JPH07259563A - エンジンの燃焼制御装置 - Google Patents

エンジンの燃焼制御装置

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JPH07259563A
JPH07259563A JP6079660A JP7966094A JPH07259563A JP H07259563 A JPH07259563 A JP H07259563A JP 6079660 A JP6079660 A JP 6079660A JP 7966094 A JP7966094 A JP 7966094A JP H07259563 A JPH07259563 A JP H07259563A
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JP
Japan
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combustion chamber
chamber
sub
fuel
engine
Prior art date
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Pending
Application number
JP6079660A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidetoshi Kudo
秀俊 工藤
Toshiyuki Terashita
敏幸 寺下
Yoshiaki Nakayama
佳映 中山
Hiroyuki Yamamoto
博之 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP6079660A priority Critical patent/JPH07259563A/ja
Publication of JPH07259563A publication Critical patent/JPH07259563A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/24Cylinder heads
    • F02F1/42Shape or arrangement of intake or exhaust channels in cylinder heads
    • F02F1/4214Shape or arrangement of intake or exhaust channels in cylinder heads specially adapted for four or more valves per cylinder

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Control Of The Air-Fuel Ratio Of Carburetors (AREA)
  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】HC低減、NOx低減と、ノッキング防止とを
行なう。 【構成】燃焼室1の略中心部にのみ点火プラグ10が配
設される。燃焼室1の外周縁部には、燃焼室周方向略等
間隔に2つの副室11、12が形成される。副室11
(12)は、噴孔11a、11b(12a、12b)を
介して、燃焼室1と連通されている。噴孔11aと11
b(12aと12b)とは、それぞれ燃焼室1の略接線
方向に指向されると共に、互いに逆向きとされている。
点火プラグ10による着火が行なわれた後、早い時期に
副室1、12内で自己着火されて、噴孔11a〜12b
から噴出される火炎K3が燃焼室周方向に成長される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に排気ガス中のHC
成分を大幅に低減し得るようにしたエンジンの燃焼制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジン、特に自動車用エンジンとして
一般的な火花点火式エンジンにおいては、排気ガス中の
有害成分が問題となる。この有害成分のうち、HCは、
壁面冷却されやすい燃焼室外周縁部で生じやすいものと
なる。
【0003】実開昭55−6484号公報には、1つの
点火プラグ(点火ギャップ)と点火プラグを有しない2
つの副室とを、燃焼室中心部分に集中させて、かつ燃焼
室直径方向に隔置して設け、しかも、副室と燃焼室とを
連通する噴孔を燃焼室外周縁部のうち冷却されやすいク
エンチゾ−ンに指向させたものが開示されている。この
ものによれば、点火プラグによる着火がおこなわれた
後、副室内で自己着火されて、この自己着火された火炎
が、噴孔よりクエンチゾ−ンにむけて噴出されることに
なる。また、副室の自己着火を利用した他の技術として
は、特開昭62−233416号公報に記載のものがあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開昭
55−6484号公報に記載された技術では、副室の噴
孔から噴出される火炎が、燃焼室略中心部から燃焼室外
周縁部に向うというように、燃焼室外周縁部のうち特定
の一部の領域しか指向しないので、HCを大幅に削減す
るまでにはいたらないものとなる。
【0005】また、特開昭62−233416号公報に
記載のものは、ディ−ゼルエンジンにおいて、副室から
の噴流を利用して後期燃焼を促進するためのものであ
り、積極的にHC削減を意図したものではない。とりわ
け、また副室から噴出される火炎は、燃焼室の中心部に
向うように指向されるもので、燃焼室外周縁部で生じや
すいHC削減というものは何ら意図されていないものと
いえる。
【0006】本発明の目的は、HCを大幅に削減しつ
つ、NOX 低減とノッキング防止とを合わせて行うこと
ができるようにしたエンジンの燃焼制御装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明にあっては次のような構成としてある。すな
わち、燃焼室に配設された点火プラグにより、燃焼室に
供給された混合気の着火を行うようにした火花点火式の
エンジンにおいて、燃焼室外周縁部に副室が構成され、
前記副室は、燃焼室の略接線方向に指向された噴孔を介
して燃焼室と連通され、前記点火プラグが、前記副室内
には配設されていないで燃焼室の略中心部にのみ配設さ
れ、前記点火プラグによる混合気の着火後に、前記副室
内で自己着火が行なわれるように設定されている、よう
な構成としてある。上記構成を前提とした本発明の好ま
しい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記
載のとおりである。
【0008】
【発明の効果】請求項1に記載された本発明によれば、
副室から噴孔を通して噴出される火炎は、燃焼室周方向
に沿って成長されるので、燃焼室外周縁部で生じやすい
HCを大幅に低減することができる。そして、副室には
点火プラグを設けないで、燃焼室略中心部に設けた1つ
の点火プラグの着火を利用した副室内での自己着火を利
用するので、各副室毎に点火プラグを設ける場合に比し
て構成も簡単になる。
【0009】また、燃焼場に、点火プラグの着火により
生じた火炎と副室からの火炎とによって大きな撹乱作用
が生じ、これによるラジカルな反応によって、燃焼室中
心から外周縁部に向う火炎中の気相クエンチによるHC
が十分に酸化されると共にNOX が還元され、HCがよ
り効果的に削減されるばかりでなくNOX も削減される
ことになる。さらに、燃焼室外周縁部における燃焼が、
副室を利用して比較的早期のうちに十分におこなわれる
ので、ノッキングの原因となるエンドガスゾ−ンでの異
常燃焼発生つまりノッキングが防止され(ノッキング限
界向上)、エンジンの出力向上の上でも好ましいものと
なる。
【0010】請求項2に記載したような構成とすること
により、噴孔からの火炎は、早期のうちに燃焼室外周縁
部の全周あるいはほぼ全周に成長して、HCを大幅に低
減する上で好ましいものとなる。また、請求項3に記載
したような構成とすることにより、副室の数を極力少な
