JPH07263379A - 微細構造体の形成方法 - Google Patents

微細構造体の形成方法

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JPH07263379A JP5172394A JP5172394A JPH07263379A JP H07263379 A JPH07263379 A JP H07263379A JP 5172394 A JP5172394 A JP 5172394A JP 5172394 A JP5172394 A JP 5172394A JP H07263379 A JPH07263379 A JP H07263379A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 いわゆるLIGA法において、基板に垂直な
方向により複雑な形状を有し、かつよりアスペクト比の
高い構造体を構築することができる方法を提供する。 【構成】 基板10上にレジスト層13を形成した後、
レジスト層13についてシンクロトロン放射光を用いた
リソグラフィによりレジストパターン13′を形成す
る。レジストパターン13′に従って、基板10上に金
属構造体14を電気めっきにより堆積させる。レジスト
パターン13′を除去した後、得られた金属構造体1
4′を残すことができ、かつ基板材料を選択的に除去で
きる条件下で、基板10を部分的にエッチングする。基
板10のエッチングにより形成された構造体と金属構造
体14とによって所望の構造体15を形成させることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微細加工技術に関し、特
にLIGA法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路装置の製造技術を応用し
て、極めて微細な構造体を形成する微細加工技術の研究
が近年活発になってきている。その中で、X線を使った
深いリソグラフィと電解めっきで高アスペクト比の微細
構造体を形成するLIGA(Lithograph Galvanformung
und Abformung)法は、特に注目されるところである。
NIKKEI MECHANICAL 1990.11.26およびMEM
S’91(Micro Electro Mechanical Systems Worksho
p )のプロシーディングスに示される従来のLIGA法
について基本工程を以下に示す。図5を参照して、まず
図5(a)に示すように、典型的にはポリメチルメタク
リレート(PMMA)を材料とするレジスト層102を
望みの厚さ(0.1〜1mm)で基板101上に形成し
た後、金などの重金属の吸収材100aをパターンとす
るマスク100を用い、シンクロトロン放射のX線(以
下SR光と略記)でレジスト層102を露光する。次い
で、現像を行なえば、図5(b)に示すように、100
以上のアスペクト比を有するレジストパターン103が
得られる。次に、レジストパターン103を有する基板
をめっき液につけ、電気めっきによって金属の構造体1
04を堆積させる(図5(c))。この工程において、
ニッケル、銅または金などを堆積させることができる。
続いて、図5(d)に示すように、レジストを除いて得
られた金属の構造体104を鋳型として、誘電性プラス
チックのモールド材105を構造体104に充填する。
さらに、図5(e)に示すように、モールド材105に
従い、誘電性プラスチック106と導電性プラスチック
シート107からプラスチック型109を形成する。次
に、図5(f)に示すように、モールド材105を分離
して、プラスチック型108を準備する。プラスチック
型108の谷間に電鋳により金属109を堆積させる
(図5(g))。次に、プラスチック型を除くと、微細
な金属構造体110を得ることができる(図5
(h))。LIGA法は、マイクロマシン、光学素子、
センサおよびアクチュエータなどの製造に利用すること
ができ、その応用範囲は非常に広い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上に示してきた従来
のLIGA法によって、マイクロギア等の種々の構造体
を形成することができる。しかしながら、従来のLIG
A法により形成されてきた構造体は、基板に対して水平
方向では様々な形状をとることができた一方、基板に対
して垂直方向では切り立った壁のような形状がほとんど
であり、凹凸を有する形状を形成することができなかっ
た。また、従来のLIGA法では、基板に対して垂直な
方向により高く構造体を積重ねていくことがなかった。
さらに得られる構造体も、多くの場合、金属、セラミッ
クスまたはプラスチックの単体からなり、これらの複合
