JPH07265008A - こく味付与剤 - Google Patents

こく味付与剤

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JPH07265008A
JPH07265008A JP6059389A JP5938994A JPH07265008A JP H07265008 A JPH07265008 A JP H07265008A JP 6059389 A JP6059389 A JP 6059389A JP 5938994 A JP5938994 A JP 5938994A JP H07265008 A JPH07265008 A JP H07265008A
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kokumi
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umami
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phosphate
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JP6059389A
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Kouji Shibuya
晧治 渋谷
Muneaki Yonemitsu
宗明 米満
Takio Katayama
多喜男 片山
Chiaki Suzuki
千秋 鈴木
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Ajinomoto Co Inc
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Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 旨味物質に加えてイミダゾールジペプチド、
スルホン基含有化合物およびリン酸塩を利用して飲食品
の調味を行なう。 【効果】 飲食品に容易に強いこくのある旨味を付与す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、旨味物質、イミダゾー
ルジペプチド、スルホン基(−SO3 H)含有化合物お
よびリン酸塩の4者の併用作用により発現するこくのあ
る旨味を活用するこく味付与剤およびこく味調味料、な
らびにこのようなこく味付与剤またはこく味調味料を使
用する飲食品の調味方法、およびこのようにして調味さ
れた飲食品に関する。
【0002】
【従来の技術】L−グルタミン酸モノソーダ(コンブの
味)を代表とする特有の味は、旨味(Flavor-enhancer
)と称される。甘酸苦塩味を四原味と称するが、旨味
は電気生理学的にもこれとは異なる味であることが証明
されている。旨味を呈する物質としては、このほかに、
アスパラギン酸、オキシグルタミン酸、イボテン酸、ト
リコロミン酸、イノシン酸ソーダ(かつお節の味)、グ
アニル酸ソーダ(椎茸の味)等の核酸関連物質、コハク
酸ソーダ(二枚貝の味)も、それぞれ個性をもった旨味
をもっている。また、グルタミン酸と核酸系旨味物質と
の間にはきわめて強い相乗効果を呈することが知られて
いる。このことを利用した調味料が実際に市販されてい
る。欧米では旨味に相当する言葉がなく、Umamiで
通用するようになってきている。以上、日本食品工業学
会編「食品工業総合辞典」((株)光琳発行(昭和54
年))。
【0003】そして、グルタミン酸ナトリウム、イノシ
ン酸ナトリウムおよびグアニル酸ナトリウムで代表され
る旨味は、国際的にもUmamiと命名されるに至り、
今日まで数多くの研究がなされてきており、また、これ
らの旨味物質を配合した多種多様の調味料が市販されて
いる。
【0004】しかしながら、このような調味料は、なる
ほど旨味の付与性は充分であるが、ビーフエキス、ポー
クエキス、チキンエキス、魚介エキス、酵母エキスなど
の天然エキスあるいは蛋白加水分解物(HAP、HVP
など)等の調味料が有するこく味の付与性はなお充分で
なく、この点が問題点とされ、これを改善する手段の開
発提供が強く望まれている。
【0005】因みに、スルホン基含有化合物の1種であ
るタウリンは、ウシの胆汁およびイカ、タコ、貝類など
の軟体動物の肉エキス中に多量に存在し、その薬理作用
については、胆汁の分泌を促し、脂肪の吸収をよくし、
また制汗作用のあることが知られている(共立出版
(株)「化学大辞典」(昭和36年)参照)。しかしな
がら、従来、タウリンの飲食品分野における実用用途に
はみるべきものがなく、僅かに上記薬理作用を利用した
健康飲料の用途(特開平4−262767)等が知られ
ているに過ぎない。特にその呈味性については、水産物
