JP3485909B2 - 密閉型圧縮機 - Google Patents
密閉型圧縮機Info
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Description
を有する圧縮機用電動機に関し、特に前記回転子の改良
構成に関するものである。
構造としては、特開昭57−52359号公報に記載さ
れたようなものがあった。この公報に記載されたものは
金属製のパイプの中に予め積層した回転子鉄心、磁性体
(永久磁石)を配置した後、ダイカストによってこれら
のパイプ、回転子鉄心、磁性体を一体に構成したもので
あった。
46748号公報に記載されたようなものがあった。こ
の公報に記載されたものも前記公報に記載されたものと
同様に金属製のパイプに中に予め積層した回転子鉄心、
磁性体(永久磁石)を配置した後、クランプピンによっ
てこれらの回転子鉄心を一体に構成したものであった。
この際、隣り合う磁性体間に空隙によるエアギャップ部
を設けて磁性体の極分離を確保し、効率の向上を図った
ものであった。
−23584号公報に記載されたようなものもあった。
この公報に記載されたものは、回転子の鉄心内に磁極に
なる磁性体を挿入(埋め込み)したものであった。特
に、この公報に記載されたものは、自己始動可能な同期
電動機に関するものであった。
185247号公報に記載されたようなものもあった。
この公報に記載されたものは、突極構造を有する回転子
鉄心の突極部に磁性体を埋め込んで回転子を構成したも
のであった。特に、この公報に記載されたものは磁性体
を埋め込んだ回転子鉄心及び回転子鉄心の両端面を覆う
端面部材を回転軸に圧入することによって一体に構成さ
せるものであった。
従来の圧縮機用電動機(ブラシレスDCモータ)の回転
子においては、界磁を構成する磁性体としてストロンチ
ウムフェライト等のフェライト系磁石材が用いられてい
た。このフェライト系磁石材は、アルニコ系磁石材より
も保持力Hcが大きく、また、原料の単位重量当たりの
価格が低い等の利点があるものの、残留磁束密度Brは
最大でも約0.4(T)と小さく、磁気エネルギー積は
小さい。そのため、ギャップの磁束数を大きくして所要
の出力を得るためには、回転子の寸法を大きくしてギャ
ップの面積を大きくとる必要がある。
圧縮機の密閉容器の外径を変更することは、製造設備等
の大がかりな変更に繋がるため、事実上困難である。従
って、回転子の寸法拡大は一般的には回転子の直径の拡
大よりも軸方向の寸法を拡張することで対処され、従来
のフェライト系磁石材の場合には回転子鉄心の直径Dと
回転軸方向の寸法Lとの比L/Dが1.2〜1.4とさ
れ、電動圧縮機の軸方向が大きくなるものであった。
るために成されたものであり、所要の出力を維持しつ
つ、圧縮機用電動機の回転子の寸法縮小を図り、その信
頼性及び運転効率を向上させることを目的とする。
圧縮要素及びこの圧縮要素を回転軸を介して回転駆動す
る電動機を収納すると共に、前記圧縮要素を前記密閉容
器の内壁に固定される固定子と、厚さ0.3mm〜0.
7mmの電磁鋼板を積厚寸法/外径が0.8に成るよう
に積層し軸受部で支持される回転軸に固定される回転子
とから構成し、かつ前記回転子は前記固定子から生成さ
れる磁界に応じて前記回転子を回転軸を中心に回転させ
る希土類系磁石材による磁性体を備えるものである。
寸法lとの比t/lを0.08より小さくするものであ
る。
る永久磁石であるフィライト系磁石材と希土類系磁石材
の減磁曲線を示し、縦軸は磁束密度B、横軸は保持力H
cを示している。尚、同図中、破線で示したのが一般的
なフェライト系磁石材の場合、実線で示したのが一般的
な希土類系磁石材の場合で、T1は+25℃、T2は+
150℃の各場合である。同図より分かる通り、希土類
系磁石材は、フェライト系磁石材に比して残留磁束密度
Br及び保持力Hc共に大きく、磁気エネルギー積もき
わめて大きい。従って、磁石面積を小さくしても必要な
ギャップ磁束数を確保でき、所要の出力を得ることが可
能となる。
26内に設ける磁性体45を係る希土類系磁石材とした
ので、従来の如きフェライト系磁石材を用いた場合に比
して、所要の出力を維持しつつ、回転子鉄心26の軸方
向の寸法を縮小することが可能となる。
方向の寸法Lとの比L/Dを1.1より小さくして、回
転子鉄心26の寸法縮小を専ら回転軸6方向の寸法Lの
