JPH07264526A - 透過形大画面投写形ディスプレイ装置 - Google Patents

透過形大画面投写形ディスプレイ装置

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JPH07264526A
JPH07264526A JP5598894A JP5598894A JPH07264526A JP H07264526 A JPH07264526 A JP H07264526A JP 5598894 A JP5598894 A JP 5598894A JP 5598894 A JP5598894 A JP 5598894A JP H07264526 A JPH07264526 A JP H07264526A
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JP
Japan
Prior art keywords
sheet
tension
display device
screen
projection display
Prior art date
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Application number
JP5598894A
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English (en)
Inventor
Yukiaki Iwahara
幸明 岩原
Shoji Kuroda
祥二 黒田
Atsushi Kubota
敦 久保田
Masanori Ogino
正規 荻野
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 環境変化によるスクリ−ンの部分的な膨れや
しわの発生を防止する。 【構成】 観視者側(図面上、手前側)にあるフロントシ
ート1の上辺部裏面に接着片3が接着され、この接着片
3が図示しない投写源側にあるフレネルシート2の上辺
に乗せられてフロントシ−ト1が吊るされている。これ
らシート1,2は図示しない枠状のフレ−ムで囲われ、
全体的に前傾されていることより、観視者側に凸状に反
らせた状態にある。そして、フロントシ−ト1には、フ
ロントシ−ト1に固定されたクリップ4とフレネルシー
ト2との間に取り付けられたバネ部材5によって左右方
向に張力が付与されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透過形大画面投写形デ
ィスプレイ装置に係り、特に、2枚のシートからなり、
前傾されて観視者側に凸状をなし、少なくとも一方のシ
ートが厚さ約1mmの薄い拡散シートからなる透過形ス
クリーンに関する。
【0002】
【従来の技術】図18は110インチクラスの透過形大
画面投写形ディスプレイ装置のスクリーンの一従来例を
示す垂直断面図であって、1はフロントシート、2はフ
レネルシート、3はアクリル接着片、21は投写源、2
2は投写レンズ、23は投写形大画面スクリーンであ
る。
【0003】同図において、陰極線管や液晶パネルなど
の投写源21で映出された画像は、投写レンズ22を介
して110インチの透過形大画面スクリーン23上に拡
大投写される。観視者は、このスクリーン23の投写源
21とは反対側からこの投写画像を観視する。
【0004】スクリーン23は厚さが約1mmの両面レ
ンチキュラーレンズからなるフロントシート1と、この
フロントシート1の8〜12倍の厚さのフレネルシート
2とで構成されている。これらシート1,2の材質は主
としてアクリル材である。フロントシート1は観視者側
に、フレネルシート2は投写源21側に夫々位置付けら
れ、フレネルシート2の上辺にアクリルの接着片3が接
着され、この接着片3からフロントシート1を吊してい
る。
【0005】また、スクリーンの他の例としては、特許
番号第1636688号に記載されているように、フロ
ントシート1の方をフレネルシート2よりも大きく反せ
るようにしたものがあるし、また、特開平4ー2968
40号公報に記載のように、フロントシート1を上下方
向にバネでもって張力を付与しているものもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の透過形大画面投写形ディスプレイ装置におけるスク
リーン23には、次のような問題があった。
【0007】(1)図18で示した従来の110インチ
クラスのスクリーン23は、垂直に立てた厚さ約8〜1
2mmのフレネルシート2の上部の接着片3から厚さ約
1mmのフロントシート1を吊るしたものであるから、
温度や湿度の変化によってフロントシート1が伸縮する
と、接着片3での吊し部の摩擦抵抗によって部分的にカ
ーテン状のしわが発生したり、図19に示すように、ス
クリーン23を構成するシート1,2夫々の表裏伸縮差
により、フロントシート1が出射側(即ち、観視者側)
に、また、フレネルシート2が入射側(即ち、投写源2
1側)に大きく反って膨れるという、いわゆるバイメタ
ル効果が生じ、これにより、これらシート1,2間の最
大隙間dが約15mmにも達してしまい、フォーカス不
良や3色の色ずれ、外観不良などを発生させるという問
題があった。
【0008】(2)特許番号第1636688号に記載
のスクリーンにおいては、フロントシート1の方がフレ
ネルシート2よりも大きく反るように構成しているが、
100インチクラス以上の大画面スクリーンの場合、フ
ロントシート1が1mm程度と極く薄いときには、部分
的に膨れやしわが発生するという問題があった。
【0009】(3)特開平4ー296840号公報に記
載のスクリーンにおいては、膨れを防するために、フロ
ントシート1の上下にバネを取り付けて張力を付与して
いるが、カーテン状のしわが発生するという問題があっ
た。また、フロントシートの切断公差でバネ取付けの支
点が移動し、バネの伸び量が変わってバネの張力が変化
してしまうという問題もあった。
【0010】本発明の目的は、かかる問題点を解消し、
環境変化による影響を防止し、優れた画質の投写画像を
得ることができるスクリーンを備えた透過形大画面投写
形ディスプレイ装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、少なくとも観視者側に配置される極く薄
い方の第1のシートの上端部を吊るし、第2のシートと
ともに所定の傾斜角で前傾されることにより、予じめ観
視者側へ凸状に反し、該第1のシートに少なくとも吊し
部の摩擦力以上の張力が左右方向に付与する手段を設け
る。
【0012】また、本発明は、前記第2のシートの表裏
伸縮差変動が±300PPM以内であって、観視者側へ
の凸状の反りが凹状に反転しないように、前記第2のシ
ートの厚さと前記傾斜角とを設定する。
【0013】さらに、本発明は、前記第1のシートの表
裏伸縮差変動が±300PPM以内であって、発生する
反りにより、前記第1のシートの前後方向への移動量が
画面上の3色間の色ずれを0.5画素以内になるよう
に、前記第1のシートの厚さと前記傾斜角と前記左右方
向の張力を設定する。
【0014】さらにまた、本発明は、前記張力の付与手
段としてのバネ手段の前記第1のシートでの取付け位置
の変更手段を設ける。
【0015】
【作用】透過形スクリーンを構成する極く薄い第1のシ
ート1に発生する部分的な膨れやしわは、垂直方向の自
重による座屈や温度や湿度などの環境の変化によって長
さ方向に伸縮したときの摩擦抵抗による座屈、表裏の伸
縮差による反りが主な原因である。極く薄い第1のシー
