JPH07261161A - 高分子分散液晶素子およびその製造方法 - Google Patents

高分子分散液晶素子およびその製造方法

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JPH07261161A
JPH07261161A JP5150794A JP5150794A JPH07261161A JP H07261161 A JPH07261161 A JP H07261161A JP 5150794 A JP5150794 A JP 5150794A JP 5150794 A JP5150794 A JP 5150794A JP H07261161 A JPH07261161 A JP H07261161A
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polymer
electric field
molecules
mixed solution
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JP5150794A
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Tetsushi Yoshida
哲志 吉田
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】明状態の背景中に表示パターンを暗状態で表示
して画面全体を明るくすることができる高分子分散液晶
素子を提供する。 【構成】液晶/高分子複合膜16の液晶18に、高周波
電界と低周波電界に対して異なる誘電異方性を示す二周
波駆動用液晶を用い、この液晶18の分子18aと二色
性染料の分子18bを基板11,12面に対してほぼ垂
直に配向させておくことにより、この初期状態での表示
を明状態とし、前記液晶18が負の誘電異方性を示す高
周波電界の印加により液晶分子18aと染料分子18b
を基板11,12面に対してほぼ平行に配向させて暗表
示を得るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高分子分散液晶素子およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、液晶素子として、一般に用いられ
ているTN型やSTN型の液晶素子に比べて非常に明る
い表示が得られる高分子分散液晶素子が注目されてい
る。図4は高分子分散液晶素子の断面図、図5はその一
部分の拡大図であり、この高分子分散液晶素子は、一方
の面に表示用の透明電極3,4を形成した一対の透明基
板1,2をその電極形成面を互いに対向させて配置し、
この両基板1,2間に、液晶/高分子複合膜6を設けた
構成となっている。
【0003】なお、一対の基板1,2は、その周縁部に
おいて枠状のシール材5を介して接合されており、液晶
/高分子複合膜6は前記シール材5で囲まれた領域に設
けられている。また、この液晶素子は、単純マトリック
ス型のものであり、図において下基板2に形成した電極
4は走査電極、上基板1に形成した電極3は信号電極で
ある。
【0004】上記液晶/高分子複合膜6は、図5に示す
ように、透明な高分子層7中に液晶8を分散させたもの
で、前記液晶8としては一般に誘電異方性が正のネマテ
ィック液晶が用いられており、この液晶8には黒色系の
二色性染料が添加されている。図5において、8aは液
晶8の分子を示し、8bは前記二色性染料の分子を示し
ている。
【0005】この高分子分散液晶素子は、一般に、電極
3,4を形成した一対の基板1,2をそのぞれの電極形
成面を互いに対向させて配置してシール材5により接合
した後、この両基板1,2間に、光によって重合反応す
る高分子材料と二色性染料を添加した液晶との混合溶液
を真空注入法により注入充填し、この混合溶液に、いず
れか一方の基板の外面側から紫外線を照射して、前記高
分子材料を光重合させる方法で製造されている。
【0006】このように、基板1,2間に充填した混合
溶液に紫外線を照射すると、モノマーあるいはオリゴマ
ー等からなる高分子材料が、その二重結合が解けること
によってラジカル化し、隣り合うラジカルが互いに結合
し合うラジカル重合反応により生じる高分子と液晶およ
び二色性染料とが相分離する。
【0007】このため、ポリマー化した高分子の層7
は、図5のようなスポンジのような断面をもち、この高
分子層7の各隙間部に、二色性染料が添加された液晶8