エキスの呈味試験の結果は、タウリンとアルギニンは量
的に多いが、味とは無関係であると言われ(「調理科
学」 Vol.5, No.1, p.p. 2〜7 (1982))、従ってこれを
調味料として実際に使用した例のないことはもちん、そ
の調味料としての用途が示唆されることもなかった。
【0006】また、カルノシン(β−アラニルヒスチジ
ン)、アンセリン(β−アラニル−1−メチルヒスチジ
ン)、バレニン(β−アラニル−3−メチルヒスチジ
ン)などのイミダゾールジペプチドの呈味性に関して
は、わずかに、カルノシンとアンセリンは弱い甘味とわ
ずかな苦味をもち、またバレニンは弱い苦味とわずかな
甘味をもつと報告されているのみで(Bull. Japan. So
c. Sci. Fish., 48, 89-95(1982)、これらが他の物質、
例えばスルホン基含有化合物およびリン酸塩、との複合
作用により旨味にこくを付することは全く知られていな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前項記載の従来技術の
背景下に、本発明は、こく味を付与または強化する調味
料の開発を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前項記載の
目的を達成すべく鋭意研究の結果、従来、味とは無関係
であると考えられていたタウリンが極めて驚くべきこと
にリン酸塩との併用作用により旨味を前提とした、すな
わち旨味のこく味付与剤となり得ること、また、タウリ
ンと同様にスルホン基を有する他の化合物にもタウリン
と同様の作用があることを見出し、このような知見に基
いて完成した発明について既に特許出願を行なっていた
ところ(特願平6−5368)、その後スルホン基含有
化合物およびリン酸塩による旨味に対するこく味付与効
果がイミダゾールジペプチドにより顕著に改善されるこ
とをも見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】以下、本発明を逐次詳細に説明する。
【0010】本発明の具体的態様の1つは、イミダゾー
ルジペプチドを単独に、イミダゾールジペプチドおよび
スルホン基含有化合物を併用して、またはイミダゾール
ジペプチド、スルホン基含有化合物およびリン酸塩を併
用して有効成分とすることを特徴とするこく味付与剤で
ある。
【0011】このようなこく味付与剤の成分であるイミ
ダゾールジペプチドとしては、カルノシン、アンセリ
ン、バレニンなどおよびその塩類を例示することができ
る。またこれらの化合物は必ずしも純品である必要はな
く、例えばこれらのジペプチドを含む天然物からの抽出
物の形態であってもよい。
【0012】他の成分であるスルホン基含有化合物は、
可食性でなければならないことはもちろんであり、タウ
リンの他に、脱炭酸を受けてタウリンを生成するシステ
イン酸、またナフタリン−1,5−ジスルホン酸および
チアミンのナフタリン−1,5−ジスルホン酸塩などの
その塩類を例示することができる。また、これらの化合
物は必ずしも純品である必要はなく、例えば、スルホン
基含有化合物を含む天然物からの抽出物の形態であって
もよい。
【0013】さらに他の成分であるリン酸塩も、同じく
可食性でなければならないことはもちろんであり、いわ
ゆる正リン酸の第一、第二または第三ナトリウム塩、カ
リウム塩、カルシウム塩などを例示することができる。
また、カルシウム塩は、例えば、魚骨粉の形態であって
もよい。
【0014】本発明者の確認したところによれば、リン
酸塩は、スルホン基含有化合物と併用しただけではこく
味を呈さない。旨味物質にリン酸塩およびスルホン基含
有化合物を同時に使用して初めてこくのある旨味となる
のである。そしてイミダゾールジペプチドにより、この
こくのある旨味が強化される。
【0015】このようなこく味付与剤の製造方法自体に
は、有効成分として、イミダゾールジペプチドを単独に
使用するか、イミダゾールジペプチドおよびスルホン基
含有化合物の2者を併用して配合するか、またはイミダ
ゾールジペプチド、スルホン基含有化合物およびリン酸
塩の3者を併用して配合することを除いては、特別の制
限はなく、適宜公知の調味料の製造方法を採用すること
ができる。従って、本発明のこく味付与剤は、例えば、
適当な賦形剤などの添加剤を使用して、液体および粉
状、顆粒状などの固体の商品形態(流通形態)に製造す
ることができる。
【0016】先に説明したように、本発明は、イミダゾ
ールジペプチド、スルホン基含有化合物およびリン酸塩
の3者が同時に作用して旨味をこくのある旨味に変える
こと、を見出したことに基ずくものである。すなわち、
4要素の複合作用による。従って、このような本発明の
こく味付与剤の使用方法は、この事実を考えると当業者
に自から明らかであるが、若干例示する。
【0017】例えば、イミダゾールジペプチドを単独に