トを床上に立てかけると部分的に座屈し易い。
【0016】そこで、本発明は、上記のように、該第1
のシートの上辺に接着片を設け、これを第2のシートに
乗せて第1のシートを吊るすことにより、かかる座屈を
防止し、また、第1のシートに左右方向の張力を加える
ことにより、第1のシートが環境変化によって伸縮し、
その吊し部で摩擦が生じても、この張力によって第1の
シートが左右方向に拡げられた状態にあるので、第1の
シートにカーテン状のしわや表裏伸縮差による反り,膨
れが生ずることがない。
【0017】また、通常のR,G,BのCRT(陰極線
管)を用いる110インチ系のCRT投写形ディスプレ
イ装置のスクリーンにおいては、画面上の3色間の色ず
れの変化を約0.5画素以内とするためには、表裏伸縮
差による反り変動で発生する第1のシート、即ち、フロ
ントシートの前後方向への移動量を約7mm以内にする
必要がある。また、第2のシート、即ち、フレネルシー
トは表裏伸縮差によって入射側へ大きく膨れることがあ
るが、フロントシートから大きく離れないようにする必
要がある。
【0018】そこで、本発明では、例えば、110イン
チクラスにおいて、フロントシートの厚さを約1mm、
フレネルシートの厚さを約5mmとし、これらフロント
シートとフレネルシートを重ねて約7°前傾させること
により、予じめフロントシートとフレネルシートとを出
射側へ凸状に反らせ、かつフロントシートの左右辺部に
張力を付与することにより、上記前後方向の移動量を許
容値の7mm以内にすることができる。また、フレネル
シートは凹状に反転しなくなり、フロントシートをフレ
ネルシートに近づけることができて、フロントシートと
フレネルシートとの間の隙間も7mm以内にすることが
できる。
【0019】フロントシートは、これを切断するとき、
公差によってその幅が変動する。このため、フロントシ
ートに取り付けたバネ手段の支点が移動してバネ手段の
伸び量が一定にならなくなる。仮りにバネ手段の伸びが
短くなると、バネ張力が減少して膨れやしわの原因とな
る。このために、バネ手段の伸び量を調整できるように
する必要がある。
【0020】そこで、本発明では、上記のように、フロ
ントシートの左右辺部にバネ手段の取付け位置を自在に
移動できるクリップや取付穴などの手段を設け、この手
段にバネ手段を取り付けることにより、バネ手段の取付
け位置を調整してバネ手段の伸び量を一定にすることが
できるようにしている。従って、フロントシートの左右
幅にバラツキがあっても、このバラツキに影響されない
張力をフロントシートに付与することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を、110インチクラ
スの透過形大画面投写形ディスプレイ装置を例とし、図
面により説明する。図1は本発明による透過形大画面投
写形ディスプレイ装置の一実施例を示す図であって、同
図(a)は正面図、同図(b)は縦断面図であり、1は
フロントシート、2はフレネルシート、3はアクリル接
着片、4はクリップ、5はバネ部材、23はこの実施例
のスクリーンである。
【0022】図1において、スクリーン23は、図18
に示した従来のスクリーンと同様、厚さが約1mmの両
面レンチキュラーレンズからなるフロントシート1(第
1のシート)と、このフロントシート1の2〜5倍の厚
さで出射側(観視者側)にフレネルレンズを備えたフレ
ネルシート(第2のシート)2とで構成されている。こ
れらシート1,2の材質は主としてアクリル材である。
フロントシート1は観視者側に、フレネルシート2は投
写源21側に夫々位置付けられ、フレネルシート2の上
辺に接着片3が接着され、この接着片3からフロントシ
ート1を吊している。
【0023】また、フロントシート1の左右両辺にはク
リップ(例えば、ガチャ玉)4が複数個取り付けられ、
かかるクリップ4とフレネルシート2の左右辺との間に
バネ部材5が取り付けられている。かかるバネ部材5に
より、フロントシート1は左右方向に張力が付与され、
これによってカーテン状の膨れやしわが生じないように
している。
【0024】図2は図1のA部を拡大して示す斜視図で
あって、5はバネ部材であり、同図(a),(b),
(c)は夫々バネ部材5の具体例とその取付け状態を示
すものである。また、図1対応する部分には同一符号を
つけている。
【0025】図2(a)においては、バネ部材5は棒状
をなし、クリップ4への取付部とこの取付部から直線状
に伸延する2つの腕部と夫々の腕部の先端に設けられた
鉤部とからなり、夫々の鉤部がフレネルシート2の辺部
に引掛けられている。これら腕部は、力を加えないとき
には、ほぼ平行であるが、フロントシート1の横幅はフ
レネルシート2の横幅よりも若干狭く、これら2つの腕
部がフロントシート1の辺部に対して傾斜するように変
形されてバネ部材5が取り付けられる。これにより、バ
ネ部材5が弾性力を生じてフロントシート1に矢印方向
の張力を付与する。従って、フロントシート1は左右方
向広げられ、温度や湿度などの環境の変化があっても、
これによる影響がバネ部材5によって吸収されて、カー
テン状の膨れやしわが生じないことになる。
【0026】図2(b)に示すバネ部材5は、夫々の上
記腕部にループを設けたものであって、これ以外は、図
2(a)に示したバネ部材5と同様である。
【0027】図2(c)に示すバネ部材5は棒状の2つ
の部材を対としており、夫々の部材の一方の端部が異な
るクリップ4に嵌め込まれ、他端に鉤部が設けられてフ
レネルシート2の辺部に引掛けられている。
【0028】図3は図1(a)に示したスクリーン23
の中央部での縦断面図であって、24はフレームであ
り、前出図面に対応する部分は同一符号をつけている。
【0029】スクリーン23は枠状のフレーム24内に
収納されており、ほぼ7°前傾して透過形大画面投写形
ディスプレイ装置に取り付けられている。このようにス
クリーン23を前傾して取り付けられるため、出射側
(観視者側)に凸状に反った表面形状となる。このよう
な表面形状とすることにより、環境の変化によってフレ
ネルシート2が図示とは反対の凹状になろうとしても、
それが抑制され、フロントシート1とフレネルシート2
との間隔が大きくならないことになる。
【0030】ここで、図3において、例えば110イン
チで厚さ1mmのフロントシート1と厚さ5mmのフレ
ネルシート2を例えば7°前傾して取り付けたときの各
シートのたわみ、温度や湿度の変動によるスクリーン2
3を構成するフロントシート1とフレネルシート2夫々
のその表裏の伸縮差によるたわみ、フロントシート1の
吊し部の摩擦抵抗及びフロントシート1の左右張力につ
いて考察する。
【0031】1.フロントシート1のたわみ:4辺を単
純に支持した状態のアクリルシートに関するたわみの実
験に基づく結果によると、このシートに表裏伸縮差がな
い場合、次の実験式が成立する。
【0032】
【数1】
【0033】 但し、δ0:実験式に基づくたわみ(mm) t1:厚さ(=1mm) E :ヤング率(=200,000g/mm2) F2:圧力(F2=ρ×t1×sinθ) θ :前傾角(=7°) ρ :密度(=0.0012g/mm3) a :半幅(=1100mm) b :半高さ(=830mm) 数1をグラフに示すと、図4となる。F2,E,a,
b,t1,ρ,θの上記具体的な数値を用いて数1の右
辺を計算すると、次の数2により、
【0034】
【数2】
【0035】値438が得られ、図4の横軸の値438
に対する縦軸のδ0/t1を求めると、δ0/t1≒13.
