JPH07266566A - 液体噴射ヘッド、該液体噴射ヘッドを有するヘッドカートリッジ及び液体噴射装置 - Google Patents
液体噴射ヘッド、該液体噴射ヘッドを有するヘッドカートリッジ及び液体噴射装置Info
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- JPH07266566A JPH07266566A JP6060914A JP6091494A JPH07266566A JP H07266566 A JPH07266566 A JP H07266566A JP 6060914 A JP6060914 A JP 6060914A JP 6091494 A JP6091494 A JP 6091494A JP H07266566 A JPH07266566 A JP H07266566A
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Abstract
を高速で行える歩留り良く低コストのインクジェットヘ
ッドを提供する。 【構成】 インク吐出エネルギー発生素子が設けられた
素子基板を支持体上に複数配し、これらの複数の素子基
板の吐出エネルギー発生素子を覆うと共に支持体と同等
の熱膨張係数を持つ支持部材を内包した溝付部材を有す
るヘッド、ヘッドカートリッジおよびこのヘッドを用い
た装置。
Description
う液体噴射ヘッド、該液体噴射ヘッドを有するヘッドカ
ートリッジおよび液体噴射装置に関する。特に吐出エネ
ルギー発生素子が配された素子基板を複数並べて長尺化
が図られた液体噴射ヘッド、これを用いたヘッドカート
リッジ、液体噴射装置に関する。
リンタ等の装置だけでなく、布に対して記録を行う捺染
装置としてのプリンタ等の産業用装置へも適用すること
ができる。
装置は、画像情報に基づいて、紙やプラスチック薄板、
布等の被記録材上にドットパターンから成る画像を記録
していくように構成されている。
ンクジェット式、ワイヤードット式、サーマル式、電子
写真式等に分けることができる。そのうちのインクジェ
ット式(インクジェットプリント装置)は、インクジェ
ット記録ヘッドの吐出口から記録液(インク)滴を吐出
飛翔させ、これを被記録材に付着させて記録するように
構成されており、低騒音での高速記録が可能であるこ
と、被記録媒体に特に制限がないこと、カラー画像記録
が容易にできること等のため、近年多く利用されてい
る。
せ、熱膨張による圧力を利用してインク液滴を吐出させ
る方式(バブルジェット方式)の記録ヘッドは、その構
造が比較的シンプルであって記録信号に対する応答性が
良く高速化も比較的容易に達成できるとともに、吐出口
の高密度化が容易であるなどの利点を有している。
用される液体噴射ヘッドの要部斜視図であり、ここでは
説明のためにインク路を構成する溝付部材を外した状態
を示している。図11に示したように液体噴射ヘッド
は、一般にインク等の記録用液体を吐出するための複数
の吐出口105、これら吐出口105のそれぞれに対応
したインク路、各インク路に記録液を供給するための図
示しない液室、そして記録用液体に液体を吐出口から吐
出させるためのエネルギーを付与する電気圧力変換体や
電気熱変換体等の液体吐出素子107(ここでは電気熱
変換体の例を示している)、液体吐出素子107に電気
信号を供給するための配線104が配された液体噴射ヘ
ッド用基板111を有する。
用いた液体噴射ヘッド用基板111には、一般に基体1
03上に発熱抵抗層である液体吐出素子107を設け、
この液体吐出素子107の上に、良好な電気伝導性を有
する材料で構成される配線104を積層させて形成され
た電気熱変換体が設けられている。
構成する基体103としては、単結晶シリコン、多結晶
シリコン、ガラス、金属あるいはセラミックス等の材料
で構成される板状の部材を用いることが多い。
111に対してインク路を構成するインク路壁101を
有する溝付部材102を接合することによってインク路
を形成し、液体噴射ヘッドを得ることができる。そし
て、このような溝付部材102としては、従来ガラスや
金属の板状部材が用いられていた。
対しては、切削やエッチングによって、インク路を構成
する微細な溝を形成しなければならず、切削によって溝
を形成した場合には、切削加工されるインク路の内壁面
の荒れが大き過ぎたり、またエッチングによって溝を形
成した場合には、エッチング率のむらによってインク路
にひずみが生じたりしてしまい、製造後の液体噴射ヘッ
ドのインク吐出特性にばらつきが生じ易いという問題点
