JPH0726638U - 空調用ダクト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エア吹出し口の向きの調整が容易にでき、充
分な空調効果を得ることができるとともに、メンテナン
スが容易となり、かつ、変化に富んだ室内となる空調用
ダクトを提供する。 【構成】 梁100 に取り付けられる空調用ダクト１は、
吊り部材３と、吊り部材３によって吊り下げられるダク
ト本体２を備えている。ダクト本体２は、断面長円形に
形成された多数の分割ダクト20を連結部材21で一体的に
連結して形成する。ダクト本体２の内面には断熱シート
を張付け、表面には、多数のエア吹き出しノズル10を、
内筒が外筒に対して回動可能となるように取り付ける。
内筒を回動するだけで吹出し口の向きの調整が容易にで
き、ダクト本体２は室内に露出しているので、メンテナ
ンスが容易となり、かつ、変化に富んだ室内となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は空調用ダクトに係り、特にダクト本体を室内に露出して配置する際に 利用できる。

【０００２】

【背景技術】

従来、建物等の空調用ダクトは、略角型のダクト本体が天井裏に配置されると ともに、このダクト本体から延長されたエアの吹出し口のみは室内に向けられて 、天井面に取り付けられているのが一般的であった。そして、吹出し口から吹出 されるエアの向きの調整は、例えば、吹出し口に配置された複数枚の羽根（ルー バー）を動かして行っていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来の空調用ダクトでは、天井に設置される照明器具や強度上の点か ら、吹出し口を天井面に連続して設けることができないため、その取付け数およ び取付け位置も限られていた。また、羽根の向きの調整も限られた位置での調整 なので、室内のあらゆる方向に向くように調整することは困難であり、そのため 、室内のすみずみまでエアが行きわたらず、これらによって、空調効果が充分で はないという問題があった。

【０００４】 また、天井面に取り付けられるエアの吹出し口と、天井裏に配置されるダクト 本体のエアの吹出し部とが別個に製作されるため、互いの位置が整合しにくく、 位置合わせが困難である。 さらに、ダクト本体は天井裏に配置されており、そこは狭いうえに配線等も行 われているので、点検等のメンテナンスが困難であるという問題もある。

【０００５】 また、従来の空調用ダクトは、ダクト本体が天井裏に配置されているので、室 内には見えなくてもよく、そのため、断熱材もダクト本体の外側に巻付けて取り 付けられている。一方、例えば、工場等のように、天井裏のない建物等にこのよ うな空調用ダクトを設置する場合は、ダクト本体が角型なので室内の変化が乏し く、その上、ダクト本体の外側には断熱材が巻付けられていて美観を損ねるので 、利用されにくい。

【０００６】 ここに、本考案の目的は、エア吹出し口の向きの調整が容易にでき、充分な空 調効果を得ることができるとともに、メンテナンスが容易となり、かつ、変化に 富んだ室内となる空調用ダクトを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

そこで本考案は、ダクト本体が建築物内に配置される空調用ダクトにおいて、 前記ダクト本体が断面長円形に形成されるとともに室内に露出して配置され、か つ、ダクト本体の内面には断熱シートが張付けられ、ダクト本体の表面には吹き 出しの向き調整可能に多数のエア吹き出しノズルが取り付けられている空調用ダ クトとしたものである。

【０００８】

【作用】

このような本考案では、内面に断熱シートを張付けるとともに、表面には吹き 出しの向き調整可能に多数のエア吹き出しノズルを取り付け、断面長円形のダク ト本体を室内に露出させて配置する。多数のエア吹き出しノズルの吹き出しの向 きの調整が容易にできるので、室内のあらゆる方向にエアが行きわたる。また、 ダクト本体を室内に露出させて配置してあるので、メンテナンスが容易となり、 しかも、ダクト本体の形状は断面長円形であり断熱シートは内面に張付けてある ので、美観を損ねることもなく変化に富んだ室内となり、これらにより前記目的 が達成される。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 図１，２には、本実施例に係る空調用ダクト１の一部が示されており、この空 調用ダクト１が使用された建物は、例えば、天井裏空間が形成されていない建物 とされている。 すなわち、建築物の構造体である例えばＨ型鋼で形成された梁100 が水平に配 置されており、この梁100 の下方は直接建物の室内となっている。このような建 物の室内に取り付けられる空調用ダクト１は、梁100 に固着される吊り部材３と 、この吊り部材３によって吊り下げられるダクト本体２を備えて構成されている 。