3が得られる。ここで、t1=1mmであるから、実験
式である上記数1に基づくたわみδ0は、 δ0=13.3×1=13.3mm となる。
【0036】そこで、フロントシート1を上辺で吊す
と、自重に起因する張力が働くため、詳細な説明は省略
するが、たわみは約1mm減少し、フロントシート1の
たわみδ1は約12.3mmとなる。
【0037】2.フレネルシート2のたわみ:フレネル
シート2の厚さt2を5mmとしたとき、上記数1の右
辺を計算すると、次の数3により、
【0038】
【数3】
【0039】即ち、値3.5が得られる。
【0040】この値3.5を図4の横軸の値とし、これ
に対する縦軸の値、即ちδ0’/t2を求めると、δ0
/t2≒2となる。ここで、t2=5mmであるから、上
記数1に基づくたわみは、δ0’=2×5=10mmと
なる。
【0041】フレネルシート2は、下支えとしたとき、
自重に起因する圧力が働くから、詳細な説明は省略する
が、そのたわみは約1mm増加し、従って、フレネルシ
ート1のたわみδ2は約11mmとなる。このため、初
期においては、フロントシート1とフレネルシート2は
接近し、隙間ほとんどはなくなる。
【0042】3.表裏伸縮差によるたわみ:フロントシ
ート1またはフレネルシート2の表裏の伸縮差に起因す
る球面化欲求エネルギーとマクロな球面化拒否エネルギ
ーとのバランスは、説明を単純化するために、図5で示
すように、半径R1,厚さtの円板が、その表裏伸縮差
εのとき、反りδが発生したとすると、特開平4ー29
6840号公報に記載されているように、次の数4が成
立する。
【0043】
【数4】
【0044】図6はこの数4をグラフ化したものであ
る。
【0045】いま、フロントシート1のたわみδ1=1
2.3mm、フレネルシート2のたわみδ2=11mm
を夫々のシートの表裏伸縮差ε0、ε0′に換算すると、
次のようになる。
【0046】
【数5】
【0047】
【数6】
【0048】であるから、数6により、フロントシート
1のε0の換算値は、板厚t=1mmとして、次のよう
になる。
【0049】
【数7】
【0050】従って、表裏吸湿差に起因する表裏伸縮差
を±300PPM程度と見込んだときの合計の表裏伸縮
差ε0 は1193〜1793PPMとなる。
【0051】シート1,2間の隙間は、フロントシート
1の反りが最も増加してフレネルシート2の反りが最も
減少したとき、最大となる。従って、フロントシート1
は表裏伸縮差εの最大値1793PPMを数4の右辺に
代入し、図6からδ/tを求める。これは、即ち、上記
数4の右辺により、
【0052】
【数8】
【0053】で値819を得、この値を図6の横軸の値
とし、この値対する縦軸の値を求めることであり、これ
により、δ/t≒13が得られる。
【0054】従って、フロントシート1の反りδ1 =1
3×1=13mmとなり、この反りは13−12.3=
0.7mmだけ増加する。
【0055】同様にして、数6からフレネルシート2の
ε0換算値を求めると、板厚t=5mmであるから、次
の数9により、
【0056】
【数9】
【0057】330PPMが求まる。表裏伸縮差を±3
00PPMとしたときの合計のε0は30〜630PP
Mとなる。フレネルシート2は減少方向の30PPMを
数4の右辺に代入して次の数10の計算を行ない、
【0058】
【数10】
【0059】これによって得られた値0.55を用いて
図6からδ/tを求めると、δ/t≒0.5となる。従
って、フレネルシート2の反りはδ2=0.5×5=
2.5mmとなる。この結果、フレネルシート2は、厚
さ5mmで7°前傾させた場合、表裏伸縮差変動が±3
00PPM以内で出射側へ凸状を維持する。
【0060】以上のことから、表裏伸縮差が±300P
PM変動したときのシート1,2間の最大の隙間はδ1
ーδ2=13ー2.5=10.5mmとなり、前述の許
容隙間約7mmを越えてしまう。仮に、この隙間を7m
m以下とするためには、 δ1′ー2.5mm=7mm 従って、δ1′=9.5mm以下にする必要がある。
【0061】また、フロントシート1の移動量を7mm
以内とするためには、 δ1′=13mmー7mm=6mm以上 にする必要がある。そこで、上記のように、予じめフロ
ントシート1に左右方向の張力を付与する。これによ
り、δ1´= 6〜9.5mmにすることができる。
【0062】4.フロントシート1の吊し部の摩擦抵抗
補正張力:フロントシート1を吊している部分の摩擦抵
抗を補正する左右張力は、次の数11で表わすことがで
きる。
【0063】
【数11】
【0064】但し、F2:左右張力 η :摩擦係数(=0.2) W :フロントシート重量 a :フロントシート幅(=220cm) b :フロントシート高さ(=166cm) ρ :密度(=1.2g/cm3) G :重力加速度 t1:厚さ(=0.1cm) 上記の数値を用いて数11を計算すると、次の数12よ
り、
【0065】
【数12】
【0066】で900g・Gの値が得られる。この結
果、フロントシート1の吊し部の左右に約1kg・Gの
張力を加えることにより、摩擦抵抗によるカーテン状の
しわの発生を防止することができる。
【0067】5.フロントシート左右張力:上記「3.
