JPH0797977B2 - 食品に煮干ダシの呈味を付与する方法 - Google Patents

食品に煮干ダシの呈味を付与する方法

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JPH0797977B2 JP62099136A JP9913687A JPH0797977B2 JP H0797977 B2 JPH0797977 B2 JP H0797977B2 JP 62099136 A JP62099136 A JP 62099136A JP 9913687 A JP9913687 A JP 9913687A JP H0797977 B2 JPH0797977 B2 JP H0797977B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 ヒスチジンを基本物質として、その基準量(重量)に対
して、グルタミン酸ナトリウムもしくは、グルタミン酸
カリウム、5′−イノシン酸ナトリウムもしくは5′−
グアニル酸ナトリウム、クレアチン、クレアチニン、乳
酸もしくは乳酸カルシウム、カリウムイオン、ナトリウ
ムイオン、塩酸イオン及びリン酸イオンを一定の範囲量
(重量)配合した組成物を、うま味調味料、風味調味
料、醤油、味噌及びソース等の調味料類、各種の麺つゆ
等のタレ類、和風ドレッシング等ドレッシング類、及
び、即席みぞ汁、おでんの素、ちらしずしの素及びふり
かけ等加工食品類に添加する事により、これらの食品に
効率良く、かつ、安価に煮干ダシの呈味を付与する方法
に関するものである。
〔本発明の背景〕
古来から、煮干は、鰹節及び昆布と共に日本料理の基本
的なダシとして必要不可欠なものであった。
日本人は、とくに煮干を鰹節及び昆布と組み合せて使用
する事により、鰹節ダシ及び昆布ダシの風味に、重い感
じのコク、広がり、厚みを付与する事により、料理の味
を巧みに向上して来たのである。
本発明者等は、かかる煮干の呈味を与える物質を成分レ
ベルで追求する事により、煮干または濃縮煮干エキスを
使わずに、化学的に、かつ、効率的に、したがって経済
的に、当該呈味を発現する仕組みについて研究したので
ある。
〔食品に煮干ダシの呈味を付与する従来の方法〕
食品に煮干ダシの風味を付与する従来の方法は、煮干の
水、熱水もしくはアルコールによる抽出エキス及びこれ
らの濃縮物、または、煮干の微粉砕物を食品に添加する
方法が用いられている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来の煮干ダシの呈味を付与する方法では、煮干の抽出
エキス及びその濃縮エキス中には、煮干ダシの呈味に本
質的に関与しないか、もしくは、関与したとしてもその
度合が弱い成分が多量に存在するが故に、煮干ダシとし
ての呈味力価が弱く、したがって無駄が多いという問題
点があった。
また、煮干の抽出エキス及びその濃縮エキス中には、い
わゆる煮干特有の生臭い匂いが強く、したがって、これ
が妨害して、食品に十分に煮干の呈味を付与する事が不
可能であるという問題点もあった。
〔問題点を解決するための手段〕
かくの如き問題点を解決するために、カタクチ青口、カ
タクチ白タレ、ウルメ中羽及びヒラコ小羽等の各種の煮
干について、また、これらの煮干夫々の胴、及び内臓等
の部位について煮干本来の呈味に関与する物質を成分分
析ならびに味覚試験により詳しく調べた。
その結果、前述の問題点を解決する手段として、ヒスチ
ジン100部(重量)に対して、グルタミン酸ナトリウム
8〜20部もしくはグルタミン酸カリウム9〜22部、5′
−イノシン酸ナトリウム100〜210部もしくは5′−グア
ニル酸ナトリウム50〜105部、クレアチン65〜200部、ク
レアチニン40〜60部、乳酸170〜220部もしくは乳酸カル
シウム580〜750部、カリウムイオン(K+)120〜135部、
ナトリウムイオン(Na+)200〜280部、塩酸イオン(C
l-)300〜400部、及びリン酸イオン(▲PO-3 4▼)140〜
190部から成る組成物を、食品に対して0.5%(重量)な