配合したこく味付与剤の場合は、旨味物質を既に原材料
として使用されている飲食品(旨味調味料そのものを含
む)に別途調達したスルホン基含有化合物およびリン酸
塩と併用してこく味を呈せしめることができ、また旨味
物質、スルホン基含有化合物およびリン酸塩が既に原材
料として使用されている飲食品の場合は、このようなこ
く味付与剤を使用するだけで飲食品にこく味を付与する
ことができる。イミダゾールジペプチドおよびスルホン
基含有化合物の2者を併用したこく味付与剤の場合は、
例えば、これを別途調達したリン酸塩と共に旨味物質が
既に原材料として使用されている飲食品に使用すると、
このような飲食品の旨味をこくのある旨味に変えること
ができる。そして、イミダゾールジペプチド、スルホン
基含有化合物およびリン酸塩の3者を有効成分として併
用したこく味付与剤の場合は、旨味物質を含有するがイ
ミダゾールジペプチドもスルホン基含有物質もリン酸塩
も含有しない飲食品にこく味を呈せしめるのに有効に使
用することができる。
【0018】さらにまた、本発明者の新たなる知見に係
わる、こくのある旨味を発現すべき4要素中、例えば、
リン酸塩は既に含有するが他の3要素は含有しない原材
料の場合は、イミダゾールジペプチドおよびスルホン基
含有化合物を併用して有効成分とするこく味付与剤と別
途調達した旨味物質とを併用することで、または旨味物
質およびイミダゾールジペプチドとスルホン基含有化合
物とを有効成分とする本発明のこく味調味料(後述)を
使用することで、こくのある旨味を発現せしめることが
できる。
【0019】イミダゾールジペプチドおよびスルホン基
含有化合物の2者を併用したこく味付与剤、ならびにイ
ミダゾールジペプチド、スルホン基含有化合物およびリ
ン酸塩の3者を併用したこく味付与剤における有効成分
の配合割合は、こく味を付与すべき対象の飲食品が定ま
れば、当業者であれば簡単な事前の呈味試験により極め
て容易に定めることができる。
【0020】このようなこく味付与剤を使用することに
より、飲食品にこく味が付与され、または強化される。
【0021】本発明の具体的態様のその2は、旨味物質
およびイミダゾールジペプチドとスルホン基含有化合物
および/またはリン酸塩とを有効成分とすることを特徴
とするこく味調味料である。
【0022】先に説明したように、スルホン基含有化合
物およびリン酸塩は、それぞれ単独に旨味物質とともに
使用してもこれにこく味を付与せず、これらを併用して
旨味物質とともに使用することにより、すなわち3要素
の複合作用により初めてこく味を呈し、しかもこのこく
味はイミダゾールジペプチドにより顕著に強化されるの
である。従って、本発明の、このような具体的態様によ
る、スルホン基含有化合物および/またはリン酸塩を、
旨味物質およびイミダゾールジペプチドとともに有効成
分とするこく味調味料は、例えば、既にリン酸塩は含有
するが旨味物質、イミダゾールジペプチドおよびスルホ
ン基含有化合物は含まない、同様に既にスルホン基含有
化合物は含有するが旨味物質、イミダゾールジペプチド
およびリン酸塩は含有しない、または旨味物質もイミダ
ゾールジペプチドもリン酸塩もスルホン基含有化合物も
含有しない原材料の飲食品の調味に使用すると、このよ
うな飲食品にこくのある旨味が付与されるので、こく味
調味料と称するのがふさわしい。
【0023】このようなこく味調味料の製造法および商
品形態にも特別の制限はなく、先に説明したこく味付与
剤の製造法および商品形態に準ずることができる。有効
成分の配合割合も、要するに、こく味調味料としての目
的を達成し得るものであればよく、例えば、グルタミン
酸ナトリウム1重量部に対し、カルノシン0.01〜1
000重量部、タウリン0.01〜20重量部およびリ
ン酸二ナトリウム0.01〜20重量部の割合とするこ
とができる。
【0024】また、使用法にも特別の困難はなく、先に
説明した4要素の併用によるこくのある旨味の強化とい
うことを考えて、例えば、既にリン酸塩を含有する原材
料からの、またはリン酸塩を含有しない原材料からの場
合は、それぞれ、適宜本発明のリン酸塩を配合していな
いこく味調味料、またはこれと別途調達したリン酸塩と
を併用して飲食品を製造する、適宜の工程で使用するこ
とにより、強いこくのある旨味の付与されたまたはこく
味の強化された飲食品を容易に製造することができる。
【0025】本発明の具体的態様のその3は、上に説明
したこく味付与剤またはこく味調味料を使用して極めて
こくのある旨味を付与することを特徴とする飲食品の調
味方法である。
【0026】このような調味方法は、強いこく味を付与
しまたはこく味を強化するために、調味料として上に説
明した本発明のこく味付与剤またはこく味調味料を使用
することを除いては、特別の制限はなく、従来公知の調
味方法を適宜採用することで行なうことができる。飲食