表裏伸縮差によるたわみ」項で求めたフロントシート1
の最大反りδ1=13mmを6〜9.5mmに減少させる
ための左右方向の張力F及び反り半径Rを図7に示す。
【0068】同図において、反りδ1=13mmのと
き、表裏伸縮差εは、上記「3.表裏伸縮差によるたわ
み」から、最大1793PPMとなり、2次元モデルに
適用すると、ポアソン比≒0.4として、 ε=1793(1+0.4)≒2510PPM となる。
【0069】この表裏伸縮差ε=2510PPMで膨ら
そうとするモーメントMε1と反りδ1′=6〜9.5m
mに膨れを補正しようとするモーメントMε2との関係
は、Mε1=Mε2のとき、バランスする。ここで、モー
メントMε1,Mε2は夫々次の式で求められる。
【0070】
【数13】
【0071】
【数14】
【0072】 但し、E:部材ヤング率(=200kg/mm2) I:断面2次モーメント h:厚さt(=1mm) R:反り半径 b:フロントシート半高さ(=830mm) F:左右張力 数13と数14とが等しいとして、 F×δ=ε×E×(2b)×h2/12 =2510×10×200×1660×13/12 ≒69.4kg・G・mm 従って、左右張力Fは、 δ1′=6mmのとき、F=69.4/6=11.6kg
・G δ1′=9.5mmのとき、同様にして計算すると、 F=69.4/9.5=7.3kg・G となる。
【0073】以上の1〜5項の結果をまとめると、フレ
ネルシート2の初期の反りはδ2≒11mmから、表裏
伸縮差εが300PPM入射側で減少したとき、δ2
2.5mmとなる。この状態でフロントシート1の初期
の反りδ1=12.3mmから、表裏伸縮差εが300
PPM出射側で増加したとき、δ1=13mmとなり、
このとき、シート1,2間の隙間は最大となる。そこ
で、フロントシート1に約7.3kg・G〜11.6k
g.Gの左右方向の張力を上記のように付与することに
より、フロントシート1の反りδ1′を6mm〜9.5
mmに減少させることができる。この左右方向の張力は
摩擦力を補正するための約1kgの左右方向の張力より
充分大きいため、摩擦に対しての問題はなくなる。
【0074】以上に述べた作用により、厚さ1mmのフ
ロントシート1と厚さ5mmのフレネルシート2とを図
3で示すように7°前傾させ、フレネルシート1は下支
えとしてフロントシート1は上辺吊りとし、かつフロン
トシート1の左右方向に約10kg・Gの張力を加える
ことにより、カーテン状に発生する部分的なしわをなく
し、シート1,2間の隙間及びフロントシート1の前後
移動量を7mm以下にすることができる。この結果、ス
クリーン23は耐環境性に優れ、そこに投写される画質
の劣化を抑えることができる。この場合、図1におい
て、フロントシート1の一辺にバネ部材5を5個取り付
けるとすると、1個当りの張力は約10kg・G÷5=
約2kg・Gとなる。
【0075】また、上記の計算例においては、フレネル
シート2の厚さt2=5mmとしたが、例えば、このフ
レネルシート2の厚さを薄くしてt2=2mm,3mm,
4mmとした場合、上記と同様に計算すると、フレネル
シート2のたわみはフロントシート1のたわみの±7m
m以内となるため、フロントシート1のたわみを補正す
る張力は付与する必要がなくなる。この場合には、フロ
ントシート1の上記吊し部の摩擦抵抗を補正するための
右右方向の約1kg・Gの張力のみをフロントシート1
の左右方向にに付与すればよい。
【0076】さらに、フロントシート1とフレネルシー
ト2との間の隙間許容値を7mm以内と設定したが、1
1mm以内としてもよく、この場合には、上記「3.表
裏伸縮差によるたわみ」項でδ1ーδ2=10.5mmと
なるから、11mm以内となり、フレネルシート2の厚
さt=5mmでも、フロントシート1のたわみを補正す
る張力は付与する必要がなくなる。従って、フロントシ
ート1には、その吊し部の摩擦抵抗を補正するための左
右張力約1kg・Gのみをフロントシート1の左右方向
に付与すればよい。
【0077】図8(a)〜(c)は図1におけるフロン
トシート1の左右方向への張力の付与手段の他の具体例
を示す斜視図であって、6は取付穴であり、図2に対応
する部分には同一符号をつけている。
【0078】図8(a)に示すバネ部材5は、2つの捻
りバネが連結された形状をなしており、この連結部がク
リップ4に嵌め込まれている。また、これら2つの捻り
バネ夫々の端部に鉤部が形成されており、これら鉤部が
フレネルシート2の左右辺部に引掛けられている。これ
ら2つの捻りバネにより、フロントシート1に矢印方向
の張力が付与される。
【0079】図8(b)に示すバネ部材5は1つの捻り
バネからなり、その一端がクリップ4に嵌め込まれ、他
端に鉤部が形成されて、この鉤部がフレネルシート2の
左右辺部に引掛けられている。
【0080】図8(c)に示すバネ部材5も1つの捻り
バネからなっているが、その一端がフロントシート1に
設けられた取付穴6に差し込まれ、他端に鉤部が形成さ
れていて、この鉤部がフレネルシート2の左右辺部に引
掛けられている。
【0081】以上の各捻りバネは拡げられた状態にあ
り、これにより、フロントシート1は矢印の左右方向に
張力が付与される。このような張力付与手段がスクリー
ン23(図1)の左右辺に夫々複数個ずつ設けられてい
る。
【0082】図9(a)〜(c)は図1におけるフロント
シート1の左右方向への張力の付与手段のさらに他の具
体例を示す斜視図であり、図8に対応する部分には同一
符号をつけている。
【0083】図9(a),(b)に示すバネ部材5は、
夫々図2(a),(b)に示したバネ部材5と同様の形
状をなしているが、フロントシート1の設けられた取付
穴6に取り付けられている。図9(c)に示すバネ部材
5も、図2(c)に示したバネ部材5と同様の形状をな
しているが、フロントシート1の設けられた取付穴6に
取り付けられている。これらバネ部材5も、同様に、フ
ロントシート1に図示する矢印方向の張力を付与する。
【0084】図10(a)〜(c)は図1におけるフロン
トシート1の左右方向への張力の付与手段のさらに他の
具体例を示す斜視図であって、7は接着片、7A,7B
