JPH07266557A - インクジェットプリンタ記録ヘッド - Google Patents

インクジェットプリンタ記録ヘッド

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Publication number
JPH07266557A
JPH07266557A JP6311894A JP6311894A JPH07266557A JP H07266557 A JPH07266557 A JP H07266557A JP 6311894 A JP6311894 A JP 6311894A JP 6311894 A JP6311894 A JP 6311894A JP H07266557 A JPH07266557 A JP H07266557A
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JP
Japan
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ink
nozzle
nozzles
energy
pressure
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Application number
JP6311894A
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English (en)
Inventor
Norihiro Ochi
教博 越智
Masaharu Kimura
正治 木村
Masaru Horinaka
大 堀中
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Publication of JPH07266557A publication Critical patent/JPH07266557A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】複数のノズル32に共通の圧電振動子22を設
け、この圧電振動子22によりエネルギ伝達板21を振
動させる。一方、複数のノズル32にはそれぞれ個別に
インク室31を設け、このインク室31の壁面を振動板
33で構成して、エネルギ伝達棒34を立設させる。前
記エネルギ伝達板21,エネルギ伝達棒34には、各々
電極23a,34aを設け、インク滴吐出時にのみ、電
極23a,34a間に静電気力を生じさせ、振動板33
を振動させる。 【効果】各ノズル室に圧電振動子を設ける必要がなく、
ノズル間のピッチを短くして全体を小型化できるととも
に、圧電振動子の高い加工精度が不必要になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、インクジェット方式
の記録ヘッド、特にはマルチノズル化したオンデマンド
方式によるインクジェット記録ヘッドに適応されるもの
である。
【0002】
【従来の技術】複数の吐出ノズルを備えたインクジェッ
ト記録ヘッドでは、一般に、圧電素子または発熱抵抗体
等のエネルギ発生素子を、各ノズル毎に設けてこれらの
駆動を制御することにより、各ノズルからの選択的なイ
ンクの吐出を行っている。
【0003】図14は従来の記録ヘッドの横断面図であ
り、複数の吐出ノズル101および、ノズル室(圧力
室)102が並列に備えられ、各ノズル室102へは共
通インク室104、インク供給口105を介して図外の
インク収容部からインクが供給される。各ノズル室10
2には、インク吐出を行うためのエネルギの発生手段1
03が備えられており、インク吐出が必要なノズル室の
エネルギ発生手段103が動作することにより、該当す
るノズル101からインクが選択的に吐出されるように
なっている。つまり、各エネルギ発生手段103を独立
して駆動させることで、各ノズル101からインク滴が
選択的に飛翔し、任意の文字や図形が記録される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エネル
ギ発生手段103を各ノズル室102毎に設ける構造で
は、各々のエネルギ発生手段103がインクの吐出を個
々に担っており、発生エネルギ量の観点から、素子を小
型化するには限界があった。特に、エネルギ発生手段1
03として圧電素子を用いる場合には、その寸法は一辺
が数ミリにもなる場合があり、ノズルの高集積化は困難
であった。また、各ノズル101からのインク吐出を均
