動値以上の場合、エア
ミックスダンパの目標開度の変動値が所定の変動値以上
の場合は、それらに対する空調機器の変更動作を優先し
て実行することができる。あるいは、送風機の送風量が
設定値以上の場合、車両に搭載されたオーディオの音量
が設定値以上の場合は、車室内騒音が大きくなって空調
機器の変更動作に伴う作動音が気にならなくなるため、
上記の場合は空調機器の変更動作を実行することができ
る。また、送風機の送風量を判定する設定値を外気モー
ド時より内気モード時の方が小さくすることにより、吸
込口モードの変更に伴う送風騒音の大きさの変化を少な
くすることができる。
【0098】さらに、本発明では、車室内の騒音レベル
に関連する物理量(例えば、車両速度、エンジン回転
数、送風機の印加電圧、オーディオ電圧等)に応じて予
め設定された許容変動値と目標吹出温度の変動値とを比
較し、目標吹出温度の変動値の方が許容変動値より小さ
い時は、空調機器の変更動作を行なう必要があると判定
された場合でも空調機器の変更動作を行なわず、それま
での作動状態を維持することができる。
【0099】また、目標吹出温度の変動値が許容変動値
以上の場合でも、すぐに変更動作を実行することなく、
車室内の騒音レベルに関連する物理量に応じた許容遅延
時間を設定して変更動作を行なうことができる。この結
果、快適性を損なわず、乗員にとって気になる空調機器
の変更動作に伴う作動音の発生頻度を効果的に減らすこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用空気調和装置の全体模式図である。
【図2】本実施例の制御系に係わるブロック図である。
【図3】エアコン操作パネルの正面図である。
【図4】本実施例の作動を示すフローチャートである。
【図5】送風機の制御特性図である。
【図6】吸込口モードの制御特性図である。
【図7】吹出口モードの制御特性図である。
【図8】冷媒圧縮機の制御特性図である。
【図9】変更動作禁止制御の作動を示すフローチャート
である(第1実施例)。
【図10】変更動作禁止制御の作動を示すフローチャー
トである(第2実施例)。
【図11】変更動作禁止制御の作動を示すフローチャー
トである(第3実施例)。
【図12】変更動作禁止制御の作動を示すフローチャー
トである(第4実施例)。
【図13】変更動作禁止制御の作動を示すフローチャー
トである(第5実施例)。
【図14】変更動作禁止制御の作動を示すフローチャー
トである(第6実施例)。
【図15】変更動作禁止制御の作動を示すフローチャー
トである(第7実施例)。
【図16】車速と許容変動値との関係を示すグラフであ
る(第7実施例)。
【図17】変更動作禁止制御の作動を示すフローチャー
トである(第8実施例)。
【図18】エンジン回転数と許容変動値との関係を示す
グラフである(第8実施例)。
【図19】ブロワ電圧と許容変動値との関係を示すグラ
フである(第8実施例)。
【図20】オーディオ電圧と許容変動値との関係を示す
グラフである(第8実施例)。
【図21】変更動作禁止制御の作動を示すフローチャー
トである(第9実施例)。
【図22】変更動作禁止制御の作動を示すフローチャー
トである(第9実施例)。
【図23】車速と許容遅延時間との関係を示すグラフで
ある(第9実施例)。
【図24】変更動作禁止制御の作動を示すフローチャー
トである(第10実施例)。
【図25】変更動作禁止制御の作動を示すフローチャー
トである(第10実施例)。
【符号の説明】
1 車両用空気調和装置 2 ダクト 3 送風機(空調機器) 4 冷凍サイクル 6 エアコン制御装置 7 デフロスタ吹出口 10 窓ガラス 11、12 吹出口切替ダンパ(空調機器) 16 内外気切替ダンパ(空調機器) 20 冷媒圧縮機(空調機器) 30 エアミックスダンパ(空調機器) 37 日射センサ(日射量検出手段) ステップS4 目標吹出温度演算手段 ステップS9 目標開度演算手段 ステップ200 物理量判定手段 ステップ210 送風量判定手段 ステップ400 変更動作判定手段 ステップ450 日射量変化判定手段 ステップ600 制御手段 ステップ810 吹出温度変動値判定手段 ステップ40 変動値算出手段 ステップ43、44 係数設定手段 ステップ50〜53 変動値判定手段

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)車室内に空調空気を導くダクトと、 b)作動状態を変更する変更動作に伴って前記車室内の
