JPH07265940A - 薄肉溶接管の製造方法 - Google Patents
薄肉溶接管の製造方法Info
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- JPH07265940A JPH07265940A JP6058627A JP5862794A JPH07265940A JP H07265940 A JPH07265940 A JP H07265940A JP 6058627 A JP6058627 A JP 6058627A JP 5862794 A JP5862794 A JP 5862794A JP H07265940 A JPH07265940 A JP H07265940A
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- welded
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 蛇行を防止し、溶接欠陥のない溶接管をロー
ルレス造管法で得る。 【構成】 アンコイラ1から巻き出された金属ストリッ
プ2を曲げ装置3で幅方向に一様な曲げ及び曲げ戻しを
施して残留応力を付与した後、長手方向の変形を拘束し
ながら金属ストリップ2を幅方向にカールさせ幅方向両
端部が突き合わされた円筒状に成形する。溶接トーチ5
で幅方向両端部を溶接し、溶接管10を製造する。この
とき、蛇行6をエッジ検出器7で検出し、蛇行6を解消
するようにアンコイラ1をa−b方向に移動させる。ま
た、押えロール8を介して検出した張力が一定になるよ
うに、アンコイラ1をc−d方向に移動させる。 【効果】 溶接中心線から幅方向両端部の突合せ位置が
ずれる量が少なく、溶接条件が安定化し、健全な溶接部
が得られる。
ルレス造管法で得る。 【構成】 アンコイラ1から巻き出された金属ストリッ
プ2を曲げ装置3で幅方向に一様な曲げ及び曲げ戻しを
施して残留応力を付与した後、長手方向の変形を拘束し
ながら金属ストリップ2を幅方向にカールさせ幅方向両
端部が突き合わされた円筒状に成形する。溶接トーチ5
で幅方向両端部を溶接し、溶接管10を製造する。この
とき、蛇行6をエッジ検出器7で検出し、蛇行6を解消
するようにアンコイラ1をa−b方向に移動させる。ま
た、押えロール8を介して検出した張力が一定になるよ
うに、アンコイラ1をc−d方向に移動させる。 【効果】 溶接中心線から幅方向両端部の突合せ位置が
ずれる量が少なく、溶接条件が安定化し、健全な溶接部
が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形ロールを使用しな
いロールレス造管法によって薄肉溶接管を高速で製造す
る方法に関する。
いロールレス造管法によって薄肉溶接管を高速で製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ロールレス造管法では、幅方向に一様な
曲げ及び曲げ戻しによって残留応力を付与した金属スト
リップを幅方向にカールさせ、幅方向両端部を突合せ溶
接することにより溶接管を製造する。この造管法は、従
来の成形ロールを使用した造管法に比較してロールが極
めて少ないことから、ロールの組替えにかかる作業が軽
減され、保守・点検が容易となる。また、突合せ位置に
おける幅方向両端部の安定性が優れており、安定条件下
での溶接が可能となる。ロールレス造管法は、本発明者
等が特開昭62−176611号公報で基本的な提案を
したものであり、その後も実用化に向けて種々の改良を
検討している。たとえば、特開平2−75418号公報
では、一対の大径ロール及びこの間に曲げロールを配置
した予変形部を提案した。
曲げ及び曲げ戻しによって残留応力を付与した金属スト
リップを幅方向にカールさせ、幅方向両端部を突合せ溶