一に保つためには、高精度の加工や組み立てが必要であ
り、製造コストが高価になってしまう問題があった。
【0005】一方、特開平2−165959号には、第
1図に示されるように、単一の駆動原5により振動板7
を振動させ、該振動板7の固有振動モードの各々の山の
位置にエネルギ伝達部材(連結棒)6を配置してダイア
フラム3を動作させて各ノズル1からのインク滴の吐出
を行うことが示され、また、特開平4−138255号
には、第1図および第2図に示されるように、共通圧力
室2aにおいて単一の駆動源(圧電素子4a)により発
生したエネルギを各ノズル1に分配するとともに、各ノ
ズル1の流路を圧電素子4bの動きによって開閉させ
て、選択的なインクの突出を行うことが示されている
が、特開平2−165959号の方法では、振動板7の
固有振動モードの各々の山の位置にエネルギ伝達部材6
を配置しているため、各ノズルからのインク滴吐出を制
御することは不可能であり、オンデマンド方式の記録ヘ
ッドには適用されない。また、ノズルの配列が円周上に
なり、一直線上にノズルを配列することができないた
め、印字の際の各ノズルの駆動タイミング制御が難しく
なるという欠点がある。
【0006】また、特開平4−138255号の方法
は、オンデマンド方式の記録ヘッドに適用可能で、ま
た、一直線上にノズルを配置することが可能であるが、
次のような問題があった。通例では、インク吐出ノズル
1の口径は数十μmの寸法があり、この流路を開閉する
程の圧電素子4bの変位を取り出すためには、かなりの
大きさの圧電素子4bが必要で、ノズル1の高集積化は
期待できない。また、実際には、インク滴の吐出に必要
なエネルギを発生させるための圧電素子の変位量は1μ
m以下で十分であり、インク滴の吐出を禁止するため
に、圧電素子4bを数μmも変位させてノズル1を閉じ
ると、このときの押圧力によって逆に、ノズル1からイ
ンク滴が吐出されてしまうおそれがある。
【0007】この発明は上記のような問題点に鑑み、ノ
ズルの集積度が高く、安価で、しかも容易にインク滴の
吐出を行うことのできる、インクジェットプリンタの記
録ヘッドを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、複数のインク吐出用ノズルと、前記複数のノズルの
それぞれに個別に配置され、振動することによって当該
ノズルからインク滴を吐出させる振動板と、これらの振
動板に振動エネルギを分配するエネルギ発生手段と、前
記エネルギ発生手段と個々の振動板との間に配置され、
エネルギの伝達を接続または遮断するクラッチ機構と、
を設けたことを特徴とする。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のインクジェットプリンタ記録ヘッドにおいて、前記ク
ラッチ機構として、四角形状の穴部を有する電極と、該
電極に遊挿される四角柱状の電極と、これらの電極間に
電圧を印加し静電気力を生じさせる手段と、を設けたこ
とを特徴とする。
【0010】請求項3に記載の発明は、複数のインク吐
出用ノズル、および、個々のノズルごとに備えられイン
ク滴吐出圧力が調整されるノズル室と、前記複数ノズル
室につながる一つのインク室と、前記一つのインク室に
配置され、前記複数のノズル室に対してインク滴を吐出
させるための圧力を分配する圧力発生手段と、前記複数
のノズル室の各々に配置され、当該ノズル室内の容積を
増減させる容積変動手段と、を設けたことを特徴とす
る。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の発明において、前記圧力発生手段によって発生される
圧力の伝播の速度に対応して、前記容積変動手段を遅ら
せて動作させる手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
【作用】請求項1に記載の発明においては、エネルギ発
生手段によって発生された振動エネルギが個々のノズル
に設けられた振動板に分配され、この振動エネルギによ
り、個々のノズルからインク滴が吐出される。したがっ
て、複数のノズルに対して一つの振動エネルギ発生手段
を設けるだけで、複数のノズルからのインク滴の吐出を
行うことができる。また、前記エネルギ発生手段と、個
々の振動板との間には、クラッチ機構が設けられてお
り、前記振動エネルギの伝達が接続または遮断される。
これが接続された場合には、上記したようにノズルから