があった。また、切削加工の際に溝付部材102となる
板状部材のかけや割れが生じ易く、歩留りが低下してし
まうという問題があった。
を構成する材料として各種の樹脂材料が用いられ、露光
および現像によるパターニングで上述の溝を形成した
り、型に樹脂を流し込んだりすることによって、溝付部
材を形成していた。
ッドにおいては、次のような解決すべき課題があること
がわかってきた。
した記録装置が普及するにつれて、近年様々な使用環境
下でこれらの記録装置が使用されるようになってきてい
るが、液体噴射装置を低温環境下や高温環境下で使用す
る場合、インクの吐出による等のバラツキが生じたり、
インクの吐出が行われないノズルが発生する等の解決す
べき課題があることがわかった。
ッド、特に長尺な液体噴射ヘッドの横断面図を模式的に
示した図であり、図12は常温下での液体噴射ヘッドの
状態を模式的に示した図であり、図13は高温状態下で
の液体噴射ヘッドの状態を模式的に示したものである。
図12および図13において、101はインク路を構成
するインク路壁、105はインクを吐出するための吐出
口、106はインク路、107はインクを吐出するため
に利用されるエネルギを発生する電気熱変換体や圧電素
子等の液体吐出素子を示している。
り常温時における液体噴射ヘッドでは、図12で示され
るようにインク路106を構成するインク路壁101と
液体吐出素子107との配置が適切(配置間隔a、bは
ほぼ均等)となっており、液体吐出素子107が発生す
るエネルギが充分にインク路106内のインクに加えら
れるため、良好な吐出が行われる。
温度が高くなった場合や、液体噴射ヘッド自体の温度が
上昇した場合には、液体吐出素子107が配された基板
と、インク路106を構成するためのインク路壁101
を有する溝付部材との熱膨張係数の差から、図13で示
される如くインク路106の配置位置と液体吐出素子1
07との相対的配置間隔にずれが生じてしまう。このた
め、インク路106を構成するインク路壁101と液体
吐出素子107との間隔a、bは、a1、b1で示され
るごとく液体噴射ヘッドの端部側ほど大きくずれてしま
うため、吐出エネルギをインク路106中の液体に加え
る位置が変化してしまい、吐出インクのよれや、インク
の着弾精度の低下を招いてしまう。
図13の左端および右端に模式的に示されるように、イ
ンク路壁101の下部に液体吐出素子107が位置する
ようになり、インク路106に存在するインクに充分に
吐出エネルギが加えられずに、インクの不吐出を生じて
しまう虞もあった。
インクを吐出して記録を行う、いわゆるバブルジェット
記録方式において強く、また特に、近年のように記録の
高速化を図るために開発が進められている長尺な液体噴
射ヘッドにおいてこの傾向が強く、高画質、高精細画像
を高速で記録する記録装置を得る上で特に大きな解決す
べき課題となっていた。
入りの溝付部材を有する液体噴射ヘッドを提案した(特
願平5−318737号公報)。この提案の支持部材入
り溝付部材を図1に示す。この溝付部材は樹脂で構成さ
れてインク路4となる複数の溝が設けられており、その
内部にこの樹脂部を支持するための支持部材2が内包さ
れることによって構成されている。この支持部材は液体
吐出素子を配置した液体噴射用ヘッド用基板と、液路壁
が形成されている部分との熱膨張係数の違いによる歪を
緩和するためのもので、基板の熱膨張係数に近い値を持
ち、溝付部材の熱膨張係数を基板の熱膨張係数に近くな
るよう規制するために溝付部材に設けられるものであ
る。なおこの支持部材の材質としては、ガラス、アルミ
ナ、サファイヤ、シリコン、金属等である。これにより
液体噴射ヘッドが低温あるいは高温環境下で使用されて
も、基板に配された液体吐出素子と液路との相対的ずれ
を押えることができ、インク吐出のよれや不吐出のない
液体噴射ヘッドが得られるものである。
って液体吐出素子を設けるような長尺な液体噴射ヘッド
においては、この液体吐出素子や配線等を全てに渡って
欠陥なく加工することが必要であるが、これが非常に困
難であった。
(dot per inch 1インチ当りのドット
数)の記録密度で記録する長尺液体噴射ヘッドでは、4
736個の液体吐出素子(バブルジェット記録方式で
は、一対の電極及びこれらの電極の間に設けられた発熱
抵抗体)を1つの欠陥もなく全てに渡って加工しなくて
はならず、極めてその製造が困難であった。従ってその
製造歩留りが低く即ち、ヘッドコストが高くなりなかな
か実用化まで達することができずにいた。
いろいろな方式が提案されて来た。特開昭55−132
253号公報、特開平2−2009号公報、特開平4−