接することにより溶接管を製造する。この造管法は、従
来の成形ロールを使用した造管法に比較してロールが極
めて少ないことから、ロールの組替えにかかる作業が軽
減され、保守・点検が容易となる。また、突合せ位置に
おける幅方向両端部の安定性が優れており、安定条件下
での溶接が可能となる。ロールレス造管法は、本発明者
等が特開昭62−176611号公報で基本的な提案を
したものであり、その後も実用化に向けて種々の改良を
検討している。たとえば、特開平2−75418号公報
では、一対の大径ロール及びこの間に曲げロールを配置
した予変形部を提案した。
【0003】ロールレス造管法は、従来の成形ロールを
使用した造管法に比較して、特に薄肉溶接管の製造に適
している。この方法で高速造管しようとすると、レーザ
溶接等のようにビーム径が極めて小さい熱源が使用され
る。しかし、ビーム径が極めて小さいことから、両端部
の微小な変動によっても突合せ部が溶接中心線から外
れ、溶接不良を引き起こす虞れがある。溶接位置のズレ
は、適宜の倣い機構で溶接トーチを突合せ部に追従させ
ることにより解消される。ロールレス造管法で採用され
る倣い機構としては、本発明者等が特開平4−1679
77号公報で紹介した光学式倣い機構がある。光学式倣
い機構は、発光素子から出射された光束を円筒状に成形
された金属板表面に照射し、突合せ端部の隙間及び突合
せ端部近傍の金属板表面から反射される反射光の輝度差
に基づき、突合せ端部を検出する。検出結果は、倣い機
構の駆動源に送られ、検出された突合せ端部に対応する
位置に溶接トーチを移動させる。
使用した造管法に比較して、特に薄肉溶接管の製造に適
している。この方法で高速造管しようとすると、レーザ
溶接等のようにビーム径が極めて小さい熱源が使用され
る。しかし、ビーム径が極めて小さいことから、両端部
の微小な変動によっても突合せ部が溶接中心線から外
れ、溶接不良を引き起こす虞れがある。溶接位置のズレ
は、適宜の倣い機構で溶接トーチを突合せ部に追従させ
ることにより解消される。ロールレス造管法で採用され
る倣い機構としては、本発明者等が特開平4−1679
77号公報で紹介した光学式倣い機構がある。光学式倣
い機構は、発光素子から出射された光束を円筒状に成形
された金属板表面に照射し、突合せ端部の隙間及び突合
せ端部近傍の金属板表面から反射される反射光の輝度差
に基づき、突合せ端部を検出する。検出結果は、倣い機
構の駆動源に送られ、検出された突合せ端部に対応する
位置に溶接トーチを移動させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】光学式倣い機構は、金
属板表面で反射された光の輝度が金属板の表面状態によ
って異なることを利用している。そのため、清浄な金属
板表面で反射された光は、その表面状態を正確に反映し
たものとなる。しかし、溶接される金属ストリップの表
面は、溶接時に飛散するスパッターや残留オイル等が付
着しており、表面状態を反映した反射光が得られ難い。
そのため、突合せ端部の検出結果に信頼性が欠け、溶接
トーチを誤動作させる原因となる。また、レーザ溶接等
の際に発生する金属蒸気で光学部品が汚染されると、光
学式倣い機構が正常に機能しなくなる虞れもある。しか
も、高価な装置であることから、設備負担が大きくな
る。他方、機械的倣い機構は、一般的に応答速度が遅
く、高速製管ラインには不向きとされている。また、倣
いローラ等が金属板表面に接触することから、エッジ部
に損傷を与える虞れがあり、特に薄肉溶接管の製造には
問題がある。本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、幅方向両端部の突合せ位置の変動
を抑制することにより、溶接部に対して溶接トーチに要
求される指向精度を緩和させても、良好な溶接部を持っ