のインク滴の吐出が行われるが、遮断された場合にはイ
ンク滴が吐出されない。したがって、クラッチ機構によ
り、ノズルからのインク滴の吐出を選択的に実行するこ
とができる。
【0013】請求項2に記載の発明においては、前記ク
ラッチ機構が静電気力を利用して構成され、複雑な機械
的構造を必要としない。そして、静電気力を生じさせる
ための電極は、四角形状の穴部を有するものと、四角柱
状のものとで構成されている。ここで、決められた空間
内で二つの部材間に静電気力を生じさせることを考える
と、両部材の対向部の表面積が大きい程大きな静電気力
が得られる。つまり、表面形状が円形に近づけば両者間
の静電気力は小さくなり、複雑な形状になれば両者間の
静電気力は大きくなる。この発明では、四角形状にする
ことにより、効率良く静電気力を生じさせることがで
き、しかも加工も簡単になる。
【0014】請求項3に記載の発明においては、一つの
インク室内に配置された圧力発生手段によって圧力が発
生されて、複数のノズル室へと分配される。このとき、
容積変動手段によって、ノズル室内の容積が増大される
とその増大部により圧力が吸収され、当該ノズルからは
インク滴が吐出されなくなる。したがって、ノズル室ご
とに容積を変動させることにより、選択的にノズルから
のインク吐出を行わせることができる。このとき、個々
のノズル室に備えられた容積変動手段は、圧力発生手段
から分配された圧力を、ノズルからのインク吐出が行わ
れない程度まで低下させるだけでよいため、必要なエネ
ルギ量は大きくならない。したがって、容積変動手段が
大型化することはない。
【0015】請求項4に記載の発明においては、圧力発
生手段に対して容積変動手段が遅れて動作する。圧力発
生手段で発生した圧力がノズル室に到達するまでにはあ
る程度の時間が掛かる。この発明では、圧力発生手段に
よって発生される圧力の伝播の速度に対応して、前記容
積変動手段を遅らせて動作させるため、容積変動手段の
動作を実際のノズル室内の圧力の変動タイミングに合わ
せることができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例を説
明する。
【0017】図1はインクジェットプリンタの印刷部を
示す斜視図である。
【0018】インクジェットプリンタは、図1に示すよ
うに、ローラ形状のプラテンBと、該プラテンBの軸方
向に沿って移動可能なキャリッジD上に固定されたヘッ
ドAと、ヘッドAにインクを供給するインク収容部D
と、を備えている。この発明はヘッドAに関するもので
ある。
【0019】図2〜図9は請求項1および請求項2に記
載の発明の実施例を示す図であり、図2は同インクジェ
ットプリンタの記録ヘッド部分の組立斜視図、図3は同
ヘッドの縦断面図、図4はクラッチ機構の駆動回路を示
す図、図5は同ヘッドのクラッチ機構の一部を示す図、
図6は同ヘッドの動作を示す図、図7は同ヘッドの制御
部のブロック図、図8は同ヘッドの制御例を示すタイミ
ングチャートである。また、図9は同ヘッドの具体的な
寸法例を示す図である。
【0020】ヘッドAは、ヘッド基板1と、エネルギ発
生伝達ユニット2と、ノズルユニット3と、を含んでい
る。
【0021】ヘッド基板1は、前記キャリッジDに固定
される。エネルギ発生伝達ユニット2は、板状のエネル
ギ伝達板21と、その上下の端部に接合された四角柱形
状の圧電振動子22と、からなり、圧電振動子22部分
が、前記ヘッド基板1に接着固定される。インクジェッ
トのノズル32は、図2において横方向に並べられる。
そして、ノズルの並ぶ方向に沿って、エネルギ伝達板2
1には四角形状の穴部23がノズルの個数分だけ設けら
れている。この穴部23の壁面部は電極23aとなって
いる。
【0022】ノズルユニット3は、複数のノズル32
と、各ノズル32ごとに設けられたノズル室31と、個
々のノズル室31へインクを分配供給する個別インク導
入部36と、図示しないインク収容部Dからノズルユニ
ット3へインクを流入させるためのインク供給口35
と、を有している。インク収容部Dから供給されたイン
クは、個別インク導入部36を経て個々のノズル室31
へと供給される。
【0023】個々のノズル室31の背面側、つまり、ノ
ズル32と反対側の壁面は、振動板33で構成され、該
振動板33の外側には、四角柱形状のエネルギ伝達棒3
4が立設されている。エネルギ伝達棒34はエネルギ伝
達板21の穴部23に遊挿される。エネルギ伝達棒34
