JPH07263214A - 木質系磁性材 - Google Patents

木質系磁性材

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JPH07263214A
JPH07263214A JP5419994A JP5419994A JPH07263214A JP H07263214 A JPH07263214 A JP H07263214A JP 5419994 A JP5419994 A JP 5419994A JP 5419994 A JP5419994 A JP 5419994A JP H07263214 A JPH07263214 A JP H07263214A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 漆の有する美的特性、酸、アルカリ、水分に
強く、経時変化が少ないという化学的特性および絶縁性
と、磁性材による磁気特性を兼ね備えた木質材を提供す
るとともに、さらに木粉を混合した木質材を提供する。 【構成】 漆と磁性材粉末または磁性流体からなる木質
系磁性材、および、漆、木粉および磁性材とが混合成型
されてなる木質材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、木質系磁性材に関す
るものである。さらに詳しくは、この発明は、酸、アル
カリ、水分に強く、経時変化が少なく堅牢で艶があり、
絶縁性にも優れているという漆の特性を生かし、さらに
は自然の質感や色調にも優れた木質材の特徴をも生かし
た、家庭木工製品、電気機器、情報通信機器、計測機
器、音響機器、医療家具製品、養護施設・育児施設およ
び老人ホームなどの介護施設等において有用な、新しい
木質系磁性材に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】漆は、酸、アルカリ、水分に
対し強く、長年使用しても優れた接着力を維持し、塗布
膜として堅牢で経時変化が少なく、屋内の温度変化にも
殆ど影響されないという優れた特性を有している。そし
て、漆は、工芸品として優れた艶および芸術的色彩を有
し、木質材と良く調和するものであること等から、古く
から生活に密着し、武具、家具、漆器等の什器、建築に
至るまで幅広く利用されてきている。また、最近では漆
の絶縁材料としての電気的特性を利用し、生体用計測機
器のセンサ部の金属に漆を塗布することで、金属が直接
膚に触れないようにして金属による膚のかぶれを防止す
ることが試みられてもいる。
【0003】一方、近年、木材加工技術および複合化技
術等の発展に伴い、合板、集成材、パーティクルボード
等の種々の加工木材が開発され、強度、防水性、耐熱性
等の性能の向上が図られてきている。また、木粉と接着
剤とを混合し、これを種々の形状の製品に成型すること
が行われてきている。さらに、木材の化学処理により、
木材を改質したり、木材に新しい機能を付与したりする
ことが行われてきており、帯電防止用の導電材料を組み
合わせた木質材等が開発されている。このような高付加
価値化した木質材の開発の進展に伴って、木質材として
のやさしい素材感と自然感を生かした有用な機能性木質
系材料を提供することが期待されている。
【0004】また、近年、オフィス、学校、家庭等への
電子機器およびパソコン、ファクシミリ等に代表される
情報通信機器の導入が急速に進められてきており、これ
らの機器から発生する電磁波等による機器相互の電磁気
的干渉が問題視されてきている。こういったことから、
家庭内等の機器、家具および壁についても磁気的電気的
特性といった新しい機能を有する木質材の出現が要望さ
れていた。
【0005】しかしながら、これまでは、鉄、コバルト
等の磁性金属や、フェライトなどのセラミックス材から
なる磁性材料を機器、家具等に用いる場合は、どうして
もその肌触りが硬質で、無機的であり、冷たさを感じさ
せることから、望ましい材料とは言えないのが実情であ
った。このような事情から、この発明の発明者は、既
に、磁気特性を有する木質材について、天然木材または
加工木材に、磁性流体または磁性微粒子を混合した液体
を浸漬浸透、注入もしくは塗布してなる磁気特性を有す
る新規・有用な木質材を提案している。この木質材は、
木材の性質であるソフトな感覚、感触を有するため、家
庭内等で用いても違和感がなく、従来の家具調のイメー
ジを崩さずに電子機器、情報通信機器等と組み合わせた
ボード等として広くかつ有用に用いられうるものであ
る。
【0006】しかしながら、この木質材は、天然木材ま