縮小に当てたので、回転子鉄心26の直径、或いは圧縮
機Cの密閉容器1の外径変更による製造設備等の変更の
必要性を解消することができるようになる。
鋼板を用いることにより回転子の表面に生じる渦電流を
せん断することができ磁性体の温度上昇を抑制できるも
のである。
法tと回転軸6方向の寸法lとの比t/lを0.08よ
り小さくすれば、比較的高価な希土類系磁石材を用いた
ことによるコストの高騰を解消若しくは最小限に抑える
ことができる。
例を詳述する。図1は本発明を適用する圧縮機Cの縦断
側面図である。この図において、1は密閉容器であり、
内部の上側に電動機(ブラシレスDCモータ)2、下側
にこの電動機2で回転軸を介して回転駆動される圧縮要
素3が収納されている。密閉容器1は予め2分割された
ものに電動機2、圧縮要素3を収納した後、高周波溶着
などによって密閉されたものである。
た固定子4と、この固定子4の内側に回転軸6を中心に
して回転自在に支持された回転子5とから構成されてい
る。そして、固定子4は回転子5に回転磁界を与える固
定子巻線7を備えている。
1のロータリー用シリンダ9及び第2のロータリーシリ
ンダ10を備えている。各々のシリンダ9、10には回
転軸6で回転駆動される偏心部11、12が取り付けら
れており、これら偏心部11、12は偏心位置がお互い
に180度位相がずれている。
を回転する第1のローラ、第2のローラであり、それぞ
れ偏心部11、12の回転でシリンダ内を回る。15、
16はそれぞれ第1の枠体、第2の枠体であり、第1の
枠体15は仕切板8との間にシリンダ9の閉じた圧縮空
間を形成させ、第2の枠体16は同様に仕切板8との間
にシリンダ10の閉じた圧縮空間を形成させている。ま
た、第1の枠体15、第2の枠体16はそれぞれ回転軸
6の下部を回転自在に軸支する軸受部17、18を備え
ている。
ぞれ第1の枠体15、第2の枠体16を覆うように取付
られている。尚、シリンダ9と吐出マフラー19は第1
の枠体15に設けられた図示しない吐出孔にて連通され
ており、シリンダ10と吐出マフラー20も第2の枠体
16に設けられた図示しない吐出孔にて連通されてい
る。21は密閉容器1の外部に設けられたバイパス管で
あり、吐出マフラー20の内部に連通している。
であり、23、24はそれぞれシリンダ9、10へつな
がる吸入管である。また、25は密閉ターミナルであ
り、密閉容器1の外部から固定子4の固定子巻線7へ電
力を供給するものである(密閉ターミナル25と固定子
巻線7とをつなぐリード線は図示せず)。
面図、図3は平面図である(回転軸6に圧入する前の状
態)。各図において、26は回転子鉄心であり、厚さ
0.3mm〜0.7mmの電磁鋼板から図4の如き形状
に打ち抜いた回転子用鉄板27を複数枚積層し、お互い
にかしめて一体に積層されている(尚、かしめによらず
に溶接にて一体化しても良い)。
四極の磁極を構成する突極部28〜31が形成されるよ
うに電磁鋼板から打ち抜かれており、32〜35はそれ
ぞれの突極部28〜31間に突極部が形成されるように
設けられた切欠部である。このとき、各突極部28〜3
1の頂点間の外径Dは40mm〜70mmの範囲とさ
れ、実施例では例えば50mmである。
石)を圧入するための挿入孔であり、各突極部28〜3
1に対応し、回転子用鉄板27の外周側において、回転
軸6の軸方向に沿って同心円上に穿設されている。そし
て、各挿入孔41〜44と隣接する突極部28〜31の
側壁間の狭路幅dは0.3mm以上0.5mm未満とさ
れている。
成され、回転軸6が焼バメされる孔である。47〜50
は後述するかしめ用のリベット51〜54が通される大
きさと形状の貫通孔であり、各挿入孔41〜44の内側
に対応して穿設されている。56〜59は各回転子用鉄
板27相互をかしめ固定するためのかしめ部であり、各
貫通孔47〜50とほぼ同心円上で各挿入孔41〜44
の間に形成されている。更に、61〜64は各かしめ部
56〜59の内側に穿設されたオイル通路を形成するた
めの孔である。
記かしめ部56〜59において相互にかしめられて一体
化されることにより、図5の側面図に示す如き回転子鉄
心26が形成される。このとき、回転子鉄心26の外径
は前述の回転子用鉄板27の外径D(50mm)であ
り、回転軸6方向の積層寸法Lは例えば40mmとされ
ている。ここで、前記外径Dと寸法Lの比L/Dは1.