の端部よりやや振動板33寄りに電極34aが設けられ
ている。この電極34aの厚み(t)は、エネルギ伝達
板21の電極23aの厚みとほぼ同じであり、図3に示
すように、電極23aと対向する。電極34aの極性は
電極23aと逆極性に設定される。電極23a,34a
間に電圧を印加すると、両者23a,34a間に静電気
力が生じ、クラッチが接続された状態となる。逆に、電
極23a,34a間の電圧をオフすると、両者23a,
34a間の静電気力がなくなり、クラッチが切られた状
態となる。
【0024】ここで、エネルギ伝達棒34は四角柱形
状、エネルギ伝達板の穴部23は四角形状に形成されて
いる。このように四角形状に形成すると、円形状等の多
角形状に形成した場合に比べて、同等の空間を占有する
場合の表面積を大きくすることができるため、大きな静
電気力を得ることができる。
【0025】例を示すと、図5(A)に示すように、エ
ネルギ伝達棒34および穴部23の形状が四角形状のと
き、エネルギ伝達棒34の縦,横の長さをそれぞれb,
a、電極34a部分の厚みをtとすると、電極34aの
表面積S1は、 S1=2(a+b)t ・・・ となる。また、a=bであるとすれば、 S1′=4at ・・・ となる。一方、図5(B)に示すように、エネルギ伝達
棒34および穴部23の形状が円形状のとき、図5
(A)に示す四角柱の寸法がa=bの場合と等しい空間
を占有する円柱状のエネルギ伝達棒34′を形成したと
すると、その電極34a′の表面積S2は、 S2=πat ・・・ となる。したがって、同じ空間を占有する四角柱状のエ
ネルギ伝達棒の表面積S1′と円柱状のエネルギ伝達棒
の表面積S2とを比較すると、S1′>S2となるのは
明らかであり、四角形状の方がより有利に静電気力を生
じさせることができる。
【0026】なお、電極34a,34a′の厚みtにつ
いては、静電気力が電極23aとの間で生じることか
ら、電極23aの厚みよりも大幅に厚くしても静電気力
が大きくなることはなく、電極23aの厚みとほぼ同等
に設定される。また、四角形状よりもさらに有利な形状
として、E型やH型等の特異な形状を用いることもでき
るが、エネルギ伝達棒34を特異な形状にするとその分
強度が低下するため、極端に複雑な形状は好ましくな
い。また、コスト面や小型化の面からもシンプルな形状
にすることが望ましく、四角形状が好ましい形状であ
る。
【0027】電極34a,23aは、図4に示すよう
に、各電極対毎、つまりノズル毎にスイッチ38および
電源37に接続されている。そして、スイッチ38をオ
ン,オフ制御することによって、電極34a,23a間
に静電気力を発生させたり、その静電気力を解除したり
できる。
【0028】以上のように構成されたノズルユニット3
にはビス係合部42が立設され、ビス41によって、ノ
ズルユニット3がヘッド基板1にビス止めされる。な
お、エネルギ発生伝達ユニット2は、上記したように、
予めヘッド基板1に接着固定されている。
【0029】次に動作を説明する。
【0030】図6はノズル部の動作状態を示している。
なお、図6(A)は、ノズル32からインク滴の吐出を
行う状態、図6(B)はノズル32からインク滴の吐出
を行わない状態を示している。
【0031】複数のノズルのうちのいずれかからインク
吐出を行う場合には、圧電振動子22を図中矢印の方向
へ振動させる。すると、エネルギ伝達板21が図示する
ように矢印方向へと振動する。
【0032】ここで、インク吐出が必要なノズル32に
おいては、図5(A)に示すように、対応する電極23
a,34a間のクラッチ機構を接続する。つまり、スイ
ッチ38をオンし、それによってエネルギ伝達板23の
電極23aと、エネルギ伝達棒34の電極34aとが静
電気力で引き合うようにする。すると、エネルギ伝達板
21の振動に応じてエネルギ伝達棒34も振動し、振動
板33が撓んでノズル室1の内圧が上がり、ノズル32
からインク滴が吐出される。
【0033】一方、インク吐出が不必要なノズル32に
おいては、スイッチ38をオフすることによって、対応
する電極23a,34a間のクラッチ機構を切る。する
と、図5(B)に示すように、エネルギ伝達板21、エ
ネルギ伝達棒34間の静電気力が解除され、圧電振動子
22によってエネルギ伝達板21が振動してもその振動
はエネルギ伝達棒34および振動板33には伝達され
ず、インク滴の吐出は行われない。
【0034】図7は同ヘッドの制御部の構成を示す図で
ある。
【0035】インクジェットプリンタの記録ヘッドはコ