229278号公報、特開平4−232749号公報、
特開平5−24192号公報などがそれであり、これら
の考え方は、32ノズル、48ノズル、64ノズル、1
28ノズルといった比較的ノズル本数の少ない製造し易
いヘッドを複数個一つの支持体にノズルの配列密度に合
せて高精度に並べていく方法を採用している。
の両面に互い違いにヘッドを精度よく配列することで一
つの長尺のインクジェットヘッドを作り上げる方法につ
いてのものである。この方法では支持体の両面に小ヘッ
ドを配置するために支持体の片面のみをみればヘッドの
配置寸法に余裕がある。このため配置精度を上げるため
の手段等を入れることが出来、比較的ヘッドを並べるた
めの設計に自由度がある。
要な電気信号や吐出させるインクを支持体の両面に対し
てそれぞれ供給する必要があり、ほぼ1つの小ヘッドに
必要な電気供給系やインク供給系をそれぞれの面に対し
て配置することとなり、非常に高いコストがかかってし
まう欠点があった。また、支持体の両面に小ヘッドを配
置するため、インクジェットヘッド全体としても大型化
してしまう。また部品、特に小ヘッドを配置する支持体
には、その両面に対する平面度および両面に対する平行
度、両面同志の距離公差といった制約が多数求められ、
非常に高いコストになってしまうなどといった欠点があ
った。
されたような小さなヘッドを一つの基板の片面上に精度
よく並べることによって長尺ヘッドを作り上げる方法が
ある。この方法では上述のような欠点は一部解消される
が、やはりインク供給系では個々にインクを供給せざる
を得ず、やはりコスト高となってしまう。またそれ以上
に困難である所は、ヘッドの両サイドのインクもれ防止
のためのシールである。この長尺ヘッドではノズルピッ
チをそのままにして異なるヘッドを配列するため、個別
ヘッドの両サイドはノズルピッチの半分以下の寸法しか
許容できない。即ち400dpi(=63.5μ)とす
ると、ノズル中心とヘッドのサイド面とはl≦63.5
/2=30μm、この寸法には当然ノズルの巾の半分の
長さも含まれており、これをたとえばノズル幅の半分の
長さ12μとすると残された長さは18μm以下とな
る。この寸法でもってインクが漏れないようシールしな
くてはならない。これは非常に困難であり、個別ヘッド
の製造コストを高くしてしまう欠点がある。
ヘッドの解決すべき課題について述べたが設計的見地か
ら見ると次のような解決すべき課題がある。2種類とも
異なる小ヘッドを複数配列するため必ずそれぞれの小ヘ
ッドは公差をもって並べられており、それぞれの小ヘッ
ドがインクを吐出する方向(前後左右角度含め)に微妙
に差が生じるので、インクジェットヘッド全体として
は、印字にむらが生じてしまう。また同時に異なるヘッ
ドそれぞれに微妙に吐出量が異なるためやはり印字にむ
らが生じてしまう。従ってより良好な画像を得るために
は試行錯誤をくり返し個別ヘッドを交換する作業によっ
て一つの長尺ヘッドを作り上げることが必要でどうして
もコスト高となってしまう。
た背景技術の課題を解決すべく、まずステンレス製の基
台(以後ベースプレートもしくは支持体と呼ぶ)の上
に、64ケ、128ケといった比較的少ない数の液体吐
出素子(バブルジェット記録方式では、一対の電極およ
びこれら電極の間に設けられた発熱抵抗体)を設けた素
子基板(これよりヒーターボードと呼ぶ)を、必要な数
だけ精度よく並べて長尺に対応したヘッド基体を作り上
げた。このヒーターボードの材質としてはシリコンが使
われているが、その他の材質としてガラスやセラミック
スなどを使用することもできる。このヘッド基体に対し
てその複数の素子基板の液体吐出素子に相当するだけの
インク路を持ったポリサルフォン樹脂で作られた溝付天
板(溝付部材)を取り付けてインクジェットヘッドを作
成した。
ドを種々の温度環境で使用し、インクの吐出状況を調べ
た所、液体噴射ヘッド自体の温度が上昇すると、インク
流路と液体吐出素子との相対的配置関係にずれが生じ、
吐出インクのよれや、インクの着弾点精度の低下を生じ
てしまい、さらに温度変化が大きくなるとインク不吐出
まで発生してしまった。
スの支持部材入り溝付天板を用いたヘッドを同様に使用
してみた。しかしながら、このようなヘッドの場合にお
いても温度の上昇とともにインク吐出のよれやインクの
着弾点精度の低下が発生した。
基板を並べ、この上に一体の溝付天板を接合して作った
長尺記録ヘッドにおけるインク流路と液体吐出素子との
熱による相対的配置関係のずれという問題を解決し極め
て簡単に低コストといった長所を持つ液体噴射ヘッドを
提供することを目的とする。