たは加工木材に、磁性流体または磁性微粒子を混合した
液体を浸漬浸透、注入もしくは塗布することから、その
ままでは、天然木材または加工木材の表面に付着した磁
性流体または磁性微粒子が、木材表面から剥離または分
離脱落することがあり、また、これら木材の表面に付着
した磁性流体または磁性微粒子は特有の色を呈するた
め、色彩選択の幅に制限があった。天然木材または加工
木材の表面からの磁性流体または磁性微粒子の剥離また
は分離脱落を防止し、良好な磁気特性を有する木質材を
提供するためには、天然木材または加工木材の表面にラ
ッカー、エナメル等を塗布することによって皮膜を形成
することが考えられるが、そのための作業工程が増える
という問題がある。また、所望の色彩をこれら木材に付
与するためには、着色材を含有する下地塗料を塗布した
後、透明ラッカー、エナメル等によって皮膜を形成させ
るか、ラッカー、エナメル等に適宜な着色材等を混入さ
せることが考えられるが、これらの手段にはコストがか
かり経済的ではなかった。さらにまた、この磁気特性を
有する木質材では、高周波磁界を作用させたとき渦電流
損が比較的大きく、高周波帯域まで使用するには難点が
あり、電導性がないことから電気シールド等の用途や、
電気磁気といった両方の特性が必要な場合には向かない
という課題があった。
【0007】そこで、この発明は、以上の通りの従来技
術の問題点を解消するためになされたものであり、木質
材として古くから知られている漆の素材感を生かしつ
つ、漆の有する美的特性や、酸、アルカリ、水分に強
く、経時変化が少ないといった化学的特性および絶縁性
等とともに、磁性材による磁気特性を兼ね備えた木質系
磁性材を提供すること、そして、さらに木粉を配合した
木質系磁性材をも提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の通り
の課題を解決するものとして、漆と磁性材粉末または磁
性流体とからなることを特徴とする木質系磁性材を提供
する。また、この発明は、この木質系磁性材に、さらに
木粉を配合してなるものをも提供する。さらにまた、こ
の発明は、木粉と磁性材粉末または磁性流体とからなる
木質系磁性材をも提供する。
【0009】この場合の木質系磁性材を構成する成分と
しての漆については、従来より各種の分野で接着剤、結
合剤として利用されてきている生漆や、水分含有量が比
較的少く、成分が均一な精製漆のいずれのものでも使用
することができる。また、磁性材粉末については、各種
のものが使用でき、たとえば純鉄、センダスト、ステン
レス鋼、モリブデンパーマロイ等の各種粒径のものが例
示される。磁性流体についても同様である。窒化鉄系の
ものをはじめとして公知のもの等が適宜に使用できる。
【0010】漆と磁性材粉末または磁性流体との配合割
合は、目的とする木質系磁性材の使用態様、たとえば、
塗布、含浸、あるいは注型成形等の態様や用途に応じ
て、その磁気特性をも考慮して選択することができる。
たとえば成形型によって硬化成形して使用する場合に
は、漆と磁性材粉末との配合割合は次の表1の通りのも
のを目途とすることができる。
【0011】
【表1】
【0012】この場合の成形の手順を示したものが図1
である。木粉を配合する場合にも、その粒径や配合量に
ついては、上記と同様に用途、磁気特性、成形性等を考
慮して選択すればよい。通常は、木粉の配合について
は、たとえば、漆、磁性材粉末との組合わせとしては、
次の表2を考慮することができる。
【0013】
【表2】
【0014】木粉を用いた成形型による成形の手順を例
示したものが図2である。なお、塗布あるいは含浸によ
って木材の内部まで漆と磁性材粉末もしくは磁性流体と
を浸透させるためには、注入手段を採用することが好ま
しく、具体的には、加圧によるかもしくは減圧後加圧に
よって注入させることが望ましい。ここにおいて、漆
は、天然木材または加工木材と磁性材とを接着・結合さ
せる結合材(binder)として機能するとともに表面皮膜形
成材として機能し、漆特有の美的でかつ堅牢な表面をも
形成する。所望の色彩を呈するようにするためには、必
要に応じ適宜の顔料等を混入させた漆を用いることが好
ましい。
【0015】また、漆、木粉および磁性材とを混合する
場合、漆は、木粉、磁性材を接着・結合するための結合
材(binder)として機能するとともに表面皮膜形成材とし
ても機能するものであるが、必要に応じ膠等の接着剤を
結合材として適宜添加してもよい。また、漆、木粉およ
び磁性材とを混合したものは、金型によって任意の形状