ントローラ51によって制御される。コントローラ51
には印字データが入力され、この印字データに基づいて
インク滴データを同期ゲート53へと出力する。また、
同期ゲート53へは、オッシレータ52から一定周期の
信号が入力される。同期ゲート53は、これらのデータ
に基づいて、各ノズル毎のクラッチ機構をオン,オフす
るためのスイッチ信号を各スイッチごとに出力するとも
に、圧電振動子22を動作させるための駆動信号を出力
する。なお、54,55はアンプである。
【0036】図8はスイッチ信号、圧電振動子の駆動信
号の出力波形例を示す図である。
【0037】図示するように、圧電振動子22を振動さ
せるための駆動信号は、一定周期ごとに出力される。し
たがって、圧電振動子22は、一定周期で振動する。一
方、各ノズル毎のスイッチ信号は、前記一定周期に同期
したタイミングで、各ノズルごとに各々個別にオンされ
る。例えば、t1のタイミングをみると、ノズル32−
1,32−2はインク滴を吐出すべく、スイッチ38
a,38bがオンしているが、ノズル32−3はインク
滴を吐出しないためにオフしている。各スイッチ38の
状態は、プリントデータに応じて順次変位してゆく。
【0038】以上のように、一定周期で振動する圧電振
動子22によって発生されるエネルギを、電極23a,
34aによって構成される静電気的なクラッチ機構によ
り、個々のノズル室1へ接続したり遮断することによっ
て、個々のノズル室を選択的に動作させて選択的なイン
クの吐出を行うことができる。
【0039】さらに、ヘッドの具体的な寸法例を示す。
図9は寸法例を示した図であり、実際の寸法はこれに限
られるものではないが、従来のノズル室ごとに圧電素子
を設けた構成(図14参照)と比較して、この実施例の
構成が小型に構成できることを示すために例示した。
【0040】従来のヘッドの場合、図14に示すよう
に、各ノズル室102ごとに吐出エネルギを発生するた
めのエネルギ発生手段(圧電振動子)103を設ける必
要があり、発生エネルギ量の観点から、素子を小型化す
るには限界がある。このため、圧電振動子103が最低
でも400μm×800μm程度と大型化し、隣接する
ノズルへの影響を防止するために、ノズル間ピッチが9
00μm程度必要になってしまう。この結果、例えば4
8個のノズルを備えるヘッドの場合のノズル全長は42
mm程度と大型化してしまう。
【0041】一方、本実施例の場合であると、各ノズル
室31内に圧電振動子を設ける必要がなく、隣接するノ
ズル間での振動の影響を考慮する必要がない。このた
め、ノズル間ピッチは、ノズル室31のサイズやエネル
ギ伝達棒34の横幅によって決定される。この実施例で
は、エネルギ伝達棒34の横幅によって決定されてお
り、エネルギ伝達棒34の横幅が200μmに設定され
ているために、ノズル間ピッチは400μmに設定され
ている。なお、エネルギ伝達棒34の横幅は強度を考慮
したものであって、非常に強度の高い材料で構成される
ならば、さらにエネルギ伝達棒34の横幅を小さくし、
ノズル間ピッチを小さくすることも可能である。しか
し、ノズル間ピッチを400μmに設定した場合であっ
ても、48個のノズルを備えるヘッドの場合で、ノズル
全長は19mmとなり、従来のヘッドに比べてノズルの
集積度を向上させることができ、十分に小型化できる。
【0042】なお、エネルギ伝達棒34の縦幅は、振動
板33を振動させ得るに十分なエネルギを伝達できるよ
うに、ある程度大きくなっている。例えば、本実施例の
ように横幅が200μmの場合で、1mm程度となって
いる。
【0043】このように、エネルギ発生手段(圧電振動
子22)の振動エネルギを複数の振動板33に分配する
とともに、この分配路の途中に静電気力を利用したクラ
ッチ機構(エネルギ伝達板23,エネルギ伝達棒34)
を設けて、振動エネルギの伝達を接続したり遮断するこ
とによって、装置全体を小型化できるとともに、装置の
コストを安価にできる。
【0044】次に、請求項3および請求項4の実施例を
説明する。
【0045】図10〜図13は請求項3,4の実施例に
係る図であり、図10はヘッドの横断面図およびその縦
断面図(A−A断面図)、図11は同ヘッドの動作を示
す図、図12はノズル室内の圧力とインク滴の飛翔速度
との関係を示す図、図13はヘッド部の制御例を示すタ
イミングチャートである。
【0046】この実施例のインクジェットプリンタの記
録ヘッドは、共通インク室6と、該共通インク室6につ