いし80%添加する方法を発明した。
更に詳しく本発明を構成する要件について説明する。煮
干ダシの味は、カタクチイワシ(青口)、カラクチイワ
シ(白タレ)、ウルメイワシ、ヒラコイワシ等原料イワ
シの種類によって異なり、またこれらの原料魚の年令
(中羽、小羽等)及び漁獲季節によって異なる。
一方、煮干だしの味は、原料魚が同じであっても、胴、
頭、及び内臓等の部位によっても異なる。
そこで、発明者等は、原料魚の種類、年令、漁獲季節、
漁獲場所及び煮干製造方法が明確な煮干製品としてカタ
クチ青口、カタクチ白タレ、ウルメ中羽及びヒラコ小羽
を用いて作ったダシの呈味成分を詳しく調べた。即ち、
最初に、これらの煮干製品について、夫々、胴、頭及び
内臓の3部位に手で別けた後、各部位をいろいろ組み合
せていろいろなダシを作り、これらを通常のすまし汁及
び味噌汁に仕立てて味覚試験を行った。
その結果、これらのいろいらなダシの中で煮干ダシとし
て最も美味であったものは、昭和61年4月香川県沖で漁
獲され直ちに煮干に加工されたヒラコ小羽の胴、頭、及
び内臓を、夫々、77.7%,11.2%及び11.1%の割合で混
合したもの、計40gに蒸溜水1加えた後、室温で30分
間浸漬後、火にかけて、30分間微沸とうせしめ、直ちに
布で漉して作ったダシであった。また、当該ダシの固
形分濃度は0.45%(wt./wt.)であった。また、当該ダ
シについて限外過膜を用いて、当該ダシ成分の分子量
分面を行ったところ、分子量3000以下の成分が、当該ダ
シの固形分当り、92.8%、及び分子量3000以上の成分が
7.2%であった。
また、当該ダシ1を20mlに低温真空濃縮した後、エー
テル抽出を繰り返して得たエーテル可溶成分は、当該ダ
シの固形分当り0.17%と極めて少量であたが、煮干特有
の生臭い匂いは当該エーテル可溶成分に存在した。
ヒラコ小羽の当該ダシに次いで美味であったのは、カタ
クチ白タレの胴、頭、及び内臓を、夫々、67.9%,26.7
%及び5.4%の割合で混合したものから、ヒラコ小羽の
場合と全く同様にして作ったダシであり、次いでカタク
チ青口の胴83.7%、頭10.9%、及び内臓5.4%混合物か
ら作ったダシ、次いでウルメ中羽の胴84.0%、頭5.3
%、及び内臓10.7%混合物から作ったダシであった。ま
た、これらの煮干の種類の全てについて、胴のみ、ある
いは頭のみ、あるいは内臓のみから作ったダシは、前述
の様な、胴、頭及び内臓を最適な割合で混ぜたものから
作ったダシに比べるとその味は可成り落るか、または、
不味なものであった。即ち、検討した煮干の種類につい
て、夫々、独自の胴、頭、及び内臓のダシの美味しさを
決める最適な混合割合が存在する事を全く新規に発見し
たのであり、これが後述する不可欠呈味成分の発見と相
まって問題点を解決するための手段としての、食品に添
加するヒスチジンを基準とする10種の物質の組成物及び
その混合割合の範囲を決める重要な根拠となったのであ
る。
一方、最く美味であったヒラコ小羽の胴77.7%、頭11.2
%、及び、内臓11.1%混合物から作ったダシの美味しさ
は、前述の如くして分子量分画したものの中、分子量30
00以下の成分に存在し、分子量3000以上の成分及び別途
抽出したエーテル可溶成分には殆んど存在しなかった。
また、この事実は、その他の種類の煮干の最適部位混合
物から作ったダシについても同様に認められた。
そこで、ヒラコ小羽の胴77.7%、頭11.2%、及び内臓1
1.1%混合物から作ったダシから分画した分子量3000以
下の画分の全成分を分析した。
その結果、当該画分の固形分100g当り、遊離アミノ酸と
して、含量が多い順に、ヒスチジン6.73g、タウリン3.7
0g、アラニン0.65g、グルタミン酸0.58g、リジン0.31
g、ロイシン0.23g、プロリン0.17g、バリン0.17g、グリ
シン0.16g、フェニルアラニン0.14g、チロシン0.12g、
スレオニン0.11g、イソロイシン0.10g、アスパラギン酸
0.08g、トリプトフィン0.07g、メチオニン0.05g(計13.