くしつつ、請求項2での効果を得ることができる。
【0011】請求項4に記載したような構成とすること
により、副室付きのエンジンを容易に構成することがで
きる。請求項5に記載したような構成とすることによ
り、自動車用エンジンとして一般的なペントル−フ型の
燃焼室を有するものにおいて、請求項4での効果を得る
ことができる。
【0012】請求項6、請求項7、請求項10、請求項
13〜請求項15、請求項19、請求項21、請求項2
3、請求項24、請求項28および請求項30〜請求項
34に記載したような構成とすることにより、副室内で
の自己着火時期を早めて、請求項1に対応した効果をよ
り助長させる上で好ましいものとなる。
【0013】請求項7に記載したような構成とすること
により、副室での自己着火時期を早めつつ、流入口を通
して燃焼室中心部側へと副室からの噴流がもれ出るのを
防止する上で好ましいものとなる。
【0014】請求項8に記載したような構成とすること
により、複雑な構造を有する燃焼室上方を避けて、副室
構成部材を取付けることができる。また、請求項9に記
載したような構成とすることにより、副室構成部材を2
つの燃焼室用として兼用させて、配設スペ−スの確保や
構造簡単化等の上で好ましいものとなる。
【0015】請求項11に記載したような構成とするこ
とにより、副室をエンジンに設けることが容易となる。
また、請求項12に記載したような構成とすることによ
り、本体部材内に閉じられた副室を構成する必要がなく
なるので、全体として副室構成部材の製造が容易とな
る。
【0016】請求項16に記載したような構成とするこ
とにより、燃焼室内の高温燃焼ガスを効果的に利用し
て、副室の自己着火時期を早める上で好ましいものとな
る。請求項17に記載したような構成とすることによ
り、副室と燃焼室との間での高温の燃焼ガスのやりとり
に大きな運動エネルギを消費することが防止されて、高
温燃焼ガスを利用した副室での自己着火を早める上で好
ましいものとなる。請求項18に記載したような構成と
することにより、低温EGRと高温EGRとを切換えて
行なう場合の構成が簡単となる。
【0017】請求項20に記載したような構成とするこ
とにより、縦渦を利用して、ラジカル領域を燃焼室の上
下方向に厚くして、副室での自己着火時期を早める上で
特に好ましいものとなる。
【0018】請求項22に記載したような構成とするこ
とにより、特にNOx低減の上で好ましいものとなる。
【0019】請求項25に記載したような構成とするこ
とにより、ノッキングが生じやすい領域では高オクタン
価燃料を使用してノッキングが効果的に防止される。ま
た、上記以外の領域では、低オクタン価燃料を利用した
燃焼を行なうことによって多量に生じるC2ラジカルを
利用して、副室での自己着火時期を早めて、請求項1に
対応した効果をより助長させる上で好ましいものとな
る。
【0020】請求項26に記載したような構成とするこ
とにより、低オクタン価燃料を利用した燃焼の際に多量
に生じるC2ラジカルを利用した副室での自己着火時期
を早める上で好ましいものとなる。また、高オクタン価
燃料も合せて供給されているので、耐ノック性の点でも
問題とならない。
【0021】請求項27に記載したような構成とするこ
とにより、オクタン価の相違する大きな燃料タンクが1
つで済むことになる。
【0022】請求項29に記載したような構成とするこ
とにより、副室に邪魔されることなく吸気ポ−トの開口
面積を十分に確保して、エンジン出力向上の上で好まし
いものとなる。
【0023】請求項35あるいは請求項36に記載した
ような構成とすることにより、請求項1に対応した効果
を十分に助長させて得ることができる。
【0024】
【実施例】以下本発明の実施例を添付した図面に基づい
て説明する。図1、図2の説明 図1、図2において、1は火花点火式とされた往復動型
エンジンの燃焼室であり、既知のようにシリンダヘッド
SHに形成されている。燃焼室1は、2つの傾斜面1
a、1bを有するペントル−フ型とされて、傾斜面1a
と1bとが交差する稜線が符合αで示される。そして、
稜線αは、図示を略すクランク軸と平行に伸びている。
【0025】一方の傾斜面1aには、稜線α方向に間隔
をあけて2つの吸気ポ−ト2、3が開口されている。ま
た、他方の傾斜面1bには、稜線α方向に間隔をあけて
2つの排気ポ−ト4、5が開口されている。各吸気ポ−
ト2、3は、シリンダヘッドSHの一方の側面(図1上
方)に開口され、各排気ポ−ト4、5はシリンダヘッド
SHの他方の側面に開口されて、シリンダヘッドSHの
一方の側面から吸気が導入されて、シリンダヘッドSH
の他方の側面から排気されるいわゆるクロスフロ−型と
されている。勿論、それぞれ図示は略すが、各吸気ポ−
ト2、3、各排気ポ−ト4、5は、クランク軸の回転と
同期して、傘弁式の吸気弁あるいは排気弁により周知の
タイミングで開閉される。
【0026】稜線αが通る燃焼室1の中心には、1つの
点火プラグ(点火ギャップ)10が配設されている。ま
た、燃焼室1の外周縁部には、稜線αの各端部におい
て、副室11、12が形成されている。すなわち、2つ
の副室11と12とは、燃焼室周方向においてほぼ18
0度間隔で配設された構成とされている。各副室11、
12の容積は、燃焼室1の容積に比して十分小さなもの
とされている。各副室11、12はそれぞれ、2つの噴
孔11a、11bあるいは12a、12bを有する。副
室11の2つの噴孔11a、11bは、副室11と燃焼
室1とを連通していて、噴孔11aと11bとは、燃焼
室周方向において互いに逆向きでかつそれぞれ燃焼室1
の略接線方向に指向されている。同様に、副室12の2
つの噴孔12a、12bは、副室12と燃焼室1とを連
通していて、噴孔12aと12bとは、燃焼室周方向に
おいて互いに逆向きでかつそれぞれ燃焼室1の略接線方
向に指向されている。
【0027】前記副室11、12および噴孔11a、1
1b、12a、12bは、後述するように、副室構成部
材21、22を利用して構成されている。この、副室構
成部材21、22は、シリンダヘッドSHとは別体に形
成されて、点火プラグ10と同様に、燃焼室1の上方か
ら、ねじ込みによってシリンダヘッドSHに取付けられ
るようになっている。このような、上方からの副室構成
部材21、22の取付手法を採択することにより、その
整備性の点で好ましいものとなる。
【0028】以上のような構成において、点火プラグ1
0により、燃焼室1内に供給された混合気が着火され
る。点火プラグ10の着火により生じた火炎(以下主火
炎と称す)は、点火プラグ10を中心にして燃焼室外周
縁部へと向けて環状にひろがっていき、この燃焼室外周
縁部に向う主火炎の内側部分は既燃部分K1となる。
【0029】主火炎の火炎伝播によって、燃焼室1内の
圧力は上昇するが、副室11、12内の圧力は、噴孔1
1b、12a、12bの絞り作用によって燃焼室1の圧
力よりも小さいものとなる。このような燃焼室1と副室
11、12との圧力差によって、燃焼室1から副室1
1、12へ向う強い流れが生じ、副室11、12内部の
乱れエネルギが増大される。また、主火炎の予反応帯
(図1符合K2で示す)におけるラジカルを大量に含む
高温の混合気が、副室11、12内部に流入するため、
当該副室11、12内部の混合気の温度は上昇し、かつ
活性化する。
【0030】以上のような過程を経て、副室内部11、
12の混合気が、自己着火される。自己着火された副室
11、12内の燃焼は、高乱流、高温、高活性化状態に
あるので、非常に早く、その圧力上昇率は、燃焼室1内
での圧力上昇率よりも高くなる。したがって、副室1
1、12からは、噴孔11a、11b12a、12bを
通して、燃焼室1内へ噴炎火流となって火炎が噴出され
る(副室11、12から噴出される火炎を以下副火炎と
称し、図1の符合K3で示される)。
【0031】副室11、12から噴出される副火炎は、
燃焼室外周縁部に沿って勢いよく成長するので、燃焼室
外周縁部で生じやすいHCが大幅に低減される。特に、
副室11、12内での自己着火は、主火炎での燃焼割合
が10%程度というような早期におこなうことができ
る。したがって、主火炎が十分成長する前に、副火炎同
