JPH05285904A - 磁気特性を有する木質材 - Google Patents

磁気特性を有する木質材

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JPH05285904A
JPH05285904A JP9313192A JP9313192A JPH05285904A JP H05285904 A JPH05285904 A JP H05285904A JP 9313192 A JP9313192 A JP 9313192A JP 9313192 A JP9313192 A JP 9313192A JP H05285904 A JPH05285904 A JP H05285904A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 木材は高い吸湿性を示し、この性質と磁性流
体が液体であることを利用して、木材中に磁性流体を浸
透、注入させる方法または木材の表面に磁性流体を塗布
する方法により磁気特性を有する木質材を作製し、提供
する。 【効果】 この磁性木材は木材表面又は木材中への磁性
流体の浸透度合いにより透磁率および磁束密度等の磁気
特性に違いを持たせることができると共に、これらの磁
気特性の周波数特性も簡単にかえることができる。建
材、電機機器、音響機器部材等として有用な新機能木質
材料が実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、磁気特性を有する木
質材に関するものである。さらに詳しくは、この発明
は、電気機器、計測機器、音響機器、それらの諸設備等
において有用な電磁気シールド性等の磁気特性を備えた
新しい木質材に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】近年、木材加工技術の発展に
ともない種々の合板、集成材、パーティクルボード等の
加工木材が開発され、強度、防水性、耐熱性等の種々の
特性の向上によって様々な用途を満足すべく、その組
成、構造をはじめ、樹脂等との複合化による新しい高付
加価値の木質材の実用化が進められてきている。
【0003】そして、技術の発展に伴い帯電防止用の導
電性材料を組み合わせた合板等も出現してきている。こ
のような高付加価値の木質材の開発が進むにともなっ
て、木質材としてのやさしい素材感と自然感を生かしつ
つ、さらに有用な材料を提供することが期待されてもい
る。
【0004】このような状況にあって木質材と磁性材と
の組合わせによる新しい機能材料の実現が望まれてい
る。実際、近年、急速にオフィス、学校、家庭等への電
子機器および情報機器の導入が進められてきていること
から、家庭内等の家具および壁についても磁気的電気的
特性を有する磁性木材の出現が要求されてもいる。しか
しながら、これまでの磁気特性を有する材料としては
鉄、コバルト等の磁性金属や、フェライト等のセラミッ
クス材を用いることが一般的であり、これらの磁性材料
を家具等に用いる場合には、その肌触りが硬質で、無機
的であり、冷たさを感じさせることから、望ましい材料
とは言えなかった。
【0005】そこで、この発明は、従来の磁性材料の欠
点を克服し、本質的に、セルロース、リグニン等の高分
子物質からなる非磁性の繊維状組織体である木材あるい
は木質材であって、しかもその素材感を生かしつつ磁気
特性をこれに付与した高機能性の新しい木質材を提供す
ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、天然木材または加工木質材であ
って、磁性流体または磁性微粒子を混合した液体を浸
透、注入もしくは塗布してなることを特徴とする磁気特
性を有する木質材を提供する。もちろん、この発明にお
いて対象となる木質材の種類に特に限定はなく、天然の
木材をはじめとして、合板、集成材、さらにはパーティ
クルボード等の加工木質材の適宜なものが使用される。
また同様に磁性流体、そして磁性微粒子を混合した液体
についても任意のものを使用することができる。たとえ
ば、窒化鉄系微粒子と界面活性材および液状媒体からな
る磁性流体等が例示される。その用途、材料の特徴に応
じて、浸透、注入、塗布の手段を選択し、これらを単独
で、あるいは適宜に組合わせて適用してもよい。また、
浸透、注入においては、減圧、加圧いずれの条件でもよ
く、これらの手段、そして塗布においても、従来公知の
素材と手法によって、この発明の木質材を得ることがで
きる。
【0007】この発明により、安価に且つ汎用で取扱容
易な磁気特性を有する木質材を作製することができる。
この木質材は、木材の性質であるソフトな感覚、感触を
有するため、家庭内等で用いても違和感がなく、従来の
家具調のイメージを崩さずに電子機器、情報通信機器等
と組み合わせたボード等として広く用いられる。より具
体的には、たとえば高周波磁界を発生する磁気シールド
材としてはフロッピデスク等の磁気情報メモリの収納ケ
ースボード材、情報通信モニタテレビ機器のボード材
や、磁性木材ボードに高周波磁界を印加することにより
磁性木材部分が加熱されるため面加熱ができることから
床暖房等の材料としても有効と思われる。
【0008】木材は繊維状組織であり、セルローズ、リ
グニン等の高分子物質から構成されている。そのため吸
収した磁性微粒子は導管、支管等の細いパイプ状の管内
に多数配設されていると考えられる。このことから、こ
の発明の木質材においては、細線状のデバイスが作製さ
れるため高周波励磁にも比較的良好な磁気特性を有する
ものと考えられる。
【0009】以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発
明について説明する。
【0010】
【実施例】磁性木質材の製造 木質材の形状は丸棒状とし、寸法は長さ約30±0.8
mm、直径約10.35±0.6mmとした。その種類
については、磁性流体の浸透しやすいものとしてホオノ
キ、ハルニレ、キリ、ヤチダモ(何れも広葉樹材)を選
定した。
【0011】磁性木質材は浸漬法、減圧注入法、コーテ
ィング法の3種類の作製法により製造した。浸漬法は試
