JPH07263024A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池

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JPH07263024A
JPH07263024A JP6055954A JP5595494A JPH07263024A JP H07263024 A JPH07263024 A JP H07263024A JP 6055954 A JP6055954 A JP 6055954A JP 5595494 A JP5595494 A JP 5595494A JP H07263024 A JPH07263024 A JP H07263024A
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negative electrode
electrodes
electrode
metal
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JP6055954A
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Nobuyoshi Hirosachi
信義 廣幸
Yukichi Kobayashi
佑吉 小林
Isao Kaneko
勲 金子
Minoru Inoue
実 井上
Tomiichi Koyama
富一 小山
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大型化に適したリチウムイオン電池を提供す
る。 【構成】 金属材料に正極活物質合剤を塗布した正極と
金属材料に負極活物質合剤を塗布した負極をセパレータ
を挟んで交互に積層する構造の単電池からなるリチウム
イオン二次電池において、電極を多層積層し、電極の金
属材料の耳の部分を、正極及び負極に分離してそれぞれ
導電体に電気的に接続し、集電体を形成するに当たり、
電極の間隔を一定に保つための導電性のスペーサーを、
正極及び負極を分離してそれぞれ電極の金属材料の耳の
部分に挟み、これを締め付けることにより、各単電池の
電極を電気的に接続して集電体を形成し、このスペーサ
ーを通して電気を取り出すことを特徴とするリチウムイ
オン二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リチウムイオン二次電
池に関するものであり、特に、電気自動車用、電力のロ
ードレベリング用など、大容量でエネルギー密度が高
く、且つメンテナンスフリーの要求が高い分野で使用さ
れうるリチウムイオン二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化、軽量化に対応
して、その電源として、軽量で小型としては容量の大き
い、エレクトロニクス用のリチウムイオン二次電池が実
用化され、ハンディビデオカメラや携帯用パソコン等に
使われている。しかし、その容量は大きくて、5〜20
Wh程度であり、円筒型が多い。一方、環境問題等から
電気自動車が世の中の注目を引いており、又、夜間電力
を有効活用するための電力のロードレベリングの必要性
が高まっている。従って、これらに必要な大容量で、コ
ストが安く、メンテナンスフリーの二次電池に対する要
求が高まっている。
【0003】しかし、この分野で広く使われている鉛蓄
電池は、エネルギー密度が低く、重くて使いにくい。更
に、メンテナンスの面でも、補水など手間がかかるう
え、充放電サイクル寿命も600サイクル程度と寿命が
短く、結果的に電池にかかるコストも高くなっている。
一部にニッケル・カドミウム電池も使用されているが、
エネルギー密度も充分に高くなく、鉛蓄電池と較べてコ
ストが高いので、余り広くは使われていない。
【0004】これらの他、ニッケル亜鉛電池、ナトリウ
ム・硫黄電池も試験的に電気自動車用に使用されている
が、前者は充放電サイクル寿命が短いこと、後者は危険
性が高いなどの問題点を含んでいる。リチウムイオン二
次電池はエネルギー密度が高く、且つ密閉型でメンテナ
ンスフリーであるので、これらの用途に対して適してい
るが、従来は大型のものは実用化されていない。これら
の用途に供するには1000〜5000Wh程度の容量
のものが必要であり、従来実用化されているものの10
0倍以上の容量のものを作る必要がある。
【0005】従来実用化されているリチウムイオン二次
電池は円筒型が主流であるが、電気自動車用、ロードレ
ベリング用などに必要な1000〜5000Wh級のも
のは金属箔等に正極活物質合剤を塗布した正極と金属箔
等に負極活物質合剤を塗布した負極をセパレータを挟ん
で交互に積層する構造の3〜4Vの単電池を2個以上直