に成型することができるものである。磁性材として永久
磁石材料である硬質磁性材を用い、着磁することで永久
磁石特性を有する漆木質材が得られる。
【0016】また、漆を使用せずに、硬化性の樹脂を配
合して組成物とすることもできる。この場合の樹脂とし
ては、たとえば、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、フェノー
ル樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ
エーテル樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂、ある
いはポリスチレン、ポリアクリレート、ポリオレフィン
等の樹脂であってもよい。
【0017】いずれの場合にも、この発明の木質系磁性
材には、さらに必要に応じて、増粘剤、希釈剤、硬化促
進剤、着色剤、充填材、導電材等を適宜に配合すること
ができる。特に、導電材としては、銀、銅、カーボン等
の粉末、微粒子を含有する導電性塗料または導電性流体
等を用いることができ、これらの単独または適宜併用し
て用いてもよい。
【0018】天然木材または加工木材に漆と磁性材およ
び導電材を混合した液体を適用する手段としては、用い
られる木材の種類、木質材の用いられる技術分野、用途
等に応じ、浸漬浸透、注入、塗布といった手段が適宜選
択でき、これらを単独で、あるいは適宜組み合せて適用
してもよいものであるが、木材の内部まで漆と磁性材お
よび導電材とを浸透させるためには、注入手段を採用す
ることが好ましく、具体的には加圧によるかもしくは減
圧後加圧によって注入させることが望ましい。ここにお
いて、漆は、天然木材または加工木材と磁性材および導
電材とを接着・結合させる結合材(binder)として機能
し、漆の有する堅牢な美的表面をも形成する。所望の色
彩を呈するようにするため、必要に応じ適宜の顔料等を
混入させた漆を用いることが好ましい。
【0019】漆、木粉、磁性材および導電材とを混合す
る場合、漆は、木粉、磁性材、導電材とを接着・結合す
るための結合材(binder)として機能するとともに表面皮
膜形成材としても機能するものであるが、必要に応じ膠
等の接着剤を結合材として適宜添加してもよい。また、
漆、木粉、磁性材および導電材とを混合したものは、金
型によって任意の形状に成型することができるものであ
る。
【0020】以上の通りのこの発明により、安価に且つ
汎用で取扱容易な磁気特性を有する木質系磁性材または
磁気特性および導電性とを有する木質系磁性材を得るこ
とができる。この木質材は、磁気特性とともに、ソフト
な感覚、感触を有する他、漆の特性、すなわち、酸、ア
ルカリ、水分に強く、経時変化が少ないといった堅牢で
艶のある美的特性や、絶縁性等の電気的特性とを合わせ
持っている。このため、高級家具調のイメージを崩さな
いで電子機器、情報通信機器等と組み合わせることので
きる磁気特性を有する木質ボード等として広く用いるこ
とができる。漆の絶縁材料としての電気的特性と、交流
初透磁率および磁束密度に優れた磁性材とを有する木質
材は、高周波磁界による渦電流損失を著しく押さえるこ
とができる。このため、この発明の木質系磁性材は、高
周波帯域までの周波数特性の良好な磁気機能材、すなわ
ち、高周波用磁気シールド材、例えば、フロッピィディ
スク等の磁気情報メモリの収納ケースボード材、情報通
信モニターテレビ機器のボード材として有効に使用する
ことができる。また、ボード状木質材に高周波磁界を印
加することにより磁性木質材部分が加熱され、面状加熱
ができることから暖房用および温熱療法等の加熱ボード
として実用性が有る。
【0021】特に漆と磁性材とを混合した木質系磁性材
は、人体の皮膚に触れてもかぶれ等が全く生じないた
め、電子機器の安全性を確保するとともに人間にソフト
で美的な感覚を与える必要のある家庭、病院、老人ホー
ム、養護施設、育児施設等において用いられている各種
の電子磁気機器用のボード等に使用できるほか生体用計
測機器のセンサ部の磁気検出機能木質材としても用いる
ことができる。
【0022】また、磁性材として永久磁石材料である硬
質磁性材料を用い、着磁機によって着磁することで永久
磁石特性を有する木質材を得ることができる。さらに、
導電性塗料または導電性流体を用いることにより導電性
と磁気特性の双方を有する木質材が得られる。この導電
性および磁気特性を有する木質材は、導電性部分に電流
を流すと磁性部分に磁束が発生し、一方、外部磁界によ
り磁性部分に磁束が発生すると導電性部分に誘起電圧が
