JPH0726352U - 一体に成形された蓋体を有するラミネ−トチュ−ブ容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 生産コストを大幅に低減することができる
（ラミネ−ト）チュ−ブ容器の提供。 【構成】 チュ−ブネック部に容易に分離できるよう
に、かつ内容物の通路を密封するように一体に成形され
た蓋体を有するラミネ−トチュ−ブ容器。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、一体に成形された蓋体を有するラミネ−トチュ−ブ容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

調味料、化粧料、薬品などの容器として胴部にアルミニウム箔などを用いてバ リヤ−性を付与したラミネ−トチュ−ブ容器が広く使用されている。

【０００３】 このようなラミネ−トチュ−ブ容器は、円筒状胴部と口部を含む肩部（以下、 ネック部という）とを一体成形した後、別途成形されたキャップをキャップ供給 機及び同取付機を使用し、ネック部に自動的にねじ込み装着して製作している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、キャップを自動的に適正にラミネ−トチュ−ブ容器のネック部に取付 けるには、キャップ供給機、取付機の調整に時間と熟練を必要とする。この調整 が適正でなければキャップが斜めにはまったり、ネック部のネジ山がつぶれたり 、あるいは締めトルクが不十分でシ−ルが不完全となり内容物が漏れでるといっ た不良品が発生することとなる。実際チュ−ブ容器製造における不良のうち、キ ャップ取付不良が数量的にも大きい。

【０００５】 本考案者は、ラミネ−トチュ−ブ容器の生産コストを低減するために従来より 検討を重ねてきたが、こうした事情がラミネ−トチュ−ブ容器の生産性を向上さ せる上で大きな障害となっていることに着目した。

【０００６】 ところで、チュ−ブ状容器にあっては、高々数回分の使用をまかなう少量の内 容物を充填した極小型の容器がたとえば商業的宿泊施設などで歯磨クリ−ム容器 などとして顧客へのサ−ビスに供給されている。コストの低減は、一般的にどの ような商品であれ、常に要望されていることではあるが、このような使用形態で は必然的にチュ−ブ容器のコストはとりわけ低いことが要求される。

【０００７】 そこで、このようなサ−ビス品にあっては、現実にはコスト削減のためガスバ リヤ−性の貧弱な安価なプラスチックによる単層のチュ−ブが使用されており、 しばしば経験するように旅館などでサ−ビスに供されている歯磨クリ−ムなどは 日数の経過とともに揮発性成分が逃散するため硬くなるなど品質がひどく劣化す るものである。

【０００８】 こうした問題も、もしガスバリヤ−性をもつラミネ−トチュ−ブ容器の製造コ ストの大幅な低減が実現できれば、上記のようなサ−ビス品にもラミネ−トチュ −ブの利用が可能となり、解決することができる。

【０００９】 本考案は、こうした実情の下に低いコストで製造し得るラミネ−トチュ−ブ容 器を提供することを目的とするものである。また、本考案は、低いコストで製造 し得る上記極小型非ラミネ−トチュ−ブ容器を提供することも目的とするもので ある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案者は、鋭意検討した結果、ラミネ−トチュ−ブ容器製造工程において、 円筒状胴部とネック部とを一体に成形する際に、同時に蓋体もネック部に一体に かつ容易に分離できるように成形することにより解決し得ることを知見し、本考 案に至った。

【００１１】 すなわち、本考案は、チュ−ブネック部に容易に分離できるように、かつ内容 物の通路を密封するように一体に成形された蓋体を有するラミネ−トチュ−ブ容 器を要旨とするものである。また、本考案は、上記と同様に蓋体を一体化した構 造の極小型非ラミネ−トチュ−ブ容器もまたその要旨とするものである。

【００１２】 本考案のチュ−ブ容器は、他端より内容物を充填した後、この端部を封止した 使用前の状態では図１、３に示すように蓋体がネック部上部と薄肉で一体に成形 されているので、容器内の内容物の通路は密封されて内容物の品質は保全されて いる。

【００１３】 そして、使用時には蓋体をねじるなどしてネック部より分離し、内容物を取り 出し、使用後は分離した蓋体をネック部に嵌合、ネジ止め、係止などの手段によ り装着することにより再び密封することができ、繰返し使用中も内容物の品質は 良好に保持することができる。

【００１４】 すでに述べたように、通常ラミネ−トチュ−ブ容器は、キャップなどの蓋体は 、チュ−ブ容器本体とは別途射出成形などにより成形される。そして、チュ−ブ 胴体にネック部を一体的に成形して得られたチュ−ブ容器本体に蓋体が自動機械 により螺着されている。このため、蓋体の成形用の射出成形機をはじめキャップ 供給機、キャップ螺着機などの設備を要するとともに、実際の作業にあたっても これらの調整にはかなりの熟練と時間を要するものである。

【００１５】 本考案ではこうした設備や調整を要することなく、従来のチュ−ブ胴体部とネ ック部とを一体成形する工程において同時に蓋体も一体化することができるので 、本考案のラミネ−トチュ−ブ容器は大幅なコストの削減が可能となる。しかも 、内容物の品質を良好に保持するという意味では従来のラミネ−トチュ−ブ容器 と実質上何ら変わることがない。