物を形成することは困難であった。
【0004】本発明の目的は、特にLIGA法におい
て、基板に垂直な方向により複雑な形状を有し、かつよ
りアスペクト比の高い構造体を構築することができる方
法を提供することにある。
【0005】本発明のさらなる目的は、複数種の材料か
らなる複合的微細構造体を容易に形成できる方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に従う微細構造体
の形成方法では、まず、基板上にレジスト層を形成した
後、レジスト層についてシンクロトロン放射光を用いた
リソグラフィによりレジストパターンを形成する。次に
レジストパターンに従って金属基板上に金属構造体を電
気めっきにより堆積させる。次いでレジストパターンを
除去する。その後、金属構造体を残すことができ、かつ
基板材料を選択的に除去できる条件下で、基板を部分的
にエッチングする。基板のエッチングにより形成された
構造体と金属構造体とによって所望の構造体が形成され
る。
【0007】本発明において、レジスト層は、たとえば
10μm〜1000μmの厚み、好ましくは20〜10
0μmの厚みで形成される。このような厚いレジスト層
は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メタクリ
ル酸とメタクリル酸メチルの共重合体(poly(MA
A−MMA))等によって形成することが好ましい。
【0008】本発明では、厚いレジスト層を十分露光し
てアスペクト比の高いパターンを形成するため、シンク
ロトロン放射光をリソグラフィにおいて用いる。シンク
ロトロン放射光としては、シンクロトロン放射X線が好
ましく用いられ、その波長は2〜10Åが好ましい。シ
ンクロトロン放射X線を用いたリソグラフィにより形成
されるレジストパターンは、たとえば、10〜1000
μmの厚みを有し、5〜100のアスペクト比を有す
る。
【0009】このように形成されたレジストパターンに
従い、パターンの形成されていない部分(基板が現れて
いる部分)にめっきにより金属を堆積すれば、基板上に
金属構造体を形成することができる。堆積させる金属と
して、たとえば、ニッケル、銅、金、パラジウム等を用
いることができる。また、基板には、シリコン、ガラス
等を用いることができる。次いで、レジストパターンを
除去して得られる金属構造体は、レジストパターンと同
様に、たとえば、10〜1000μmの厚み(高さ)を
有し、5〜100のアスペクト比を有する。
【0010】レジストパターンを除去した後、基板が部
分的にエッチングされる。エッチングにおいて、金属構
造体を残すことができ、かつ基板材料を選択的に除去で
きる条件が用いられる。エッチングはウエットエッチン
グでもドライエッチングでもよい。基板の部分を選択的
にエッチングすることで、基板自体による構造体を形成
することができる。これにより、基板自体による構造体
と、上記金属構造体とで、より複雑な構造体を構成する
ことができる。また、基板と異なる材料で金属構造体を
形成すれば、基板材料と金属との複合体による微細構造
体を形成できる。
【0011】この工程において、基板材料を選択的に除
去するため、たとえば、ウエットエッチングにおいて金
属構造体を溶解せず、基板のみを溶解するエッチング液
を用いることができる。この場合、基板上に形成された
金属構造体が保護膜の役割を果たし、金属構造体のパタ
ーンに従って基板はエッチングされる。基板を部分的に
エッチングすれば、金属構造体の下にそのパターンに従
った形の基板材料からなる構造体が形成される。したが
って、金属構造体と基板とによって、より厚く(嵩高
く)、アスペクト比の高い構造体が得られる。得られた
構造体の厚みは、たとえば40〜1500μm、アスペ
クト比は、20〜150である。
【0012】本発明において、基板をエッチングした
後、さらにその上に金属構造体を形成することもでき
る。この場合、エッチングの後、基板上に新たなレジス
ト層を形成する。形成されたレジスト層の厚みは、たと
えば10〜1000μmである。次いで、レジスト層に
ついてシンクロトロン放射光を用いたリソグラフィによ
りパターンを形成する。パターンの厚みは、たとえば1
0〜1000μm、アスペクト比は、たとえば5〜10
0である。得られたレジストパターンに従って、基板上
に新たな金属構造体を電気めっきにより堆積させる。新
たな金属構造体の厚みは、たとえば10〜1000μ
m、アスペクト比は、5〜100である。これにより、
さらなる構造体を付与することができ、より複雑な形状
またはよりアスペクト比の高い微細構造体が形成され
る。また、金属構造体を別の材料で形成すれば、さらに
材料の複合化が進む。めっきのための金属として、たと
えば、ニッケル、銅、金、パラジウム等が用いられる。