発生するといった電気・磁気機能を有する。このため、
高周波用電気シールド材として実用性がある。また、外
部磁界による磁束制御が可能なことを利用し、共鳴周波
数を可変できるマルチ音響ボードとして応用することが
できる。
【0023】以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発
明について説明する。もちろんこの発明は以下の例によ
って限定されるものではない。
【0024】
【実施例】実施例1 (A)漆は精製漆を使用した。また漆に混入する磁性粉
末は昔から漆と関わりを持つ純鉄(100メッシュアン
ダー)や磁性材料として代表的なセンダスト(100メ
ッシュアンダー)、モリブデンパーマロイ(350メッ
シュアンダー)、ステンレス(100メッシュアンダ
ー)を選んだ。
【0025】混入する磁性粉末の量については、試料の
磁気特性が試料全体に占める体積に依存することが予想
されたので体積パーセントを採用し、表3に示すように
それぞれの磁性粉末の体積パーセントを2[%]ずつ変
化させながら見掛透磁率の周波数特性を評価した。
【0026】
【表3】
【0027】またその作製工程は、図1に示す通りとし
た。漆の最適固化条件を満たすために、恒温恒湿槽によ
り温度25[℃]、湿度80[%]を保つようにした。
試料形状はこれまで研究されてきた磁性木材と同様な直
径10[mm]、長さ30[mm]の丸棒状(図3)と
し、磁気特性の比較検討ができるようにした。 (B)作製した試料の見掛透磁率の測定はインピーダン
ス・アナライザーYHP4194Aを使用した。テスト
フィクスチャに接続したサーチコイルによって、空心で
のインダクタンスと試料挿入後のインダクタンスの比か
らその試料の見掛透磁率の算出を行った。
【0028】サーチコイルの巻数は10[turn]、
測定周波数は10[kHz]〜11[MHz]とし、励
磁電流は10[mA]一定で測定した。 (C)図4〜図7はそれぞれの磁性粉末において粉末混
入割合を変化させた時の見掛透磁率の値である。全般的
に体積パーセントが上がるにつれて見掛透磁率の増加量
が小さくなる傾向が見られた。粉末の内センダスト、ス
テンレス、モリブデンパーマロイは1[MHz]付近を
境に急激に見掛透磁率が増加しており、サーチコイルの
共振の影響が見られる。逆に純鉄については1[MH
z]以上で見掛透磁率の減少が起こっている。
【0029】図8は試料に混入する磁性粉末の体積パー
セントを64[%]にした時の周波数特性である。同図
より見掛透磁率の高い順にモリブデン、純鉄、ステンレ
ス、センダストという結果が得られた。実施例2 (A)木粉材料には桂の木を選んだ。その選定理由は、
磁性流体を注入した磁性木材と比較するため木材の材質
が同じであること、また桂は広葉樹なので木粉した場合
に粒径が揃うためである。一般に、針葉樹を木粉にする
と粒径が針状になり不均一となる。
【0030】磁性粉末は磁気的特性が良好になるよう比
較的透磁率の高いもので、手に入りやすい粉末(センダ
スト、ニッケル、純鉄、モリブデンパーマロイ)を使用
した。ただし、粒径は100meshアンダーで揃え
た。また、磁性流体も使用した。磁性木材の作製手順は
次の通りとした。
【0031】1)木粉の乾燥(全乾にする)。 2)乾燥した木粉に磁性粉末を混合し、攪拌する。 3)エポキシ樹脂接着剤の主剤と硬剤に2)で混合した
粉末を半分づつ混ぜる。 4)粉末を混合した主剤と硬剤を混ぜ合わせ3分間攪拌
する。
【0032】5)4)で作製したものを図1の型に入れ
て固める。 6)固まったら、型から取りだし加工する。 磁性粉を用いて作製した木質剤の種類は、次の表4およ
び表5の通りとした。
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】(B)インピーダンス・アナライザYHP
4194Aを用いて、磁性木材を挿入したコイルのイン
ダクタンスを測定し、空心のコイルのインダクタンスと
の比から見掛透磁率を算出する。サーチコイルの巻数は
10turn、励磁周波数は10[kHz]から10
[MHz]までとした。 (C)図9及び図10は磁性粉末を混合した磁性木材と
磁性流体を注入した磁性木材の見掛透磁率の測定結果で
ある。磁性流体を注入した磁性木材は、周波数が高くな
るにつれて見掛透磁率が低くなる。これに対して磁性粉
末を混合して作製した磁性木材は、1[MHz]付近ま
ではほぼ一定の見掛透磁率を示した。また、今回作製し
た磁性木材の中で磁性粉末の種類別では、モリブデンパ