が閉じ込められて、上述した構造の液晶/高分子複合膜
6が形成される。なお、この複合膜の形成方法は、一般
に光重合相分離法と呼ばれている。
【0008】上記高分子分散液晶素子は、上記液晶/高
分子複合膜6での光の散乱吸収と透過とを利用して表示
するものであり、この複合膜6の高分子層7中に分散し
ている液晶8の液晶分子8aおよび染料分子8bは、電
界が印加されていない初期状態では図5のようにランダ
ムな方向を向いている。
【0009】そして、液晶分子8aおよび染料分子8b
がランダムな方向を向いている状態では、液晶素子に入
射した光が、前記複合膜6を通る際に、高分子層7と液
晶8との界面および液晶8の光散乱作用により散乱され
るとともに、この散乱光の大部分が二色性染料によって
吸収されるため、初期状態(無電界状態)では表示がほ
ぼ黒の暗状態になる。
【0010】また、両基板1,2の電極3,4間に電圧
を印加すると、その電界によって液晶分子8aが基板
1,2面に対してほぼ垂直になるように立上り配向し、
それに応じて染料分子8bも立上り配向するため、この
電界印加状態では、液晶素子に入射した光が、複合膜6
での光散乱作用をほとんど受けることなく、また二色性
染料による吸収もほとんど受けることなく複合膜6を透
過し、その部分の表示が明状態になる。
【0011】すなわち、上記高分子分散液晶素子は、液
晶/高分子複合膜6での光の散乱および吸収により暗状
態を表示するとともに、前記複合膜6に電界を印加する
ことによって、この複合膜6を通る光を透過させて明状
態を表示するものであり、高分子分散液晶素子によれ
ば、TN型やSTN型の液晶素子に必要不可欠な偏光板
を用いずに明暗を表示できるから、偏光板での光吸収に
よる光量ロスが無く、したがって、明表示の明るさがT
N型やSTN型の液晶素子に比べて非常に明るく、また
表示のコントラスト(明暗比)も高いという利点をもっ
ている。
【0012】なお、上記高分子分散液晶素子は、その裏
面(図4および図5において下基板2の外面)に白色膜
9を設けたものであり、この高分子分散液晶素子におい
ては、ほぼ黒の背景中に、白の画素によって表示パター
ンが表示される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記高
分子分散液晶素子は、暗状態の背景中に表示パターンを
明状態で表示する、いわゆるネガ表示タイプのものであ
るため、明表示の明るさは十分であるが、その反面、背
景部が暗いために画面全体が暗く見えるという問題をも
っていた。
【0014】また、上記高分子分散液晶素子の製造方法
は、高分子材料と二色性染料を添加した液晶との混合溶
液も紫外線を照射して前記高分子材料を重合する際、液
晶とともにランダムに配向している二色性染料が紫外線
を吸収することによって劣化してしまうという問題があ
った。
【0015】本発明は、明状態の背景中に表示パターン
を良好な暗状態で表示して、画面全体を明るくかつコン
トラストを高くすることができる高分子分散液晶素子を
提供するとともに、あわせてその製造方法を提供するこ
とを目的としたものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の高分子分散液晶
素子は、一方の面に電極を形成した一対の基板をその電
極形成面を互いに対向させて配置し、この両基板間に、
高分子層中に二色性染料を添加した液晶を分散させた液
晶/高分子複合膜を設けたものであって、前記液晶が高
周波電界と低周波電界に対して異なる誘電異方性を示す
二周波駆動用液晶であり、かつこの液晶の分子と前記二
色性染料の分子が、初期状態では前記基板面に対してほ
ぼ垂直に配向しており、前記液晶が負の誘電異方性を示
す電界を前記複合膜の厚さ方向に印加したときに前記基
板面に対してほぼ平行に配向することを特徴とするもの
である。
【0017】なお、前記液晶の誘電異方性が、高周波電
界に対して負、低周波電界に対して正である場合は、初
期状態での表示が明、高周波電界を印加したときの表示
が暗である。
【0018】また、本発明の高分子分散液晶素子の製造
方法は、上記本発明の高分子分散液晶素子を製造する方
法であって、電極形成面を互いに対向させて配置した一
対の基板間に、光によって重合反応する高分子材料と二
色性染料を添加した二周波駆動用液晶との混合溶液を充
填した後、前記液晶が正の誘電異方性を示す電界を前記
混合溶液の厚さ方向に印加してこの混合溶液中の液晶の
分子および二色性染料の分子を前記基板面に対してほぼ
垂直に配向させ、その状態で前記混合溶液に対しその厚