志が燃焼室周方向で合致して(副火炎の火炎面積減
少)、環状の火炎が形成される。この後、環状とされた
副火炎が、燃焼室中心部へ向けて成長して、燃焼室外周
縁部へ向けて成長する主火炎と合体される。
【0032】主火炎と副火炎とにより、燃焼室1内では
大きな撹乱作用が生じるが、このとき、各火炎中のラジ
カルを利用した酸化および還元反応、例えば次のような
反応が促進される。すなわち、NOxや主火炎中の気相
クエンチによるHCは、OHラジカルと次のように反応
する。 HC+ OHラジカル=H2 O+CO2 NOx+OHラジカル=H2 O+N2
【0033】このようにして、HCがさらに大幅に低減
されるばかりでなく、NOxも低減されることになる。
また、副火炎によって、比較的燃焼早期のタイミングで
燃焼室外周縁部で十分に燃焼がおこなわれるので、この
燃焼室外周縁部での異常燃焼つまりノッキングも防止さ
れることになる。しかも、燃焼後期での燃焼を早期に終
了させることができるので、この分点火時期を遅角させ
ることができ、ノッキング防止の点でより有利なものと
なる。
【0034】図3、図4の説明 図3、図4は、本発明の他の実施例を示すものであり、
前記実施例と同一構成要素には、同一符合を付してその
説明は省略する(このことは、以下のさらに別の実施例
についても同じ)。本実施例では、副室構成部材21、
22を、燃焼室1の側方からシリンダヘッドSHに取付
けるようにしてある。これにより、複雑な構成とされる
シリンダヘッドSHの上方部分を避けて、副室11、1
2を所定位置に配設することができる。ただし、副室構
成部材21、22の取付高さ確保のため、シリンダヘッ
ドSHのうち副室構成部材21、22の取付位置部分
が、通常のエンジン用に比して高くされている。なお、
副室構成部材21、22を燃焼室側方から取付ける場
合、シリンダヘッドSHとシリンダブロックとの間に介
在されるガスケット部材に、当該副室構成部材21、2
2を保持させることもできる。
【0035】また、本実施例では、副室構成部材21、
22つまり副室11、12を、稜線αよりも排気ポ−ト
4、5側にオフセットした位置に配設するようにしてあ
る。これにより、吸気ポ−ト2、3の開口面積を十分大
きいものに確保する上で好ましいものとなる。なお、稜
線αを、図1あるいは図3に示す場合に比して、全体的
に排気ポ−ト4、5側にオフセットさせるようにしても
よい(傾斜面1aを傾斜面1bよりも広いものとす
る)。
【0036】図5の説明 図5は、図1〜図4に示される副室構成部材21、22
の構成例を示すものであり、両者21と22とは同一に
構成されるので、副室構成部材21に着目して説明す
る。なお、図5では、燃焼室1の上方から取付ける場合
を示してあるが、燃焼室1の側方から取付ける場合も同
様にしておこなうことができる。
【0037】先ず、副室構成部材21は、基本的に、本
体部材25と固定部材26との2分割構成とされてい
る。本体部材25は、基端部側が開口された有低筒状と
されている。本体部材25の先端部側は略円錐形状とさ
れ、当該先端部近傍の側面に、噴孔11a、11bが形
成されている。そして、本体部材25の基端部側は、他
の部分よりも大径とされたフランジ部25aとされてい
る。
【0038】固定部材26は、上方から下方へ順に、大
径部26a、中径部26b、小径部26cとされてい
る。中径部26bは、本体部材25のフランジ部25a
よりもわずかに大径とされて、その外周には雄ねじ部2
6dが形成されている。大径部26aは、ナット(ボル
トの頭)形状とされている。さらに、小径部26cは、
本体部材25の内径と同径とされて、当該本体部材25
内に、所定深さだけ挿入されて、副室11の所定容積を
本体部材25と共働して確保している(小径部26cの
下面が、副室11の上面を構成)。
【0039】シリンダヘッドSHには、燃焼室1へ開口
する取付孔27が形成されている。取付孔27は、燃焼
室1に近い側が小径部27aとされ、遠い側が大径部2
7bとされている。大径部27bには、固定部材26の
雄ねじ部26dが螺合される雌ねじ部27dが形成され
ている。
【0040】取付孔27の小径部27aに対して、本体
部材25がきっちりと挿入され、所定以上の挿入は、本
体部材25のフランジ部25aが、取付孔27の各径部
27aと27bとの間の段部27cに当接することによ
り規制される。ただし、段部27cとフランジ部25a
との間には、銅板等の金属板からなるガスケット28が
介在される。この状態で、固定部材26が、その雄ねじ
部26dを取付孔27の雌ねじ部27dに螺合させつ
つ、シリンダヘッドSHに取付けられる。そして、シリ
ンダヘッドSHに螺合された固定部材26により、本体
部材25に対して所定押圧力が付与されて、取付けが完
了される。
【0041】ここで、本体部材25の燃焼室1に対する
突き出し量を調整することにより、副室11内での自己
着火の時期を調整(制御)することができる。この場
合、本体部25の長さを変更することにより上記突き出
し量を調整することもできるが、ガスケット28の厚さ
を変更することにより突き出し量の調整を行なうのが簡
単である。
【0042】また、エンジンの種類等に応じて、副室1
1の容積を変更する場合、本体部材25を共通としつ
つ、固定部材26における小径部26cの長さ(挿入深
さ)を変更することにより、副室容積の変更を簡単に行
うことができる。なお、本体部材25と固定部材26と
は、シリンダヘッドSHの取付前に、溶接等によりあら
かじめ一体化しておくこともできる。
【0043】図6〜図8の説明 図6〜図8は、副室構成部材21、22を、燃焼室1の
側方から取付ける場合で、かつ、2つの燃焼室の間に配
設する場合に好適な例を示す。図6において、直列多気
筒エンジンにおいて、互いに隣接する2つの燃焼室1A
と1Bとの間に配設される副室構成部材31(副室構成
部材21あるいは22に相当)が、当該2つの燃焼室1
A用と1B用との兼用として構成される。この副室構成
部材31は、図8に示すように、2つの本体部材32、
33と、1つの中間部材34を互いに溶接等により一体
化することにより、燃焼室1Aと1Bとの配列方向に細
長く形成される。中間部材34は、本体部材33、34
の内径に嵌合された状態とされて、外部に露出されてい
ない状態とされる。
【0044】本体部材32と中間部材34とにより、一
方の燃焼室1A用の副室11が構成され、本体部材33
と中間部材34とにより他方の燃焼室1B用の副室12
が構成される。本体部材32の基端部外周には雄ねじ部
32aが形成され、本体部材33の基端部はフランジ部
33aとされている。
【0045】シリンダヘッドSHには、両燃焼室1Aと
1Bとの間において、該両者1Aと1Bとを連通する取
付孔35が形成されている。この取付孔35は、小径部
35aと大径部35bとを有して、両者の境界が段部3
5cとされている。小径部35aに、前記雄ねじ部32
aが螺合される雌ねじ部35dが形成されている。
【0046】副室構成部材31は、大径部35b側とな
る燃焼室1B側より、シリンダヘッドSHに取付けられ
る。この取付状態では、本体部材32の雄ねじ部32a
が、取付孔35の雌ねじ部35dに螺合される。ま
た、、本体部材33のフランジ部33aが、取付孔の大
径部35bにきっちりと嵌合されると共に、段部35c
に当接された状態とされる。なお、フランジ部33aと
段部35cとの間には、銅板等の金属板からなるガスケ
ット36が介在される。本実施例によれば、狭い2つの
燃焼室1Aと1Bとの間の空間を有効に利用して、副室
を簡単に構成することができる。
【0047】図9の説明 図9は、燃焼室外周縁部の全周に渡って、発熱手段とし
てのヒータ41を設けたものである。このヒータ41
は、例えば、セラミックヒータ等、薄板状とされてい
る。このようなヒータ41を設けることにより、副室1
1、12での自己着火がより早期化される。副室11、
12の早期自己着火化は、より早期に燃焼室外周縁部の
燃焼をおこなってHCをより効果的に低減する上で、ま
た、副火炎同士を早期に合致させ、しかもその後の主火
炎と副火炎とを早期に合体させて最大発熱量を抑制する
(NOxを低減する)上で好ましいものとなる。なお、