しつつ、複数のインク流路に良好にインクの供給を行う
ことが可能なインクジェットヘッドを提供することを目
的とする。又、これらの液体噴射ヘッドを用いたヘッド
カートリッジや液体噴射装置を提供することを目的とす
る。
するための本発明の液体噴射ヘッドの主たる構成は、液
体を吐出するための吐出エネルギー発生素子が複数設け
られた素子基板と、該素子基板を一方の面側に複数配し
た支持体と、前記複数の素子基板の吐出エネルギー発生
素子のそれぞれに対応して設けられた流路を形成するた
めの溝が複数設けられた溝付部材と、を有し、前記溝付
部材は、前記支持体と同等の熱膨張係数の支持部材を有
することである。
高い素子基板を複数用いることで、低コスト化、製造の
容易性の向上を図ることができる。
あるためインクの吐出方向を揃え易く良好な画像を得る
ことができる。又、上述のように複数の素子基板を並べ
たタイプのヘッドでも素子基板を支持する支持体と同等
の熱膨張係数の支持部材を用いることで、熱膨張によっ
て生じる吐出エネルギー発生素子(液体吐出素子)と流
路とのずれが抑制されるため温度が上昇したり、低下し
た場合であっても良好な画像をえることができる。
液体噴射ヘッドとインクタンクとを一体的に有するた
め、上述と同様の効果を得ることができる。
の液体噴射ヘッドと被記録媒体の搬送手段と、を有して
いる。このため上述のような効果を得ることができ、
又、良好な記録をより高速で行うことができる小型で安
価な装置を提供することができる。
給するためのインク供給管として代用することで、前述
のような熱膨張係数の違いによる問題を解決できると共
に、多数の流路を有する長尺なヘッドの場合であって
も、安定したインク供給を行うことができ、構造の簡略
化、小型化を図ることができる液体噴射ヘッド、該ヘッ
ドを用いたヘッドカートリッジ装置を提供することがで
きる。
説明する。
要な部品の構成がわかるように説明するための図であ
る。本実施例ではインク吐出口の密度360dpi(7
0.5μm)インクの吐出口数3008ノズル(印字幅
212mm)のインクジェットヘッドを例として取り上
げて説明する。
ードともいう)100は吐出エネルギー発生素子101
が所定の位置に360dpiの密度にて128ケ設けら
れているものである。ここでは、素子としてインクに熱
を与えるための発熱抵抗素子が設けられている例を示し
た。また、このヒーターボードには外部からの電気信号
により任意のタイミングで吐出エネルギー発生素子10
1を駆動させたりする信号パッド、その駆動のための電
力などを供給するための電力パッド等102が設けられ
ている。
スといった材質で作られた支持体(ベースプレート)3
00の表面上に接着剤にて接着固定されている。
ート300上に複数並べた状態の詳細図を示す。ベース
プレート300の所定の場所に、所定の厚さで塗布され
た接着剤301によってヒーターボード100は接着固
定されており、この際ヒーターボード100上に設けら
れた吐出エネルギー発生素子101がヒーターボード1
00上に配置されたピッチP=70.5μmと同じピッ
チに隣接するヒーターボードの吐出エネルギー発生素子
のピッチがなるように精度よく配置されている。またこ
の際生じるヒーターボード同志の隙間はインクが漏れな
ければそのままでもよいが、本実施例においては封止剤
302にて封止されている。
ヒーターボード100と同様に配線基板400が接着貼
付されている。この際ヒーターボード100上のパッド
102と配線基板400上に設けられた信号・電力供給
パッド401とが所定の位置関係となるように接着貼付
されている。また配線基板には外部からの印字信号や駆
動電力を供給するためのコネクター402が設けられて
いる。
溝付部材である天板200について説明する。
に設けられた吐出エネルギー発生素子101に対応して
設けられた流路202、各流路に対応して設けられたイ
ンクを記録媒体に向けて吐出させるための各流路に連通
したオリフィス203、各流路202に対してインクを
供給するために各流路に連通した液室201、液室20
1に対してインクタンク(図示せず)から供給されたイ
ンクを流入させるためのインク供給口204といった部
品で構成されている。天板200はヒーターボード10
0を複数ならべて設けられた吐出エネルギー発生素子列
をほぼ覆いかぶさるような長さで構成されている。
板200はその流路202とベースプレート300上に
並べられたヒーターボード100上の吐出エネルギー発
生素子101との位置関係を所定の位置関係になるよう
にあわせて結合させている。
板との結合法としてバネ等によってメカ的に押えこんだ