1より小さくなるように形成し、実施例では0.8とな
る。即ち、回転軸6方向の寸法Lが小さくなるように設
定する。
ム系磁石、若しくは表面にニッケルメッキを施したネオ
ジウム系磁石等の希土類系磁石材にて構成されており、
その外形は図6に示す如き矩形状とされている。そし
て、磁性体45の厚さtは例えば2.65mmとし、そ
の回転軸6方向の寸法lは前述の寸法Lと同じ40mm
とする。ここで、前記厚さtと寸法lの比t/lは0.
08より小さくなるように形成し、実施例では0.06
6となる(尚、各挿入孔41〜44は、この磁性体45
がきっちり圧入される大きさとされている)。
りつけられる平板状の端面部材であり、アルミや樹脂材
料等の非磁性材料により、前記回転子用鉄板27と略同
形状に成形されている。尚、この端面部材66、67の
外径は前記回転子鉄心26の外径Dと同一若しくは若干
小さくする。また、端面部材66、67には前記貫通孔
47〜50に対応する位置に貫通孔71〜74が穿設さ
れ、前記孔59及び61〜64に対応する位置に孔76
及び77〜80が穿設されている。
4内に前記磁性体45を圧入した後、上下の端面部材6
6、67をセットして挿入孔41〜44の上下を塞ぐ。
この状態で貫通孔47〜50及び71〜74は回転子鉄
心26及び端面部材66、67を回転軸6方向に沿って
貫通している。また、孔61〜64及び77〜80は回
転子鉄心26と端面部材66、67を貫通している。そ
の後、前記リベット51〜54を各貫通孔47〜50及
び71〜74に挿通させ、上下をかしめて一体に構成す
る。尚、Aはバランスウエイトであり、上方の端面部材
66と共にリベット51にて回転子鉄心26に固定され
ている。
流電流を通電すると、磁性体45から生ずる磁界との反
発・吸引作用により、回転子5は固定子巻線7に印加さ
れる電圧と負荷とがバランスする速度(例えば印加電圧
を変えることによって500rpm〜10000rpm
の範囲で可変される)で前述の如く図4中時計回りに回
転する。回転子5の回転によって回転軸6は回転し、そ
れによって偏心部11、12が回転することにより、第
1及び第2のローラ13、14が回転して圧縮作用を発
揮する。
材45を、フェライト系磁石材に比して残留磁束密度B
r及び保持力Hc共に大きく、磁気エネルギー積もきわ
めて大きい希土類系磁石材としているので、従来の如き
フェライト系磁石材を用いた場合に比して、所要の出力
を維持しつつ、回転子鉄心26の寸法を縮小することが
できる。
と回転軸6方向の寸法Lとの比L/Dを0.8前後とし
て、回転子鉄心26の寸法縮小を専ら回転軸6方向の寸
法Lの縮小に当てたので、回転子鉄心26の直径、或い
は圧縮機Cの密閉容器1の外径変更による製造設備等の
変更の必要性を解消することができるようになる。
て、磁性体45の厚さ寸法tと回転軸6方向の寸法lと
の比t/lを0.08より小さくすれば、比較的高価な
希土類系磁石材を用いたことによるコストの高騰を解
消、若しくは最小限に抑えることもできる。
た回転子鉄心内に設ける磁性体を希土類系磁石材とした
ので、従来の如きフェライト系磁石材等を用いた場合に
比して、所要の電動機出力を維持しつつ、回転子鉄心の
軸方向の寸法を縮小することができるようになる。
寸法Lとの比L/Dを0.8前後とすれば、回転子鉄心
の寸法縮小を専ら回転軸方向の寸法Lの縮小に当てるこ
とになり、回転子鉄心の直径、或いは圧縮機の密閉容器
の外径変更による製造設備等の変更を行うことなく密閉
型圧縮機の小型化が図れるものである。
図である。
である。
る。
示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 密閉容器内に圧縮要素及びこの圧縮要素
を回転軸を介して回転駆動する電動機を収納すると共
に、前記圧縮要素を前記密閉容器の内壁に固定される固
定子と、厚さ0.3mm〜0.7mmの電磁鋼板を積厚
寸法/外径が0.8に成るように積層し軸受部で支持さ
れる回転軸に固定される回転子とから構成し、かつ前記
回転子は前記固定子から生成される磁界に応じて前記回
転子を回転軸を中心に回転させる希土類系磁石材による
磁性体を備えることを特徴とする密閉型圧縮機。 - 【請求項2】 磁性体の厚さ寸法tと回転軸方向の寸法
lとの比t/lを0.08より小さくすることを特徴と
する請求項1に記載の密閉型圧縮機。
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