ヒータ41は、燃焼室外周縁部の全周ではなく、一部の
みにもうけてもよい。また、副室11、12の高温化と
いう点では、図5一点鎖線で示すように、副室11、1
2内にグロ−プラグ42を配設してもよい。なお、グロ
−プラグは、副室11、12内ではなくて、燃焼室外周
縁部に、周方向に間隔をあけて複数設けるようにしても
よい(ヒ−タ41の代り)。
【0048】図10、図11の説明 図10、図11は、冷却水の流れを制御して、副室1
1、12高温化を促進するようにしたものである。すな
わち、シリンダヘッドSHに形成された冷却水通路を、
少なくとも副室11、12付近において、副室直近の冷
却水通路43とそれ以外の冷却水通路44との独立構成
として、冷却水通路43中に開閉弁(図示略)を設けて
ある。なお、図10と図11とは、冷却水通路43、4
4の相違する構成例を示すものであり、図中45はシリ
ンダブロック、46はシリンダブロック45に形成され
た冷却水通路、47はピストンである。
【0049】エンジン温度つまり冷却水温度が所定温度
以下の低温時には、前記開閉弁を閉じることにより、冷
却水通路43への冷却水の流れが禁止されて、副室1
1、12は早期に高温化される(自己着火の早期化)。
また、冷却水温度が上記所定温度を越えたときは、開閉
弁を開くことにより、冷却水通路43に冷却水が流れ
て、極端に高温化することが防止される(エンジン保
護)。
【0050】図12〜図18の説明 図12〜図18は、高温EGRガスを利用して、副室1
1、12での自己着火時期を早期化するようにした例を
示し、特に、エンジン冷間時に、高温EGRガスを層状
化して燃焼室2に供給する場合を示す。図12は、高温
EGRガスを、燃焼室外周縁部に偏在(層状化)して供
給するようにした例を示す。この場合は、燃焼室外周縁
部の混合気を効率的に高温化することができる。図13
は、高温EGRガスを、燃焼室中心部に偏在して供給す
るようにした例を示す。この場合は、点火プラグ10に
よる着火後、主火炎の広がりによって、より過熱された
混合気が燃焼室外周縁部へ供給されることになる。図1
2、図13の場合共に、内部EGRによるエミッション
低減効果との相乗効果により、HCおよびNOxが飛躍
的に低減される。
【0051】図14は、高温EGRガスの供給と低温E
GRガスとの供給とを、エンジンの運転状態に応じて適
切に切換えるようにしたものであり、図14は低温EG
Rガスの供給態様例をしめすものである(低温EGRガ
スを、燃焼室中心部に偏在して供給する場合を示す)。
すなわち、冷間時(および/または低負荷時)には、高
温EGRガスが図12あるいは図13に示すように供給
される。また、温間時(および/または高負荷時)に
は、図14に示すように低温EGRガスが供給される。
この場合、本発明では燃焼室外周縁部での部分失火とい
う事態が生じがたいので、通常エンジンに比してEGR
ガス量を増大することができ、NOxを飛躍的に低減す
ることができる。
【0052】図15は、図12あるいは図13に示す高
温EGRガスの供給態様と、図14に示す低温EGRガ
スの供給態様とが得られるようにした構成例を示す。こ
の図15において、燃焼室中心部には、点火プラグ10
が配設される他、EGRポート51が開口されている。
シリンダヘッドSHには、燃焼室中心部において、所定
容積を有する高温EGRガスを貯溜するための貯溜室5
2が形成されており、この貯溜室52が、EGRポート
51を介して燃焼室1と連通されている。
【0053】EGRポート51は、傘弁式のEGR弁
(図示略)により、クランク軸の回転と同期して、図1
6で示すようなタイミングで開閉される。すなわち、E
GRポート51は、例えば吸気行程の終期と膨張行程の
終期とに開かれる。これにより、膨張行程において、燃
焼室1内の燃焼ガスが高温EGRガスとして貯溜室52
に貯溜され、次の吸気行程において、貯溜室52内の高
温EGRガスが燃焼室1へ供給される。
【0054】EGRポート51を、図15実線で示すよ
うに燃焼室1の中心部に設けた場合は、貯溜室52から
の高温EGRガスは、図13に示すように燃焼室1の中
心に偏在して供給される。これに対して、EGRポート
51を、図15一点鎖線で示すように燃焼室外周縁部に
設けた場合は、貯溜室52からの高温EGRガスは、図
12に示すように燃焼室外周縁部に偏在して供給され
る。
【0055】なお、EGR弁の開閉駆動は、油圧式ある
いは電磁式の駆動装置によりおこなって、前述した所定
の運転領域でのみ高温EGRガスを燃焼室1へ供給する
ようにすることができる、また、クランク軸により回転
駆動されるカムシャフトにより、EGR弁の開閉駆動を
おこなうこともでき、この場合、所定の運転領域でのみ
高温EGRガスの供給を行う場合は、クランク軸とカム
シャフトとの間に、クラッチ等の動力断続手段を設けて
おけばよい。
【0056】吸気ポ−ト2、3のうち、一方の吸気ポ−
ト3(に連なる吸気通路)には、エミッション低減が強
く要求される低負荷時に閉じられるシャッタ弁53が配
設されて、このシャッタ弁53が閉じられたとき、燃焼
室1内には、図15中反時計方向の吸気のスワ−ルが生
成されるようになっている(吸気ポ−ト2を燃焼室1の
略接線方向に指向)。また、シャッタ弁53の下流にお
いて、吸気ポ−ト(に連なる吸気通路)には、外部EG
R通路54の下流端が開口されている。この外部EGR
通路54は、排気系路から分岐されたもので、エンジン
本体の外部において長く配設されて、低温EGRガスを
供給するためのものとなっている。そして、外部EGR
通路54の下流端は、吸気ポ−ト3のうち、燃焼室1の
中心側寄りに開口されて、低温EGRガスは、燃焼室中
心部に偏在して供給されるようになっている。なお、外
部EGR通路54には、開閉弁56が接続されて、前述
した所定の運転領域でのみ低温EGRガスを燃焼室1へ
供給するようになっている。
【0057】図17は、EGRポート51の好ましい開
タイミングの設定例を示す。この図17では、EGRポ
ート51を、貯溜室52内の圧力と燃焼室1内の圧力と
がほぼ等しくなった時期に行うようにしてある。より具
体的には、EGRポート51の開時期を、圧縮行程の初
期と膨張行程の終期とに行うようにしてある。このよう
にすることによって、貯溜室52と燃焼室1との間での
EGRガス(燃焼ガス)の移動に際して大きな運動エネ
ルギを消費するのが防止される(EGRガスの温度低下
防止)。
【0058】図18は、EGRポート51を、高温EG
Rガス供給用と、低温EGRガス供給用とで兼用させた
場合を示す。すなわち、EGRポート51には、外部E
GR通路54が接続され、この外部EGR通路54に配
設する開閉弁55を、EGRポート51から所定距離
(貯溜室52に相当する容積を確保する距離)離れた位
置に配設してある。開閉弁55は、冷間時(および/ま
たは低負荷時)に閉じられ、このときは、高温EGRガ
スが燃焼室1へ供給される。また、温間時(および/ま
たは高負荷時)には、開閉弁55が開かれて、このとき
は低温EGRガスが燃焼室1へ供給される。なお、図1
5における貯溜室52の内壁、あるいは図18における
EGR通路54のうち開閉弁55よりも下流側の内壁
を、セラミック等の断熱部材により被覆しておくことに
より、高温EGRガスを高温のままに保持しておく上で
好ましいものとなる。
【0059】図19(図12、図13)の説明 図1に示すラジカル領域K2(予反応帯)でのラジカル
濃度増大あるいはラジカル量増大を行うことが、本発明
の効果をより助長する上でこのましいものとなる。この
ため、燃焼室1内において、酸素濃度制御することがで
きる。この酸素濃度制御のため、図19に示すように、
2つの吸気ポ−ト2、3以外に、別途濃度制御用の第3
吸気ポ−ト61が燃焼室1の中心部に開口される。この
第3吸気ポ−ト61は、図示を略す傘弁式の制御弁によ
り、吸気ポ−ト2、3と同じようなタイミングで開閉さ
れるが、その開口面積は、他の吸気ポ−ト2、3に比し
て十分小さいものとされている。
【0060】第3吸気ポ−ト61(に連なる吸気通路)
には、吸入空気のうち酸素分子のみを通過させる酸素富