が、その他にも装着剤によって固定したり、それらを組
み合わせたりすることなど色々な方法がある。これらに
より天板200とヒーターボード100は図5のような
関係で固定される。
明する。
は、正確に溝を形成できる樹脂であれば良いが、さらに
機械的強度、寸法安定性、耐インク性に優れたものであ
ることが望ましい。このような材料としてはエポキシ樹
脂、アクリル樹脂、ジグリコール、ジアルキルカーボネ
ート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、
尿素樹脂等が望ましく、特にその成型性、耐液性等の観
点からポリサルフォンやポリエーテルサルフォン等の樹
脂が望ましく用いられる。
は1×10-5から1×10-4程度である。
すように天板200の熱膨張率を調整する支持部材20
5が天板200の溝部を構成する樹脂部の中に入ってい
る。ここで支持部材205の材質はベースプレート30
0と同等の熱膨張係数を持つ材質であり、本実施例にお
いてはベースプレートと同じステンレス鋼でできてい
る。尚、本実施例の支持部材205の表面にはブラスト
加工、ローレット加工といった表面加工が施させれてお
り、天板200の樹脂部との密着度のさらなる向上が図
られている。上述のような構成によって天板200の熱
膨張係数はステンレス鋼のそれにならうようになってい
る。こうすることによって、ヘッドの天板200とベー
スプレート300は同等の熱膨張係数を持つので天板2
00とベースプレートの間での大きなずれを生じること
はない。
00と天板との間には熱膨張差を生じるが、このずれは
ごくわずかなものであり、その吐出性能に何の支障も生
じない。
05が樹脂部の中に入っている例を示したが、完全に内
包されている必要はなく、一部(例えば両端)が樹脂部
外に開放しているものであってもよい。
5の表面を加工することで樹脂部との密着性の向上を図
っているが、支持部材と樹脂部との密着性が良好である
場合には必ずしも必要ではない。ただし、天板は支持部
材をインサートした状態で射出成型することで製造した
が、このような射出成型によっても必ずしも十分な密着
性を得ることができるとは限らないため、上述のように
支持部材205の表面に密着性向上のための凹凸を設け
ることが望ましい。
度の掘り込み溝を切削加工により設けたり、コア材を切
削加工する際加工面に極力切削あとを残してみたり、あ
るいはサンドブラストにより表面に傷をつけることなど
がある。どれもコア材と樹脂がメカ的にくい込む形とな
りコア材の熱膨張に樹脂がならうようになる。
は、このような凹凸を表面に設けることの他、支持部材
表面にシランカップリング材等のカップリング材を塗布
する方法でもよいが、インクに対する影響を考慮する
と、前述の凹凸形状を設ける場合の方が望ましい。
答させるためには、樹脂部の厚さを支持部材から2mm
以下好ましくは1.5mm以下とするとよい。
と同等の熱膨張係数を持つものとして、ベースプレート
と同じステンレス鋼を用いているが、以下にベースプレ
ートと支持部材との熱膨張係数の差に伴う液体の吐出性
能の状態を調べた例については説明する。
てアルミ及びステンレスの種類を振ってみて実験をし
た。尚、ベースプレートにはヒーターボードを配列する
だけでなく、本体との結合のためにいろいろな形状に加
工をなされなければならないための良好な加工性及びヒ
ーターボードから生ずる熱を素早く逃すための放熱特性
などが要求されており、これらからここではアルミニウ
ムを取り上げた。また支持部材の方は、その機械的強
度、またポリサルフォン樹脂との密着性を考えてここで
は、ステンレス鋼を取り上げた。
また30℃、40℃、50℃、60℃の時のノズルとヒ
ーターとのずれの計算値、さらに30℃、40℃、50
℃時印字の良/不良の判定を示す(表1)。尚、ノズル
とヒーターとのずれの計算は360dpi(=70.5
μm)3008ノズルの1ノズル目及び3008ノズル
目に発生するずれを示す(3008×70.5μm×
(各温度−25℃)×熱膨張係数差×1/2で算出し
た。
し、各温度から差し引くことで温度差を算出した。
御されている。しかし印字率が高く、長時間印字したり
さらに外気温が上昇した際まれに50℃まで達してしま
う場合もある。ただ60℃になる前に通常は印字をスト
ップするようになっており、この温度での印字はない。
ただヘッド保存温度は60℃まで考えられているので参
考まで示した。
から生じるものであり、本実験ではノズルピッチ(ヒー
ターの配置ピッチ)70.5μm、ノズル幅50μmの
ヘッドを用いているが、天板の溝と、ヒータ位置のずれ