さ方向に紫外線を照射して、前記混合溶液の高分子材料
を光重合させて液晶/高分子複合膜を形成することを特
徴とするものである。
【0019】なお、液晶の誘電異方性が、高周波電界に
対して負、低周波電界に対して正である場合は、前記混
合溶液の高分子材料の光重合を、低周波電界を印加して
行なえばよい。
【0020】また、この製造方法において、液晶分子を
ほぼ垂直に配向させる電界は、一対の基板の内面にそれ
ぞれ形成されている電極を利用して印加してもよく、ま
た、前記一対の基板の外面にそれぞれ外部電極を設けて
印加してもよい。
【0021】
【作用】本発明の高分子分散液晶素子においては、液晶
/高分子複合膜の液晶に二周波駆動用液晶を用い、この
液晶の分子と二色性染料の分子を基板面に対してほぼ垂
直になるように配向させているため、前記複合膜に電界
を印加していない状態、つまり液晶分子と染料分子が基
板面に対してほぼ垂直に配向している状態では、液晶素
子に入射した光が、前記複合膜での光散乱作用をほとん
ど受けることなく、また二色性染料による吸収もほとん
ど受けることなく複合膜を透過して表示が明状態にな
る。
【0022】また、両基板の電極間への電圧の印加によ
り、前記液晶が負の誘電異方性を示す電界を前記複合膜
の厚さ方向に印加すると、前記複合膜の液晶分子と染料
分子が基板面に対してほぼ平行に配向するため、この状
態では、液晶素子に入射した光が、前記複合膜を通る際
に、高分子層と液晶との界面および液晶の光散乱作用に
より散乱されるとともに、この散乱光の大部分が二色性
染料によって吸収され、表示が暗状態になる。
【0023】すなわち、この高分子分散液晶素子は、明
状態の背景中に表示パターンを暗状態で表示する、いわ
ゆるポジ表示タイプのものであり、この高分子分散液晶
素子によれば、背景部が明るいために画面全体を明るく
することができる。
【0024】この高分子分散液晶素子は、液晶/高分子
複合膜の二周波駆動用液晶の分子と二色性染料の分子
を、基板面に対してほぼ垂直に配向させたものである
が、この高分子分散液晶素子は、本発明の製造方法によ
って製造することができる。
【0025】本発明の製造方法は、一対の基板間に充填
した混合溶液の厚さ方向に前記液晶が正の誘電異方性を
示す電界を印加し、この混合溶液中の液晶の分子および
二色性染料の分子を前記基板面に対してほぼ垂直に配向
させた状態で前記混合溶液の高分子材料を光重合させて
液晶/高分子複合膜を形成するものであり、このように
して液晶/高分子複合膜を形成すると、その後に前記電
界の印加を断っても、液晶分子および染料分子は、基板
面に対してほぼ垂直に配向したままの状態になる。
【0026】しかも、本発明の製造方法においては、前
記混合溶液中の液晶分子と染料分子を基板面に対してほ
ぼ垂直に配向させた状態で、この混合溶液に対しその厚
さ方向に紫外線を照射して前記混合溶液の高分子材料を
光重合させているため、前記混合溶液に照射した紫外線
が二色性染料によって吸収されることはほほとんどな
く、したがって、混合溶液の全域において高分子材料を
十分な強度の紫外線で均等に重合させることができ、ま
た、二色性染料の紫外線の吸収による劣化も防ぐことが
できるので、良好な構造でかつより暗い暗表示が得られ
る液晶/高分子複合膜を有する高分子分散液晶素子を製
造することができる。
【0027】
【実施例】図1は本発明の一実施例を示す高分子分散液
晶素子の一部分の断面図であり、(a)は初期状態、
(b)は電界印加状態を示している。この実施例の高分
子分散液晶素子は、一方の面にITO膜等からなる表示
用の透明電極13,14を形成した一対の透明基板(例
えばガラス基板)11,12をその電極形成面を互いに
対向させて配置し、この両基板11,12間に、液晶/
高分子複合膜16を設けたものであり、その裏面(図に
おいて下基板12の外面)には、白色塗料または硫酸バ
リウム等を塗布して形成された白色の背景膜19が設け
られている。
【0028】なお、図示しないが、上記一対の基板1
1,12は、その周縁部において枠状のシール材を介し
て接合されており、液晶/高分子複合膜16は前記シー
ル材で囲まれた領域に設けられている。また、この液晶
素子は単純マトリックス型のものであり、図において下
基板12に形成した電極14は走査電極、上基板11に
形成した電極13は信号電極である。
【0029】上記液晶/高分子複合膜16は、透明な高
分子層17中に、黒色系の二色性染料を添加した液晶1
8を分散を分散させたものであり、二色性染料を添加し