た薄肉溶接管を製造することを目的とする。
属板表面で反射された光の輝度が金属板の表面状態によ
って異なることを利用している。そのため、清浄な金属
板表面で反射された光は、その表面状態を正確に反映し
たものとなる。しかし、溶接される金属ストリップの表
面は、溶接時に飛散するスパッターや残留オイル等が付
着しており、表面状態を反映した反射光が得られ難い。
そのため、突合せ端部の検出結果に信頼性が欠け、溶接
トーチを誤動作させる原因となる。また、レーザ溶接等
の際に発生する金属蒸気で光学部品が汚染されると、光
学式倣い機構が正常に機能しなくなる虞れもある。しか
も、高価な装置であることから、設備負担が大きくな
る。他方、機械的倣い機構は、一般的に応答速度が遅
く、高速製管ラインには不向きとされている。また、倣
いローラ等が金属板表面に接触することから、エッジ部
に損傷を与える虞れがあり、特に薄肉溶接管の製造には
問題がある。本発明は、このような問題を解消すべく案
出されたものであり、幅方向両端部の突合せ位置の変動
を抑制することにより、溶接部に対して溶接トーチに要
求される指向精度を緩和させても、良好な溶接部を持っ
た薄肉溶接管を製造することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の薄肉溶接管製造
方法は、その目的を達成するため、アンコイラから巻き
出された金属ストリップを幅方向に一様な曲げ及び曲げ
戻しを施すことにより残留応力を付与した後、長手方向
の変形を拘束しながら金属ストリップを幅方向にカール
させ幅方向両端部が突き合わされた円筒状に成形し、幅
方向両端部を溶接する際、金属ストリップの幅方向曲り
の程度又は蛇行に対応して造管方向及び/又は直交方向
にアンコイラを移動させることを特徴とする。レーザ溶
接,TIG溶接,マイクロプラズマ溶接等で、突き合わ
された金属ストリップの幅方向両端部を溶接するとき、
造管を高速化できる。特に、ビーム径の小さい熱源を使
用するレーザ溶接においても、幅方向両端部の突合せ位
置の変動が抑制されているので、突合せ端部にレーザビ
ームが高精度で指向し、安定した溶接部が得られる。
方法は、その目的を達成するため、アンコイラから巻き
出された金属ストリップを幅方向に一様な曲げ及び曲げ
戻しを施すことにより残留応力を付与した後、長手方向
の変形を拘束しながら金属ストリップを幅方向にカール
させ幅方向両端部が突き合わされた円筒状に成形し、幅
方向両端部を溶接する際、金属ストリップの幅方向曲り
の程度又は蛇行に対応して造管方向及び/又は直交方向
にアンコイラを移動させることを特徴とする。レーザ溶
接,TIG溶接,マイクロプラズマ溶接等で、突き合わ
された金属ストリップの幅方向両端部を溶接するとき、
造管を高速化できる。特に、ビーム径の小さい熱源を使
用するレーザ溶接においても、幅方向両端部の突合せ位
置の変動が抑制されているので、突合せ端部にレーザビ
ームが高精度で指向し、安定した溶接部が得られる。
【0006】ロールレス造管法では、図1に示すように
アンコイラ1から送り出された金属ストリップ2を曲げ
装置3に通板し、幅方向に一様な曲げ及び曲げ戻しによ
る残留応力を金属ストリップ2に付与する。金属ストリ
ップ2は、曲げ装置3及びスクイズロール4により長手
方向の変形が拘束されているので、残留応力によって幅
方向にカールする。カールした金属ストリップ2の円筒
形状をスクイズロール4で保持し、溶接トーチ5で幅方
向両端部を突合せ溶接する。この造管ラインにおいて、
曲げ装置3に送り込まれる金属ストリップ2に蛇行6が
生じていると、曲げ装置3から送り出された金属ストリ
ップ2の幅方向位置が変動する。また、蛇行6によっ
て、金属ストリップ2の直進性も低下する。その結果、
円筒状にカールした状態で、幅方向両端部の突合せ位置