は切欠部、8はコイル状バネ、9はステンレスワイヤで
あり、図2に対応する部分には同一符号をつけている。
【0085】図10(a)において、フレネルシート2
のフロントシート1とは反対側の面の左右辺には、この
辺から突出するようにして接着片7が接着されており、
この接着片7の辺部に2つの切欠部7A,7Bがフレネ
ルシート2の左右辺に達するように設けられている。こ
の接着片7の図示の裏面側にコイル状バネ8が配置さ
れ、このコイル状バネ8の両端部に夫々直径約0.3m
m程度の極く細いステンレスワイヤ9のループが結合さ
れ、これらが夫々接着片7の切欠部7A,7Bを通り、
それらの先端部がクリップ4に嵌め込まれている。かか
る状態では、コイル状バネ8が引っ張られており、これ
により、フロントシート1は矢印の左右方向に張力が付
与される。このような張力付与手段がスクリーン23
(図1)の左右辺に夫々複数個ずつ設けられている。
【0086】図10(b)では、図10(a)の接着片7
の代わりに、2つのクリップ4’をフレネルシート2の
左右辺に固定し、これら2つのクリップ4’でコイル状
バネ8を支えるようにしたものであり、それ以外の構成
は図10(a)の場合と同様である。
【0087】図10(c)では、コイル状バネ8の両端部
に結合されたループ状のステンレスワイヤ9をフロント
シート1に設けた取付穴6に取り付けており、それ以外
の構成は図10(a)の場合と同様である。
【0088】図11(a)〜(c)は図1におけるフロン
トシート1の左右方向への張力の付与手段のさらに他の
具体例を示す斜視図であって、7C,7Dは貫通穴、1
0は接着片、10A,10Bは溝、11は鋲であり、図
10に対応する部分には同一符号をつけている。
【0089】図11(a)では、接着片7の辺がフレネル
シート2の左右辺と一致し、接着片7のフレネルシート
2とは反対側の面に2つの左右方向の溝(図示せず)が
コイル状バネ8の長さよりも大きな間隔で設けられてい
る。コイル状バネ8はこの接着片7に支えられ、このコ
イル状バネ8の両端部に結合されたループ状のステンレ
スワイヤ9は夫々接着片7に設けられた上記の溝を通
り、フレネルシート2の端面を通ってフロントシート1
に設けられた夫々の取付穴6に取り付けられてられてい
る。かかる状態では、コイル状バネ8が引っ張られてお
り、これにより、フロントシート1は矢印の左右方向に
張力が付与される。このような張力付与手段がスクリー
ン23(図1)の左右辺に夫々複数個ずつ設けられてい
る。
【0090】図11(b)では、コイル状バネ8はフレネ
ルシート2の端面に配置され、これを接着片7,10で
支えている。コイル状バネ8の両端部に結合されたルー
プ状のステンレスワイヤ9は夫々接着片10にコイル状
バネ8の長さよりも大きな間隔で設けられた溝10A,
10Bを通り、フロントシート1に設けられた夫々の取
付穴6に取り付けられている。かかる状態では、コイル
状バネ8が引っ張られており、これにより、フロントシ
ート1は矢印の左右方向に張力が付与される。このよう
な張力付与手段がスクリーン23(図1)の左右辺に夫
々複数個ずつ設けられている。
【0091】図11(c)では、接着片7はフレネルシー
ト2の左右辺よりも突出しており、これにコイル状バネ
8の長さよりも大きな間隔で2つの貫通穴7C,7Dが
設けられている。コイル状バネ8の両端部に結合された
ループ状のステンレスワイヤ9はフロントシート1に設
けられた夫々の取付穴6に取り付けられているが、これ
らループ状のステンレスワイヤ9が貫通穴7C,7Dを
通した鋲11の折り曲げられた先端に引掛けられてお
り、これにより、コイル状バネ8はフレネルシート2の
端面に支持されている。かかる状態では、コイル状バネ
8が引っ張られており、これにより、フロントシート1
は矢印の左右方向に張力が付与される。このような張力
付与手段がスクリーン23(図1)の左右辺に夫々複数
個ずつ設けられている。
【0092】図12は図2(a)に示した具体例でのバ
ネ張力調整手段の一具体例を示す平面図であって、W1
はフロントシ−ト1の左右幅、W2はフレネルシ−ト2
の左右幅、L1はバネ部材5の伸び長さ、12は固定手
段であり、図2(a)に対応する部分には同一符号をつ
けている。
【0093】同図において、バネ部材5の張力は、伸び
長さL1が大きくなると増加し、伸び長さL1が小さく
なると減少する。
【0094】いま、図12(a)に示す状態をバネ部材
5の伸び長さが規定のL1であり、規定の張力が発生し
ている基準の取付け状態とすると、図12(b)はフロ
ントシ−ト1の左右幅W1がΔlだけ長くなった状態を
示し、フロントシ−ト1へのクリップ4の取付け状態を
全て同じとすると、このような状態では、バネ部材5の
張力は、図12(a)に示す状態よりも減少する。そこ
で、このときには、クリップ4をフロントシ−ト1にこ
の長さΔlだけ基準の取付け状態よりも差し込むことに
より、バネ部材5の伸び長さを図12(a)に示す基準
時の伸び長さL1と等しくなるように調整することがで
きる。
【0095】また、図12(c)はフロントシ−ト1の
左右幅W1がΔlだけ短くなった状態を示し、フロント
シ−ト1へのクリップ4の取付け状態を全て同じとする
と、このような状態では、バネ部材5の張力は、図12
(a)に示す状態よりも増加する。そこで、このときに
は、クリップ4をこの長さΔlだけ基準の取付け状態よ
りも引き出すことにより、バネ部材5の伸び長さを図1
2(a)に示す基準時の伸び長さL1と等しくなるよう
に調整することができる。
【0096】以上のようにクリップ4を調整した後、こ
のクリップ4が移動しないように、例えば、強力なテー
プを貼るなどの固定手段12でクリップ4を固定する。
【0097】以上のことは、図2(b),(c)に示し
た具体例、さらには、図8及び図10(a),(b)に
示した具体例についても同様である。
【0098】図13は図9(a)に示した具体例でのバ
ネ張力調整手段の一具体例を示す平面図であって、6
A,6Bは取付穴であり、図9及び図12に対応する部
分には同一符号をつけている。
【0099】同図において、フロントシート1には、取
付穴6のほかに、2つの取付穴6A,6Bが設けられて