化膜62が接続されている。これにより、第3吸気ポ−
ト61からの酸素は、燃焼室1の中心部へ偏在して供給
される(層状化)。
【0061】燃焼室外周縁部において、酸素濃度を部分
的に高くするには、第3吸気ポ−ト61を、燃焼室外周
縁部に開口させるようにすればよい。燃焼室中心部ある
いは燃焼室外周縁部において部分的に酸素濃度高くする
には、図15、図20に示すように吸気のスワ−ルを利
用してもよい。
【0062】前述のように、燃焼室外周縁部の酸素濃度
を部分的に高くするか(図12参照)、あるいは燃焼室
中心部の酸素濃度を部分的に高くする(図13参照)場
合は、いずれにあっても、酸素分子と燃料分子との衝突
確立が高められて、副室11、12近傍のラジカル領域
K2の厚さや濃度が増大されて、副室11、12での早
期自己着火を得ることができる。なお、本発明では、副
火炎同士の合体や、主火炎と副火炎との早期合体による
最大発熱量の抑制がおこなわれるため、酸素濃度を部分
的に高めてもても問題はないが、通常のエンジンでは、
酸素濃度を高めることによって燃焼温度が上昇して、N
Ox低減の上で好ましくないものとなってしまう。
【0063】上述した酸素濃度を部分的に高くすること
に代えて、窒素濃度を部分的に低くしてもよい(図1
2、図13の窒素に関する説明参照)。この場合は、前
記酸素富化膜62を、セラミック等の窒素吸着剤63と
することにより、燃焼室2の中心部での窒素濃度を部分
的に低くすることができる。 ただし、圧縮圧力を十分
確保するため、窒素濃度低減分だけ、EGRをおこなう
とよい。この窒素濃度制御の場合は、NOx低減の上で
特に好ましいものとなる(NOx生成の基となる窒素低
減と、窒素低減に代わるEGR実行)。
【0064】図20の説明 ラジカル領域K2において、C2 ラジカルは、空燃比が
小さくなるほど(リッチになるほど)大きくなることが
知られている。したがって、燃焼室1内における濃混合
気の分布制御を行なうことによって、上記C2 ジカルの
濃度、量を増大させて、副室11、12での自己着火の
早期化を図ることができる。
【0065】具体的には、図12に示すように燃焼室外
周縁部をリッチにする層状化を行なえばよい。また、図
13に示すように燃焼室中心部をリッチにする層状化を
行なってもよく、この場合、主火炎の広がりに応じてリ
ッチ部分が燃焼室外周縁部へと広がる。
【0066】燃焼室外周縁部の混合気をリッチにする層
状化を行なう場合の一例が、図20に示される。この図
20において、一方の吸気ポ−ト3(に連なる吸気通
路)に設けたシャッタ弁53を閉じることにより、燃焼
室1内に吸気のスワ−ルが発生される。また、他方の吸
気ポ−ト2(に連なる吸気通路)に設けた燃料噴射弁6
5が、燃焼室外周縁部に指向するように配設されてい
る。これにより、燃料噴射弁65から燃焼室外周縁部に
向けて噴射された燃料は、吸気のスワ−ルによって、燃
焼室外周縁部に偏在して層状化される。
【0067】燃焼室中心部をリッチにするには、燃料噴
射弁65を、燃焼室中心部に指向させればよいが、燃焼
室1に対して極力縦方向(シリンダ軸線方向)に向かう
ようにして、燃焼室外周縁部に燃料が拡散しないように
するのが好ましい。また、燃焼室中心部をリッチにする
には、この他、図19に示すような燃焼室中心部に開口
する吸気ポ−ト61から燃料を供給することによって行
なうようにしてもよい。
【0068】図21〜図27の説明 ラジカル濃度の増大という点では、低オクタン価の燃料
の方が高オクタン価燃料よりも有利である。このような
観点から、図21に示すように、副室11、12が位置
する燃焼室外周縁部に低オクタン価の燃料が層状化する
ように供給するのが好ましい。このとき、全体としてノ
ッキング防止のために、高オクタン価燃料を、燃焼室中
心部に層状化するように供給することができる。
【0069】図22の場合とは逆に、燃焼室外周縁部に
高オクタン価燃料を層状化させ、燃焼室中心部に低オク
タン価燃料を層状化するように供給することもできる。
この場合、図23に示すように、点火プラグ10の着火
により生じる主火炎が燃焼室外周縁部に広がって、低オ
クタン価燃料を利用して濃度増大されたラジカルが副室
11、12に到達することになる。
【0070】図24に示すように、エンジンの運転状態
に応じて、ノッキングが生じ易い領域(低回転高負荷領
域)には高オクタン価燃料のみを燃焼室1に供給し、そ
の他の領域のときは低オクタン価燃料のみを燃焼室1に
供給して副室11、12での自己着火を早めるようにす
ることもできる。
【0071】図25は、図24に示すようなエンジン運
転状態に応じて供給する燃料を使い分ける場合の具体的
な構成例を示す。この図25において、67は高オクタ
ン価燃料を貯留する第1燃料タンク、68は低オクタン
価燃料を貯留する第2燃料タンクである。両タンク6
7、68は、切換弁69を介して、燃料ポンプ70の吸
込側に接続されている。上記切換弁69は、エンジン回
転数センサS1とエンジン負荷センサS2とからの信号
を受ける制御ユニットU1によって切換制御される。
【0072】制御ユニットU1は、エンジン運転状態が
図24に示す高オクタン価燃料使用領域(ノッキング発
生領域)のときは、ポンプ70を第1燃料タンク67の
みに接続する状態に切換弁69を切換え、これにより、
燃焼室1へは高オクタン価燃料のみが供給される。ま
た、エンジン運転状態が、図24に示す低オクタン価燃
料使用領域のときは、制御ユニットU1は、ポンプ70
を第2燃料タンク68のみに接続する状態に切換え、こ
れにより、燃焼室1へは低オクタン価燃料のみが供給さ
れる。なお、切換弁69を、中間の切換位置として、高
オクタン価燃料と低オクタン価燃料とが所定割合で混合
された燃料を燃焼室1へ供給することもできる。
【0073】図26は、2つの吸気ポ−ト2、3(に連
なる吸気通路)にそれぞれ燃料噴射弁71、72を配設
して、各燃料噴射弁71、72毎に個々独立して燃料供
給系統を構成してある。すなわち、燃料噴射弁71が、
第1燃料ポンプ73を介して、高オクタン価燃料を貯留
した第1燃料タンク67に接続されている。また、燃料
噴射弁72が、第2燃料ポンプ74を介して、低オクタ
ン価燃料を貯留した第2燃料タンク68に接続されてい
る。各ポンプ73、74は、前記センサS1、S2から
の出力を受ける制御ユニットU2によって制御される。
勿論、図24に示す高オクタン価燃料使用領域のときは
第1燃料ポンプ73のみが運転され、その他の領域では
第2燃料ポンプ74のみが運転される
【0074】図27は、燃料タンクを1つのみとして、
高オクタン価燃料供給と、低オクタン価燃料供給とを切
換えることのできるようにした場合を示す。この図27
において、高オクタン価燃料を貯留した燃料タンク75
から伸びる燃料通路Tに対して、燃料タンク75側から
順次、切換弁76、分離器77、開閉弁78、燃料ポン
プ79が接続されている。燃料通路Tには、バイパス通
路80が設けられて、、このバイパス通路80の一端が
前記切換弁76に接続され、バイパス通路80の他端
が、開閉弁78と燃料ポンプ79との間に接続されてい
る。
【0075】前記分離器77は、燃料成分中から耐ノッ
ク成分(オレフィン・アロマ等)を分離して、分離した
耐ノック成分を回収通路82を介して補助タンク81に
供給する。この補助タンク81は、供給通路83を介し
てバイパス通路80に接続され、この供給通路83には
開閉弁84が接続されている。前記各弁76、78、8
4は、各センサS1、S2からの出力を受ける制御ユニ
ットU3によって制御される。
【0076】エンジン運転状態が図24に示す低オクタ
ン価燃料領域のときは、切換弁76がバイパス通路80
を閉じて、燃料タンク75と分離器77とを接続する。
また、開閉弁78が開かれ、開閉弁84は閉じられる。
この状態で、ポンプ79が運転されると、燃料タンク7
5からの高オクタン価燃料は、分離器77を通過して燃
焼室1へと供給される。分離器77を通過するとき、高
オクタン価燃料中の耐ノック成分が分離されて、分離さ
れた耐ノック成分が補助タンク81に貯留される。
【0077】エンジン運転状態が、図24に示す高オク
タン価燃料領域のときは、切換弁76が、バイパス通路
