JP2001118669A - 電磁加熱方法とその装置 - Google Patents
電磁加熱方法とその装置Info
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Abstract
る方法とその装置を提供する。 【解決手段】 磁性物質を一体化した木材(1)に励磁
コイル(2)または励磁導電路とを配置し、電流(3)
を流して電磁加熱する。
Description
方法とその装置に関するものである。さらに詳しくは、
この発明は、暖房家具、暖房建具、保温食器、保温装飾
品等として有用な電磁加熱方法とその装置に関するもの
である。
あるいは加工木質材として、加工が容易であるばかりで
なく、感触、臭いなどが独特であり、人間の生活に非常
に密着し、椅子、机、タンスなどの家具、床、壁、天井
のなどの建具、皿、器などの食器、おきものなどの装飾
品の材料として、古くから用いられてきている。
に、人間の生活の上で欠かすことのできないあらゆる用
途の部材として利用されることが多く、その中には、例
えば暖房器具の部材等としての加熱部材として利用され
ることも多い。
定の温度に保つ必要性のある加熱部材として利用するこ
とは、それほど容易なことではない。一般的に、木材を
暖房器具や加熱器具の一部に用いる場合には、木材の外
部に熱源を設けてこの熱源により木材を外部から暖める
ことが必要であることから、その結果、温度分布のムラ
が生じたり、非効率的な温度上昇を余儀なくされてい
た。
部材に用いることは、あまり一般的ではなく、床暖房な
どのごく限られた分野にしか応用されていない。このよ
うな現状をふまえて、木材を直接的に加熱する方法とそ
の装置の検討がなされてきてはいるものの、これまでの
ところ、木材を直接的に効率よく加熱する方法とそのた
めの装置は実現されていないと言ってよい。
の事情に鑑みてなされたものであり、木材を直接的に効
率よく加熱することのできる、新しい木材の加熱方法と
その装置を提供することを課題としている。
の課題を解決するものとして、第1には、磁性物質が一
体化された木材に励磁コイルまたは励磁導電路を配置
し、励磁コイルまたは励磁導電路に励磁電流を流し電磁
加熱することを特徴とする電磁加熱方法を提供する。
は、木材内部への磁性物質の注入、木材表面へのパウダ
ー状磁性物質の圧着、および木材表面への液体状の磁性
物質の塗布の少なくともいずれかの方法によって木材に
は磁性物質が一体化されている前記の電磁加熱方法を提
供し、第3には、励磁コイルまたは励磁導電路は、その
巻き方もしくは導電路の配設が、ソレノイド状、また
は、スパイラル状である前記の電磁加熱方法を、第4に
は、励磁電流の周波数を10kHz以上とする前記の電
磁加熱方法を提供する。
熱加熱装置であって、加熱部と交流電源部とを有し、加
熱部は、磁性物質が一体化された木材とこれに配置され
た励磁コイルまたは励磁導電路とにより構成されてお
り、励磁コイルまたは励磁導電路に交流電源部より励磁
電流が送られることで加熱部が発熱することを特徴とす
る電熱加熱装置を提供する。また、第6には、木材内部
への磁性物質の注入、木材表面へのパウダー状磁性物質
の圧着、および木材表面への液体状の磁性物質の塗布の
少なくともいずれかの方法によって木材には磁性物質が
一体化されている電熱加熱装置を、第7には、磁性物質
は、その全部または一部として磁性粒子を含むものであ
って、磁性粒子の大きさは75μm以下である電熱加熱
装置を、第8には、磁性物質は、フェライト系、金属
系、またはアモルファス系の磁性体である木材電熱加熱
装置を、第9には、励磁コイルまたは励磁導電路は、そ
の巻き方もしくは導電路の配設が、ソレノイド状、また
はスパイラル状である電熱加熱装置を、第10には、励
磁電流の周波数は10kHz以上である電熱加熱装置を
提供する。
記の電熱加熱装置であって、暖房家具、暖房建具、調理
器具、保温食器、保温装飾品、または医療・健康器具で
ある電熱加熱装置を提供する。