た液晶18は、スポンジのような断面をもつ高分子層7
の各隙間部に閉じ込められている。図1において、18
aは液晶18の分子を示し、18bは前記二色性染料の
分子を示している。
【0030】そして、この高分子分散液晶素子では、前
記液晶18として、高周波電界と低周波電界に対して異
なる誘電異方性を示す二周波駆動用のネマティック液晶
を用いている。
【0031】また、上記液晶/高分子複合膜16の二周
波駆動用液晶18の分子18aと二色性染料の分子18
bは、図1の(a)のように、基板11,12面に対し
てほぼ垂直に配向している。
【0032】上記高分子分散液晶素子は、その両基板1
1,12の電極13,14間に高周波電圧を印加して表
示駆動されるものであり、この高分子分散液晶素子にお
いては、液晶/高分子複合膜16の液晶18に上述した
二周波駆動用液晶を用い、この液晶の分子18aと二色
性染料の分子18bを基板11,12面に対してほぼ垂
直になるように配向させているため、複合膜16に電界
を印加していない状態、つまり液晶分子18aと染料分
子18bが図1の(a)のように基板11,12面に対
してほぼ垂直に配向している初期状態では、液晶素子に
入射した光が、複合膜16での光散乱作用をほとんど受
けることなく、また二色性染料による吸収もほとんど受
けることなく複合膜16を透過して、表示が明(オフ)
状態になる。
【0033】また、上記二周波駆動用液晶18は、高周
波電界に対しては負の誘電異方性を示すため、両基板1
1,12の電極13,14間に高周波電圧を印加して前
記複合膜16の厚さ方向に高周波電界を印加すると、液
晶分子18aが図1の(b)のように基板11,12面
に対してほぼ平行になるように倒れ配向し、それに連れ
て染料分子18bも同様に倒れ配向する。
【0034】この状態では、液晶素子に入射した光が、
複合膜16を通る際に、高分子層17と液晶18との界
面および液晶18の光散乱作用により散乱されるととも
に、この散乱光の大部分が二色性染料によって吸収さ
れ、表示が暗(オン)状態になる。なお、この高分子分
散液晶素子では、その裏面に白色の背景膜19を設けて
いるため、白の背景中に、ほぼ黒の画素によって表示パ
ターンが表示される。
【0035】また、複合膜16への高周波電界の印加を
断つと、液晶分子18aと染料分子18bが図1の
(a)のような初期の配向状態に戻り、表示が再び明
(オフ)状態になる。
【0036】なお、この場合、高周波電界の印加を断っ
て無電界状態としてやるだけでも、液晶分子18aと染
料分子18bが初期の配向状態に戻るが、両基板11,
12の電極13,14間に低周波電圧を印加して複合膜
16の厚さ方向に低周波電界を印加してやれば、二周波
駆動用液晶18の誘電異方性を正にして液晶分子18a
を電界により強制的に立上がり配向させることができる
ため、液晶分子18aと染料分子18bの初期配向状態
への戻りを速くして、暗(オン)状態から明(オフ)状
態への表示の切換わりも応答性よく行なわせることがで
きる。
【0037】すなわち、上記高分子分散液晶素子は、明
状態の背景中に表示パターンを暗状態で表示する、いわ
ゆるポジ表示タイプのものであり、この高分子分散液晶
素子によれば、背景部が明るいために画面全体を明るく
することができる。
【0038】上記高分子分散液晶素子は、液晶/高分子
複合膜16の二周波駆動用液晶18の分子18aと二色
性染料の分子18bを、基板11,12面に対してほぼ
垂直に配向させたものであるが、この高分子分散液晶素
子は、次のような製造方法によって製造することができ
る。
【0039】図2は、上記高分子分散液晶素子の製造方
法の第1の実施例を示す、混合溶液への光照射状態図で
あり、この実施例では、次のようにして高分子分散液晶
素子を製造する。
【0040】まず、電極13,14を形成した一対の基
板11,12をその電極形成面を互いに対向させて配置
し、この両基板11,12の外周縁部を図示しないシー
ル材を介して接合して液晶素子を組立てる。
【0041】次に、上記両基板11,12間の前記シー
ル材で囲まれた領域に、前記シール材の一部を欠落させ
て形成しておいた注入口から、光によって重合反応する
高分子材料と二色性染料を添加した二周波駆動用液晶と
の混合溶液Aを真空注入法により注入充填する。なお、
両基板1,2間に混合溶液Aを充填した状態では、混合
溶液A中の液晶の分子18aおよび二色性染料の分子1
8bはランダムな方向を向いている。
【0042】次に、一方の基板11に形成されている全