料を磁性流体中に漬けることによって試料中に磁性流体
を浸漬させるもので、漬ける時間(浸漬時間ts )を1
日、3日、5日、7日、9日の5通りとした。また、減
圧注入法は、図1に示したように、真空ポンプを用いて
木質材試料中に磁性流体を強制的に浸透させる(注入す
る)もので、注入する時間(注入時間tv )を5分、1
0分、15分、20分の4通りとした。コーティング法
では試料表面に磁性流体を塗布した。浸漬法及び減圧注
入法については、それぞれ浸漬時間ts 、注入時間
v 、木材試料の種類ごとに4本の磁性木質材の試料を
作製し、コーティング法についても試料の種類ごとに4
本の試料を作製した。
【0012】磁性木材試料の見掛透磁率について 以上の作製法によって作製した試料の両端と中心部分に
測定用コイルを図2のように試料に設置し、LCR−Hi
testerを用いて自己インダクタンス(LL1〜L L2,LR1
〜LR4,LC1〜LC4)を測定した。これによって試料各
部分の見掛透磁率の平均値(試料の両端部分:
μapp.BS, 中心部分:μapp.C )を求めた。測定用コイ
ルの大きさ、寸法は次の通りとした。コイルの内径、約
10.60mm、コイルの幅、約 3.7mm、試料寸法30±0.8mm
、10.35 ± 0.6mm。また、その周波数fMCは100k
Hzおよび電流IMCは7mAとした。図3は減圧注入法
によって作製した試料の見掛透磁率である。同図に示す
如くハルニレがμapp.BS,μapp.C 共に他の3種よりも
高い値を示していることがわかった。また他の作製法に
ついても同様の結果が認められた。また見掛透磁率の注
入時間tV による違いは殆ど見受けられないことがわか
った。このことは浸漬法の場合についても浸漬時間tS
に対して同様のことが確認された。次に試料各部の見掛
透磁率の値がその平均値μapp.BS,μapp.C に対してど
の程度ばらついたかを示す係数として見掛透磁率の偏差
率ηBs,ηC (%)を次式のように定義した。
【0013】見掛透磁率の偏差率ηBs,ηC =[(見掛
透磁率の最大値−見掛透磁率の最小値)/見掛透磁率の
平均値μapp.BS,μapp.C ]×100(%)。図4は減
圧注入法によって作製した試料の見掛透磁率の偏差率
(試料の両端部分:ηBs,中心部分:ηC )を示したも
のである。この図4に示した通り、ホオノキは最も見掛
透磁率のばらつきが大きいことが確かめられた。また同
様のことが浸漬法の場合についても明らかになった。こ
れに対してキリとヤチダモは他の2種に比べてばらつき
が小さいことがわかった。
【0014】図5にはホオノキとキリをそれぞれ3つの
作製法によって作製した試料の中心部分の見掛透磁率μ
app.C の周波数特性を示したものである。同図よりホオ
ノキではfMCが10kHz〜1MHzの範囲ではどの作
製法についても直線的に僅かずつ減少していることがわ
かる。ハルニレ、ヤチダモについても同様の結果が認め
られた。しかしキリはどの作製法についてもfMC=20
0kHz付近から急激に減少していることがわかる。こ
れはキリの磁性木質材試料に特有の性質であると思われ
る。
【0015】以上の試料試験では、見掛透磁率について
は木質材試料の中でハルニレが前記3種の作製法の全て
において最も高い見掛透磁率の値を示した。また見掛透
磁率のばらつきからみてみると、ホオノキが浸漬法、減
圧注入法どちらの場合でも最もばらつきが大きく、均一
な磁性木材を作製しにくいことがわかる。一方、キリ
は、見掛透磁率そのものは浸漬法、減圧注入法どちらの
場合でもホオノキ、ハルニレに比べて低い値であるが、
ばらつきが小さく、均質な磁性木質材をつくることがで
きることが明らかになった。またホオノキ、ハルニレ、
ヤチダモの見掛透磁率の周波数特性はfMC=10kHz
〜1MHzの範囲では直線的に僅かずつ減少するのに対
して、キリの場合に200kHz前後で急激な見掛透磁
率の減少が見られた。
【0016】以上の通り、この発明の磁性木質材におい
ては、木材表面又は木材中への磁性流体の浸透度合いに
より透磁率および磁束密度等の磁気特性に違いを持たせ
ることができると共に、これらの磁気特性の周波数特性
も簡単にかえることができる。
【0017】
【発明の効果】木材はセルローズ、リグニス等の高分子
物質からなる繊維状組織であり、磁気的な性質は殆ど有
しないものと考えられている。しかしながら、木質材は
高い吸湿性を示すことから、この発明によって、この性
質と磁性流体が液体であることを利用して、木質材中に
磁性流体を浸透、注入させる方法または木材の表面に磁
性流体を塗布する方法により磁気特性を有する木材を作
製し、新しい機能性材料として提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁性木質材試料の作製方法を例示した構成図で
ある。
【図2】測定用コイルの設置位置を示した斜視図であ
る。
【図3】試料の見掛透磁率の注入時間との相関図であ
る。
【図4】見掛透磁率の偏差値の注入時間相関図である。
【図5】見掛透磁率の周波数相関図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然木材または加工木質材であって、磁
    性流体または磁性微粒子を混合した液体を浸透、注入も
    しくは塗布してなることを特徴とする磁気特性を有する
    木質材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001118669A (ja) * 1999-10-15 2001-04-27 Japan Science & Technology Corp 電磁加熱方法とその装置
CN107127851A (zh) * 2017-05-22 2017-09-05 东北林业大学 一种用于磁感应加热磁性木材的制备方法
CN110095398A (zh) * 2019-05-05 2019-08-06 三峡大学 利用磁流体测量孔隙率的装置及方法

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