JPH07264785A - 圧縮機用電動機の回転子 - Google Patents

圧縮機用電動機の回転子

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JPH07264785A
JPH07264785A JP7025992A JP2599295A JPH07264785A JP H07264785 A JPH07264785 A JP H07264785A JP 7025992 A JP7025992 A JP 7025992A JP 2599295 A JP2599295 A JP 2599295A JP H07264785 A JPH07264785 A JP H07264785A
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正晴 内堀
Tomonori Kinoshita
知則 木下
Takashi Miyauchi
貴 宮内
Keishiro Igarashi
恵司郎 五十嵐
Kazuhiko Arai
和彦 新井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転子鉄心の強度を維持しつつ、運転効率を
向上させることができる圧縮機用電動機の回転子を提供
する。 【構成】 回転子鉄心の突極部28〜31内にスロット
41〜44を形成し、このスロット41〜44内に磁性
体45を配設すると共に、回転子鉄心の外径を40mm
〜70mm、スロット41〜44と突極部28〜31側
壁間の狭路幅を0.3mm以上0.5mm未満とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧縮機用電動機の回転
子の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に従来の圧縮機用電動機の回転子の
構造としては、特開昭57−52359号公報に記載さ
れたようなものがあった。この公報に記載されたものは
金属製のパイプの中に予め積層した回転子鉄心、磁性体
(永久磁石)を配置した後、ダイカストによってこれら
のパイプ、回転子鉄心、磁性体を一体に構成したもので
あった。
【0003】また他の従来技術としては、特開平2−2
46748号公報に記載されたようなものがあった。こ
の公報に記載されたものも前記公報に記載されたものと
同様に金属製のパイプに中に予め積層した回転子鉄心、
磁性体(永久磁石)を配置した後、クランプピンによっ
てこれらの回転子鉄心を一体に構成したものであった。
この際、隣り合う磁性体間に空隙によるエアギャップ部
を設けて磁性体の極分離を確保し、効率の向上を図った
ものであった。
【0004】また、他の従来技術としては、特公昭60
−23584号公報に記載されたようなものもあった。
この公報に記載されたものは、回転子の鉄心内に磁極に
なる磁性体を挿入(埋め込み)したものであった。特
に、この公報に記載されたものは、自己始動可能な同期
電動機に関するものであった。
【0005】更に、他の従来技術としては、特開平4−
185247号公報に記載されたようなものもあった。
この公報に記載されたものは、突極構造を有する回転子
鉄心の突極部に磁性体を埋め込んで回転子を構成したも
のであった。特に、この公報に記載されたものは磁性体
を埋め込んだ回転子鉄心及び回転子鉄心の両端面を覆う
端面部材を回転軸に圧入することによって一体に構成さ
せるものであった。
【0006】そして、係る電動機を駆動する場合には、
例えば特公平5−10039号公報に示されるように、
回転子の周囲に所定のギャップを存して配置された固定
子巻線の各相に所定のタイミングにて通電(直流電流)
を行い、それによって、回転子周囲に回転磁界を形成し
て、この磁界と磁性体との反発・吸引作用により、回転
子を回転させるものであった。
【0007】特に、上記公報では非通電状態の固定子巻
線に生じる誘起電圧を検出することにより、回転子の回
転位置を検出して上記各相への通電切換の制御を行って
いた。係る構成によれば、回転子の回転位置検出用の格