【0013】その後、さらに基板を部分的にエッチング
することができる。エッチングにあたっては、形成して
きた金属構造体を残すことができ、基板材料を選択的に
除去できる条件を選択する。エッチングには、ドライエ
ッチングおよびウエットエッチングを用いることができ
る。上述したような基板を選択的に溶解できるウエット
エッチングを用いることは好ましい。エッチングにより
さらに構造体が付与される。
【0014】以上示してきたように、金属構造体の形成
および基板のエッチングを繰返すことにより、基板上に
より複雑でアスペクト比の高い微細構造体を形成するこ
とができる。
【0015】
【実施例】以下に本発明の説明のため具体例を示すが、
本発明はこの具体例によって限定されるものではない。
【0016】図1(a)を参照して、たとえば結晶方位
が(110)、厚さが1mmのシリコン(Si)ウェハ
からなる基板10を準備し、その表面にクロム(Cr)
膜11を0.05μmの厚さで、その裏面に金(Au)
膜12を0.05μmの厚さで、それぞれスパッタ法に
より堆積させる。図1(b)を参照して、次にポリメチ
ルメタクリレート(PMMA)をベースとする樹脂を塗
布し、ベーキングを行なってレジスト層13を形成す
る。レジスト層13の厚みは約20μmである。
【0017】図1(c)を参照して、基板10の上方に
シンクロトロン放射X線(SR光)を透過しないタング
ステンからなる部分20と、SR光を透過する窒化シリ
コンからなる部分21とよりなるマスク22を設ける。
マスク22を介してシンクロトロン放射装置(電子総合
研究所TERAS)からピーク波長10ÅのSR光17
を100mA・hの条件下でレジスト層13に照射す
る。その後、レジスト層を有する基板をMibk原液
(メチルイソブチルケトン)(和光純薬製)中に2分間
浸漬することにより現像を行なう。現像により露光され
た部分13a、13bは除去され、図1(d)に示すと
おりレジストパターン13′が形成される。
【0018】次に、レジストパターンの凹部(レジスト
がなく基板上のCr層が露出している部分)に電気めっ
きによりニッケル層14を堆積させる(図1(e))。
ニッケルめっきでは、たとえば、スルファミン酸浴を用
い、pH4、浴温50℃、電流10A/dm2 の条件下
によってめっきを行なう。次いで、アセトンによりレジ
ストパターンを除去すれば、図1(f)に示すようなニ
ッケルからなる金属構造体14′が基板上に得られる。
【0019】図1(g)を参照して、次に、ドライエッ
チング法により基板上に露出するCr層11を除去す
る。ドライエッチングの条件は、RFパワー:500
W、ガス:SF6 、ガス流量:40sccm、ガス圧
力:5Pa、基板温度:−30℃、エッチング時間:1
0分である。図1(h)を参照して、続けてウエットエ
ッチングにより基板10を30μmの深さでエッチング
する。ウエットエッチングには、KOH20%水溶液が
用いられ、エッチングは80℃で約30分間行なわれ
る。このエッチングにおいて、金属構造体はレジストと
して働き、基板についてその下の部分はエッチングされ
ない。
【0020】以上の工程により、基板材料(Si)と金
属(Ni)の複合した微細構造体15が得られる。この
構造体では、ニッケル部と基板部とで約50μmの高さ
を稼いでいる。このように基板をエッチングすること
で、金属構造体とともにアスペクト比の高い構造、異な
る材料が複合した構造およびより複雑な構造を形成する
ことができる。 実施例2 図1(h)で得られた構造体上に通常の方法によりレジ
スト層を形成した後、通常のリソグラフィにより金属構
造体の部分のみを覆うレジストパターンを形成する。そ
の後、スパッタリングによりAuを堆積し、レジストを
除去することにより、図2(a)に示すとおり、基板1
0上にAu層16を形成する。このAu層16は、後の
工程においてNiメッキを行うために形成される。図2
(b)を参照して、次いで実施例1と同様のレジスト材
料を塗布する。レジスト材料は構造体の凹部を埋めるよ
うに塗布され、レジスト層23が形成される。図2
(c)を参照して、次に実施例1とは別のパターンのマ
スク32を基板上に設置する。マスク32を介して、シ
ンクロトロン放射装置(電子総合研究所TERAS)か
らピーク波長10ÅのSR光17を100mA・hの条
件下でレジスト層23に照射する。その後、レジスト層
を有する基材をMibk原液中に2分間浸漬することに
より、露光された部分を除去する。これにより、図2
(d)に示すようなレジストパターン23′が形成され
る。
【0021】次にレジストパターン23′の凹部(レジ
ストがなく基板上でAu層が露出されている部分)を埋
めるように、ニッケルめっきを行なう。ニッケルめっき
は、スルファミン酸浴を用い、pH4、浴温50℃、電