が10μm以下であれば吐出性能には全く影響なく、2
0μm以下で多少の劣化が認められるが、実用上何の問
題もないことがわかった。
材の熱膨張係数(25℃〜50℃)が10×10-6の差
以下の範囲で同等であれば、実使用上問題なく、7×1
0-6の差以下の範囲で同等であればさらに好ましく、
2.6×10-6の差以下の範囲で同等であれば最も良
い。
料として、アルミニウムやステンレスを用いているが、
これに限られる必要はなく、ヘッドに要求される特性か
ら、ベースプレートはステンレス鋼、アルミニウム、セ
ラミックス、樹脂等、支持部材の方はステンレス鋼、ア
ルミニウム、セラミックス、ガラス等から選別されれば
良く、上述の条件の範囲で両者が同等であれば良い。
性や樹脂との密着性を考慮した場合には、ベースプレー
トとしてAl系の材料、支持部材の材料としてステンレ
ス系の材料を用いるのが最も好ましい。
の温度が上昇した場合であっても、ベースプレート上に
複数の素子基板を配した基体のヒータ位置と天板の溝の
位置とに大きなずれを生ずることがないため、良好な記
録を安定して行うことができる。
方の面側にそれぞれ複数のエネルギー発生素子が設けら
れたヒーターボードを複数配列した基体に対して、複数
のヒーターボードのエネルギー発生素子列を覆うような
長尺の天板(溝付部材)を取り付けたヘッド構成であ
る。
れ天板を取り付けた小ヘッドを複数並べた場合のよう
に、インクの供給系が複雑化せず、小型化、低コスト化
を達成したヘッドを提供することができる。また、複数
のヒーターボードをベースプレートの一方の面側にのみ
配置していることで電気的な配線をも簡略化することが
できる。また、複数のヒーターボードのエネルギー発生
素子列を覆うような長尺な天板を基体に取り付けている
ため、小ヘッドを並べた場合のように流路の方向が小ヘ
ッドごとに異なることが抑制される。特に上述したよう
に天板を1つとした場合には、1度の位置合わせで、全
ての流路の方向を同じくすることができ、印字ずれ等の
ない長尺なヘッドを容易に得ることができる。
と一体のオリフィスプレートに並んだノズルオリフィス
から吐出され、しかもノズル自体も一体にならんだもの
となっているため、吐出も均一であり吐出方向もそろっ
ており、あたかも一体の長尺ヘッドの吐出性能が得られ
る。
小ヘッドごとにインクの濡れを防止するためのシーリン
グを行う必要があるが、複数のヒーターボードのエネル
ギー発生素子列を覆うような長尺な天板の場合、シーリ
ングを行う回数が少なくてすむ。もちろん上述のように
天板が1つの場合には、このシーリングも1回で済むた
め最も容易である。
ギー発生素子列を覆うような長尺な天板を複数用いて長
尺なヘッドを作成しても充分に本発明の効果を得ること
はできるが、天板1つの場合が最も望ましいことは前述
の通りである。
ためのオリフィス(吐出口)が設けられた天板を示し
た。このようにオリフィス自体が天板に設けられている
場合は、インクの吐出方向自体も天板で決定できるた
め、高画質記録を高速で行いうるヘッドを最も容易に得
ることができる。このように天板がオリフィスを有さな
い形態のヘッドであって、各ヒーターボードと溝天の接
合によって、オリフィスが形成されるヘッドであって
も、本発明の長尺な天板を用いることで、インク流路の
方向を揃えることができ、インク吐出方向の安定性を図
ることができ、延いては、良好な画像を得ることができ
る。
録ヘッドを説明する。今まで説明してきたように、ガラ
ス、シリコン、セラミックス、金属等のベースプレート
の上に吐出エネルギー発生素子が作り込まれたヒーター
ボードを複数個精度良く配置接着したものに対して、オ
リフィス液流路が作り込まれた天板を接合することによ
ってインクジェットヘッドを製造した。図6はこのよう
なインクジェットヘッドを適用したインクジェットカー
トリッジを模式的に示している。このIJCはインクジ
ェットヘッド500と、そのインクジェット記録ヘッド
に供給するためのインクを貯蔵することが可能なインク
タンク501とが一体的に形成されている。このような
構成によって、前述した実施例の効果を有するインクジ
ェットカートリッジを提供することができる。
ち最も顕著な効果があらわれる。記録媒体の記録幅に対
応した幅にオリフィスが並べられたいわゆるフルライン
タイプのインクジェット記録ヘッドおよびそのインクジ
ェット記録装置の模式的概略説明図を示している。
ジェット記録ヘッドを示しており、このインクジェット
記録ヘッドから、記録媒体搬送ローラー700に搬送さ
れる紙や布等の記録媒体800に向けてインクが吐出さ
れ、これによって記録がなされる。本発明のインクジェ