別なホール素子等が不要となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ここで、磁性体を挿入
する回転子鉄心のスロットと突極部の側壁間の狭路幅が
大きくなると、磁極(磁性体)間における漏れ磁束が増
大して電動機の運転効率が低下する。しかしながら、こ
の狭路幅を縮小し過ぎると今度は鉄心の強度が低下して
しまう問題があった。
【0009】本発明は、係る従来の技術的課題を解決す
るために成されたものであり、回転子鉄心の強度を維持
しつつ、運転効率を向上させることができる圧縮機用電
動機の回転子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の圧縮機用電動機
の回転子は、突極構造の回転子鉄心内に磁性体を有する
ものであって、回転子鉄心の突極部内にスロットを形成
し、このスロット内に磁性体を配設すると共に、回転子
鉄心の外径を40mm〜70mm、スロットと突極部側
壁間の狭路幅を0.3mm以上0.5mm未満としたも
のである。
【0011】請求項2の発明の圧縮機用電動機の回転子
は、突極構造の回転子鉄心内に磁性体を有するものであ
って、回転子鉄心の突極部内にスロットを形成し、この
スロット及び磁性体の断面形状を長方形状、所定幅の円
弧形状、若しくは一辺が直線で対向する一辺が円弧状の
形状としてこのスロット内に磁性体を配設すると共に、
回転子鉄心の外径を40mm〜70mm、スロットと突
極部側壁間の狭路幅を0.3mm以上0.5mm未満と
したものである。
【0012】請求項3の発明の圧縮機用電動機の回転子
は、突極構造の回転子鉄心内に磁性体を有するものであ
って、回転子鉄心の突極部内にスロットを形成し、この
スロット内に磁性体を配設すると共に、回転子鉄心の外
径を40mm〜70mm、スロットと突極部側壁間の狭
路幅を0.3mm以上0.5mm未満とし、磁性体とし
てプラセオジウム系磁石、若しくは表面にニッケルメッ
キ又はアルミイオンプレーティング或いは樹脂塗装を施
したネオジウム系磁石を用いたものである。
【0013】請求項4の発明の圧縮機用電動機の回転子
は、突極構造の回転子鉄心内に磁性体を有するものであ
って、回転子鉄心は、厚さ寸法0.3mm〜0.7mm
の回転子用鉄板を複数枚積層し、かしめ、若しくは溶接
により固着して構成すると共に、磁性体を挿入した状態
で両端面に非磁性材料から成る端面部材を設けた後に全
体を貫通するリベット材でかしめて構成し、且つ、回転
子鉄心の突極部内にスロットを形成し、このスロット内
に磁性体を配設すると共に、回転子鉄心の外径を40m
m〜70mm、スロットと突極部側壁間の狭路幅を0.
3mm以上0.5mm未満としたものである。
【0014】請求項5の発明の圧縮機用電動機の回転子
は、突極構造の回転子鉄心内に磁性体を有するものであ
って、回転子鉄心は、貫通孔を穿設した厚さ寸法0.3
mm〜0.7mmの回転子用鉄板を複数枚積層し、かし
め、若しくは溶接により固着して構成すると共に、磁性
体を挿入した状態で両端面に非磁性材料から成る端面部
材を設けた後、貫通孔に挿通されて全体を貫通するリベ
ット材でかしめて構成し、且つ、回転子鉄心の突極部内
にスロットを形成し、このスロット内に磁性体を配設す
ると共に、回転子鉄心の外径を40mm〜70mm、ス
ロットと突極部側壁間の狭路幅を0.3mm以上0.5
mm未満としたものである。
【0015】
【作用】本発明の圧縮機用電動機の回転子によれば、回
転子鉄心の突極部内にスロットを形成し、このスロット
内に磁性体を配設すると共に、回転子鉄心の外径を40
mm〜70mmとし、且つ、スロットと突極部側壁間の
狭路幅を0.3mm以上0.5mm未満としたので、回
転子鉄心の強度を維持しつつ、磁極間における漏れ磁束
を減少させて電動機の運転効率を向上させることができ
る。
【0016】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の実施例を詳述す
る。図1は本発明を適用する圧縮機Cの縦断側面図であ
る。この図において、1は密閉容器であり、内部の上側
に電動機(ブラシレスDCモータ)2、下側にこの電動