ーマロイの見掛透磁率が高い値を示した。それから、図
9及び図10においてモリブデンパーマロイ粉とセンダ
スト粉は周波数が1[MHz]以上になると見掛透磁率
が高くなっているが、これはサーチコイルの共振現象の
影響しているのではないかと思われる。
【0036】図11は励磁周波数100[kHz]のと
きの磁性木材の磁性粉末の混合割合を表した結果であ
る。同図よりセンダスト、モリブデンパーマロイ、純鉄
は磁性粉末の混合割合が32[%]以上で磁性流体を注
入した磁性木材の見掛透磁率より高くなることがわか
る。実施例3 実施例1と同様にして漆、磁性粉末モリブデンパーマロ
イ、銅粉末を有する導電性塗料磁性・導電性木質剤を製
作したところ、良好な磁性と導電性を有する木質剤が得
られた。
【0037】
【発明の効果】この発明は、以上詳しく説明したように
構成されているので、以下に記載されるような効果を奏
する。安価に且つ汎用で取扱容易な磁気特性を有する木
質剤が得られ、磁気特性に加え、木質材のソフトな感
覚、感触を有する他、漆の特性を有していることから、
堅牢で艶のある高級な美的皮膜により、磁性流体または
磁性微粒子等が表面から剥離または分離脱落等すること
がない。また、漆に用いる顔料等を適宜選択することに
より好みの色彩を木質材に与えることができる。
【0038】漆の絶縁性といった電気的特性により高周
波磁界による渦電流を著しく押さえることができ、高周
波帯域まで使用可能な木質材が得られる。従って、電気
・磁気シールド材、磁気感応材、磁気加熱材、磁束制御
材および永久磁石等として利用することができ、家庭木
工製品、電気機器、情報通信機器、計測機器、音響機
器、医療家具製品、養護施設・育児施設および老人ホー
ムなどの介護施設等における電気・磁気機器、それらの
諸施設等にとって有用な高機能性の木質材を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】木質系磁性材試料の作製方法を例示した工程図
である。
【図2】木粉を用いる木質系磁性材の作製方法を例示し
た工程図である。
【図3】木材試料の形状を示す斜視図である。
【図4】センダスト粉末の場合の木質材試料の見掛透磁
率と周波数との相関図である。
【図5】ステンレス粉末の場合の木質材試料の見掛透磁
率と周波数との相関図である。
【図6】モリブデン粉末の場合の木質材試料の見掛透磁
率と周波数との相関図である。
【図7】鉄粉の場合の木質材試料の見掛透磁率と周波数
との相関図である。
【図8】各粉末64%の時の見掛透磁率と周波数との相
関図である。
【図9】磁性粉20gの時の見掛透磁率と周波数との相
関図である。
【図10】木粉1.0g混合の時の見掛透磁率と周波数
との相関図である。
【図11】粉末の混合割合と見掛透磁率との相関図であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 漆と磁性材粉末または磁性流体とからな
    ることを特徴とする木質系磁性材。
  2. 【請求項2】 漆と木粉と磁性材粉末または磁性流体と
    からなることを特徴とする木質系磁性材。
  3. 【請求項3】 成型されてなることを特徴とする請求項
    1または2の木質系磁性材。
  4. 【請求項4】 木粉と磁性材粉末もしくは磁性流体と樹
    脂とからなることを特徴とする木質系磁性材。
  5. 【請求項5】 成型されてなることを特徴とする請求項
    4の木質系磁性材。
  6. 【請求項6】 請求項1、2または4の木質系磁性材
    に、導電材が配合されていることを特徴とする木質系磁
    性材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001118669A (ja) * 1999-10-15 2001-04-27 Japan Science & Technology Corp 電磁加熱方法とその装置
WO2013031971A1 (ja) 2011-08-31 2013-03-07 地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター 成形用材料と、これを用いた成形体
JP2014076550A (ja) * 2012-10-09 2014-05-01 Kiso Shikki Kougyou Kyoudou Kumiai 漆下地材の製造方法及びその下地材を用いた漆器の製造方法

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