    空調状態を可変する空調機器と、 c)この空調機器の変更動作を行なう必要があるか否か
    を判定する変更動作判定手段と、 d)車両の走行状態あるいは内燃機関の運転状態に関連
    する物理量が所定値以下か否かを判定する物理量判定手
    段と、 e)前記変更動作判定手段により前記空調機器の変更動
    作を行なう必要があると判定された場合でも、前記物理
    量判定手段により前記物理量が前記所定値以下であると
    判定された場合には、前記空調機器の変更動作を行なう
    ことなく、それまでの作動状態を維持する制御手段とを
    備えた車両用空気調和装置。
  2. 【請求項2】a)車室内に空調空気を導くダクトと、 b)作動状態を変更する変更動作に伴って前記車室内の
    空調状態を可変する空調機器と、 c)この空調機器の変更動作を行なう必要があるか否か
    を判定する変更動作判定手段と、 d)車両の走行状態あるいは内燃機関の運転状態に関連
    する物理量が所定値以下か否かを判定する物理量判定手
    段と、 e)前記変更動作判定手段により前記空調機器の変更動
    作を行なう必要があると判定された場合でも、前記物理
    量判定手段により前記物理量が前記所定値以下であると
    判定された場合には、その判定から所定時間経過後に前
    記空調機器の変更動作を実行する制御手段とを備えた車
    両用空気調和装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の車両用空気調和装
    置において、 前記制御手段は、前記変更動作判定手段により前記空調
    機器の変更動作を行なう必要があると判定された場合
    に、その変更動作が予め特定された例外動作である場合
    は、前記物理量判定手段により前記物理量が所定値以下
    であると判定された場合でも前記例外動作を実行するこ
    とを特徴とする。
  4. 【請求項4】請求項3記載の車両用空気調和装置におい
    て、 前記例外動作は、吸込口モードの切り替えを行なう内外
    気切替動作、車両の窓ガラスに向かって空気を吹き出す
    デフロスタ吹出口を開口する吹出口モードへの吹出口切
    替動作、前記デフロスタ吹出口を開口する吹出口モード
    からその他の吹出口モードへの吹出口切替動作、および
    乗員の手動操作による設定変更に起因した変更動作の少
    なくとも1つであることを特徴とする。
  5. 【請求項5】請求項1または2記載の車両用空気調和装
    置において、 日射量を検出する日射量検出手段と、 この日射量検出手段により検出された日射量が変化した
    か否かを判定する日射量変化判定手段とを備え、 前記制御手段は、前記変更動作判定手段により前記空調
    機器の変更動作を行なう必要があると判定された場合
    に、前記日射量変化判定手段により前記日射量が変化し
    たと判定された場合は、前記物理量判定手段により前記
    物理量が所定値以下であると判定された場合でも前記空
    調機器の変更動作を実行することを特徴とする。
  6. 【請求項6】請求項1または2記載の車両用空気調和装
    置において、 車室内への目標吹出温度を演算する目標吹出温度演算手
    段と、 この目標吹出温度演算手段により演算された目標吹出温
    度の変動値が所定の変動値以上か否かを判定する吹出温
    度変動値判定手段とを備え、 前記制御手段は、前記変更動作判定手段により前記空調
    機器の変更動作を行なう必要があると判定された場合
    に、前記吹出温度変動値判定手段により前記目標吹出温
    度の変動値が所定の変動値以上であると判定された場合
    は、前記物理量判定手段により前記物理量が所定値以下
    であると判定された場合でも前記空調機器の変更動作を
    実行することを特徴とする。
  7. 【請求項7】請求項1または2記載の車両用空気調和装
    置において、 前記ダクト内を流れる冷風と温風との混合割合を調節す
    るエアミックスダンパと、 このエアミックスダンパの目標開度を演算する目標開度
    演算手段と、 この目標開度演算手段により演算された目標開度の変動
    値が所定の変動値以上か否かを判定する開度変動値判定