機2で回転駆動される圧縮要素3が収納されている。密
閉容器1は予め2分割されたものに電動機2、圧縮要素
3を収納した後、高周波溶着などによって密閉されたも
のである。
【0017】電動機2は、密閉容器1の内壁に固定され
た固定子4と、この固定子4の内側に回転軸6を中心に
して回転自在に支持された回転子5とから構成されてい
る。そして、固定子4は回転子5に回転磁界を与える固
定子巻線7を備えている。
【0018】圧縮要素3は中間仕切板8で仕切られた第
1のロータリー用シリンダ9及び第2のロータリー用シ
リンダ10を備えている。各のシリンダ9、10には回
転軸6で回転駆動される偏心部11、12が取り付けら
れており、これら偏心部11、12は偏心位置がお互い
に180度位相がずれている。
【0019】13、14はそれぞれシリンダ9、10内
を回転する第1のローラ、第2のローラであり、それぞ
れ偏心部11、12の回転でシリンダ内を回る。15、
16はそれぞれ第1の枠体、第2の枠体であり、第1の
枠体15は仕切板8との間にシリンダ9の閉じた圧縮空
間を形成させ、第2の枠体16は同様に仕切板8との間
にシリンダ10の閉じた圧縮空間を形成させている。ま
た、第1の枠体15、第2の枠体16はそれぞれ回転軸
6の下部を回転自在に軸支する軸受部17、18を備え
ている。
【0020】19、20は吐出マフラーであり、それぞ
れ第1の枠体15、第2の枠体16を覆うように取付ら
れている。尚、シリンダ9と吐出マフラー19は第1の
枠体15に設けられた図示しない吐出孔にて連通されて
おり、シリンダ10と吐出マフラー20も第2の枠体1
6に設けられた図示しない吐出孔にて連通されている。
21は密閉容器1の外部に設けられたバイパス管であ
り、吐出マフラー20の内部に連通している。
【0021】22は密閉容器1の上に設けられた吐出管
であり、23、24はそれぞれシリンダ9、10へつな
がる吸入管である。また、25は密閉ターミナルであ
り、密閉容器1の外部から固定子4の固定子巻線7へ電
力を供給するものである(密閉ターミナル25と固定子
巻線7とをつなぐリード線は図示せず)。
【0022】図2は、図1に示した回転子5の一部縦断
側面図、図3は平面図である(回転軸6に圧入する前の
状態)。各図において、26は回転子鉄心であり、厚さ
0.3mm〜0.7mmの電磁鋼板から図4の如き形状
に打ち抜いた回転子用鉄板27を複数枚積層し、お互い
にかしめて一体に積層されている。各回転子用鉄板27
・・は、かしめによらずに外周面を溶接して一体化して
も良い。
【0023】この回転子用鉄板27は、図4に示す如く
四極の磁極を構成する突極部28〜31が形成されるよ
うに電磁鋼板から打ち抜かれており、32〜35はそれ
ぞれの突極部28〜31間に突極部が形成されるように
設けられた切欠部である。このとき、各突極部28〜3
1の頂点間の外径Dは40mm〜70mmの範囲とさ
れ、実施例では例えば50mmである。
【0024】41〜44は後述する磁性体45(永久磁
石)を圧入するためのスロットであり、各突極部28〜
31に対応し、回転子用鉄板27の外周側において、回
転軸6の軸方向に沿って同心円上に穿設されている。そ
して、各スロット41〜44と隣接する突極部28〜3
1の側壁間の狭路幅dは0.3mm以上0.5mm未満
とされている。
【0025】このように、回転子用鉄板27、即ち、回
転子鉄心26の外径Dを40mm〜70mmとし、且
つ、スロット41〜44と突極部28〜31の側壁間の
狭路幅dを0.3mm以上0.5mm未満としたので、
回転子鉄心26の強度を維持しつつ、磁極(磁性体4
5)間における漏れ磁束を減少させて電動機2の運転効
率を高くすることができる。
【0026】また、46は回転子用鉄板27の中心に形
成され、回転軸6が焼バメされる孔である。47〜50
は後述するかしめ用のリベット51〜54が通される大
きさと形状の貫通孔であり、各スロット41〜44の内
側に対応して穿設されている。56〜59は各回転子用
鉄板27・・相互をかしめ固定するためのかしめ部であ
り、各貫通孔47〜50とほぼ同心円上で各スロット4
1〜44の間に形成されている。更に、61〜64は各