列に接続して組電池を構成する角型電池となる。このよ
うな角形リチウムイオン二次電池はまだ実用化されてい
ない。また、電気自動車用に適した、大型で、強靱性、
耐振動性、耐衝撃性の優れたリチウムイオン二次電池も
実用化されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】リチウムイオン二次電
池を電気自動車用やロードレベリング用などに必要な大
容量の二次電池として使用する場合、先ず、これを大容
量化することが必要である。その場合、リチウムイオン
二次電池は通常、所謂、角型となる。それは、構成する
各単電池は数十枚から100枚前後の電極を負極・正極
交互にセパレータを挟んで積層したものとなり、普通こ
の単電池を直列に接続したものを組電池とすることとな
る。
【0007】特に電気自動車用等に使用する場合は、大
型化すると共に、その強靱性、耐振動性、耐衝撃性が要
求される。そのためには、電極そのものの充放電サイク
ル寿命、強靱性、耐振動性、耐衝撃性が高いことが必要
であるが、電極を多層積層した単電池の構造も、強靱
性、耐振動性、耐衝撃性が高くなるように工夫する必要
がある。このように、リチウムイオン二次電池を大型化
し、強靱性、耐振動性、耐衝撃性を高めることが求めら
れている。そこで、本発明者は、これらの課題を解決す
べく種々検討を行ない本発明に到達した。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、金属材料に正極活物質合剤を塗布した正極と金属材
料に負極活物質合剤を塗布した負極をセパレータを挟ん
で交互に積層する構造の単電池からなるリチウムイオン
二次電池において、電極を多層積層し、電極の金属材料
の耳の部分を、正極及び負極を分離してそれぞれ導電体
に電気的に接続し、集積体を形成するに当たり、電極の
間隔を一定に保つための導電性のスペーサーを、正極及
び負極を分離してそれぞれ電極の金属材料の耳の部分に
挟み、これを締め付けることにより、各単電池の電極を
電気的に接続して集電体を形成し、このスペーサーを通
して電気を取り出すことを特徴とするリチウムイオン二
次電池にある。
【0009】以下、本発明を詳細を説明する。まず、本
発明におけるリチウムイオン二次電池の構成要素は、少
なくとも負極、正極、セパレータ、非水電解液からな
り、負極活物質としてはリチウムをインターカーレーシ
ョン又はドーピングできる炭素材が一般的であり、正極
活物質はリチウムを吸蔵又はインターカーレーションで
きるLiX CoO2 等の金属酸化物系化合物、Lix
iS2 等のカルコゲナイト系化合物等である。
【0010】負極は負極活物質と粘結剤(バインダー)
〔負極合剤〕を溶媒でスラリー化したものを銅等の金属
の箔等に塗布し、乾燥したもので、場合によってはロー
ル処理等を施したものである。正極は正極活物質と粘結
剤(バインダー)と導電剤〔正極合剤〕を溶媒でスラリ
ー化したものをアルミニウム等の金属の箔等に塗布し、
乾燥したもので、場合によってはロール処理等を施した
ものである。セパレーターとしては、多孔性の合成樹脂
の薄膜、例えば25μm厚さのポリプロピレン樹脂の多
孔性の薄膜、20μm厚さのポリエチレン樹脂の多孔性
の薄膜等が使用されるが、これらに限るものではない。
【0011】非水電解液は、リチウム塩を有機溶媒に溶
解したものが使用される。リチウム塩は特に限定されな
いが、例えば、LiPF6 、LiBF4 、LiCl
4 、LiAsF6 、LiCF3 SO3 等が挙げられ
る。有機溶媒は特に限定されないが、例えば、カーボネ
ート類、エーテル類、ケトン類、スルホラン系化合物、
ラクトン類、ニトリル類、塩素化炭化水素類、アミン
類、エステル類、アミド類、燐酸エステル系化合物、等
を使用することができる。
【0012】これらの代表的なものを列挙すると、プロ
ピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ビニレン
カーボネート、テトラヒドロフラン、2メチルテトラヒ
ドロフラン、1,4ジオキサン、4メチル・2ペンタノ
ン、スルホラン、3メチルスルホラン、γブチロラクト
ン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、アセトニト
リル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ブチロニト
リル、バレロニトリル、1,2ジクロロエタン、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、燐酸トリメチ
ル、燐酸トリエチル等及びこれらの混合溶媒がある。
【0013】負極・正極の粘結剤としては、例えば、ポ
リフッ化ビニリデン、ポリテトラフッ化エチレン、EP