が正規の溶接線からずれる。
アンコイラ1から送り出された金属ストリップ2を曲げ
装置3に通板し、幅方向に一様な曲げ及び曲げ戻しによ
る残留応力を金属ストリップ2に付与する。金属ストリ
ップ2は、曲げ装置3及びスクイズロール4により長手
方向の変形が拘束されているので、残留応力によって幅
方向にカールする。カールした金属ストリップ2の円筒
形状をスクイズロール4で保持し、溶接トーチ5で幅方
向両端部を突合せ溶接する。この造管ラインにおいて、
曲げ装置3に送り込まれる金属ストリップ2に蛇行6が
生じていると、曲げ装置3から送り出された金属ストリ
ップ2の幅方向位置が変動する。また、蛇行6によっ
て、金属ストリップ2の直進性も低下する。その結果、
円筒状にカールした状態で、幅方向両端部の突合せ位置
が正規の溶接線からずれる。
【0007】ロールレス造管法が薄肉溶接管の製造に適
していることから、金属ストリップ2として薄板が使用
されることが多く、蛇行6の影響は大きくなる。たとえ
ば、板厚0.1mm及び板幅89.6mmのステンレス
鋼板を直径28.5mmの円筒管にロールレス成形した
とき、幅方向両端部の突合せ部は、スクイズロール4の
位置で溶接線中心から図2に示すようにずれていた。こ
のズレは、溶接速度の上昇に応じて増加する傾向にあ
る。ズレは、蛇行6を主たる原因として発生するが、金
属ストリップ2に加えられている張力の変動によっても
発生する。本発明では、アンコイラ1を造管方向及び直
交方向に移動させることによって蛇行6及び張力変動を
防止する。
していることから、金属ストリップ2として薄板が使用
されることが多く、蛇行6の影響は大きくなる。たとえ
ば、板厚0.1mm及び板幅89.6mmのステンレス
鋼板を直径28.5mmの円筒管にロールレス成形した
とき、幅方向両端部の突合せ部は、スクイズロール4の
位置で溶接線中心から図2に示すようにずれていた。こ
のズレは、溶接速度の上昇に応じて増加する傾向にあ
る。ズレは、蛇行6を主たる原因として発生するが、金
属ストリップ2に加えられている張力の変動によっても
発生する。本発明では、アンコイラ1を造管方向及び直
交方向に移動させることによって蛇行6及び張力変動を
防止する。
【0008】本発明に従った設備構成は、図3(a)に
示すようにアンコイラ1から送り出された金属ストリッ
プ2の搬送経路にエッジ検出器7を配置している。エッ
ジ検出器7は、走行している金属ストリップ2の幅方向
端部を検出する。エッジ検出器7は、図3(b)に示す
ように、金属ストリップ2の幅方向両端部に設けること
が望ましい。エッジ検出器7で検出された金属ストリッ
プ2の幅方向端部の位置を設定位置と比較するとき、蛇
行6によって幅方向端部のズレが判定される。判定結果
は、蛇行6を解消する制御信号としてアンコイラ1に出
力され、蛇行6に対応する移動量でアンコイラ1をa−
b方向に沿って移動させる。
示すようにアンコイラ1から送り出された金属ストリッ
プ2の搬送経路にエッジ検出器7を配置している。エッ
ジ検出器7は、走行している金属ストリップ2の幅方向
端部を検出する。エッジ検出器7は、図3(b)に示す
ように、金属ストリップ2の幅方向両端部に設けること
が望ましい。エッジ検出器7で検出された金属ストリッ
プ2の幅方向端部の位置を設定位置と比較するとき、蛇
行6によって幅方向端部のズレが判定される。判定結果
は、蛇行6を解消する制御信号としてアンコイラ1に出
力され、蛇行6に対応する移動量でアンコイラ1をa−
b方向に沿って移動させる。
【0009】金属ストリップ2に加わっている張力は、
曲げ及び曲げ戻しされた後の金属ストリップ2に接触す
る押えロール8の負荷を測定することにより検出され
る。検出された張力は、設定値と比較される。設定値よ
り大きい場合、過剰の張力が加わった状態で金属ストリ