ての表示用電極(信号電極)13と、他方の基板12に
形成されている全ての表示用電極(走査電極)14と
を、その端子部に接触する電圧印加部材(図示せず)を
介して低周波電源20に接続し、これら表示用電極1
3,14を利用して、前記混合溶液Aの厚さ方向に低周
波電界を印加する。
【0043】このように混合溶液Aの厚さ方向に低周波
電界を印加すると、図2のように、混合溶液A中の液晶
の分子18aが基板11,12面に対してほぼ垂直に立
上り配向するとともに、それに連れて二色性染料の分子
18bもほぼ垂直に立上り配向する。
【0044】この後は、上記低周波電界を印加し続けな
がら、その状態で一方の基板、例えば上基板11の外面
側から、上記混合溶液Aに対しその厚さ方向に紫外線U
Vを照射し、この混合溶液Aの高分子材料を光重合させ
て図1の(a)に示したような液晶/高分子複合膜16
を形成し、その後、下基板12の外面に背景膜19を形
成して高分子分散液晶素子を完成する。
【0045】なお、上記低周波電源10は、混合溶液A
の高分子材料を光重合させて液晶/高分子複合膜16を
形成した後に表示用電極13,14から切り離すが、こ
の電源10を切り離しにより表示用電極3,4間が無電
界状態となっても、液晶/高分子複合膜16中の液晶分
子8aと染料分子8bは、基板11,12面に対してほ
ぼ垂直に配向した状態を保つ。
【0046】すなわち、上記製造方法は、一対の基板1
1,12間に充填した混合溶液Aの厚さ方向に二周波駆
動用液晶が正の誘電異方性を示す低周波電界を印加し、
この混合溶液A中の液晶18の分子18aおよび二色性
染料の分子18bを基板11,12面に対してほぼ垂直
に配向させた状態で前記混合溶液Aの高分子材料を光重
合させて液晶/高分子複合膜16を形成するものであ
り、このようにして液晶/高分子複合膜16を形成する
と、その後に前記電界の印加を断っても、液晶分子18
aおよび染料分子18bは、基板11,12面に対して
ほぼ垂直に配向したままの状態になるから、この製造方
法によれば、上述した高分子分散液晶素子を製造するこ
とができる。
【0047】しかも、上記製造方法においては、混合溶
液A中の液晶分子18aと染料分子18bを基板11,
12面に対してほぼ垂直に配向させた状態で、前記混合
溶液Aに対しその厚さ方向に紫外線UVを照射して混合
溶液Aの高分子材料を光重合させているため、良好な構
造の液晶/高分子複合膜16を形成することができると
ともに、二色性染料の紫外線UVによる劣化も防ぐこと
ができる。
【0048】すなわち、上記混合溶液A中の液晶分子1
8aと染料分子18bがランダムな方向を向いている状
態で混合溶液Aに紫外線UVを照射すると、照射された
紫外線UVが混合溶液中の二色性染料によって吸収され
るため、高分子材料を十分な強度の紫外線UVで重合さ
せることができなくなり、したがって、高分子材料の光
重合状態が混合溶液Aの厚さ方向で異なって、良好な構
造の液晶/高分子複合膜が得られないし、また、混合溶
液中の二色性染料が紫外線UVの吸収によって劣化して
しまう。
【0049】しかし、上記製造方法のように、混合溶液
A中の液晶分子18aと染料分子18bを基板11,1
2面に対してほぼ垂直に配向させた状態で、前記混合溶
液Aに対しその厚さ方向に紫外線UVを照射すれば、混
合溶液Aに照射した紫外線UVが二色性染料によって吸
収されることはほほとんどなく、したがって、混合溶液
Aの全域において高分子材料を十分な強度の紫外線UV
で均等に重合させて、良好な構造の液晶/高分子複合膜
16を形成することができるし、また、二色性染料の紫
外線UVの吸収による劣化も防ぐことができるので、良
好な暗表示が得られる。
【0050】なお、上記実施例の製造方法では、液晶分
子8aを立上り配向させるための低周波電界を、一対の
基板11,12にそれぞれ形成されている表示用電極1
3,14を利用して印加しているが、この低周波電界
は、両基板11,12の外面にそれぞれ外部電極を設け
て印加してもよい。
【0051】図3は、上記高分子分散液晶素子の製造方
法の第2の実施例を示す、混合溶液への光照射状態図で
あり、この実施例は、一対の基板11,12の外面にそ
れぞれ、ITO膜等からなる透明な外部電極21,22
を設けておき、これら外部電極21,22に低周波電源
20から低周波電圧を印加することによって、基板1
1,12間の混合溶液Aに液晶分子18aを立上り配向
させる低周波電界を印加するようにしたものである。
【0052】この第2の実施例によっても、一対の基板