DM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、
SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(アクリ
ロニトリル−ブタジエンゴム)、フッ素ゴム、等が使用
されるが、これらに限るもので正極の導電剤としては、
黒鉛の微粒子、アセチレンブラック等のカーボンブラッ
ク、ニードルコークス等無定形炭素の微粒子、等が使用
されるが、これらに限るものではない。
【0014】負極の負極合剤、正極の正極合剤をスラリ
ーにする溶媒としては、通常は粘結剤を溶解する有機溶
媒が使用される、例えば、Nメチルピロリドン、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセンアミド、メチルエチル
ケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メ
チル、ジエチルトリアミン、NNジメチルアミノプロピ
ルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン、等
が使用されるが、これらに限るものではない。又、水に
分散剤、増粘剤等を加えたもので負極合剤、正極合剤を
スラリー化して、或いは、SBR等のラテックスで電極
活物質等をスラリー化して、これを金属の箔等に塗布
し、電極を製造する場合もある。
【0015】負極活物質はリチウムをインターカーレー
ション又はドーピング出来る炭素材であり、この炭素材
は特に限定されないが、例えば、黒鉛及び、石炭系コー
クス、石油系コークス、石炭系ピッチの炭化物、石油系
ピッチの炭化物、ニードルコークス、ピッチコークス、
フェノール樹脂・結晶セルローズ等の炭化物、等及びこ
れら炭素繊維を一部黒鉛化した炭素材、ファーネスブラ
ック、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維、等が挙
げられる。
【0016】正極活物質はリチウムを吸蔵又はインター
カーレーション出来る金属酸化物系化合物、カルコゲナ
イト系化合物等であり、特に限定されないが、例えば、
Li x CoO2 、LiX MnO2 、LiX Mn2 4
Lix 2 5 、Lix TiS2 等が使用される。負極
の集電体の材質としては、銅、ニッケル、ステレス鋼、
ニッケルメッキ鋼、等が使用されるが、これらに限るも
のではない。正極の集電体の材質としては、アルミニウ
ム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼、等が使用される
が、いずれもこれらに限るものではない。
【0017】本発明におけるリチウムイオン二次電池
は、金属材料に正極活物質合剤を塗布した正極と金属材
料に負極活物質合剤を塗布した負極をセパレータを挟ん
で交互に積層する単電池からなる。この積層は、目的に
応じ選定しうるが、電池を大型化するには、電極を十数
枚以上、場合によっては100枚前後多層積層する必要
がある。正又は負の活物質合材を塗布する金属材料とし
ては、金属箔、金属板、金属多孔板、金網等の薄い材料
が好適である。
【0018】本発明においては、この金属材料の電極活
物質合剤が塗布されていない部分である耳の部分を、正
極及び負極を分離してそれぞれ導電体に電気的に接続
し、集電体を形成するに当たり、正極及び負極の金属材
料の耳の部分を分離してそれぞれ複数枚束ねて、この導
電体で挟み、その電極の耳の部分の端部とこの導電体を
溶接して、集電体を形成し、この導電体を通して電気を
取り出すように構成される。ここで、導電体は、通常は
棒状の金属片であるが、この棒に放熱用のフィン状のも
のが付いた金属片、単電池の間を接続するように加工し
た金具なども含まれ、場合によっては炭素を加工した導
電体も含まれる。
【0019】本発明においては、電極の金属材料の耳の
部分を、正極及び負極に分離してそれぞれ、電極の間隔
を一定に保つための導電性のスペーサーを挟んで、これ
を機械的に締め付けることにより、各単電池の電極を電
気的に接続して集電体を形成し、このスペーサーを通し
て電気を取り出すように構成される。機械的に締め付け
る方法としては、スペーサー及び電極の金属材料を通し
て孔を開け、これにボルト又は金属棒を通してナットで
締め付ける方法、クランプ等を用いて単電池の電極の層
を外から挟む形の締め付け金具により締め付ける方法等
が挙げられるが、これに限られるものではない。
【0020】また、機械的に締め付ける際に、電極の積
層体を効果的に締め付け、強靱で、耐振動性、耐衝撃性
に優れた単電池を組み立てるために、各単電池の両端の
電極は、負極、正極共に、金属材料の耳の部分が正極及