ながる複数のノズル室7およびノズル8と、共通インク
室6にインク収容部Dからインクを供給するインク供給
口11と、を備えている。複数のノズル室7およびノズ
ル8は、並列に設けられ、一直線上にインク吐出が行わ
れるようになっている。共通インク室6の背面側の壁面
には、圧電振動子9が設けられている。圧電振動子9が
振動すると共通インク室6内の圧力が高まり、その圧力
は接続された複数のノズル室7へ均一に分配される。そ
れにより、接続された全てのノズル8から同時に、しか
も均一にインク滴を吐出することが可能である。
【0047】各ノズル室7の側壁面には、小型の振動子
10が配置されている。この振動子10はこの発明の容
積変動手段に対応し、振動によってノズル室7内の容積
を変動させる。
【0048】インクの吐出時の動作を説明する。図11
(A)はインク吐出を行うノズルの状態、図11(B)
はインク吐出を行わないノズルの状態を示している。
【0049】圧電振動子9が図中矢印方向に振動する
と、共通インク室6内の圧力が高くなり、その圧力は各
ノズル室7に均一に分配される。
【0050】ここで、インク吐出を行うノズルにおいて
は、図11(A)に示すように、振動子10が動作せ
ず、前記共通インク室6から分配された圧力がノズル室
7内のインクを押し出してノズル8からインク滴が吐出
される。
【0051】一方、インク吐出を行わないノズルにおい
ては、図11(B)に示すように、振動子10が、図中
矢印で示すようにノズル室7の容積を広げる方向に変位
する。これにより、圧電振動子9で発生し、該ノズル室
7に分配された圧力が減衰し、インク滴が吐出しなくな
る。この場合に、各ノズル室7内において振動子10に
よって発生させるべきエネルギ量は、従来のように各ノ
ズル室内で吐出エネルギを発生していた場合に比べて少
なくてよい。これを以下に説明する。
【0052】図12はノズル室7内の圧力と、インク滴
の飛翔速度との関係を示す図である。図示するように、
ノズル室7内の圧力がP1以下の領域ではインク滴の飛
翔速度が0であり、インク滴が吐出されない。これは、
ノズル室7内に発生するエネルギが小さいため、メニス
カスに働く表面張力に打ち勝ってインクを飛翔させるに
至らないからで、この状態では、メニスカスが振動する
だけである。ノズル室7内の圧力がP1を超えると、イ
ンクが飛翔し、飛翔速度は徐々に大きくなる。
【0053】いま、仮に所望のインク飛翔速度をVとす
る。すると、ノズル内の圧力をP2にする必要があり、
図14に示す従来例の場合であると、各ノズル室におい
てP2の圧力を個別に発生させる必要がある。
【0054】一方、本実施例の場合には、インクの吐出
を行うための圧力P2は共通インク室6の圧電振動子9
によって発生される。そして、各ノズル室7内では、イ
ンク吐出を行わないときに、その圧力P2をP1まで下
げるだけでよい。つまり、ノズル室7内の振動子10が
必要とするエネルギ量は、(P2−P1)の圧力に相当
するエネルギ量であって、従来の構成に比べて個々のノ
ズル室で必要なエネルギ量を小さくできる。
【0055】なお、上記したように、(P2−P1)の
圧力に相当するエネルギを振動子10によって発生する
と、該当するノズル8からのインクの吐出が停止される
が、より確実にインク吐出を停止させるために、図12
中P0で示すように、ノズル室7内の圧力をP1よりも
さらに低くするとよい。それにより、振動子10の動作
に多少のばらつきが生じても、確実にインク滴の吐出を
停止させることができ、また、振動子10等の加工精度
の制約が緩和される。
【0056】この実施例のヘッドも前記図1〜図9に示
した実施例と同様に、圧電振動子9が印字データおよび
オッシレータの一定周期の信号に基づいて所定の周期で
動作し、各ノズル室7の振動子10が必要に応じて動作
する。このとき、ノズル室7内の振動子10は、図13
に示すように、圧電振動子9に対して一定時間ΔTだけ
遅れて動作させる。これは、共通インク室6で発生した
圧力がノズル室7まで伝播するのに必要な時間を考慮し
たものであり、これによって、ノズル室7の容積をタイ
ミング良く広げることができる。
【0057】本実施例のヘッドの具体的な寸法例を図1
0に示す。本実施例のヘッドは、上記したようにノズル
室7内での必要なエネルギ量が少ないために、振動子1
0を200μm×500μm程度に小さくできる。この
結果、隣接するノズルに及ぼす影響が小さくなって、ノ
ズル間ピッチを500μm程度まで狭くすることができ