ップ2が曲げ及び曲げ戻しされるため、曲げ及び曲げ戻
し後の残留応力が少なくなる。その結果、曲げ及び曲げ
戻し後の金属ストリップ2が幅方向にカールする力が不
足し、円筒状に成形されたとき幅方向両端の突合せ部が
開き加減になる。そこで、検出された張力に応じてアン
コイラ1をd方向に移動させ、金属ストリップ3に加わ
っている張力を減少させる。逆に検出された張力が設定
値より小さいと、曲げ及び曲げ戻し後の金属ストリップ
2が幅方向にカールする力が大きくなりすぎ、円筒状に
成形されたとき幅方向両端の突合せ部が閉じ加減、或い
は突合せ部が溶接中心線からずれ易い。この場合には、
検出された張力に応じてアンコイラ1をc方向に移動さ
せ、金属ストリップ3に加わっている張力を増加させ
る。
曲げ及び曲げ戻しされた後の金属ストリップ2に接触す
る押えロール8の負荷を測定することにより検出され
る。検出された張力は、設定値と比較される。設定値よ
り大きい場合、過剰の張力が加わった状態で金属ストリ
ップ2が曲げ及び曲げ戻しされるため、曲げ及び曲げ戻
し後の残留応力が少なくなる。その結果、曲げ及び曲げ
戻し後の金属ストリップ2が幅方向にカールする力が不
足し、円筒状に成形されたとき幅方向両端の突合せ部が
開き加減になる。そこで、検出された張力に応じてアン
コイラ1をd方向に移動させ、金属ストリップ3に加わ
っている張力を減少させる。逆に検出された張力が設定
値より小さいと、曲げ及び曲げ戻し後の金属ストリップ
2が幅方向にカールする力が大きくなりすぎ、円筒状に
成形されたとき幅方向両端の突合せ部が閉じ加減、或い
は突合せ部が溶接中心線からずれ易い。この場合には、
検出された張力に応じてアンコイラ1をc方向に移動さ
せ、金属ストリップ3に加わっている張力を増加させ
る。
【0010】このようにアンコイラ1をa−b方向及び
c−d方向に移動させるとき、蛇行6を防止しながら、
一定した張力条件下で金属ストリップ2が曲げ・曲げ戻
しされる。その結果、付与された残留応力は、金属スト
リップ2の幅方向に一様であり、真円度の高い円筒状に
金属ストリップ2をカールさせる力として作用する。円
筒状になった金属ストリップ2は、シームガイドロール
9で案内されながらスクイズロール4に送られ、溶接ト
ーチ5で幅方向両端部が突合せ溶接される。得られた溶
接管10は、サイジングロール11で形状を矯正された
後、搬送ロール12で造管ラインから送り出される。
c−d方向に移動させるとき、蛇行6を防止しながら、
一定した張力条件下で金属ストリップ2が曲げ・曲げ戻
しされる。その結果、付与された残留応力は、金属スト
リップ2の幅方向に一様であり、真円度の高い円筒状に
金属ストリップ2をカールさせる力として作用する。円
筒状になった金属ストリップ2は、シームガイドロール
9で案内されながらスクイズロール4に送られ、溶接ト
ーチ5で幅方向両端部が突合せ溶接される。得られた溶
接管10は、サイジングロール11で形状を矯正された
後、搬送ロール12で造管ラインから送り出される。
【0011】
【作用】スクイズロール4に送り込まれる金属ストリッ
プ2は、蛇行6を防止した一定張力条件下で曲げ・曲げ
戻し加工されたものであるから、真円度の高い円筒状に
なっている。そのため、幅方向両端の突合せ部は、溶接
中心線からのズレ量が±0.1mm以内と大幅に少な
い。その結果、光学系倣い機構を使用する場合、表面状
態が誤差要因として取り込まれる虞れが少なく、しかも
溶接トーチの移動量が少なくできることから、高精度で
突合せ部に溶接トーチ5を追従させることができる。ま
た、光学系倣い機構を使用する必要がなく、安価で取り
扱いの簡便な機械的倣い装置によっても十分に高速造管
が可能となる。更には、溶接部の最小幅が突合せ部の移
動量以上となるように溶接条件を選択するとき、倣い機
構を使用することなく固定式の溶接トーチ5で突合せ溶