    手段とを備え、 前記制御手段は、前記変更動作判定手段により前記空調
    機器の変更動作を行なう必要があると判定された場合
    に、前記開度変動値判定手段により前記目標開度の変動
    値が所定の変動値以上であると判定された場合は、前記
    物理量判定手段により前記物理量が所定値以下であると
    判定された場合でも前記エアミックスダンパの開度変更
    を実行することを特徴とする。
  8. 【請求項8】請求項1または2記載の車両用空気調和装
    置において、 前記ダクト内に空気を導入して前記車室内へ送る送風機
    と、 この送風機の送風量が予め設定された設定値以上である
    か否かを判定する送風量判定手段とを備え、 前記制御手段は、前記変更動作判定手段により前記空調
    機器の変更動作を行なう必要があると判定された場合
    に、前記送風量判定手段により前記送風機の送風量が前
    記設定値以上であると判定された場合は、前記物理量判
    定手段により前記物理量が所定値以下であると判定され
    た場合でも前記空調機器の変更動作を実行することを特
    徴とする。
  9. 【請求項9】請求項8記載の車両用空気調和装置におい
    て、 前記設定値は、前記ダクト内に外気が導入される外気モ
    ード時より前記ダクト内に内気が導入される内気モード
    時の方が小さくなるように設定されたことを特徴とす
    る。
  10. 【請求項10】請求項1または2記載の車両用空気調和
    装置において、 車両に搭載されたオーディオの音量が予め設定された設
    定値以上であるか否かを判定する音量判定手段を備え、 前記制御手段は、前記変更動作判定手段により前記空調
    機器の変更動作を行なう必要があると判定された場合
    に、前記音量判定手段により前記オーディオの音量が前
    記設定値以上であると判定された場合は、前記物理量判
    定手段により前記物理量が所定値以下であると判定され
    た場合でも前記空調機器の変更動作を実行することを特
    徴とする。
  11. 【請求項11】請求項1〜10記載の何れかの車両用空
    気調和装置において、 前記物理量は、車両速度またはエンジン回転数であるこ
    とを特徴とする。
  12. 【請求項12】a)車室内に空調空気を導くダクトと、 b)作動状態を変更する変更動作に伴って前記車室内の
    空調状態を可変する空調機器と、 c)前記車室内への目標吹出温度を演算する目標吹出温
    度演算手段と、 d)実際の吹出温度が前記目標吹出温度演算手段により
    演算された目標吹出温度となるように前記空調機器の変
    更動作を行なう必要があるか否かを判定する変更動作判
    定手段と、 e)前記目標吹出温度演算手段により演算された目標吹
    出温度の変動値を算出する変動値算出手段と、 f)この変動値算出手段により算出された変動値と前記
    車室内の騒音レベルに関連する物理量に応じて予め設定
    された許容変動値とを比較判定する変動値判定手段と、 g)この変動値判定手段により前記変動値の方が前記許
    容変動値より小さいと判定された時は、前記変更動作判
    定手段により前記空調機器の変更動作を行なう必要があ
    ると判定された場合でも、前記空調機器の変更動作を行
    なうことなく、それまでの作動状態を維持する制御手段
    とを備えた車両用空気調和装置。
  13. 【請求項13】請求項12記載の車両用空気調和装置に
    おいて、 前記制御手段は、前記変更動作判定手段により前記空調
    機器の変更動作を行なう必要があると判定された場合に
    おいて、前記変動値判定手段により前記変動値が前記許
    容変動値以上と判定された時は、前記物理量に応じて予
    め設定された許容遅延時間を経過した後に前記空調機器
    の変更動作を実行することを特徴とする車両用空気調和
    装置。
  14. 【請求項14】a)車室内に空調空気を導くダクトと、 b)作動状態を変更する変更動作に伴って前記車室内の
    空調状態を可変する空調機器と、 c)前記車室内への目標吹出温度を演算する目標吹出温
    度演算手段と、 d)実際の吹出温度が前記目標吹出温度演算手段により
    演算された目標吹出温度となるように前記空調機器の変