ット記録ヘッドの場合、吐出エネルギー発生素子を設け
たヒーターボードを複数個並べることで記録ヘッドを製
造するので、フルラインヘッドのような長いインクジェ
ット記録ヘッドでも容易に製造することができる。
置を示している。図8で示される記録装置においてはキ
ャリッジHC上にインクタンク部901と記録ヘッド部
902とが着脱可能なインクジェット記録ヘッドカート
リッジが搭載されており、またこのキャリッジ、記録媒
体800を搬送するための搬送ローラ等を駆動する駆動
源としてのモーター903、駆動源からの動力をキャリ
ッジに伝えるためのキャリッジ軸904等を有してい
る。さらに、インクジェット記録ヘッドにインクを吐出
するための信号を供給するための信号供給手段を有して
いる。
載されるインクジェット記録ヘッドの種類ないし個数に
ついて単色のインク1個のみで説明したが、記録色や濃
度を異にする複数のインクに対応して複数個設けられる
ものであってもよい。即ち、複数色のインクに対応した
複数個のヘッドを搭載されたカラー記録装置に対しても
本発明のヘッドを使用することは当然である。さらに加
えて、以上説明した本発明の実施例においては、インク
を液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化す
るインクであって、室温で軟化もしくは液化するものを
用いてもよく、あるいはインクジェット方式ではインク
自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行っ
てインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御す
るものが一般的であるから、使用記録信号付与時にイン
クが液状をなすものを用いてもよい。加えて、放置状態
で固化し、加熱によって液化するインクを用いてもよ
い。
ドの要求が高い捺染装置および捺染装置と前処理装置、
後処理装置を組み込んだ捺染システムにおいても印字む
らのない長尺ヘッドを提供することができ、高精細高画
質の記録が可能な捺染装置およびシステムを提供するこ
とができる。
ることによって、画像の乱れのないファクシミリや複写
機やプリンター等の記録装置を得ることができる。
しておく。図9は天板200の他の実施例であり、図4
のX−X断面のみを示している。201から205まで
の番号が示す所は前と全て同じである。図9では支持部
材205が天板の内側の大部分をしめており、形状的に
はコの字型の断面を有する。こうすることで支持部材2
05の機械的剛性が著しく高くでき、天板を形成する樹
脂部と支持部材との熱膨張係数との差から来る天板のそ
りを防ぐことができる。
流路だけでなく、液室部分をも熱膨張係数を調整するこ
とができるため、液室部分での歪みを生ずることが少な
く長期間の使用に耐えるヘッドを提供することができ
る。
示す。図10の支持部材205はパイプ形状となってお
り、その両サイドが天板から突出している。パイプには
スリット206が設けられていてパイプの内部と液室2
01を連通させている。こうすることで支持部材205
のパイプそのものを液室として使え、しかもその端部が
インクジョイントとなる構造にすぐなり得るといったメ
リットを持っている。またこのスリット206はある間
隔であけられた穴でも良いことは言うまでもない。さら
にこうすることで支持部材205の機械的剛性は著しく
高くでき、天板のソリの防止にもこのように支持部材を
インク供給パイプとして用いるためには、この支持部材
は支持部材としての剛性を持ち、さらにインクに対して
の耐腐食性が求められる。近年は酸性やアルカリ性のイ
ンクもよく使われておりこれらに対しても十分耐性があ
る材質が求められ、かつコストの安いものが望まれる。
このような材質としてアルミ系の合金やステンレス鋼が
あげられる。アルミ系の合金としては耐食アルミニウム
合金のA5052やA5056、A6061、A606
3などが挙げられる。またステンレス鋼としてはSUS
303、304、430、420などが挙げられる。た
だしアルミ合金の方が加工性材料コスト面から使いやす
いが、耐インク性を考えるとステンレス鋼の方が好まし
い。
共通液室の一面を構成している。このような構成によっ
て、液室へのインクの供給を直接行えるため、良好なイ
ンク供給を少ない部品数で行うことができる。
て少ない部品点数によってしかも一体の基板に対して一
体の天板を接合して得られるような吐出性能の均一な長
尺インクジェット記録ヘッドを極めて簡単に得ることが
できる。さらに一体の基板を用いる場合と違って良好な