を開いて、燃料タンク75と分離器77とを遮断する。
また、開閉弁78が閉じられ、開閉弁84が開かれる。
これにより、燃料タンク75からの燃料は、分離器77
を通ることなく、バイパス通路80を経て燃焼室1へと
供給される。このとき、補助タンク81に貯留されてい
た耐ノック成分が、バイパス通路80に供給されるた
め、燃焼室1へ供給される燃料のオクタン価は、燃料タ
ンク75に貯留されている燃料のオクタン価よりも高い
ものとなる。
【0078】以上の説明から既に明らかなように、燃料
タンク75中の燃料は、補助タンク81からの耐ノック
成分の供給を勘案して、燃焼室1での要求オクタン価よ
りも低いオクタン価のものとすることができる。また、
燃タンク75中の燃料のオクタン価を燃焼室1の要求オ
クタン価に合せておけば、補助タンク81からの耐ノッ
ク成分の増量分だけさらに他ノック性が向上されて、エ
ンジン出力を大幅に向上させることができる。
【0079】図28、図29の説明 図28、図29は、副室11、12での自己着火を早期
化するために、点火プラグ10を利用した混合気の活性
化により行なうようにしたものである。すなわち、吸気
行程から圧縮行程の間の所定時期、より具体的には、燃
焼室1に混合気が供給された後で正規の点火時期前のう
ち、点火プラグ10による点火を行なっても混合気の着
火が行なわれない時期に、点火プラグ10をパルス的に
作動(短時間の間に複数回作動)させる。これにより、
燃焼室1へ供給されている混合気は、活性化されること
になる。
【0080】活性化された混合気を燃焼室外周縁部へ偏
在させる、つまり副室11、12周囲に位置させるため
に、燃焼室1内に吸気のスワ−ルを生じさせるの好まし
い。すなわち、点火プラグ10付近で活性化された混合
気が、吸気のスワ−ルによって、燃焼室外周縁部へと移
動されることになる。このような活性化された混合気
が、燃焼室中心部から外周縁部へと移動していく途中の
状態が図28に示され、活性化された混合気が燃焼室外
周縁部に層状化して集中された状態が図29に示され
る。
【0081】図30の説明 図30は、噴孔11a、11b(12as、12b)の
形状を、副室11(12)から燃焼室1へ向けて徐々に
拡径するテ−パ状としたものである。これにより、副室
11(12)内に対してより多くのラジカルを流入させ
て、副室11(12)での自己着火が早期化される。図
30では、副室構成部材21(22)を、燃焼室側方か
ら取付ける場合を示しているが、副室構成部材21(2
2)を燃焼室上方から取付ける場合も同様である。
【0082】図31〜図33の説明 図31は、副室11と燃焼室1とを連通する連通口とし
て、噴孔11a、11bの他に、流入口81をさらに設
けたものである。この流入口81は、副室構成部材21
の先端部に形成されて、燃焼室中心部特に点火プラグ1
0に向かうように指向されている、そして、流入口81
の開口面積は、噴孔11a、11bの開口面積に比して
十分小さいものとされている。この流入口81を通し
て、副室11内にはラジカルがより多く流入されて、副
室11内での自己着火時期が早められる。なお、流入口
81の開口面積は、噴孔11a、11bに比して小さい
ので(抵抗が大きい)、副室11からの火炎は、そのほ
とんどが噴孔11a、11bから噴出される。なお、副
室12(副室構成部材22)についても同様に構成され
る。
【0083】図31は、副室構成部材21(22)を、
燃焼室側方から取付ける場合を示してあるが、燃焼室上
方から取付ける場合も同様に流入口81を設けることが
できる。図32、図33は、流入口81を有する副室構
成部材21、22を、燃焼室上方から取付ける場合の例
を示してある。この場合、図33から明らかなように、
流入口81の高さ位置を、点火プラグ10(点火ギャッ
プ)の高さ位置とほぼ同じとするのが、副室11、12
内により多くのラジカルを流入させる上で好ましいもの
となる。なお、この場合は、流入口81は、副室構成部
材21(22)の側面に形成される。
【0084】図34、図35の説明 図34は、図31に示すような流入口81を有するもの
において、流入口81に対向する副室11(12)の所
定内壁面82を、当該流入口81の軸線に対して直交す
る平面として構成してある。すなわち、流入口81を通
して副室11(12)内に流入する燃焼室1からの圧力
波が、所定内壁面82で反射されて、この反射された反
射波が流入口81へ向かうように設定してある。そし
て、流入口81と所定内壁面82との距離を、流入口8
1からの圧力波と所定内壁面82からの反射波とが共鳴
するように設定してある(ホルムヘルツの共鳴)。
【0085】これにより、副室11(12)内の混合気
の有するエネルギががより高められて、副室11(1
2)内での自己着火時期が早められる。なお、共鳴時期
を早めるために、副室11(12)の長さ(図34上下
方向長さ)を、副室11(12)の幅(図34左右方向
長さ)よりも小さく設定するのが好ましい。
【0086】図35は、1つの副室11(12)つまり
1つの副室構成部材21(22)に対てして、互いに鋭
角をなす角度関係で流入口81を2個設けると共に、こ
の各流入口81に対して所定内壁面82を2個設けてあ
る。この所定内壁面82を2個形成するに際しては、流
入口81に対向する副室内壁面を円錐形状に形成するこ
とにより構成してある。すなわち、流入口81が形成さ
れる副室構成部材21(22)の先端部内壁面形状は円
錐形状とされているが、この先端部内壁面に対向して所
定内壁面82とされる部分も円錐形状として形成されて
いる。この場合は、流入口81の数の増加と、共鳴効果
のさらなる高まりとによって、副室11(12)での自
己着火時期が飛躍的に高められる。
【0087】図36の説明 図36は、副室11(12)の内壁面全体あるいは一部
に、酸化促進触媒層83を形成(例えばPt、Rd等の
貴金属層をメッキする等により形成)して、低温酸化反
応を促進させ、もって副室11(12)内での自己着火
時期を早めるようにしたものである。
【0088】上記酸化促進触媒層83の代りに、セラミ
ック等の断熱層として形成してもよい。この場合は、副
室11(12)内部に停滞する既燃ガスの熱エネルギ
を、次の燃焼サイクルまで有効に保持して、副室11
(12)での自己着火時期を早めることができる。
【0089】図37の説明 図37は、外部から副室11(12)内に光エネルギを
付与して、副室11(12)内の混合気を振動させて活
性化させ、もって副室11(12)内での自己着火時期
を早めるようにした場合の例を示す。すなわち副室構成
部材21(22)に、副室11(12)に連なる光通路
85を形成して、この光通路85中に、副室中心部にお
いて焦点を結ばせるレンズ86を配設する。用いる光線
としては、UV光線、レ−ザ光線等エネルギ密度の高い
ものが選択される。なお、このような光エネルギは、副
室11(12)内に直接付与する場合に比して効果は劣
るが、燃焼室1(特に燃焼室外周縁部のうち副室付近)
に付与することもできる。
【0090】図38 図39の説明 図38 図39は、シリンダヘッドSHの下面に、吸気
ポ−ト2と排気ポ−ト4との間においてスキッシュエリ
ア91を形成し、吸気ポ−ト3と排気ポ−ト5との間に
おいてスキッシュエリア92を形成してある。このスキ
ッシュエリア91、92が形成された部分に対応して、
副室11、12をシリンダヘッドSHの鋳造時に中空部
として同時に形成するようにしてある。そして、各噴孔
11a〜12bを、スキッシュエリア91、92に開口
させるようにしてある。また、副室11、12と燃焼室
1とを連通する流入口81(図31〜図33の説明参
照)を、点火プラグ10と略同一高さ一において燃焼室
1に開口するように形成してある。
【0091】上記スキッシュエリア91、92による混
合気の乱れ促進により、副室11、12での自己着火が
早期化される。また、噴孔11a〜12bをスキッシュ
エリアに設けてあるため、主火炎と副火炎との衝突(乱
れ)が促進されて、主火炎中での酸化、還元反応も促進
されることになる(HC、NOxのさらなる低減)。さ
らに、スキッシュ流により、後期燃焼も促進されて、N
Ox低減の上でより好ましいものとなる。スキッシュエ