5℃以上である電熱加熱装置も提供する。
特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態につい
て説明する。
と励磁コイルまたは励磁導電路とを木材に配置させ、励
磁コイルまたは励磁導電路により電磁加熱して木材を昇
温させることに大きな特徴がある。
この発明の電磁加熱方法は、磁性物質を含む磁性木材
(1)に、励磁コイル(2)、または平面部や溝部に導
電性塗料を塗布ないしは埋設して、あるいは導電性フィ
ルム条の配置により励磁導電路を形成したボード(3)
を当接配置し、励磁コイル(2)または励磁導電路に励
磁電流(4)を流して電磁加熱する。
としては、木材内部に磁性物質を注入してもよいし、木
材表面にパウダー状の磁性物質を圧着してもよいし、木
材表面に液体状の磁性物質を塗布してもよい。そしてこ
れらの手段は組合わされてもよい。木材内部に磁性物質
を注入する場合、および木材表面にパウダー状の磁性物
質を圧着する場合の方が、木材表面に液体状の磁性物質
を塗布するよりも、温度上昇の点では効率がよい。た
だ、作業上の観点からすると、木材表面に液体状の磁性
物質を塗布する方が容易である。
方法としては、図1のように、磁性物質を一体化した磁
性木材(1)と当接するように励磁コイルまたは励磁導
電路のボード(2)を配置してもよいし、あるいは磁性
木材(1)の内部に励磁コイルまたは励磁導電路を埋設
するようにしてもよい。いずれの場合であっても、コイ
ルの巻き方あるいは導電路の配置が、スパイラル状であ
っても、または、ソレノイド状であってもよい。スパイ
ラル状とは、回転半径が異なる状態を示し、回転半径が
減少しても、または、回転半径が増加してもよい。ソレ
ノイド状とは、回転半径が、同じ状態を示している。
外部への漏洩を抑えるためには、磁性木材と励磁コイル
(励磁コイル)または励磁導電路固定ボードとを密着さ
せて両者の間の空隙をなくした一体型発熱ボードがより
好ましい形態として例示される。
は、磁性粒子をその全部または一部として含むものであ
ってもよい。磁性粒子の場合にはその粒子サイズが75
μm以下であって、その材質が、フェライト、たとえば
Mn−Znフェライト、センダスト、鉄、等々のフェラ
イト系、金属系、あるいはアモルファス系の各種の磁性
体、もしくはそれらの磁性流体であると、さらに効率よ
く温度上昇を生じることができる。
流の周波数は、励磁電流が生じる程度のものであれば、
特に限定するものではないが、10kHz以上である
と、さらに効率よく温度上昇を生じることができる。
的な加熱部材として用いることができ、例えば、従来か
ら存在する暖房床だけでなく、暖房や保温が可能な椅
子、机、タンスなどの暖房保温家具、床、壁、天井など
の暖房保温建具、皿、器などの暖房保温食器、おきもの
などの暖房保温装飾品等の実現をも可能とする。
て詳しく説明する。
を用いて、表面温度の時間変化を測定した。その3種類
の磁性木材としては、ア)水ベース磁性流体W−35を
内部に注入した注入型磁性木材、イ)2500BのMn
−Znフェライトのパウダーを圧着により表面に押しつ
けたパウダー型磁性木材、ウ)2500BのMn−Zn
フェライト液体を表面に塗布したコーティング型磁性木
材の3種類を用いた。
cm、厚さ3cmの板状のものであり、その内部には励
磁コイルとして、エナメルコートした直径0.35mm
の銅線を、高さ10mmのピッチで3周巻き付け、その
励磁コイルの銅線の巻き方としては、ソレノイド状とし
た。
度45〜55%であり、励磁電流は、周波数が1MHz
で電流を2Aの交流電流とした。この発明の木材の加熱
方法と比較検討するために、磁性物質が混入されていな
い比較板材として、大きさが同じのファイバーボード、
パーティクルボードおよび杉板をも用いた。
には、サーモグラフを配置させ、板材表面の温度を測定
した。その結果は、図2に例示した通りである。図中の
黒四角印の注入型磁性木材と黒丸印のコーティング型磁
性木材は、実験開始後80分後には、上昇温度がともに