基板のみを選んで配列することができるわけで高歩留り
も十分得られるので低コストに作り上げられる。
部材内にベースプレートとの熱膨張係数が同等である支
持部材を内包しているため、プリンター使用する際の外
部環境の温度上昇や、ヘッド自身の駆動による温度上昇
によるヘッドの熱膨張差による吐出エネルギー発生素子
とノズルとの位置ずれを回避でき、いかなる温度におい
ても良好な印字が可能なヘッドを提供できる。
に機械的な凹凸等の密着性向上を図ることにより、天板
を形成する樹脂と支持部材との密着を容易に達成でき、
いかなる温度においても支持部材の熱膨張に追随する天
板が簡単に得られる。
とでインクの供給パイプと兼用ができ、部品点数を減ら
すことができ、ヘッドのコストをさらに低減できること
も可能である。
視図である。
ボードの配置を説明するための模式図である。
明するための模式図である。
ボードと天板の位置関係を説明するための模式図であ
る。
インクジェットカートリッジの模式的斜視図である。
ドとインクジェット記録ヘッドを搭載した記録装置を概
念的に示す図である。
インクジェットカートリッジを搭載した記録装置の説明
図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 液体を吐出するための吐出エネルギー発
生素子が複数設けられた素子基板と、 該素子基板を一方の面側に複数配した支持体と、 前記複数の素子基板の吐出エネルギー発生素子のそれぞ
れに対応して設けられた流路を形成するための溝が複数
設けられた溝付部材と、を有し、 前記溝付部材は、前記支持体と同等の熱膨張係数の支持
部材を有することを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 【請求項2】 前記支持部材は液体を供給するための供
給管を兼ねている請求項1記載の液体噴射ヘッド。 - 【請求項3】 前記溝付部材は、前記支持部材の両端を
開放した状態で該前記支持部材を樹脂で被覆した構成で
ある請求項1もしくは2のいずれかの液体噴射ヘッド。 - 【請求項4】 前記樹脂部分に前記溝が形成されている
請求項3の液体噴射ヘッド。 - 【請求項5】 前記同等の熱膨張係数とは支持体と支持
部材の熱膨張係数の差が10×106 以下のことである
請求項1の液体噴射ヘッド。 - 【請求項6】 前記樹脂はポリサルフォンを主とする樹
脂である請求項3の液体噴射ヘッド。 - 【請求項7】 前記支持体は、アルミニウム系金属で構
成されており、前記支持部材はステンレスで構成されて
いる請求項1の液体噴射ヘッド。 - 【請求項8】 前記液体はインクである請求項1の液体
噴射ヘッド。 - 【請求項9】 前記エネルギー発生体は発熱抵抗体であ
る請求項1の液体噴射ヘッド。 - 【請求項10】 前記溝付部材は前記各溝に対応して設
けられた吐出口を有している請求項1の液体噴射ヘッ
ド。 - 【請求項11】 前記支持体は共通液室の内壁の一部を
構成している請求項1の液体噴射ヘッド。 - 【請求項12】 前記素子基板は、被記録媒体の記録可
能領域に対応した幅に前記エネルギー発生素子が配され
るように、複数配されている請求項1記載の液体噴射ヘ
ッド。 - 【請求項13】 請求項1乃至11の液体噴射ヘッド
と、該液体噴射ヘッドに供給するためのインクを保持す
るインクタンクとを一体的に有するヘッドカートリッ
ジ。 - 【請求項14】 前記インクタンクと液体噴射ヘッドと
は着脱可能に接続される請求項13記載のヘッドカート
リッジ。 - 【請求項15】 請求項1乃至11の液体噴射ヘッド
と、被記録媒体を搬送するための搬送手段を有する液体
噴射装置。
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AT95103051T ATE185744T1 (de) | 1994-03-04 | 1995-03-03 | Farbstrahlaufzeichnungskopf |
EP95103051A EP0670222B1 (en) | 1994-03-04 | 1995-03-03 | Ink jet recording head |
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-
1994
- 1994-03-30 JP JP6091494A patent/JP3471887B2/ja not_active Expired - Fee Related
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