接することもできる。
プ2は、蛇行6を防止した一定張力条件下で曲げ・曲げ
戻し加工されたものであるから、真円度の高い円筒状に
なっている。そのため、幅方向両端の突合せ部は、溶接
中心線からのズレ量が±0.1mm以内と大幅に少な
い。その結果、光学系倣い機構を使用する場合、表面状
態が誤差要因として取り込まれる虞れが少なく、しかも
溶接トーチの移動量が少なくできることから、高精度で
突合せ部に溶接トーチ5を追従させることができる。ま
た、光学系倣い機構を使用する必要がなく、安価で取り
扱いの簡便な機械的倣い装置によっても十分に高速造管
が可能となる。更には、溶接部の最小幅が突合せ部の移
動量以上となるように溶接条件を選択するとき、倣い機
構を使用することなく固定式の溶接トーチ5で突合せ溶
接することもできる。
【0012】
実施例1:板厚0.4mm及び板幅158.6mmのス
テンレス鋼板を曲げ装置3で曲げ・曲げ戻し加工した
後、残留応力により幅方向にカールさせて直径50.8
mmの円筒状に成形した。そして、出力3kWのレーザ
溶接機を使用し溶接速度6m/分で幅方向両端部を突合
せ溶接し、溶接管10を製造した。このとき、曲げ装置
3に送り込まれる金属ストリップ2の幅方向端部をエッ
ジ検出器7で検出し、幅方向端部が設定位置を越えたと
きに蛇行6が発生したものと判断した。そして、蛇行6
が解消されるa−b方向にアンコイラ1を移動させ、金
属ストリップ2の直進性を確保した。また、押えロール
8を介して検出された張力に応じ、張力を一定にするc
−d方向にアンコイラ1を移動させた。この条件下で造
管された溶接管10には、立上げ当初の不安定な領域を
除き、幅方向両端部の突合せ位置の変動に起因する溶接
欠陥が全く検出されなかった。また、溶接中心線に対す
る幅方向両端部の突合せ位置が一定していることから、
倣い機構を使用する必要もなかった。
テンレス鋼板を曲げ装置3で曲げ・曲げ戻し加工した
後、残留応力により幅方向にカールさせて直径50.8
mmの円筒状に成形した。そして、出力3kWのレーザ
溶接機を使用し溶接速度6m/分で幅方向両端部を突合
せ溶接し、溶接管10を製造した。このとき、曲げ装置
3に送り込まれる金属ストリップ2の幅方向端部をエッ
ジ検出器7で検出し、幅方向端部が設定位置を越えたと
きに蛇行6が発生したものと判断した。そして、蛇行6
が解消されるa−b方向にアンコイラ1を移動させ、金
属ストリップ2の直進性を確保した。また、押えロール
8を介して検出された張力に応じ、張力を一定にするc
−d方向にアンコイラ1を移動させた。この条件下で造
管された溶接管10には、立上げ当初の不安定な領域を
除き、幅方向両端部の突合せ位置の変動に起因する溶接
欠陥が全く検出されなかった。また、溶接中心線に対す
る幅方向両端部の突合せ位置が一定していることから、
倣い機構を使用する必要もなかった。
【0013】実施例2:板厚0.5mm及び板幅13
2.9mmのステンレス鋼板を同様に曲げ・曲げ戻し加
工した後、直径42.7mmの円筒状に成形し、出力3
kWのレーザ溶接機を使用し溶接速度6m/分で幅方向
両端部を突合せ溶接した。幅方向両端部の突合せ位置
は、図4に示すように、溶接中心線からのズレが±0.
05mmの極めて狭い範囲で変動しているに過ぎなかっ
た。そのため、ズレに応じて溶接トーチ5を大きく移動
する必要がなく、通常の機械的倣い機構でも十分に対応
させることができた。得られた溶接管10は、立上げ当
初から溶接欠陥が少なく、高い歩留りで製品鋼管として
使用できた。
2.9mmのステンレス鋼板を同様に曲げ・曲げ戻し加
工した後、直径42.7mmの円筒状に成形し、出力3
kWのレーザ溶接機を使用し溶接速度6m/分で幅方向
両端部を突合せ溶接した。幅方向両端部の突合せ位置
は、図4に示すように、溶接中心線からのズレが±0.