45℃となり、また黒三角印のパウダー型磁性木材も、
実験開始後50分後には、上昇温度が30℃となった。
して、□印の杉板は、実験開始後80分が経過しても、
上昇温度は25℃であり、○印のファイバーボードと△
印のパーティクルボードに関しては、非常に温度上昇が
低く、実験開始後80分が経過しても、高々18℃しか
温度上昇が得られなかった。実施例2 次に、実施例1で用いたコーティング型磁性木材につい
て、その励磁コイルの巻き方の違いに対する温度上昇に
ついて検討を行った。
るために、その巻き方として、ソレノイド状、中間状、
および、スパイラル状の3種類の異なるものを用いた。
ここで、中間状とは、木材の上部に向かって、その銅線
の回転半径が、スパイラル状と、ソレノイド状の中間的
なものをさす。この実施例では、スパイラル状として、
木材の上部に向かって、その銅線の回転半径が減少する
ものを用いた。
いファイバーボードについても、前記のソレノイド状、
中間状、および、スパイラル状の3種類のものを用い
て、同様に温度の時間変化を測定した。
ル状のコーティング型磁性部材における、各種実験条件
は実施例1と同様の条件である。その結果は、図3に例
示した通りであり、黒丸印のソレノイド状磁性木材は、
実験開始50分後には、温度上昇が43℃となり黒三角
印のスパイラル状磁性木材は、実験開始50分後には、
温度上昇が40℃となり、黒四角印の中間状は、実験開
始50分後には、28℃となった。
バーボードについては、○印のソレノイド状ファイバー
ボードは、実験開始50分後でも、温度上昇が16℃し
かなく、△印のスパイラル状ファイバーボード、およ
び、□印の中間状ファイバーボードでは、実験開始50
分後でも、温度上昇が10℃でしかなかった。実施例3 次に、磁性物質の異なる3種類の磁性木材を用いて、実
施例1と同様の実験条件で、温度上昇と時間との関係を
検討した。
5μm以下である、Mn−Znフェライト2500B、
センダスト、および、鉄KIP300Aパウダーからな
る。これらの各種磁性物質の性質は、表1に示した通り
である。この表1において、各種磁性物質は内径10m
m、外径20mmのリング状のものに加工して、その周
囲を銅線により20回巻いた励磁コイルによりテストを
行った。このときの最大磁場は、500A/mであり、
励磁電流の周波数は1MHzであった。
おける、温度と時間との関係は、図4の通りであり、黒
丸印のセンダストは実験開始60分後には、温度上昇が
50℃となり、黒三角印のMn−Znフェライト250
0Bは、実験開始60分後には、温度上昇が43℃とな
り、黒四角印の鉄KIP300Aパウダーは、実験開始
60分後に黒四角印は、温度上昇が33℃にも達した。実施例4 次に、実施例1と同様の実験条件で、励磁電流の周波数
を変えて、その周波数と温度との関係を検討した。実施
例1で用いた、注入型磁性木材とコーティング型磁性木
材に対して、コイルの巻き方をソレノイド状とし、5種
類の励磁電流の周波数を用いて、実験開始後90分後の
温度上昇を調べた。
磁電流の周波数が高いほど、温度上昇も大きかった。例
えば、励磁電流の周波数が106 Hzの場合には、黒四
角印の塗布型磁性木材では、上昇温度が50℃をこえ、
黒丸印の含浸型磁性木材でも、温度上昇が45℃にも及
んだ。実施例5 図6、図7および図8には、磁性木材と発熱ボードの作
製例をその手順とともに示した。
複素透磁率の周波数特性として示した。また、測定条件
が次の表2
図10と表3の結果を得た。
発明により、木材を直接的に効率よく加熱する、木材の
加熱方法とその装置を提供することを可能とし、例え
ば、従来から存在する暖房床だけでなく、暖房や保温が
可能な椅子、机、タンスなどの暖房保温家具、床、壁、
天井のなどの暖房保温建具、皿、器などの暖房保温食
器、おきものなどの暖房保温装飾品等の実現をも可能と
する。
上面図と正面図である。
法が異なる磁性木材をパラメータとして、時間と木材表
面温度上昇との関係を示した関係図である。