37g)、5′−ヌクレオチドとして、イノシン酸6.43g、
アデニル酸0.55g(計6.98g)、ヌクレオシドとして、イ
ノシン0.75g、塩基として、ヒポキサンチン0.32g、グア
ニジノ化合物として、クレアチン7.07g、クレアチニン
3.24g(計10.31g)、アミン及びそのオキシドとして、
トリメチルアミン0.14g、トリメチルアミンオキシド0.1
0g(計0.24g)、有機酸として、乳酸11.93g、コハク酸
0.25g、リンゴ酸0.15g(計12.33g)、無機イオンとし
て、ナトリウム(Na+)16.67g、カリウム(K+)8.57g、
アンモニウム(NH4 +)0.39g、マグネシウム(Mg )0.3
3g、カルシウム(Ca )0.08g、塩酸(Cl-)12.47g、リ
ン酸(▲PO-3 4▼)12.31g(計50.82g)であり、定量さ
れた既知の成分量の総和は95.12gであり、未知の成分量
は4.88gであった。
次に、定量された既知成分を、夫々、市販の試薬に置き
替えて、前述の分析値通りに夫々の成分試薬を混合し、
磨砕する事によりヒラコ小羽の胴77.7%、頭11.2%、及
び内臓11.1%混合物から作ったダシの分子量3000以下の
成分(以下、低分子成分と言う)の合成粉末を作成し
た。
次に、当該合成粉末4.0gを1の蒸溜水に溶解すること
により、後述する味覚試験の合成ダシを調製した。
一方、ヒラコ小羽の胴77.7%、頭11.2%、及び内臓11.1
%混合物40gに蒸溜水1を加え、常温で30分間浸漬し
た後、火にかけて、30分間微沸とうせしめ、直ちに布
で漉す事により味覚試験の天然ダシを調製した。
また、当該合成ダシ及び天然ダシを稀カセイソーダ溶
液、ないしは、稀塩酸溶液にてpH6.0に調整した。
次に、当該合成ダシと天然ダシについて2点比較法によ
る味覚試験を行ったところ、天然ダシ中に微量存在する
エーテル可溶成分に由来する生臭い匂いを除けば、これ
ら2つのダシは等質、かつ、等力価の味を呈すると判定
された。
次に、前述の低分子成分合成粉末の構成成分が当該合成
粉末の全体の味にどの程度に、重要、かつ、不可欠であ
るかについて調べた。
即ち合成粉末(以下全合成粉末と言う)から、遊離アミ
ノ酸群、5′−ヌクレオチド群、ヌクレオシド及び塩基
群、グアニジノ化合物群、アミン及びそのオキシド群、
有機酸群、或いは、無機イオン群を夫々除いた試薬混合
粉末を、夫々、作成した。次いで全合成粉末4.0gを水1
に溶解する処方に従って、例えば、遊離アミノ酸群を
除いた試薬混合粉末の場合は、全合成粉末4.0g中に存在
する遊離アミノ酸群量を水で置き換える形、即ち、遊離
アミノ酸群を除いた試薬混合粉末3.43gを水1001.57mlに
溶解する方法で、以下、他の成分群を除いた場合につい
ても同様の要領にて夫々の成分群を除いた試薬混合粉末
の味覚試験液を作成した。また、全ての味覚試験液のpH
は6.0に調整した。
次いで、当該味覚試験液の夫々について、全合成粉末の
4.0g/溶液に対する味覚試験を行って、全合成粉末の
味に対する各成分群の寄与度合を調べた。次いで寄与度
合が大きい成分群について、その構成成分について量的
に多いものは個別に、または、量的に少いものは一括し
て除く、いわゆるオミッションテスト法を詳細に行う事
により、全合成粉末の全体の味に対して必要、かつ、不
可欠な成分を調べた。
その結果、必要、かつ、不可欠な成分として、ヒスチジ
ン、グルタミン酸、5′−イノシン酸、5′−アデニル
酸、クレアチニン、クレアチン、乳酸、カリウムイオン
(K+)、ナトリウムイオン(Na+)、塩酸イオン(Cl-
及びリン酸イオン(PO▲-3 4▼)の11種の成分が抽出さ
れた。
一方、その他の成分、すなわち、ヒスチジン、グルタミ
ン酸以外の、比較的量的に多いタウリンを含んだ遊離の
アミノ酸、イノシン酸、ヒポキサンチン、トリメチルア
ミン、トリメチルアミンオキシド、コハク酸、リンゴ
酸、アンモニウムイオン、マグネシウムイオン及びカル
シウムイオン等は、量的に少いこともあって、全合成粉
末の味には全く関与しないか、もしくは、関与してもそ
の度合は弱いと言うことが明らかになった。
前述の様に、煮干ダシの味は、原料イワシの種類、原料
魚の年令、漁獲場所、漁獲季節、及び原料魚が同じであ
っても、煮干の胴、頭、内臓等の部位、または、これら
の部位の混合割合によっても変動するのが普通である。
例えば、前述の様な、ヒラコ小羽の胴77.7%、頭11.2
%、及び内臓11.1%の割合の混合物より作ったダシ(A
と言う)、カタクチ白タレの胴67.9%、頭26.7%、及び
内臓5.4%の割合の混合物より作ったダシ(Bと言
う)、カタクチ青口の胴83.7%、頭10.9%、及び内臓5.