    更動作を行なう必要があるか否かを判定する変更動作判
    定手段と、 e)前記目標吹出温度演算手段により演算された目標吹
    出温度の変動値を算出する変動値算出手段と、 f)この変動値算出手段により算出された変動値の変化
    方向に応じて係数を設定する係数設定手段と、 g)前記車室内の騒音レベルに関連する物理量に応じて
    予め設定された許容変動値を前記係数によって補正した
    補正後の許容変動値と前記変動値算出手段により算出さ
    れた変動値とを比較判定する変動値判定手段と、 h)この変動値判定手段により前記変動値の方が前記補
    正後の許容変動値より小さいと判定された時は、前記変
    更動作判定手段により前記空調機器の変更動作を行なう
    必要があると判定された場合でも、前記空調機器の変更
    動作を行なうことなく、それまでの作動状態を維持する
    制御手段とを備えた車両用空気調和装置。
  15. 【請求項15】請求項14記載の車両用空気調和装置に
    おいて、 前記制御手段は、前記変更動作判定手段により前記空調
    機器の変更動作を行なう必要があると判定された場合に
    おいて、前記変動値判定手段により前記変動値が前記補
    正後の許容変動値以上と判定された時は、前記物理量に
    応じて予め設定された許容遅延時間を経過した後に前記
    空調機器の変更動作を実行することを特徴とする車両用
    空気調和装置。
  16. 【請求項16】請求項14記載の車両用空気調和装置に
    おいて、 前記制御手段は、前記変更動作判定手段により前記空調
    機器の変更動作を行なう必要があると判定された場合に
    おいて、前記変動値判定手段により前記変動値が前記補
    正後の許容変動値以上と判定された時は、前記物理量に
    応じて予め設定された許容遅延時間を前記係数に応じて
    補正した補正後の許容遅延時間を経過した後に前記空調
    機器の変更動作を実行することを特徴とする車両用空気
    調和装置。
  17. 【請求項17】請求項12〜16記載の何れかの車両用
    空気調和装置において、 前記物理量は、車両速度、エンジン回転数、送風機の印
    加電圧、および車両に搭載されたオーディオの音量の少
    なくとも1つであることを特徴とする車両用空気調和装
    置。
  18. 【請求項18】請求項1〜17記載の何れかの車両用空
    気調和装置において、 前記空調機器は、前記ダクト内に空気を導入して前記車
    室内へ送る送風機、この送風機により前記ダクト内に導
    入される内気と外気との切り替えを行なう内外気切替ダ
    ンパ、前記ダクト内を流れる冷風と温風との混合割合を
    調節するエアミックスダンパ、前記車室内の各所に開口
    する吹出口の切り替えを行なう吹出口切替ダンパ、前記
    ダクト内を流れる空気の冷却手段である冷凍サイクルに
    冷媒を循環させる冷媒圧縮機の少なくとも1つであるこ
    とを特徴とする。
JP16108194A 1994-02-09 1994-07-13 車両用空気調和装置 Pending JPH07266840A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010076517A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Mazda Motor Corp 車両の制御装置
KR20120016329A (ko) * 2010-08-16 2012-02-24 한라공조주식회사 차량용 공조장치
KR20140067371A (ko) * 2012-11-26 2014-06-05 주식회사 두원공조 차량용 도어 액추에이터 제어 방법 및 그 장치
JP2014193640A (ja) * 2013-03-28 2014-10-09 Japan Climate Systems Corp 車両用空調装置
KR20150027516A (ko) * 2013-09-04 2015-03-12 한라비스테온공조 주식회사 차량용 공조장치
JP2015174473A (ja) * 2014-03-13 2015-10-05 スズキ株式会社 車両用空調装置

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