かしめ部56〜59の内側に穿設されたオイル通路を形
成するための孔である。
【0027】各回転子用鉄板27・・は複数枚積層した
後、前記かしめ部56〜59において相互にかしめて一
体化することにより、図5の側面図に示す如き回転子鉄
心26を形成する。このとき、回転子鉄心26の外径は
前述の回転子用鉄板27の外径D(50mm)であり、
回転軸6方向の積層寸法Lは、例えば40mmとされて
いる。ここで、前記外径Dと寸法Lの比L/Dは1.1
より小さくなるように形成し、実施例では0.8とな
る。即ち、回転軸6方向の寸法Lが小さくなるように設
定する。
【0028】一方、磁性体45は、例えばプラセオジウ
ム系磁石、若しくは表面にニッケルメッキを施したネオ
ジウム系磁石等の希土類系磁石材にて構成されており、
その外形は図6に示す如き断面長方形状の全体としては
矩形状とされている。そして、磁性体45の厚さtは例
えば2.65mmとし、その回転軸6方向の寸法lは前
述の寸法Lと同じ40mmとする。ここで、前記厚さt
と寸法lの比t/lは0.08より小さくなるように形
成し、実施例では0.066とする(尚、各スロット4
1〜44は、この磁性体45がきっちり圧入される大き
さとされている)。
【0029】ここで、図7は界磁を構成する磁性体45
として使用する永久磁石であるフィライト系磁石材と上
述の如き希土類系磁石材の減磁曲線を示し、縦軸は磁束
密度B、横軸は保持力Hcを示している。尚、同図中、
破線で示したのが一般的なフェライト系磁石材の場合、
実線で示したのが一般的な希土類系磁石材の場合で、T
1は+25℃、T2は+150℃の各場合である。
【0030】同図より分かる通り、希土類系磁石材は、
フェライト系磁石材に比して残留磁束密度Br及び保持
力Hc共に大きく、磁気エネルギー積もきわめて大き
い。従って、磁石面積を小さくしても必要なギャップ磁
束数を確保でき、所要の出力を得ることが可能となる。
【0031】ここで、回転軸6は前述の如く下部の軸受
部17、18によって軸支された片持ち式であるため、
回転子5の回転軸6方向の寸法が大きくなると、前述し
た如く特に高速回転時において大きな振れが発生し、振
動・騒音が増大すると共に、信頼性及び運転効率が共に
低下する。
【0032】しかしながら、実施例では、積層された回
転子鉄心26内に設ける磁性体45を係る希土類系磁石
材としたので、従来の如きフェライト系磁石材を用いた
場合に比して、所要の出力を維持しつつ、回転子鉄心2
6の寸法を縮小することができるようになり、回転子5
の振れによって発生する振動・騒音を低減して信頼性及
び運転効率の向上を図ることが可能となる。
【0033】特に、回転子鉄心26の直径Dと回転軸6
方向の寸法Lとの比L/Dを1.1より小さくして、回
転子鉄心26の寸法縮小を専ら回転軸6方向の寸法Lの
縮小に当てたので、回転子鉄心26の直径、或いは圧縮
機Cの密閉容器1の外径変更による製造設備等の変更の
必要性を解消することができるようになる。また、磁性
体45の厚さ寸法tと回転軸6方向の寸法lとの比t/
lを0.08より小さくしたので、比較的高価な希土類
系磁石材を用いたことによるコストの高騰を解消若しく
は最小限に抑えることができる。
【0034】次に、66、67は回転子鉄心26の上下
端に取り付けられる平板状の端面部材であり、アルミニ
ウムや樹脂材料等の非磁性材料により、前記回転子用鉄
板27と略同形状に成形されている。尚、この端面部材
66、67の外径は前記回転子鉄心26の外径Dより小
さくされている。また、端面部材66、67には前記貫
通孔47〜50に対応する位置に貫通孔71〜74が穿
設され、前記孔46及び61〜64に対応する位置に孔
76及び77〜80が穿設されている。
【0035】更に、この端面部材66、67の孔76
(内径)は、前記回転子用鉄板27の孔46(回転子鉄
心26の内径)よりも大きくされ、端面部材66、67
の貫通孔71〜74の直径は、回転子用鉄板27の貫通
孔47〜50よりも大きくされている。
【0036】そして、回転子鉄心26のスロット41〜
44内に前記磁性体45を圧入した後、上下の端面部材
66、67をセットしてスロット41〜44の上下を塞