【００１０】 前記吊り部材３は、図１，２に示すように、梁100 の下フランジ部100Aに固着 される固定ブロック30と、一端がこの固定ブロック30に連結されるとともに、他 端がダクト本体20の前記連結部材21に連結された吊り棒31とを備えて構成されて いる。固定ブロック30は、下フランジ部100Aを挟み込むように断面コ字形に形成 されており、所定位置で下フランジ部100Aを挟み込んだ後、ボルト結合、あるい は溶接結合等により下フランジ部100A固着されるようになっている。

【００１１】 前記、ダクト本体２は梁100 の長手方向に沿って設けられた第１のダクト本体 2Aと、それに直交する第２のダクト本体2Bとを有している。ダクト本体２は、所 定の長さを有するとともに、断面長円形（両端が円形で中間が直線状の形）に形 成された多数の分割ダクト20を備えており、これらの分割ダクト20は、例えば、 平鉄板をリベット結合して形成される連結部材21によって一体的に連結されてい る。 ダクト本体２の内面には、図２に示すように、例えば、ポリエチレン製の発泡 体，不織布，その他の素材からなる断熱シート22が張付けられている。そのため 、ダクト本体２の表面は、例えば、表面処理が行われた平鉄板がそのまま表れて おり、その表面に、例えば、カラーリングすることもできるようになっている。

【００１２】 ダクト本体２の表面には、多数のエア吹き出しノズル10が配置されている。 すなわち、図１において、前記第１のダクト本体2Aにはその下部に、第２のダ クト本体2Bにはその下面および両側面に、それぞれエア吹き出しノズル10が配置 されている。 このようなエア吹き出しノズル10の配置は、ダクト本体２の下面に取り付ける 場合は、例えば、図３に示すように、長手方向に沿って所定のピッチで２列に配 置されている。

【００１３】 エア吹き出しノズル10は、図４に示すように、ダクト本体２に例えばビス11で 取り付けられるとともに、上部が水平に切り取られた丸い帽子型の外筒12と、こ の外筒12の内部に角度調整可能に装着された内筒13と、ダクト本体２側に明けら れた吹き出しノズル用の開口部20A に対して開閉自在に取り付けられたエア調整 ダンパ23とを備えて構成されている。

【００１４】 内筒13は、底の無いお碗型に形成されており、その大径部の一部が外筒12内に 所定の摩擦力をもって嵌合されるとともに、先端の細径部がエア吹き出し口10A となっている。また、内筒13は、図４中想像線で示すように、前述の摩擦力によ り外筒12に対して回動自在かつ所定の向きで姿勢を保持可能とされており、エア 吹き出し口10A の向きが自在に変えられるようになっている。 この際、向き変更後の内筒13の位置を固定するため、外筒12を貫通して止めね じ（図示せず）で締付けてもよい。

【００１５】 エア調整ダンパ23は、前記開口部20A に対して開閉することで、各エア吹き出 しノズル10からのエア吹き出し量を調整可能としている。このダンパ23だけでな く、図２に想像線で示すように、前記第１，２のダクト本体2A，2Bの交差部にも 、一方側から他方側へのエア流通量を調整するエア調整ダンパ24が配設されてい る。

【００１６】 次に、本実施例の作用を説明する。 まず、多数の分割ダクト20に、それぞれ所定の吹き出しノズル用の開口部20A を明けるとともに、その内面に断熱シート22を張付け、そのような分割ダクト20 を連結部材21によって一体的に連結し、所定長さのダクト本体２を構成する。

【００１７】 次いで、ダクト本体２をリフト等で所定の位置に持ち上げた後、固定ブロック 30を下フランジ部100Aに固着してダクト本体２を梁100 に吊り下げる。 その後、内筒13が装着された外筒12をノズル用の開口部20A に対応させてビス 11止めするとともに、内筒13を適宜回動してエア吹き出し口13A の向きを調整し 、吹き出しノズル10の取り付けを終了する。 運転開始後に、吹き出しノズル10からのエア吹き出し量や吹き出し方向を変え たい場合は、エア調整ダンパ23，24を適宜開閉し、あるいは、内筒13を適宜回動 してエア吹き出し口13A の向きを調整する。

