JPH07265291A - Ｘ線ｃｔ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブラシの磨滅消耗度を検知できるＸ線ＣＴ装
置を得る。 【構成】 ブラシ３の抵抗を測定する回路５を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、Ｘ線によって断層撮
影を行うＸ線ＣＴ装置、特に、位置固定の電力供給手段
から回転するＸ線管への電力の供給等をスリップリング
およびブラシを介して行うようにしたＸ線ＣＴ装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のＸ線ＣＴ装置は、回転枠
と、この回転枠に対向位置されたＸ線放射用のＸ線管と
透過Ｘ線を検出するＸ線検出器ならびにＸ線検出器の検
出データを収集しデジタル信号に変換するデータ収集部
と、前記Ｘ線管ならびにデータ収集部に接続し回転枠と
一体に回転するそれぞれのスリップリングと、各スリッ
プリングに摺接するそれぞれのブラシとを備え、一方の
スリップリングおよびブラシを介して固定部に位置する
電力供給手段からの前記Ｘ線管に電力を供給し、他方の
スリップリングおよびブラシを介してデータ収集部から
のデジタル信号を固定部に位置する画像処理装置、その
逆方向に信号を伝送するようにしている。そして、回転
枠は、ベアリングによって回転自在に支持されており、
伝動ベルトを駆動する電動モータによって回転駆動さ
れ、被検体の断層撮影を行う。

【０００３】なお、ブラシは、スリップリングよりも硬
度の低い電気抵抗の小さな導電材製で立方体に形成され
ており、スプリングでもって所定圧力でスリップリング
に押し付けら、圧接されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような構成を有す
る従来装置の場合には、次のような問題がある。ブラシ
は、スプリングによって回転する硬いスリップリングに
押し付けられているので、使用中に磨滅消耗する。ブラ
シが磨滅しその厚さが薄くなると、スプリングでブラシ
をスリップリングに所定の圧力で押し付けることができ
ないので接触不良ないし接触抵抗が大きくなり、Ｘ線管
への電力の供給、Ｘ線検出器の検出データの伝送に支障
を生じる。したがって、この種の装置では、ブラシを定
期的に取り換えていた。

【０００５】しかしながら、ブラシの磨滅度がＸ線ＣＴ
装置を使用する各病院での患者数、撮影方法等により大
きく異なるので、このように定期的に取り換えるので
は、使用限界を越えた薄いブラシを使用する危険があ
り、また、使用限界に至っていないブラシをも取り換え
ることになるので不経済であると共に、取り換え時には
装置の稼働を停止させる必要があり、装置の停止中は、
緊急患者に対応できないなどの問題がある。

【０００６】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたもので、ブラシの消耗度を検知できるようにしたＸ
線ＣＴ装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、この発明に係るＸ線ＣＴ装置は、ブラシを
電気抵抗材で構成すると共に、前記ブラシの抵抗を測定
する抵抗測定手段を設け、測定された抵抗値よりブラシ
の消耗度を検知するようにしたことを特徴としている。

【０００８】

【作用】抵抗測定手段は、ブラシの抵抗を測定する。

【０００９】ブラシは電気抵抗材で立方体であり、回転
する硬いスリップリングに圧接されているので、磨滅し
その厚みが薄くなり抵抗が変化する（小さくなる）の
で、ブラシの抵抗を測定すればその抵抗値より、ブラシ
の消耗度が検知でき、ブラシが使用限界に至っているか
どうか、ならびに、取り換え時期が検知できる。

【００１０】

【実施例】以下、この発明の一実施例を示す図面に沿っ
て説明する。図１は、この発明の一実施例の構成を示す
模式図である。図において、１は一対のスリップリン
グ、２は図示しないＸ線検出器の検出データを収集しデ
ジタル信号に変換するデータ収集部のコンソールからの
命令を受信するレシーバで、これらスリップリング１、
Ｘ線検出器、レシーバ２、ならびに、図示しないＸ線管
は、いずれも回転枠（図示せず）に固定されており、Ｘ
線管とＸ線検出器は対向配設している。３は固定部に位
置し電気抵抗材よりなる立方体の前記スリップリング１
に対応する一対のブラシで、バネでもって前記スリップ
リングに押し付けられている。

【００１１】４は前記レシーバ２へ信号をスリップリン
グ１およびブラシ３を介して伝送するコンソールのトラ
ンスミッタ、５、６、７はこの発明で設けられたもの
で、５は抵抗測定回路、６は抵抗測定回路５の出力で作
動される警告灯、７はブラシ３をトランスミッタ４と抵
抗測定回路５への接続を切り換える切換器で、この切換
器７でもって撮影時には、ブラシ３はトランスミッタ４
に接続され、トランスミッタ４からの信号は、切換器７
を介して伝送され、ブラシ３、スリップリング１を介し
てレシーバ２に伝送され、また、消耗度のチェック時に
は、ブラシ３は、抵抗測定回路５に接続され、ブラシ３
の抵抗が測定される。ブラシ３が磨滅しい薄くなり使用
限界に至っている場合には、抵抗測定回路５が警告灯６
を点灯させる。なお、Ｘ線管にも固定部に設けられた電
力供給手段よりの電力が、ブラシ３および回転枠と一体
に回転するスリップリング１を介して供給される。ま
た、上記では、トランスミッタ４からの信号がレシーバ
２に伝送される、換言すれば、固定部から回転枠へ信号
が伝送されるとしたが、実際の装置では、固定部と回転
枠間相互の信号伝送がスリップリングおよびブラシを介
してなされる。