び負極両方のスペーサーに架かる寸法とするのが好適で
ある。この時、負極の端部の電極ではその耳の部分と正
極の耳の部分の間に、非導電性のスペーサーを挟み、且
つ、負極の端部の電極と正極の締め付けボルトの間に非
導電性のワッシャー等を使用して、正極と負極を電気的
に分離する。同様に、正極の端部の電極でも、正極と負
極を電気的に分離する。この場合、非導電性のスペーサ
ーと非導電性のワッシャーを一体化したものを使用する
ことも出来る。
【0021】電気的に分離する方法としては、この他に
締め付け金具に工夫をすることも考えられる。例えば、
正極の締め付け金具の場合、負極の端部の電極と正極の
耳の部分の間に、非導電性のスペーサーを挟むととも
に、負極の端部の電極とその締め付け金具が接触する部
分は非導電性に加工したものを使用して、正極と負極を
電気的に分離する。同様に、負極の締め付け金具の場合
も、負極と正極を電気的に分離する。
【0022】単電池から電気を取り出すためには、電極
の集電体、即ち、電極活物質と接触している金属箔、金
属板、金属多孔板、金網等の金属材料と組電池の正極及
び負極の端子の間を効果的且つ強力に接続する必要があ
る。そのためには、まず、これら金属材料と金属片等の
導電体とを、電気的に、効果的且つ強力に接続するのが
好ましく、たとえば次のような方法が挙げられる。
【0023】(1)単電池の集電体を形成している正極
及び負極の電極の金属材料のそれぞれの少なくとも1枚
(単電池の両端の電極が好ましいが、これに限るもので
はない。)を100μm以上の厚さのものとし、これに
導電性の金属片等を溶接し、この金属片等を通して電気
を取り出す方法。金属材料を100μm以上の厚さにす
ることにより、高周波溶接、TIG(タングステン−イ
ナートガス)溶接、超音波溶接等により金属片等との溶
接が可能となる。
【0024】(2)単電池の集電体の金属等と電気的に
接続している、スペーサーの締め付け金具に金属片等の
導電体を溶接又はその他の方法で電気的に接続する方
法。スペーサーの締め付け金具は、ボルト又は金属棒を
通してナットで締め付けるもの、クランプ等を用いて、
単電池の電極の層を外から挟む形の締め付け金具により
締め付けるもの等であるが、これらと金属片等の導電体
を電気的に接続する方法は、これらに金属片等の導電体
を溶接する場合もあるが、締め付け金具と金属片等の導
電体を一体ものとして加工する場合、金属片等の導電体
をボルト・ナット等で締め付ける場合も考えられる。
【0025】(3)単電池の集電体の金属箔等と電気的
に接続している、スペーサーに直接金属片等を溶接する
方法。さらに、本発明のリチウムイオン二次電池の製造
に当たっては、電極の間に導電性のスペーサーを挟み込
む作業が必要であるが、生産性の観点から、たとえば次
のような方法が挙げられる。
【0026】(1)正極及び負極の金属箔等の耳の部分
に、予め、導電性のスペーサーを導電性の接着剤で張り
つけたものを使用する。このようにすることにより、正
極、セパレーター、負極、セパレーター、正極の順に積
層する作業を行うことにより、スペーサーが挟み込まれ
た単電池が出来上がるので、スペーサーを挟み込む作業
が省かれ、リチウムイオン二次電池の製造工程の生産性
が著しく向上する。
【0027】(2)導電性のスペーサーとして、電極の
耳の長さ方向の長さに見合う細長いスペーサーを使用す
る。このようにすることにより、小さいスペーサーを挟
み込む作業の回数が減り、作業性も向上する。
【0028】(3)ボルト又は金属棒を通して、ナット
で締め付ける場合、先ず、単電池の正極、負極、セパレ
ーターを積層するに当たって、正極及び負極を分離して
別々に、正極及び負極の耳の部分に導電性のスペーサー
を挟み込んだ後に、正極の耳の部分と導電性のスペーサ
ーを貫通して窄孔し、これにボルト又は金属棒を通し
て、ナットで締め付ける。負極についても同様に窄孔
し、これにボルト又は金属棒を通して、ナットで締め付
ける。このようにすることにより、予め、孔の開いた電
極の耳の部分と導電性のスペーサーをボルト又は金属棒
に通しながら、単電池を組み立てる煩雑な作業が不要と
なり、リチウムイオン二次電池の製造工程の生産性が著
しく向上する。
【0029】
〔実施例1〕
(負極)石炭系ニードルコークスを粉砕し、平均粒径1
0μmとしたもの90部を、ポリフッ化ビニリデン10
部をNメチルピロリドンに溶解したもの(2wt%濃
度)と混合し、負極合剤スラリーとし、20μm厚さの
銅箔の両面に塗布し、乾燥して溶媒を蒸発させ、ロール
処理をして負極を作る。負極合剤の塗布部の大きさは1
2cm×15cm、厚さは片面250μmとした。銅箔
は上下には特に耳を取らないが、左右には、左に20m
m、右に3mmの耳を残して負極合剤を塗布するように
設計してある。尚、単電池の端の部分を構成する電極は