ぐ。この状態で貫通孔47〜50及び71〜74は回転
子鉄心26及び端面部材66、67を回転軸6方向に沿
って貫通している。また、孔61〜64及び77〜80
は回転子鉄心26と端面部材66、67を貫通してい
る。その後、前記リベット51〜54を各貫通孔47〜
50及び71〜74に挿通させ、上下をかしめて回転子
5を一体に構成した後、孔46に回転軸6を圧入して回
転子5を回転軸6に焼バメ固定する。尚、Aはバランス
ウエイトであり、上方の端面部材66と共にリベット5
1にて回転子鉄心26に固定されている。
【0037】このように、回転子5を回転軸6に圧入す
る前に一体に構成しているので、回転子5の寸法精度を
高く維持することができる。また、非磁性材料から成る
端面部材66、67を用いて一体化しているので、従来
の如き金属パイプやダイカストによる2次導体がなくな
り、これらの構成による渦電流の発生も防止することが
できる。
【0038】更に、端面部材66、67の外径を前記回
転子鉄心26の外径Dより小さくし、且つ、端面部材6
6、67の孔76(内径)を、回転子用鉄板27の孔4
6(回転子鉄心26の内径)よりも大きくしたので、端
面部材66、67を回転子鉄心26に組み付けたとき
に、それらの外径或いは内径が回転子鉄心26の外側或
いは内側にはみ出すことがなくなる。また、端面部材6
6、67の貫通孔71〜74の直径を、回転子用鉄板2
7の貫通孔47〜50よりも大きくしているので、貫通
孔71〜74の位置が貫通孔47〜50と多少ずれて
も、リベット51〜54を貫通させるのに支障を来さな
い。
【0039】従って、端面部材66、67の内外径及び
貫通孔71〜74の直径の加工公差を緩くすることがで
きる。また、端面部材66、67と回転子鉄心26の組
立時における内径、外径及び各貫通孔の寸法合わせが容
易となる。
【0040】ここで、各磁性体45によって回転子鉄心
26内に形成される磁界の状態を図8に示す。このと
き、隣接する例えばスロット42、43に圧入された磁
性体(磁極)45、45間には同図中破線で示す如く、
切欠部33を中心とした略同心円状の磁界が形成される
(他の隣接する磁性体45、45間も同様)。
【0041】一方、貫通孔47〜50は各磁性体45・
・・の内側に対応して穿設されているので、ギャップで
ある貫通孔47〜50が、隣接する磁性体45、45間
に渡って形成される磁路の中心部から周辺部へと外れ、
係る磁界の磁気抵抗になり難くなる。従って、磁界の乱
れが生じ難くなり、貫通孔47〜50が電動機2に与え
る悪影響を最小限に抑えて、電動機出力の向上を図るこ
とが可能となる。
【0042】また、各回転子用鉄板27・・のかしめ部
56〜59及び孔61〜64を各貫通孔47〜50間に
配置したので、かしめ部56〜59を回転子鉄心26の
外周側に位置させることができるようになる。従って、
かしめによる回転子用鉄板27・・の固定強度が向上す
る。ここで、上記配置によってかしめ部56〜59及び
孔61〜64は磁界の中心部に移動することになるが、
回転子用鉄板27のかしめ部56〜59や孔61〜64
は、通常貫通孔47〜50に比して極小のギャップであ
るため、磁界に与える影響も少ない。
【0043】次に、本発明における電動機2の動作につ
いて、図9〜図14を参照しながら説明する。図10〜
図12は固定子4の固定子巻線7の結線図、図13及び
図14は固定子4の平面図を示している。固定子巻線7
は、外側から順にU相、V相、W相の3相巻線から構成
されており、それらがそれぞれ四極を構成するよう図1
3及び図14に示す如く、U1〜U4、V1〜V4、及
びW1〜W4に分かれて回転子5の周囲に設けられてい
る。
【0044】そして、複数のトランジスタ等のスイッチ
ング素子から構成されたインバータ装置等の図示しない
制御装置により、固定子巻線7の各U相、V相、W相に
は図9に示す如く、パターン1〜パターン6の順で直流
電流が通電される。そして、各パターン1〜パターン6
を通電した場合の固定子4の内周における磁界の分布
(合成磁界)を図10〜図12の結線図に示す。
【0045】尚、各図のパターン番号は相互に一致し、