流10A/dm2 の条件下で行なわれる。次いで、レジ
スト層をアセトンで除去することで、図2(e)に示す
ようにニッケル、Cr層およびSiとから構成される微
細構造体25が得られる。 実施例3 実施例2の工程により、上から見た形状がたとえば図3
に示すような構造体を形成することができる。この場
合、実施例2で形成した金属構造体の部分25bは、実
施例1で形成された構造体25aを全面的に覆うもので
はなく、所々、たとえば図3に示す複数の箇所31およ
び32において、最初に形成した構造体の部分(Niお
よびSi)を露出させている。この場合、ウエットエッ
チング法により、構造体において、基板(Si)が露出
している部分を選択的にエッチングしていくことができ
る。エッチングでは、たとえば、HF25%、HNO3
50%およびCH3 COOH25%の混合水溶液を用い
る。エッチングは、たとえば常温で1分間行なわれる。
このようなエッチングの結果、図2(e)で示した構造
体のうち、Ni金属構造体の下部にある基板(Si)の
部分を除去することができる。その結果、図4に示すよ
うに、金属構造体40が基板10より部分的に離れたよ
り複雑な構造体を形成できる。
【0022】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明に従
えは、金属構造体の形成と基板のエッチングを行なって
いくことにより、より複雑でよりアスペクト比の高い微
細構造体を形成していくことができる。また、本発明に
よれば、金属と基材との複合体により微細構造が形成で
きる。したがって、本発明は、微細加工技術においてL
IGA法の適用範囲をさらに拡大するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う実施例1において微細構造体を形
成するプロセスを模式的に示す断面図である。
【図2】本発明に従う実施例2において微細構造体を形
成するプロセスを模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の実施例において形成された微細構造体
の形状を示す平面図である。
【図4】本発明の実施例において形成された微細構造体
のもう1つの形状を示す断面図である。
【図5】従来のLIGA法のプロセスを示す模式図であ
る。
【符号の説明】 10 基板 13′ レジストパターン 14′ 金属構造体 15 微細構造体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にレジスト層を形成した後、前記
    レジスト層についてシンクロトロン放射光を用いたリソ
    グラフィによりレジストパターンを形成する工程と、 前記レジストパターンに従って前記基板上に金属構造体
    を電気めっきにより堆積させる工程と、 前記レジストパターンを除去する工程と、 前記金属構造体を残すことができ、かつ前記基板材料を
    選択的に除去できる条件下で、前記基板を部分的にエッ
    チングする工程とを備え、 前記基板のエッチングにより形成された構造体と前記金
    属構造体とによって所望の構造体を形成することを特徴
    とする、微細構造体の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記エッチング工程において、前記金属
    構造体が保護膜の役割を果たし、前記金属構造体のパタ
    ーンに従って前記基板がエッチングされることを特徴と
    する、請求項1記載の微細構造体の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記エッチング工程の後、前記基板上に
    新たなレジスト層を形成し、前記レジスト層についてシ
    ンクロトロン放射光を用いたリソグラフィによりレジス
    トパターンを形成する工程と、 前記レジストパターンに従って、前記基板上に新たな金
    属構造体を電気めっきにより堆積させる工程と、 前記レジストパターンを除去する工程とをさらに備え、 前記新たな金属構造体により、さらなる構造体を付与す
    ることを特徴とする、請求項1または2記載の微細構造
    体の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記さらなる構造体を付与した後、前記
    金属構造体を残すことができ、かつ前記基板材料を選択
    的に除去できる条件下で、前記基板を部分的にエッチン
    グする工程をさらに備え、 前記エッチングによりさらに構造体が付与されることを
    特徴とする、請求項3記載の微細構造体の形成方法。
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