おり、これら取付穴6,6A,6Bのいずれかにバネ部
材5の取付部を取り付けることができる。また、フロン
トシート1の辺から取付穴6の中心までの距離をL3と
し、フロントシート1の辺から取付穴6Aの中心までの
距離を(L3+Δl)、フロントシート1の辺から取付
穴6Bの中心までの距離を(L3−Δl)とする。
【0100】なお、かかる±Δlは予じめフロントシ−
ト1の左右幅W1の伸縮量を±Δlと予測し、この伸縮
量に応じて取付穴6AS,6Bを取付穴に対して左右方
向にずらしておくものである。
【0101】ここで、フロントシート1の左右幅がW1
で、バネ部材5の取付部が取付穴6に取り付けられ、バ
ネ部材5の伸び長さが規定のL1であって、フロントシ
ート1の左右方向に規定の張力が付与されるものとする
図13(a)の状態を基準の取付け状態とする。このと
き、バネ部材5の傾斜した直線状の腕部の付け根から取
付穴6の中心までの距離をL2とする。
【0102】いま、フロントシ−ト1の左右幅がW1よ
りもΔlだけ長くなっているものとすると、図13
(b)示すように、バネ部材5の取付部をフロントシ−
ト1の辺から距離(L3+Δl)にある取付穴6Aに取
り付ける。これにより、バネ部材5の伸び長さは上記基
準の取付け状態と等しいL1となり、フロントシート1
には、その左右方向に上記規定の張力が付与されること
になる。
【0103】また、フロントシ−ト1の左右幅がW1よ
りもΔlだけ短くなっているものとすると、図13
(c)示すように、バネ部材5の取付部をフロントシ−
ト1の辺から距離(L3−Δl)にある取付穴6Bに取
り付ける。これにより、バネ部材5の伸び長さは上記基
準の取付け状態と等しいL1となり、フロントシート1
には、その左右方向に上記規定の張力が付与されること
になる。
【0104】以上のことは、図9(b),(c),図1
0(c)及び図11に示した具体例についても同様であ
る。
【0105】図14は図9(a)に示した具体例でのバ
ネ張力調整手段の他の具体例を示す平面図であって、1
3はスペーサであり、図9及び図12に対応する部分に
は同一符号をつけている。
【0106】図14(a)は図13(a)と同様の基準
の取付け状態であり、バネ部材5の伸び長さを規定のL
1としてフロントシート1に左右方向の規定の張力が付
与されるようにするために、フレネルシート2の端面に
所定厚さΔlのスペーサ13Aが接着され、これにバネ
部材5の腕部に設けられた鉤部が引掛けられている。
【0107】ここで、Δlはフロントシート1の予測さ
れる伸縮量であり、図14(a),(b)に示すよう
に、厚さΔlのスペーサ13Aと厚さ2×Δlのスペー
サ13Bとが用意されている。
【0108】いま、フロントシート1が伸長してその左
右幅が(W1+Δl)となっていたとすると、図14
(b)に示すように、2×Δlのスペーサ13Bをフレ
ネルシート2の端面に接着し、これにバネ部材5の鉤部
を引掛けるようにする。これにより、フレネルシート2
に対し、バネ部材5が図14(a)に示す位置より図面
上左側にΔlだけ移動しただけの状態となり、従って、
バネ部材5の伸び長さは規定のL1であって、フロント
シ−ト1には左右方向の規定の張力が付与されることな
る。
【0109】また、フロントシート1が収縮してその左
右幅が(W1−Δl)となっていたとすると、図14
(c)に示すように、フレネルシート2の端面にスペー
サは設けず、このフレネルシート2の左右辺部にバネ部
材5の鉤部を引掛けるようにする。これにより、フレネ
ルシート2に対し、バネ部材5が図14(a)に示す位
置より図面上右側にΔlだけ移動しただけの状態とな
り、従って、バネ部材5の伸び長さは規定のL1であっ
て、フロントシ−ト1には左右方向の規定の張力が付与
されることなる。
【0110】以上のことは、図9(b),(c)に示し
た具体例についても同様である。
【0111】図15は図9(a)に示した具体例でのバ
ネ張力調整手段の他の具体例を示す平面図であって、
5’,5”はバネ部材であり、図9及び図12に対応す
る部分には同一符号をつけている。
【0112】この具体例は、フロントシート1の予測さ
れる伸縮量を±Δlとすると、バネ部材5の傾斜した直
線状の腕部の付け根から取付穴6への取付け部までの距
離がL2,L2−Δl,L2+Δlの3種類のバネ部材
5,5’,5”を用意しておくものである。また、フロ
ントシート1の辺から取付穴6までの距離をL3として
いる。
【0113】ここで、フロントシート1の左右幅がW1
で、傾斜した直線状の腕部の付け根から取付穴6への取
付け部までの距離がL2のバネ部材5が取付部が取付穴
6に取り付けられたとき、このバネ部材5の伸び長さが
規定のL1であって、フロントシート1の左右方向に規
定の張力が付与されるものとする図15(a)の状態を
基準の取付け状態とする。
【0114】いま、フロントシ−ト1の左右幅がW1よ
りΔlだけ長くなっているものとすると、図15(b)
示すように、傾斜した直線状の腕部の付け根から取付穴
6への取付け部までの距離がL2−Δlのバネ部材5’
を使用し、その取付け部を取付穴6に取り付ける。これ
により、バネ部材5’の伸び長さは上記基準の取付け状
態と等しいL1となり、フロントシート1には、その左
右方向に上記規定の張力が付与されることになる。
【0115】また、フロントシ−ト1の左右幅がW1よ
りΔlだけ長くなっているものとすると、図15(c)
示すように、傾斜した直線状の腕部の付け根から取付穴
6への取付け部までの距離が(L2+Δl)のバネ部材
5”を使用し、その取付け部を取付穴6に取り付ける。
これにより、バネ部材5”の伸び長さは上記基準の取付
け状態と等しいL1となり、フロントシート1には、そ
の左右方向に上記規定の張力が付与されることになる。
【0116】以上のことは、図9(b),(c),図1
0(c)及び図11に示した具体例についても同様であ
る。
【0117】なお、以上のバネ張力付与調整手段の具体
例において、フロントシ−ト1の左右幅に応じて3通り
の状態設定が可能としたが、同様にして、2通り、また
は4通り以上の状態を設定することができることは明ら
かである。