巻き方をパラメータとして、時間と木材表面温度上昇と
の関係を示した関係図である。
パラメータとして、時間と木材表面温度上昇との関係を
示した関係図である。
と木材表面温度上昇との関係を示した関係図である。
した工程図である。
した工程図である。
した工程図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 磁性物が一体化された木材に励磁コイル
または励磁導電路を配置し、励磁コイルまたは励磁導電
路に励磁電流を流電し、磁加熱することを特徴とする電
磁加熱方法。 - 【請求項2】 木材内部への磁性物質の注入、木材表面
へのパウダー状磁性物質の圧着、および木材表面への液
体状の磁性物質の塗布の少なくともいずれかの方法によ
って木材には磁性物質が一体化されている請求項1の電
磁加熱方法。 - 【請求項3】 励磁コイルまたは励磁導電路は、その巻
き方もしくは導電路の配設が、ソレノイド状、または、
スパイラル状ある請求項1または2の電磁加熱方法。 - 【請求項4】 励磁電流の周波数を10kHz以上とす
る請求項1ないし3のいずれかの木材の電磁加熱方法。 - 【請求項5】 電磁加熱装置であって、加熱部と交流電
源部とを有し、加熱部は、磁性物質が一体化された木材
とこれに配置された励磁コイルまたは励磁導電路とによ
り構成されており、励磁コイルまたは励磁導電路に交流
電源部より励磁電流が送られることで加熱部が発熱する
ことを特徴とする電熱加熱装置。 - 【請求項6】 木材内部への磁性物質の注入、木材表面
へのパウダー状磁性物質の圧着、および木材表面への液
体状の磁性物質の塗布の少なくともいずれかの方法によ
って木材には磁性物質が一体化されている請求項5の電
熱加熱装置。 - 【請求項7】 磁性物質は、その全部または一部として
磁性粒子を含むものであって、磁性粒子の大きさは75
μm以下である請求項5または6の木材電熱加熱装置。 - 【請求項8】 磁性物質は、フェライト系、金属系、ま
たはアモルファス系の磁性体である請求項5ないし7の
いずれかの電熱加熱装置。 - 【請求項9】 励磁コイルまたは励磁導電路は、その巻
き方もしくは導電路の配設が、ソレノイド状、またはス
パイラル状で配置されている請求項5ないし8のいずれ
かの電熱加熱装置。 - 【請求項10】 励磁電流の周波数は10kHz以上で
ある請求項5ないし9のいずれかの電熱加熱装置。 - 【請求項11】 請求項5ないし10のいずれかの電熱
加熱装置であって、暖房家具、暖房建具、調理器具、保
温食器、保温装飾品、または医療・健康器具である電熱
加熱装置。 - 【請求項12】 20分後の上昇温度が25°以上であ
る請求項5ないし11のいずれかの電熱加熱装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29460099A JP3979756B2 (ja) | 1999-10-15 | 1999-10-15 | 電磁加熱方法とその装置 |
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JP2007043591A Division JP4628381B2 (ja) | 2007-02-23 | 2007-02-23 | 電磁加熱方法とその装置 |
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JP3979756B2 JP3979756B2 (ja) | 2007-09-19 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP7419409B2 (ja) | 2014-05-21 | 2024-01-22 | フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム | 磁性粒子を含むエアロゾル形成物品 |
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