【００１８】 前述のような本実施例によれば次のような効果がある。 すなわち、多数の吹き出しノズル10はダクト本体２に直接取り付けられ、しか も、内筒13を外筒12に対して適宜回動すれば、エア吹き出し口13A の向きを容易 、かつ、自在に調整出きるので、エアが所望の方向にも行きわたり、充分な空調 効果が得られるという効果がある。 また、空調用ダクト１は、室内に露出させて設けてあるので、狭い場所での作 業がなくなり、取付け作業が容易に行えるとともに、点検等のメンテナンスも容 易に行える。

【００１９】 さらに、ダクト本体２の内面には断熱シート22を張付けてあるので、外部表面 に周囲とマッチしたカラーリングを行えば、断面長円形の外観とあいまって、美 観に優れたダクトラインが構成され、変化に富んだ室内とすることができる。 また、空調用ダクト１のダクト本体２は断面長円形なので、取扱いが安全に行 える。しかも、床面からダクト下端までの高さが充分でない場合に、従来のよう な、長辺と短辺との比（アスペクト比）が大きな角ダクトを使用すれば静圧が大 きくなるが、本実施例のダクト本体２を用いれば、断面長円形に形成されている ため、静圧を小さく保つことができるという効果もある。

【００２０】 なお、本考案は前述の実施例に限定されるものではなく、本考案の目的を達成 できる範囲での変形例を含むものである。 例えば、前記実施例では、建物の構造体である梁100 はＨ型鋼で構成されてい るが、これに限らず、要は、空調用ダクト１のダクト本体２を吊り下げ支持でき るものであればよく、例えば溝型鋼でもよい

【００２１】 また、前記実施例では、交差した第２のダクト本体2Bには、エア吹き出しノズ ル10を下面と側面とに配置してあるが、エア吹き出しノズル10の配置の場所は制 限されず、例えば、第２のダクト本体2Bにおいても下面だけ、または側面だけで もよく、あるいは、第１のダクト本体2Aの側面にも配置してもよい。 さらに、各ダクト本体2A，2Bに取り付けられるエア吹き出しノズル10は、２列 となるように配置されているが、これに限らず、例えば、１列あるいは３列以上 にに配置されていてもよい。

【００２２】 また、前記実施例では、ダクト本体２を梁100 に吊り下げるに際して、吊り部 材３とダクト本体２との連結は、連結部材21で補強された部分に吊り棒31を連結 して行っているが、これに限らず、例えば、各ダクト本体2A，2Bに直接吊り棒31 を固着して取り付ける等必要な箇所には随時取り付けてよい。 また、前記実施例では、吊り部材３は、吊り棒31と固定ブロック30等で構成さ れているが、これに限らず、例えば、吊り棒31の梁100 側の端部にねじ部を形成 し、それを下フランジ部10A に明けられた取付け孔に差し込み、ねじ部にナット を螺合させて取り付けてもよい。あるいは、吊り棒31に代えて、鎖等を使用して もよい。要は、梁100 にダクト本体２を吊り下げ支持できればよい。 その他、本考案の実施の際の具体的な構造および形状等は、本考案の目的を達 成できる範囲であれば他の構造等でもよい。

【００２３】

【考案の効果】

以上に説明したように、本考案の空調用ダクトによれば、エア吹出し口の向き の調整が容易にでき、充分な空調効果を得ることができるとともに、メンテナン スが容易となり、かつ、変化に富んだ室内になるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る空調用ダクトの一実施例を示す斜
視図である。

【図２】図１におけるII矢視図である。

【図３】ダクト本体の下面図である。

【図４】エア吹き出しノズルの詳細を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 空調用ダクト ２ ダクト本体 ３ 吊り部材 10 エア吹き出しノズル 22 断熱シート 23,24 エア調整ダンパ 31 吊り棒

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ダクト本体が建築物内に配置される空調
   用ダクトにおいて、前記ダクト本体が断面長円形に形成
   されるとともに室内に露出して配置され、かつ、ダクト
   本体の内面には断熱シートが張付けられ、ダクト本体の
   表面には吹き出しの向き調整可能に多数のエア吹き出し
   ノズルが取り付けられていることを特徴とする空調用ダ
   クト。