【0118】図16は本発明による透過形大画面投写形
ディスプレイ装置の他の実施例を裏面側からみた斜視図
であって、前出図面に対応する部分には同一符号をつけ
ている。
【0119】この実施例は、スクリ−ン23を囲むフレ
−ム24とフロントシ−ト1との間にバネ部材5を取り
付け、フロントシ−ト1に左右方向の張力を付与したも
のである。図16(a)はバネ部材5として捻りバネを
用い、その一方の腕部の端部をフレーム24に取り付
け、他方の端部をフロントシート1に設けられた取付穴
6に取り付けたものである。また、図16(b)はバネ
部材5として図8(a)に示したような2つの捻りバネ
からなるようなものを用い、夫々の捻りバネの腕部の端
部をフレーム24に取り付け、2つの捻りバネの連結部
である取付部をフロントシート1に設けられたクリップ
6に嵌め込んだものである。
【0120】この実施例おいても、先に示した他のバネ
部材5を用いることができるし、また、先に説明したバ
ネ張力付与調整手段を適用することができることはいう
までもない。
【0121】図17は本発明による透過形大画面投写形
ディスプレイ装置のさらに他の実施例を裏面側からみた
斜視図であって、12はコイル状バネであり、前出図面
に対応する部分には同一符号をつけている。
【0122】同図において、フロントシ−ト1の四隅と
フレ−ム24のほぼ対角隅との間に夫々コイル状バネ1
2を取り付けられ、フロントシート1に斜め方向の張力
が付与されている。
【0123】フロントシ−ト1とフレ−ム24との間隔
は対角隅の方向が一番長いため、コイル状バネ12の伸
縮範囲を大きくとることができ、これらコイル状バネ1
2の設計や取付けが容易となる。
【0124】また、斜めの方向を変えることにより、張
力の分力が左右方向または上下方向に適宜に分配するこ
とができるため、スクリ−ンの性質に応じた張力の付与
が可能となる。
【0125】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0126】例えば、上記実施例では、フロントシ−ト
1に左右方向のみ張力を付与するようにしたが、さら
に、下方向にも張力を付与するようにしてもよく、上記
のように、反り条件を満たすことができる。
【0127】また、フロントシ−ト1をフレネルシ−ト
2の上辺に設けられた接着片3に吊るし、フレネルシ−
ト2を下で支えるようにしたが、フロントシ−ト1,2
をともに上ぶで吊るして傾斜させ、これらにバネ張力を
付与するようにしてもよい。
【0128】さらに、上記実施例では、アクリルシ−ト
の実験式を基にしたが、スチロ−ルシ−ト,ポリカ−ボ
シ−トまたはこれらを基材とした混合シ−ト,加熱圧着
シ−トなどとしても、夫々の材料に合ったたわみの実験
式を用いることにより、同様に計算することができる。
【0129】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
少なくともフロントシ−トをフレネルシ−トの上辺で吊
るして4辺をフレ−ムで囲み、かつ全体として傾斜させ
ることにより、これらシ−トを予じめ凸状に反らせた状
態とし、該フロントシ−トの左右方向に張力を付与する
ことにより、極く薄いフロントシ−トに生ずるカ−テン
状のしわや部分的な膨れをなくすことができし、また、
これらシ−ト間の隙間やシ−トの移動量も許容値内にす
ることができる。従って、環境の変化に影響されること
がなく、常に、フォ−カス劣化や色ずれのない良好に画
質の投写画像が得られるし、また、外観も優れたものと
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による透過形大画面投写形ディスプレイ
装置の一実施例を示す正面図及び側面図である。
【図2】図1におけるフロントシートの張力付与手段の
具体例を示す斜視図である。
【図3】図1に示した実施例の縦断面図である。
【図4】たわみ実験式をグラフ化して示す図である。
【図5】表裏伸縮差によるたわみの説明図である。
【図6】表裏伸縮差によるたわみの計算式をグラフ化し
て示した図である。
【図7】左右方向の張力の説明図である。
【図8】図1におけるフロントシートの張力付与手段の
他の具体例を示す斜視図である。
【図9】図1におけるフロントシートの張力付与手段の
さらに他の具体例を示す斜視図である。
【図10】図1におけるフロントシートの張力付与手段
のさらに他の具体例を示す斜視図である。
【図11】図1におけるフロントシートの張力付与手段
のさらに他の具体例を示す斜視図である。
【図12】図2(a)に示した張力付与手段の具体例に
対するバネ張力調整手段の一具体例を示す図である。
【図13】図9(a)に示した張力付与手段の具体例に
対するバネ張力調整手段の一具体例を示す図である。
【図14】図9(a)に示した張力付与手段の具体例に
対するバネ張力調整手段の他の具体例を示す図である。
【図15】図9(a)に示した張力付与手段の具体例に
対するバネ張力調整手段のさらに他の具体例を示す図で
ある。
【図16】本発明による透過形大画面投写形ディスプレ
イ装置の他の実施例を示す斜視図である。
【図17】本発明による透過形大画面投写形ディスプレ
イ装置のさら他の実施例を示す斜視図である。
【図18】透過形大画面投写形ディスプレイ装置の概略
構成を示す断面図である。
【図19】従来の透過形大画面投写形ディスプレイ装置
の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 フロントシ−ト 2 フレネルシ−ト 3 接着片 4 クリップ 5 バネ部材 6,6A,6B 取付穴 7 接着片 8 コイル状バネ 9 ステンレスワイヤ 10 接着片 11 鋲 12 コイル状バネ 23 スクリーン 24 フレ−ム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 敦 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所情報映像メディア事業部 内 (72)発明者 荻野 正規 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所情報映像メディア事業部 内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投写源からの画像が拡大して投写される