4%の割合の混合物より作ったダシ(Cと言う)、及び
ウルメ中羽の胴84.0%、頭5.3%、及び内臓10.7%の割
合の混合物より作ったダシ(Dと言う)について、これ
らのダシの味に強く関与する成分のうちの、ヒスチジ
ン、グルタミン酸、及び5′−イノシン酸について示す
と、夫々のダシの低分子成分100g当り、ヒスチジンは、
Aでは3.74g、Bでは3.03g、Cでは3.86g、Dでは6.73g
と変動し、グルタミン酸は、Aでは0.37g、Bでは0.34
g、Cでは0.28g、Dでは0.58gと変動し、5′−イノシ
ン酸は、Aでは7.13g、Bでは5.65g、Cでは1.09g、D
では6.43gと変動した。
そこで、発明者らは、ヒスチジン量を基準(100)とし
て煮干ダシの味に必要、かつ、不可欠な成分量の変動の
範囲を、原料イワシの種類、原料魚の年令、漁獲場所、
漁獲季節、及び煮干の胴、頭、内臓等の部位、または、
これらの部位の混合割合について広く調べたところ、そ
れは、グルタミン酸をナトリウム塩として8〜20もしく
はカリウム塩として9〜22、5′−イノシン酸(ナトリ
ウム塩として)100〜200、5′−アデニル酸(ナトリウ
ム塩として)9〜30、クレアチン65〜200、クレアチニ
ン40〜60、乳酸(カリウム塩として)580〜750、カリウ
ムイオン(K+)120〜135、ナトリウムイオン(Na+)200
〜280、塩酸イオン(Cl-)300〜400、及びリン酸イオン
(▲PO-3 4▼)140〜190であった。
また、煮干のダシの味に強く関与するヌクレオチドとし
ては、5′−イノシン酸及び5′−アデニル酸が実際に
分析されるが、これらヌクレオチドの呈味作用は、うま
味としてグルタミン酸と相剰的に作用するものであっ
て、5′−アデニル酸ナトリウムのこの作用の強さは、
5′−イノシン酸ナトリウムの1/10であり、また、5′
−グアニル酸ナトリウムの1/23であるから、5′−アデ
ニル酸ナトリウムをこれらの比率において5′−イノシ
ン酸ナトリウムもしくは、5′−グアニル酸ナトリウム
に置き換えて用いることが出来る。したがって実際に分
析される5′−イノシン酸及び5′−アデニル酸の代り
に5′−イノシン酸ナトリウムを用いる場合、ヒスチジ
ン(100)に対する5′−イノシン酸ナトリウムの範囲
は、100〜210でよい。また、5′−グアニル酸は煮干の
ダシ中には実際に分析されないが、実際に分析される
5′−イノシン酸及び5′−アデニル酸の代りに5′−
グアニル酸ナトリウムを用いる場合、ヒスチジン(10
0)に対する5′−グアニル酸ナトリウムの範囲は、50
〜105でよい。
次に、煮干のダシ中には、乳酸が量的に多く存在し、か
つ、この成分は煮干のダシの味に強く関与する成分であ
る。後に、実施例において詳述する様に、本発明の組成
物を食品に対して0.5%ないし80%添加する事により、
食品に煮干ダシの呈味を付与する場合に、この組成物が
液体の場合においては液状の乳酸を用いる事が出来る
が、この組成物が粉体の場合においては、通常、粉末状
の乳酸カルシウムを用いるのが良い。したがって、乳酸
の代りに乳酸カルシウムを用いる場合、ヒスチジン(10
0)に対する乳酸カルシウム(Ca〔CH3CH(OH)COO〕
・5H2O)の範囲は、580〜750でよい。
このようにして煮干のダシの味に必要、かつ、不可欠な
成分の量的変動範囲を詳しく調べたのであるが、本発明
者らは、この範囲において当該成分を市販試薬に置き換
えた合成ダシを種々調製し、そのおのおのについて前述
のA,B,C,及びDと同一の天然ダシと飲み、味わい比較す
る味覚試験を行ったところ、その呈味のニュアンスに多