11,12間に充填した混合溶液Aの厚さ方向に二周波
駆動用液晶が正の誘電異方性を示す低周波電界を印加
し、この混合溶液A中の液晶18の分子18aおよび二
色性染料の分子18bを基板11,12面に対してほぼ
垂直に配向させた状態で前記混合溶液Aの高分子材料を
光重合させて液晶/高分子複合膜16を形成しているた
め、上述した高分子分散液晶素子を製造することができ
るし、また、混合溶液Aの全域において高分子材料を十
分な強度の光で均等に重合させて良好な構造の液晶/高
分子複合膜16を形成することができるとともに、二色
性染料の紫外線UVによる劣化も防ぐことができるの
で、良好な暗表示が得られる。
【0053】なお、この実施例においては、上記外部電
極21,22を、少なくとも混合溶液Aの充填領域全体
にわたる面積の1枚膜状に形成するのが望ましく、外部
電極21,22をこのような1枚膜電極とすれば、混合
溶液Aの全域にわたって液晶分子18aおよび染料分子
18bを一様に立上り配向させることができる。
【0054】また、この実施例によって高分子分散液晶
素子を製造する場合は、一対の基板11,12の外面に
それぞれ設けた外部電極21,22をそのまま残してお
いてもよく、この外部電極21,22を残しておけば、
液晶素子に外部から静電気が作用してもその静電気を前
記外部電極21,22によってアースしてやることがで
きるから、液晶素子の静電気による誤表示や液晶の劣化
等を防止することができる。
【0055】なお、上記第1および第2の実施例の製造
方法では、図において上基板11側から混合溶液Aに紫
外線UVを照射して高分子材料を光重合させているが、
前記高分子材料の光重合は、下基板12側から紫外線U
Vを照射して行なっても、両方の基板11,12側から
紫外線UVを照射して行なってもよく、両基板11,1
2から紫外線UVを照射すれば、高分子材料を効率よく
光重合させることができる。
【0056】また、上記第2の実施例の製造方法のよう
に、上基板11側から混合溶液Aに紫外線UVを照射し
て高分子材料を光重合させる場合は、下基板12側の外
部電極12は不透明な電極であってもよく、その場合
は、前記外部電極12で背景膜を兼ねさせてもよい。
【0057】さらに、上記実施例の高分子分散液晶素子
は、その背面に背景膜19を設けたものであるが、上記
第2の実施例の製造方法のように、上基板11側から混
合溶液Aに紫外線UVを照射して高分子材料を光重合さ
せる場合は、下基板12またはその上の表示用電極14
のいずれかで背景膜を兼ねさせてもよい。
【0058】また、本発明は、裏面に背景膜19を備え
たものに限らず、裏面側に光源を配置して使用される透
過型の高分子分散液晶素子にも適用することができる
し、さらに、単純マトリックス型のものに限らず、例え
ば時分割駆動されるセグメント表示型等の高分子分散液
晶素子にも適用することができる。
【0059】
【発明の効果】本発明の高分子分散液晶素子は、一方の
面に電極を形成した一対の基板をその電極形成面を互い
に対向させて配置し、この両基板間に、高分子層中に二
色性染料を添加した液晶を分散させた液晶/高分子複合
膜を設けたものであって、前記液晶が高周波電界と低周
波電界に対して異なる誘電異方性を示す二周波駆動用液
晶であり、かつこの液晶の分子と前記二色性染料の分子
が、初期状態では前記基板面に対してほぼ垂直に配向し
ており、前記液晶が負の誘電異方性を示す電界を前記複
合膜の厚さ方向に印加したときに前記基板面に対してほ
ぼ平行に配向することを特徴とするものであるから、明
状態の背景中に表示パターンを暗状態で表示して、画面
全体を明るくかつコントラストを高くすることができ
る。
【0060】また、本発明の高分子分散液晶素子の製造
方法は、電極形成面を互いに対向させて配置した一対の
基板間に、光によって重合反応する高分子材料と二色性
染料を添加した二周波駆動用液晶との混合溶液を充填し
た後、前記液晶が正の誘電異方性を示す電界を前記混合
溶液の厚さ方向に印加してこの混合溶液中の液晶の分子
および二色性染料の分子を前記基板面に対してほぼ垂直
に配向させ、その状態で前記混合溶液に対しその厚さ方
向に紫外線を照射して、前記混合溶液の高分子材料を光
重合させて液晶/高分子複合膜を形成することを特徴と
するものであるから、上記本発明の高分子分散液晶素子
を製造することができる。
【0061】しかも、本発明の製造方法においては、前
記混合溶液中の液晶分子と染料分子を基板面に対してほ
ぼ垂直に配向させた状態で、この混合溶液に対しその厚