リアは、上記91、92に代えてあるいは加えて、各吸
気ポ−ト2と3との間および各排気ポ−ト4と5との間
に形成して、この部分に副室を形成するようにしてもよ
い。
【0092】なお、副室11、12をシリンダヘッドS
Hの鋳造時に形成することにより、噴孔11a〜12b
の位置と合せてその配設位置を常に所望の位置とするこ
とができ(噴孔11a〜12bは、シリンダヘッドSH
の鋳造時に同時に形成することもできるが、鋳造後に機
械加工により形成することがもきる)。また、圧縮比を
十分確保する上でも好ましい態様となる。
【0093】混合気の乱れ促進による副室11、12で
の自己着火早期化という点では、既に述べたように、吸
気のスワ−ルを生成するのが好ましく、あるいは、吸気
のタンブル(縦渦)を形成するようにしてもよい。特
に、吸気のタンブルを形成した場合は、燃焼室1の高さ
方向の乱れも促進されるため、ラジカル領域K2の厚さ
を厚くして、副室11、12での自己着火促進の上で特
に好ましいものとなる。なお、吸気のタンブルを形成す
るには、例えば、2つの吸気ポ−ト2、3を極力シリン
ダ軸線方向に伸びるように燃焼室1に開口させて、両方
の吸気ポ−ト2、3から共に吸気を供給するようにすれ
ばよい(2つの平行なタンブル形成)。
【0094】補足説明 副室11、12での自己着火を早期化するためには、前
述した種々の態様の他、さらに次のような手法をも採択
し得る。すなわち、火炎電離性に優れた物質、例えばK
a、Ce等の物質を燃焼室1内に吸入空気あるい燃料に
混合して供給するようにしてもよい(ラジカル濃度の増
大)。この場合、火炎電離性に優れた物質は、燃焼室1
に均一に分布させる、燃焼室外周縁部に偏在させる、あ
るいは燃焼室中心部に偏在させる、のいずれの態様で供
給してもよい。また、副室11、12(副室構成部材2
1、22)の燃焼室1への突き出し量を増大させること
によって、副室11、12での自己着火時期を早めるこ
とができる。
【0095】以上実施例について説明したが、本発明は
これに限らず、例えば次のような場合をも含むものであ
る。 (1)副室は、1つの燃焼室に対して1個のみあるは燃焼
室周方向略等間隔に3個以上設けてもよい。 また、1つの副室に対して、噴孔を1つのみとしてもよ
くあるいは3個以上としてもよい。噴孔を1つとした場
合は、噴孔の燃焼室に対する開口方向を、吸気スワ−ル
の流れ方向、つまり吸気スワ−ルによって副火炎が燃焼
室周方向に成長されるのが促進される方向に開口するの
が好ましい。いずれにしても、副室の数、噴孔の数は、
点火プラグによる着火後早期に、副火炎が燃焼室1の全
外周縁部を覆うように成長する(環状の副火炎生成)よ
うに設定するのがよい(主火炎と合対する前に、副火炎
が環状火炎面を生成するように設定)。
【0096】(2)燃焼室形状は、ペントル−フ型に限ら
ず、半球形、くさび形等適宜の形状であってもよい。 (3)副室は、シリンダヘッドと別体に形成された副室構
成部材を、シリンダヘッド鋳造時に鋳ぐるむことにより
構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、シリンダヘッ
ドをその下面側から見たときの簡略平面図、
【図2】図1のX2−X2線断面図。
【図3】本発明の別の実施例を示すもので、図1に対応
した図。
【図4】図3のX4−X4線断面図。
【図5】副室構成部材の一例を示す断面図。
【図6】隣接する2つの燃焼室間における副室構成部材
の好ましい配設例を示す簡略平面図。
【図7】図6のX7−X7線断面図。
【図8】図6、図7に示される副室構成部材の詳細を示
す断面図。
【図9】本発明の別の実施例を示すもので、図1に対応
した図。
【図10】本発明の別の実施例を示す要部断面図。
【図11】本発明の別の実施例を示す要部断面図。
【図12】本発明の別の実施例を示す簡略平面図。
【図13】本発明の別の実施例を示す簡略平面図。
【図14】本発明の別の実施例を示す簡略平面図。
【図15】高温EGRあるいは低温EGRとを行なう場
合の具体例を示す簡略平面図。
【図16】図15に示されるEGRポ−トの開閉時期の
一例を示す図。
【図17】図15に示されるEGRポ−トの開閉時期の
他の例を示す図。
【図18】高温EGRと低温EGRを切換えて行なうと
きの好ましい構成例を示す簡略平面図。
【図19】酸素濃度あるいは窒素濃度を制御するときの
構成例を示す簡略平面図。
【図20】混合気の分布を燃焼室外周縁部に偏在させる
ときの構成例を示す簡略平面図。
【図21】オクタン価の相違する2種類の燃料の供給態
様例を示す簡略平面図。
【図22】オクタン価の相違する2種類の燃料の別の供
給態様例を示す簡略平面図。
【図23】図22の状態から時間経過したときの状態を
示す簡略平面図。
【図24】オクタン価の相違する2種類の燃料の使用領
域の設定例を示す図。
【図25】オクタン価の相違する2種類の燃料の供給切
換えを行なうための一例を示す図。
【図26】オクタン価の相違する2種類の燃料の供給切
換えを行なうための他の例を示す図。
【図27】オクタン価の相違する2種類の燃料の供給切
換えを行なうためのさらに別の例を示す図。
【図28】点火プラグを利用した混合気の活性化の一例
を説明するための簡略平面図。
【図29】図28の状態から時間経過したときを示す簡
略平面図。
【図30】噴孔の好ましい設定例を示す要部断面図。
【図31】副室構成部材の好ましい設定例を示す要部断
面図。
【図32】副室構成部材の好ましい設定例を示すもの
で、図1に対応した簡略平面図。
【図33】図32のX33−X33線断面図。
【図34】副室構成部材の好ましい設定例を示す要部断
面図。
【図35】副室構成部材の好ましい設定例を示す要部断
面図。
【図36】副室構成部材の好ましい設定例を示す要部断
面図。
【図37】副室構成部材の好ましい設定例を示す要部断
面図。
【図38】副室の好ましい構成例を示す簡略平面図。
【図39】図38のX39−X39線断面図。
【符号の説明】
1:燃焼室 2,3:吸気ポ−ト 4,5:排気ポ−ト 10:点火プラグ 11,12:副室 11a〜12b:噴孔 21,22:副室構成部材 25:本体部材 26:固定部材 31:副室構成部材(2つの燃焼室兼用) 41:発熱層 43:冷却水通路 51:EGRポ−ト 52:高温EGRガス用貯留室 53:シャッタ弁(吸気スワ−ル用) 54:低温用EGR通路 55:開閉弁 62:酸素富化膜 63:窒素吸着剤 65:燃料噴射弁 67:高オクタン価燃料用タンク 68:低オクタン価燃料用タンク 77:耐ノック成分分離器 81:耐ノック成分貯留用タンク 81:流入口(副室での自己着火促進用) 82:圧力波の反射壁 83:酸化促進層(または断熱層) 85:光線通路 86:レンズ 91,92:スキッシュエリア α:ペントル−フ型燃焼室の稜線 SH:シリンダヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02B 23/00 D S E 23/08 B F02D 19/06 Z F02M 7/06 25/07 550 R G 580 C 37/00 341 Z 63/00 Q M (72)発明者 山本 博之 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼室に配設された点火プラグにより、燃
    焼室に供給された混合気の着火を行うようにした火花点
    火式のエンジンにおいて、 燃焼室外周縁部に副室が構成され、 前記副室は、燃焼室の略接線方向に指向された噴孔を介
    して燃焼室と連通され、 前記点火プラグが、前記副室内には配設されていないで
    燃焼室の略中心部にのみ配設され、 前記点火プラグによる混合気の着火後に、前記副室内で
    自己着火が行なわれるように設定されている、ことを特
    徴とするエンジンの燃焼制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記副室が、燃焼室の周方向略等間隔に複数設けられ、 前記噴孔が、各副室に対してそれぞれ、互いに燃焼室の
    周方向において逆向きとなるように設定された少なくと
