JPH07259274A - コンクリート建造物の屋根 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート建造物のコンクリート上部壁に
所定の高さを有して、簡単な構成で且つ安価に金属屋根
板を取り付けることができるようにする。 【構成】 コンクリート上部壁２の立ち上り部２ａに囲
まれた平面に排水樋６を配設する。このコンクリート上
部壁２の平面に、複数の吊子１２の基部１２ｃを固着
し、これら複数の吊子１２の直立部１２ｄ間及びコンク
リート上部壁２の立ち上り壁２ａの内側面とこれに対向
する吊子１２の直立部１２ｄ間に位置させて、厚板状の
発泡ウレタンフォームなどの断熱材１６を配置する。こ
れら断熱材１６の上に複数の金属屋根板１８を並列状に
展張するとともに、隣接する金属屋根板１８を、吊子１
２の吊片１２ｅとともに重合巻回し、隣接する金属屋根
板１８を互いに吊子１２とともに連結する。これら金属
屋根板１８を流れる雨水が排水樋６に導かれるように金
属屋根板１８の長手方向の端縁部１８ｆを排水樋６に臨
ませる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はコンクリート建造物用の
屋根に関する。

【０００２】

【従来の技術】コンクリート建造物の上部壁に屋根を葺
くには、雨水を受ける排水樋を設置する。この排水樋に
雨水を導くためには、屋根板を所定の高さに保持する必
要があり、そのため、従来は、下地板と木や鉄などのス
ペーサにて小屋組を設け、この小屋組の下地板に吊子を
止めて、この吊子に金属の屋根板を取り付けている。

【０００３】

【発明が解決しようとする問題点】上記のように下地板
やスペーサで小屋組を組み立てると構造が複雑となり組
み立て作業が容易でなくしかも高価となる欠陥が存し
た。また、木や鉄などでスペーサを構成すると、これら
はコンクリートの湿度やアクなどによって腐食してしま
う欠陥が存した。本発明は上記欠陥を除去することを目
的とするものである。

【０００４】

【問題点を解決する手段】上記目的を達成するため、本
発明は、コンクリート建造物の上部壁２の上面に排水樋
６を設置し、前記上部壁２に所定の高さを有して複数の
金属屋根板１８を連結配置したコンクリート建造物の屋
根において、前記コンクリート上部壁２に、基部１２ｃ
と直立部１２ｄと吊片１２ｅとを有する金属製の吊子１
２を複数配列し、これらの吊子１２の各々の基部１２ｃ
を前記コンクリート上部壁２に固着し、前記コンクリー
ト上部壁２に前記複数の吊子１２の直立部１２ｄ間及び
コンクリート上部壁２の立ち上り壁２ａの内側面とこれ
に対向する吊子１２の直立部１２ｄ間に位置させて、所
定の厚さを有する発泡ウレタンフォームなどの断熱材１
６を配置し、前記断熱材１６上に複数の金属屋根板１８
を並列状に展張するとともに隣接する金属屋根板１８
を、前記吊子１２の吊片１２ｅとともに重合して巻回
し、前記隣接する金属屋根板１８を連結し、前記金属屋
根板１８の長手方向の端縁部１８ｆを前記排水樋６に臨
ませたものである。

【０００５】

【作用】吊子１２と断熱材１６によってコンクリート上
部壁２に対して金属屋根板１８が所定の高さに保持され
るので、下地板や木や鉄などのスペーサから成る強固な
小屋組を設ける必要がなく、安価に金属屋根板１８をコ
ンクリート上部壁２に取り付けることができる。また、
断熱材１６などのスペーサには屋根板１８の重量がかか
らないので、安価で腐食しない発泡材などを用いること
ができるので、スペーサの腐食の問題も解決できる。

【０００６】

【実施例】以下に本発明の構成を添付図面に示す実施例
を参照して詳細に説明する。２はコンクリート建造物の
上部壁であり、周囲に立ち上り壁２ａが形成されてい
る。４は、前記上部壁２の平面に開口する排水口であ
り、該上部壁２の平面の隅に配置されている。６，６
は、前記上部壁２の立ち上り壁２ａで囲まれた平面の上
方と下方に、雨水が落下する方向Ｂに対して直角方向に
配設された金属板（ステンレス）製の排水樋であり、各
々の一方の側壁が止着子８によって立ち上り壁２ａに固
定されている。前記排水樋６，６には、前記排水口４に
対応して排出口１０が透設されている。