少の違いはあるものの、そのいずれもが当該天然ダシの
味を良く再現した。
本発明の組成物は、基準成分であるヒスチジンの結晶に
他の成分の微細粉末を、水をバインダーとして付着せし
めた後、当該混合粉末の水分をさらに調節して、これを
押し出し造粒機にかけて得られる造粒物を流動乾燥する
方法で製造されるか、または、本発明の組成物をその固
形分濃度が50〜70%になるように水に溶解した高濃度溶
液の形に製造されるのが通常である。
次に、本発明の組成物は、うま味調味料、風味調味料、
醤油、味噌及びソース等の調味料類、各種の麺つゆ等の
タレ類、和風ドレッシング等のドレッシング類、及び即
席みそ汁、おでんの素、ちらしずしの素及びふりかけ等
の加工食品類に、添加、混合もしくは溶解される事によ
り、これら広範囲の食品に、効率良く、かつ、安価に、
煮干ダシの呈味を付与する事が出来る。
なお、本発明の組成物の食品に対する添加量の範囲は、
食品により大きく変わるが、通常、それは0.5ないし80
%の範囲である。
以下、実施例において、さらに詳しく説明する。
実施例1 それぞれ微細に粉砕したヒスチジン塩酸塩・1水和物1
3.5g(ヒスチジンとして10.0g)、グルタミン酸ナトリ
ウム14.0g、5′−イノシン酸ナトリウム15.5g、クレア
チン13.3g、クレアチニン5.0g、乳酸カルシウム67.0g、
塩化ナトリウム44.4g、塩化カリウム24.3g、リン酸1ナ
トリウム(無水)13.8g、及びリン酸2ナトリウム(無
水)12.0gを秤取し乳鉢で磨砕混合して実施例1で用い
る本発明の組成物を作成した。
次に、当該組成物を75g秤取し、これに一般用「味の
素」25gを加えた後、この混合物を乳鉢でさらに磨砕混
合する事により複合調味料100gを調製した。
次に、当該複合調味料6.0gを蒸溜水1に溶解して、以
下に述べる味覚試験の被験液Aを作成した。また、一般
用「味の素」1.5gを蒸溜水1に溶解して、被験液Bを
作成した。
また、昭和61年4月に、香川県沖で漁獲され、直ちに煮
干に加工されたヒラコ小羽煮干の1尾、1尾について、
手で胴、頭、及び内臓の部位に別けた。胴部31.1g、頭
部4.5g、及び内臓部4.4gを粉砕することなく、そのまま
ビーカーに秤取した後、蒸溜水1を加え、室温に放置
して30分間浸漬後、火にかけて、30分間微沸とうせしめ
た。しかる後、熱時、当該加熱物を布で漉して、不溶
物を除いて、天然煮干ダシを作成した。次に当該天然煮
干ダシ固形分濃度を測定したところ、それは、0.45%
(wt./wt.)であった。次に、当該天然煮干ダシの全量
をビーカーに秤取し、これに、一般用「味の素」1.5gを
添加し、溶解する事により、味覚試験の対照液を作成し
た。
次に、20人の熟練した味覚審査員に被験液A、被験液
B、及び対照液を、夫々、40mlずつセットにして提供
し、これら3つの液を味わい比べて、被験液A、被験液
Bのどちらの味が対照液に類似するかについて判定させ
た。その結果、味覚審査員の全員が被験液Aが対照液に
近似すると答えた。
実施例2 味の素KKのほんだし「いりこだし」顆粒70gに実施例1
で用いたものと、全く同一の、本発明の組成物30gを加
え、これを乳鉢で良く磨砕混合して粉末とした。
次に、当該粉末10g、食塩8g及び醤油3mlを1の蒸溜水
に添加、溶解せしめる事により被験液Cを作成した。
また、ほんだし「いりこだし」顆粒7g、食塩8g及び醤油
3mlを1の蒸溜水に添加、溶解せしめる事により被験
液Dを作成した。
次に、20人の熟練した味覚審査員に、被験液Cならびに
被験液Dを40mlずつ約60℃に加温した状態で、ペアにし