また、図13及び図14における丸で囲んだNは、図1
0〜図12における丸で囲んだNに対応している。ま
た、実施例ではスロット41と43の磁性体45はN
極、スロット42と44の磁性体45はS極とし、更
に、制御装置は同極どうしの反発作用により回転子5の
突極部28〜31(内の磁性体45)を押すタイミング
で固定子巻線7に通電するものとする。
【0046】図9のパターン1からパターン2に移ると
磁界は30度回転する。従って、パターン1〜パターン
6まで進行すると、磁界は180度回転することにな
り、図10〜図12の結線図中に示す如く、合成磁界は
360度で2周期存在する。回転子5は、係る合成磁界
と各磁性体45から生ずる磁界との反発作用により、固
定子巻線7に印加される電圧と負荷とがバランスする速
度(印加電圧を変えることによって500rpm〜10
000rpmの範囲で可変される)で前述の如く図4中
時計回りに回転する(即ち、回転子5も1パターンで3
0度回転する)。回転子5の回転によって回転軸6は回
転し、それによって偏心部11及び12が回転すること
により、第1及び第2のローラ13、14が回転して圧
縮作用を発揮する。
【0047】尚、実施例では磁性体45及びスロット4
1〜44を断面長方形状としたが、それに限らず、所定
幅の円弧形状、若しくは一辺が直線で対向する一辺が円
弧状の形状としても良い。
【0048】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明によれば回転
子鉄心の突極部内にスロットを形成し、このスロット内
に磁性体を配設すると共に、回転子鉄心の外径を40m
m〜70mmとし、且つ、スロットと突極部側壁間の狭
路幅を0.3mm以上0.5mm未満としたので、回転
子鉄心の強度を維持しつつ、磁極間における漏れ磁束を
減少させて電動機の運転効率を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する圧縮機の縦断側面図である。
【図2】本発明の回転子の一部縦断側面図である。
【図3】本発明の回転子の平面図である。
【図4】本発明の回転子を構成する回転子用鉄板の平面
図である。
【図5】本発明の回転子を構成する回転子鉄心の側面図
である。
【図6】本発明の回転子を構成する磁性体の斜視図であ
る。
【図7】磁性体として使用される永久磁石の減磁曲線を
示す図である。
【図8】本発明の回転子を構成する回転子鉄心の平面図
である。
【図9】固定子巻線への通電パターンを示すタイミング
チャートである。
【図10】図9の通電パターン1〜パターン2における
固定子内周の磁界の分布を示す固定子巻線の結線図であ
る。
【図11】図9の通電パターン3〜パターン4における
固定子内周の磁界の分布を示す固定子巻線の結線図であ
る。
【図12】図9の通電パターン5〜パターン6における
固定子内周の磁界の分布を示す固定子巻線の結線図であ
る。
【図13】図9の通電パターン1〜パターン4における
固定子内周の磁界の分布を示す固定子の平面図である。
【図14】図9の通電パターン5〜パターン6における
固定子内周の磁界の分布を示す固定子の平面図である。
【符号の説明】
C 圧縮機 2 電動機 4 固定子 5 回転子 6 回転軸 7 固定子巻線 26 回転子鉄心 27 回転子用鉄板 28〜31 突極部 41〜44 スロット 45 磁性体 47〜50 貫通孔 56〜59 かしめ部 66、67 端面部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五十嵐 恵司郎 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 新井 和彦 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 突極構造の回転子鉄心内に磁性体を有す
    る圧縮機用電動機の回転子において、前記回転子鉄心の
    突極部内にスロットを形成し、このスロット内に磁性体
    を配設すると共に、前記回転子鉄心の外径を40mm〜
    70mm、前記スロットと突極部側壁間の狭路幅を0.