【０００７】前記上部壁２の平面には、二重重ね部１２
ａと一重部１２ｂとから成る基部１２ｃと、直立部１２
ｄと、吊片１２ｅとが屈折形成された細長い金属板（ス
テンレス）製の吊子１２が、排水樋６と、立ち上り壁２
ａ間に位置して、雨水の落下方向Ｂと平行に複数配置さ
れ、各々の吊子１２の基部１２ｃは、止着子１４によっ
てコンクリート上部壁２に固着されている。前記吊子１
２の直立部１２ｄ間、及び立ち上り壁２ａの内側面とこ
れに対向する吊子１２の直立部１２ｄ間に、安価な発泡
ウレタンフォームなどの厚板状断熱材１６が密嵌配置さ
れている。

【０００８】前記断熱材１６の上面には、複数の長方形
状の金属（ステンレス）屋根板１８が、吊子１２と平行
に配置されている。前記複数の金属屋根板１８は、隣接
する側縁部分が重合巻回され互いに並列状に連結されて
いる。この金属屋根板１８の重合巻回部２０は、第７図
に示す如く、隣接する金属屋根板１８の板面から直角状
に起立する側縁部１８ａ，１８ｂを合掌状に重合し、且
つ前記側縁部１８ａ，１８ｂから直角に延びる上位水平
部１８ｄ，１８ｅを巻込んで構成されている。上記重合
巻回部２０は、図５に示すように、更に、吊子１２の吊
片１２ｅを重合して巻込んでおり、金属屋根板１８は、
吊子１２に固定されている。

【０００９】前記各屋根板１８の長手方向の両端部１８
ｆ，１８ｇ’は、排水樋６，６の内側に若干突出して配
置され、最も外側の金属屋根板１８の側端縁１８ｇは、
図４に示すように立ち上り壁２ａの内側面に当接配置さ
れている。

【００１０】

【効果】本発明は上述の如く、金属の吊子をコンクリー
ト建造物の上部壁に直接止着し、更に発泡ウレタンフォ
ームなどの断熱材にて高さを取り、排水樋を取り付ける
ようにしたので、従来のように下地材や木や鉄などのス
ペーサによる強固な小屋組を必要とせず、安価に金属屋
根板をコンクリート上部壁に取り付けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の要部の一部切欠外観図である。

【図２】本発明の要部の断面図である。

【図３】本発明の要部の断面図である。

【図４】本発明の要部の断面図である。

【図５】本発明の説明図である。

【図６】吊子の外観図である。

【図７】屋根板の断面図である。

【図８】本発明の全体平面図である。

【図９】Ａ−Ａ線断面図である。

【符号の説明】

２ コンクリート上部壁 ２ａ 立ち上り壁 ４ 排水口 ６ 排水樋 ８ 止着子 １０ 排水口 １２ 吊子 １４ 止着子 １６ 断熱材 １８ 屋根板 ２０ 重合巻回部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリート建造物の上部壁（２）の上
   面に排水樋（６）を設置し、前記上部壁（２）に所定の
   高さを有して複数の金属屋根板（１８）を連結配置した
   コンクリート建造物の屋根において、前記コンクリート
   上部壁（２）に、基部（１２ｃ）と直立部（１２ｄ）と
   吊片（１２ｅ）とを有する金属製の吊子（１２）を複数
   配列し、これらの吊子（１２）の各々の基部（１２ｃ）
   を前記コンクリート上部壁（２）に固着し、前記コンク
   リート上部壁（２）に前記複数の吊子（１２）の直立部
   （１２ｄ）間及びコンクリート上部壁（２）の立ち上り
   壁（２ａ）の内側面とこれに対向する吊子（１２）の直
   立部（１２ｄ）間に位置させて、所定の厚さを有する発
   泡ウレタンフォームなどの断熱材（１６）を配置し、前
   記断熱材（１６）上に複数の金属屋根板（１８）を並列
   状に展張するとともに隣接する金属屋根板（１８）を、
   前記吊子（１２）の吊片（１２ｅ）とともに重合して巻
   回し、前記隣接する金属屋根板（１８）を連結し、前記
   金属屋根板（１８）の長手方向の端縁部（１８ｆ）を前
   記排水樋（６）に臨ませたことを特徴とするコンクリー
   ト建造物の屋根。