JPH0726565U - ドア等の自動復帰ヒンジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】ドア上端に広い間隙を設けることなく回転し、
ドアに挟まれ或いは叩打されることのない復帰スピード
で、重いドアであっても円滑で軽快に回転できて所定位
置に確実に復帰し、ドアの回転力にバラつきなく位置決
めが容易で耐久性に優れたドア等の自動復帰ヒンジを得
る。 【構成】ドア枠側に取付けられる支持金具２に受カム筒
を設置し、該受カム筒にドア側に取付けられる枢着金具
を嵌合してスラストベアリング８を介装して支持金具上
に回転可能に支持すると共に、枢着金具内にコイルスプ
リング５で付勢した可動カム筒４を上下に摺動可能に嵌
挿し、該可動カム筒を上記受カム筒に弾接して枢着金具
と一体に回転するようにしたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ドア等の自重を利用して開放状態又は閉成状態を保つようにした 自動復帰ヒンジに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のヒンジ機構としては、コイルスプリングを用いたスプリングヒ ンジと、円筒カムを用いたグレビティヒンジが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前者のスプリングヒンジは、コイルスプリングのねじれ作用を 利用するものであって、その弾性復元力が強くドアの復帰スピードも早く、ドア に挟まれ或いは叩打され思わぬ損傷を起こす虞があるので、これを防止するため にコイルスプリングを調節するが、その調節が極めて煩雑である上、大型の重い ドアの場合には所定位置に復元できない場合があり、或いはコイルスプリングが 裂断する場合もあって耐久性がないものであった。 また後者のグレビティヒンジは、ドアが円筒カムの傾斜面をせり上がり、ドア の重量によって回転降下するものであるから、ドアが上下移動できるようにドア 上端とドア上枠との間に広い間隙が必要である上、重いドアの全重量が円筒カム の傾斜面に加わるために傾斜カム面が磨耗し易く耐久性に欠けるものであった。 そこで、この考案は、上記従来の問題点に鑑み、これを解決すべくなされたも のであって、ドア上端に広い間隙を設けることなく回転し、ドアに挟まれ或いは 叩打されることのない復帰スピードで、重いドアであっても円滑で軽快に回転で きて所定位置に確実に復帰し、ドアの回転力にバラつきなく位置決めが容易で耐 久性に優れたドア等の自動復帰ヒンジを得ることを目的としたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

これを解決する手段として、この考案は、ドア枠側に取付けられる支持金具に 受カム筒を設置し、該受カム筒にドア側に取付けられる枢着金具を嵌合してスラ ストベアリングを介装して支持金具上に回転可能に支持すると共に、枢着金具内 にコイルスプリングで付勢した可動カム筒を上下に摺動可能に嵌挿し、該可動カ ム筒を上記受カム筒に弾接して枢着金具と一体に回転するようにしたものである 。

【０００５】

【実施例】

この考案の構成を図面で示す一実施例について以下詳細に説明する。 ドアＡは、ドア枠Ｂとの間の下部側に下部受具１、上部側に上部吊具９を取付 けることによって開閉可能に設けられている。 下部受具１はドア枠Ｂ側に取付けた支持金具２と、ドアＡ側に取付けた枢着金 具３より構成されている。 支持金具２は垂直取付部２１と水平取付部２２とでＬ字状に形成され、垂直取 付部２１にはドア枠Ｂに固定するねじ取付孔が穿設され、水平取付部２２には軸 杆２３を立設すると共に、ドア停止位置決め用の突起２４を突設し、これに傾斜 カム面２６を形成した受カム筒２５の下面凹部２７を選択嵌着し、さらにその外 周部にスラストベアリング８嵌合用のリング溝２８が形成されている。 枢着金具３はドアＡに固定するねじ取付孔が穿設されている取付部３１に嵌合 部３２が突設されていて、該嵌合部３２に穿設された貫通孔３４下端外周の取付 部３１にスラストベアリング８嵌合用のリング溝３３が凹設され、また嵌合部３ ２には可動カム筒４、コイルスプリング５、内筒６、キャップ７が組込まれてお り、貫通孔３４には小径の下部孔３５と大径の上部孔３６との間に段部３７が形 成されている。可動カム筒４には上記軸杆２３を挿入する孔４１が穿設され、下 面に傾斜カム面４２を有し、中央部に鍔４３が形成され、該鍔４３にガイド突起 ４４を凸設されている。内筒６は下端よりガイド溝６１が切込まれ、上端寄りの 内面に係止片６２がリング状に突設され、その上部にリング状の嵌合溝６３が凹 設されている。キャップ７は下面に嵌合縁７１が垂設され、該嵌合縁７１にリン グ状の係合突起７２が形成されている。 そしてこれら可動カム筒４、コイルスプリング５、内筒６、キャップ７を嵌合 部３２に組込むには、貫通孔３４の上方より可動カム筒４を下部孔３５に嵌入し て、可動カム筒４の鍔４３を段部３７上に載置当接し、ついで鍔４３上部の可動 カム筒４にコイルスプリング５を嵌入した後、内筒６のガイド溝６１を可動カム 筒４のガイド突起４４を摺動可能に嵌合するようにして貫通孔３４に弾性を利用 して強圧嵌入して固着し、その上端にキャップ７の嵌合縁７１を内筒６に嵌入し て係合突起６２を嵌合溝６３に弾着し、嵌合部３２の上端をキャップ７で被蓋す る。 なお、上部吊具９はドア枠Ｂ側に取付けた支持金具９１に固定した取付板９３ の軸杆９２を、ドアＡ側に取付けた枢着金具９４に嵌入して回転自在に枢着され ている。