て提供し、この2つの液を味わい比べて、どちらの被験
液が、煮干のダシが効いた、美味しいおすましか、につ
いて判定させた。その結果、味覚審査員の全員が、被験
液Cの方が煮干のダシが効いており、美味しいと答え
た。
実施例3 ヒスチジン塩酸塩・1水和物13.5g(ヒスチジンとして1
0.0g)、グルタミン酸カリウム14.0g、5′−グアニル
酸ナトリウム7.5g、クレアチン10.0g、クレアチニン6.0
g、塩化ナトリウム44.4g、塩化カリウム24.3g、リン酸
1ナトリウム(無水)13.8g、及びリン酸2ナトリウム
(無水)12.0gを秤取し、乳鉢で良く磨砕混合した。
当該混合物をビーカーに容れ、水を130g加えた後、加
温、混合して、当該混合物を完全に水に溶解せしめた。
然る後、50%乳酸溶液39.0g(乳酸として19.5g)を加
え、更に良く混合する事により、実施例3で用いる本発
明の後状組成物(固形分濃度約50%)を作成した。
次に、永坂更科(株)製、4倍濃縮タイプのそばつゆ商
品200gに、本発明の液状組成物3.6g添加し、撹拌して、
良く溶解せしめた。しかる後、当該溶解物1に対して水
3の割合で薄めて、味覚試験の被験液Eを作成した。
また、本発明の液状組成物を添加しない上記のそばつゆ
商品そのもの、1に対して水3の割合で薄めて、味覚試
験の被験液Fを作成した。
次に20人の熟練した味覚審査員に、被験液Eならびに被
験液Fを40mlずつ、ペアにして提供し、この2つの液を
味わい比べて、どちらの被験液が、いわゆるダシの効い
た、美味しい、そばつゆであるかについて判定させた。
その結果、味覚審査員の全員が、被験液Eの方がそばつ
ゆとして、かつお節のダシに煮干のダシが付加されてい
て、いわゆるダシの効いた美味しいそばつゆであると答
えた。
実施例4 通常の味噌90gに、味の素KKの「ほんだし」かつお風
味、顆粒7gを添加し、良く混合した後、1のお湯に溶
解せしめて、味覚試験の被験液Gを作成した。
また、同一の味噌90gに、味の素KKの「ほんだし」かつ
お風味、顆粒7g、及び実施例3の本発明の液状組成物4.
5gを夫々添加し、良く混合した後、1のお湯に溶解せ
しめて、味覚試験の被験液Hを作成した。
次に、20人の熟練した味覚検査員に、被験液Gならびに
被験液Hを40mlずつ、ペアにして提供し、この2つの液
を味わい比べて、どちらの被験液が、いわゆるダシの効
いた、美味しい、味噌汁であるかについて判定させた。
その結果、味覚審査員の全員が、被験液Hの方が味噌汁
として、かつお節のダシに煮干のダシが付加されてい
て、いわゆるダシの効いた美味しい味噌汁であると答え
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒスチジン100部(重量)に対して、グル
    タミン酸ナトリウム8〜20部もしくは、グルタミン酸カ
    リウム9〜22部、5′−イノシン酸ナトリウム100〜210
    部、もしくは、5′−グアニル酸ナトリウム50〜105
    部、クレアチン65〜200部、クレアチニン40〜60部、乳
    酸170〜220部、もしくは乳酸カルシウム580〜750部、カ
    リウムイオン(K+)120〜135部、ナトリウムイオン(Na
    +)200〜280部、塩酸イオン(Cl-)300〜400部、及びリ
    ン酸イオン(PO4 -3)140〜190部から成る組成物を、食
    品に対して0.5%ないし80%添加する事を特徴とする食
    品に煮干ダシの呈味を付与する方法。
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