負極合剤を片面のみに塗布したもので、厚さは300μ
m、左右に20mmの耳のあるものを使用する。
【0030】(正極)炭酸リチウム1モルと炭酸コバル
ト2モルをボールミルで混合粉砕し、850℃で5時間
空気中で加熱処理した後、再度ボールミルで混合粉砕
し、更に850℃で5時間空気中で加熱処理したもの9
0部に、導電剤として、アセチレンブラックを5部加え
て混合したものをポリフッ化ビニリデン5部をNメチル
ピロリドンに溶解したもの(2wt%濃度)と混合し、
正極合剤スラリーとし、25μm厚さのアルミニウム箔
の両面に塗布し、乾燥して溶媒を蒸発させ、ロール処理
をして正極を作る。正極合剤の塗布部の大きさは12c
m*15cm、厚さは片面250μmとした。アルミニ
ウム箔は上下には特に耳を取らないが、左右には、右に
20mm、左に3mmの耳を残して負極合剤を塗布する
ように設計してある。尚、単電池の端の部分を構成する
電極は正極合剤を片面のみに塗布したもので、厚さは3
00μm、左右に20mmの耳のあるものを使用する。
【0031】(単電池の組立)上記、負極と正極を交互
に25μm厚さの多孔性ポリプロピレンシートをセパレ
ーターとして挟んで積層して、単電池を組み立てる。そ
の際、両端の電極は電極合剤を片面のみ塗布したものを
使用し、左側の負極の耳の部分には銅製のスペーサーを
各負極の間に挟んで、右側の正極の耳の部分にはアルミ
ニウム製のスぺーサーを各正極の間に挟んで、積層す
る。スペーサーは負極側、正極側各々縦方向に3ケ所に
挟み込み、この部分にボルトを通し、ナットで締め付け
る。電極の耳の部分でスペーサーを挟み込む部分は、電
極合剤等を充分に拭き取って、スペーサーを挟み込む。
又、左側の負極の耳の部分で、正極の端の電極の耳の部
分と接する所は非導電性のスペーサーとワッシャーを兼
ねたものを使用し、正極と負極を電気的に分離し、ボル
トも頭の部分を非導電性に加工したものを使用する。右
側の正極の耳の部分で、負極の端の電極の耳の部分と接
する所も同様である。このようにして、負極と正極、そ
れぞれ別々に電気的に接続された集電体が形成され、し
かも、強靱で、耐振動性、耐衝撃性に優れた大容量のリ
チウムイオン二次電池の単電池を作ることができる。
【0032】このようにして、上記の大きさの電極を2
6組と半分(両端の電極は片面のみ電極合剤が塗布して
あるので半分となる)積層すると、約350Whの充放
電容量を持った単電池となる。尚、単電池から電気を取
り出す端子は、金属片を負極及び正極それぞれ端部の電
極の300μm厚さの金属箔の上部に2ケ所上向きに溶
接し、これを単電池の負極の端子及び正極の端子とす
る。
【0033】図1〜3は、このようにして得られたリチ
ウムイオン二次電池の単電池を示す(図1:正面図、図
2:図1のA断面における平面図、図3:図1 の断面
B,Cにおける側面図) (11)は負極金属箔、(6)は負極端部金属箔、
(2)は負極金属箔の耳の部分、(15)は負極活物質
合剤を示す。これらが負極を構成する。(12)は正極
金属箔、(7)は正極端部金属箔、(3)は正極金属箔
の耳の部分、(16)は正極活物質合剤を示す。これら
が正極を構成する。(1)は負極及び正極の活物質合剤
の塗布範囲を示す。
【0034】負極端部金属箔(6)は、片面のみ負極活
物質合剤が塗布してあり、正極のスペーサーも締め付け
られるよう左右両方に耳があり、端子金属片が溶接出来
るよう、300μmの厚さの金属箔である。正極端部金
属箔(7)は、片面のみ正極活物質合剤が塗布してあ
り、負極のスペーサーも締め付けられるよう左右両方に
耳があり、端子金属片が溶接出来るよう、300μmの
厚さの金属箔である。(8)は(6)、(7)の上部で
端子金属片を溶接する部分である。(9)は単電池の負
極端子(金属片)、(10)は単電池の正極端子(金属
片)を示す。
【0035】(13)は負極のスペーサー、(14)は
正極のスペーサー、(17)は非導電体のスペーサーと
ワッシャーを兼ねたもの、(4),(4′)は負極のボ
ルト・ナット、(5),(5′)は正極のボルト・ナッ
ト、を示す。(4),(4′)及び(5),(5′)で
電極の耳の部分及びスペーサーを機械的に締め付ける。
(18)はセパレーターを示す。
【0036】(組電池の組み立て)上記単電池10個を
隔壁を備えたポリプロピレン製の容器に収納し、電解液
を注入して、上蓋を閉める。この時、上蓋を貫通して、
各単電池の負極の端子、正極の端子が容器の上部に突き
出した形となる。単電池1個当たり、負極の端子2本、
正極の端子2本、合計40本の端子が突き出した形とな
る。この端子を上蓋の貫通部分で、適当な封止剤を以て
封止し、容器を密閉する。各単電池の端子を直列に端子
の連結金具(連結体)で接続し、カバーを取り付ける。