    3mm以上0.5mm未満としたことを特徴とする圧縮
    機用電動機の回転子。
  2. 【請求項2】 突極構造の回転子鉄心内に磁性体を有す
    る圧縮機用電動機の回転子において、前記回転子鉄心の
    突極部内にスロットを形成し、このスロット及び前記磁
    性体の断面形状を長方形状、所定幅の円弧形状、若しく
    は一辺が直線で対向する一辺が円弧状の形状としてこの
    スロット内に磁性体を配設すると共に、前記回転子鉄心
    の外径を40mm〜70mm、前記スロットと突極部側
    壁間の狭路幅を0.3mm以上0.5mm未満としたこ
    とを特徴とする圧縮機用電動機の回転子。
  3. 【請求項3】 突極構造の回転子鉄心内に磁性体を有す
    る圧縮機用電動機の回転子において、前記回転子鉄心の
    突極部内にスロットを形成し、このスロット内に磁性体
    を配設すると共に、前記回転子鉄心の外径を40mm〜
    70mm、前記スロットと突極部側壁間の狭路幅を0.
    3mm以上0.5mm未満とし、前記磁性体としてプラ
    セオジウム系磁石、若しくは、表面にニッケルメッキ又
    はアルミイオンプレーティング或いは樹脂塗装を施した
    ネオジウム系磁石を用いたことを特徴とする圧縮機用電
    動機の回転子。
  4. 【請求項4】 突極構造の回転子鉄心内に磁性体を有す
    る圧縮機用電動機の回転子において、前記回転子鉄心
    は、厚さ寸法0.3mm〜0.7mmの回転子用鉄板を
    複数枚積層し、かしめ、若しくは溶接により固着して構
    成すると共に、磁性体を挿入した状態で両端面に非磁性
    材料から成る端面部材を設けた後に全体を貫通するリベ
    ット材でかしめて構成し、且つ、回転子鉄心の突極部内
    にスロットを形成し、このスロット内に磁性体を配設す
    ると共に、前記回転子鉄心の外径を40mm〜70m
    m、前記スロットと突極部側壁間の狭路幅を0.3mm
    以上0.5mm未満としたことを特徴とする圧縮機用電
    動機の回転子。
  5. 【請求項5】 突極構造の回転子鉄心内に磁性体を有す
    る圧縮機用電動機の回転子において、前記回転子鉄心
    は、貫通孔を穿設した厚さ寸法0.3mm〜0.7mm
    の回転子用鉄板を複数枚積層し、かしめ、若しくは溶接
    により固着して構成すると共に、磁性体を挿入した状態
    で両端面に非磁性材料から成る端面部材を設けた後、前
    記貫通孔に挿通されて全体を貫通するリベット材でかし
    めて構成し、且つ、回転子鉄心の突極部内にスロットを
    形成し、このスロット内に磁性体を配設すると共に、前
    記回転子鉄心の外径を40mm〜70mm、前記スロッ
    トと突極部側壁間の狭路幅を0.3mm以上0.5mm
    未満としたことを特徴とする圧縮機用電動機の回転子。
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Cited By (6)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003012298A1 (fr) * 2001-07-31 2003-02-13 Sawafuji Electric Co., Ltd. Compresseur rotatif et son dispositif de commande
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JP2005287296A (ja) * 2005-06-06 2005-10-13 Hitachi Ltd 永久磁石式回転電機及びそれを用いた電動車両
JP2010504726A (ja) * 2006-09-22 2010-02-12 シンクロパルス・リミテッド 磁束インパルスモータ
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JP2017147877A (ja) * 2016-02-18 2017-08-24 三菱電機株式会社 モータ及びモータの製造方法

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