【００１６】 さらに、蓋体の自動螺着工程が不要となることから、蓋体の形状に制約がなく なり、たとえば、外周を多角形としたり、扁平な取っ手をつけたり、あるいはワ ンタッチ式の嵌合方式を採用することもでき、従来とくに取扱いにくかった極小 型のラミネ−トチュ−ブ容器の蓋体の欠点も解消することができる。

【００１７】 本考案のラミネ−トチュ−ブ容器は、従来のものと同様に食品、調味料、化粧 料、薬品、歯磨クリ−ムなどの容器として利用できる。

【００１８】

【実施例】

以下に図面に基づき本考案のラミネ−トチュ−ブ容器をさらに詳細に説明する 。

【００１９】 図１は、本考案のラミネ−トチュ−ブ容器の実施例を示す断面説明図である。 図１中、１はアルミニウム箔などのガスバリヤ−層を含むラミネ−トチュ−ブ胴 体部、２は胴体部１と一体化されている肩部を含むネック部、３はネック部上部 において薄肉架橋部４を介して一体化された蓋体で、この薄肉架橋部４をちぎっ て蓋体を分離することにより内容物の通路が開放されて取出し使用することがで きる。５は薄肉架橋部４をちぎって分離された蓋体をネック部に装着する際に、 蓋体内部に設けた凸部６が嵌合する嵌合凹部、７は必要に応じて設けるネック部 と蓋体とのシ−ル性をより確実にするための球面部（Ｒ面部）、１１は内容物の 通路である。このＲ面部には一層のシ−ル性を確保するためパッキングを挿入す ることもできる。そのパッキングは、ラミネ−トチュ−ブ容器が実際上、さらに 適当な包袋体中に包装されて供されるので、その包装体中に一緒に封入すること ができる。

【００２０】 図２は、図１に示すラミネ−トチュ−ブ容器から分離された蓋体を容器に装着 した場合の説明図である。

【００２１】 図３は、本考案の別の実施例を示す断面説明図、図４はこれを９０゜回転させ たものである。図３、４中、４は薄肉架橋部、８は係止用突起、９はプラグ型蓋 体、１０はネック部上部との接合面、１１は内容物の通路を示す。図５は、薄肉 架橋部をちぎって蓋体を分離し、内容物を取出し使用後、ネック部内部に蓋体を 押し込んでシ−ルした状態を示す説明図である。なお、この実施例においても前 記実施例の場合と同様に接合面１０にＲ面を設けて、あるいはパッキングにより シ−ル性を確実にすることができる。

【００２２】

【考案の効果】

以上、説明したように、本考案のラミネ−トチュ−ブ容器は、蓋体を別途成形 し、これをチュ−ブ容器ネック部に自動螺着する従来品とは異なり、生産工程を 大幅に合理化、省力化できるので、生産コストを大きく低減できる上に、蓋体を 容器ネック部と容易に分離できるように、かつ内容物の通路を密封するように一 体化したので、使用時に蓋体をちぎって分離するまでは内容物が密封されており 、また、使用後はその蓋体をネック部に装着して再び密封するので、従来のラミ ネ−トチュ−ブ容器と同様に揮発性あるいは逃散性成分を含む内容物の品質を良 好に保持することができる。

【００２３】 特に、極小型のチュ−ブ容器は、顧客へのサ−ビスに供されることが多いが、 本考案によれば、生産コストが大幅に低減できるとともに、従来安価な樹脂によ るガスバリヤ−性の乏しいチュ−ブ容器が使用されていたが、これらのサ−ビス 品にもガスバリヤ−性のラミネ−トチュ−ブ容器の形態で供給することも可能と なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のラミネ−トチュ−ブ容器の実施例を示
す断面説明図。

【図２】図１に示される容器から蓋体を分離し、これを
装着した状態を示す説明図。

【図３】本考案の別の実施例を示す断面説明図。

【図４】図３に示される容器を９０゜回転させた状態の
部分断面説明図。

【図５】図３、４で示される容器から分離した蓋体を装
着した状態を説明する部分断面図。

【符号の説明】

１ ラミネ−トチュ−ブ胴体部 ２ ネック部 ３ 蓋体 ４ 薄肉架橋部 ５ 嵌合凹部 ６ 嵌合凸部 ７ 球面部（Ｒ面部） ８ 係止突起 ９ プラグ型蓋体 １０ 接触面 １１ 内容物通路

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 チュ−ブネック部に容易に分離できるよ
   うに、かつ内容物の通路を密封するように一体に成形さ
   れた蓋体を有するラミネ−トチュ−ブ容器。
2. 【請求項２】 蓋体とチュ−ブネック部とはシ−ル部を
   形成する請求項１記載のラミネ−トチュ−ブ容器。
3. 【請求項３】 容量が数回使用分の内容物を収容する極
   小型である請求項１又は２記載のラミネ−トチュ−ブ容
   器。
4. 【請求項４】 チュ−ブネック部に容易に分離できるよ
   うに、かつ内容物の通路を密封するように一体に成形さ
   れた蓋体を有するチュ−ブ容器であって、かつ容量が数
   回使用分の内容物を収容する極小型のチュ−ブ容器。