品に強いこく味を付与しまたはこく味を強化するには、
例えば、飲食品製造の原材料の一部として本発明のこく
味付与剤またはこく味調味料を使用することもできる
し、既に製品となっている飲食品に強いこく味を付与し
またはこく味を強化するために本発明のこく味付与剤ま
たはこく味調味料を使用することもできることはもちろ
んである。
【0027】本発明の具体的態様のその4は、旨味物
質、イミダゾールジペプチド、スルホン基含有化合物お
よびリン酸塩を有効成分として強いこく味を付与された
ことを特徴とする飲食品である。
【0028】このような飲食品には、旨味物質に加えて
イミダゾールジペプチド、スルホン基含有化合物および
リン酸塩の3者(合計4者)を使用してこく味を付与し
た飲食品が含まれることは言うまでもないが、更に、例
えば、原材料などに既に旨味物質に加えてイミダゾール
ジペプチド、スルホン基含有化合物およびリン酸塩の3
者のいずれかが含有されている場合に、3者の残りを添
加使用して強いこく味を付与した飲食品も含まれること
はもちろんである。要するに、4要素の少なくも1つを
外来物質として使用してこくのある旨味を発現せしめた
飲食品は、全て本発明の、このような飲食品の範囲に包
含される。
【0029】以上の説明から明らかなように、次の
(a)〜(c)も本発明の技術的範囲内にある。
【0030】(a)イミダゾールジペプチド、タウリン
などのスルホン基含有化合物、リン酸塩および/または
魚骨粉を有効成分として含有することを特徴とする練製
品用こく味付与剤。ここに、練製品には、ハム、ソーセ
ージ、ハンバーグ等が含まれる。
【0031】このような練製品用こく味付与剤における
有効成分の含有量は、これを使用してこく味を付与すべ
き対照の練製品が定まれば、先に説明した場合と同じ
く、当業者であれば容易に定めることができる。また、
先に説明した本発明者の知見に係わる4要素の複合作用
によるこくのある旨味の発現ということを考えると、こ
のようなこく味付与剤の商品形態、使用方法なども、先
に説明した場合と同様にできる。
【0032】(b)旨味物質に加えて、イミダゾールジ
ペプチド、スルホン基含有化合物およびリン酸塩の4要
素の複合作用を利用して調味をすることを特徴とする練
製品の調味方法。ただし、4要素のうち、少なくとも1
つは、従来の原材料中には含有されていない形態の外来
物質である。
【0033】(c)前項(b)の調味方法によって製造
されたことを特徴とするこくのある旨味を付与された練
製品。
【0034】なお、上に説明した本発明のこく味付与剤
もしくはこく味調味料または調味方法に関しては、本発
明の目的とする強いこく味の発現の妨げとならない限り
は、旨味物質、例えばアミノ酸系および/または核酸系
旨味物質の他に、有機酸、無機酸、これらの塩類、糖類
等の、従来使用されている添加物を適宜併用できること
はもちろんである。
【0035】なおまた、味覚は、その強さが物質の種
類、濃度、温度、刺激時間、接触部位などにより変化す
ることは周知の通りであるが、こく味は特に温度依存性
があり、50〜60℃近辺で最もよく感じることのでき
ることは日常経験するところである。
【0036】
【実施例】以下、本発明を検査例および実施例により更
に説明する。なお、検査例および実施例において、%は
重量%を意味する。
【0037】検査例1(3要素の複合作用の検査) 比較のために、まず、スルホン基含有化合物、リン酸塩
および旨味物質の3要素の複合作用の検査を示す。3要
素として、それぞれ、タウリン、燐酸二ナトリウムおよ
びグルタミン酸ナトリウムを選び、これら3要素の併用
によるこくのある旨味の発現を検査した。
【0038】(a)すなわち、下記第1表に示す評価系
(各種の水溶液)を試飲温度50〜60℃での官能検査
に付した。なお、官能検査は、熟練した5名よりなるパ
ネルにより行ない、その結果も同表に併記する。評価系
(2)以降において、本発明者の先の知見に係わる3要
素によるこく味の発現が見られる。
【0039】
【表1】
【0040】さらに比較のために、(b)タウリン及び
燐酸塩をともに抜いた場合、(c)燐酸塩を抜いた場
合、(d)タウリンを抜いた場合、そして(e)グルタ
ミン酸ナトリウムを抜いた場合のそれぞれについて同様
の検査を行なった。
【0041】評価系と官能検査の結果(呈味の特徴)を
それぞれ下記第2〜5表に示す。これらの結果から、3
要素の1つでも欠けるとこく味の発現が見られないこと
が判る。
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】実施例1(4要素の複合作用の検査) イミダゾールジペプチド、スルホン基含有化合物、リン
酸塩および旨味物質として、それぞれ、カルノシンもし
くはアンセリン、タウリン、燐酸二ナトリウムおよびグ
ルタミン酸ナトリウムを選び、これら4要素の併用によ