さ方向に紫外線を照射して前記混合溶液の高分子材料を
光重合させているため、前記混合溶液に照射した紫外線
が二色性染料によって吸収されることはほほとんどな
く、したがって、混合溶液の全域において高分子材料を
十分な強度の紫外線で均等に重合させることができ、ま
た、二色性染料の紫外線の吸収による劣化も防ぐことが
できるので、良好な構造でかつより暗い暗表示が得られ
る液晶/高分子複合膜を有する高分子分散液晶素子を製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す高分子分散液晶素子の
一部分の断面図であり、(a)は初期状態、(b)は電
界印加状態を示している。
【図2】本発明の製造方法の第1の実施例を示す混合溶
液への光照射状態図。
【図3】本発明の製造方法の第2の実施例を示す混合溶
液への光照射状態図。
【図4】従来の高分子分散液晶素子の断面図。
【図5】図4の一部分の拡大図。
【符号の説明】
11,12…基板 13,14…電極 16…液晶/高分子複合膜 17…高分子層 18…二周波駆動用液晶 18a…液晶分子 18b…二色性染料の分子 19…白色背景膜 A…混合溶液 20…低周波電源 21,22…外部電極 UV…紫外線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の面に電極を形成した一対の基板をそ
    の電極形成面を互いに対向させて配置し、この両基板間
    に、高分子層中に二色性染料を添加した液晶を分散させ
    た液晶/高分子複合膜を設けてなる高分子分散液晶素子
    であって、 前記液晶が高周波電界と低周波電界に対して異なる誘電
    異方性を示す二周波駆動用液晶であり、かつこの液晶の
    分子と前記二色性染料の分子が、初期状態では前記基板
    面に対してほぼ垂直に配向しており、前記液晶が負の誘
    電異方性を示す電界を前記複合膜の厚さ方向に印加した
    ときに前記基板面に対してほぼ平行に配向することを特
    徴とする高分子分散液晶素子。
  2. 【請求項2】液晶の誘電異方性は、高周波電界に対して
    負、低周波電界に対して正であり、初期状態での表示が
    明、高周波電界を印加したときの表示が暗であることを
    特徴とする請求項1に記載の高分子分散液晶素子。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の高分子分散液晶素子の製
    造方法であって、電極形成面を互いに対向させて配置し
    た一対の基板間に、光によって重合反応する高分子材料
    と二色性染料を添加した二周波駆動用液晶との混合溶液
    を充填した後、前記液晶が正の誘電異方性を示す電界を
    前記混合溶液の厚さ方向に印加してこの混合溶液中の液
    晶の分子および二色性染料の分子を前記基板面に対して
    ほぼ垂直に配向させ、その状態で前記混合溶液に対しそ
    の厚さ方向に紫外線を照射して、前記混合溶液の高分子
    材料を光重合させて液晶/高分子複合膜を形成すること
    を特徴とする高分子分散液晶素子の製造方法。
  4. 【請求項4】液晶の誘電異方性は、高周波電界に対して
    負、低周波電界に対して正であり、混合溶液の高分子材
    料の光重合は、低周波電界を印加して行なうことを特徴
    とする請求項3に記載の高分子分散液晶素子の製造方
    法。
  5. 【請求項5】液晶の分子をほぼ垂直に配向させる電界
    は、一対の基板にそれぞれ形成されている電極を利用し
    て印加することを特徴とする請求項3または請求項4に
    記載の高分子分散液晶素子の製造方法。
  6. 【請求項6】液晶の分子をほぼ垂直に配向させる電界
    は、一対の基板の外面にそれぞれ外部電極を設けて印加
    することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の
    高分子分散液晶素子の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7248318B2 (en) 2002-05-31 2007-07-24 Sharp Kabushiki Kaisha Liquid crystal display device and method of producing the same

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