【００１２】つぎに、ブラシの抵抗を測定することで、
それの消耗度が検出できる原理を説明する。ブラシは、
図３に示すように断面が四角形の小片でスプリングの弾
性力で回転するスリップリング１に押し付けられている
ので、磨滅しその厚みＸは薄くなる。 図３は図１の等
価回路で、Ｒｓはスリップリングの抵抗、Ｒｂ（ｘ）は
ブラシの抵抗、Ｒｔはレシーバのターミネーション抵抗
（内部抵抗）を示す。ブラシの消耗度のチェック時に
は、切換器７は抵抗測定回路５側の接点ｂ側に接続され
て抵抗測定回路５で回路の抵抗Ｒが測定され、抵抗値
は、 Ｒ＝Ｒｔ＋２Ｒｓ＋２Ｒｂ（ｘ） となる。

【００１３】上記式で、ブラシの抵抗Ｒｂ（ｘ）は、図
４に示すようにそれの厚みに比例して変化するが、スリ
ップリングの抵抗Ｒｓとレシーバのターミネーション抵
抗Ｒｔとは、ブラシの厚みに関係なく一定値であるの
で、回路の抵抗Ｒを測定すればブラシ厚み、すなわち、
ブラシの消耗度が検知できる。したがって、回路の抵抗
Ｒの測定値でもって図５に示すようにブラシが使用限界
に至っているかどうか、ならびに、取り換え時期が検知
でき、抵抗測定回路５でコンソール上の警告灯６を点灯
させれば、ブラシが使用限界に近付いたことをオペレー
タに知らせ、ブラシの取り換えを促すことがでる。な
お、撮影時には、切換器７はトランスミッタ４側の接点
ａ側に接続されてトランスミッタ４からの信号は、ブラ
シ３およびスリップリング１を介してレシーバ２に伝送
される。

【００１４】

【変形実施例】

１）ブラシが使用限界に近付いたことをオペレータに知
らせるのに警告灯を用いたが、聴覚に訴えるブザーを使
用してもよい。 ２）抵抗測定回路の出力をメータに入力する等抵抗測定
値をアナログ的に表示するようにすることも可能であ
る。このようにすればブラシの厚さが逐次判るので、ブ
ラシが使用限界に近付いたことはもとより、あとどの位
使用できるかをもオペレータが検知できる。

【００１５】３）Ｘ線管への電力供給用の一対のブラ
シ、ならびに、レシーバへの信号伝送用の一対のブラシ
を電気抵抗材で構成したが、電気抵抗材のブラシとして
従来よりこの種の装置で用いられている抵抗材質でない
ブラシで、消耗度が同程度のものをもちいれば、いずれ
か一対のブラシ、または、一対のブラシの一方に電気抵
抗材のブラシを使用し、他のブラシを抵抗材質でないブ
ラシとすることも可能である。 ４）レシーバへの信号伝送（通信）と抵抗測定を切換器
で切り換え他が、例えば、通信は交流で行う、抵抗測定
は直流で行うようにしてもよい。このようにすれば切換
器は不要となると共に、通信、すなわち、撮影中でもブ
ラシの消耗度がチェックできる。

【００１６】

【発明の効果】この発明によれば、ブラシの消耗度が検
知できるので、使用限界を越えた薄いブラシを使用する
危険がなく、また、使用限界に至っていないブラシをも
取り換えるという資源の無駄がないと共に、メンテナン
スのために装置の停止時間が低減でき、装置の稼働率を
向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の一実施例を示す模式図である。

【図２】 ブラシ部の構成を示す略図である。

【図３】 図１の等価回路である。

【図４】 ブラシの厚みと抵抗との関係を示す特性図で
ある。

【図５】 ブラシの厚みと図１の回路抵抗との関係を示
す特性図である。

【符号の説明】

１…スリップリング ２…レシーバ
（データ収集部） ３…ブラシ ４…画像処理部
のトランスミッタ ５…抵抗測定回路 ６…警告灯 ７…切換器 11…有底円筒
（棒状体）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転枠にＸ線管とＸ線検出器が対向配置
   されており、位置固定の電力供給手段からの前記Ｘ線管
   への供給と、前記Ｘ線検出器と位置固定の信号受信手段
   間相互の信号伝送をスリップリングおよびそれに圧接ブ
   ラシを介して行うＸ線ＣＴ装置において、前記ブラシを
   電気抵抗材で構成すると共に、前記ブラシの抵抗測定手
   段を設け、測定された抵抗値よりブラシの消耗度を検知
   するようにしたことを特徴とするＸ線ＣＴ装置。