る強いこくのある旨味の発現を検査した。
【0047】すなわち、第6表に示す評価系(各種の水
溶液)を試飲温度50〜60℃での官能検査に付した。
なお、官能検査は、検査例1におけると同様に行ない、
結果も同表に併記する。評価系(7)および(8)にお
いて、本発明の4要素による強いこく味の発現が見られ
る。
【0048】
【表6】
【0049】実施例2(ヴィヨン系における評価) ビーフヴィヨン(これにはもちろん旨味物質は含まれて
いる。)に対する強いこく味の付与の検査を検査例1に
おけると同じ試飲温度で検査した。
【0050】評価系と評価結果を下記第7および8表に
示す。これらの表から、本発明によれば、ビーフヴィヨ
ンは、配合系および天然系をとわず、こく味の著しく強
化されることが判る。
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】実施例3(ハンバーグ系における評価) (a)下記第9表に示す原材料のベース配合物1000
gにタウリン2gおよび燐酸二ナトリウム2gを加えた
ものを原材料とし、常法によりハンバーグを試作した
(対照試作品で、試作品Aと称する)。
【0054】
【表9】
【0055】(b)試作品Aの原材料に更にカルノシン
8gを加えたものを原材料としたことを除いては前項
(a)におけると全く同様にして、ハンバーグを試作し
た(本発明の試作品で、試作品Bと称する)。
【0056】(c)試作品Bの原材料のうち、カルノシ
ンの添加量を16gに増量したことを除いては前項
(b)におけると全く同様にして、ハンバーグを試作し
た(本発明の試作品で、試作品Cと称する)。
【0057】上記3種の試作品の、官能評価による呈味
の特徴は、試作品Aは野菜(たまねぎ)風味のあっさり
した薄味のハンバーグであるのに対し、試作品Bは肉の
味および旨味が出てコク味が増強され、肉の味が全体的
に強化されており、そして試作品Cは試作品Bの味の変
化が更に強まったもの、というものであった。
【0058】
【発明の効果】本発明により、優れたこく味付与剤が安
価に容易に提供することが可能となり、また飲食品に強
いこくのある旨味を付与することが容易に行なうことが
できるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 千秋 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1番1号 味 の素株式会社食品総合研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イミダゾールジペプチドを単独に、イミ
    ダゾールジペプチドおよびスルホン基含有化合物を併用
    して、またはイミダゾールジペプチド、スルホン基含有
    化合物およびリン酸塩を併用して有効成分とすることを
    特徴とするこく味付与剤。
  2. 【請求項2】 旨味物質およびイミダゾールジペプチド
    とスルホン基含有化合物および/またはリン酸塩とを有
    効成分とすることを特徴とするこく味調味料。
  3. 【請求項3】 スルホン基含有化合物がタウリンである
    ことを特徴とする請求項1または2記載のこく味付与剤
    またはこく味調味料。
  4. 【請求項4】 イミダゾールジペプチドがカルノシンお
    よび/またはアンセリンであることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のこく味付与剤またはこく味調
    味料。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のこく味
    付与剤またはこく味調味料でこく味を付与することを特
    徴とする飲食品の調味方法。
  6. 【請求項6】 旨味物質、イミダゾールジペプチド、ス
    ルホン基含有化合物およびリン酸塩を有効成分としてこ
    く味を付与されたことを特徴とする飲食品。
JP6059389A 1994-03-29 1994-03-29 こく味付与剤 Pending JPH07265008A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013132668A1 (ja) * 2012-03-08 2013-09-12 サントリーホールディングス株式会社 イミダゾールペプチドとケルセチン配糖体を含有する組成物

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WO2013132668A1 (ja) * 2012-03-08 2013-09-12 サントリーホールディングス株式会社 イミダゾールペプチドとケルセチン配糖体を含有する組成物
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