    透過形大画面投写形ディスプレイ装置のスクリーンにお
    いて、 観視者側に配置される第1のシートと、該第1のシート
    よりも投写源側に配置されかつ該第1のシートよりも膜
    厚の第2のシートとの少なくとも2枚のシートで構成さ
    れ、 少なくとも該第1のシートの上端部が吊すされて、該第
    2のシートとともに所定の傾斜角で前傾されることによ
    り、予じめ観視者側へ凸状に反らされ、 該第1のシートに少なくとも吊し部の摩擦力以上の張力
    が左右方向に付与する手段を設け、 該張力により、環境変化によって該第1のシートに生ず
    るカーテン状のしわや膨れを防止することができるよう
    に構成したことを特徴とする透過形大画面投写形ディス
    プレイ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 少なくとも前記第1のシートの反りを前記第2のシート
    の反りに近づけ、かつ前記第1のシートと前記第2のシ
    ートとの間隔を減少させる張力を前記第1のシートに付
    与したことを特徴とする透過形大画面投写形ディスプレ
    イ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記第2のシートの表裏伸縮差変動が±300PPM以
    内であって、観視者側への凸状の反りが凹状に反転しな
    いように、前記第2のシートの厚さと前記傾斜角とを設
    定したことを特徴とする透過形大画面投写形ディスプレ
    イ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2において、 前記第1のシートの表裏伸縮差変動が±300PPM以
    内であって、発生する反りにより、前記第1のシートの
    前後方向への移動量が画面上の3色間の色ずれを0.5
    画素以内になるように、前記第1のシートの厚さと前記
    傾斜角と前記左右方向の張力を設定したことを特徴とす
    る透過形大画面投写形ディスプレイ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2において、 前記第1のシートの左右幅よりも前記第2のシートの左
    右幅を広くし、 前記第1のシートの左辺部,右辺部と前記第2のシート
    の左辺部,右辺部との間に、前記第1のシートに前記左
    右方向の張力を付与する手段としてのバネ手段を設けた
    ことを特徴とする透過形大画面投写形ディスプレイ装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1または2において、 前記第1,第2のシートは枠状のフレームによって4辺
    が囲われており、 前記第1のシートの左辺部,右辺部と該フレームとの間
    に、前記第1のシートに前記左右方向の張力を付与する
    手段としてのバネ手段を設けたことを特徴とする透過形
    大画面投写形ディスプレイ装置。
  7. 【請求項7】 請求項5または6において、 前記第1のシートの左辺部,右辺部にクリップを設け、
    該クリップに前記バネ手段の端部を取り付けたことを特
    徴とする透過形大画面投写形ディスプレイ装置。
  8. 【請求項8】 請求項5,6または7において、 前記バネ手段の前記第1のシートでの取付け位置の変更
    手段を設け、 第1のシートに付与する前記張力を調整可能としたこと
    を特徴とする透過形大画面投写形ディスプレイ装置。
  9. 【請求項9】 請求項5,6,7または8において、 前記第2のシートの左辺部,右辺部に接着片を設け、 該接着辺に前記バネ手段の端部を取り付けたことを特徴
    とする透過形大画面投写形ディスプレイ装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1つにおい
    て、 前記第1のシートに下方向と張力を付与する手段を設
    け、 前記第1のシートの前後方向への移動による画面上の3
    色間の色ずれが0.5画素以内になるように、前記第1
    のシートの厚さと前記傾斜角と前記左右方向の張力を設
    定したことを特徴とする透過形大画面投写形ディスプレ
    イ装置。
  11. 【請求項11】 投写源からの画像が拡大して投写され
    る透過形大画面投写形ディスプレイ装置のスクリーンに
    おいて、 観視者側に配置される第1のシートと、該第1のシート
    よりも投写源側に配置されかつ該第1のシートよりも膜
    厚の第2のシートとの少なくとも2枚のシートで構成さ
    れ、 少なくとも該第1のシートの上端部が吊すされて、該第
    2のシートとともに所定の傾斜角で前傾されることによ
    り、予じめ観視者側へ凸状に反らされ、 該第1のシートに四隅に対角方向の張力を付与する手段
    を設け、 該張力により、環境変化によって該第1のシートに生ず
    るカーテン状のしわや膨れを防止することができるよう
    に構成したことを特徴とする透過形大画面投写形ディス
    プレイ装置。
JP5598894A 1994-03-25 1994-03-25 透過形大画面投写形ディスプレイ装置 Pending JPH07264526A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007537466A (ja) * 2004-05-12 2007-12-20 シラス・クリール 折畳み式投影スクリーンシステム

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JP2007537466A (ja) * 2004-05-12 2007-12-20 シラス・クリール 折畳み式投影スクリーンシステム
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