    も2個設けられているもの。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記副室が、燃焼室の周方向に略180度間隔で合計2
    個設けられているもの。
  4. 【請求項4】請求項1において、 内部に前記副室を構成すると共に前記噴孔が形成された
    副室構成部材が、エンジン本体とは別体に形成され、 前記副室構成部材が、前記噴孔が燃焼室内に臨むように
    してエンジン本体に取付けられているもの。
  5. 【請求項5】請求項4において、 燃焼室形状が、ペントル−フ型とされ、 前記ペントル−フ型燃焼室の稜線の各端部において、前
    記副室構成部材が燃焼室の上方からエンジン本体に取付
    けられているもの。
  6. 【請求項6】請求項1において、 前記副室が、前記噴孔の他に、前記点火プラグに指向さ
    れた流入孔を介して燃焼室と連通されているもの。
  7. 【請求項7】請求項6において、 前記流入孔の開口面積が、前記噴孔の開口面積よりも十
    分に小さくされているもの。
  8. 【請求項8】請求項4において、 前記副室構成部材が、燃焼室の側方から、エンジン本体
    に取付けられているもの。
  9. 【請求項9】請求項8において、 前記副室構成部材が、互いに離間した2組の副室および
    噴孔とを有する構造として構成され、 隣接する2つの燃焼室に跨がって前記副室構成部材が配
    設されて、該副室構成部材の一方の組の噴孔が一方の燃
    焼室に臨まされ、他方の組の噴孔が他方の燃焼室に臨ま
    されているもの。
  10. 【請求項10】請求項1において、 燃焼室が、スキッシュエリアを有するものとして構成さ
    れ、 前記副室が前記スキッシュエリア近傍に形成され、 前記噴孔が、前記スキッシュエリアに開口されているも
    の。
  11. 【請求項11】請求項4において、 前記副室構成部材が、前記副室および噴孔を有する本体
    部材と、エンジン本体に螺合されて該本体部材をエンジ
    ン本体に固定するための固定部材とから構成されている
    もの。
  12. 【請求項12】請求項11において、 前記本体部材内の副室が前記固定部材によって施蓋され
    て、該副室が該固定部材によってエンジン本体外部と遮
    断されているもの。
  13. 【請求項13】請求項1において、 燃焼室外周縁部に、発熱手段が設けられているもの。
  14. 【請求項14】請求項4において、 前記副室の近傍に、エンジンの冷却水通路が形成されて
    おり、 エンジンの低温時に、前記副室近傍にある前記冷却水通
    路での冷却水通過が禁止されるもの。
  15. 【請求項15】請求項1において、 高温のEGRガスを、燃焼室の中心部あるいは外周縁部
    に偏在して供給するための高温EGR手段を有するも
    の。
  16. 【請求項16】請求項15において、 前記高温EGR手段が、連通ポートを介して燃焼室と連
    通されたEGRガス貯留室と、該連通ポートを開閉する
    ためのEGR弁と、を備え、 前記EGR弁が、エンジンの膨張行程に開かれると共
    に、吸気行程あるいは圧縮行程において開かれるもの。
  17. 【請求項17】請求項16において、 前記EGR弁が、前記EGRガス貯留室の圧力と燃焼室
    の圧力とが略等しくなるタイミングで開かれるもの。
  18. 【請求項18】請求項16において、 前記EGRガス貯留室が、低温のEGRガスを供給する
    ための低温EGR通路に対して開閉弁を介して接続さ
    れ、 前記開閉弁が、エンジンの低温時または低負荷時には閉
    とされ、エンジンの高負荷時に開とされるもの。
  19. 【請求項19】請求項1において、 燃焼室内において吸気の渦を生成する渦流生成手段を備
    えているもの。
  20. 【請求項20】請求項19において、 前記吸気の渦が、縦渦とされるもの。
  21. 【請求項21】請求項1において、 燃焼室中心部あるいは燃焼室外周縁部が、酸素濃度の高
    い酸素リッチ領域とされるもの。
  22. 【請求項22】請求項1において、 燃焼室中心部あるいは燃焼室外周縁部が、窒素濃度の低
    い窒素リ−ン領域とされるもの。
  23. 【請求項23】請求項1において、 燃焼室に、火炎電離性に優れた物質が供給されるもの。
  24. 【請求項24】請求項1において、 濃混合気が、燃焼室中心部あるいは燃焼室外周縁部に偏
    在して供給されるもの。
  25. 【請求項25】請求項1において、 燃焼室に対して、エンジンのノッキングが生じやすい運
    転領域では高オクタン価燃料を供給し、その他の運転領
    域では低オクタン価燃料を供給する供給燃料切換手段を
    有するもの。
  26. 【請求項26】請求項1において、 燃焼室に対して、高オクタン価燃料と低オクタン価燃料
    とが共に供給されるように設定され、 前記低オクタン価燃料が、燃焼室の中心部あるいは燃焼
    室外周縁部に偏在して供給されるもの。
  27. 【請求項27】請求項25において、 燃焼室へ供給される燃料中から耐ノック成分を分離する
    分離手段を備え、 燃焼室へ低オクタン価燃料を供給するときは、前記分離
    手段により耐ノック成分が分離された後の燃料が供給さ
    れ、 燃焼室へ高オクタン燃料を供給するときは、前記分離手
    段による耐ノック成分の分離を禁止すると共に、該分離
    手段で分離された耐ノック成分が付加された燃料が燃焼
    室へ供給されるもの。
  28. 【請求項28】請求項1において、 エンジンの吸気行程から圧縮行程のうち、混合気の着火
    に関与しないタイミングにおいて、前記点火プラグがパ
    ルス的に作動されるもの。
  29. 【請求項29】請求項1において、 前記副室が、吸気ポ−トと排気ポ−トとの間のうち、排
    気ポ−ト側にオフセットされた位置に配設されているも
    の。
  30. 【請求項30】請求項7において、 前記副室を画成する壁面のうち前記流入孔に臨む所定内
    壁面と該流入孔との間の距離が、所定距離となるように
    設定され、 前記所定距離が、該流入孔から副室へ導入される圧力波
    と、該圧力波が前記内壁面で反射された反射波とが該副
    室内で共鳴するように設定されていもの。
  31. 【請求項31】請求項1において、 前記副室内に、発熱手段が配設されているもの。
  32. 【請求項32】請求項1において、 前記副室の画成壁が、断熱構造とされているもの。
  33. 【請求項33】請求項1において、 前記副室の内壁面に、酸化促進用の触媒層が形成されて
    いるもの。
  34. 【請求項34】請求項1において、 前記副室内に、UV光線あるいはレ−ザ光線を照射する
    照射手段が設けられているもの。
  35. 【請求項35】請求項1において、 前記副室での自己着火により前記噴孔から噴出された副
    火炎が、燃焼室周方向全長に渡って成長して環状の火炎
    を形成するもの。
  36. 【請求項36】請求項34において、 前記環状の火炎が形成された後、該環状の火炎が前記点
    火プラグにより着火されることにより生じる主火炎と合
    致されるもの。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008190468A (ja) * 2007-02-06 2008-08-21 Toyota Motor Corp 水素利用内燃機関
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JP2019157796A (ja) * 2018-03-15 2019-09-19 大阪瓦斯株式会社 点火装置、及びそれを備えたエンジン
CN115750067A (zh) * 2022-11-09 2023-03-07 重庆长安汽车股份有限公司 一种混动汽油机燃烧系统、燃烧方法、发动机和车辆

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