05mmの極めて狭い範囲で変動しているに過ぎなかっ
た。そのため、ズレに応じて溶接トーチ5を大きく移動
する必要がなく、通常の機械的倣い機構でも十分に対応
させることができた。得られた溶接管10は、立上げ当
初から溶接欠陥が少なく、高い歩留りで製品鋼管として
使用できた。
【0014】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、曲げ装置に送り込まれる金属ストリップの蛇行を検
出し、この蛇行が解消されるようにアンコイラーを移動
させ、また張力が一定となるようにアンコイラーを移動
させている。これにより、金属ストリップの直進性が維
持された状態で、一定張力の下で曲げ・曲げ戻し加工が
金属ストリップに施される。したがって、曲げ装置を通
過した金属ストリップは、真円度が高い円筒状にカール
すると共に、幅方向両端部の突合せ位置が溶接中心線か
らずれることも抑制される。その結果、安定した条件下
で溶接が行われ、溶接欠陥のない高品質の溶接管が製造
される。
は、曲げ装置に送り込まれる金属ストリップの蛇行を検
出し、この蛇行が解消されるようにアンコイラーを移動
させ、また張力が一定となるようにアンコイラーを移動
させている。これにより、金属ストリップの直進性が維
持された状態で、一定張力の下で曲げ・曲げ戻し加工が
金属ストリップに施される。したがって、曲げ装置を通
過した金属ストリップは、真円度が高い円筒状にカール
すると共に、幅方向両端部の突合せ位置が溶接中心線か
らずれることも抑制される。その結果、安定した条件下
で溶接が行われ、溶接欠陥のない高品質の溶接管が製造
される。
【図1】 従来のロールレス造管ライン
【図2】 従来のロールレス造管ラインにおける幅方向
両端部の突合せ位置が溶接中心線からずれた状態を示す
グラフ
両端部の突合せ位置が溶接中心線からずれた状態を示す
グラフ
【図3】 本発明に従ったロールレス造管ラインの全体
(a)及び要部(b)
(a)及び要部(b)
【図4】 実施例2において幅方向両端部の突合せ位置
が溶接中心線からずれた状態を示すグラフ
が溶接中心線からずれた状態を示すグラフ
1:アンコイラ 2:金属ストリップ
3:曲げ装置 4:スクイズロール 5:溶接トーチ
6:蛇行 7:エッジ検出器 8:押えロール 9:シームガイドロール 10:溶接管 11:サイジングロール 12:搬送ロール
3:曲げ装置 4:スクイズロール 5:溶接トーチ
6:蛇行 7:エッジ検出器 8:押えロール 9:シームガイドロール 10:溶接管 11:サイジングロール 12:搬送ロール
Claims (2)
- 【請求項1】 アンコイラから巻き出された金属ストリ
ップを幅方向に一様な曲げ及び曲げ戻しを施すことによ
り残留応力を付与した後、長手方向の変形を拘束しなが
ら金属ストリップを幅方向にカールさせ幅方向両端部が
突き合わされた円筒状に成形し、幅方向両端部を溶接す
る際、金属ストリップの幅方向曲りの程度及び/又は蛇
行に対応して造管方向及び/又は直交方向にアンコイラ
を移動させる薄肉溶接管の製造方法。 - 【請求項2】 突き合わされた金属ストリップの幅方向
両端部をレーザ溶接する請求項1記載の薄肉溶接管の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6058627A JPH07265940A (ja) | 1994-03-29 | 1994-03-29 | 薄肉溶接管の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6058627A JPH07265940A (ja) | 1994-03-29 | 1994-03-29 | 薄肉溶接管の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07265940A true JPH07265940A (ja) | 1995-10-17 |
Family
ID=13089827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6058627A Withdrawn JPH07265940A (ja) | 1994-03-29 | 1994-03-29 | 薄肉溶接管の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07265940A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100956830B1 (ko) * | 2008-08-05 | 2010-05-07 | 주식회사 금강티더블유피 | 금속관 성형장치 |
WO2012067343A2 (ko) * | 2010-11-16 | 2012-05-24 | (주)금강 | 잔류응력을 이용한 금속관 연속 제조장치 |
CN104942113A (zh) * | 2015-07-08 | 2015-09-30 | 山东建筑大学 | 激光拼焊板拉深成形过程焊缝移动快速预测方法 |
KR101989819B1 (ko) * | 2019-02-28 | 2019-09-30 | 영원스틸(주) | 스테인리스 코일 취급 방법 |
-
1994
- 1994-03-29 JP JP6058627A patent/JPH07265940A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2012067343A3 (ko) * | 2010-11-16 | 2012-07-12 | (주)금강 | 잔류응력을 이용한 금속관 연속 제조장치 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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