【０００６】 このように構成されているので、この枢着金具３を支持金具２に取付けるには 、枢着金具３をドアＡの下框に挿入して取付部３１のねじ取付孔によってねじ止 めして固定する。一方支持金具２はドア枠Ｂの竪枠下部に垂直取付部２１のねじ 取付孔によってねじ止めして固定する。そして支持金具２の水平取付部２２に形 成したリング溝２８にスラストベアリング８を嵌入載置した後、枢着金具３の嵌 合部３２に組込んだ可動カム筒４の孔４１を支持金具２に立設した軸杆２３を挿 入すると共に、取付部３１のリング溝３３にスラストベアリング８を嵌入し、該 スラストベアリング８を介して枢着金具３を支持金具２上に回転自在に取付ける 。これと同時に嵌合部３２に組込んだ可動カム筒４下面の傾斜カム面４２はコイ ルスプリング５の弾性によって支持金具２の受カム筒２５の傾斜カム面２６に圧 接すると共に、可動カム筒４はコイルスプリング５を圧縮して押上げられ、内筒 ６のガイド溝６１に嵌入されているガイド突起４４によって可動カム筒４は回転 不能で上下に摺動可能に移動させることができるので、枢着金具３は支持金具２ に簡単に組立てられ、上部吊具９の取付けと合わせてドアＡをドア枠Ｂに開閉可 能に取付けることができる。

【０００７】 これによって、ドアＡは下部受具１と上部吊具９とにより支持されており、ド アＡの全重量は下部受具１の支持金具２で支持した状態となるが、支持金具２と ドアＡ側の枢着金具３との間にはスラストベアリング８が介装されているので、 ドアＡを回転開閉すると、スラストベアリング８によって枢着金具３は軽く回転 する。この開閉作動の際、ドアＡの開扉方向の操作時には、ドアＡの回転と同時 に枢着金具３内の可動カム筒４はそのガイド突起４４が内筒６のガイド溝６１に 嵌入して回転不能に組込まれているので、可動カム筒４の傾斜カム面４２は受カ ム筒２５の傾斜カム面２６上を回動しつつせり上がり最上部近くまで押上げられ る。その際可動カム筒４にはコイルスプリング５を介してドアＡの全重量が加わ るので、ドアＡは押上げられずコイルスプリング５が圧縮されて可動カム筒４は 回転することなく、そのガイド突起４４によって内筒６のガイド溝６１に沿い上 方に摺動する。これによってドアＡは同じ高さを保ちながら回転して開扉するこ とができる。 またドアＡの開扉操作を中止すると、圧縮されているコイルスプリング５の弾 性張力によって可動カム筒４の傾斜カム面４２は支持金具２の受カム筒２５の傾 斜カム面２６上を回動しつつ降下するので、これと回転不能に一体に組込まれて いるドアＡはスラストベアリング８が介して支持金具２上を軽く回転して閉扉位 置に自動的に復帰することができる。

【０００８】 なお、この実施例においては、受カム筒２５を支持金具２の水平取付部２２に 直接固定しても良い。

【０００９】

【考案の効果】

以上、実施例について詳述したように、この考案は、ドア枠側に取付けた下部 受具上にラストベアリングを介装してドアの全重量を支持したので、ドアを軽く 回転開閉させることができると共に、枢着金具内のコイルスプリングで受カム筒 の傾斜カム面上に可動カム筒の傾斜カム面を弾接したので、両傾斜カム面にドア の全重量が加わらず、カム面の磨耗を防止して耐久性が高められる上、ドアは上 下動することなく同じ高さを保ちながら回動して開閉することができる。このた め従来のグレビティヒンジのようにドア上端とドア上枠との間に広い間隙が必要 でなく、またスプリングヒンジのように急激な復帰スピードでドアに挟まれ或い は叩打される虞れもなく、重いドアであっても極めて安全で円滑、軽快に回転し て所定位置に自動的に確実に復帰することができ、またドアの回転力にバラつき なく停止位置決めが極めて容易にできる等、堅牢にして耐久性に優れた効果を有 するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の自動復帰ヒンジを取付けたドアの一
部切欠せる側面図

【図２】この考案の自動復帰ヒンジの縦断側面図

【図３】この考案の自動復帰ヒンジー部切欠せる分解斜
視図

【符号の説明】

１ 下部受具 ２ 支持金具 ２５ 受カム筒 ２６ 傾斜カム面 ３ 枢着金具 ３１ 取付部 ３２ 嵌合部 ３４ 貫通孔 ３５ 下部孔 ３６ 上部孔 ３７ 段部 ４ 可動カム筒 ４２ 傾斜カム面 ４３ 鍔 ４４ ガイド突起 ５ コイルスプリング ６ 内筒 ６１ ガイド溝 ７ キャップ ８ スラストベアリング Ａ ドア Ｂ ドア枠

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドア枠側に取付けられる支持金具に受カ
   ム筒を設置し、該受カム筒にドア側に取付けられる枢着
   金具を嵌合してスラストベアリングを介装して支持金具
   上に回転可能に支持すると共に、枢着金具内にコイルス
   プリングで付勢した可動カム筒を上下に摺動可能に嵌挿
   し、該可動カム筒を上記受カム筒に弾接して枢着金具と
   一体に回転するようにしたことを特徴とするドア等の自
   動復帰ヒンジ。