る。したがって、48個のノズルを一列に並べた場合の
全長は24mmと、従来に比べて小さくすることができ
る。
【0058】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、複数の
ノズルに対して一つのエネルギ発生手段を設けるだけ
で、前記複数のノズルからのインク滴の吐出を行うこと
ができ、ノズルごとにエネルギ発生手段を設ける必要が
ない。このため、ノズル間ピッチを狭くすることがで
き、ノズルを高集積化できるとともに、従来のような加
工精度の問題も生じない。
【0059】請求項2に記載の発明によれば、静電気力
を利用してクラッチ機構を構成したため、構造が簡単
で、コスト的に安価になるとともに、装置を小型化でき
る。また、クラッチ機構の電極部を四角形状にしたこと
によって、両電極間に効率良く静電気力を生じさせるこ
とができる。
【0060】請求項3に記載の発明によれば、複数のノ
ズル室につながるインク室内において、インク滴を吐出
させるための圧力を発生させ、その圧力を複数のノズル
室に分配するため、インク滴を吐出させるための大きな
圧力を生じさせる手段を個々のノズルごとに設ける必要
がない。このため、ノズル間ピッチを狭くすることがで
き、ノズルを高集積化できるとともに、従来のような加
工精度の問題も生じない。
【0061】請求項4に記載の発明によれば、容積変動
手段の動作を実際のノズル室内の圧力の変動タイミング
に合わせることができ、ノズルからのインク滴の吐出を
正確に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットプリンタの印刷部を示す斜視図
である。
【図2】請求項1,2に係る実施例を示す図であり、イ
ンクジェットプリンタの記録ヘッド部分の組立斜視図で
ある。
【図3】同ヘッドの縦断面図である。
【図4】同ヘッドのクラッチ機構の駆動回路を示す図で
ある。
【図5】同ヘッドのクラッチ機構の一部を示す図であ
る。
【図6】同ヘッドの動作を示す図である。
【図7】同ヘッドの制御部のブロック図である。
【図8】同ヘッドの制御例を示すタイミングチャートで
ある。
【図9】同ヘッドの具体的な寸法例を示す図である。
【図10】請求項3,4の実施例に係る図であり、ヘッ
ドの横断面図およびその縦断面図である。
【図11】同ヘッドの動作を示す図である。
【図12】同ヘッドのノズル室内の圧力とインク滴の飛
翔速度との関係を示す図である。
【図13】同ヘッドの制御例を示すタイミングチャート
である。
【図14】従来のインクジェットプリンタの記録ヘッド
を示す横断面図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のインク吐出用ノズルと、 前記複数のノズルのそれぞれに個別に配置され、振動す
    ることによって当該ノズルからインク滴を吐出させる振
    動板と、 これらの振動板に振動エネルギを分配するエネルギ発生
    手段と、 前記エネルギ発生手段と個々の振動板との間に配置さ
    れ、エネルギの伝達を接続または遮断するクラッチ機構
    と、 を設けたことを特徴とする、インクジェットプリンタ記
    録ヘッド。
  2. 【請求項2】前記クラッチ機構として、四角形状の穴部
    を有する電極と、該電極に遊挿される四角柱状の電極
    と、これらの電極間に電圧を印加し静電気力を生じさせ
    る手段と、を設けたことを特徴とする請求項1に記載の
    インクジェットプリンタ記録ヘッド。
  3. 【請求項3】複数のインク吐出用ノズル、および、個々
    のノズルごとに備えられインク滴吐出圧力が調整される
    ノズル室と、 前記複数ノズル室につながる一つのインク室と、 前記一つのインク室に配置され、前記複数のノズル室に
    対してインク滴を吐出させるための圧力を分配する圧力
    発生手段と、 前記複数のノズル室の各々に配置され、当該ノズル室内
    の容積を増減させる容積変動手段と、 を設けたことを特徴とする、インクジェットプリンタ記
    録ヘッド。
  4. 【請求項4】前記圧力発生手段によって発生される圧力
    の伝播の速度に対応して、前記容積変動手段を遅らせて
    動作させる手段を設けたことを特徴とする、請求項3に
    記載のインクジェットプリンタ記録ヘッド。
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