【0037】組電池全体の正極及び負極の端子は電槽の
横から電池の外に出す。(電槽の上から出すことも出来
る。) 尚、単電池の端子のある部屋には、外部から空気又は水
を送って、電池の内部で発生した熱を放散する。図4〜
6に、このようにして得られたリチウムイオン二次電池
の組電池を示す(図4は正面図、図5は平面図、図6は
側面図を示す)。
【0038】(21)は単電池、(22)は電槽の本
体、(23)は電槽の上蓋、(24)は電槽の端子部の
カバー、(25)は電槽の内部の隔壁を示す。(9)は
単電池の負極端子、(10)は単電池の正極端子、(2
8)は単電池間の連結体、(29)は組電池の負極端
子、(30)は組電池の正極端子を示す。(31)は電
解液の液面を示す。(32),(33)は、単電池の端
子室の空気又は水の入口(32)及び出口(33)を示
す。
【0039】電解液はプロピレンカーボネートとデメト
キシエタン1:1の混合溶媒に6フッ化燐リチウム塩を
1モル/L溶解したものを使用する。このリチウムイオ
ン二次電池の充放電容量は3500Wh、電池電圧は3
5V、エネルギー密度は125Wh/kgである。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、大型化に適したリチウ
ムイオン電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるリチウムイオン二次電池の単電
池の一例を示す(正面図)。
【図2】図1における平面図を示す。
【図3】図1における側面図を示す。
【図4】本発明におけるリチウムイオン二次電池の組電
池の一例を示す(正面図)。
【図5】図4における平面図を示す。
【図6】図4における側面図を示す。
【符号の説明】
2 負極金属箔の耳の部分 3 正極金属箔の耳の部分 4,4′ 負極締付ボルトナット 5,5′ 正極締付ボルトナット 6 負極端部金属箔 7 正極端部金属箔 9 単電池の負極端子 10 単電池の正極端子 11 負極金属箔 12 正極金属箔 13 負極スペーサー 14 正極スペーサー 15 負極活物質合剤 16 正極活物質合剤 17 非電導体スペーサー 18 セパレーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 実 新潟県上越市福田町1番地 三菱化成株式 会社直江津工場内 (72)発明者 小山 富一 新潟県上越市福田町1番地 三菱化成株式 会社直江津工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料に正極活物質合剤を塗布した正
    極と金属材料に負極活物質合剤を塗布した負極をセパレ
    ータを挟んで交互に積層する構造の単電池からなるリチ
    ウムイオン二次電池において、電極を多層積層し、電極
    の金属材料の耳の部分を、正極及び負極に分離してそれ
    ぞれ導電体に電気的に接続し、集積体を形成するに当た
    り、電極の間隔を一定に保つための導電性のスペーサー
    を、正極及び負極を分離してそれぞれ電極の金属材料の
    耳の部分に挟み、これを締め付けることにより、各単電
    池の電極を電気的に接続して集電体を形成し、このスペ
    ーサーを通して電気を取り出すことを特徴とするリチウ
    ムイオン二次電池。
  2. 【請求項2】 単電池の両端の電極を、負極、正極共
    に、金属材料の耳の部分が正極及び負極両方のスペーサ
    ーに架かる寸法とし、負極及び正極の端部の電極ではそ
    の耳の部分と正極及び負極の耳の部分との間を、それぞ
    れ電気的に絶縁して締め付けるように構成した請求項1
    記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 【請求項3】 締め付けを、スペーサー及び電極の金属
    材料の耳の部分を通して孔を開け、これにボルト又は金
    属棒を通してナットで締め付けるように構成した請求項
    1又は2記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 【請求項4】 正極及び負極の金属材料の耳の部分に、
    予め導電性のスペーサーを導電性接着剤で張りつけたも
    のを使用する請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 【請求項5】 正極及び負極の金属材料のそれぞれの少
    なくとも1枚を100μm以上の厚さとし、これに溶接
    した導電体を通じて電気を取り出すように構成した請求
    項1記載のリチウムイオン二次電池。
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